JP5200556B2 - 吐出パルスの設定方法 - Google Patents
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Description
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一般的なインクよりも粘度の高い液体について、吐出を安定化させることにある。
(A)液体の供給部とノズルのそれぞれに連通された圧力室と、
(B)電位の変化に応じて前記圧力室の容積を変化させるための動作をする素子と、
(C)前記ノズルから前記液体を吐出させるべく基準容積の圧力室の容積を変化させて前記基準容積に戻す一連の動作を前記素子に行わせる吐出パルスであって、前記液体を吐出させるための準備をすべく、前記基準容積の前記圧力室を膨張させるための動作を前記素子に行わせる吐出前膨張部分を有する吐出パルスを、繰り返し生成する吐出パルス生成部と、
(D)を備えた液体吐出装置用の吐出パルスの設定方法であって、
(E)前記液体の粘度は、6ミリパスカル秒以上であって20ミリパスカル秒以下の範囲内に定められており、
(F)前記液体の粘度が高いほど、前記吐出前膨張部分における単位時間あたりの電位変化量を大きく定め、
(G)前記吐出パルスは、前記液体の吐出後に、前記基準容積よりも収縮された前記圧力室を前記基準容積まで膨張させるための動作を前記素子に行わせる吐出後膨張部分を有しており、
前記吐出前膨張部分における単位時間あたりの電位変化量を、前記吐出後膨張部分における単位時間あたりの電位変化量よりも大きく定め、
(H)前記吐出前膨張部分を、前記吐出パルスが有する複数の部分のうちの、最初の部分として定め、
前記吐出後膨張部分を、前記吐出パルスが有する複数の部分のうちの、最後の部分として定め、
(I)液体の最高吐出周波数にて、後の吐出パルスが有する前記吐出前膨張部分の生成開始タイミングを、先の吐出パルスが有する前記吐出後膨張部分の生成終了タイミングに定める、
(J)吐出パルスの設定方法である。
このような吐出パルスの設定方法によれば、吐出前膨張部分に伴う圧力室の膨張速度を、液体の粘度に応じて最適化できる。これにより、6ミリパスカル秒以上であって20ミリパスカル秒以下の粘度を有する液体について、供給部側から圧力室側への流入を最適化できる。その結果、液体の吐出周波数を高めても、必要な量の液体が圧力室に供給され、吐出を安定化できる。
このような吐出パルスの設定方法によれば、吐出後膨張部分に伴う圧力室の膨張によって生じた圧力室側へ向かう液体の流れを、吐出前膨張部分に伴う圧力室の膨張によってさらに強めることができる。これにより、液体の吐出周波数を高めても、必要な量の液体が圧力室に供給され、吐出を安定化できる。
このような吐出パルスの設定方法によれば、先の吐出パルスが有する吐出後膨張部分が素子に印加された後、次の吐出パルスが有する吐出前膨張部分が素子に印加される。これにより、吐出後膨張部分に伴う圧力室の膨張によって生じた圧力室側へ向かう液体の流れを、吐出前膨張部分に伴う圧力室の膨張によって、効率よく強めることができる。
このような吐出パルスの設定方法によれば、液体の吐出周波数が高くなるほど、吐出後膨張部分に伴う圧力室の膨張終了から吐出前膨張部分に伴う圧力室の膨張開始までの期間が短くなる。これにより、液体の吐出周波数に応じた量の液体を圧力室に供給できる。
このような吐出パルスの設定方法によれば、吐出前膨張部分に伴う圧力室の膨張が、吐出後膨張部分に伴う圧力室の膨張の終了に続けて行われる。これにより、最も液体の供給不足が生じやすい最高吐出周波数での液体の吐出時において、液体を効率よく圧力室に供給できる。
このような吐出パルスの設定方法によれば、液体の吐出と圧力室への液体の供給とを効率よく行うことができる。
このような吐出パルスの設定方法によれば、基準電位に応じて吐出前膨張部分による圧力室の膨張度合いと吐出後膨張部分による圧力室の膨張度合いとを調整できる。これにより、圧力室への液体の供給を最適化できる。
