JP5256930B2 - 液体吐出ユニット、液体吐出装置、及び、液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出ユニット、液体吐出装置、及び、液体吐出方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出ユニット、液体吐出装置、及び、液体吐出方法に関する。
圧力室内の液体に圧力変化を与え、圧力室に連通したノズルから液体を吐出させる液体吐出装置が知られている。このような液体吐出装置では、圧力室内の液体に与える圧力振動の振幅を大きくすることで、吐出される液体の量を増やしている。言い換えれば、吐出パルスの駆動電圧を大きくすることで、吐出される液体の量を増やしている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−94656号公報
近年、この液体吐出装置により、従来扱われていた液体よりも粘度の高い液体(以下、高粘度液体ともいう。)を吐出する試みがなされている。すなわち、従来は水のように粘度が低い液体を対象にしていたが、6ミリパスカル秒以上の高粘度液体を吐出する試みがなされている。
この高粘度液体でも、十分な吐出量を得るためには、吐出量に応じた大きさの圧力変化を圧力室内の液体に与える必要がある。しかし、圧力変化を大きくすると液体の飛行速度も高くなり、この液体の後端部分が尾のように伸びる現象が生じる。この現象により、尾の部分が正規の位置に着弾しないという問題があった。例えば、インクジェットプリンタでは、尾の部分がミストになって正規の位置からずれて着弾し、画質の劣化が生じるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体の後端部分が尾のように伸びる現象を抑制することにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
ノズルに連通された圧力室と、
前記圧力室内の液体に圧力変化を与える動作を行う素子と、
前記素子に印加されることで前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせる第1パルス、及び、前記素子に印加されることで前記圧力室内の液体に前記ノズルから液体が吐出される大きさの圧力変化を生じさせる第2パルスを生成するパルス生成部と、を備え、
前記液体は、
粘度が6ミリパスカル秒以上であり、
前記素子は、
電位に応じて変形して圧力室の容積を変化させる動作をするものであり、
前記パルス生成部は、
前記第2パルスの生成を、前記第1パルスの前記素子への印加によって前記圧力室内の液体に生じた圧力振動が残っている期間内であって、前記第2パルスを単独で前記素子に印加した際の吐出量よりも、吐出量が多くなるタイミングで開始し、前記圧力振動によって前記圧力室内の液体圧力が下がっている期間内に開始し、
前記第1パルスは、
膨張状態の前記圧力室を収縮させるために前記素子を変形させる収縮要素を最後に有し、
前記第2パルスは、
前記圧力振動を加振する圧力変化を前記圧力室内の液体に与えるように、前記素子を動作させるものであり、
前記圧力室を膨張させるために前記素子を変形させる膨張要素を最初に有する、
液体吐出ユニットである。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、ノズルに連通された圧力室と、前記圧力室内の液体に圧力変化を与える動作を行う素子と、前記素子に印加されることで前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせる第1パルス、及び、前記素子に印加されることで前記圧力室内の液体に前記ノズルから液体が吐出される大きさの圧力変化を生じさせる第2パルスを生成するパルス生成部と、を備え、前記液体は、粘度が6ミリパスカル秒以上であり、前記パルス生成部は、前記第2パルスの生成を、前記第1パルスの前記素子への印加によって前記圧力室内の液体に生じた圧力振動が残っている期間内であって、前記第2パルスを単独で前記素子に印加した際の吐出量よりも、吐出量が多くなるタイミングで開始する、液体吐出ユニットを実現できることが明らかにされる。
このような液体吐出ユニットによれば、第2パルスによる液体滴の吐出時には、第1パルスに起因する残留振動が作用し、或る量の液体を吐出させる場合において、第2パルスによって圧力室内の液体に与える圧力変化を抑えることができる。これにより、第2パルスだけを用いる場合よりも、液体の飛行速度を抑えることができ、液体の後端部分が尾のように伸びる現象を抑制できる。
かかる液体吐出ユニットであって、前記第2パルスは、前記圧力振動を加振する圧力変化を前記圧力室内の液体に与えるように、前記素子を動作させるものであることが好ましい。
このような液体吐出ユニットによれば、液体の吐出を効率よく行うことができる。
かかる液体吐出ユニットであって、前記素子は、電位に応じて変形して圧力室の容積を変化させる動作をするものであり、前記第1パルスは、膨張状態の前記圧力室を収縮させるために前記素子を変形させる収縮要素を最後に有し、前記第2パルスは、前記圧力室を膨張させるために前記素子を変形させる膨張要素を最初に有し、前記パルス生成部は、 前記第2パルスの生成を、前記圧力振動によって前記圧力室内の液体圧力が下がっている期間内に開始することが好ましい。
このような液体吐出ユニットによれば、液体の吐出を効率よく行うことができる。
かかる液体吐出ユニットであって、前記パルス生成部は、前記第2パルスの生成を、前記第1パルスの生成終了から前記圧力室内の液体の固有振動周期の1/2以下の期間内に開始することが好ましい。
このような液体吐出ユニットによれば、圧力振動の振幅が大きなうちに第2パルスを素子に印加できる。このため、液体の吐出を効率よく行うことができる。
かかる液体吐出ユニットであって、前記第1パルスは、前記液体が前記ノズルから吐出されない大きさの圧力変化を前記圧力室内の液体に与えるものであっても、前記液体を前記ノズルから吐出させる大きさの圧力変化を前記圧力室内の液体に与えるものであってもよい。
また、前述の液体吐出ユニットを備えた液体吐出装置を実現できることも明らかにされる。
また、圧力室内に貯留された粘度が6ミリパスカル秒以上の液体を、圧力室内の液体に圧力変化を与える動作を行う素子を用いて、前記圧力室に連通するノズルから吐出させる液体吐出方法であって、前記動作を前記素子に行わせる第1パルスを生成し、前記素子に印加すること、前記動作を前記素子に行わせることで前記ノズルから前記液体を吐出させる第2パルスの生成を、前記第1パルスの前記素子への印加によって前記圧力室内の液体に圧力振動が残っている期間内であって、前記第2パルスを単独で前記素子に印加した際の吐出量よりも、吐出量が多くなるタイミングで開始し、前記素子に印加することを行う液体吐出方法を実現できることも明らかにされる。
===第1実施形態===
<印刷システムについて>
