JP6273830B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に関し、特に、駆動波形を圧力発生手段に印加することにより当該圧力発生手段を駆動させて圧力室内の液体に圧力変動を生じさせてノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置に関するものである。
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射(吐出)する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を活かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
ここで、上記の液体噴射ヘッドは、圧力発生手段を駆動することで、ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動を利用してノズルから液体を噴射させる。なお、圧力発生手段としては、駆動信号(駆動電圧)が供給されることにより変形する圧電素子が好適に用いられる。また、液体を噴射する駆動信号としては、精度よく液体を噴射することができることから、基準電位からこの基準電位よりも低い膨張電位まで変化して圧力室を膨張させる膨張要素と、この膨張電位から基準電位まで変化して圧力室を収縮させる収縮要素とを備えた、いわゆる台形波の噴射駆動パルス(駆動電圧波形)が用いられる。さらに、駆動信号としては、噴射駆動パルスの他に、液体が噴射されないノズルにおけるメニスカスの増粘を低減することを目的として、液体が噴射されない程度に圧力室内の液体を振動(いわゆる微振動動作)させる微振動駆動パルスがある(例えば、特許文献1参照。)。この微振動駆動パルスは、基準電位からの電圧変化量が噴射駆動パルスよりも小さい台形波が用いられる。このような微振動駆動パルスが圧電素子に印加されると、圧電素子が発熱し、圧力室内の液体を加熱すると共に、圧力室内の液体を攪拌する。このような微振動駆動パルスによる微振動駆動は、液体を噴射する回数が比較的多く、圧電素子の発熱により増粘が抑制されているノズルと、液体を噴射する回数が比較的少なく、増粘が進行しているノズルとの間の噴射特性(噴射される液体の量や飛翔速度等)のばらつきを抑制するべく、液体噴射処理中において液体の噴射が行われないノズルに対して行われている。
ところで、圧電素子は印加される駆動電圧に対するその変位量(変形量)が、非線形な特性(具体的には、ヒステリシス特性)を有していることが知られている。例えば、図5に例示する圧電素子の圧電特性では、駆動電圧に対する変位量の割合が大きい線形領域の上下両側(低電圧側及び高電圧側)に駆動電圧に対する変位量の割合が小さい非線形領域が存在する。このため、駆動電圧波形である台形波を用いて確実に液体を噴射するべく、圧力室内の圧力変動を可及的に大きくしたい場合、台形波の基準電位が高電圧側の非線形領域に対応する電位に設定され、膨張電位が低電圧側の非線形領域に対応する電位に設定される。このように駆動電圧の電圧変化域に線形領域を含めることで、圧電素子の変位量を大きくとることができ、例えば、紫外線(光)が照射されると硬化するUVインク等の高粘度の液体を精度良く噴射することが可能になる。
特開2010−264689号公報
しかしながら、圧電素子の変位量を大きくとるべく、基準電位を高くした場合、微振動動作によって増粘を十分に低減(抑制)できない虞がある。具体的には、微振動駆動パルスの電圧変化量は噴射駆動パルスと比べて小さいため、基準電位が高くなると線形領域を十分に利用できず、圧電素子による変位量が不十分になる。すなわち、基準電位が高くなればなるほど、微振動駆動パルスの電圧変化域に占める非線形領域の割合が大きくなり、圧電素子の変位量が小さくなる。これにより、圧力室内の液体を十分に攪拌できなくなるだけでなく、圧電素子による発熱量が低下し、圧力室内の液体を十分に加熱できなくなる。その結果、液体を噴射する回数が比較的多いノズルと、液体を噴射する回数が比較的少ないノズルとの間で、液体の粘度が異なり、ノズルから噴射される液体の量や飛翔速度等の噴射特性にばらつきが生じる。特に、UVインクは、通常のインクと比べて、温度変化によって変化する粘度の割合が大きいため、上記の噴射特性のばらつきが顕著になる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズル間の液体の温度差を低減して各ノズルにおける噴射特性を一定に揃えることが可能な液体噴射装置を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、圧力発生手段を駆動することで圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動により当該圧力室に連通するノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドを備え、
前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから液体を噴射する第1の駆動波形と、前記ノズルから液体が噴射されない程度に前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる複数の第2の駆動波形と、を発生可能であり、