このような吐出パルスの設定方法によれば、吐出を安定化できる。
<印刷システムについて>
図1に例示した印刷システムは、プリンタ1と、コンピュータCPとを有する。プリンタ1は液体吐出装置に相当し、用紙、布、フィルム等の媒体に向けて、液体の一種であるインクを吐出する。媒体は、液体が吐出される対象となる対象物である。コンピュータCPは、プリンタ1と通信可能に接続されている。プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータCPは、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に送信する。
プリンタ1は、用紙搬送機構10、キャリッジ移動機構20、駆動信号生成回路30、ヘッドユニット40、検出器群50、及び、プリンタ側コントローラ60を有する。
<ヘッドHDについて>
図2Aに示すように、ヘッドHDは、ケース41と、流路ユニット42と、ピエゾ素子ユニット43とを有する。ケース41は、ピエゾ素子ユニット43を収容して固定するための収容空部411が内部に設けられた箱体状である。このケース41は、例えば樹脂材によって作製される。そして、ケース41の先端面には、流路ユニット42が接合されている。
ヘッドHDには、共通インク室426からノズル427に至る一連のインク流路(液体で満たされる液体流路に相当する)が、ノズル427の数に応じた複数設けられている。このインク流路では、圧力室424に対して、ノズル427及びインク供給路425がそれぞれ連通している。このため、インクの流れなどの特性を解析する場合、ヘルムホルツの共鳴器の考え方が適用される。図2Bは、この考え方に基づくヘッドHDの構造を模式的に説明する図である。
プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1における全体的な制御を行う。例えば、コンピュータCPから受け取った印刷データや各検出器からの検出結果に基づいて制御対象部を制御し、用紙に画像を印刷させる。図1に示すように、プリンタ側コントローラ60は、インタフェース部61と、CPU62と、メモリ63とを有する。インタフェース部61は、コンピュータCPとの間でデータの受け渡しを行う。CPU62は、プリンタ1の全体的な制御を行う。メモリ63は、コンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保する。CPU62は、メモリ63に記憶されているコンピュータプログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、用紙搬送機構10やキャリッジ移動機構20を制御する。また、CPU62は、ヘッドHDの動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに送信したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号生成回路30に送信したりする。
駆動信号生成回路30は、吐出パルス生成部として機能し、DACデータに基づき、吐出パルスPSを有する駆動信号COMを生成する。図3に示すように、駆動信号生成回路30は、DAC回路31と、電圧増幅回路32と、電流増幅回路33とを有する。DAC回路31は、デジタルのDACデータをアナログ信号に変換する。電圧増幅回路32は、DAC回路31で変換されたアナログ信号の電圧を、ピエゾ素子433を駆動できるレベルまで増幅する。このプリンタ1では、DAC回路31から出力されるアナログ信号は最大3.3Vであるのに対し、電圧増幅回路32から出力される増幅後のアナログ信号(便宜上、波形信号ともいう。)は最大42Vである。電流増幅回路33は、電圧増幅回路32からの波形信号について電流の増幅をし、駆動信号COMとして出力する。この電流増幅回路33は、例えば、プッシュプル接続されたトランジスタ対によって構成される。