図1に例示した印刷システムは、プリンタ1と、コンピュータCPとを有する。プリンタ1は液体吐出装置に相当し、用紙、布、フィルム等の媒体に向けて、液体の一種であるインクを吐出する。媒体は、液体が吐出される対象となる対象物である。コンピュータCPは、プリンタ1と通信可能に接続されている。プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータCPは、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に送信する。
===プリンタ1の概要===
プリンタ1は、用紙搬送機構10、キャリッジ移動機構20、駆動信号生成回路30、ヘッドユニット40、検出器群50、及び、プリンタ側コントローラ60を有する。
用紙搬送機構10は、用紙を搬送方向に搬送させる。キャリッジ移動機構20は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジを所定の移動方向(例えば紙幅方向)に移動させる。駆動信号生成回路30は、駆動信号COMを生成する。この駆動信号COMは、用紙への印刷時にヘッドHD(ピエゾ素子433,図2を参照)へ印加されるものであり、図5に一例を示すように、プレパルスPS1や吐出パルス(第1吐出パルスPS2,第2吐出パルスPS3)を含む一連の信号である。ここで、吐出パルスとは、ヘッドHDのノズル427(図2を参照)から滴状のインクを吐出させるために、ピエゾ素子433に所定の動作を行わせる電位の変化パターンである。また、プレパルスPS1は、吐出パルスによるインクの吐出を補助するために、ピエゾ素子433に所定の動作を行わせる電位の変化パターンである。駆動信号COMがこれらのパルスを含むことから、駆動信号生成回路30は、パルス生成部に相当する。なお、駆動信号生成回路30や各パルスについては、後で説明する。ヘッドユニット40は、ヘッドHDとヘッド制御部HCとを有する。ヘッドHDは、インクを用紙に向けて吐出させる。ヘッド制御部HCは、プリンタ側コントローラ60からのヘッド制御信号に基づき、ヘッドHDを制御する。検出器群50は、プリンタ1の状況を監視する複数の検出器によって構成される。これらの検出器による検出結果は、プリンタ側コントローラ60に出力される。プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1における全体的な制御を行う。なお、ヘッドHDやプリンタ側コントローラ60についても後で説明する。
プリンタ1を構成する各部のうち、インク(液体)の吐出にかかわる部分は、駆動信号生成回路30、ヘッドユニット40、及び、プリンタ側コントローラ60である。従って、これらの部分は、液体を吐出する液体吐出ユニットに相当する。そして、プリンタ1は、液体吐出ユニットを備えた液体吐出装置に相当する。
===プリンタ1の要部===
<ヘッドHDについて>
図2に示すように、ヘッドHDは、ケース41と、流路ユニット42と、ピエゾ素子ユニット43とを有する。ケース41は、ピエゾ素子ユニット43を収容して固定するための収容空部411が内部に設けられた箱体状である。このケース41は、例えば樹脂材によって作製される。そして、ケース41の先端面には、流路ユニット42が接合されている。
流路ユニット42は、流路形成基板421と、ノズルプレート422と、振動板423とを有する。そして、流路形成基板421における一方の表面にはノズルプレート422が接合され、他方の表面には振動板423が接合されている。流路形成基板421には、圧力室424、インク供給路425、及び、共通インク室426などが形成されている。この流路形成基板421は、例えばシリコン基板によって作製されている。圧力室424は、ノズル427の並び方向に対して直交する方向に細長い室として形成されている。インク供給路425は、圧力室424と共通インク室426との間を連通する狭い流路の部分である。このインク供給路425は、圧力室424へ液体を供給するための、液体の供給部に相当する。共通インク室426は、インクカートリッジ(図示せず)から供給されたインクを一旦貯留する部分であり、共通の液体貯留室に相当する。
ノズルプレート422には、複数のノズル427が、所定の並び方向に所定の間隔で設けられている。このノズルプレート422は、例えばステンレス板やシリコン基板によって作製されている。
振動板423は、例えばステンレス製の支持板428に樹脂製の弾性体膜429を積層した二重構造を採っている。振動板423における各圧力室424に対応する部分は、ステンレス板の部分が環状にエッチング加工されている。そして、環内には島部428aが形成されている。この島部428aと島部428a周辺の弾性体膜429aとがダイヤフラム部423aを構成する。このダイヤフラム部423aは、ピエゾ素子ユニット43が有するピエゾ素子433によって変形し、圧力室424の容積を可変する。
ピエゾ素子ユニット43は、ピエゾ素子群431と、固定板432とを有する。ピエゾ素子群431は櫛歯状をしている。そして、櫛歯の1つ1つがピエゾ素子433である。各ピエゾ素子433の先端面は、対応する島部428aに接着される。固定板432は、ピエゾ素子群431を支持するとともに、ケース41に対する取り付け部となる。この固定板432は、例えばステンレス板によって構成されており、収容空部411の内壁に接着される。
ピエゾ素子433は、電気機械変換素子の一種であり、圧力室424内の液体に圧力変化を与えるための動作(変形動作)をする素子に相当する。図2に示すピエゾ素子433は、隣り合う電極同士の間に電位差を与えることにより、積層方向と直交する素子長手方向に伸縮する。すなわち、上記の電極は、所定電位の共通電極434と、駆動信号COM(プレパルスPS1や各吐出パルスPS2,PS3等)に応じた電位になる駆動電極435とを有する。そして、両電極434,435に挟まれた圧電体436は、共通電極434と駆動電極435との電位差に応じた度合いで変形する。ピエゾ素子433は、圧電体436の変形に伴って素子の長手方向に伸縮する。本実施形態において、共通電極434は、グランド電位、若しくは、グランド電位よりも所定電位だけ高いバイアス電位に定められる。そして、ピエゾ素子433は、駆動電極435の電位が共通電極434の電位よりも高くなるほど収縮する。反対に、駆動電極435の電位が共通電極434の電位に近付くほど、或いは、共通電極434の電位よりも低くなるほど伸張する。
前述したように、ピエゾ素子ユニット43は、固定板432を介してケース41に取り付けられている。このため、ピエゾ素子433が収縮すると、ダイヤフラム部423aは、圧力室424から遠ざかる方向に引っ張られる。これにより、圧力室424が膨張される。反対に、ピエゾ素子433が伸長すると、ダイヤフラム部423aが圧力室424側に押される。これにより、圧力室424が収縮する。圧力室424内のインクには、圧力室424の膨張や収縮(容積の変化)に起因して圧力変化が生じる。すなわち、圧力室424の収縮に伴って圧力室424内のインクは加圧され、圧力室424の膨張に伴って圧力室424内のインクは減圧される。ピエゾ素子433の伸縮状態は駆動電極435の電位に応じて定まるので、圧力室424の容積も駆動電極435の電位に応じて定まる。従って、圧力室424内のインクに対する加圧度合いや減圧度合いは、駆動電極435における単位時間あたりの電位変化量で定めることができる。
