JP4039038B2 - インクジェット式記録装置、及び、記録ヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置、及び、記録ヘッドの駆動方法 Download PDF

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動子の作動によってインク滴を吐出可能な記録ヘッドと、この記録ヘッドに供給するための駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、駆動信号発生手段に対する信号発生の制御を行うと共に、記録に関する統括的な制御を行う主制御手段とを有するインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク滴を吐出可能な記録ヘッドを備えたプリンタやプロッタ等のインクジェット式記録装置(以下、単に記録装置と称する。)は、カラー画像を高画質で記録できる等の特徴を有するため広く普及している。この記録装置では、圧力発生源として圧電振動子を用いた記録ヘッドが好適に用いられている。これは、圧電振動子は、振動子電位の変化に対する応答性が高く、圧力室内のインク圧力を精細に制御できるからである。そして、インク滴の吐出時において圧電振動子には駆動パルスを供給するが、高速記録の要求に応えるべく駆動パルスの供給間隔は短くなる傾向にある。
【0003】
また、この駆動パルスを含んだ駆動信号は、制御部による制御の下で、駆動信号発生回路から記録周期単位で繰り返し発生される。このため、制御部は、駆動信号発生回路に対して信号発生に関する制御を行っている。
この制御は、例えば、駆動信号における電位の変化量を更新周期毎に出力する処理である。この更新周期は極く短時間であり、例えば1μsである。このため、制御部は、1μs毎に電位の変化量dvを駆動信号発生回路に対して出力することとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の制御部は、駆動信号発生回路に対する制御の他に、キャリッジを移動させるDCモータの制御など、記録に関する統括的な制御も行っている。この統括的な制御も煩雑であるため、制御部は、この統括的な制御を行っている間は、駆動信号発生回路に対する制御は行えない。この場合、上記の変化量dvを出力できないので、駆動信号発生回路からは一定電位の信号は出力できるが、上記の駆動パルスを発生させることはできない。
このため、駆動信号発生回路に対する制御を行っていない非制御期間においては、振動子電位を変化(つまり、圧電振動子を変形)させることができず、インク滴の吐出制御ができなかった。従って、圧電振動子を無駄に待機させる結果となり、高周波駆動の妨げとなっていた。
【0005】
例えば、図21に例示した駆動信号は、一記録周期内に3つの駆動パルスA,B,Cを有しており、記録周期の開始時から最初の駆動パルスAの発生開始時までの期間Dが上記の非制御期間に設定されている。そして、インク滴の吐出を安定させるには、各駆動パルスA,B,Cを一定周期で圧電振動子に供給することが好ましい。このため、1番目の駆動パルスAと2番目の駆動パルスBとの間の時間間隔E、及び、2番目の駆動パルスBと3番目の駆動パルスCとの間の時間間隔Fに関し、その長さは期間Dに揃えられている。
従って、各駆動パルスA,B,Cの供給間隔は実質的に非制御期間の長さによって定められ、高周波駆動のためには非制御期間を短くする必要があった。しかしながら、非制御時間に制御部が行う制御も多く、非制御期間を短くすることも困難であった。
【0006】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、必要な非制御期間を確保しつつ高周波駆動が可能なインクジェット式記録装置、及び、記録ヘッドの駆動方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、振動子電位に応じて変形する圧電振動子を有し、該圧電振動子の変形によってインク滴を吐出可能な記録ヘッドと、インク滴を吐出させるための駆動パルスを含んだ駆動信号を記録周期毎に繰り返し発生可能な駆動信号発生手段と、該駆動信号を前記圧電振動子に対して選択的に供給可能な供給制御手段と、駆動信号を圧電振動子に供給することで変化する振動子電位を調整する振動子電位調整手段と、制御期間において前記駆動信号発生手段に対する信号発生の制御を行い、前記駆動信号発生手段の制御が行われない非制御期間において記録に関する制御を行う主制御手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記振動子電位調整手段を、一定電位を供給可能な電位供給源と、電位供給源と圧電振動子との間に介在する調整部と、調整スイッチとから構成し、前記非制御期間にて調整スイッチを制御し、圧電振動子を電位供給源に導通させることにより振動子電位を駆動信号の始端電位に調整可能に構成したことを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記調整部は、電位供給源と圧電振動子との間の電流を制限することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置である。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記調整部を、調整抵抗素子によって構成したことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット式記録装置である。
【0010】
請求項4に記載のものは、前記調整部を、一定電流を流し得る定電流手段によって構成したことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット式記録装置である。
ここで、「定電流手段」とは、一定電流を流し得る手段のことであり、定電流回路や定電流素子(例えば、定電流ダイオード,電界効果トランジスタ)が含まれる。
【0011】
請求項5に記載のものは、記録周期の開始から駆動パルスの発生開始までの間に、前記調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0012】
請求項6に記載のものは、駆動パルスの発生終了から記録周期の終了までの間に、前記調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0013】
請求項7に記載のものは、前記駆動信号は一記録周期内に複数の駆動パルスを含み、
先の駆動パルスと後の駆動パルスの間に、前記調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0014】
請求項8に記載のものは、前記駆動信号発生手段が発生する駆動信号は最低電位が接地電位であり、
前記電位供給源を接地電位が供給されるグランド線によって構成し、振動子電位を接地電位に調整することを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0015】
請求項9に記載のものは、前記駆動信号発生手段は、非制御期間中において、制御期間終了時点での終端電位を継続的に発生可能な構成であり、
前記電位供給源を駆動信号が供給される駆動信号供給線によって構成し、振動子電位を上記終端電位に調整することを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0016】
請求項10に記載のものは、インク滴を吐出させるための駆動パルスを含んだ駆動信号を記録周期毎に繰り返し発生可能な駆動信号発生手段と、制御期間において前記駆動信号発生手段に対する信号発生の制御を行い、前記駆動信号発生手段の制御が行われない非制御期間において記録に関する制御を行う主制御手段とを備えたインクジェット式記録装置に用いられ、振動子電位に応じて変形する圧電振動子を有し、上記駆動パルスの圧電振動子への供給によってインク滴を吐出する記録ヘッドの駆動方法であって、
前記非制御期間にて調整スイッチを制御し、電流を制限可能な調整部を介して、圧電振動子を一定電位を供給し得る電位供給源に導通させることで、駆動信号を圧電振動子に供給することで変化する振動子電位を駆動信号の始端電位に調整するように構成したことを特徴とする記録ヘッドの駆動方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用されるインクジェット式プリンタの機能ブロック図である。
【0018】
例示したプリンタは、プリンタコントローラ1とプリントエンジン2とから構成されている。プリンタコントローラ1は、図示しないホストコンピュータ等からの印刷データ等を受信するインターフェース3(以下、外部I/F3という。)と、各種データの記憶等を行うRAM4と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM5と、CPU等からなる制御部6と、クロック信号(CK)を発生する発振回路7と、記録ヘッド8へ供給する駆動信号(COM)を発生する駆動信号発生回路9と、ドットパターンデータ及び駆動信号等をプリントエンジン2に送信するためのインターフェース10(以下、内部I/F10という)とを備えている。