前記第1の駆動波形は、電位変化の基準となる基準電位から当該基準電位よりも低い第1の電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第1膨張要素と、前記第1の電位から前記基準電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第1収縮要素と、を有し、
前記第2の駆動波形は、前記基準電位よりも低い第2の電位から当該第2の電位及び前記第1の電位よりも高く、且つ前記基準電位よりも低い第3の電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第2収縮要素と、前記第3の電位から前記第2の電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第2膨張要素と、を備えたことを特徴とする。
また、上記構成において、複数の前記第2の駆動波形の組からなる第2の駆動波形群を発生可能であり、
当該第2の駆動波形群の前に、前記基準電位から前記第2の電位まで変化させる前側変化要素を発生することが望ましい。
さらに、上記構成において、前記第2の駆動波形群の後に、前記第2の電位から前記基準電位まで変化させる後側変化要素を発生することが望ましい。
また、上記各構成において、前記液体は、光を照射することで硬化する光硬化型液体であることが望ましい。
本発明によれば、第2の駆動波形は、基準電位よりも低い第2の電位と、第1の電位及び第2の電位よりも高く、且つ基準電位よりも低い第3の電位との間で電圧が変化するので、圧力発生手段の一種である圧電素子(圧電体)の圧電特性における変位量(変形量)の大きい領域で圧電素子を駆動することができる。これにより、液体が噴射されないノズルに対応する圧力室内の液体を微振動させる際において、圧電素子による発熱量を高めることができる。その結果、液体が噴射されるノズルと液体が噴射されないノズルとの間における液体の温度差を低減することができ、ノズル間の液体の噴射特性のばらつきを抑制することが可能となる。また、印刷動作間に行われるメンテナンス動作(圧力室内の液体を微振動させる微振動動作)において、圧電素子による発熱量を高めることができるため、液体の増粘を抑制する効果を高めることができる。その結果、メンテナンス動作の時間を短くすることができる。特に、UVインク等の光硬化型液体は、通常のインクと比べて、揮発によって増粘し難い代わりに、温度変化によって変化する粘度の割合が大きいため、メンテナンス動作時間の短縮による粘度の上昇よりも、圧電素子の発熱による粘度の低下の方が顕著になる。その結果、光硬化型液体を用いた液体噴射装置における微振動動作の時間を一層短くすることができる。さらに、第2の駆動波形は、基準電位よりも低い第2の電位及び第3の電位の間で圧電素子を駆動するので、第1の駆動波形と比べて圧電素子の変位量を抑えることができる。これにより、隣り合う圧力室同士を区画する隔壁に張力が発生することによる当該隔壁の撓みを抑制することができ、これに起因する噴射特性の変化、所謂クロストークを抑制することができる。
また、上記目的を達成するために提案される本発明の液体噴射装置は、以下の構成を備えたものであってもよい。
すなわち、圧力発生手段を駆動することで圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動により当該圧力室に連通するノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドを備え、
前記圧力発生手段は、第1の電極と、前記第1の電極との間に圧電体層を挟んで設けられた第2の電極と、を有し、
前記圧力発生手段の前記第1の電極に印加されて前記ノズルから液体を噴射する第1の駆動波形と、前記圧力発生手段の前記第1の電極に印加されて前記ノズルから液体が噴射されない程度に前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる複数の第2の駆動波形と、前記第2の電極に印加される直流電圧であるバイアス電位と、を発生可能であり、
前記第1の駆動波形は、電位変化の基準となる基準電位から当該基準電位及び前記バイアス電位よりも低い第1の電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第1膨張要素と、前記第1の電位から前記基準電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第1収縮要素と、を有し、
