JP2002113859A - インクジェット式記録装置、及び、インクジェット式記録ヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置、及び、インクジェット式記録ヘッドの駆動方法

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JP2002113859A
JP2002113859A JP2000308049A JP2000308049A JP2002113859A JP 2002113859 A JP2002113859 A JP 2002113859A JP 2000308049 A JP2000308049 A JP 2000308049A JP 2000308049 A JP2000308049 A JP 2000308049A JP 2002113859 A JP2002113859 A JP 2002113859A
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pressure
pressure chamber
meniscus
ink
jet recording
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Hirofumi Teramae
浩文 寺前
Tomoaki Takahashi
智明 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極く少量のインク滴における飛翔速度を高め
る。 【解決手段】 マイクロドット駆動パルスDP2を、圧
力室内を緩やかに減圧することで、定常状態の湾曲形状
を保持しながらメニスカスをノズル開口内における圧力
室側に引き込む第1充電要素P1と、圧力室内を急激に
減圧することで、第1充電要素P1によって引き込まれ
たメニスカスの中心部分を局所的に引き込む第2充電要
素P2と、第2充電要素P2によって引き込まれたメニ
スカスの中心部分が反動によって吐出方向に移動するタ
イミングにあわせて圧力室内を加圧する第1放電要素P
4とを含ませて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
記録ヘッドにより画像や文字等を記録紙に記録するイン
クジェット式記録装置、及び、インクジェット式記録ヘ
ッドの駆動方法に関し、特に、マイクロドットを形成し
得る極く少量のインク滴を吐出させるようにしたものに
関する。
【0002】
【従来の技術】代表的なインクジェット式記録装置(以
下、単に記録装置と称する。)として、プリンタやプロ
ッタがよく知られている。この記録装置では、インクジ
ェット式記録ヘッドから吐出させるインク滴の量により
記録紙上のドット径、つまり解像度が決まるので、吐出
されるインク滴の量が重要である。このため、同一のノ
ズル開口から異なる量のインク滴を吐出させる記録ヘッ
ドを備えた記録装置が提案されている。この記録ヘッド
は、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせるための圧
力発生素子を有しており、電位の変化パターンが異なる
複数種類の駆動パルスを圧力発生素子に供給すること
で、異なる量のインク滴を吐出させる。
【0003】そして、従来のマイクロドット駆動パル
ス、つまり、マイクロドットに対応する極く少量のイン
ク滴を吐出させるための駆動パルスは、圧力室内を大き
く減圧する減圧要素と、減圧要素による圧力室の減圧状
態を保持する減圧ホールド要素と、インク滴を吐出させ
るために圧力室を加圧する吐出要素とを備えている。こ
のマイクロドット駆動パルスでは、減圧要素及び減圧ホ
ールド要素の供給により、メニスカス(ノズル開口で露
出しているインクの自由表面)の中心部分を柱状に成長
させ、吐出要素の供給により柱状部分をインク滴として
吐出させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の記録
装置には画質の一層の向上が求められており、この要求
に応えるためにはさらなるインク滴の少量化が必要であ
る。しかしながら、従来のマイクロドット駆動パルスで
極く少量のインク滴を吐出させると、インク滴の飛翔速
度が4〜5m/secとなって十分な飛翔速度が得られ
ず、また空気の粘性抵抗によって飛翔速度も著しく低下
してしまうので、着弾位置のずれ等に起因する画質の劣
化の問題が生じ得る。
【0005】そこで、本発明の目的は、極く少量のイン
ク滴であっても飛翔速度を高めることができるインクジ
ェット式記録装置、及び、インクジェット式記録ヘッド
の駆動方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、ノズル開口に連通した圧
力室及びこの圧力室内のインクを加減圧する圧力発生素
子を有する記録ヘッドと、駆動パルスを有する一連の駆
動信号を発生する駆動信号発生手段とを備え、駆動パル
スの供給により圧力発生素子を作動させてノズル開口か
らインク滴を吐出させるようにしたインクジェット式記
録装置において、前記駆動信号発生手段は、圧力室内を
緩やかに減圧することで、定常状態の湾曲形状を保ちな
がらメニスカスをノズル開口内における圧力室側に引き
込む第1引き込み要素と、圧力室内を急激に減圧するこ
とで、第1引き込み要素によって引き込まれたメニスカ
スを局所的に引き込む第2引き込み要素と、第2引き込
み要素によって引き込まれたメニスカスが吐出方向に移
動するタイミングにあわせて圧力室内を加圧する吐出要
素とを含んだ駆動パルスを発生することを特徴とするイ
ンクジェット式記録装置である。
【0007】ここで、「定常状態」とは、圧力室内の圧
力変動が極く少ない状態であって、メニスカスがノズル
面の近傍に位置している状態、つまり、ノズル開口内に
インクが充填されている状態である。また、「湾曲形状
を保ちながら」とは、多少の曲率の変化は許容する意味
である。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記ノズル開口
は、圧力室側に拡径した円錐台状のテーパー空部と、該
テーパー空部の小径部に連続して設けられた円筒状のス
トレート空部とから構成され、第2引き込み要素によっ
て、メニスカスの少なくとも一部をテーパー空部まで引