【0019】
外部I/F3は、例えばキャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つのデータ又は複数のデータからなる印刷データをホストコンピュータ等から受信する。また、外部I/F3は、ホストコンピュータに対してビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)等を出力する。
【0020】
RAM4は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)等として利用されるものである。受信バッファには、外部I/F3が受信したホストコンピュータからの印刷データが一時的に記憶される。中間バッファには、制御部6によって中間コードに変換された中間コードデータが記憶される。出力バッファには、記録データが展開される。また、ROM5は、制御部6によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。
【0021】
駆動信号発生回路9は、本発明における駆動信号発生手段であり、制御部6による制御の下で、図4に示すように、複数の駆動パルスPS1,PS2,PS3を含んだ駆動信号を記録周期T毎に繰り返し発生する。なお、駆動信号発生回路9が発生する駆動信号については、後で詳しく説明する。
【0022】
制御部6は、駆動信号発生回路9に対する信号発生の制御を行うと共に、記録の統括的な制御を行う主制御手段として機能する。
【0023】
この制御部6が行う統括的な制御としては、例えば、キャリッジ機構11の一部を構成するDCモータの制御、紙送り機構12の一部を構成する紙送りモータの制御、及び、印刷データから記録データへの展開処理などがある。本実施形態では、この統括的な制御を、図4に示す記録周期T内の第1期間t1、即ち、駆動信号発生回路9に対する非制御期間に行っている。また、記録周期T内の第2期間t2〜第4期間t4において、制御部6は、駆動信号発生回路9に対する信号発生の制御を行う。例えば、更新周期である1μs毎に電位の変化量dvを駆動信号発生回路9に対して出力する。従って、これらの第2期間t2〜第4期間t4は、駆動信号発生回路9に対する信号発生の制御期間ということができる。
【0024】
また、記録データへの展開時において、制御部6は、まず受信バッファ内の印刷データを読み出して中間コードに変換し、この中間コードデータを中間バッファに記憶する。次に、制御部6は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM5内のフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して中間コードデータをドット毎の記録データに展開する。
【0025】
本実施形態の記録データは、1ドットが2ビットの階調データによって構成される。この階調データは、例えば、非記録を示す階調データ[00]と、小ドットによる記録を示す階調データ[01]と、中ドットによる記録を示す階調データ[10]と、大ドットによる記録を示す階調データ[11]とから構成される。従って、この構成では、各ドットを4階調で記録することができる。
【0026】
さらに、制御部6は、タイミング信号発生手段の一部を構成し、内部I/F10を通じて記録ヘッド8にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)を供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号は、駆動信号を構成する複数の駆動パルスDP1〜DP3の供給開始タイミングを規定する。換言すれば、ラッチ信号やチャンネル信号は、制御ロジックからデコーダに供給されるタイミング信号の発生タイミングを規定するトリガとなる。
【0027】
具体的には、図4に示すように、ラッチ信号LATは非制御期間(期間t1)の開始タイミングを規定し、1番目のチャンネル信号CH1は期間t2に対応する第1駆動パルスDP1の供給開始タイミングを規定する。また、2番目のチャンネル信号CH2は期間t3に対応する第2駆動パルスDP2の供給開始タイミングを規定し、3番目のチャンネル信号CH3は期間t4に対応する第3駆動パルスDP3の供給開始タイミングを規定する。
【0028】
プリントエンジン2は、記録ヘッド8と、キャリッジ機構11と、紙送り機構12とを備えている。
【0029】
キャリッジ機構11は、記録ヘッド8が取り付けられたキャリッジと、このキャリッジをタイミングベルト等を介して走行させるDCモータ等からなり、記録ヘッド8を主走査方向に移動させる。紙送り機構12は、紙送りモータ及び紙送りローラ等からなり、記録紙(印刷記録媒体の一種)を順次送り出して副走査を行う。
【0030】
次に、記録ヘッド8について詳しく説明する。まず、図2に基づいて記録ヘッド8の構造を説明する。例示した記録ヘッド8は、所謂撓み振動モードの圧電振動子21を取り付けた記録ヘッド8であり、流路ユニット22とアクチュエータユニット23とから概略構成されている。
【0031】
流路ユニット22は、インク供給口24となる通孔及び第1ノズル連通孔25の一部となる通孔を開設した供給口形成基板26と、共通インク室27となる通孔及び第2ノズル連通孔28となる通孔を開設したインク室形成基板29と、複数(例えば、64個)のノズル開口30…を副走査方向に沿って開設したノズルプレート31から構成してある。そして、インク室形成基板29の表面側(図では下側)にノズルプレート31を、裏面側(同じく上側)に供給口形成基板26をそれぞれ配置して、これらの供給口形成基板26、インク室形成基板29及びノズルプレート31を一体化してある。
【0032】
アクチュエータユニット23は、弾性板として機能する第1の蓋部材32と、圧力室33となる通孔を開設した圧力室形成基板34と、供給側連通孔35となる通孔及び第1ノズル連通孔25の一部となる通孔を開設した第2の蓋部材36と、圧電振動子21とによって構成してある。そして、圧力室形成基板34の裏面に第1の蓋部材32を、表面に第2の蓋部材36をそれぞれ配置して第1の蓋部材32と第2の蓋部材36とで圧力室形成基板34を挟んで一体化してある。
【0033】
圧電振動子21は、第1の蓋部材32の裏面側に形成されている。例示した圧電振動子21は上記したように撓み振動モードである。この撓み振動モードの圧電振動子21は、充電により振動子電位が上昇すると電界と直交する方向に収縮して圧力室33の容積を少なくするように弾性板(蓋部材)を変形させ、放電により振動子電位が下降すると電界と直交する方向に伸長して圧力室33の容積を増すように弾性板を変形させる。また、この圧電振動子21は、第1の蓋部材32の裏面に形成された共通電極37と、この共通電極37の裏面に積層状態で形成した圧電体層38と、各圧電体層38の裏面に形成された駆動電極39とから構成され、圧力室33に対応して複数(例えば64個)形成されている。
なお、この圧電振動子21はコンデンサと同じように振る舞い、信号の供給が遮断された場合の振動子電位は、遮断直前の電位を保持する。
【0034】
このような構成を採る記録ヘッド8では、共通インク室27から圧力室33を通ってノズル開口30に至る一連のインク流路がノズル開口30毎に形成される。そして、圧電振動子21を充電したり放電したりすることで対応する圧力室33が収縮或いは膨張し、圧力室33内のインクに圧力変動が生じる。そして、このインク圧力を制御することで、ノズル開口30からインク滴を吐出させることができる。例えば、定常状態にある圧力室33を一旦膨張させた後に急激に収縮させると、ノズル開口30からインク滴が吐出される。
【0035】
次に、この記録ヘッド8の電気的構成について説明する。
【0036】
この記録ヘッド8は、図1に示すように、第1シフトレジスタ41及び第2シフトレジスタ42からなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路43と第2ラッチ回路44とからなるラッチ回路と、デコーダ45と、制御ロジック46と、レベルシフタ47と、主スイッチ48と、調整スイッチ49と、調整抵抗素子50と、圧電振動子21とを備えている。そして、各シフトレジスタ41,42、各ラッチ回路43,44、デコーダ45、主スイッチ48、圧電振動子21、調整スイッチ49及び調整抵抗素子50は、それぞれ記録ヘッド8のノズル開口30に対応して複数設けられる。
【0037】
この記録ヘッド8は、プリンタコントローラ1からの記録データ(SI)に基づいてインク滴を吐出させる。本実施形態では、記録データの上位ビット群、記録データの下位ビット群の順に記録ヘッド8へ送られてくるので、まず、記録データの上位ビット群が第2シフトレジスタ42にセットされる。全ノズル開口30…について記録データの上位ビット群が第2シフトレジスタ42にセットされると、続いて記録データの下位ビット群が第2シフトレジスタ42にセットされる。この記録データの下位ビット群のセットに伴い、記録データの上位ビット群はシフトして第1シフトレジスタ41にセットされる。
