JP2009234134A - 液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクの増粘及び乾燥を防止してインクの増粘による画質の低下を防止し且つ駆動周波数を向上することのできる液体噴出装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】液滴を吐出させるための吐出パルスを含んだ一連の駆動信号を吐出周期毎に繰り返し発生可能な駆動信号発生手段119と、駆動信号の中から必要なパルスを選択して圧力発生素子に供給する選択供給手段と、液体噴射ヘッドの各ノズル開口からの液体の吐出状況を取得する吐出状況取得手段118とを設け、駆動信号発生手段119が、液滴を吐出させない程度の圧力変動を圧力室内の液体に生じさせて吐出パルスでの吐出の液滴速度が増大するタイミングでメニスカスを移動させる予備パルスを、吐出パルスに先立って発生し、選択供給手段が、吐出状況に基づいて所定期間以上非吐出のノズルに対して予備パルスの供給を行うようにした。
【選択図】図3
【解決手段】液滴を吐出させるための吐出パルスを含んだ一連の駆動信号を吐出周期毎に繰り返し発生可能な駆動信号発生手段119と、駆動信号の中から必要なパルスを選択して圧力発生素子に供給する選択供給手段と、液体噴射ヘッドの各ノズル開口からの液体の吐出状況を取得する吐出状況取得手段118とを設け、駆動信号発生手段119が、液滴を吐出させない程度の圧力変動を圧力室内の液体に生じさせて吐出パルスでの吐出の液滴速度が増大するタイミングでメニスカスを移動させる予備パルスを、吐出パルスに先立って発生し、選択供給手段が、吐出状況に基づいて所定期間以上非吐出のノズルに対して予備パルスの供給を行うようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの駆動方法に関する。
インクジェット式プリンタやプロッタ等のインクジェット式記録装置は、インクカートリッジやインクタンク等のインク貯留手段に貯留されたインクを、インク滴として吐出可能なインクジェット式記録ヘッドを有する。
ここで、インクジェット式記録ヘッドとしては、ノズル開口に連通する圧力発生室と、複数の圧力発生室に連通する共通の液体室であるリザーバと、圧力発生室に圧力変化を生じさせてノズル開口から液滴を吐出させる圧力発生手段とを具備する。そして、インクジェット式記録ヘッドに搭載される圧力発生手段としては、例えば、縦振動型の圧電素子、撓み振動型の圧電素子、静電気力を用いたもの、発熱素子を用いたものなどが挙げられる。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、長期間に亘って印字に関与していないノズルではインクが増粘し、次の吐出の際に吐出量が低減するという問題がある。従来はこのような増粘インクに対しては、定期的にフラッシングをすることにより増粘インクを捨てる方法が取られていた。しかしながら、フラッシングは無駄なインクの消費につながる。またラインプリンターのようなヘッドが大型のプリンタではフラシングポジションに行くには、かなり時間を要するためにスループットが下がるという課題があった。
そこで極力フラッシングとフラッシングの間隔を伸ばす必要がある。そのため、インクを所定の粘度に維持してインク滴を確実に吐出させるために、インク吐出に先立って、メニスカス、すなわち、ノズル開口で露出されたインクの自由表面を、インク滴が吐出しない程度に微振動させる微振動駆動を実行している(例えば、特許文献1参照)。これにより、ノズル開口近傍のインクが撹拌され、インクが所定粘度に維持されている。
しかしながら、微振動を入れることによりメニスカス面が揺れるのでそのままの状態で印字すると、微振動の残留振動の影響で重量とインク滴速度がばらつき画質が悪くなるため、同一セグメント内で微振動と吐出波形とを入れることはできなかった。また、このような微振動駆動の信号の長さは、一般的に、連続するインク吐出のための駆動信号の間隔よりも長いため、インク吐出中に微振動駆動を実行すると、ヘッドの駆動周波数を下げて駆動信号の間隔を長くしなければならず、吐出スピード(スループット)が低下してしまうという問題がある。
上述したように、増粘した液体をノズルから液滴吐出しようとすると液滴量が減少し、液滴吐出にバラツキが発生するので、記録品質が低下してしまうという問題がある。また、記録品質の低下を防止するためにフラッシングを行うと、インク消費量が増大するという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録装置だけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、インクの増粘及び乾燥を防止してインクの増粘による画質の低下を防止し且つ駆動周波数を向上することのできる液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの駆動方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドを具備し、液滴を吐出させない程度に圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる予備パルスと液滴を吐出させるための吐出パルスを含んだ一連の駆動信号を吐出周期毎に繰り返し発生可能な駆動信号発生手段と、前記駆動信号の中から必要なパルスを選択して圧力発生素子に供給する選択供給手段と、前記液体噴射ヘッドの各ノズル開口からの液体の吐出