JPH0657411A - 誘電体薄膜の製造方法および装置 - Google Patents

誘電体薄膜の製造方法および装置

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JPH0657411A
JPH0657411A JP21581692A JP21581692A JPH0657411A JP H0657411 A JPH0657411 A JP H0657411A JP 21581692 A JP21581692 A JP 21581692A JP 21581692 A JP21581692 A JP 21581692A JP H0657411 A JPH0657411 A JP H0657411A
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JP
Japan
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thin film
dielectric thin
substrate
film
dielectric
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JP21581692A
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English (en)
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Shigenori Hayashi
重徳 林
Kenji Iijima
賢二 飯島
Takashi Hirao
孝 平尾
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペロブスカイト型酸化物誘電体薄膜を、各種
基板上に導電性被膜を介して合成する方法および装置を
提供する。 【構成】 誘電体薄膜形成装置に接続された形成槽内に
おいて、基板15上に直接、あるいは、緩衝層16を介
して、導電性被膜17を形成する。引続き、あるいは、
下地誘電体層18を形成した後、ペロブスカイト型酸化
物誘電体薄19を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜の製造方法と装置
に関するものである。特に、誘電体薄膜の製造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜化技術は、エレクトロニクス分野、
特に、半導体製造プロセスを中心に発展し、新材料の開
発と共に進歩してきた。これらの薄膜は、単体元素の場
合はごくまれで、一般に合金あるいは化合物である場合
が多く、形成方法により著しく特性が変化する。これら
新材料の創成およびそのデバイス化は、人工格子材料な
どに代表されるように、薄膜化技術の向上によるところ
が多い。
【0003】近年注目されている薄膜材料に、ABO3
で構成されるペロブスカイト型構造を有する誘電体材料
がある。ここで、Aサイトは、Pb、Ba、Srまたは
Laの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrの
うち少なくとも1種の元素を含む。(Pb1-xLax)(ZryTi
1-y)1-x/4O3系、BaTiO3系に代表される強誘電体は、優
れた強誘電性、圧電性、焦電性、電気光学特性等を示
し、これを利用した種々の機能デバイスが検討されてい
る。特に、半導体ICの分野においては、新しいデバイ
ス、不揮発性メモリーへの応用が期待されている。ま
た、SrTiO3系は強誘電性こそ示さないものの、高誘電率
材料として超高密度DRAMのキャパシタ絶縁膜への応
用が期待されている。
【0004】これらの材料の特性の向上あるいは集積化
のためには、その薄膜化が非常に重要であり、特に、Si
などの半導体基板上に作製する技術の開発が重要であ
る。その高性能化を考えた場合、単結晶薄膜あるいは配
向膜であることが望ましく、ヘテロエピタキシャル技術
の開発が重要である。さらには、その構造を人工格子的
にあるいは原子層レベルで制御したり、異種材料を積層
させたりといった、高機能の薄膜形成技術も材料設計の
面から切望されている。これらに関する研究は、様々な
薄膜堆積法に基づいて、多くの研究機関で行われてき
た。しかし、組成、結晶構造等を制御して所望の特性を
有する薄膜を得ることは、一般には容易ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】薄膜の結晶性は、基本
的に基板材料・化学組成・形成温度で制御される。一般
に、基板との格子不整合を少なくし、活性度の高い堆積
方法を用いて、化学組成を合致させれば低温で結晶性の
被膜が得られる。