き込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載のイ
ンクジェット式記録装置である。
【0009】請求項3に記載の発明は、前記第2引き込
み要素と吐出要素とを、第2引き込み要素の終端電位を
維持する引き込みホールド要素で接続したことを特徴と
する請求項1又は請求項2に記載のインクジェット式記
録装置である。
【0010】請求項4に記載の発明は、前記吐出要素よ
りも後に、インク滴吐出後におけるメニスカスの圧力室
側への移動を抑制すべく圧力室を加圧する制振要素を配
置したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか
に記載のインクジェット式記録装置である。
【0011】請求項5に記載の発明は、前記吐出要素と
制振要素とを、吐出要素の終端電位を維持する吐出ホー
ルド要素で接続したことを特徴とする請求項4に記載の
インクジェット式記録装置である。
【0012】請求項6に記載の発明は、前記圧力発生素
子を、圧力室の容積を変化させる電気機械変換素子によ
って構成したことを特徴とする請求項1から請求項5の
何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0013】請求項7に記載の発明は、前記電気機械変
換素子が圧電振動子であることを特徴とする請求項6に
記載のインクジェット式記録装置である。
【0014】請求項8に記載の発明は、ノズル開口に連
通した圧力室内の圧力を変動させ、圧力室内における圧
力変動によってノズル開口からインク滴を吐出させるイ
ンクジェット式記録ヘッドの駆動方法において、定常状
態の湾曲形状を保ちながらメニスカスをノズル開口内に
おける圧力室内側に引き込むように圧力室内を減圧する
第1減圧工程と、第1減圧工程で引き込まれたメニスカ
スを局所的に引き込むように圧力室内を減圧する第2減
圧工程と、第2減圧工程で局所的に引き込まれたメニス
カスが吐出方向に移動するまで待機する待機工程と、局
所的に引き込まれたメニスカスが吐出方向に移動してい
る最中に圧力室内を加圧し、該部分をインク滴として吐
出させる吐出工程とを順に経ることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドの駆動方法である。
【0015】請求項9に記載の発明は、前記ノズル開口
は、圧力室側に拡径した円錐台状のテーパー空部と、該
テーパー空部の小径部に連続して設けられた円筒状のス
トレート空部とから構成され、第2減圧工程で、メニス
カスの少なくとも一部をテーパー空部まで引き込むこと
を特徴とする請求項8に記載のインクジェット式記録ヘ
ッドの駆動方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ここで、図1は代表的なインクジ
ェット式記録装置であるインクジェットプリンタ1の斜
視図、図2はインクジェット式記録ヘッド2を示す断面
図、図3はノズル開口3の断面図、図4はインクジェッ
トプリンタ1の電気的構成を説明するブロック図であ
る。
【0017】このインクジェットプリンタ1(以下、プ
リンタ1と称する。)は、キャリッジ4がガイド部材5
に移動可能に取り付けられており、キャリッジ4は駆動
プーリ6と遊転プーリ7との間に掛け渡したタイミング
ベルト8に接続されている。駆動プーリ6はパルスモー
タ9の回転軸に接合されており、キャリッジ4はパルス
モータ9の駆動によって記録紙10の幅方向(主走査方
向)に移動する。
【0018】キャリッジ4の記録紙10と対向する面
(下面)には、インクジェット式記録ヘッド2(以下、
記録ヘッド2という)が取り付けられている。この記録
ヘッド2は、インクカートリッジ11から供給されたイ
ンクを、ノズル開口3(図3参照)からインク滴として
吐出させる。従って、記録時においてプリンタ1は、キ
ャリッジ4の主走査方向への移動に同期させて記録ヘッ
ド2からインク滴を吐出させ、キャリッジ4の往復移動
に連動させて紙送りローラ12を回転し、記録紙10を
紙送り方向に移動させる。その結果、記録紙10には、
印刷データに基づく画像や文字等が記録される。
【0019】記録ヘッド2は、図2に示すように、ケー
ス14と流路ユニット15と振動子ユニット16とを備
え、ケース14の先端面に流路ユニット15を接合し、
ケース14内に振動子ユニット16を収容固定すること
で構成される。
【0020】ケース14は、振動子ユニット16を収容
固定するための収容空部17が内部に形成された箱体状
であり、例えば樹脂材によって成型される。そして、こ
の収容空部17は、流路ユニット15との接合面側の開
口から反対面まで一連に形成されている。
【0021】流路ユニット15は、流路形成基板18の
一方の面にノズルプレート19を、流路形成基板18の
他方の面に振動板20をそれぞれ接合した構成とされ
る。流路形成基板18は、共通インク室21、インク供
給口22、及び圧力室23からなるインク流路が形成さ
れた板状部材である。圧力室23は、ノズル開口3…の
列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長
い室として形成され、インク供給口22は、圧力室23
と共通インク室21との間を連通する流路幅の狭い狭窄
部として形成されている。また、共通インク室21は、
インクカートリッジ11に貯留されたインクを各圧力室
23…に供給するための室である。
【0022】ノズルプレート19には、ドット形成密度
に対応したピッチで複数(例えば96個)のノズル開口
3…が列状に開設されている。ノズル開口3は、図3に
示すように、ノズルプレート19を板厚方向に貫通する
略漏斗状の空部である。即ち、ノズル開口3は、ノズル
プレート19の板厚の途中に位置する小径部から圧力室
23側に拡径した円錐台状のテーパー空部(拡径空部)
24と、該テーパー空部24の小径部に連続して設けら
れた円筒状のストレート空部(同径空部)25とからな
る一連の空部である。そして、テーパー空部24は圧力
室23側である内側に設けられ、ストレート空部25は
インク吐出側である外側に設けられている。
【0023】本実施形態では、ノズルプレート19の厚
さ、即ち、ノズル開口3の長さL1は0.080mmで
ある。そして、ストレート空部25の内径R1は0.0
32mmであり、ストレート空部25の長さL2は0.