ヘッド制御部HCは、駆動信号生成回路30で生成された駆動信号COMの必要部分をヘッド制御信号に基づいて選択し、ピエゾ素子433へ印加する。このため、図3に示すように、ヘッド制御部HCは、駆動信号COMの供給線の途中に、ピエゾ素子433毎に設けられた複数のスイッチ44を有する。そして、ヘッド制御部HCは、ヘッド制御信号からスイッチ制御信号を生成する。このスイッチ制御信号によって各スイッチ44を制御することで、駆動信号COMの必要部分(例えば吐出パルスPS)がピエゾ素子433へ印加される。このとき、必要部分の選択の仕方次第で、ノズル427からのインクの吐出を制御できる。
次に、駆動信号生成回路30によって生成される駆動信号COMについて説明する。図4に示すように、駆動信号COMには、繰り返し生成される複数の吐出パルスPSが含まれている。これらの吐出パルスPSは、いずれも同じ波形をしている。すなわち、電位の変化パターンが同じである。前述したように、この駆動信号COMは、ピエゾ素子433が有する駆動電極435に印加される。これにより、固定電位とされた共通電極434との間に、電位の変化パターンに応じた電位差が生じる。その結果、ピエゾ素子433は、電位の変化パターンに応じて伸縮し、圧力室424の容積を変化させる。
<概要>
この種のプリンタでは、インクをできるだけ高い周波数で吐出させたいという要望がある。これは、印刷等の処理を高速化できるからである。ここで、一般的なインクの粘度(約1ミリパスカル秒)よりも十分に高い粘度のインク、具体的には粘度が6〜20ミリパスカル秒のインク(便宜上、高粘度インクともいう。)を吐出させた場合には、インクの吐出周波数を高めるとインクの吐出が不安定になってしまうという問題があった。図5Aは、高粘度インクが安定な状態で吐出されている様子を示している。これに対し、図5Bは、高粘度インクが不安定な状態で吐出されている様子を示している。これらの図を比較すると、不安定な状態では、飛行速度が不足しているインク滴や吐出曲がりが生じているインク滴があることが判る。
図6から図11は、第1減圧部分P1の傾きと第2減圧部分P5の傾きを異ならせた3種類の吐出パルスPS1a〜PS1cと、それぞれの吐出パルスPS1a〜PS1cで粘度が20ミリパスカル秒のインクを吐出させた場合のメニスカスの状態を説明する図である。なお、各吐出パルスPS1a〜PS1cのピエゾ素子433の印加に伴う吐出量は、同じになるようにしている。
第1電位保持部分P2は、タイミングt1bからタイミングt2bに亘って生成される、最高電位VHで一定の部分である。この吐出パルスPS1bにおいて、第1電位保持部分P2の生成期間は1.4μsである。
加圧部分P3は、タイミングt2bからタイミングt3bに亘って生成され、始端電位が最高電位VH、終端電位が最低電位VLの部分である。この加圧部分P3は、インクを吐出させるための吐出部分に相当し、その生成期間は2.8μsである。
第2電位保持部分P4は、タイミングt3bからタイミングt4bに亘って生成され、最低電位VLで一定の部分である。この吐出パルスPS1bにおいて、第2電位保持部分P4の生成期間は2.8μsである。
第2減圧部分P5は、タイミングt4bからタイミングt5bに亘って生成され、始端電位が最低電位VLであり、終端電位が中間電位VBである。また、第2減圧部分P5の生成期間は3.6μsである。従って、第2減圧部分P5の傾きは約4.2V/μsとなる。
第1電位保持部分P2は、タイミングt1cからタイミングt2cに亘って生成される、最高電位VHで一定の部分である。この吐出パルスPS1cにおいて、第1電位保持部分P2の生成期間は1.4μsである。
加圧部分P3は、インク滴を吐出させるための吐出部分に相当する。この加圧部分P3は、タイミングt2cからタイミングt3cに亘って生成され、始端電位が最高電位VH、終端電位が最低電位VLの部分である。この吐出パルスPS1cにおいて、加圧部分P3の生成期間は2.8μsである。