状況を取得する吐出状況取得手段とを設け、前記選択供給手段は、前記吐出状況取得手段が取得した前記吐出状況に基づいて特定したノズル開口に対応する前記圧力発生手段に対して、前記予備パルスを供給した後に、前記予備パルスの供給によって発生する前記圧力発生室内の残留振動を利用して、液滴吐出速度が増大するタイミングで前記吐出パルスを供給するように、前記予備パルスと前記吐出パルスを選択することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、本来であれば、フラッシングを行う必要が発生するところ、増粘した液体を吐出するノズル開口に対応する圧力発生手段に対して予備パルス及び吐出パルスを供給することによって液滴吐出速度を増大させた液体吐出を行うことにより、フラッシングを行うことなく液滴吐出バラツキが低減されるので、フラッシングを省略でき、且つ記録品質低下が防止される。すなわち、フラッシング頻度の低減が図られ、インク消費量を削減することができる。
かかる態様では、本来であれば、フラッシングを行う必要が発生するところ、増粘した液体を吐出するノズル開口に対応する圧力発生手段に対して予備パルス及び吐出パルスを供給することによって液滴吐出速度を増大させた液体吐出を行うことにより、フラッシングを行うことなく液滴吐出バラツキが低減されるので、フラッシングを省略でき、且つ記録品質低下が防止される。すなわち、フラッシング頻度の低減が図られ、インク消費量を削減することができる。
ここで、前記予備パルスと前記吐出パルスとの間隔が、前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周波数の周期をTcとした場合に、0.7Tc〜1.0Tcの範囲となるのが好ましい。これによれば、予備パルスによる液滴の速度低下防止効果がより確実に発揮される。
また、前記予備パルスは、基準電位から予備最大電位まで一定の電位勾配で電位を上昇させて前記圧力発生室を膨張させる膨張要素と、予備最大電位を維持するホールド要素と、予備最大電位から基準電位まで電位を下降させて前記圧力発生室を収縮させる収縮要素とを含む台形状のパルスであるのが好ましい。これによれば、吐出パルスにより吐出される液滴の速度をより確実に増大でき、増粘による液滴の吐出速度低下がより確実に防止される。
また、前記駆動信号発生手段は、液体が吐出されない程度に前記ノズル開口に露出した液体の表面を微振動させる微振動パルスを前記一連の駆動信号の一部として発生させ、該微振動パルスは、液滴を吐出する吐出ノズル以外の非吐出ノズルに対して供給されるのが好ましい。これによれば、ノズル開口での増粘が低減される。
また、前記微振動パルスと前記予備パルスとが同一パルスで共用されているのが好ましい。これによれば、微振動パルスを予備パルスとして使用することで、駆動信号の生成を省力化できる。
さらに、他の態様は、液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドの駆動方法であって、前記ノズル開口のそれぞれからの吐出状況を取得して該吐出状況に基づいて特定したノズル開口に対応する前記圧力発生手段に対して、液滴を吐出させない程度に圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる予備パルスを供給した後に、前記予備パルスの供給によって発生する前記圧力発生室内の残留振動を利用して、液滴吐出速度が増大するタイミングで吐出パルスを供給するようにしたことを特徴とする液体噴射ヘッドの駆動方法にある。
かかる態様によれば、本来であれば、フラッシングを行う必要が発生するところ、増粘した液体を吐出するノズル開口に対応する圧力発生手段に対して予備パルス及び吐出パルスを供給することによって液滴吐出速度を増大させた液体吐出を行うことにより、フラッシングを行うことなく液滴吐出バラツキが低減されるので、フラッシングを省略でき、且つ記録品質低下が防止される。すなわち、フラッシング頻度の低減が図られ、インク消費量を削減することができる。
かかる態様によれば、本来であれば、フラッシングを行う必要が発生するところ、増粘した液体を吐出するノズル開口に対応する圧力発生手段に対して予備パルス及び吐出パルスを供給することによって液滴吐出速度を増大させた液体吐出を行うことにより、フラッシングを行うことなく液滴吐出バラツキが低減されるので、フラッシングを省略でき、且つ記録品質低下が防止される。すなわち、フラッシング頻度の低減が図られ、インク消費量を削減することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
本実施形態の液体噴射装置は、例えば、インクジェット式記録装置であり、図1に示すように、詳しくは後述するインクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するインクカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
また、キャリッジ軸5の一端部近傍には、駆動モータ6が設けられており、駆動モータ6の軸の先端部には外周に溝を有する第1のプーリ6aが設けられている。さらに、キャリッジ軸5の他端部近傍には、駆動モータ6の第1のプーリ6aに対応する第2のプーリ6bが回転自在に設けられており、これら第1のプーリ6aと第2のプーリ6bとの間には環状でゴム等の弾性部材からなるタイミングベルト7が掛けられている。