【0006】酸化物誘電体の薄膜化において従来最も一
般的に用いられていたスパッタリング法では、ターゲッ
ト材料である酸化物焼結体と形成された被膜とのあいだ
に、化学組成にずれが生じ易く、しかもスパッタリング
条件に大きく左右される。活性度の高い、非熱平衡プロ
セスであるために、形成温度はかなり低減されているも
のの、良好な結晶性の被膜を得るには、依然、 600℃前
後の高い基板温度が必要であり、そのため基板との相互
拡散や柱状成長によるピンホールなども生じやすい。従
来、サファイア、酸化マグネシア等の単結晶基板上に
は、単結晶薄膜あるいはc軸配向膜が得られてきたが、
これらの材料のデバイスへの応用、高性能化、高機能化
を考えた場合、高品質の、しかも非常に薄い薄膜を半導
体等の基板上に作製する技術の開発が重要である。すな
わち、Si、GaAsおよびガラス(SiO2)基板上
に、あるいは適当な下地電極を介してヘテロエピタキシ
ャル成長させる必要がり、下地となる基板との相互拡
散、柱状成長や粉塵によるピンホールの影響を回避する
必要がある。基板温度の低減のみならず、堆積過程の前
処理として、表面改質あるいは緩衝膜形成を行ったり、
下地電極膜等を形成しておく必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】非常に薄く、しかもピン
ホールのない、高品質のペロブスカイト型酸化物誘電体
薄膜を得るには、粉塵および、あるいは柱状成長による
ピンホールの影響と誘電体薄膜/導電性被膜/基板間の
相互拡散の影響を回避する必要がある。
【0008】本発明にかかる薄膜の製造方法において
は、ペロブスカイト型酸化物薄膜を、それがエピタキシ
ャル成長するにふさわしい導電性被膜を基板上に形成し
た後、大気に晒すことなく同一真空槽内において形成す
ることにより、粉塵等の影響を排除している。相互拡散
については、導電性被膜と基板との間に、両者に馴染み
がよくバリア層となる緩衝膜を設けて、これを抑制して
いる。さらに、柱状成長を回避するために、下地との間
に、誘電体薄膜本来の動作特性に大きな影響を与えない
程度の、極く薄い誘電体被膜を設けている。
【0009】このような薄膜形成方法を実現するため、
本発明者にかかる薄膜形成装置においては、ABO3
構成されるペロブスカイト型誘電体薄膜とA′B′O3
あるいはB′O2で構成される下地誘電体層を積層でき
る多元蒸着機構とこれとは独立に、かつ事前に大気に晒
すことなく導電性被膜を基板表面に形成する機構を併設
している。
【0010】
【作用】本発明にかかる誘電体薄膜製造方法において
は、基板との界面に、導電性被膜、下地誘電体層あるい
は緩衝膜を、同一形成槽内、あるいは大気に晒すことな
く積層することによって、非常に薄く、しかもピンホー
ルのない、高品質のペロブスカイト型酸化物誘電体薄膜
をSi、GaAsおよびガラス(SiO2)基板上にも
形成できる。
【0011】さらに、本発明では、誘電体薄膜成長に適
した下地誘電体層、および下地電極と基板との良好なコ
ンタクトを形成する緩衝膜を見いだしている。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図面と共に説明する。
【0013】図1に本発明にかかる薄膜形成装置の一実
施例を示す。本形成装置は、2つの独立な第1形成槽1
および第2形成槽2を有し、しかも、基板加熱ホルダ3
の移動によって、異種材料を連続的に形成し、積層膜を
形成できる機構を有している。第1形成槽1の主たる堆
積機構としては、イオン源4、5、6および7による4
元のイオンビームスパッタ法を用いており、ターゲット
8、9、10および11には、金属あるいはセラミック
ス焼結体を用いる。イオンビーム電流の制御およびシャ
ッタリングによって、被膜の組成および構造制御を行う
ことができる。第2形成槽2の主たる堆積機構として
は、3元の蒸着源12、13および14を有する電子ビ
−ム蒸着法を用いており、堆積前の基板、あるいは堆積
後の被膜の表層構造制御を目的としている。
【0014】図2に本発明にかかるペロブスカイト型薄
膜誘電体の一実施例を示す。基板15としては、Si、
GaAsおよびガラス(SiO2)基板を用いる。第2
形成槽において、この上に直接、あるいは、緩衝層16
を介して、導電性被膜17を形成する。第1形成槽にお
いて、さらに、この上に、あるいは、下地誘電体層18
をも介して、誘電体薄膜19を形成する。
【0015】まず、第2形成槽において、基板15上に
直接、あるいは、緩衝層16を介して、導電性被膜17
を形成する。緩衝層16としては、TiあるいはWを、
導電性被膜17としては、PtあるいはPdを、いずれ
も電子ビ−ム加熱で形成した。本発明者らは、誘電体薄
膜19あるいは下地誘電体層18を成長させる良好な下
地として、これらの導電性被膜が有効であることを確認