【0038】
第1シフトレジスタ41には第1ラッチ回路43が電気的に接続され、第2シフトレジスタ42には第2ラッチ回路44が電気的に接続されている。そして、プリンタコントローラ1からのラッチ信号(LAT)が各ラッチ回路43,44に入力されると、第1ラッチ回路43は記録データの上位ビット群をラッチし、第2ラッチ回路44は記録データの下位ビット群をラッチする。
【0039】
各ラッチ回路43,44でラッチされた記録データ(上位ビット群,下位ビット群)はそれぞれ、デコーダ45に入力される。このデコーダ45は、記録データの上位ビット群及び下位ビット群に基づいて翻訳を行い、駆動パルスPS1〜PS3を選択するためのパルス選択データを生成する。本実施形態のパルス選択データは、非制御期間(期間t1),第1駆動パルスDP1(期間t2),第2駆動パルスDP2(期間t3),第3駆動パルスDP3(期間t4)に対応する合計4ビットのデータによって構成されている。そして、このような動作をするデコーダ45は、パルス選択データ生成手段として機能し、2ビットの記録データから4ビットのパルス選択データを生成する。
【0040】
また、デコーダ45には、制御ロジック46からのタイミング信号も入力されている。この制御ロジック46は、制御部6と共にタイミング信号発生手段として機能しており、ラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)の入力に同期してタイミング信号を発生する。
【0041】
デコーダ45によって翻訳された4ビットのパルス選択データは、タイミング信号によって規定されるタイミングで上位ビット側から順次レベルシフタ47に入力される。このレベルシフタ47は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが[1]の場合には、主スイッチ48を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。
【0042】
レベルシフタ47で昇圧された[1]のパルス選択データは、主スイッチ48に供給される。この主スイッチ48の入力側には、駆動信号発生回路9からの駆動信号(COM)が供給されており、主スイッチ48の出力側には圧電振動子21が接続されている。
そして、パルス選択データは、主スイッチ48の作動を制御する。即ち、主スイッチ48に加わるパルス選択データが[1]である期間中は、駆動信号が圧電振動子21に供給され、この駆動信号に応じて圧電振動子21の振動子電位が変化する。一方、主スイッチ48に加わるパルス選択データが[0]の期間中は、レベルシフタ47からは主スイッチ48を作動させる電気信号が出力されないので、圧電振動子21へは駆動信号が供給されない。要するに、パルス選択データとして[1]が設定された駆動パルスDP1〜DP3が選択的に圧電振動子21に供給される。
【0043】
このように、本実施形態では、各シフトレジスタ41,42、各ラッチ回路43,44、デコーダ45、制御ロジック46、レベルシフタ47、及び、主スイッチ48が、本発明の供給制御手段として機能しており、駆動パルスPS1〜PS3を駆動信号COMから選択し、この選択した駆動パルスを圧電振動子21に供給する。
【0044】
上記の調整スイッチ49は、図3(a)に示すように、一端が圧電振動子21と主スイッチ48との間に接続され、他端が調整抵抗素子50を介してグランド線(本発明の電位供給源の一種)に接離可能に構成されている。
この調整スイッチ49と調整抵抗素子50は、本発明の振動子電位調整手段の一種である。そして、調整抵抗素子50は、電流を制限可能な調整部の一種として機能する。これらの調整スイッチ49と調整抵抗素子50は、振動子電位を駆動信号の電位に揃える際に用いられる。
【0045】
本実施形態では、調整スイッチ49の他端側が調整抵抗素子50を介してグランド線に接続可能であるため、例えば、主スイッチ48が切断状態であって振動子電位が中間電位の時に調整スイッチ49が接続されると、図3(b)に示すように、振動子電位は調整抵抗素子50を介して徐々に放電され、最終的にはグランド電位となる。また、調整スイッチ49が非切断状態においては、上記したように、主スイッチ48の接続/非接続に応じて、即ち、駆動信号の供給/非供給に応じて振動子電位が変化する。
なお、振動子電位の放電速度は、調整抵抗素子50の抵抗値の設定によって適宜変更できる。本実施形態に調整抵抗素子50は、図4に示す期間t1´において、中間電位Vcから最低電位VLまで放電可能な抵抗値に設定されている。
【0046】
次に、駆動信号発生回路9が発生する駆動信号(COM)と、この駆動信号における駆動パルスPS1〜PS3の供給制御について説明する。
【0047】
まず、駆動信号について説明する。図4に例示した駆動信号は、上記したように、第1駆動パルスDP1、第2駆動パルスDP2及び第3駆動パルスDP3からなる信号である。そして、第1駆動パルスDP1が記録周期T内の第2周期t2で発生され、第2駆動パルスDP2が第3周期t3で発生され、第3駆動パルスDP3が第4周期t4で発生される。また、この駆動信号における第1周期t1は、制御部6による駆動信号発生回路9の制御が行われていない非制御期間であり、第2周期t2〜第4周期t4までの各期間は、制御部6による駆動信号発生回路9の制御が行われている制御期間である。
【0048】
上記の第1駆動パルスDP1は、最低電位VLを所定時間保持する膨張ホールド要素P1と、最低電位VLから最大電位VHまで急勾配で電位を上昇させる吐出要素P2と、最大電位VHを所定時間保持する制振ホールド要素P3と、最大電位VHから中間電位Vcまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を下降させる制振要素P4とを含んでいる。本実施形態では、膨張ホールド要素P1の発生時間が2μs,吐出要素P2の発生時間が2μs,制振ホールド要素P3の発生時間が5μs,制振要素P4の発生時間が5μsである。
【0049】
なお、上記の最低電位VLは駆動信号における最も低い電位である。本実施形態では、この最低電位VLを圧電振動子21の保護に適した接地電位(グランド電位)に設定している。本実施形態では、この中間電位Vcを10V〜20V程度の範囲で適宜設定する。
【0050】
第2駆動パルスDP2は、上記の膨張ホールド要素P1,吐出要素P2,制振ホールド要素P3,制振要素P4に加えて、膨張要素P5を有している。この膨張要素P5は、中間電位Vcから最低電位VLまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を下降させる要素であり、膨張ホールド要素P1の直前に発生される。そして、膨張ホールド要素P1から制振要素P4までの各要素は、第1駆動パルスDP1に含まれる各要素P1〜P4と同じ電位及び時間幅に設定されている。
【0051】
第3駆動パルスDP3もまた、膨張要素P5,膨張ホールド要素P1,吐出要素P2,制振ホールド要素P3,制振要素P4を有する。そして、膨張ホールド要素P1〜膨張要素P5までの各要素は、第2駆動パルスDP2に含まれる各要素P1〜P5と同じ電位及び時間幅に設定されている。従って、第2駆動パルスDP2と、第3駆動パルスDP3とは同一形状である。
【0052】
なお、本実施形態における駆動信号発生回路9は、制御部6による制御が行われていない非制御期間において、制御期間の終端電位を継続的に発生する構成である。このため、図5に示すように、駆動信号発生回路9は、1番目の記録周期T1では期間t2から駆動信号の発生を開始する。そして、2番目の記録周期T2以降については、期間t1にて期間t4の終端電位である中間電位Vcを継続して発生する。
【0053】
そして、インク滴を吐出させるにあたり、各圧電振動子21…の振動子電位は、1番目の記録周期T1における期間t2が開始する前までに、予め中間電位Vcまで充電しておく。これは、インク滴の吐出条件を1番目の記録周期T1と、2番目の記録周期T2以降とで揃えるためである。
なお、各圧電振動子21の充電方法は任意の方法を採ることができる。例えば、記録周期T1よりも前に駆動信号発生回路9から充電用信号を発生させ、この充電用信号を各圧電振動子21に供給する。この充電用信号は、最低電位VLから中間電位Vcまで少しずつ電位を上昇させる信号であり、各主スイッチ48…を接続状態にすることで全ての圧電振動子21に供給される。
【0054】
例示した駆動信号において、駆動パルスDP2,DP3を圧電振動子21に供給すると、振動子電位は各波形要素P1〜P5に倣って変化する。これにより、圧力室33の容積が変化してノズル開口30からインク滴が吐出される。
【0055】
まず、膨張要素P5の供給によって圧力室33が中間電位Vcで規定される定常容積から最低電位VLで規定される最大容積まで膨張する。続いて、膨張ホールド要素P1が供給されて圧力室33の膨張状態が極く短時間に亘って維持され、その後、吐出要素P2が供給されて圧力室33は最大容積から最小容積まで急激に収縮する。これにより、圧力室33内のインクが押し出され、所定量のインク滴がノズル開口30から吐出される。次に、制振ホールド要素P3の供給によって圧力室33の収縮状態が維持された後、制振要素P4が供給される。この制振要素P4の供給によって圧力室33が膨張し、インク圧力の変動を打ち消すように作用する。