025mmである。また、テーパー空部24における小
径部の内径はストレート空部25の内径と等しい0.0
32mmであり、頂角Xは32度である。なお、ノズル
開口3は、この形状に限定されるものではない。例え
ば、ストレート空部25だけで構成してもよいし、テー
パー空部24だけで構成してもよい。また、テーパー空
部24に関し、円錐台状の空部に限らず、ラッパ状に拡
開した空部であってもよい。
【0024】振動板20は、ステンレス製の支持板26
上にPPS(ポリフェニレンサルファイド)膜等の樹脂
製の弾性体膜27を積層した二重構造を採り、各圧力室
23に対応する部分はステンレス板の部分が環状にエッ
チング加工されて、環内にアイランド部28が形成され
ている。そして、このアイランド部28とアイランド部
周辺の弾性体膜27とがダイヤフラム部を構成する。こ
のダイヤフラム部は、振動子ユニット16の圧電振動子
31の作動によって変形し、圧力室23の容積を可変す
る。
【0025】振動子ユニット16は、複数の圧電振動子
31…を列設した圧電振動子群と、この圧電振動子31
を支持する固定板32などから構成されている。圧電振
動子群は、圧電体33と電極34とを交互に積層した振
動子基板を櫛歯状に加工することで作製される。また、
固定板32は、この櫛歯状振動子の基端部分に接着等に
よって接合される。この振動子ユニット16は、圧電振
動子31の先端が開口から臨む姿勢で収容空部17内に
挿入されて、固定板32を収容空部17の内壁へ接着す
ることにより収容固定される。この収容状態において、
圧電振動子31の各先端面は、振動板20の対応するア
イランド部28に当接固定される。従って、圧電振動子
31が伸長すると、ダイヤフラム部が圧力室23側に押
されて圧力室23が収縮する。一方、圧電振動子31が
収縮するとダイヤフラム部が圧力室23とは反対側に引
っ張られて圧力室23が膨張する。
【0026】圧電振動子31は、本発明の圧力発生素子
の一種であり、電気機械変換素子の一種でもある。例示
した圧電振動子31は、電極34,34同士の間に電位
差を与えることにより、積層方向と直交する素子長手方
向に伸縮する縦振動モードの圧電振動子31である。即
ち、上記の電極34は、基準電位に設定された共通電極
34aと、後述する駆動信号の電位に設定される駆動電
極34bとからなり、共通電極34aと駆動電極34b
との電位差に応じて両電極34に挟まれた圧電体33が
変形し、圧電振動子31が伸縮する。上記の基準電位
は、任意の電位に設定できるが、本実施形態ではGND
電位に設定されている。このため、圧電振動子31は、
駆動電位がGND電位に近いほど伸長し、駆動電位がG
ND電位よりも高くなるほど収縮する。従って、圧力室
23の容積は、駆動電位がGND電位に近いほど収縮
し、駆動電位がGND電位よりも高くなるほど膨張す
る。
【0027】このように、この記録ヘッド2では、圧電
振動子31の伸縮を制御することによって圧力室23の
容積を可変できる。つまり、圧力室23内のインク圧力
を変動させることができる。例えば、圧力室23を膨張
させることでインク圧力を低くすることができ、反対
に、圧力室23を収縮させることでインク圧力を高める
ことができる。また、駆動電位を急激に変化させること
でインク圧力を大きく変化させることができ、駆動電位
を緩やかに変化させることでインク圧力の変動を抑えつ
つ圧力室23の容積を変化させることもできる。そし
て、圧力室23内のインクの圧力変動を制御することに
よって、ノズル開口3からインク滴を吐出させることが
できる。
【0028】次に、プリンタ1の電気的構成について説
明する。図4に示すように、このプリンタ1は、プリン
タコントローラ37と、プリントエンジン38とを備え
ている。
【0029】プリンタコントローラ37は、図示しない
ホストコンピュータ等からの印刷データ等を受信するイ
ンターフェース39(以下、外部I/F39という)
と、各種データの記憶等を行うRAM40と、各種デー
タ処理のためのルーチン等を記憶したROM41と、C
PU等からなる制御部42と、クロック信号(CK)を
発生する発振回路43と、記録ヘッド2へ供給する駆動
信号(COM)を発生する駆動信号発生回路44と、ド
ットパターンデータに展開された印字データ(SI)及
び駆動信号等をプリントエンジン38に送信するための
インターフェース45(以下、内部I/F45という)
とを備えている。
【0030】外部I/F39は、例えばキャラクタコー
ド、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つ
のデータ又は複数のデータからなる印刷データをホスト
コンピュータ等から受信する。また、外部I/F39
は、ホストコンピュータに対してビジー信号(BUS
Y)やアクノレッジ信号(ACK)等を出力する。
【0031】RAM40は、受信バッファ、中間バッフ
ァ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)等とし
て利用されるものである。受信バッファには、外部I/
F39が受信したホストコンピュータからの印刷データ
が一時的に記憶される。中間バッファには、制御部42
によって中間コードに変換された中間コードデータが記
憶される。出力バッファには、ドット毎の印字データ
(ドットパターンデータ)が展開される。ROM41
は、制御部42によって実行される各種制御ルーチン、
フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を
記憶している。
【0032】制御部42は、受信バッファ内の印刷デー
タを読み出して中間コードに変換し、この中間コードデ