した。また、緩衝層16は、基板15と導電性被膜17
との相互拡散に対する有効な拡散障壁となることを確認
した。本発明者らは、さらに、導電性被膜および緩衝膜
の形成時の温度、あるいは形成後処理する温度を450
℃以上とすることにより、基板との密着性、誘電体薄膜
形成時の安定性を最小限の膜厚1000Å以下で達成で
きることを見いだした。
【0016】次に、基板15を基板加熱ホルダ3ごと第
1形成槽1に搬送し、ペロブスカイト型誘電体薄膜19
を形成する。誘電体薄膜19として、例えば、強誘電体
薄膜Pb0.79La0.21Ti0.95O3を形成する。ターゲット8、
9、10および11にそれぞれPb,La,Ti、Zr
の金属ターゲットを用い、スパッタイオンビーム電流の
制御およびシャッタリングによって、被膜の組成および
構造制御を行うことができる。酸素は、基板15付近に
設けた導入口より供給し、これによる形成装置内の酸素
の分圧は、8×10-5torrとした。本発明者らは、基板
温度範囲:室温〜750℃において、1000〜2000
Åの被膜を形成した。被膜の結晶性は、基板温度の上昇
と共に、アモルファス→パイロクロア相→ペロブスカイ
ト相と変化し、本構成の場合、結晶性の高いペロブスカ
イト構造の誘電体被膜を形成させるためには、600℃前
後が適当であることを確認した。
【0017】次に、誘電体薄膜19を形成装置より取り
出し、上部電極20として、金を、直径0.5mmのマスク
を用いて真空蒸着した。本発明の様に誘電体薄膜19、
導電性被膜17を大気にさらすことなく連続形成したこ
とにより、誘電体薄膜19の膜厚がきわめて薄いにもか
かわらず、ピンホールは著しく減少し、良好な電気的特
性を示した。LCRメータを用いて測定した比誘電率
は、周波数100Hzで600と大きかった。また、ソーヤ・タ
ワー回路を用いて測定した、分極反転特性を示すD−E
ヒステリシスは、図3に示すように良好な強誘電性を示
した。
【0018】比較のため、Si(100)基板上に直接形成し
た場合には、結晶性は、あまり良好でなく、電気的性質
も、比誘電率が、周波数100Hzで100とやや小さく、ま
た、D−Eヒステリシスは、強誘電性を示すものの、特
性的には良好でなっかた。強誘電体の結晶性、Si基板と
の界面での相互拡散の問題があると考えられる。
【0019】Si基板のほか、SiO2、GaAs基板の場合に
も、直接、あるいは、導電性被膜17のみを用いた場合
には、相互拡散の影響が大きく良好な特性は得られなか
った。本発明者らは、導電性被膜17のPtおよびPd、緩
衝層16のTiおよびW、いずれの組合せにおいても緩衝
層16を500Å以上1000Å以下とすれば、必要かつ十分
で、良好な誘電体薄膜を得ることができることを確認し
た。誘電体薄膜19/導電性被膜17/緩衝層16/基
板15構成の各構成元素の深さ分布は、図4のPb 0.79La
0.21Ti0.95O3/Pt/Ti/Siの例に示すように、基板構成
元素の誘電体薄膜中への拡散は見られなかった。
【0020】さらに、本発明者らは、第1形成槽1にお
ける誘電体薄膜19形成前に、導電性被膜17上に下地
誘電体層18を形成することにより、結晶性の優れたピ
ンホールの少ない誘電体薄膜19が得られることを見い
だした。先のPb0.79La0.21Ti 0.95O3誘電体薄膜の場合に
は、誘電体膜形成前に下地誘電体層18として、イオン
源3によりターゲット10(Ti金属ターゲット)をス
パッタして、TiO2層を形成した。本発明者らは、A
BO3で構成されるペロブスカイト型誘電体薄膜の下地
誘電体層として、同じ構成元素を用いたA′B′O3
るいはB′O2で構成される誘電体薄膜が有効で、その
膜厚として100Åで十分であることを見いだした。
【0021】本発明にかかる薄膜製造装置は、ペロブス
カイト型酸化物誘電体の他、高温超電導体等類似の多元
系の酸化物の薄膜化に有効である。これらの材料をエレ
クトロニクス素子に応用するには、半導体基板やチップ
上に、損傷をあたえず、結晶性良く成長させる必要があ
る。その点で、良好な導電膜を介して、所望の特性を有
する誘電体薄膜を形成することができる本製造装置はき
わめて有効である。
【0022】
【発明の効果】本発明により、酸化物誘電体を薄膜化す
るプロセスが提供され、工業上極めて大きな価値を有す
るものである。誘電体を半導体メモリに応用するには、
半導体基板上に形成する必要があるが、本発明により非
常に高精度の誘電体薄膜が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の薄膜製造装置の基本構成断
面図
【図2】本発明の一実施例の誘電体薄膜の基本構成断面
【図3】本発明の一実施例の強誘電体薄膜Pb0.79La0.21
Ti0.95O3の分極反転特性をあらわすD−Eヒステリシス