<インク流路について>
ヘッドHDには、共通インク室426からノズル427に至る一連のインク流路(液体で満たされる液体流路に相当する)が、ノズル427の数に応じた複数設けられている。このインク流路では、圧力室424に対して、ノズル427及びインク供給路425がそれぞれ連通している。このため、インクの流れなどの特性を解析する場合、ヘルムホルツの共鳴器の考え方が適用される。図3は、この考え方に基づくヘッドHDの構造を模式的に説明する図である。
一般的なヘッドHDにおいて、圧力室424の長さL424は200μmから2000μmの範囲内に定められる。圧力室424の幅W424は20μmから300μmの範囲内に定められ、圧力室424の高さH424は30μmから500μmの範囲内に定められる。そして、インク供給路425の長さL425は50μmから2000μmの範囲内に定められる。インク供給路425の幅W425は20μmから300μmの範囲内に定められ、インク供給路425の高さH425は30μmから500μmの範囲内に定められる。また、ノズル427の直径φ427は10μmから35μmの範囲内に定められ、ノズル427の長さL427は40μmから100μmの範囲内に定められる。
なお、インク供給路425に関し、幅W425や高さH425は、圧力室424の幅W424や高さH424以下に定められる。また、インク供給路425の幅W425や高さH425の一方を、圧力室424の幅W424や高さH424の一方に揃えた場合、インク供給路425の幅W425や高さH425の他方は、圧力室424の幅W424や高さH424の他方よりも小さいサイズに定められる。
このようなインク流路では、圧力室424内のインクに圧力変化を与えることで、ノズル427からインクが吐出される。このとき、圧力室424、インク供給路425、及び、ノズル427は、ヘルムホルツの共鳴器のように機能する。このため、圧力室424内のインクに加わる圧力の大きさは、ヘルムホルツ周期と呼ばれる固有の周期で変化する。すなわち、インクには圧力振動が生じる。従って、ヘルムホルツ周期は、圧力室424におけるインク(液体)の固有振動周期とも呼ばれる。このヘルムホルツ周期の圧力振動により、メニスカス(ノズル427で露出しているインクの自由表面)がノズル427内で周期的に移動する。そして、このヘルムホルツ周期の圧力変化を利用することで、インクをノズル427から効率よく吐出させたり、圧力室424内のインクの圧力変化を効率よく打ち消したりすることができる。
一般的なヘッドHDにおいて、圧力室424におけるヘルムホルツ周期は5μsから10μsの範囲内に定められる。例えば、図3のインク流路において、圧力室424の幅W424を100μm、高さH424を70μm、長さL424を1000μmとし、インク供給路425の幅W425を50μm、高さH425を70μm、長さL425を500μmとし、ノズル427の直径φ427を30μm、長さL427を100μmとした場合、圧力室424におけるヘルムホルツ周期は8μs程度になる。なお、このヘルムホルツ周期は、隣り合う圧力室424同士を区画する隔壁の厚さ、弾性体膜429の厚さやコンプライアンス、流路形成基板421やノズルプレート422の素材によっても変化する。
<プリンタ側コントローラ60について>
プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1における全体的な制御を行う。すなわち、コンピュータCPから受け取った印刷データや各検出器からの検出結果に基づいて制御対象部を制御し、用紙に画像を印刷させる。例えば、駆動信号COMに含まれるプレパルスPS1や各吐出パルスPS2,PS3を、吐出させるインク滴の量に応じて選択的にピエゾ素子433へ印加させる。図1に示すように、プリンタ側コントローラ60は、インタフェース部61と、CPU62と、メモリ63とを有する。インタフェース部61は、コンピュータCPとの間でデータの受け渡しを行う。CPU62は、プリンタ1の全体的な制御を行う。メモリ63は、コンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保する。CPU62は、メモリ63に記憶されているコンピュータプログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、用紙搬送機構10やキャリッジ移動機構20を制御する。また、CPU62は、ヘッドHDの動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに送信したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号生成回路30に送信したりする。
ここで、駆動信号COMを生成させるための制御信号はDACデータとも呼ばれ、例えば複数ビットのデジタルデータである。このDACデータは、生成される駆動信号COMの電位の変化パターンを定める。従って、このDACデータは、駆動信号COM、及び、この駆動信号COMに含まれる各パルスの電位を示すデータともいえる。このDACデータは、メモリ63の所定領域に記憶されており、駆動信号COMの生成時に読み出されて駆動信号生成回路30へ出力される。
<駆動信号生成回路30について>
駆動信号生成回路30は、パルス生成部として機能し、DACデータに基づき、プレパルスPS1や各吐出パルスPS2,PS3を有する駆動信号COMを生成する。図4に示すように、駆動信号生成回路30は、DAC回路31と、電圧増幅回路32と、電流増幅回路33とを有する。DAC回路31は、デジタルのDACデータをアナログ信号に変換する。電圧増幅回路32は、DAC回路31で変換されたアナログ信号の電圧を、ピエゾ素子433を駆動できるレベルまで増幅する。このプリンタ1では、DAC回路31から出力されるアナログ信号は最大3.3Vであるのに対し、電圧増幅回路32から出力される増幅後のアナログ信号(便宜上、波形信号ともいう。)は最大42Vである。電流増幅回路33は、電圧増幅回路32からの波形信号について電流の増幅をし、駆動信号COMとして出力する。この電流増幅回路33は、例えば、プッシュプル接続されたトランジスタ対によって構成される。
<ヘッド制御部HCについて>