そして、駆動モータ6の駆動力がタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図示しない紙送りモータの駆動力により回転できるようになっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
ここで、上述のようなインクジェット式記録装置Iに搭載されるインクジェット式記録ヘッドについて説明する。図2は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの一例を示す断面図である。
図2に示すインクジェット式記録ヘッド10は、縦振動型の圧電素子を有するタイプであり、流路基板11には、複数の圧力発生室12が並設され、流路基板11の両側は、各圧力発生室12に対応してノズル開口13を有するノズルプレート14と、振動板15とにより封止されている。また、流路基板11には、各圧力発生室12毎にそれぞれインク供給口16を介して連通されて複数の圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ17が形成されており、リザーバ17には、図示しないインクカートリッジが接続される。
一方、振動板15の圧力発生室12とは反対側には、各圧力発生室12に対応する領域にそれぞれ圧電素子18の先端が当接されて設けられている。これらの圧電素子18は、圧電材料19と、電極形成材料20及び21とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層され、振動に寄与しない不活性領域が固定基板22に固着されており、固定基板22は、基台23に固定されている。
このように構成されたインクジェット式記録ヘッド10では、インクカートリッジに連通されるインク流路を介してリザーバ17にインクが供給され、インク供給口16を介して各圧力発生室12に分配される。実際には、圧電素子18に電圧を印加することにより圧電素子18を収縮させる。これにより、振動板15が圧電素子18と共に変形されて(図中上方向に引き上げられて)圧力発生室12の容積が広げられ、圧力発生室12内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口13に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧電素子18の電極形成材料20及び21に印加していた電圧を解除すると、圧電素子18が伸張されて元の状態に戻る。これにより、振動板15も変位して元の状態に戻るため圧力発生室12が収縮され、内部圧力が高まりノズル開口13からインク滴が吐出される。すなわち、本実施形態では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として縦振動型の圧電素子18が設けられている。
図3は、インクジェット式記録装置の制御構成を示すブロック図である。ここで、図3を参照して、本実施形態のインクジェット式記録装置Iの制御について説明する。本実施形態のインクジェット式記録装置Iは、図3に示すように、プリンタコントローラ111とプリントエンジン112とから概略構成されている。プリンタコントローラ111は、外部インターフェース113(以下、外部I/F113という)と、各種データを一時的に記憶するRAM114と、制御プログラム等を記憶したROM115と、CPU等を含んで構成した制御部116と、クロック信号を発生する発振回路117と、吐出状況取得手段118と、インクジェット式記録ヘッド10へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号発生回路119と、駆動信号や印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン112に送信する内部インターフェース120(以下、内部I/F120という)とを備えている。
外部I/F113は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等から受信する。また、この外部I/F113を通じてビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、ホストコンピュータ等に対して出力される。RAM114は、受信バッファ121、中間バッファ122、出力バッファ123、及び、図示しないワークメモリとして機能する。そして、受信バッファ121は外部I/F113によって受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファ122は制御部116が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッファ123はドットパターンデータを記憶する。なお、このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる記録データによって構成してあり、各ノズル開口13毎に生成される。
吐出状況取得手段118は、各ノズル開口13毎に、それぞれの吐出状況を取得するものであり、本実施形態では中間コードデータから、各ノズル開口13毎に非吐出の期間を積算し、また、所定期間以上非吐出の状況のノズル開口13についてはその情報を制御部116に出力する。なお、ここで、所定期間は、ノズル開口13付近のインクの増粘が吐出量に影響を与えるか否かにより決定するものであり、使用されるインクやノズル開口13の状態などを考慮して予め設置されるものである。