ータを中間バッファに記憶する。また、制御部42は、
中間バッファから読み出した中間コードデータを解析
し、ROM41内のフォントデータ及びグラフィック関
数等を参照して中間コードデータを上記の印字データに
展開する。この印字データは、例えば2ビットの階調情
報で構成される。この展開された印字データは出力バッ
ファに記憶されて、記録ヘッド2の1行分に相当する印
字データが得られると、この1行分の印字データ(S
I)は、内部I/F45を介して記録ヘッド2にシリア
ル伝送される。出力バッファから1行分の印字データが
送信されると、中間バッファの内容が消去されて、次の
中間コードに対する変換が行われる。また、制御部42
は、内部I/F45を通じて記録ヘッド2にラッチ信号
(LAT)やチャンネル信号(CH)を供給する。これ
らのラッチ信号やチャンネル信号は、後述する駆動信号
を構成する各パルス信号の供給開始タイミングを規定す
る。
【0033】駆動信号発生回路44は、本発明における
駆動信号発生手段の一種であり、複数の波形要素によっ
て構成された駆動パルスを含んだ一連の駆動信号を発生
する。この駆動信号発生回路44は、CPUを搭載する
等によって所望形状の波形信号を発生する構成でもよ
く、アナログ回路によって所望形状の波形信号を発生す
る構成でもよい。なお、この駆動信号については、後で
詳しく説明する。
【0034】プリントエンジン38は、記録ヘッド2の
電気駆動系と、キャリッジ4を移動させるパルスモータ
9と、紙送りローラ12を回転させる紙送りモータ46
等から構成される。
【0035】記録ヘッド2の電気駆動系は、第1シフト
レジスタ50及び第2シフトレジスタ51からなるシフ
トレジスタ回路と、第1ラッチ回路52と第2ラッチ回
路53とからなるラッチ回路と、デコーダ54と、制御
ロジック55と、レベルシフタ56と、スイッチ回路5
7と、圧電振動子31とを備えている。そして、各シフ
トレジスタ50,51、各ラッチ回路52,53、デコ
ーダ54、スイッチ回路57、及び、圧電振動子31
は、それぞれ記録ヘッド2の各ノズル開口3…に対応し
て複数設けられる。そして、記録ヘッド2は、プリンタ
コントローラ37からの印字データ(階調情報)に基づ
いてインク滴を吐出する。
【0036】即ち、プリンタコントローラ37からの印
字データ(SI)は、発振回路43からのクロック信号
(CK)に同期して、内部I/F45から第1シフトレ
ジスタ50及び第2シフトレジスタ51にシリアル伝送
される。プリンタコントローラ37からの印字データ
は、上記したように2ビットのデータであり、非記録、
マイクロドット、ミドルドット、ラージドットからなる
4階調を表す。なお、本実施形態では、非記録が階調情
報(00)であり、マイクロドットが階調情報(01)
であり、ミドルドットが階調情報(10)であり、ラー
ジドットが階調情報(11)である。
【0037】この印字データは、各ドット毎、即ち、各
ノズル開口3毎に設定される。そして、全てのノズル開
口3…に関する下位ビット(ビット0)のデータが第1
シフトレジスタ50に入力され、全てのノズル開口3…
に関する上位ビット(ビット1)のデータが第2シフト
レジスタ51に入力される。第1シフトレジスタ50に
は第1ラッチ回路52が電気的に接続され、第2シフト
レジスタ51には第2ラッチ回路53が電気的に接続さ
れている。そして、プリンタコントローラ37からのラ
ッチ信号(LAT)が各ラッチ回路52,53に入力さ
れると、第1ラッチ回路52は印字データの下位ビット
のデータをラッチし、第2ラッチ回路53は印字データ
の上位ビットをラッチする。
【0038】各ラッチ回路52,53でラッチされた印
字データは、デコーダ54に入力される。このデコーダ
54は、2ビットの印字データ(階調情報)を翻訳して
パルス選択データを生成する。このパルス選択データは
複数ビットで構成されており、各ビットは駆動信号(C
OM)を構成する各パルス信号に対応している。そし
て、各ビットの内容〔例えば、(0),(1)〕に応じ
て圧電振動子31に対するパルス信号の供給或いは非供
給が選択される。
【0039】また、デコーダ54には、制御ロジック5
5からのタイミング信号も入力されている。そして、制
御ロジック55は、ラッチ信号(LAT)やチャンネル
信号(CH)を受信する毎にタイミング信号を発生す
る。デコーダ54によって翻訳されたパルス選択データ
は、上位ビット側から順に、タイミング信号によって規
定されるタイミングが到来する毎にレベルシフタ56に
入力される。
【0040】レベルシフタ56は電圧増幅器として機能
し、パルス選択データが「1」の場合には、スイッチ回
路57を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧
に昇圧された電気信号を出力する。そして、レベルシフ
タ56で昇圧された「1」のパルス選択データはスイッ
チ回路57に供給される。
【0041】このスイッチ回路57は、印字データの翻
訳により生成されたパルス選択データに基づき、駆動信
号に含まれる駆動パルスを選択的に圧電振動子31に供
給する。即ち、このスイッチ回路57の入力側には駆動
信号発生回路44からの駆動信号(COM)が供給され
ており、出力側には圧電振動子31が接続されている。
そして、スイッチ回路57に加わるパルス選択データが
「1」である期間中は、スイッチ回路57が接続状態に
なって駆動信号が圧電振動子31に供給され、この駆動
信号に応じて圧電振動子31の電位レベル(つまり、駆
動電極34bの電位レベル)が変化する。一方、スイッ
チ回路57に加わるパルス選択データが「0」の期間中