ヘッド制御部HCは、駆動信号生成回路30で生成された駆動信号COMの必要部分をヘッド制御信号に基づいて選択し、ピエゾ素子433へ印加する。このため、図4に示すように、ヘッド制御部HCは、駆動信号COMの供給線の途中に、ピエゾ素子433毎に設けられた複数のスイッチ44を有する。そして、ヘッド制御部HCは、ヘッド制御信号からスイッチ制御信号を生成する。このスイッチ制御信号によって各スイッチ44を制御することで、駆動信号COMの必要部分、すなわちプレパルスPS1や各吐出パルスPS2,PS3がピエゾ素子433へ印加される。このとき、必要部分の選択の仕方次第で、ノズル427からのインクの吐出を制御できる。スイッチ制御信号の基となるヘッド制御信号は、プリンタ側コントローラ60から出力される。このため、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号COMに含まれるパルスを、ピエゾ素子433に印加するための制御を行うコントローラに相当する。また、ヘッド制御部HCは、コントローラによって制御され、駆動信号COMに含まれるパルスをピエゾ素子433に印加するパルス印加部に相当する。
<駆動信号COMについて>
次に、駆動信号生成回路30によって生成される駆動信号COMについて説明する。この駆動信号COMは、ピエゾ素子433が有する駆動電極435に印加される。これにより、固定電位とされた共通電極434との間に、電位の変化パターンに応じた電位差が生じる。その結果、ピエゾ素子433は、電位の変化パターンに応じて伸縮し、圧力室424の容積を変化させる。
図5に例示した駆動信号COMには、繰り返し期間毎に繰り返し生成される複数のパルスが含まれている。すなわち、プレパルスPS1と、第1吐出パルスPS2と、第2吐出パルスPS3とが繰り返し期間Tに含まれている。プレパルスPS1は、ノズル427からインク滴が吐出されない大きさの圧力変化(圧力振動)を、圧力室424内のインクに与えるためのものであり、非吐出パルスに相当する。第1吐出パルスPS2及び第2吐出パルスPS3は、ノズル427からインク滴が吐出される大きさの圧力変化を圧力室424内のインクに与えるためのものである。
繰り返し期間Tは、ドット階調に対応した期間である。すなわち、或るドットが形成される単位領域に対して、ドットの大きさに応じた量のインクを吐出するために必要な期間である。この繰り返し期間Tは、形成可能なドットの種類に応じた数のパルスを生成するために必要な期間、及び、ヘッドHDの移動速度等によって定められる。例示した駆動信号COMにおいて、この繰り返し期間Tは、前側の期間である第1期間T1、中間の期間である第2期間T2、及び、後側の期間である第3期間T3の3つに区切られている。
プレパルスPS1は第1期間T1に生成され、第1吐出パルスPS2は第2期間T2に生成され、第2吐出パルスPS3は第3期間T3に生成される。従って、駆動信号生成回路30(パルス生成部)は、プレパルスPS1(非吐出パルス)、第1吐出パルスPS2、及び、第2吐出パルスPS3の順に、これらのパルスを繰り返し生成している。
プレパルスPS1は、膨張要素P1、ホールド要素P2、及び、収縮要素P3を有する。膨張要素P1は、減圧要素に相当し、最低電位VLから中間電位VCまで一定の勾配θ1で電位を上昇させる部分である。この駆動信号COMでは、最低電位VLが、圧力室424の基準容積に対応する基準電位に相当している。膨張要素P1のピエゾ素子433への印加に伴い、圧力室424は基準容積から中間電位VCに対応する中間容積まで膨張する。これにより、圧力室424内のインクは減圧される。ホールド要素P2は、維持要素に相当し、中間電位VCを維持する部分である。ホールド要素P2の印加期間中に亘って、ピエゾ素子433は膨張要素P1の印加終了時点における変形状態を維持し、圧力室424は中間容積を維持する。収縮要素P3は、加圧要素に相当し、中間電位VCから最低電位VLまで一定の勾配θ2で電位を下降させる部分である。この収縮要素P3の印加に伴い、圧力室424は中間容積から基準容積まで収縮する。これにより、圧力室424内のインクは加圧される。このプレパルスPS1の印加に伴い、圧力室424内のインクには、インクが吐出されない大きさの圧力振動が生じる。このプレパルスPS1では、駆動電圧(中間電位VCと最低電位VLの差)を、各吐出パルスPS2,PS3の駆動電圧Vhの1/2に定めている。言い換えれば、プレパルスPS1の膨張要素P1及び収縮要素P3における電位の変化幅は、後述する第1吐出パルスPS2及び第2吐出パルスPS3の膨張要素P4,P7及び収縮要素P6,P9における電位の変化幅よりも小さく定められている。このようなプレパルスPS1を印加すると、インクは吐出されないけれども、十分な大きさの圧力振動が圧力室424内のインクに与えられる。そして、インク流路がヘルムホルツの共鳴器のような動作をすることから、この圧力振動はプレパルスPS1の印加終了後も残留する。
第1吐出パルスPS2及び第2吐出パルスPS3の形状(電位の変化パターン)は、同じである。このため、纏めて説明する。各吐出パルスPS2,PS3は、膨張要素P4,P7、ホールド要素P5,P8、及び、収縮要素P6,P9を有する。膨張要素P4,P7は、減圧要素に相当し、最低電位VLから最高電位VHまで一定の勾配θ3で電位を上昇させる部分である。膨張要素P4,P7のピエゾ素子433への印加に伴い、圧力室424は基準容積から最高電位VHに対応する最大容積まで膨張する。これにより、圧力室424内のインクは、プレパルスPS1の膨張要素P1が印加されたときよりも大きく減圧される。ホールド要素P5,P8は、維持要素に相当し、最高電位VHを維持する部分である。ホールド要素P5,P8の印加期間中に亘って、ピエゾ素子433は膨張要素P4,P7の印加終了時点における変形状態を維持し、圧力室424は最大容積を維持する。この期間において、圧力振動に起因するインク圧力は、減圧方向の変化から加圧方向の変化に転じる。収縮要素P6,P9は、加圧要素に相当し、最高電位VHから最低電位VLまで一定の勾配θ4で電位を下降させる部分である。この収縮要素P6,P9の印加に伴い、圧力室424は最大容積から基準容積まで収縮する。これにより、圧力室424内のインクは加圧される。このとき、圧力室424内のインクに与えられている加圧方向の圧力変化と、圧力室424の収縮に伴うインクの加圧とが相俟って、インクは大きく加圧される。その結果、ノズル427からインク滴が吐出される。従って、これらの吐出パルスPS2,PS3が有する収縮要素P6,P9は、インク滴(液体滴の一種)を吐出させるための吐出要素にも相当する。そして、これらの吐出パルスPS2,PS3を用いた場合も、インク滴の吐出後において圧力振動が残留する。
これらのプレパルスPS1、第1吐出パルスPS2、及び、第2吐出パルスPS3は、何れも台形状の波形で構成されている。このように、各パルスを台形状の波形で構成すると、インク滴の吐出後において、圧力振動が強い状態で残る。このため、後に続いてピエゾ素子433へ印加される吐出パルスPS2,PS3において、この圧力振動を利用できる。そして、プレパルスPS1と第1吐出パルスPS2の間隔は、第1定電位要素P11の生成期間で定められる。この間隔は、プレパルスPS1の印加終了後における圧力室424内のインク圧力の大きさを定める。同様に、第1吐出パルスPS2と第2吐出パルスPS3の間隔は、第2定電位要素P12の生成期間で定められ、第1吐出パルスPS2の印加終了後における圧力室424内のインク圧力の大きさを定める。従って、第1定電位要素P11の生成期間及び第2定電位要素P12の生成期間を調整することで、インク滴の量や飛行速度を調整できる。また、各パルスが台形状の波形であることから、言い換えれば、減圧要素と加圧要素とを有し、圧力室424内の残留振動を抑制するための制振要素を有さないことから、波形に必要な時間を短くでき、インク滴の高周波吐出に適する。