を示す図
【図4】本発明の一実施例のPb0.79La0.21Ti0.95O3の基
本構成元素の深さ分布を示す図
【符号の説明】
1 第1形成槽 2 第2形成槽 3 基板加熱ホルダ 4 イオン源 5 イオン源 6 イオン源 7 イオン源 8 ターゲット 9 ターゲット 10 ターゲット 11 ターゲット 12 蒸着源 13 蒸着源 14 蒸着源 15 基板 16 緩衝層 17 導電性被膜 18 下地誘電体層 19 誘電体薄膜 20 上部電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ABO3で構成されるペロブスカイト型複
    合化合物に対し、真空槽内において、少なくとも1種の
    導電性被膜を基板上に形成したのち、その真空雰囲気を
    破ることなく、連続して基板上に堆積させることを特徴
    とする誘電体薄膜の製造方法。ここで、Aサイトは、P
    b、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、Bサイト
    は、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含
    む。
  2. 【請求項2】導電性被膜と基板との間に、両者と密着性
    が高く、かつバリア層となる緩衝膜を形成することを特
    徴とする請求項1記載の誘電体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】導電性被膜および緩衝膜の形成時の温度、
    あるいは形成後処理する温度が450℃をこえることを
    特徴とする請求項1または2記載の誘電体薄膜の製造方
    法。
  4. 【請求項4】導電性被膜としてPtあるいはPd、緩衝
    膜としてTiあるいはTiNを用いることを特徴とする
    請求項1、2または3記載の誘電体薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】ABO3で構成されるペロブスカイト型複
    合化合物に対し、基板上に、A′B′O3あるいはB′
    2で構成される下地誘電体層を形成したのち、連続し
    て積層させることを特徴とする誘電体薄膜の製造方法。
    ここで、AおよびA′サイトは、Pb、Ba、Srまた
    はLaの少なくとも1種、BおよびB′サイトは、Ti
    およびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。
  6. 【請求項6】下地誘電体層の厚みを100Å以下とする
    ことを特徴とする請求項5記載の誘電体薄膜の製造方
    法。
  7. 【請求項7】ABO3で構成されるペロブスカイト型複
    合化合物に対し、少なくとも2つの蒸着源を用いて、誘
    電体薄膜の構成元素を含む材料の蒸発速度を独立に制御
    して同時あるいは順次蒸着する機構を有し、かつ、これ
    とは独立に、かつ事前に大気に晒すことなく導電性被膜
    を基板表面に形成する機構を有する誘電体薄膜の製造装
    置。ここで、Aサイトは、Pb、Ba、SrまたはLa
    の少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrのうち
    少なくとも1種の元素を含む。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5976946A (en) * 1996-06-19 1999-11-02 Nec Corporation Thin film formation method for ferroelectric materials
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WO2002029129A1 (fr) * 2000-10-03 2002-04-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Film mince piezo-electrique et son procede de preparation, et element piezo-electrique comportant le film mince piezo-electrique, tete a jet d'encre utilisant l'element piezo-electrique et dispositif d'impression a jet d'encre dote de la tete a jet d'encre

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