は、レベルシフタ56からはスイッチ回路57を作動さ
せる電気信号が出力されない。このため、スイッチ回路
57が切断状態になって圧電振動子31へは駆動信号が
供給されない。なお、このパルス選択データが「0」の
期間において圧電振動子31の電位レベルは、パルス選
択データが「0」に切り換わる直前の電位レベルを維持
する。
【0042】次に、上記の駆動信号発生回路44が発生
する駆動信号COM、及び、駆動信号COMを構成する
各駆動パルスの供給について説明する。
【0043】駆動信号発生回路44が発生する駆動信号
COMは、インク量の異なる複数種類の駆動パルスを一
連に接続した信号である。例えば、図5に示すように、
駆動信号COMは、メニスカスを微振動させる微振動パ
ルスDP1と、この微振動パルスDP1の後に発生さ
れ、マイクロドットのインク滴をノズル開口3から吐出
させるマイクロドット駆動パルスDP2と、ミドルドッ
トのインク滴をノズル開口3から吐出させるミドルドッ
ト駆動パルスDP3とを含んでいる。そして、駆動信号
発生回路44は、これらの駆動パルスDP1,DP2,
DP3を印刷周期T毎に繰り返し発生する。
【0044】この駆動信号COMでは、インク滴を吐出
させない場合に微振動パルスDP1のみを選択して圧電
振動子31に供給し、マイクロドットを記録する場合に
マイクロドット駆動パルスDP2のみを圧電振動子31
に供給する。また、ミドルドットを記録する場合にミド
ルドット駆動パルスDP3のみを圧電振動子31に供給
し、ラージドットを記録する場合にマイクロドット駆動
パルスDP2とミドルドット駆動パルスDP3とを圧電
振動子31に供給する。
【0045】即ち、デコーダ54は、非記録の階調情報
(00)を翻訳することでパルス選択データ(100)
を生成し、マイクロドットの階調情報(01)を翻訳す
ることでパルス選択データ(010)を生成する。ま
た、ミドルドットの階調情報(10)を翻訳することで
パルス選択データ(001)を生成し、ラージドットの
階調情報(11)を翻訳することでパルス選択データ
(011)を生成する。そして、デコーダ54は、各駆
動パルスDP1〜DP3の供給開始タイミングに同期さ
せてパルス選択データの各ビットをレベルシフタ56に
入力する。
【0046】次に、上記のマイクロドット駆動パルスD
P2について詳しく説明する。図6に示すように、例示
したマイクロドット駆動パルスDP2は、本発明の第1
引き込み要素として機能する第1充電要素P1と、本発
明の第2引き込み要素として機能する第2充電要素P2
と、本発明の引き込みホールド要素として機能する第1
ホールド要素P3と、本発明の吐出要素として機能する
第1放電要素P4と、本発明の吐出ホールド要素として
機能する第2ホールド要素P5と、本発明の制振要素と
して機能する第2放電要素P6とを順に接続した一連の
信号として構成されている。
【0047】第1充電要素P1は、最低電位VLから比
較的緩やかな上昇勾配θ1で中間電位VMまで電位を上
昇させる要素である。この第1充電要素P1が圧電振動
子31に供給されると、圧力室23の容積は最低電位V
Lで規定される最小容積から中間電位VMで規定される
中間容積まで比較的ゆっくりと膨張し、圧力室23内の
インク圧力が緩やかに減圧される(第1減圧工程)。
【0048】この緩やかな減圧に伴ってメニスカスは、
図7(a)に示す定常状態から図7(b)に示す第1減
圧状態になる。ここで、定常状態とは、圧力室23内の
圧力変動が極く少ない状態であって、メニスカスMがノ
ズル面(ノズルプレート19における外側表面)の近傍
に位置している状態である。この定常状態において、メ
ニスカスMは、緩やかな曲率で圧力室23側に少し窪ん
でいる。また、第1減圧状態とは、メニスカスMをノズ
ル開口3の途中まで圧力室23側に引き込んだ状態であ
る。なお、この実施形態では、メニスカスMをテーパー
空部24の途中まで引き込んでいる。
【0049】そして、第1充電要素P1の勾配θ1、つ
まり、第1充電要素P1の供給に伴う圧力室23の膨張
速度は、定常状態におけるメニスカスMの湾曲形状を保
持可能な程度の勾配(膨張速度)に設定している。これ
は、定常状態から第1減圧状態に遷移する過程におい
て、湾曲形状を保ったままメニスカスMを引き込むため
である。このように、テーパー空部24の途中までメニ
スカスMを引き込むと、ノズル開口3の内径が拡大さ
れ、ノズル開口3内を満たしているインクの量も少なく
なる。その結果、ノズル開口3側のイナータンスを下げ
ることができる。このため、圧力室23内のインクの圧
力変動に対するメニスカスMの応答性を高めることがで
きる。
【0050】第2充電要素P2は、上昇勾配θ2で中間
電位VMから最大電位VHまで電位を上昇させる要素で
ある。この第2充電要素P2が圧電振動子31に供給さ
れると、圧力室23の容積は中間電位VMで規定される
中間容積から最大電位VHで規定される最大容積まで急
激に膨張し、圧力室23内のインク圧力も急激に減圧さ
れる(第2減圧工程)。
【0051】この急激な減圧に伴ってメニスカスMは、
図7(b)に示す第1減圧状態から、図7(c)に示す
第2減圧状態になる。ここで、第2減圧状態とは、第1
減圧工程で圧力室23側に引き込んだメニスカスMをさ
らに引き込んだ状態である。
【0052】ここで、第2充電要素P2の勾配θ2、つ
まり、第2充電要素P2の供給に伴う圧力室23の膨張
速度は、第1充電要素P1の勾配(速度)よりも急峻に
設定する。好ましくは、制御し得る最大勾配(速度)に
設定する。これは、メニスカスMの中心部分M1を局所
的に圧力室23側に引き込むためである。
【0053】即ち、この第2充電要素P2が圧電振動子
31に供給されると、圧力室23内のインク圧力は急激