【0056】
また、駆動パルスDP1の圧電振動子21への供給によってもインク滴が吐出されるが、この場合、期間t1が非制御期間であるため、この期間t1において、駆動信号の供給による圧電振動子21の変形制御(圧力室33の容積制御)はできない。このため、本実施形態では、駆動パルスDP1の供給に先立って期間t1´で調整スイッチ49を接続状態にし、振動子電位を最低電位VLに調整する。
【0057】
この場合、制御部6は、期間期間t1´の開始タイミングで調整スイッチ49を接続状態にするための制御信号(接続制御信号)を出力する。これにより、調整スイッチ49が接続状態になり、圧電振動子21は、調整抵抗素子50を介してグランド線に導通する。ここで、期間t1´直前の振動子電位は中間電位Vcであるため、図3(b)で説明したように、調整スイッチ49の接続によって振動子電位は下降し、期間t1´の終了時点において最低電位VLに調整される。
そして、期間t1´の終了タイミングが到来すると、制御部6は、調整スイッチ49を非接続状態に切り換えるための制御信号(切断制御信号)を出力する。これにより、調整スイッチ49が切断状態に切り替わり、圧電振動子21と調整抵抗素子50との間の導通が断たれる。
【0058】
なお、本実施形態において、期間t1´と膨張要素P5の発生時間とは互いに揃えられている。このため、期間t1´に亘って調整スイッチ49が接続されると、振動子電位は、膨張要素P5が圧電振動子21に供給された場合と同じように降下する。詳しくは、図3(b)に示したように、低電位側に少し凸の湾曲線に沿って降下する。
このため、期間t1´に亘って調整スイッチ49を接続状態にすると、圧力室33の容積は、中間電位Vcで規定される定常容積から最低電位VLで規定される最大容積まで比較的緩やかに膨張する。
【0059】
この場合において、制御部6は、期間t1´の開始タイミングと終了タイミングとで調整スイッチ49を制御するが、この制御は極く短時間で足りる。このため、期間t1(非制御期間)において、制御部6は他の制御、即ち、記録の統括的な制御を支障なく行うことができる。
その結果、非制御期間t1において振動子電位を調整でき、隣り合う駆動パルス同士の間隔を狭めることができる。即ち、圧電振動子21を従来よりも高周波で駆動することができる。
【0060】
そして、この期間t1´の経過後に、圧電振動子21には駆動パルスDP1が供給され、振動子電位は各波形要素P1〜P4に倣って変化する。これにより、圧力室33の容積が変化してノズル開口30からインク滴が吐出される。
即ち、膨張ホールド要素P1が供給されて圧力室33の膨張状態が極く短時間に亘って維持され、その後、吐出要素P2が供給されて圧力室33が最大容積から最小容積まで急激に収縮する。これにより、圧力室33内のインクが押し出され、所定量のインク滴がノズル開口30から吐出される。次に、制振ホールド要素P3の供給によって圧力室33の収縮状態が維持された後、制振要素P4が供給される。この制振要素P4の供給によって圧力室33が膨張し、インク圧力の変動を打ち消すように作用する。
【0061】
次に、この実施形態における多階調の制御について説明する。
【0062】
図4に示すように、本実施形態では、デコーダ45は、記録データが非記録[00]の場合にパルス選択データ[0000]を生成する。そして、供給制御手段(各シフトレジスタ41,42,各ラッチ回路43,44,デコーダ45,制御ロジック46,レベルシフタ47,主スイッチ48。以下同様。)は、生成されたパルス選択データ[0000]に基づいて、圧電振動子21に供給する駆動パルスDP1〜DP3を決める。即ち、駆動パルスDP1〜DP3の何れも圧電振動子21には供給しない。
【0063】
そして、記録データが小ドット[01]の場合、デコーダ45はパルス選択データ[0010]を生成し、供給制御手段はこのパルス選択データ[0010]に基づいて圧電振動子21に第2駆動パルスDP2を供給する。また、記録データが中ドット[10]の場合、デコーダ45はパルス選択データ[0101]を生成し、供給制御手段はこのパルス選択データ[0101]に基づいて圧電振動子21に第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3を供給する。さらに、記録データが大ドット[11]の場合、デコーダ45はパルス選択データ[0111]を生成し、供給制御手段はこのパルス選択データ[0111]に基づいて圧電振動子21に第1駆動パルスDP1と第2駆動パルスDP2と第3駆動パルスDP3とを供給する。
【0064】
また、制御部6(主制御手段)は、記録データに応じて期間t1´における調整スイッチ49の制御を行う。即ち、記録データが非記録[00]及び小ドット[01]の場合には、制御部6は、期間t1´にて調整スイッチ49の切断状態を維持させる。一方、記録データが中ドット[10]及び大ドット[11]の場合、即ち、第1駆動パルスDP1を圧電振動子21に供給する場合には、制御部6は、期間t1´にて調整スイッチ49を接続状態にする。
【0065】
以上の制御を行うことにより、駆動信号と振動子電位との関係は、次のようになる。
【0066】
大ドットの記録時においては、図6に示すように、制御部6(主制御手段)は、非制御期間としての期間t1において、駆動信号発生回路9を制御せずに記録の統括的な制御を行う。このため、駆動信号発生回路9からの駆動信号は、期間t1において前回記録周期Tの終端電位である中間電位Vcで一定となる。その後、期間t2〜期間t4において、制御部6は、駆動信号発生回路9を制御して上記の駆動パルスDP1〜DP3を発生する。
【0067】
一方、振動子電位は、期間t1´が到来する前は中間電位Vcで一定である。その後、期間t1´が到来すると調整スイッチ49が接続状態になるので、この期間t1´の終期には振動子電位が最低電位VLまで降下する。そして、期間t2が到来すると、調整スイッチ49は切断状態になる一方、主スイッチ48が接続状態になる。これにより、駆動信号発生回路9からの駆動信号(第1駆動パルスDP1)が圧電振動子21に供給される。
このとき、第1駆動パルスDP1の始端電位(即ち、膨張ホールドP1の電位)と振動子電位とが共に最低電位VLで揃っているので、圧電振動子21に駆動信号を供給しても振動子電位の急激な変化は生じない。このため、駆動信号を圧電振動子21に対して円滑に供給できる。
そして、この第1駆動パルスDP1の供給により、振動子電位は第1駆動パルスDP1に倣って変化する。その結果、ノズル開口30から1発目のインク滴が吐出される。
【0068】
そして、期間t3,期間t4では主スイッチ48が接続状態のままであるので、上記した第2駆動パルスDP2と第3駆動パルスDP3とが続けて圧電振動子21に供給される。これにより、振動子電位は、第2駆動パルスDP2や第3駆動パルスDP3に倣って変化する。従って、第2駆動パルスDP2の供給によって2発目のインク滴が吐出され、第3パルスDP3の供給によって3発目のインク滴が吐出される。
【0069】
次に、中ドットの記録時について説明する。この場合、図7に示すように、駆動信号については、上記した大ドットの記録時と同様となる。即ち、駆動信号発生回路9は、期間t1(非制御期間)で中間電位Vcの信号を発生し、期間t2〜期間t4(制御期間)で駆動パルスDP1〜DP3を発生する。
【0070】
一方、振動子電位は、期間t1、期間t2及び期間t4においては上記した大ドットの場合と同様に変化し、期間t3においては中間電位Vcで一定となる。即ち、振動子電位は、期間t1´が到来する前は中間電位Vcで一定であり、期間t1´内に最低電位VLまで降下する。そして、期間t2においては、第1駆動パルスDP1に倣って変化する。その後、期間t3では主スイッチ48が切断状態に切り替わるので、圧電振動子21への駆動信号の供給が断たれる。これにより、振動子電位は、供給が遮断される直前の電位、即ち、中間電位Vcを維持する。そして、期間t4では、主スイッチ48が接続状態に切り替わるので、振動子電位は第3駆動パルスDP3に倣って変化する。
【0071】
その結果、この中ドットの記録時においては、期間t1´における振動子電位の降下と期間t2で供給される第1駆動パルスDP1によって1発目のインク滴が吐出され、期間t4で供給される第3駆動パルスDP3によって2発目のインク滴が吐出される。
【0072】
次に、小ドットの記録時について説明する。この場合、図8に示すように、駆動信号については、上記の大ドットや中ドットの記録時と同様である。即ち、駆動信号発生回路9は、期間t1で中間電位Vcの信号を発生し、期間t2〜期間t4で駆動パルスDP1〜DP3を発生する。
【0073】