駆動信号発生回路119は、本発明の駆動信号発生手段に相当し、駆動信号COMを発生する。そして、図4に示すように、駆動信号COMは、本実施形態では、微振動パルスとしても使用される予備パルスSP1〜SP3と、吐出パルスDP1〜DP3とを1記録周期T内に有する信号であり、記録周期T毎に繰り返し発生される。
また、ROM115には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等を記憶させてある。制御部116は、受信バッファ121内の印刷データを読み出すと共に、この印刷データを変換して得た中間コードデータを中間バッファ122に記憶させる。また、中間バッファ122から読み出した中間コードデータを解析し、ROM115に記憶させているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、中間コードデータをドットパターンデータに展開する。そして、制御部116は、必要な装飾処理を施した後に、この展開したドットパターンデータを出力バッファ123に記憶させる。
この際、制御部116は、吐出状況取得手段118から所定期間以上非吐出であるノズル開口13に関する情報を取得した場合には、当該ノズル開口13からの吐出の際に、吐出パルスDP1〜DP3に先だって予備パルスSP1〜SP3を選択するように制御する。これにより、非吐出期間が所定期間以上で増粘している可能性があるノズル開口13からの吐出量の低減を防止するものである。この点についての詳細は後述する。
そして、記録データは、内部I/F120を介して圧電素子18にシリアル転送され、1行分の記録データが出力されると、展開済みの中間コードデータは中間バッファ122から消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
プリントエンジン112は、インクジェット式記録ヘッド10と、紙送り機構124と、キャリッジ機構125とを含んで構成してある。紙送り機構124は、紙送りモータとプラテン8等から構成してあり、記録紙等の記録シートSをインクジェット式記録ヘッド10の記録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この紙送り機構124は、記録シートSを副走査方向に相対移動させる。
キャリッジ機構125は、インクジェット式記録ヘッド10を搭載可能なキャリッジ3と、このキャリッジ3を主走査方向に沿って走行させるキャリッジ駆動部とから構成してあり、キャリッジ3を走行させることによりインクジェット式記録ヘッド10を主走査方向に移動させる。なお、キャリッジ駆動部は、上述したように駆動モータ6及びタイミングベルト7等で構成されている。
インクジェット式記録ヘッド10は、副走査方向に沿って多数のノズル開口13を有し、ドットパターンデータ等によって規定されるタイミングで各ノズル開口13から液滴を吐出する。そして、このようなインクジェット式記録ヘッド10の圧電素子18には、図示しない外部配線を介して電気信号、例えば、駆動信号(COM)や記録データ(SI)等が供給される。
ここで、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド10の電気的構成について説明する。図3に示すように、インクジェット式記録ヘッド10は、第1シフトレジスタ131A及び第2シフトレジスタ131Bからなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路132A及び第2ラッチ回路132Bからなるラッチ回路と、デコーダ133と、制御ロジック134と、レベルシフタ135からなるレベルシフタ回路と、スイッチ回路136からなるスイッチ回路と、圧電素子18とを具備する。そして、各シフトレジスタ131A、131B、各ラッチ回路132A、132B、レベルシフタ135、スイッチ回路136及び圧電素子18は、それぞれノズル開口13に対応して設けられている。
そして、このインクジェット式記録ヘッド10は、プリンタコントローラ111からの記録データ(SI)に基づいてインク滴を吐出する。具体的に説明すると、次の通りである。
プリンタコントローラ111からの記録データは、発振回路117からのクロック信号(CK)に同期して、内部I/F120から第1シフトレジスタ131A及び第2シフトレジスタ131Bにシリアル伝送される。この記録データは、2ビットのデータであり、本実施形態では、非記録、小ドット、中ドット、大ドットからなる4階調を表す階調情報によって構成されている。具体的には、非記録が階調情報[00]であり、小ドットが階調情報[01]であり、中ドットが階調情報[10]であり、大ドットが階調情報[11]である。なお、この記録データは、吐出される液滴の量を示す吐出量情報の一種でもある。
この記録データは、各ノズル開口13毎に設定される。即ち、そのノズル列に属する全ノズル開口13の下位ビット(L)のデータが第1シフトレジスタ131Aに入力され、上位ビット(H)のデータが第2シフトレジスタ131Bに入力される。第1シフトレジスタ131Aには第1ラッチ回路132Aが電気的に接続され、第2シフトレジスタ131Bには第2ラッチ回路132Bが電気的に接続されている。そして、プリンタコントローラ111からのラッチ信号(LAT)が各ラッチ回路132A、132Bに入力されると、第1ラッチ回路132Aは記録データの下位ビットのデータをラッチし、第2ラッチ回路132は記録データの上位ビットのデータをラッチする。このような動作をする第1シフトレジスタ131A及び第1ラッチ回路132Aの組と、第2シフトレジスタ131B及び第2ラッチ回路132Bの組は、それぞれが記憶回路を構成し、デコーダ133に入力される前の記録データを一時的に記憶する。