に低下する。このとき、第1減圧工程によって圧力室2
3内の圧力変動に対するメニスカスMの応答性が高めら
れているので、図7(c)に示すように、メニスカスM
の中心部分M1が局所的に引き込まれた状態となる。つ
まり、メニスカスMの中心部分M1には、周縁部分より
も湾曲率が大きい局所凹部が生成される。
【0054】第1ホールド要素P3は、直前の電位、つ
まり、第2充電要素の終端電位である最大電位VHを所
定時間に亘って維持する要素である。この第1ホールド
要素P3が圧電振動子31に供給されると圧電振動子3
1の収縮が停止され、圧力室23の膨張も止まる。つま
り、圧力室23は最大容積が維持される(待機工程)。
この第1ホールド要素P3の供給期間中において、第2
減圧工程で圧力室23側に大きく引き込まれた局所凹部
は、反動、つまり表面張力に起因する復元力によって移
動方向をインク滴の吐出方向に反転させる。その後、図
7(d)に示すように、メニスカスMの中心部分M1
は、慣性力によって吐出方向に盛り上がった凸の状態に
なる。
【0055】従って、この第1ホールド要素P3は、第
2減圧工程で局所的に引き込まれたメニスカスMの中心
部分M1を反動によって吐出方向に移動させるための待
機時間を定めている。そして、この待機時間に亘ってメ
ニスカスMの中心部分M1が自由振動する。
【0056】第1放電要素P4は、急峻な下降勾配θ3
で最大電位VHから中間電位VMまで電位を下降させて
圧力室23を収縮させる要素である。この第1放電要素
P4が圧電振動子31に供給されると、圧電振動子31
は少し伸長し、圧力室23は最大容積から中間容積まで
急激に収縮する。これにより、圧力室23内のインク圧
力が上昇し、インク柱が加圧される。即ち、図7(e)
に示すように、慣性力によって柱状に伸長したメニスカ
スMの中心部分M1を、圧力室23の収縮による加圧力
でインク吐出方向に押し出している。このように、メニ
スカスMの中心部分M1が反動によって吐出方向に移動
している最中に圧力室23内を加圧しているので、反動
に圧力室23からのインク圧力が加わり、インク柱を強
く押し出すことができる。
【0057】そして、この第1放電要素P4の供給開始
タイミングは、上記の第1ホールド要素P3の供給時間
によって規定される。このため、第1ホールド要素P3
の供給時間の設定の仕方次第で、インク柱の押し出しタ
イミングの最適化が図れる。
【0058】なお、この第1放電要素P4の終端電位で
ある中間電位VMに関し、本実施形態では第2充電要素
P2の始端電位と同電位に設定しているが、これに限定
されるものではない。第2充電要素P2の始端電位や第
1放電要素P4の終端電位は、個々に設定することがで
きる。
【0059】第2ホールド要素P5は、第1放電要素P
4の終端電位である中間電位VMを維持する要素であ
る。この第2ホールド要素P5が圧電振動子31に供給
されると、第1放電要素P4による圧電振動子31の伸
長が止まり、圧力室23は中間容積を維持する。このと
き、図7(f)に示すように、第1放電要素P4により
インク吐出方向に押し出されたインク柱が慣性力によっ
てメニスカスMからちぎれ、このちぎれた部分が2pL
程度の極く少量のインク滴として飛翔する。従って、こ
の第2ホールド要素P5の供給工程と、第1放電要素P
4の供給工程とが吐出工程に相当する。
【0060】この吐出工程では、第1放電要素P4の供
給工程にて、メニスカスMの中心部分M1の反動に圧力
室23からの圧力が加えられているので、吐出されたイ
ンク滴は、従来よりも高速で飛翔する。例えば、7〜8
m/secの速度で飛翔する。これにより、極く少量の
インク滴であっても十分な飛翔速度が得られ、インク滴
を所望の位置に着弾させることができ、画質の一層の向
上が図れる。
【0061】第2放電要素P6は、中間電位VMから最
低電位VLまで一定の下降勾配θ4で電位を変化させる
要素である。この第2放電要素P6が圧電振動子31に
供給されると、圧電振動子31が伸長して圧力室23は
中間容積から最小容積まで収縮する。これによって圧力
室23が加圧される。ここで、この第2放電要素P6の
勾配θ4は、インク滴吐出後におけるメニスカスMの圧
力室23側への移動を抑制するように設定される。即
ち、インク滴が吐出されると、メニスカスMの中心部分
M1は反動によって圧力室23側に移動する。この中心
部分M1の移動によりメニスカス全体が振動するので、
そのまま放置すると振動の収束に長時間を要してしま
う。そこで、メニスカスMの中心部分M1が圧力室23
側に移動するタイミングで第2放電要素P6を供給し、
圧力室23を加圧することによって、メニスカスMの中
心部分M1の移動を抑制する。これにより、メニスカス
Mの振動を短時間で収束させることができ、次のインク
滴の吐出までに必要な時間間隔を短くすることができ
る。その結果、印刷周期が短くでき、記録の高速化が図
れる。
【0062】そして、この第2放電要素P6の供給開始
タイミングは、上記の第2ホールド要素P5の供給時間
によって規定される。このため、第2ホールド要素P5
の供給時間の設定の仕方次第で、圧力室23の加圧タイ
ミングを最適化でき、制振を効果的に行わせることがで
きる。
【0063】なお、この実施形態の駆動方法では、第1
減圧工程においてメニスカスMをノズル開口3のテーパ
ー空部24まで引き込んでいたが、本発明はこの方法に
限定されるものではない。例えば、図8(a)及び図8
(b)に示すように、第1充電要素P1による第1減圧
工程において、メニスカスMをストレート空部25の途
中まで引き込むようにしても同様な作用効果を得ること
ができる。
【0064】即ち、ノズル開口3の開口縁までストレー