<インク滴の吐出制御について>
上記のプリンタ1によって、従来扱われてきたインクよりも高い粘度のインクを吐出させる場合、必要な吐出量を確保するためにはインクに与える圧力振動の振幅を大きくする必要がある。ここで、圧力振動の振幅を大きくすると、振幅の大きさに比例してインク滴の飛行速度も高くなる。高粘度インクでは、飛行速度が高くなるにつれて、尾のように伸びたインク滴の後端部分がより長くなってしまう。このような尾の部分は、正規の着弾位置からずれた位置に着弾する可能性が高く、画質劣化の原因となる。
尾の部分による画質劣化を抑制するためには、尾の部分の長さを短くすることが有効と考えられる。前述したように、尾の部分の長さはインク滴の飛行速度に比例する。そうすると、尾の部分を短くするためには、インク滴の量を確保しつつ、インク滴の飛行速度を抑えることが有効といえる。
このような観点から、このプリンタ1では、インクを吐出させる場合に、第1パルスと第2パルスを順にピエゾ素子433へ印加する。
例えば、中ドットを形成する場合には、プレパルスPS1が第1パルスに相当し、第1吐出パルスが第2パルスに相当する。この場合、図6Aに示すように、第1吐出パルスPS2のピエゾ素子433への印加に先立って、プレパルスPS1をピエゾ素子433へ印加する。ここで、第1吐出パルスPS2の生成開始タイミングは、プレパルスPS1のピエゾ素子433への印加によって圧力室424内のインクに与えられた圧力振動が残っている期間内であって、第1吐出パルスPS2を単独でピエゾ素子433へ印加した際の吐出量よりも、吐出量が多くなるタイミングに定められる。
また、大ドットを形成する場合には、第1吐出パルスPS2が第1パルスに相当し、第2吐出パルスPS3が第2パルスに相当する。この場合、図6Bに示すように、第1吐出パルスPS2と第2吐出パルスPS3を連続的にピエゾ素子433へ印加する。ここでも、第2吐出パルスPS3の生成開始タイミングは、第2吐出パルスPS3のピエゾ素子433への印加によって圧力室424内のインクに与えられた圧力振動が残っている期間内であって、第2吐出パルスPS3を単独でピエゾ素子433へ印加した際の吐出量よりも、吐出量が多くなるタイミングに定められる。
このように構成することにより、第1吐出パルスPS2を用いて中ドットを形成する場合には、プレパルスPS1によってインクに与えられた圧力振動を、第1吐出パルスPS2によるインク滴の吐出に利用できる。これにより、プレパルスPS1を用いずに、第1吐出パルスPS2だけでインク滴を吐出させるよりも、低い駆動電圧で同じ量のインク滴を吐出させることができる。駆動電圧が低いほどインク滴の飛行速度を抑えることができるので、尾の部分の長さを短くすることができる。
同様に、第1吐出パルスPS2及び第2吐出パルスPS3を用いて大ドットを形成する場合には、第1吐出パルスPS2によって与えられた圧力振動を、第2吐出パルスPS3によるインク滴の吐出に利用できる。これにより、第2吐出パルスPS3によるインク滴の飛行速度を、第1吐出パルスPS2によるインク滴の飛行速度と同程度に抑えつつ、第2吐出パルスPS3によるインク滴の吐出量を、第1吐出パルスPS2によるインク滴の吐出量よりも増やすことができる。すなわち、尾の部分を長くすることなく、吐出量を増やすことができる。以下、詳細に説明する。
<中ドットの形成時について>
まず、中ドットの形成時におけるインク滴の吐出動作について説明する。ここで、図7Aは、中ドットの形成時におけるメニスカスの位置を、プレパルスPS1及び第1吐出パルスPS2に対応付けて示した図である。すなわち、図7Aの上段はプレパルスPS1及び第1吐出パルスPS2の電位と時間との関係を示し、図7Aの下段はメニスカスの状態と時間との関係を示している。
メニスカスの状態に関し、0は、定常状態におけるメニスカスの位置を示す。そして、正側に値が大きくなるほどメニスカスが吐出方向に押し出された状態を示し、負側に値が大きくなるほどメニスカスが圧力室424側に引き込まれた状態を示す。そして、メニスカスの状態は、圧力室424内のインク圧力に応じて変化する。このため、メニスカスが定常状態で一定の場合、圧力室424内のインク圧力も定常圧力で変化していないといえる。また、メニスカスが押し出された状態は、圧力室424内のインク圧力が定常圧力よりも高くなっている状態といえる。反対に、メニスカスが引き込まれた状態は、圧力室424内のインクが定常圧力よりも低くなっている状態といえる。
プレパルスPS1の膨張要素P1は、タイミングt1からt2に亘って印加される。これに伴って圧力室424が膨張してインク圧力が低下し、メニスカスが圧力室424側に引き込まれる。ホールド要素P2はタイミングt2からt3に亘って印加される。この例におけるホールド要素P2の生成期間は、膨張要素P1の生成期間に比べて十分に短く定められている。そして、この期間中にメニスカスの移動方向が反転する。すなわち、メニスカスの移動方向が、引き込み方向から吐出方向へと切り替わる。収縮要素P3は、タイミングt3からt4に亘って印加される。これに伴って圧力室424が収縮してインク圧力が高くなる。このとき、インクに残っている圧力振動も加わるので、すなわち収縮要素P3によって励振される圧力振動とインクに残っている圧力振動の位相が揃っているので、加振によってインク圧力はより高くなる。収縮要素P3の印加終了後も圧力室424内のインク圧力は上昇する。従って、メニスカスは、第1定電位要素P11の印加期間(タイミングt4からt5)に亘って吐出方向に移動する。これは、インク供給路425を通じてインクが圧力室424に流入するためと考えられる。
第1吐出パルスPS2の膨張要素P4は、タイミングt5からt6に亘って印加される。ここで、タイミングt5は、メニスカスが引き込み方向に戻るタイミングにあわせて定められている。この例では、メニスカスがインク量V1分だけ押し出されているタイミングに定められている。膨張要素P4が印加されると、インクに残っている圧力振動と相俟って、インク圧力が大きく低下する。すなわち、第1吐出パルスPS2(第2パルス)は、プレパルスPS1(第1パルス)のピエゾ素子433への印加によって圧力室424内のインクに生じた圧力振動を加振するタイミングで生成され、ピエゾ素子433へ印加されている。