一方、振動子電位は、期間t3では第2駆動パルスDP2に倣って変化するが、期間t1、期間t2及び期間t4では中間電位Vcで一定となる。即ち、期間t1及び期間t2では、主スイッチ48と調整スイッチ49の何れも切断状態であるので、振動子電位は、中間電位Vcを維持し続ける。そして、期間t3では、主スイッチ48が接続状態になり、振動子電位が第2駆動パルスDP2に倣って変化する。これにより、1発のインク滴が吐出される。その後の期間t4では、主スイッチ48は切断状態に切り替わるので、圧電振動子21への駆動信号の供給が断たれる。これにより、振動子電位は中間電位Vcを維持する。
【0074】
なお、非記録の場合は、その記録周期Tに亘って主スイッチ48や調整スイッチ49は切断状態となる。このため、圧電振動子21には駆動信号は供給されず、振動子電位は中間電位Vcを維持する。
【0075】
以上説明したように、本実施形態では、第1駆動パルスDP1を用いる中ドットや大ドットの記録時において、非制御期間内の期間t1´で調整スイッチ49回路が接続状態に制御される。これにより、駆動信号を供給しなくても振動子電位を中間電位Vcから最低電位VLまで下降させることができる。このため、制御部6は、期間t1に亘って、DCモータの制御等、記録の統括的な制御を行うことができる。
その結果、隣り合う駆動パルス同士の発生間隔を短くでき、圧電振動子21の高周波駆動ができる。従って、記録速度の向上が図れる。
【0076】
ところで、上記の第1実施形態では、駆動信号発生回路9に対する非制御期間を、記録周期Tの開始から駆動パルスの発生開始までの間に設定した構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、非制御期間を、隣り合う駆動パルス同士の間に設定してもよい。以下、このように構成した第2実施形態について説明する。
【0077】
この第2実施形態では、記録ヘッドの形式が上記の第1実施形態と相違する。また、駆動信号発生回路9から発生される駆動信号と、この駆動信号の圧電振動子への供給制御も第1実施形態と相違する。他の構成は、上記の第1実施形態と同様であるので、これらの相違点を中心に、この第2実施形態を説明する。
【0078】
まず、図9に基づいて、記録ヘッド60の機械的構成について説明する。
【0079】
例示した記録ヘッド60は、複数の圧電振動子61…、固定板62、及び、フレキシブルケーブル63等をユニット化した振動子ユニット64と、この振動子ユニット64を収納可能なケース65と、ケース65の先端面に接合される流路ユニット66とを備えている。
【0080】
ケース65は、先端と後端が共に開放された収容空部67を形成した合成樹脂製のブロック状部材であり、収容空部67内には振動子ユニット64が収納固定されている。圧電振動子61は、縦方向に細長い櫛歯状に形成されている。この圧電振動子61は、圧電体68と内部電極69とを交互に積層して構成された積層型の圧電振動子61であって、積層方向に直交する縦方向に伸縮可能な縦振動モードの圧電振動子61である。そして、各圧電振動子61…の櫛歯状先端は、流路ユニット66の島部70に接合されている。流路ユニット66は、流路形成基板71を間に挟んでノズルプレート72を流路形成基板71の一方の面側に配置し、振動板73をノズルプレート72とは反対側となる他方の面側に配置して積層することで構成されている。
【0081】
ノズルプレート72は、第1実施形態の記録ヘッド8におけるノズルプレート31と同様の構成であり、96個のノズル開口74…によってノズル列を構成している。流路形成基板71は、共通インク室75、インク供給口76、圧力室77、及びノズル連通口78からなるインク流路が形成された板状部材である。本実施形態では、この流路形成基板71を、シリコンウェハーのエッチング処理によって作製している。振動板73は、ステンレス製の支持板79上に樹脂フィルム80をラミネート加工した二重構造の複合板材であり、圧力室77に対応した部分の支持板79を環状に除去して島部70を形成している。
【0082】
この記録ヘッド60でも、振動子電位に応じて圧電振動子61が変形する。即ち、この縦振動モードの圧電振動子61は、充電によって振動子長手方向に収縮し、放電によって振動子長手方向に伸長する。従って、振動子電位を上昇させると、島部70が圧電振動子61側に引っ張られ、島部周辺の樹脂フィルム80が変形して圧力室77が膨張する。また、振動子電位を下降させると、圧力室77が収縮する。即ち、上記の撓み振動モードの圧電振動子61とは、反対の動作特性となる。
そして、この記録ヘッド60でも、振動子電位の調整によって圧力室77の膨張や収縮が制御できるので、圧力室77内のインク圧力を可変でき、ノズル開口74からインク滴を吐出させることができる。
【0083】
なお、この記録ヘッド60の電気的な構成については、第1実施形態の記録ヘッド60と同様であるので、その説明は省略する。
【0084】
次に、駆動信号発生回路9が発生する駆動信号について説明する。図10に例示した駆動信号は、第1駆動パルスDP4、第2駆動パルスDP5及び第3駆動パルスDP6からなる信号であり、先の駆動パルスと後の駆動パルスの間に非制御期間が設けられている。
【0085】
即ち、第1駆動パルスDP4が記録周期T内の第2期間t2で発生され、第2駆動パルスDP5が第4期間t3で発生され、第3駆動パルスDP6が第6期間t6で発生される。従って、この駆動信号における第2期間t2、第4期間t4、第6期間t6の各期間は、制御部6による駆動信号発生回路9の制御が行われている制御期間となる。
また、この駆動信号における第1期間t1、第3期間t3、第5期間t5の各期間は、制御部6による駆動信号発生回路9の制御が行われていない非制御期間である。従って、制御部6は、第1期間t1、第3期間t3及び第5期間t5の各期間において、DCモータの制御等、記録の統括的な制御を行う。
【0086】
また、これらの第1期間t1、第3期間t3及び第5期間t5の各期間は何れも同じ長さであり、それぞれ調整スイッチ49の作動可能期間t1´,t3´,t5´が設けられている。なお、これらの作動可能期間t1´,t3´,t5´もまた同じ長さに設定されている。
【0087】
第1駆動パルスDP4、第2駆動パルスDP5及び第3駆動パルスDP6は、何れも同じ形状である。即ち、これらの駆動パルスDP4〜DP6は、最低電位VLを所定時間保持する収縮ホールド要素P11と、最低電位VLから最大電位VHまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を上昇させる膨張要素P12と、最大電位VHを保持する膨張ホールド要素P13と、最大電位VHから中間電位Vcまで急勾配で電位を下降させる吐出要素P14とを含んでいる。
【0088】
そして、インク滴を吐出させるにあたり、これらの駆動パルスDP4〜DP6を圧電振動子61へ供給するが、各駆動パルスDP4〜DP6の発生期間t2,t4,t6の直前は、非制御期間としての期間t1,t3,t5である。これらの各期間t1,t3,t5において制御部6は他の制御を行っており、駆動信号発生回路9からは中間電位Vcで一定の信号が出力される。このため、駆動信号を供給することによる振動子電位の調整はできない。そこで、本実施形態では、各駆動パルスDP4〜DP6の供給に先立って、期間t1´,t3´,t5´にて調整スイッチ49を接続状態に切り換え、振動子電位を最低電位VLに調整する。
【0089】
即ち、第1駆動パルスDP4を圧電振動子61に供給する場合には、期間t1´において調整スイッチ49を接続状態にする。これにより、図3(b)で説明したように、振動子電位は中間電位Vcから最低電位VLまで比較的緩やかに降下する。これにより、第1駆動パルスDP4の供給開始時点において、振動子電位と第1駆動パルスDP4の始端電位(収縮ホールド要素P11の電位)が共に最低電位VLで揃う。
このため、期間t2にて第1駆動パルスDP4を圧電振動子61に対して円滑に供給できる。
【0090】
同様に、第2駆動パルスDP5を圧電振動子61に供給する場合には期間t3´にて調整スイッチ49を接続状態にし、第3駆動パルスDP6を圧電振動子61に供給する場合には期間t5´にて調整スイッチ49を接続状態にする。これらの場合にも、各駆動パルスDP5,DP6の供給開始時点において、振動子電位と各駆動パルスの始端電位とが共に最低電位VLで揃う。その結果、各駆動パルスを圧電振動子61に対して円滑に供給できる。
【0091】
このようにして調整スイッチ49を接続状態した後に駆動パルスDP4〜DP6を供給すると、圧力室77の容積が変化してインク滴が吐出される。
【0092】
例えば、期間t1´にて調整スイッチ49を接続状態にし、期間t2にて第1駆動パルスDP4を供給した場合について説明する。
この場合、図11に例示するように、振動子電位は、期間t1´にて中間電位Vcから最低電位VLまで下降する。これにより、圧力室77の容積は、中間電位Vcで規定される定常容積から最低電位VLで規定される最小容積まで比較的緩やかに収縮する。その後、収縮ホールド要素P11が供給されて圧力室77は最小容積が維持され、膨張要素P12が供給されて圧力室77は最大電位VHで規定される最大容積まで膨張する。そして、膨張ホールド要素P13の供給期間に亘って圧力室77の膨張状態が維持された後、吐出要素P14が供給されて圧力室77は最大容積から定常容積まで急激に収縮する。この圧力室77の収縮に伴って圧力室77内のインク圧力が急激に上昇し、ノズル開口74からインク滴が吐出される。