ト空部25の略全体がインクで満たされている状態と、
ストレート空部25の途中までインクで満たされている
状態とを比較すると、後者の方が、細いストレート空部
25内を満たしているインクの量が少なくなるので、イ
ナータンスが小さくなる。このため、メニスカスMの引
き込みによってイナータンスを下げることができる。な
お、イナータンスは、インク流路における最も細い部分
であるストレート空部25の影響が大きいので、ストレ
ート空部25の途中までメニスカスMを引き込むだけで
も、イナータンスを十分に下げることができる。
【0065】そして、ノズル開口3側のイナータンスが
低くなると、圧力室23内のインクの圧力変動に対する
メニスカスMの応答性を高めることができる。このた
め、図8(c)に示すように、第2充電要素P2による
第2減圧状態において、メニスカスMの中心部分M1
(局所凹部)を大きく引き込むことができる。その後
は、上記の実施形態と同様に、局所凹部の反動と吐出要
素P4による加圧力とによって、インク柱をインク吐出
方向へ強く押し出すことができ、微小インク滴の飛行速
度を従来よりも高めることができる。
【0066】なお、上記の実施形態に関し、特許請求の
範囲の記載に基づいて種々の追加、変更等が可能であ
る。まず、上記の第2減圧工程において、第2引き込み
要素の供給により、メニスカスMの一部をテーパー空部
24まで引き込むようにしても同様の効果が得られる。
この場合、例えば、局所凹部である中心部分M1の先端
側部分をテーパー空部24まで引き込む。
【0067】また、上記の実施形態では、圧電振動子3
1として、充電により収縮して圧力室23を膨張させ、
放電により伸長して圧力室23を収縮させる圧電振動子
31を例示したがこのタイプの圧電振動子31に限定さ
れない。例えば、充電により伸長して圧力室23を収縮
させ、放電により収縮して圧力室23を膨張させるタイ
プの圧電振動子31を用いても同様に構成することがで
きる。また、撓み変形によって圧力室23の容積を可変
するタイプの圧電振動子31であってもよい。
【0068】また、圧力室23の容積を変化させる圧力
発生素子は圧電振動子31に限定されない。要するに圧
力室23内のインクに圧力変動を生じさせ得る素子であ
れば本発明を適用することができる。例えば、電気機械
変換素子の一種である磁歪素子を用いた記録ヘッドにも
適用できる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば以下
の効果を奏する。即ち、定常状態の湾曲形状を保持しつ
つノズル開口内における圧力室側に引き込んでいるの
で、ノズル開口側におけるイナータンスを下げることが
できる。このため、圧力室内のインクの圧力変動に対す
るメニスカスの応答性を高めることができ、圧力室内を
急激に減圧することでメニスカスの中心部分を局所的に
引き込むことができる。さらに、引き込まれたメニスカ
スの中心部分が反動によって吐出方向に移動するタイミ
ングにあわせて圧力室内を加圧しているので、メニスカ
スの中心部分の反動に圧力室からのインク圧力を加える
ことができ、インク滴となるメニスカスの中心部分を強
く押し出すことができる。これにより、インク滴の飛翔
速度を高めることができる。従って、極く少量のインク
滴であっても十分な飛翔速度が得られ、インク滴を所望
の位置に着弾させることができる。その結果、画質の一
層の向上が図れる。
【0070】また、メニスカスの少なくとも一部をテー
パー空部まで引き込むようにした場合には、ノズル開口
側におけるイナータンスをより下げることができる。従
って、圧力室内のインクの圧力変動に対するメニスカス
の応答性をより高めることができる。その結果、インク
滴の飛翔速度を容易に高めることができる。
【0071】また、第2引き込み要素と吐出要素との間
に、第2引き込み要素の終端電位を維持する引き込みホ
ールド要素を配置した場合には、この引き込みホールド
要素の供給時間に亘ってメニスカスが自由振動する。そ
して、この引き込みホールド要素は、吐出要素の供給開
始タイミングを規定しているので、引き込みホールド要
素の供給時間の設定の仕方次第で、メニスカスの中心部
分を押し出すタイミングを最適化することができる。
【0072】また、吐出要素よりも後に、インク滴吐出
後におけるメニスカスの圧力室23側への移動を抑制す
べく圧力室を加圧する制振要素を配置した場合には、メ
ニスカスの振動を短時間で収束させることができ、次の
インク滴の吐出までに必要な時間間隔を短くすることが
できる。このため、印刷周期が短くでき、記録の高速化
が図れる。
【0073】また、吐出要素と制振要素との間に、吐出
要素の終端電位を維持する吐出ホールド要素を配置した
場合には、制振要素の供給開始タイミングは、吐出ホー
ルド要素の供給時間によって規定される。このため、吐
出ホールド要素の供給時間の設定の仕方次第で、圧力室
の加圧タイミングを最適化でき、制振を効果的に行わせ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録装置であるイン
クジェットプリンタの斜視図である。
【図2】インクジェット式記録ヘッドを示す断面図であ
る。
【図3】ノズル開口の形状を説明する断面図である。
【図4】インクジェットプリンタの電気的構成を説明す
るブロック図である。
【図5】駆動信号を説明する図である。
【図6】マイクロドット駆動パルスを説明する図であ
る。
【図7】(a)〜(f)はそれぞれ、インク滴の吐出過
程を説明する図である。
【図8】(a)〜(c)はそれぞれ、他の例におけるイ