この膨張要素P4の印加終了後、タイミングt6からt7に亘ってホールド要素P5が印加されるが、この期間にインク圧力は増加方向に転じる。すなわち、それまで引き込み方向へ移動していたメニスカスが、吐出方向へ移動を開始する。タイミングt7からt8に亘って収縮要素P6が印加される。この収縮要素P6は、メニスカスが吐出方向へ移動している最中に印加される。収縮要素P6の印加により圧力室424の容積は収縮し、圧力室424内のインクは加圧される。このときも、圧力室424の収縮による加圧に、インクに残っている圧力振動も加わる。このため、加振によってインク圧力はより高くなる。言い換えれば、第1吐出パルスPS2の駆動電圧Vhで定まる度合いよりも強い度合いでインクを加圧できる。
そして、収縮要素P6の印加終了後も、圧力室424内のインク圧力は上昇する。これに伴い、メニスカスは吐出方向へ伸び続け、メニスカスの先端側の一部がちぎれてインク滴として吐出される。メニスカスの残りの部分は、先端側の部分がちぎれた反動で急速に圧力室424側に戻り、ヘルムホルツ周期で往復移動をする。
このように、このプリンタ1では、中ドットの形成時において、第1吐出パルスPS2の印加に先立ってプレパルスPS1をピエゾ素子433へ印加している。このプレパルスPS1の印加により、圧力室424内のインクには、インクが吐出されない大きさの圧力振動が生じる。そして、この圧力振動の位相にあわせて第1吐出パルスPS2の印加を開始しているため、加振によって第1吐出パルスPS2の駆動電圧Vhで励起され得る圧力振動よりも大きな振幅の圧力振動を与えることができる。これにより、吐出要素として機能する収縮要素P6の電位差を、必要最低限に抑えることができる。また、第1吐出パルスPS2の印加開始タイミングが、メニスカスが定常状態よりも押し出された状態にある期間内に定められている。このため、単に第1吐出パルスPS2だけでインク滴を吐出させる場合に比べて、インク滴の吐出量を増やすことができる。この例において、符号V2で示す量がインク滴の吐出量と考えられる。第1吐出パルスPS2の印加開始時において、メニスカスが符号△V1で示す分だけ吐出方向に盛り上がっていることから、これに起因して第1吐出パルスの吐出量も増えると考えられる。
以上を纏めると、プレパルスPS1を事前に印加したことにより、第1吐出パルスPS2の駆動電圧を低くできた分だけインク滴の飛行速度が低く抑えられ、第1吐出パルスPS2の印加開始タイミングにてメニスカスが押し出されている分だけインク滴の吐出量を増やすことができる。その結果、中ドットの形成に必要な吐出量を確保しつつ飛行速度を抑えることができ、インク滴の尾の部分について、その長さを短くすることができる。
なお、中ドットの形成時には、プレパルスPS1の印加によって圧力室424内のインクに与えられた圧力振動を利用している。この観点からすれば、第1吐出パルスPS2の生成を、プレパルスPS1の生成終了からヘルムホルツ周期の1/2以下の期間内に開始することが好ましい。この期間内であれば、プレパルスPS1の印加によって生じた圧力振動が十分大きなうちに第1吐出パルスPS2の印加が開始されるため、この圧力振動を有効に利用できる。
<大ドットの形成時について>
次に、大ドットの形成時におけるインク滴の吐出動作について説明する。ここで、図7Bは、大ドットの形成時におけるメニスカスの位置を、第1吐出パルスPS2及び第2吐出パルスPS3に対応付けて示した図である。なお、縦軸や横軸については図7Aと同様である。このため、説明は省略する。
この吐出動作において、プレパルスPS1はピエゾ素子433に印加されない。そして、第1吐出パルスPS2が印加された後、第2吐出パルスPS3が続けて印加される。従って、第1吐出パルスPS2の印加に伴って1つ目のインク滴が吐出され、第2吐出パルスPS3の印加に伴って2つ目のインク滴が吐出される。各吐出パルスPS2,PS3によるインク滴の吐出動作は、先に説明した第1吐出パルスPS2によるインク滴の吐出動作と同様である。
すなわち、第1吐出パルスPS2の膨張要素P4は、タイミングt11からt12に亘って印加される。これに伴って、メニスカスが圧力室424側に引き込まれる。ホールド要素P5はタイミングt12からt13に亘って印加される。この期間中にメニスカスの移動方向が反転し、メニスカスは吐出方向へと移動する。収縮要素P6は、タイミングt13からt14に亘って印加される。これに伴って圧力室424が収縮し、インク残っている圧力振動も加わって、インク圧力はより高くなる。そして、収縮要素P6の印加後に、インク滴が吐出される。そして、インク滴の吐出によって、メニスカスは圧力室424に向けて急速に戻る。
第2吐出パルスPS3の膨張要素P7は、インク滴が吐出された後のタイミングt15からt16に亘って印加される。タイミングt15において、メニスカスは、インク滴の吐出に伴う反動で圧力室424側に戻っている。膨張要素P7は、メニスカスが戻っている最中に印加される。このとき、圧力室424内のインク圧力も低くなっているので、インク残っている圧力振動を、膨張要素P7の印加に伴う圧力室424の膨張によって加振できる。従って、第2吐出パルスPS3の駆動電圧Vhで与えられる圧力振動よりも大きな圧力振動を与えることができる。膨張要素P7の印加後、タイミングt16からt17に亘ってホールド要素P8が印加される。そして、この期間にインク圧力は増加方向に変化し、メニスカスは吐出方向へ反転する。タイミングt17からt18に亘って収縮要素P9が印加され、圧力室424の容積は収縮する。これにより、圧力室424内のインクが加圧される。このとき、インク残っている圧力振動が加振される。その結果、第2吐出パルスPS3の駆動電圧Vhで定まる度合いよりも強い度合いでインクを加圧できる。
そして、収縮要素P9の印加終了後も、圧力室424内のインク圧力は上昇する。これに伴い、メニスカスは吐出方向へ伸び続け、メニスカスの先端側の一部がちぎれてインク滴として吐出される。メニスカスの残りの部分は、先端側の部分がちぎれた反動で急速に圧力室424側に戻り、ヘルムホルツ周期で往復移動をする。
このように、第1吐出パルスPS2は、インク滴を吐出するけれども、第2吐出パルスPS3に対してプレパルスPS1と同様の作用をする。すなわち、第2吐出パルスPS3の印加に先立って、圧力室424内のインクに圧力振動を与えている。そして、この圧力振動の位相にあわせて第2吐出パルスPS3の印加を開始しているため、第2吐出パルスPS3の駆動電圧で励起される圧力振動よりも大きな振幅の圧力振動を与えることができる。これにより、第1吐出パルスPS2と第2吐出パルスPS3の波形(駆動電圧Vh)が同じであっても、第2吐出パルスPS3によって吐出されるインク滴の量を、第1吐出パルスPS2によって吐出されるインク滴の量よりも増やすことができる。すなわち、第1吐出パルスPS2によって吐出されるインク滴の量はV3であるのに対し、第2吐出パルスPS3によって吐出されるインク滴の量はV4になる。従って、符号△V2で示す分だけ吐出量を増やすことができる。