前記第2の駆動波形は、前記基準電位及び前記バイアス電位よりも低く、且つ、前記第1の電位よりも高い第2の電位から当該第2の電位及び前記バイアス電位よりも高く、且つ前記基準電位よりも低い第3の電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第2収縮要素と、前記第3の電位から前記第2の電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第2膨張要素と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第2の駆動波形は、基準電位及びバイアス電位よりも低く、且つ、第1の電位よりも高い第2の電位と、第2の電位及びバイアス電位よりも高く、且つ基準電位よりも低い第3の電位との間で電圧が変化するので、圧力発生手段の一種である圧電素子(圧電体)の圧電特性における変位量(変形量)の大きい領域で圧電素子を駆動することができる。これにより、液体が噴射されないノズルに対応する圧力室内の液体を微振動させる際において、圧電素子による発熱量を高めることができる。その結果、液体が噴射されるノズルと液体が噴射されないノズルとの間における液体の温度差を低減することができ、ノズル間の液体の噴射特性のばらつきを抑制することが可能となる。また、印刷動作間に行われるメンテナンス動作(圧力室内の液体を微振動させる微振動動作)において、圧電素子による発熱量を高めることができるため、液体の増粘を抑制する効果を高めることができる。その結果、メンテナンス動作の時間を短くすることができる。特に、UVインク等の光硬化型液体は、通常のインクと比べて、揮発によって増粘し難い代わりに、温度変化によって変化する粘度の割合が大きいため、メンテナンス動作時間の短縮による粘度の上昇よりも、圧電素子の発熱による粘度の低下の方が顕著になる。その結果、光硬化型液体を用いた液体噴射装置における微振動動作の時間を一層短くすることができる。さらに、第2の駆動波形は、基準電位よりも低い第2の電位及び第3の電位の間で圧電素子を駆動するので、第1の駆動波形と比べて圧電素子の変位量を抑えることができる。これにより、隣り合う圧力室同士を区画する隔壁に張力が発生することによる当該隔壁の撓みを抑制することができ、これに起因する噴射特性の変化、所謂クロストークを抑制することができる。
プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 プリンターの内部構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 駆動信号の構成を説明する波形図である。 圧電素子の駆動電圧と変位量との関係を示した特性図である。 前側変化要素または後側変化要素において誤ってインクが噴射されない電圧勾配の大きさを調べた表である。 (a)は噴射駆動パルスを圧電素子に連続印加した場合の波形図であり、(b)は微振動駆動パルスを圧電素子に連続印加した場合の波形図である。 圧電素子の動きを説明する模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図、図2は、プリンター1の内部構成を説明する斜視図である。外部装置2は、例えばコンピューター、デジタルカメラ、携帯電話機、携帯情報端末機などの電子機器である。この外部装置2は、プリンター1と無線又は有線で電気的に接続されており、プリンター1において記録紙等の記録媒体Sに画像やテキストを印刷させるため、その画像等に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
本実施形態におけるプリンター1は、紙送り機構3、キャリッジ移動機構4、リニアエンコーダー5、および記録ヘッド6等のプリントエンジン13と、プリンターコントローラー7とを有する。記録ヘッド6は、インクカートリッジ17(液体供給源)を搭載したキャリッジ16の底面側に取り付けられている。そして、当該キャリッジ16は、キャリッジ移動機構4によってガイドロッド18に沿って往復移動可能に構成されている。すなわち、プリンター1は、紙送り機構3によって記録紙等の記録媒体S(着弾対象の一種)を順次搬送すると共に、記録媒体に対して記録ヘッド6を記録媒体Sの幅方向(主走査方向)に相対移動させながら当該記録ヘッド6のノズル25(図3参照)からインクを噴射させて、記録媒体S上に当該インクを着弾させることにより画像等を記録する。なお、インクカートリッジ17がプリンターの本体側に配置され、当該インクカートリッジ17のインクが供給チューブを通じて記録ヘッド6側に送られる構成を採用することもできる。
本実施形態のインクは、紫外線(光)が照射されると硬化するUVインク(本発明における光硬化型液体の一種)が用いられている。このUVインクは、光重合開始剤が含有されたインクであり、通常のインク(例えば、水系のインク)に比べて、粘度が高いことが知られている(例えば、常温で8mPa・s以上)。また、UVインクは、通常のインクに比べて、揮発し難く、温度変化によって変化する粘度の割合が大きいことも知られている。すなわち、UVインクは、通常のインクに比べて、高温での低粘度化が顕著になっている。なお、記録媒体Sに向けて紫外線を照射するUVランプ12は、例えば、キャリッジ16の底面側であって記録媒体Sの搬送方向における記録ヘッド6よりも下流側に取り付けられる。そして、下流側に送られてきた記録媒体S上に対して往復移動しながら紫外線を照射する。これにより、記録媒体S上に着弾したインクが硬化し、記録媒体S上に定着する。なお、記録媒体Sの搬送方向における下流側において、UVランプを記録領域に亘って配置する構成を採用することもできる。