各ラッチ回路132A、132Bでラッチされた記録データはデコーダ133に入力される。このデコーダ133は翻訳手段として機能し、2ビットの記録データを翻訳してパルス選択情報を生成する。本実施形態のデコーダ133は、記録データと駆動パルスとの関係を規定する波形選択テーブルを備えており、この波形選択テーブルに基づいてパルス選択情報を生成する。パルス選択情報は、駆動信号(COM)を構成する各駆動パルス(DP1〜DP3、SP1〜SP3)に各ビットを対応させることで構成されている。このため、本実施形態では、6ビットのパルス選択情報が生成される。そして、各ビットの内容(例えば、[0]、[1])に応じて圧電素子18に対する駆動パルスの供給或いは非供給が選択される。なお、駆動パルスの供給制御については後で詳しく説明する。
また、デコーダ133には、制御ロジック134からのタイミング信号も入力されている。この制御ロジック134は、制御部116と共にタイミング信号発生手段として機能しており、ラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)に基づいてタイミング信号を発生する。即ち、この制御ロジック134は、ラッチ信号或いはチャンネル信号を受信する毎にタイミング信号(TIM)を発生する。
デコーダ133によって翻訳されたパルス選択情報は、上位ビット側から順に、タイミング信号の受信タイミングが到来する毎に、レベルシフタ135に入力される。例えば、記録周期Tにおける最初のタイミング(期間T1の開始時)ではパルス選択情報の最上位ビットのデータがレベルシフタ135に入力され、2番目のタイミング(期間T2の開始時)ではパルス選択情報における2番目のビットのデータがレベルシフタ135に入力される。以下同様にデータが入力され、6番目のタイミング(期間T6の開始時)ではパルス選択情報における最下位ビットのデータがレベルシフタ135に入力される。このレベルシフタ135は、電圧増幅器として機能し、パルス選択情報が[1]の場合には、スイッチ回路136を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフタ135で昇圧された[1]のパルス選択情報は、スイッチ手段として機能するスイッチ回路136に供給される。このスイッチ回路136の入力側には、駆動信号発生回路119からの駆動信号(COM)が供給されており、スイッチ回路136の出力側には圧電素子18が接続されている。
そして、パルス選択情報は、スイッチ回路136の作動、つまり、駆動パルスの圧電素子18への供給を制御する。例えば、スイッチ回路136に加わるパルス選択情報が[1]である期間中は、スイッチ回路136が接続状態になって駆動パルスが圧電素子18に供給され、この駆動パルスに倣って圧電素子18の電位レベルが変化する。一方、スイッチ回路136に加わるパルス選択情報が[0]の期間中は、レベルシフタ135からはスイッチ回路136を作動させるための電気信号が出力されない。このため、スイッチ回路136が切断状態になって圧電素子18へは駆動パルスが供給されない。なお、圧電素子18はコンデンサの様に振る舞うので、スイッチ回路136の切断状態において切断直前の電位を保持し続ける。
このような動作をするデコーダ133、制御ロジック134、レベルシフタ135、スイッチ回路136は、本発明における選択供給手段の一種として機能し、記録データに基づき、駆動信号の中から駆動パルスを選択して圧電素子18に供給する。
次に、駆動信号発生回路119(駆動信号発生手段の一種)が生成する駆動信号(COM)について説明する。
図4に示すように、本実施形態の駆動信号発生回路119は、3つの吐出パルスDP1〜DP3と、3つの予備パルスSP1〜SP3とを含む一連の駆動信号を発生する。即ち、記録周期Tを6つの期間T1〜T6に区切り、1つの期間内に1つのパルスを発生させている。具体的には、第1期間T1では第1予備パルスSP1を発生し、第2期間T2では第1吐出パルスDP1を発生する。そして、第3期間T3では第2予備パルスSP2を発生し、第4期間T4では第2吐出パルスDP2を発生する。また、第5期間T5では第3予備パルスSP3を発生し、第6期間T6では第3吐出パルスDP3を発生する。
上記の吐出パルスDP1〜DP3は、インク滴を吐出させるためのパルスである。この吐出パルスDP1〜DP3が圧電素子18に供給されると、所定量のインク滴がノズル開口13から吐出される。上記の予備パルスSP1〜SP3は、吐出パルスDP1〜DP3によって吐出されるインク滴の量を調整するためのパルスであり、吐出パルスDP1〜DP3に先立って発生される。また、これらの予備パルスSP1〜SP3は、ノズル開口13付近のインク増粘を防止するための微振動パルスであり、インク滴を吐出させない場合に選択される。以下、これらの駆動パルスについて詳細に説明する。
まず、吐出パルスDP1〜DP3について説明する。本実施形態において、各吐出パルスDP1〜DP3は、同一の波形形状である吐出パルスDPとされている。具体的には、図5(a)に示すように、中間電位VM(基準電位の一種)から最大電位VHまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を上昇させて圧力発生室12を膨張させる膨張要素P01と、最大電位VHを所定時間保持する膨張ホールド要素P02と、最大電位VHから最低電位VLまで急勾配で電位を下降させて圧力発生室12を収縮させて吐出を行う収縮要素P03と、最低電位VLを所定時間保持する制振ホールド要素P04と、最低電位VLから中間電位VMまで電位を上昇させる制振要素P05とを備える。