以上を纏めると、第2吐出パルスPS3で吐出されたインク滴に関し、その飛行速度を第1吐出パルスPS2で吐出されたインク滴と同程度に抑えながらも、その吐出量を第1吐出パルスPS2で吐出されたインク滴よりも増やすことができる。これにより、大ドットの形成に必要な吐出量を確保しつつ飛行速度を抑えることができ、インク滴の尾の部分について、その長さを短くすることができる。図8に模式的に示すように、第2吐出パルスPS3で吐出されたインク滴(後のインク滴)は、第1吐出パルスPS2で吐出されたインク滴(先のインク滴)と飛行中に合体し、1つのインク滴となって用紙に着弾する。このとき、後のインク滴における尾の部分が短くなっていることから、尾の部分に起因するミストの着弾位置ずれが抑制できる。
<シミュレーション結果について>
次に、上記の作用効果を、シミュレーション結果に基づいて説明する。図9A及び図9Bは、粘度が20ミリパスカル秒のインクを吐出させた場合のシミュレーション結果である。すなわち、図9Aは、中ドットの吐出に用いたプレパルスPS1及び第1吐出パルスPS2を説明する図である。図9Bは、図9Aの各パルスPS1,PS2に対応するメニスカスの状態を説明する図である。図10A及び図10Bは、比較例のシミュレーション結果である。すなわち、図10Aは第1吐出パルスPS2を説明する図である。図10Bは図10Aの第1吐出パルスPS2に対応するメニスカスの状態を説明する図である。
図9Aに示すプレパルスPS1は、最低電位VLが0V、中間電位VCが12.5Vである。そして、膨張要素P1の生成期間が2.5μs、ホールド要素P2の生成期間が3.0μs、収縮要素P3の生成期間が2.0μsである。また、図9A及び図10Aに示す第1吐出パルスPS2は、いずれも同じ形状であり、最低電位VLが0V、最高電位VHが25Vである。そして、膨張要素P4の生成期間が2.5μs、ホールド要素P5の生成期間が3.0μs、収縮要素P6の生成期間が2.0μsである。さらに、プレパルスPS1の終端と第1吐出パルスPS2の始端との間に生成される第1定電位要素P11の生成期間は2.0μsである。なお、ヘッドHDにおける圧力室424のヘルムホルツ周期は8.5μsである。
図9A及び図9Bに示すように、第1吐出パルスPS2の印加開始時点(タイミングt23)において、圧力室424内のインクには、プレパルスPS1の印加(タイミングt21からt22)に起因する圧力振動が残っている。そして、第1吐出パルスPS2の膨張要素P4は、この圧力振動と位相をあわせて印加されている。すなわち、タイミングt23において、インク圧力は丁度下がり始めており、膨張要素P4の印加に伴う減圧によって圧力振動が加振される。これにより、吐出されるインク滴の量は、符号V5で示すように、約12.5ngとなる。
一方、図10A及び図10Bに示すように、第1吐出パルスPS2のみを印加(タイミングt31からt32)した場合は、励起される圧力振動の振幅が図9A,図9Bの例よりも小さくなる。その結果、吐出されるインク滴の量は符号V6で示すように、約11ngとなる。このことから、第1吐出パルスPS2のみを用いて、図9A,図9Bの例のように約12.5ngのインク滴を吐出させようとすると、その分だけ駆動電圧Vhを高くする必要があるといえる。このようにした場合、インク滴の飛行速度が上昇し、その分だけインク滴の尾の部分が長くなってしまうことが判る。
図11A及び図11Bは、粘度が8ミリパスカル秒のインクを吐出させた場合のシミュレーション結果である。図12A及び図12Bは、粘度が8ミリパスカル秒の参考例である。これらにおいて、プレパルスPS1や第1吐出パルスPS2の形状、各パルスの印加タイミングは、20ミリパスカル秒の場合と同じであるので説明は省略する。
粘度が8ミリパスカル秒の場合、プレパルスPS1を用いることで第1吐出パルスPS2によるインク滴の吐出量は、符号V7にて示すように約16ngになる。これに対し、プレパルスPS1を用いず、第1吐出パルスPS2のみによるインク滴の吐出量は、符号V8にて示すように約13.5ngになる。従って、この場合にも第1吐出パルスPS2のみを用いて、図11A,図11Bの例のように約16ngのインク滴を吐出させようとすると、その分だけ駆動電圧Vhを高くする必要がある。これに伴ってインク滴の飛行速度が上昇し、その分、インク滴の尾の部分が長くなってしまうことが判る。
以上より、プレパルスPS1を用いることで、必要な吐出量を確保しつつも、インク滴の飛行速度を抑えることができることが理解できる。
===その他の実施形態について===
前述した実施形態は、主として、液体吐出装置としてのプリンタ1を有する印刷システムについて記載されているが、その中には、液体吐出方法や液体吐出システム等の開示が含まれている。また、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<インクの粘度について>
前述の実施形態では、粘度が8ミリパスカル秒のインクと20ミリパスカル秒のインクについてのシミュレーション結果を示した。液体の粘度に関し、液体の尾の部分による影響が生じる範囲であれば本発明を適用できる。具体的には、粘度が6ミリパスカル秒以上の液体であれば本発明を適用できる。また、粘度の上限値に関し、液体滴としてノズル427から吐出できる粘度であれば本発明を適用できる。現時点において、粘度が40ミリパスカル秒以下の液体であれば本発明を適用できると考えられる。
<吐出パルスについて>
前述の実施形態では、1つのプレパルスPS1と2つの吐出パルスPS2,PS3を繰り返し生成する例を説明したが、吐出パルスは3つでもよいし、4つでもよい。要するに、2つ以上であればよい。また、各吐出パルスPS2,PS3に関し、波形は同一である場合について説明したが、必要に応じて波形の形状を異ならせてもよい。そして、前述の実施形態のように第1吐出パルスPS2と第2吐出パルスPS3の波形を同じにすると、DACデータを共通化できるので、各吐出パルスPS2,PS3を生成するための制御を簡素化できる。また、各吐出パルスPS2,PS3の生成期間が揃うため、インク滴を高い周波で吐出させる際に吐出間隔の管理が容易になる。
また、中ドットの形成時において、前述の実施形態では、プレパルスPS1の次に生成される第1吐出パルスPS2を組にしてピエゾ素子433へ印加させていた。この点に関し、第2吐出パルスPS3を組にしてピエゾ素子433へ印加させてもよい。第2吐出パルスPS3を組にした場合、プレパルスPS1の印加終了からの期間が、前述の実施形態よりも長くなる。このため、残留振動の振幅が小さくなり、その分インク滴の吐出量が少なくなると考えられる。従って、必要とされるインク滴の量に応じて、第1吐出パルスPS2と第2吐出パルスPS3を選択的に印加させるようにしてもよい。
<他のヘッドについて>
前述した実施形態のヘッドHDでは、ピエゾ素子433として、各パルスで与えられる電位が高いほど、圧力室424の容積を大きくするための動作をするタイプのものを用いていた。ピエゾ素子に関し、各パルスで与えられる電位が高いほど、圧力室424の容積を小さくするための動作をするタイプのものを用いてもよい。この場合、各パルスは、例えば下に凸の台形状のパルスによって構成される。
また、ピエゾ素子433以外の素子を用いてもよい。例えば、磁歪素子を用いてもよい。要するに、印加された電位に応じて動作をし、圧力室424内の液体に圧力変化を与える素子であればよい。この素子として、前述の実施形態のようにピエゾ素子433を用いた場合には、圧力室424の容積を各パルスの電位に基づいて精度良く制御できる。