プリンターコントローラー7は、プリンターの各部の制御を行う制御ユニットである。本実施形態におけるプリンターコントローラー7は、インターフェース(I/F)部8と、制御部9と、記憶部10と、駆動信号生成部11と、を有する。インターフェース部8は、外部装置2からプリンター1へ印刷データや印刷命令を送ったり、プリンター1の状態情報を外部装置2側に出力したりする際にプリンターの状態データの送受信を行う。制御部9は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。記憶部10は、制御部9のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。制御部9は、記憶部10に記憶されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。また、本実施形態における制御部9は、外部装置2からの印刷データに基づき、記録動作時にどのノズル25からどのタイミングでインクを噴射させるかを示す噴射データを生成し、当該噴射データを記録ヘッド6のヘッド制御部に送信する。駆動信号生成部11(駆動波形生成手段の一種)は、駆動信号の波形に関する波形データに基づいて、アナログの信号を生成し、当該信号を増幅して図4に示すような駆動信号COM(COM1,COM2)を生成する。
次に、プリントエンジン13について説明する。このプリントエンジン13は、図1に示すように、紙送り機構3、キャリッジ移動機構4、リニアエンコーダー5、UVランプ12、及び、記録ヘッド6等を備えている。キャリッジ移動機構4は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド6が取り付けられたキャリッジ16と、このキャリッジ16を、タイミングベルト等を介して走行させる駆動モーター(例えば、DCモーター)等からなり(図示せず)、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6を主走査方向に移動させる。紙送り機構3は、紙送りモーター及び紙送りローラー等からなり、記録媒体Sをプラテン上に順次送り出して副走査を行う。また、リニアエンコーダー5は、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報としてプリンターコントローラー7に出力する。プリンターコントローラー7の制御部9は、リニアエンコーダー5側から受信したエンコーダーパルスに基づいて記録ヘッド6の走査位置(現在位置)を把握することができる。また、制御部9は、当該エンコーダーパルスに基づいて、後述する駆動信号COMの発生タイミングを規定するタイミング信号(ラッチ信号LAT)を発生させる。
図3は、記録ヘッド6の内部構成を説明する要部断面図である。
本実施形態における記録ヘッド6は、ノズルプレート21、流路基板22、および、圧電素子23等から構成され、これらの部材を積層した状態でケース24に取り付けられている。ノズルプレート21は、所定のピッチで複数のノズル25が列状に開設された板状の部材である。本実施形態では、並設された複数のノズル25から構成されるノズル列がノズルプレート21に2つ並設されている。
この流路基板22には、複数の圧力室26がノズル列方向に並べて形成され、これらの圧力室26により圧力室列(圧力室群)が構成されている。本実施形態における圧力室26は、圧力室並設方向に対して交差する方向に長尺な空部である。各圧力室26は、ノズルプレート21の各ノズル25に一対一に対応して設けられている。すなわち、各圧力室26の形成ピッチは、ノズル25の形成ピッチに対応している。また、流路基板22において、圧力室26に対して当該圧力室長手方向の側方(ノズル25との連通側とは反対側)に外れた領域には、流路基板22を貫通するリザーバー30が、圧力室群毎に圧力室26の並設方向に沿って形成されている。このリザーバー30は、同一の圧力室群に属する各圧力室26に共通な空部である。このリザーバー30と各圧力室26とは、インク供給口27を介してそれぞれ連通されている。インク供給口27は、圧力室26よりも狭い幅で形成されており、リザーバー30から圧力室26に流入するインクに対して流路抵抗となる部分である。また、リザーバー30には、インクカートリッジ17側からのインクがケース24のインク供給路31を通じて導入される。
流路基板22の下面(ケース24とは反対側の面)には、ノズルプレート21が、接着剤や熱溶着フィルム等を介して接合されている。ノズルプレート21は、所定のピッチで複数のノズル25が列状に開設された板材である。本実施形態では、360dpiに対応するピッチで360個のノズル25を列設することでノズル列が構成されている。各ノズル25は、圧力室26に対してインク供給口27とは反対側の端部で連通する。なお、ノズルプレート21は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、又はステンレス鋼などからなる。本実施形態における記録ヘッド6には、ノズル列が合計2列設けられており、各ノズル列に対応する液体流路がノズル25側を内側にして左右対称に設けられている。