【0093】
なお、期間t3´にて調整スイッチ49を接続状態にし、期間t4にて第2駆動パルスDP5を供給した場合、及び、期間t5´にて調整スイッチ49を接続状態にし、期間t6にて第3駆動パルスDP6を供給した場合についても、上記と同様にインク滴が吐出される。
【0094】
そして、この第2実施形態においても、上記の第1実施形態と同様に多階調の制御が行える。
【0095】
例えば、大ドットの記録データ(階調値[11])により、図11に示すように、期間t1´,t3´,t5´にて調整スイッチ49が接続状態となると共に、期間t2,t4,t6にて第1駆動パルスDP4,第2駆動パルスDP5,第3駆動パルスDP6が圧電振動子61に供給される。これにより、記録周期T内で合計3発のインク滴が吐出される。
【0096】
また、中ドットの記録データ(階調値[10])により、図12に示すように、期間t1´,t5´にて調整スイッチ49が接続状態となると共に、期間t2,t6にて第1駆動パルスDP4と第3駆動パルスDP6が圧電振動子61に供給される。これにより、記録周期T内で2発のインク滴が吐出される。
【0097】
さらに、小ドットの記録データ(階調値[01])により、図13に示すように、期間t3´にて調整スイッチ49が接続状態となり、期間t4にて第2駆動パルスDP5が圧電振動子61に供給される。これにより、記録周期T内で1発のインク滴が吐出される。
【0098】
以上説明したように、本実施形態では、先の駆動パルスの発生期間と後の駆動パルスの発生期間との間に非制御期間を設けているので、制御部6は、この非制御期間にて記録の統括的な制御を行うことができる。そして、駆動パルスを圧電振動子61に供給するに際し、直前の非制御期間にて調整スイッチ49を接続状態にして振動子電位を最低電位VL、即ち、駆動パルスの始端電位まで降下させているので、駆動信号を供給しなくても振動子電位を調整することができる。このため、駆動パルス同士の発生間隔を狭めることができ、高周波駆動に適する。さらに、非制御期間を従来よりも長く設定できるので、非制御期間において複雑な制御を行うことができる。
【0099】
ところで、上記の各実施形態は、何れも、振動子電位を中間電位Vcから最低電位VLまで降下させるものであったが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、駆動信号の始端電位(本発明の駆動電位に相当)まで電位を上昇させるように構成することもできる。以下、このように構成した第3実施形態について説明する。
【0100】
この第3実施形態は、調整スイッチ及び調整抵抗素子(即ち、振動子電位調整手段)の構成が上記の第1実施形態と相違する。また、駆動信号発生回路9から発生される駆動信号と、この駆動信号の圧電振動子21への供給制御も第1実施形態と相違する。他の構成は、上記の第1実施形態と同様であるので、これらの相違点を中心に、この第3実施形態を説明する。
【0101】
まず、図14を参照して調整スイッチ90及び調整抵抗素子91,92の構成について説明する。
【0102】
本実施形態の調整スイッチ90は、図14(a)に示すように、一端が圧電振動子21と主スイッチ48との間に接続されている。また、この調整スイッチ90の他端は、第1調整抵抗素子91を介して駆動信号の供給線(駆動電位の供給源の一種)や第2調整抵抗素子92を介してグランド線(本発明の電位供給源の一種)に接離可能に構成されている。
即ち、この調整スイッチ90の他端は、第1調整抵抗素子91と導通可能な第1接点90a(COM)と、第2調整抵抗素子92と導通可能な第2接点90b(GND)と、第1調整抵抗素子91や第2調整抵抗素子92の何れにも導通されない第3接点90c(OFF)とを備えており、スイッチ制御信号に応じて何れかの接点に接続される。
【0103】
この調整スイッチ90と各調整抵抗素子91,92は、振動子電位を調整する際に用いられる。本実施形態では、調整スイッチ90を第1接点90aに接続することで、第1調整抵抗素子91を介して圧電振動子21を駆動信号の供給線に接続できる。例えば、振動子電位が最低電位VLであり、駆動信号の供給線には最大電位VHが供給されている状態で、調整スイッチ90を第1接点90aに接続すると、図14(b)に示すように、振動子電位は、第1調整抵抗素子91の抵抗値によって規定される勾配に沿って上昇し、最終的に最大電位VHまで充電される。一方、振動子電位が最大電位VHの状態で、調整スイッチ90を第2接点90bに接続すると、図14(c)に示すように、振動子電位は、第2調整抵抗素子92の抵抗値によって規定される勾配に沿って下降し、最終的に最低電位VLまで放電される。
なお、本実施形態においても各調整抵抗素子91,92の抵抗値は、充電や放電に必要な時間や電位差に応じて適宜設定される。
【0104】
次に、駆動信号発生回路9が発生する駆動信号(COM)と、この駆動信号における駆動パルスの選択動作について説明する。
【0105】
ここで、本実施形態の駆動信号は、図15に示すように、一記録周期T内に1つの駆動パルスDP7のみを含むので、記録データは1ビットのオンオフデータ、即ち、吐出(記録有[1])/非吐出(記録無[0])を示すデータによって構成される。
このため、シフトレジスタ回路は第1シフトレジスタ41のみとなり、ラッチ回路は第1ラッチ回路43のみとなる。また、デコーダ45は、1ビットの記録データに基づき、3ビットのパルス選択データを生成する。
【0106】
また、本実施形態では、制御部6は、今回記録周期Tにおける記録の有無と次回記録周期Tにおける記録の有無に応じて調整スイッチ90を調整し、振動子電位を調整する。このため、制御部6(主制御手段)は、印刷データを展開して今回記録周期Tにおける記録データと次回記録周期Tにおける記録データとを取得し、これらの記録データに応じて調整スイッチ90を制御する。
なお、上記の第1シフトレジスタ41には、今回記録周期Tの記録データのみがセットされる。
【0107】
次に、駆動信号発生回路9が発生する駆動信号について説明する。
【0108】
図15に例示した駆動信号は、期間t2で発生される駆動パルスDP7を有する。そして、この駆動信号において、期間t2が駆動信号発生回路9に対する制御期間であり、記録周期T内の期間t1と期間t3は駆動信号発生回路9に対する非制御期間である。このため、制御部6は、これらの期間t1,t3にて、記録の統括的な制御を行う。また、制御部6は、これらの期間t1,t3にて調整スイッチ90に対する制御も行う。
【0109】
この駆動パルスDP7は、最大電位VHを極く短時間維持する前側定電位要素P21と、最大電位VHから最低電位VLまで一定の急勾配で電位を下降させる引き込み要素P22と、最低電位VLを極く短時間保持する引き込みホールド要素P23と、最低電位VLから吐出収縮電位VF1まで一定の急勾配で電位を上昇させる吐出収縮要素P24と、吐出収縮電位VF1を極く短時間保持する第1吐出ホールド要素P25と、吐出収縮電位VF1から吐出膨張電位VF2まで一定の急勾配で電位を下降させる吐出膨張要素P26と、吐出膨張電位VF2を極く短時間保持する第2吐出ホールド要素P27と、吐出膨張電位VF2から第1最大電位VH1まで一定の勾配で電位を上昇させる第1制振要素P28と、第1最大電位VH1を保持する制振ホールド要素P29と、第1最大電位VH1から最大電位VHまで一定の勾配で電位を下降させる第2制振要素P30と、最大電位VHを極く短時間維持する後側定電位要素P31とから構成されている。
【0110】
なお、本実施形態においても、駆動信号発生回路9は、非制御期間(期間t1,期間t2)において制御期間の終端電位を継続的に発生する。このため、上記した各実施形態と同様に、2番目の記録周期T以降は、非制御期間において駆動信号発生回路9から最大電位VHの信号が出力される。
【0111】
そして、この駆動パルスDP7が圧電振動子21に供給されると、ノズル開口30からは、極く少量のインク滴が吐出される。
即ち、圧電振動子21は、まず、引き込み要素P22に対応して収縮状態の圧力室33を大きく急速に膨張させ、吐出収縮要素P24に対応して圧力室33を急速に収縮させる。続いて、圧電振動子21は、吐出膨張要素P26に対応して圧力室33を再度膨張させ、第1制振要素P28に対応して圧力室33を最小容積にする。その後、圧電振動子21は、制振ホールド要素P29で規定される時間の経過後に圧力室33を最大電位VHで規定される容積まで戻す。そして、この一連の動作によってノズル開口30からは極く少量のインク滴が吐出される。
【0112】
次に、制御部6による調整スイッチ90の制御について説明する。本実施形態における調整スイッチ90の制御は、図15に示す通りである。即ち、今回記録周期Tと次回記録周期Tが共に非記録であった場合、及び、今回記録周期Tと次回記録周期Tが共に記録であった場合には、期間t1及び期間t3にて調整スイッチ90を第3接点90c(OFF)に接続する。また、今回記録周期Tが非記録であって次回記録周期Tが記録であった場合には、期間t1で調整スイッチ90を第1接点90a(COM)に接続し、期間t3で調整スイッチ90を第3接点90c(OFF)に接続する。また、今回記録周期Tが記録であって次回記録周期Tが非記録であった場合には、期間t1で調整スイッチ90を第3接点90c(OFF)に接続し、期間t3で調整スイッチ90を第2接点90b(GND)に接続する。