<他の応用例について>
また、前述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
印刷システムの構成を説明するブロック図である。 ヘッドの断面図である。 ヘッドの構造を模式的に説明する図である。 駆動信号生成回路等の構成を説明するブロック図である。 駆動信号の一例を説明するための図である。 図6Aは、中ドットの吐出制御を説明する図である。図6Bは、大ドットの吐出制御を説明する図である。 図7Aは、中ドットの形成時におけるメニスカスの位置を、プレパルス及び第1吐出パルスに対応付けて示した図である。図7Bは、大ドットの形成時におけるメニスカスの位置を、第1吐出パルス及び第2吐出パルスに対応付けて示した図である。 大ドット吐出時におけるインク滴の様子を模式的に示した図である。 図9Aは、粘度が20ミリパスカル秒のインクによるシミュレーション結果であって、プレパルス及び第1吐出パルスを説明する図である。図9Bは、図9Aの各パルスに対応するメニスカスの状態を説明する図である。 図10Aは、粘度が20ミリパスカル秒のインクを用いた比較例のシミュレーション結果であって、第1吐出パルスを説明する図である。図10Bは、図10Aのパルスに対応するメニスカスの状態を説明する図である。 図11Aは、粘度が8ミリパスカル秒のインクによるシミュレーション結果であって、プレパルス及び第1吐出パルスを説明する図である。図11Bは、図11Aの各パルスに対応するメニスカスの状態を説明する図である。 図12Aは、粘度が8ミリパスカル秒のインクを用いた比較例のシミュレーション結果であって、第1吐出パルスを説明する図である。図12Bは、図12Aのパルスに対応するメニスカスの状態を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ,10 用紙搬送機構,20 キャリッジ移動機構,
30 駆動信号生成回路,31 DAC回路,32 電圧増幅回路,
33 電流増幅回路,40 ヘッドユニット,41 ケース,
411 収容空部,42 流路ユニット,421 流路形成基板,
422 ノズルプレート,423 振動板,
423a ダイヤフラム部,424 圧力室,425 インク供給路,
426 共通インク室,427 ノズル,428 支持板,
429 弾性体膜,43 ピエゾ素子ユニット,
431 ピエゾ素子群,432 固定板,433 ピエゾ素子,
434 共通電極,435 駆動電極,436 圧電体,
44 スイッチ,50 検出器群,60 プリンタ側コントローラ,
61 インタフェース部,62 CPU,63 メモリ,
CP コンピュータ,T 繰り返し期間,T1 第1期間,
T2 第2期間,T3 第3期間,COM 駆動信号,
PS1 プレパルス,P1 膨張要素,P2 ホールド要素,
P3 収縮要素,PS2 第1吐出パルス,P7 膨張要素,
P8 ホールド要素,P9 収縮要素,PS3 第2吐出パルス,
P7 膨張要素,P8 ホールド要素,P9 収縮要素,
P11 第1定電位要素,P12 第2定電位要素,
VH 最高電位,VC 中間電位,VL 最低電位,HD ヘッド,
HC ヘッド制御部

Claims (6)

  1. ノズルに連通された圧力室と、
    前記圧力室内の液体に圧力変化を与える動作を行う素子と、
    前記素子に印加されることで前記圧力室内の液体に圧力変化を生じさせる第1パルス、及び、前記素子に印加されることで前記圧力室内の液体に前記ノズルから液体が吐出される大きさの圧力変化を生じさせる第2パルスを生成するパルス生成部と、を備え、
    前記液体は、
    粘度が6ミリパスカル秒以上であり、
    前記素子は、
    電位に応じて変形して圧力室の容積を変化させる動作をするものであり、
    前記パルス生成部は、
    前記第2パルスの生成を、前記第1パルスの前記素子への印加によって前記圧力室内の液体に生じた圧力振動が残っている期間内であって、前記第2パルスを単独で前記素子に印加した際の吐出量よりも、吐出量が多くなるタイミングで開始し、前記圧力振動によって前記圧力室内の液体圧力が下がっている期間内に開始し、
    前記第1パルスは、
    膨張状態の前記圧力室を収縮させるために前記素子を変形させる収縮要素を最後に有し、
    前記第2パルスは、
    前記圧力振動を加振する圧力変化を前記圧力室内の液体に与えるように、前記素子を動作させるものであり、
    前記圧力室を膨張させるために前記素子を変形させる膨張要素を最初に有する、
    液体吐出ユニット。
  2. 請求項に記載の液体吐出ユニットであって、
    前記パルス生成部は、
    前記第2パルスの生成を、前記第1パルスの生成終了から前記圧力室内の液体の固有振動周期の1/2以下の期間内に開始する、液体吐出ユニット。
  3. 請求項1又は2に記載の液体吐出ユニットであって、
    前記第1パルスは、
    前記液体が前記ノズルから吐出されない大きさの圧力変化を前記圧力室内の液体に与えるものである、液体吐出ユニット。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の液体吐出ユニットであって、
    前記第1パルスは、
    前記液体を前記ノズルから吐出させる大きさの圧力変化を前記圧力室内の液体に与えるものである、液体吐出ユニット。
  5. 請求項1から請求項6の何れかに記載の液体吐出ユニットを備えた液体吐出装置。
  6. 圧力室内に貯留された粘度が6ミリパスカル秒以上の液体を、圧力室内の液体に圧力変化を与える動作を行う素子を用いて、前記圧力室に連通するノズルから吐出させる液体吐出方法であって、
    前記動作を前記素子に行わせる第1パルスを生成し、前記素子に印加すること、
    前記動作を前記素子に行わせることで前記ノズルから前記液体を吐出させる第2パルスの生成を、前記第1パルスの前記素子への印加によって前記圧力室内の液体に圧力振動が残っている期間内であって、前記第2パルスを単独で前記素子に印加した際の吐出量よりも、吐出量が多くなるタイミングで開始し、前記圧力振動によって前記圧力室内の液体圧力が下がっている期間内に開始し、前記素子に印加すること、
    を行い、
    前記素子は、
    電位に応じて変形して圧力室の容積を変化させる動作をするものであり、
    前記第1パルスは、
    膨張状態の前記圧力室を収縮させるために前記素子を変形させる収縮要素を最後に有し、
    前記第2パルスは、
    前記圧力振動を加振する圧力変化を前記圧力室内の液体に与えるように、前記素子を動作させるものであり、
    前記圧力室を膨張させるために前記素子を変形させる膨張要素を最初に有する、
    液体吐出方法。
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