そして、吐出パルスDP1〜DP3が圧電素子18に供給されると、ノズル開口13からは、吐出パルスDP1〜DP3が供給される毎に7pl(ピコリットル)前後のインク滴が吐出される。なお、「7pl前後」とは、流路基板11やノズルプレート14等の寸法ばらつきや取付公差によって、インク滴の吐出量等にばらつきが生じ得ることを意味している。
以下、吐出パルスDP1〜DP3の供給に伴うインク滴の吐出について詳細に説明する。まず、膨張要素P01の供給によって圧力発生室12は、中間電位VMに対応する定常容積から最大電位VHに対応する最大容積まで膨張する。この圧力発生室12の膨張により、メニスカスの位置は定常状態から圧力発生室12側に引き込まれる。この圧力発生室12の膨張状態は、膨張ホールド要素P02の供給期間中に亘って維持される。この期間中においてメニスカスは自由振動し、移動方向が吐出側に切り替わる。
次に、収縮要素P03が供給されて、圧力発生室12は、最大容積から最低電位VLに対応する最小容積まで急激に収縮し、圧力発生室12内のインクが加圧される。この加圧によってメニスカスは、吐出方向に急速に移動する。続いて、制振ホールド要素P04が供給され、圧力発生室12はこの制振ホールド要素P04の供給期間中に亘って収縮状態に維持される。その間メニスカスは、慣性力によって収縮要素P03の供給後も吐出側に移動し続ける。その結果、柱状となったメニスカスの先端部分がちぎれ、インク滴となって吐出する。また、先端部分がちぎれた反動により、残った部分は圧力発生室12側へ急速に移動する。
その後は、制振要素P05の供給によって圧力発生室12が定常容積まで膨張復帰する。この制振要素P05は、圧力発生室12側に引き込まれたメニスカスが反転して吐出側に移動するタイミングで供給されるので、メニスカスの吐出側への移動力を吸収するように作用する。その結果、メニスカスの振動が短時間で収束される。
次に、予備パルスSP1〜SP3について説明する。図5(b)に示すように、この予備パルスSP1〜SP3となる予備パルスSPは、中間電位VM(基準電位の一種)から予備最大電位VPまで一定の電位勾配で電位を上昇させて圧力発生室12を膨張させる予備膨張要素P11(電位上昇要素の一種)と、予備最大電位VPを維持する予備ホールド要素P12(定電位要素の一種)と、予備最大電位VPから中間電位VMまで一定の電位勾配で電位を下降させて圧力発生室12を収縮させる予備収縮要素P13(電位下降要素の一種)とを含む台形状のパルスである。
上記の予備パルスSP1〜SP3が圧電素子18に供給されると、インク滴を吐出させない程度の圧力変動が圧力発生室12内のインクに生じ、メニスカスが移動する。予備膨張要素P11が圧電素子18に供給されると圧電素子18が多少収縮して圧力発生室12が膨張し、メニスカスが圧力発生室12側に引き込まれる。この時、メニスカスの引き込み量は、予備膨張要素P11の印加電圧(電位差)及び電位勾配(発生時間)によって規定される。続いて、予備ホールド要素P12が圧電素子18に供給される。これにより、圧電素子18の収縮状態が維持され、圧力発生室12の膨張状態も維持される。そして、この期間中においてメニスカスは自由振動する。次に、予備収縮要素P13が供給されて圧電素子18が伸長し、圧力発生室12が定常容積まで収縮する。ここで、圧力発生室12の収縮タイミングは、メニスカスの移動方向がインク滴の吐出方向に切り替わった後に設定される。従って、メニスカスは、圧力発生室12の収縮によって後押しされた状態となり、吐出方向へ円滑に移動する。その結果、予備収縮要素P13の供給終了後、圧力発生室12が定常容積で維持されている期間においてもメニスカスは自由振動し、吐出パルスDP2,DP3の供給開始時点において定常状態よりも盛り上がった状態になる。
従って、予備パルスSP1〜SP3を吐出パルスDP1〜DP3に先立って供給することで、吐出パルスDP1〜DP3の供給開始時点におけるメニスカスの状態、即ち、定常状態に対する盛り上がりの度合いを制御できる。そして、メニスカスの盛り上がりを制御できることから、吐出パルスDP1〜DP3の供給に伴う吐出インク量を変化させることができる。即ち、同じ波形形状の吐出パルスDP1〜DP3を用いながらも、吐出されるインク量を予備パルスSP1〜SP3の非使用時よりも増やすことができる。これは、メニスカスの盛り上がり状態の差がインク量の差になったことによる。
図6は、このような予備パルスSPと吐出パルスDPとのパルス間隔Dを変化させてインクを吐出した際の、パルス間隔Dとインク吐出速度との関係を示したものであり、予備パルスSPを供給しなかった場合のインク吐出速度をFで示す。圧力発生室のヘルムホルツ振動周波数の周期をTcとした場合、パルス間隔Dが、0.7Tc〜1.0Tcの範囲となった場合に、インク吐出速度が予備パルスSPを供給しなかった場合と比較して上昇することがわかった。よって、予備パルスSP1〜SP3と吐出パルスDP1〜DP3との間隔が0.7Tc〜1.0Tcとなるように、駆動信号を発生するのが好ましい。
また、吐出パルスDP2,DP3の供給開始時点におけるメニスカスの状態は、予備膨張要素P11の印加電圧、言い換えれば、予備パルスSP1〜SP3の波高値Vpを変えることで調整することができる。