【0113】
これにより、制御部6は、期間t2において駆動信号発生回路9を制御して駆動パルスDP7を発生させるが、期間t1,t3においては他の制御(即ち、記録の統括的な制御)を行う。このため、図16〜図18の各図に示すように、駆動信号発生回路9からは、期間t1及び期間t3において最大電位VHの信号が発生され、期間t2において駆動パルスDP7が発生される。
【0114】
そして、非記録が続く場合、振動子電位は、図16に示すように変化する。
【0115】
即ち、今回記録周期Tの期間t1において、調整スイッチ90は第3接点90cに接続され、主スイッチ48は非接続状態とされる。これにより、振動子電位は、直前の記録周期Tにおける終端電位、即ち、最低電位VLとなる。また、今回記録周期Tにおける期間t2及び期間t3でも、調整スイッチ90が第3接点90cに接続され、主スイッチ48が非接続状態であるので、振動子電位は最低電位VLを維持する。
その結果、非記録が続く場合において振動子電位は最低電位VLとなるので、圧電振動子21は機械的ストレスが低い状態となる。これにより、圧電振動子21の延命化を図ることができる。
【0116】
また、非記録から記録へ切り替わる場合には、振動子電位は、図17に示すように変化する。
【0117】
即ち、今回記録周期Tの期間t1で調整スイッチ90が第1接点90aに接続され、圧電振動子21が第1調整抵抗素子91を介して駆動信号の供給線に接続される。このとき、駆動信号の供給線には駆動パルスDP7の始端電位である最大電位VHが供給されているので、振動子電位は、この期間t1において最大電位VHまで上昇する。
続く期間t2及び期間t3では、調整スイッチ90は第3接点90cに接続され、主スイッチ48は非接続状態となる。このため、振動子電位は、これらの期間t2,t3に亘って最大電位VHを維持する。さらに、次回記録周期Tにおける期間t1でも、調整スイッチ90は第3接点90cに接続され、主スイッチ48は非接続状態であるので、振動子電位は、最大電位VHを維持する。
そして、次回記録周期Tの期間t2では、駆動パルスDP7が圧電振動子21に供給されるが、このとき、振動子電位と駆動パルスDP7の始端電位とが最大電位VHで揃っている。このため、主スイッチ48を接続状態に切り換えて、駆動パルスDP7を圧電振動子21に供給しても振動子電位の急激な変化は生じず、駆動パルスを円滑に供給できる。
【0118】
また、この例のように、今回記録周期Tが非記録であって次回記録周期Tが記録である場合に、今回記録周期Tの中で振動子電位を最大電位VHまで上昇させるようにすると、振動子電位を上昇させてから駆動パルスを供給するまでに比較的長い時間を確保できる。これにより、圧電振動子21に対する急激な電位変化を緩和することができ、さらに、駆動パルスDP7の供給直前における圧力室33内のインク圧力を安定化させることもできる。
【0119】
また、記録から非記録へ切り替わる場合には、振動子電位は、図18に示すように変化する。
【0120】
即ち、今回記録周期Tの期間t2において主スイッチ48が接続状態となり、駆動パルスDP7が圧電振動子21に供給される。これにより、振動子電位は、駆動パルスDP7の電位に倣って変化し、ノズル開口30からインク滴が吐出される。その後、期間t3において、主スイッチ48は非接続状態となり、調整スイッチ90は第2接点90bに接続されるので、圧電振動子21は、第2調整抵抗素子92を介してグランド線に導通される。このため、この期間t3内において振動子電位は降下し、期間t3の終了時点で最低電位VLとなる。その後の次回記録周期Tでは、調整スイッチ90は第3接点90cに接続され、主スイッチ48は非接続状態とされるので、振動子電位は最低電位VLで維持される。
その結果、次回記録周期Tで圧電振動子21は機械的ストレスが低い状態となるので、その延命化を図ることができる。
【0121】
また、連続的に記録が行われる場合には、振動子電位は、図19に示すように変化する。
【0122】
即ち、今回記録周期Tの期間t1において、調整スイッチ90は第3接点90cに接続され、主スイッチ48は非接続状態とされるので、振動子電位は最大電位VHで維持される。その後の期間t2において、主スイッチ48が接続状態とされ、駆動パルスDP7が圧電振動子21に供給される。これにより、振動子電位は、駆動パルスDP7の電位に倣って変化し、ノズル開口30からインク滴が吐出される。その後、今回記録周期Tの期間t3及び次回記録周期Tのt1において、調整スイッチ90は第3接点90cに接続され、主スイッチ48は非接続状態とされるので、振動子電位は最大電位VHで維持される。このため、次回記録周期Tのt2で駆動パルスDP7を円滑に供給することができる。
【0123】
このように、本実施形態では、期間t1,t3にて調整スイッチ90により振動子電位を調整するように構成したので、主制御手段としての制御部6は、期間t2で駆動信号発生回路9の制御を行えば足り、期間t1,t3では他の制御を行うことができる。このため、非制御期間を確保しつつも駆動パルスDP7,DP7同士の発生間隔を狭めることができ、圧電振動子21の高周波駆動が実現できる。
【0124】
さらに、本実施形態では、調整スイッチ90及び各調整抵抗素子91,92(即ち、振動子電位調整手段)により、非記録の記録周期Tにおいては振動子電位を積極的に最低電位VLまで下降させているので、圧電振動子21の保護が図れる。また、今回記録周期Tが非記録で次回記録周期Tが記録の場合には、調整スイッチ90及び各調整抵抗素子91,92により、今回記録周期Tの中で振動子電位を駆動パルスDP7の始端電位まで上昇させているので、圧電振動子21の急激な変形を防止して円滑に駆動パルスDP7を供給できるし、駆動パルスDP7の供給時における圧力室33内のインク圧力を安定化することもできる。
【0125】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
【0126】
例えば、本発明の調整部は、調整抵抗素子50,91,92に限定されるものではない。即ち、この調整部は、圧電振動子21,61を電位供給源に導通させることで、振動子電位を支障なく調整できるものであればよい。このため、電位供給源と圧電振動子21,61との間の電流を一定に制限可能な定電流回路や定電流素子等(本発明の定電流手段に相当)も用いることができる。
【0127】
図20(a)は、上記の定電流素子100によって調整部を構成した例であり、第1実施形態における調整抵抗素子50に代えて定電流素子100を配置した例を示している。この定電流素子100としては、例えば、定電流ダイオードや電界効果トランジスタが好適に用いられる。
この定電流素子100を用いた構成では、調整スイッチ49が接続されると、図20(b)に示すように、振動子電位が直線的に降下する。これにより、調整スイッチ49の接続に伴う振動子電位の降下度合いと、膨張要素P5を供給した場合における振動子電位の降下度合いとを揃えることができる。
その結果、圧力室の変形度合い、即ち、インク圧力の変化パターンを、駆動パルスDP1の供給時と、駆動パルスDP2,DP3の供給時とにおいて高いレベルで揃えることができ、ひいては、インク滴の吐出特性を安定化できる。
【0128】
また、振動子電位の供給源は、グランド線や駆動信号の供給線に限定されるものではなく、専用の電源としてもよい。このため、振動子電位の供給源の電位も最大電位VHや最低電位VLに限定されるものではなく、任意の電位に設定することができる。
そして、上記した各実施形態のように、振動子電位の供給源をグランド線や駆動信号の供給線によって構成した場合には、これらのグランド線や駆動信号の供給線を多目的に使用するので、装置構成の簡素化が図れる。
【0129】
また、調整スイッチ49,90に関し、接続制御信号及び切断制御信号で作動するものに限らず、接続制御信号の供給時点から接続状態に切り替わり、任意の設定時間の経過後に切断状態に切り替わるタイマー式のスイッチで構成してもよい。
【0130】
また、本発明は、プリンタに限らず、プロッタやコピー機等、各種のインクジェット式記録装置に適用することができる。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を奏する。
即ち、振動子電位調整手段を、一定電位を供給可能な電位供給源と、電位供給源と圧電振動子との間に介在する調整部と、調整スイッチとから構成し、非制御期間にて調整スイッチを制御し、圧電振動子を電位供給源に導通させることにより振動子電位を駆動信号の始端電位に調整可能に構成したので、調整スイッチを作動させることにより、主制御手段が駆動信号発生手段への制御を行っていない非制御期間においても振動子電位を駆動信号の始端電位に調整できる。