第2電位保持部分P4は、タイミングt3cからタイミングt4cに亘って生成され、最低電位VLで一定の部分である。この吐出パルスPS1cにおいて、第2電位保持部分P4の生成期間は2.8μsである。
第2減圧部分P5は、タイミングt4cからタイミングt5cに亘って生成され、始端電位が最低電位VLであり、終端電位が中間電位VBである。また、第2減圧部分P5の生成期間は3.6μsである。従って、第2減圧部分P5の傾きは5V/μsとなる。
次に、インクの粘度の違いよる影響について説明する。図12は、粘度が20ミリパスカル秒のインクを吐出させるための他の吐出パルスPS2aを説明する図である。図13は、図12の吐出パルスPS2aで1つのインク滴を吐出させた場合における、メニスカスの状態を説明する図である。図14は、粘度が6ミリパスカル秒のインクを吐出させるための吐出パルスPS2bを説明する図である。図15は、図14の吐出パルスPS2bで1つのインク滴を吐出させた場合における、メニスカスの状態を説明する図である。後述するように、図12の吐出パルスPS2a及び図14の吐出パルスPS2bの何れも、第1減圧部分P1の傾きが第2減圧部分P5の傾きよりも大きくなるように波形が定められている。なお、これらの図において、対象の圧力室424における固有振動周期は8μsである。
第1電位保持部分P2は、タイミングt2dからタイミングt3dに亘って生成される、最高電位VHで一定の部分である。この吐出パルスPS2aにおいて、第1電位保持部分P2の生成期間は2μsである。
加圧部分P3は、インク滴を吐出させるための吐出部分に相当する。この加圧部分P3は、タイミングt3dからタイミングt4dに亘って生成され、始端電位が最高電位VH、終端電位が最低電位VLである。この吐出パルスPS2aにおいて、加圧部分P3の生成期間は3μsである。
第2電位保持部分P4は、タイミングt4dからタイミングt5dに亘って生成され、最低電位VLで一定の部分である。この吐出パルスPS2aにおいて、第2電位保持部分P4の生成期間は5μsである。
第2減圧部分P5は、タイミングt5dからタイミングt6dに亘って生成され、始端電位が最低電位VLであり、終端電位が中間電位VBである。この吐出パルスPS2aにおいて、第2減圧部分P5の生成期間は2.3μsである。このため、第2減圧部分P5の傾きは約3.3V/μsとなる。
加圧部分P3は、インク滴を吐出させるための吐出部分に相当する。この加圧部分P3は、タイミングt3eにおける始端電位が最高電位VHであり、タイミングt4eにおける終端電位が最低電位VLである。この吐出パルスPS2bにおいて、加圧部分P3の生成期間は2.8μsである。
第2電位保持部分P4は、タイミングt4eからタイミングt5eに亘って生成される、最低電位VLで一定の部分である。この吐出パルスPS2bにおいて、第2電位保持部分P4の生成期間pwh2は2.8μsである。
第2減圧部分P5は、タイミングt5eにおける始端電位が最低電位VLであり、タイミングt6eにおける終端電位が中間電位VBである。この吐出パルスPS2bにおいて、第2減圧部分P5の生成期間は6μsである。そして、中間電位VBと最低電位VLの差は12Vであるため、第2減圧部分P5の傾きは2V/μsとなる。
図16は、粘度が20ミリパスカル秒のインクを吐出させるための吐出パルスPS2cであって、中間電位VBを駆動電圧Vhの20%に定めた吐出パルスPS2cを説明する図である。図17は、図16の吐出パルスPS2cでインクを1回吐出させた場合における、メニスカスの状態を説明する図である。
第1電位保持部分P2は、タイミングt2fからタイミングt3fに亘って生成されている。この第1電位保持部分P2は、最高電位VHで一定である。この吐出パルスPS2cにおいて、第1電位保持部分P2の生成期間は1μsである。
加圧部分P3は、タイミングt3fにおける始端電位が最高電位VHであり、タイミングt4fにおける終端電位が最低電位VLである。この吐出パルスPS2cにおいて、加圧部分P3の生成期間は2μsである。