流路基板22のノズルプレート21側とは反対側の上面には、弾性膜33を介して圧電素子23が形成されている。すなわち、各圧力室26の上部開口が弾性膜33で塞がれ、さらにその上に圧電素子23が形成されている。この圧電素子23は、金属製の下電極膜と、圧電体を薄膜状に形成した圧電体層(圧電体膜)と、金属からなる上電極膜(何れも図示せず)とを順次積層することで形成されている。この圧電体層としては、結晶が配向していることが好ましい。結晶が配向している圧電体層は、例えば、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて形成される。圧電体層の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使用する場合には好適である。なお、この圧電体層の成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法で形成してもよい。また、ゾル−ゲル法又はスパッタリング法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長させる方法を用いてもよい。
何れにしても、このように成膜された圧電体層は、いわゆるバルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向している。本実施形態の圧電体層は、結晶が優先配向し、且つ、結晶が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させた状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造された圧電体層の厚さは、一般的に0.5〜5μmである。
このように形成された圧電体層(圧電素子23)は、配線部材を通じて駆動信号COMが印加されることにより変形する。具体的には、共通電極に一定の共通電位が印加されると共に、個別電極に振動波形が印加されると、これらの電極の間には電位差に応じた電場が生じる。この電場の強さに応じて圧電体層が撓み変形する。図5に、圧電体層(圧電素子23)の圧電特性の一例を示す。なお、図5の横軸は、圧電体層に印加される駆動電圧(上電極膜と下電極膜との間の電位差)であり、縦軸は、圧電体層の基準位置からの変位量(変形量)である。本実施形態における圧電体層には、図5に示すように、特性がほぼ直線状に変化する線形領域が存在する。この線形領域の両側の駆動電圧領域(線形領域よりもマイナス側およびプラス側の駆動電圧の領域)は、駆動電圧に対する変位量の割合が徐々に少なくなる非線形領域になる。
圧電体層、すなわち圧電素子23は、このような圧電特性に従って撓み変形する。すなわち、駆動電圧(印加電圧)を高くする程、圧電素子23の中央部がノズルプレート21に近づく側に撓み、圧力室26の容積を減少させるように弾性膜33を変形させる。一方、駆動電圧を低くする程、圧電素子23の中央部がノズルプレート21から離れる側に撓み、圧力室26の容積を増加させるように弾性膜33を変形させる。このように、圧電素子23を駆動すると圧力室26の容積が変化するので、これに伴って当該圧力室26内部のインクの圧力が変化する。そして、このインクの圧力変化(圧力変動)を制御することによりノズル25からインク滴を噴射させることができる。
次に、記録ヘッド6の電気的な構成について説明する。
図1に示すように、記録ヘッド6は、ラッチ回路36、デコーダー37、スイッチ38、および圧電素子23を有している。これらのラッチ回路36、デコーダー37、およびスイッチ38は、ヘッド制御部15を構成し、当該ヘッド制御部15は、圧電素子23毎、すなわち、ノズル25毎に設けられている。ラッチ回路36は、印刷データに基づく噴射データをラッチする。この噴射データは、各ノズルからのインクの噴射・非噴射を制御するデータである。デコーダー37は、ラッチ回路36にラッチされている噴射データに基づき、スイッチ38を制御するスイッチ制御信号を出力する。デコーダー37から出力されたスイッチ制御信号は、スイッチ38へ入力される。このスイッチ38は、スイッチ制御信号に応じてオン・オフされるスイッチである。
図4は、駆動信号生成部11が発生させる駆動信号の一例を説明する波形図であり、(a)は第1駆動信号COM1を示し、(b)は第2駆動信号COM2を示している。本実施形態において、これらの駆動信号COM1,COM2の繰り返し周期である単位周期Tは、記録ヘッド6が記録媒体Sに対して相対的に移動しながらインクの噴射を行う際に、画像の構成単位である画素の幅に対応する距離だけノズル25が移動する時間に相当する。これらの駆動信号COM1,COM2は、記録ヘッド6の走査位置に応じたエンコーダーパルスに基づいて生成されるタイミング信号であるラッチ信号LATに応じて発生される。したがって、駆動信号COM1,COM2は、ラッチ信号LATで規定される周期で発生される信号である。なお、同図において実線で示す波形は、圧電素子23の個別電極(上電極膜)と共通電極(下電極膜)との間の電位差である。また、破線で示すVbsは、共通電極に印加される直流電圧(バイアス電位)である。