このため、必要な非制御期間を確保しつつも、圧電振動子を無駄に待機させずに効率よく動作させることができる。従って、駆動パルスの供給間隔を従来よりも短く設定することができ、高周波駆動が実現できる。
【0132】
また、調整部を調整抵抗素子によって構成した場合には、構成の簡素化が図れる。
【0133】
また、調整部を定電流手段によって構成した場合には、振動子電位の変化特性を直線的にでき、インク滴の吐出特性を安定化できる。
【0134】
また、先の駆動パルスと後の駆動パルスの間に、前記調整スイッチを制御するようにした場合には、非制御時間を長く設けることができ、統括的な制御が複雑化しても対応することができる。
【0135】
また、電位供給源を接地電位が供給されるグランド線によって構成し、振動子電位を接地電位に調整する構成とした場合には、グランド線を多目的に使用できるので、装置構成の簡素化が図れる。
【0136】
また、電位供給源を駆動信号が供給される駆動信号供給線によって構成し、振動子電位を終端電位に調整する構成とした場合には、駆動信号供給線を多目的に使用できるので、装置構成の簡素化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式プリンタの機能ブロック図である。
【図2】撓み振動モードの記録ヘッドの構成を説明する断面図である。
【図3】(a)は調整スイッチを説明するブロック図であり、(b)は調整スイッチを接続状態にした際の振動子電位の変化の様子を説明する図である。
【図4】第1実施形態において駆動信号発生回路が発生する駆動信号と、駆動パルスの供給制御とを説明する図である。
【図5】非制御期間において駆動信号発生回路から発生される駆動信号を説明する図である。
【図6】大ドット記録時における駆動信号と振動子電位を説明する図である。
【図7】中ドット記録時における駆動信号と振動子電位を説明する図である。
【図8】小ドット記録時における駆動信号と振動子電位を説明する図である。
【図9】第2実施形態における記録ヘッドの構成を説明する断面図である。
【図10】第2実施形態において駆動信号発生回路が発生する駆動信号を説明する図である。
【図11】大ドット記録時における振動子電位と、調整スイッチ及び主スイッチの制御とを説明する図である。
【図12】中ドット記録時における振動子電位と、調整スイッチ及び主スイッチの制御とを説明する図である。
【図13】小ドット記録時における振動子電位と、調整スイッチ及び主スイッチの制御とを説明する図である。
【図14】第3実施形態を説明する図であり、(a)は調整スイッチを説明するブロック図、(b)及び(c)は調整スイッチを接続状態にした際の振動子電位の変化の様子を説明する図である。
【図15】第3実施形態において駆動信号発生回路が発生する駆動信号と、駆動パルスの供給制御とを説明する図である。
【図16】非記録が連続した場合における駆動信号及び振動子電位と、調整スイッチ及び主スイッチの制御とを説明する図である。
【図17】非記録から記録に切り替わる際の駆動信号及び振動子電位と、調整スイッチ及び主スイッチの制御とを説明する図である。
【図18】記録から非記録に切り替わる際の駆動信号及び振動子電位と、調整スイッチ及び主スイッチの制御とを説明する図である。
【図19】記録が連続した場合における駆動信号及び振動子電位と、調整スイッチ及び主スイッチの制御とを説明する図である。
【図20】振動子電位調整手段の他の例を説明する図であり、(a)はブロック図、(b)は調整スイッチを接続状態にした際の振動子電位の変化の様子を説明する図である。
【図21】従来の駆動信号を説明する図である。
【符号の説明】
1 プリンタコントローラ
2 プリントエンジン
3 外部I/F
4 RAM
5 ROM
6 制御部
7 発振回路
8 記録ヘッド
9 駆動信号発生回路
10 内部I/F
11 キャリッジ機構
12 紙送り機構
21 圧電振動子
22 流路ユニット
23 アクチュエーターユニット
24 インク供給孔
25 第1ノズル連通孔
26 供給口形成基板
27 共通インク室
28 第2ノズル連通孔
29 インク室形成基板
30 ノズル開口
31 ノズルプレート
32 第1の蓋部材
33 圧力室
34 圧力室形成基板
35 供給側連通孔
36 第2の蓋部材
37 共通電極
38 圧電体層
39 駆動電極
41 第1シフトレジスタ
42 第2シフトレジスタ
43 第1ラッチ回路
44 第2ラッチ回路
45 デコーダ
46 制御ロジック
47 レベルシフタ
48 主スイッチ
49 調整スイッチ
50 調整抵抗素子
60 記録ヘッド
61 圧電振動子
62 固定板
63 フレキシブルケーブル
64 振動子ユニット
65 ケース
66 流路ユニット
67 収容空部
68 圧電体
69 内部電極
70 島部
71 流路形成基板
72 ノズルプレート
73 振動板
74 ノズル開口
75 共通インク室
76 インク供給口
77 圧力室
78 ノズル連通口
79 支持板
80 樹脂フィルム
90 調整スイッチ
91 第1調整抵抗素子
92 第2調整抵抗素子
100 定電流素子

Claims (10)

  1. 振動子電位に応じて変形する圧電振動子を有し、該圧電振動子の変形によってインク滴を吐出可能な記録ヘッドと、インク滴を吐出させるための駆動パルスを含んだ駆動信号を記録周期毎に繰り返し発生可能な駆動信号発生手段と、該駆動信号を前記圧電振動子に対して選択的に供給可能な供給制御手段と、駆動信号を圧電振動子に供給することで変化する振動子電位を調整する振動子電位調整手段と、制御期間において前記駆動信号発生手段に対する信号発生の制御を行い、前記駆動信号発生手段の制御が行われない非制御期間において記録に関する制御を行う主制御手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、
    前記振動子電位調整手段を、一定電位を供給可能な電位供給源と、電位供給源と圧電振動子との間に介在する調整部と、調整スイッチとから構成し、前記非制御期間にて調整スイッチを制御し、圧電振動子を電位供給源に導通させることにより振動子電位を駆動信号の始端電位に調整可能に構成したことを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 前記調整部は、電位供給源と圧電振動子との間の電流を制限することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 前記調整部を、調整抵抗素子によって構成したことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記調整部を、一定電流を流し得る定電流手段によって構成したことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 記録周期の開始から駆動パルスの発生開始までの間に、前記調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録装置。
  6. 駆動パルスの発生終了から記録周期の終了までの間に、前記調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録装置。
  7. 前記駆動信号は一記録周期内に複数の駆動パルスを含み、
    先の駆動パルスと後の駆動パルスの間に、前記調整スイッチを制御することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録装置。
  8. 前記駆動信号発生手段が発生する駆動信号は最低電位が接地電位であり、
    前記電位供給源を接地電位が供給されるグランド線によって構成し、振動子電位を接地電位に調整することを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のインクジェット式記録装置。
  9. 前記駆動信号発生手段は、非制御期間中において、制御期間終了時点での終端電位を継続的に発生可能な構成であり、
    前記電位供給源を駆動信号が供給される駆動信号供給線によって構成し、振動子電位を上記終端電位に調整することを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のインクジェット式記録装置。
  10. インク滴を吐出させるための駆動パルスを含んだ駆動信号を記録周期毎に繰り返し発生可能な駆動信号発生手段と、制御期間において前記駆動信号発生手段に対する信号発生の制御を行い、前記駆動信号発生手段の制御が行われない非制御期間において記録に関する制御を行う主制御手段とを備えたインクジェット式記録装置に用いられ、振動子電位に応じて変形する圧電振動子を有し、上記駆動パルスの圧電振動子への供給によってインク滴を吐出する記録ヘッドの駆動方法であって、
    前記非制御期間にて調整スイッチを制御し、電流を制限可能な調整部を介して、圧電振動子を一定電位を供給し得る電位供給源に導通させることで、駆動信号を圧電振動子に供給することで変化する振動子電位を駆動信号の始端電位に調整するように構成したことを特徴とする記録ヘッドの駆動方法。
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