第2電位保持部分P4は、タイミングt4fからタイミングt5fに亘って生成されている。この第2電位保持部分P4は、最低電位VLで一定である。この吐出パルスPS2cにおいて、第2電位保持部分P4の生成期間は5μsである。
第2減圧部分P5は、タイミングt5fにおける始端電位が最低電位VLであり、タイミングt6fにおける終端電位が中間電位VBである。この吐出パルスPS2cにおいて、第2減圧部分P5の生成期間は4μsである。このため、第2減圧部分P5の傾きは1.25V/μsとなる。
前述したように、インク滴を連続的に吐出させる場合、先の吐出パルスPSが有する第2減圧部分P5のピエゾ素子433への終了後に、次の吐出パルスPSが有する第1減圧部分P1のピエゾ素子433への印加が開始される。そして、本実施形態では、インク滴の吐出周波数が高いほど、第2減圧部分P5の印加終了タイミングと第1減圧部分P1の印加開始タイミングとを近付けている。例えば、図18に示す定電位部分P6、詳しくは、先の吐出パルスPSが有する第2減圧部分P5の終端と次の吐出パルスPSが有する第1減圧部分P1の始端とを接続する中間電位VBで一定の部分に関し、インク滴の吐出周波数が高くなるほど生成時間を短くしている。
これにより、第1減圧部分P1の印加時において、インク滴の吐出周波数が高くなるほど、第2減圧部分P5に起因するインクの流れの影響を強くすることができる。すなわち、圧力室424側へのインク供給量を増やすことができる。
以上の説明から判るように、このプリンタ1では、第1減圧部分P1の傾きを第2減圧部分P5の傾きよりも大きくしているので、インク滴の高周波吐出時においてインクを圧力室424側へ効率よく流すことができる。これにより、高粘度インクの吐出を安定化できる。そして、第1減圧部分P1の傾きに関し、インクの粘度が高くなるほどこの傾きを大きくしている。この点でも、インク滴の高周波吐出時においてインクを圧力室424側へ効率よく流すことができ、高粘度インクの吐出を安定化できる。
前述した実施形態は、主として、液体吐出装置としてのプリンタ1を有する印刷システムについて記載されているが、その中には、液体吐出方法、液体吐出システム、吐出パルスの設定方法等の開示が含まれている。また、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述した実施形態のヘッドHDでは、ピエゾ素子433として、吐出パルスPSで与えられる電位が高いほど、圧力室424の容積を大きくするための動作をするタイプのものを用いていた。ヘッドに関し、他のタイプのものを用いてもよい。図23に示した他のヘッドHD´は、ピエゾ素子として、吐出パルスPS(図24を参照)で与えられる電位が高いほど、圧力室73の容積を小さくするための動作をするタイプのものを用いている。
前述した各吐出パルスPS(PS1a〜PS3a)では、第1減圧部分P1(P1´)が吐出パルスPSにおける最初の部分であり、第2減圧部分P5(P5´)が吐出パルスPSにおける最後の部分であった。第1減圧部分P1に関し、吐出部分としての加圧部分P3よりも前に生成されていれば、吐出パルスPSにおける最初の部分でなくてもよい。同様に、第2減圧部分P5に関し、加圧部分P3よりも後に生成されていれば、吐出パルスPSにおける最後の部分でなくてもよい。
このプリンタ1では、インクを吐出させるための動作をする素子として、ピエゾ素子433,75を用いている。ここで、吐出動作をする素子は、前述したピエゾ素子433,75に限定されるものではない。印加された電位に応じて動作をし、圧力室424,73内の液体に圧力変化を与える素子であればよい。例えば、磁歪素子であってもよい。そして、この素子として、前述の実施形態のようにピエゾ素子433,75を用いた場合には、圧力室424,73の容積を吐出パルスPSの電位に基づいて精度良く制御できる。
また、前述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