本実施形態におけるプリンター1は、大きさの異なるドットを記録媒体Sに形成する多階調記録が可能であり、本実施形態においては、大ドット、中ドット、小ドット、及び非噴射(微振動)の合計4階調での記録動作が可能に構成されている。そして、本実施形態における第1駆動信号COM1は、単位周期T内に、合計3つの噴射駆動パルスDP1〜DP3(本発明における第1の駆動波形の一種)が発生される信号である。また、本実施形態における第2駆動信号COM2は、合計3つの微振動駆動パルスVP1〜VP3(本発明における第2の駆動波形の一種)が発生される信号である。なお、これら3つの微振動駆動パルスVP1〜VP3の組からなる微振動駆動パルス群(本発明における第2の駆動波形群)の前には前側変化要素p4が発生され、微振動駆動パルス群の後には後側変化要素p8が発生される。そして、印刷処理中において記録ヘッド2が記録媒体S上の記録領域に対応する区間で移動しているとき、各圧力室26に設けられている圧電素子23には、駆動信号COM1,COM2の駆動パルスのうち少なくとも何れか1つが選択的に圧電素子23に印加される。具体的には、記録ヘッド2が上記の記録領域に対応する区間で移動している際に、所定の周期でインクが噴射されるノズル25に対応する圧電素子23には、第1駆動信号COM1の何れか1つあるいは複数の駆動パルスが選択されて印加される。一方、記録領域に対応する区間における所定の周期でインクが噴射されないノズル25に対応する圧電素子23には、第2駆動信号COM2の各微振動駆動パルスVP1〜VP3が順次印加される。
噴射駆動パルスDP1〜DP3は、ノズル25からインクを噴射させるべく波形や電圧が定められた駆動パルスである。具体的には、図4(a)に示すように、噴射駆動パルスDP1〜DP3は、第1膨張要素p1、第1膨張維持要素p2および第1収縮要素p3から構成される、いわゆる台形波である。第1膨張要素p1は、電位変化の基準となる基準電位V4から当該基準電位V4よりも低い第1の電位V1(最低電位)まで変化して圧力室26を基準容積から膨張させる要素である。本実施形態の第1の電位V1は、生成される駆動信号COM1,COM2やその他の駆動信号の基準となるバイアス電位Vbsよりも低い電位に設定されている。第1膨張維持要素p2は、第1の電位V1を維持して膨張した圧力室26を一定時間維持する要素である。第1収縮要素p3は、第1の電位V1から基準電位V4まで変化して膨張した圧力室26を収縮させる要素である。このような噴射駆動パルスDP1〜DP3のうち1つのパルスが圧電素子23に印加されると、小ドットに対応するインク滴をノズル25から噴射する。具体的には、まず、第1膨張要素p1が印加されると、ノズル25に露出しているメニスカスが圧力室26側に引き込まれる。この状態は、第1膨張維持要素p2によって維持される。その後、第1収縮要素p3が印加されると、圧力室26が急激に収縮され、圧力室26内のインクが加圧される。これにより、ノズル25からインク滴が噴射される。
なお、基準容積は、圧力室26の膨張あるいは収縮の起点となる容積(初期容積)であり、圧電素子23に基準電位V4が印加されているときの容積である。本実施形態における基準電位V4は、接地電位GND及びバイアス電位Vbsよりも十分高い電位に設定されており、例えば、圧電素子23が圧力室26の内側(すなわち、ノズル25に近接する側)に最大限あるいはそれに近い程度まで撓んだ状態に対応する電位である。すなわち、基準電位V4は、図5に示す圧電特性において圧電素子23の変位量が最大限あるいはそれに近い程度になる非線形領域に設定される。一方、第1の電位V1は、駆動電圧に対する変位量の割合が大きい線形領域を最大限に利用するべく、線形領域の下端側(低電圧側)に対応する電位よりも低い電位に設定される。これにより、圧電素子23の変位量を大きくとることができ、高粘度のUVインクを精度良く噴射することが可能になる。本実施形態では、線形領域の下端と非線形領域との境界近傍に対応する電位に第1の電位V1が設定されている。また、本実施形態のバイアス電位Vbsは、線形領域の途中に対応する電位に設定されている。なお、噴射駆動パルスの波形や、単位周期Tあたりに発生される数等については、本実施形態で例示したものには限られず、種々の構成のものを採用することができる。
第2駆動信号COM2に含まれる前側変化要素p4は、図4(b)に示すように、基準電位V4から微振動駆動パルスVP1〜VP3の電位変化の基準となる第2の電位V2まで変化させる電位である。本実施形態の第2の電位V2は、基準電位V4およびバイアス電位Vbsよりも低い電位、且つ、第1の電位V1よりも高い電位であって、図5に示す圧電特性において線形領域の下端側に対応する電位に設定されている。また、後側変化要素p8は、図4(b)に示すように、第2の電位V2から基準電位V4まで変化させる電位である。すなわち、微振動駆動パルスVP1〜VP3より前の前側変化要素p4によって、噴射駆動パルスDP1〜DP3の電位変化の基準となる基準電位V4から微振動駆動パルスVP1〜VP3の電位変化の基準となる第2の電位V2に変化させ、微振動駆動パルスVP1〜VP3より後の後側変化要素p8によって、第2の電位V2から基準電位V4に復帰させている。
なお、前側変化要素p4および後側変化要素p8は、圧力室が急激に膨張あるいは収縮することによって誤ってインクが噴射されることがないように、前側変化要素p4または後側変化要素p8の電圧勾配の大きさ(単位時間当たりの電圧の変化量の絶対値)をAとしたとき、以下の式(1)を満たすことが望ましい。