ここで、各ノズル開口13に対応する圧電素子18に対し、吐出パルスDP1〜DP3に先だって予備パルスSP1〜SP3を供給するか否かは、当該ノズル開口13が所定期間以上非吐出か否かにより、これは吐出状況取得手段118からの情報に基づく。すなわち、吐出状況取得手段118から所定期間以上非吐出であるとされたノズル開口13については、吐出パルスDP1〜DP3に先だって予備パルスSP1〜SP3が供給される。
具体的には、デコーダ133(翻訳手段)は、プリンタの動作時において、吐出状況取得手段118からの情報に基づき、所定期間以上非吐出のノズル開口13に対応する圧電素子18が吐出する駆動信号については、予備パルスSP1〜SP3の発生期間に対応するパルス選択情報を[1]に設定することで、吐出パルスDP1〜DP3の供給に先立って予備パルスSP1〜SP3を圧電素子18に供給する。
図7は、非吐出期間が所定期間未満で、予備パルスSP1〜SP3を使用しないノズル開口13に対応する圧電素子18に供給される駆動波形であり、(a)階調情報[01](小ドット)に基づき、パルス選択情報[000100]により生成された駆動波形、(b)は、階調情報[10](中ドット)に基づき、パルス選択情報[010001]により生成された駆動信号、(c)は階調情報[11](大ドット)に基づき、パルス選択情報[010101]により生成された駆動波形である。
また、図8は、非吐出期間が所定期間以上で、予備パルスSP1〜SP3が吐出パルスDP1〜DP3に先だって供給されるノズル開口13に対応する圧電素子18に供給される駆動波形であり、(a)階調情報[01](小ドット)に基づき、パルス選択情報[001100]により生成された駆動波形、(b)は、階調情報[10](中ドット)に基づき、パルス選択情報[110011]により生成された駆動波形、(c)は階調情報[11](大ドット)に基づき、パルス選択情報[111111]により生成された駆動波形である。
このような駆動波形により、非吐出期間が所定期間以上で増粘が予想されるノズル開口からの吐出の低下が防止される。ここで、中ドットの場合、初めの吐出パルスDP1に先だって予備パルスSP1を供給すれば、後の予備パルスSP3は必ずしも設ける必要はなく、この場合にも同様な効果が期待できる。また、大ドットの場合には、最初の予備パルスSP1のみ供給して予備パルスSP2及びSP3を供給しなくてもよく、また、予備パルスSP1及びSP2を供給し予備パルスSP3を供給しなくてもよい。
なお、本実施形態においても、微振動による増粘防止は、従来と同様に行われる。かかる微振動による増粘防止は、インク滴を吐出させない場合(階調情報「00」の場合)に選択されるものであり、本実施形態では、予備パルスSP1を選択することで、インク滴を吐出させない程度の圧力変動を圧力発生室12内のインクに励起し、これにより、メニスカスが微振動し、ノズル開口13付近のインクを攪拌してインクの増粘を防止している。すなわち、微振動させるための微振動パルスとして、予備パルスSP1を使用する以外は、従来技術の増粘防止処理と同様である。勿論、予備パルスSP2、SP3を微振動パルスとして用いてもよく、また、予備パルスSP1〜SP3とは別に駆動信号に微振動パルスを含めるようにしてもよい。
(実施形態2)
図9は、本発明の実施形態2に係る駆動信号の一例を示す波形図である。
図9は、本発明の実施形態2に係る駆動信号の一例を示す波形図である。
図9に示すように、本実施形態の駆動信号は、予備パルスSP1と吐出パルスDP1とからなり、予備パルスSP1は、上述した実施形態1と同様に所定期間以上非吐出のノズル開口13に対応する圧電素子18に供給される吐出パルスDP1に先だって供給され、また、微振動パルスとして使用される。
図10は、本実施形態の駆動波形の一例で、一番目の記録周期で微振動による増粘防止を行い、2番目の記録周期で吐出する波形であり、(a)は、非吐出の期間が所定期間未満のノズル開口13に対応する圧電素子18に供給される駆動波形であり、(b)は、非吐出の期間が所定期間以上のノズル開口13に対応する圧電素子18に供給される駆動波形である。
この場合においても、上述した実施形態と同様に、非吐出期間が所定期間以上で増粘が予想されるノズル開口からの吐出の低下が防止される。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、予備パルスの形状は、実施形態の形状に限定されず、また、膨張要素、ホールド要素、収縮要素をこの順番に具備するものではなく、収縮要素、ホールド要素、膨張要素をこの順番に有する逆台形などの波形形状でもよい。いずれにしても、予備パルスは、非吐出ノズルを吐出させるにあたり、当該非吐出ノズルに対応する圧力発生室に圧力変動を付与し、残留振動を発生させ、当該残留振動を利用して吐出パルスを供給することにより、吐出速度を増大させるものであればよい。
また、例えば、駆動信号として、第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2の2系統を用意して、記録周期T内にそれぞれ1つの吐出パルスと予備パルスとを設けるようにしてもよい。