30 駆動信号生成回路,31 DAC回路,32 電圧増幅回路,
33 電流増幅回路,40 ヘッドユニット,41 ケース,
411 収容空部,42 流路ユニット,421 流路形成基板,
422 ノズルプレート,423 振動板,423a ダイヤフラム部,
424 圧力室,425 インク供給路,426 共通インク室,
427 ノズル,428 支持板,428a 島部,429 弾性体膜,
43 ピエゾ素子ユニット,431 ピエゾ素子群,432 固定板,
433 ピエゾ素子,434 共通電極,435 駆動電極,
436 圧電体,44 スイッチ,50 検出器群,
60 プリンタ側コントローラ,61 インタフェース部,62 CPU,
63 メモリ,71 共通インク室,72 インク供給口,73 圧力室,
74 ノズル,75 ピエゾ素子,76 振動板,CP コンピュータ,
HD ヘッド,HD´ 他のヘッド,HC ヘッド制御部,
COM 駆動信号,PS 吐出パルス,P1(P1´) 第1減圧部分,
P2(P2´) 第1電位保持部分,P3(P3´) 加圧部分,
P4(P4´) 第2電位保持部分,P5(P5´) 第2減圧部分,
P6 定電位部分
Claims (4)
- (A)液体の供給部とノズルのそれぞれに連通された圧力室と、
(B)電位の変化に応じて前記圧力室の容積を変化させるための動作をする素子と、
(C)前記ノズルから前記液体を吐出させるべく基準容積の圧力室の容積を変化させて前記基準容積に戻す一連の動作を前記素子に行わせる吐出パルスであって、前記液体を吐出させるための準備をすべく、前記基準容積の前記圧力室を膨張させるための動作を前記素子に行わせる吐出前膨張部分を有する吐出パルスを、繰り返し生成する吐出パルス生成部と、
(D)を備えた液体吐出装置用の吐出パルスの設定方法であって、
(E)前記液体の粘度は、6ミリパスカル秒以上であって20ミリパスカル秒以下の範囲内に定められており、
(F)前記液体の粘度が高いほど、前記吐出前膨張部分における単位時間あたりの電位変化量を大きく定め、
(G)前記吐出パルスは、前記液体の吐出後に、前記基準容積よりも収縮された前記圧力室を前記基準容積まで膨張させるための動作を前記素子に行わせる吐出後膨張部分を有しており、
前記吐出前膨張部分における単位時間あたりの電位変化量を、前記吐出後膨張部分における単位時間あたりの電位変化量よりも大きく定め、
(H)前記吐出前膨張部分を、前記吐出パルスが有する複数の部分のうちの、最初の部分として定め、
前記吐出後膨張部分を、前記吐出パルスが有する複数の部分のうちの、最後の部分として定め、
(I)液体の最高吐出周波数にて、後の吐出パルスが有する前記吐出前膨張部分の生成開始タイミングを、先の吐出パルスが有する前記吐出後膨張部分の生成終了タイミングに定める、
(J)吐出パルスの設定方法。 - 請求項1に記載の吐出パルスの設定方法であって、
前記吐出パルスは、前記液体を吐出させるべく前記圧力室を収縮させる動作を前記素子に行わせる吐出部分であって、前記吐出パルスにおける最高電位と最低電位の一方から他方まで電位が変化する吐出部分を有しており、
前記吐出前膨張部分を、前記基準容積に対応する基準電位から前記最高電位と前記最低電位の一方まで電位が変化する部分として定め、
前記吐出後膨張部分を、前記最高電位と前記最低電位の他方から前記基準電位まで電位が変化する部分として定める、吐出パルスの設定方法。 - 請求項2に記載の吐出パルスの設定方法であって、
前記基準電位を、前記最高電位と前記最低電位の他方から、前記最高電位と前記最低電位の差の20%以上であって50%以下の範囲内に定める、吐出パルスの設定方法。 - 請求項1から請求項3の何れかに記載の吐出パルスの設定方法であって、
前記吐出前膨張部分の単位時間あたりの電位変化量を、メニスカスの形状を維持し得る変化量以下に定める、吐出パルスの設定方法。
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