2.8≦A≦3.3 …(1)
図6は、前側変化要素p4または後側変化要素p8において、誤ってインクが噴射されない電圧勾配の大きさを調べた表である。表において、電圧(V)は、変化要素p4,p8の電圧の変化量であり、時間(μs)は、変化要素p4,p8の時間幅である。そして、傾き(V/μs)は、変化要素p4,p8の電圧勾配である。この表から分かるように、電圧の大きさによらず電圧勾配の大きさが2.9〜3.2(V/μs)の間では、インクが噴射されない。このため、前側変化要素p4または後側変化要素p8の電圧勾配の大きさは、少なくともこの範囲内に収まることが望ましい。
微振動駆動パルスVP1〜VP3は、記録動作中あるいは待機中のノズル25におけるインクの増粘を抑制するべく、ノズル25からインクが噴射されない程度にメニスカスを振動(微振動)させ得る波形に設定された駆動パルスである。この微振動駆動パルスVP1〜VP3は、第2の電位V2を基準として高電位側に変化する台形波に設定される。具体的には、図4(b)に示すように、微振動駆動パルスVP1〜VP3は、第2収縮要素p5、第2収縮維持要素p6および第2膨張要素p7から構成される。第2収縮要素p5は、第2の電位V2から当該第2の電位V2及び第1の電位V1よりも高く、且つ基準電位V4よりも低い第3の電位V3まで変化して圧力室26を比較的小さく収縮させる要素である。本実施形態の第3の電位V3は、バイアス電位Vbsよりも高い電位であって、図5に示す圧電特性において線形領域の上端(高電圧側)と非線形領域との境界近傍に対応する電位に設定されている。第2収縮維持要素p6は、第3の電位V3を維持して第2収縮要素p5によって収縮した圧力室26を一定時間維持する要素である。第2膨張要素p7は、第3の電位V3から第2の電位V2まで変化して収縮した圧力室26を膨張させる要素である。このような微振動駆動パルスVP1〜VP3が圧電素子23に印加されると、圧力室26の容積は噴射駆動パルスDP1〜DP3が印加された場合よりも小さく変動する。そして、微振動駆動パルスVP1〜VP3が順次印加ことにより、すなわち、第2収縮要素p5及び第2膨張要素p7が繰り返し印加されることにより、メニスカスが微振動する。
なお、第2収縮要素p5および第2膨張要素p7は、第2収縮要素p5または第2膨張要素p7の電圧勾配の大きさ(単位時間当たりの電圧の変化量の絶対値)をBとしたとき、以下の式(2)を満たすことが望ましい。
A≦2B …(2)
このように、微振動駆動パルスVP1〜VP3は、基準電位V4よりも低い第2の電位V2と、第1の電位V1及び第2の電位V2よりも高く、且つ基準電位V4よりも低い第3の電位V3との間で電圧が変化するので、圧電素子23(圧電体)の圧電特性における変位量(変形量)の大きい領域(線形領域)で圧電素子23を駆動することができる(図5参照)。これにより、UVインクが噴射されないノズル25に対応する圧力室26内のUVインクを微振動させる際において、圧電素子23による発熱量を高めることができる。その結果、UVインクが噴射されるノズル25とUVインクが噴射されないノズル25との間におけるUVインクの温度差を低減することができ、ノズル25間のUVインクの噴射特性のばらつきを抑制することが可能となる。また、印刷動作間に行われるメンテナンス動作(圧力室26内のUVインクを微振動させる微振動動作)において、圧電素子23による発熱量を高めることができるため、UVインクの増粘を抑制する効果を高めることができる。その結果、メンテナンス動作の時間を短くすることができる。特に、UVインク等の光硬化型液体は、通常のインクと比べて、揮発によって増粘し難い代わりに、温度変化によって変化する粘度の割合が大きいため、メンテナンス動作時間の短縮による粘度の上昇よりも、圧電素子23の発熱による粘度の低下の方が顕著になる。その結果、UVインクを用いたプリンター1における微振動動作の時間を一層短くすることができる。
さらに、微振動駆動パルスVP1〜VP3は、基準電位V4よりも低い第2の電位V2及び第3の電位V3の間で圧電素子23を駆動するので、圧力室26同士を区画する隔壁26aの撓みに起因する噴射特性の変化、所謂クロストークを抑制することができる。この点について、図7および図8を用いて説明する。図7(a)は噴射駆動パルスを圧電素子23に連続印加した場合の波形図であり、図7(b)は微振動駆動パルスを圧電素子23に連続印加した場合の波形図である。また、図8は圧力室26の短尺方向(圧力室並設方向)の断面模式図であり、図8(a)は基準電位V4が印加された圧電素子23の状態、図8(b)は第2の電位V2が印加された圧電素子23の状態、図8(c)は第3の電位V3が印加された圧電素子23の状態をそれぞれ示している。