また、吐出状況取得手段は、中間コードデータから各ノズル開口13毎に、それぞれの吐出状況を取得するものとしたが、これに限定されず、例えば、デコーダ133に入力される記録データなどに基づいて非吐出の記録周期をカウントし、この情報に基づいて、予備パルスSP1〜SP3を供給するか否かを選択するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、圧力発生手段として、縦振動型の圧電素子18を用いるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子を用いるようにしてもよい。ちなみに、縦振動型の圧電素子18を用いると、充電により圧電素子18が縦方向に縮んで圧力発生室12を膨張させ、放電により圧電素子18が縦方向に伸長して圧力発生室12を収縮させる。これに対して、圧力発生手段として撓み変形型の圧電素子を用いた場合には、充電により圧電素子が圧力発生室12側に変形して圧力発生室12を収縮し、放電により圧電素子が圧力発生室12とは反対側に変形して圧力発生室12を膨張させる。このような圧電素子を駆動する駆動信号は、上述した駆動信号COMの電位極性が反転した形状となる。
また、圧力発生手段として、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口13から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエータなどを使用してもよい。
また、上述したインクジェット式記録装置Iでは、インクジェット式記録ヘッド10(ヘッドユニット1A、1B)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド10が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。勿論、このような液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射装置も特に限定されるものではない。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 12 圧力発生室、 13 ノズル開口、 17 リザーバ、 18 圧電素子(圧力発生手段)、 111 プリンタコントローラ、 112 プリントエンジン、 116 制御部、 118 吐出状況取得手段、 119 駆動信号発生回路、 131A 第1シフトレジスタ、 131B 第2シフトレジスタ、 132A 第1ラッチ回路、 132B 第2ラッチ回路、 133 デコーダ、 134 制御ロジック、 135 レベルシフタ、 136 スイッチ回路
Claims (6)
- 液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドを具備し、
液滴を吐出させない程度に圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる予備パルスと液滴を吐出させるための吐出パルスを含んだ一連の駆動信号を吐出周期毎に繰り返し発生可能な駆動信号発生手段と、
前記駆動信号の中から必要なパルスを選択して圧力発生素子に供給する選択供給手段と、
前記液体噴射ヘッドの各ノズル開口からの液体の吐出状況を取得する吐出状況取得手段とを設け、
前記選択供給手段は、前記吐出状況取得手段が取得した前記吐出状況に基づいて特定したノズル開口に対応する前記圧力発生手段に対して、前記予備パルスを供給した後に、前記予備パルスの供給によって発生する前記圧力発生室内の残留振動を利用して、液滴吐出速度が増大するタイミングで前記吐出パルスを供給するように、前記予備パルスと前記吐出パルスを選択することを特徴とする液体噴射装置。 - 前記予備パルスと前記吐出パルスとの間隔が、前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周波数の周期をTcとした場合に、0.7Tc〜1.0Tcの範囲となることを特徴とする請求項1記載の液体噴射装置。
- 前記予備パルスは、基準電位から予備最大電位まで一定の電位勾配で電位を上昇させて前記圧力発生室を膨張させる膨張要素と、予備最大電位を維持するホールド要素と、予備最大電位から基準電位まで電位を下降させて前記圧力発生室を収縮させる収縮要素とを含む台形状のパルスであることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射装置。
- 前記駆動信号発生手段は、液体が吐出されない程度に前記ノズル開口に露出した液体の表面を微振動させる微振動パルスを前記一連の駆動信号の一部として発生させ、該微振動パルスは、液滴を吐出する吐出ノズル以外の非吐出ノズルに対して供給されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記微振動パルスと前記予備パルスとが同一パルスで共用されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドの駆動方法であって、
前記ノズル開口のそれぞれからの吐出状況を取得して該吐出状況に基づいて特定したノズル開口に対応する前記圧力発生手段に対して、液滴を吐出させない程度に圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる予備パルスを供給した後に、前記予備パルスの供給によって発生する前記圧力発生室内の残留振動を利用して、液滴吐出速度が増大するタイミングで吐出パルスを供給するようにしたことを特徴とする液体噴射ヘッドの駆動方法。
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-
2008
- 2008-03-28 JP JP2008085157A patent/JP2009234134A/ja active Pending
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