ンク滴の吐出過程を説明する図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 2 インクジェット式記録ヘッド 3 ノズル開口 4 キャリッジ 5 ガイド部材 6 駆動プーリ 7 遊転プーリ 8 タイミングベルト 9 パルスモータ 10 記録紙 11 インクカートリッジ 12 紙送りローラ 14 ケース 15 流路ユニット 16 振動子ユニット 17 収容空部 18 流路形成基板 19 ノズルプレート 20 振動板 21 共通インク室 22 インク供給口 23 圧力室 24 テーパー空部 25 ストレート空部 26 支持基板 27 弾性体膜 28 アイランド部 31 圧電振動子 32 固定板 33 圧電体 34 電極 37 プリンタコントローラ 38 プリントエンジン 39 外部インターフェース 40 RAM 41 ROM 42 制御部 43 発振回路 44 駆動信号発生回路 45 内部インターフェース 46 紙送りモータ 50 第1シフトレジスタ 51 第2シフトレジスタ 52 第1ラッチ回路 53 第2ラッチ回路 54 デコーダ 55 制御ロジック 56 レベルシフタ 57 スイッチ回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通した圧力室及びこの圧
    力室内のインクを加減圧する圧力発生素子を有する記録
    ヘッドと、駆動パルスを有する一連の駆動信号を発生す
    る駆動信号発生手段とを備え、駆動パルスの供給により
    圧力発生素子を作動させてノズル開口からインク滴を吐
    出させるようにしたインクジェット式記録装置におい
    て、 前記駆動信号発生手段は、圧力室内を緩やかに減圧する
    ことで、定常状態の湾曲形状を保ちながらメニスカスを
    ノズル開口内における圧力室側に引き込む第1引き込み
    要素と、圧力室内を急激に減圧することで、第1引き込
    み要素によって引き込まれたメニスカスを局所的に引き
    込む第2引き込み要素と、第2引き込み要素によって引
    き込まれたメニスカスが吐出方向に移動するタイミング
    にあわせて圧力室内を加圧する吐出要素とを含んだ駆動
    パルスを発生することを特徴とするインクジェット式記
    録装置。
  2. 【請求項2】 前記ノズル開口は、圧力室側に拡径した
    円錐台状のテーパー空部と、該テーパー空部の小径部に
    連続して設けられた円筒状のストレート空部とから構成
    され、 第2引き込み要素によって、メニスカスの少なくとも一
    部をテーパー空部まで引き込むようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記第2引き込み要素と吐出要素とを、
    第2引き込み要素の終端電位を維持する引き込みホール
    ド要素で接続したことを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記吐出要素よりも後に、インク滴吐出
    後におけるメニスカスの圧力室側への移動を抑制すべく
    圧力室を加圧する制振要素を配置したことを特徴とする
    請求項1から請求項3の何れかに記載のインクジェット
    式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記吐出要素と制振要素とを、吐出要素
    の終端電位を維持する吐出ホールド要素で接続したこと
    を特徴とする請求項4に記載のインクジェット式記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記圧力発生素子を、圧力室の容積を変
    化させる電気機械変換素子によって構成したことを特徴
    とする請求項1から請求項5の何れかに記載のインクジ
    ェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記電気機械変換素子が圧電振動子であ
    ることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット式
    記録装置。
  8. 【請求項8】 ノズル開口に連通した圧力室内の圧力を
    変動させ、圧力室内における圧力変動によってノズル開
    口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッ
    ドの駆動方法において、 定常状態の湾曲形状を保ちながらメニスカスをノズル開
    口内における圧力室内側に引き込むように圧力室内を減
    圧する第1減圧工程と、 第1減圧工程で引き込まれたメニスカスを局所的に引き
    込むように圧力室内を減圧する第2減圧工程と、 第2減圧工程で局所的に引き込まれたメニスカスが吐出
    方向に移動するまで待機する待機工程と、 局所的に引き込まれたメニスカスが吐出方向に移動して
    いる最中に圧力室内を加圧し、該部分をインク滴として
    吐出させる吐出工程とを順に経ることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッドの駆動方法。
  9. 【請求項9】 前記ノズル開口は、圧力室側に拡径した
    円錐台状のテーパー空部と、該テーパー空部の小径部に
    連続して設けられた円筒状のストレート空部とから構成
    され、 第2減圧工程で、メニスカスの少なくとも一部をテーパ
    ー空部まで引き込むことを特徴とする請求項8に記載の
    インクジェット式記録ヘッドの駆動方法。
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