図7(a)に示すように、例えば、噴射駆動パルスDP1〜DP3のうち噴射駆動パルスDP1、DP2を連続印加する場合、圧電素子23には、主として基準電位V4が印加された状態になる。このため、圧電素子23は、図8(a)に示すように、下側(圧力室26側)に最大限に変位した状態が比較的多くなる。この変位した圧電素子23によって、圧力室26を区画する隔壁26aを内側に引っ張る張力が発生し、隔壁26aが撓みやすい。一方、図7(b)に示すように、微振動駆動パルスVP1〜VP3を連続印加する場合、圧電素子23には、基準電位V4よりも低い第2の電位V2及び第3の電位V3が印加された状態になる。このため、圧電素子23は、図8(b)及び図8(c)に示すように、基準電位V4が印加される場合より、変位が小さくなる。このため、圧電素子23が隔壁26aを内側に引っ張る張力が小さくなり、隔壁26aの撓みを抑制することができる。その結果、隔壁26aの撓みに起因するインクの噴射特性の変化、所謂クロストークを抑制することができる。要するに、本発明の構成を採用することで、発熱量アップのほかに、圧電素子23にかかる電位が低電位にシフトすることによって隔壁26aに張力が発生しないので、クロストークを抑制する効果が得られる。
なお、微振動駆動パルスVP1〜VP3の形態は上記実施形態に限られず、圧電素子23の圧電特性等によって、任意に設定される。例えば、上記実施形態では、微振動駆動パルスVP1〜VP3の基準となる第2の電位V2が基準電位V4よりも低く設定されていたが、これには限られず、基準電位V4よりも高く設定してもよい。要は、圧電素子の圧電特性に合わせて、基準電位と異なる電位に、微振動駆動パルスの基準となる第2の電位が設定されていればよい。また、上記実施形態では、微振動駆動パルスVP1〜VP3は、第2の電位V2を基準として高電位側に変化する台形波に設定されたが、これには限られず、低電位側に変化する台形波に設定することもできる。さらに、上記実施形態では、微振動駆動パルスVP1〜VP3を単位周期T内に3つ備えていたが、これには限られず、単位周期T内に含まれる微振動駆動パルスの数は任意に変更し得る。
また、上記実施形態では、圧電素子として、所謂撓み振動型の圧電素子23を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電素子を採用することも可能である。また、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせると共に、ヒステリシス特性を有する圧力発生手段であれば、圧電素子には限られず、例えば、発熱素子や静電アクチュエーター等を採用することも可能である。
そして、本発明は、メンテナンス駆動波形の印加により圧電素子を駆動して液体の振動制御を行う液体噴射装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置にも適用することができる。
1…プリンター,6…記録ヘッド,9…制御部,11…駆動信号生成部,23…圧電素子,25…ノズル,26…圧力室

Claims (4)

  1. 圧力発生手段を駆動することで圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動により当該圧力室に連通するノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドを備え、
    前記圧力発生手段は、第1の電極と、前記第1の電極との間に圧電体層を挟んで設けられた第2の電極と、を有し、
    前記圧力発生手段の前記第1の電極に印加されて前記ノズルから液体を噴射する第1の駆動波形と、前記圧力発生手段の前記第1の電極に印加されて前記ノズルから液体が噴射されない程度に前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる複数の第2の駆動波形と、前記第2の電極に印加される直流電圧であるバイアス電位と、を発生可能であり、
    前記第1の駆動波形は、電位変化の基準となる基準電位から当該基準電位及び前記バイアス電位よりも低い第1の電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第1膨張要素と、前記第1の電位から前記基準電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第1収縮要素と、を有し、
    前記第2の駆動波形は、前記基準電位及び前記バイアス電位よりも低く、且つ、前記第1の電位よりも高い第2の電位から当該第2の電位及び前記バイアス電位よりも高く、且つ前記基準電位よりも低い第3の電位まで変化して前記圧力室を収縮させる第2収縮要素と、前記第3の電位から前記第2の電位まで変化して前記圧力室を膨張させる第2膨張要素と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 複数の前記第2の駆動波形の組からなる第2の駆動波形群を発生可能であり、
    当該第2の駆動波形群の前に、前記基準電位から前記第2の電位まで変化させる前側変化要素を発生することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記第2の駆動波形群の後に、前記第2の電位から前記基準電位まで変化させる後側変化要素を発生することを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記液体は、光を照射することで硬化する光硬化型液体であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
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