JPS642419B2 - - Google Patents

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JPS642419B2
JPS642419B2 JP58211371A JP21137183A JPS642419B2 JP S642419 B2 JPS642419 B2 JP S642419B2 JP 58211371 A JP58211371 A JP 58211371A JP 21137183 A JP21137183 A JP 21137183A JP S642419 B2 JPS642419 B2 JP S642419B2
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JP
Japan
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acid
palladium
copper
catalyst
regenerating
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JP58211371A
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Inventor
Hiroshi Itaya
Akinori Shiotani
Mikio Fujimoto
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/584Recycling of catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、パラジウム塩触媒の回収再生方法に
関するものである。さらに詳しくは、本発明は、
パラジウム塩、銅塩および塩基性二座配位子を含
む触媒の存在下にオルトフタル酸エステルを酸化
カツプリングさせることにより生成したビフエニ
ルテトラカルボン酸エステルを含む反応液からパ
ラジウム塩触媒などを回収再生する方法に関する
ものである。 オルトフタル酸エステルを、パラジウム塩、銅
塩、そして1,10−フエナントロリンあるいは
2,2'−ビピリジンなどの塩基性二座配位子を含
む触媒の存在下に酸化カツプリングさせることに
よりビフエニルテトラカルボン酸エステルを得る
反応は既に知られている。この反応により生成す
るビフエニルテトラカルボン酸エステルは3,
3',4,4'−ビフエニルテトラカルボン酸テトラ
アルキルエステルと2,3,3',4−ビフエニル
テトラカルボン酸テトラアルキルエステルの両異
性体の混合物であるが、上記の反応によれば、ポ
リイミドの製造原料などの用途に有用な前者の異
性体が高い選択性で得られる。従つて、上記の触
媒系を用いた酸化カツプリング反応は3,3',
4,4'−ビフエニルテトラカルボン酸テトラアル
キルエステルの工業的な製造法として有利な方法
ということができる。 上記の酸化カツプリング反応において、使用し
たパラジウムおよび銅を含む触媒は、反応終了後
に酸化カツプリング反応液から回収し、再生して
繰返し使用するのが一般的であるが、これらの金
属触媒は、共存する1,10−フエナントロリンま
たは2,2'−ビピリジンなどの塩基性二座配位子
と非常に安定なキレート化合物を形成しているた
め、通常の化学的操作によつてはパラジウムおよ
び銅を効率良く回収することが困難である。しか
し、特にパラジウムは高価な金属であり、その回
収率は製品のコストにも直接影響を与えるため、
種々の方法でその回収再生が試みられているが、
今だ満足できる方法は開発されていない。 従来、上記の酸化カツプリング反応の反応液か
らのパラジウムおよび銅などの金属成分の回収再
生の方法としては、反応液に還元剤を直接投入し
たのち加熱して、該反応液からパラジウムなどを
還元処理として析出させ、その折出した還元処理
物を硝酸に溶解し、この硝酸液の蒸発乾固を繰り
返して硝酸パラジウムとした後、さらに硝酸を加
え、次いで酢酸中で加熱して酢酸塩にする方法な
どが利用されている。 しかしながら上述の回収再生方法は、その還元
処理温度が高いため、そして還元処理を酸化カツ
プリング反応液中で行なうため、未反応原料物質
および目的の反応生成物の一部もまた還元、ある
いは分解されるため、最終的には目的のビフエニ
ルテトラカルボン酸エステルの収率を低下せしめ
る要因となつている。 さらに、上述の従来法は、回収したパラジウル
および銅を硝酸などと加熱し蒸発乾固を繰り返し
行なうため、好ましくないガス(例えばNO2
が発生し環境衛生上好ましい方法とは言えず、ま
た公害上の問題もある。 本発明者は、このような酸化カツプリング反応
液から、原料および酸化カツプリング反応生成物
の分解等をともなわずに触媒を高収率で回収再生
する方法について研究を行なつた結果、酸化カツ
プリング反応液から、まず反応生成物、未反応原
料などの揮発性成分を留去し、次に触媒を含む残
査を焼成し、得られた焼成物を還元処理し、次い
で得られた還元処理物を酸で処理することにより
パラジウム塩、そして更に銅塩が回収再生できる
ことを見い出した。この方法による触媒の回収再
生方法は酸化カツプリング反応生成物の収率を低
下させることもなく、また再生した触媒を良好な
触媒活性を有することを見い出した。 従つて、本発明は、パラジウム塩、銅塩および
塩基性二座配位子を含む触媒の存在下にオルトフ
タル酸エステルを酸化カツプリングさせることに
より生成したビフエニルテトラカルボン酸エステ
ルを含む反応液から少なくともパラジウム塩触媒
を回収再生する方法において、 a 該反応液から、未反応オルトフタル酸エステ
ルおよびビフエニルテトラカルボン酸エステル
を含む揮発性成分を蒸留により分離する工程: b−1 工程a)で得られた蒸留残査を焼成す
る工程: b−2 工程b−1)で得られた焼成物を還元
処理する工程:および、 c 工程b−2)で得られた還元処理物を酸で処
理することにより少なくともパラジウムの塩を
生成させる工程、 を含むことを特徴とするパラジウム塩触媒の回収
再生方法を提供するものである。 次に本発明を詳しく説明する。 本発明における第1工程は、パラジウム塩、銅
塩および塩基性二座配位子を含む触媒の存在下に
オルトフタル酸エステルを酸化カツプリングさせ
ることにより生成したビフエニルテトラカルボン
酸エステルを含む反応液から、未反応オルトフタ
ル酸エステルおよびビフエニルテトラカルボン酸
エステルを含む揮発性成分を蒸留することにより
分離取得する工程である。 上記の工程における蒸留操作は、常圧あるいは
減圧のいずれの方法を用いても行なうことができ
るが、生成したビフエニルテトラカルボン酸エス
テルの分解反応を考慮すれば、減圧蒸留によるこ
とが望ましい。 第一工程の蒸留操作により残つた残査は、次い
で第二工程の(1)で、酸素含有の雰囲気下、たえば
空気中などで焼成する。 この焼成工程は、残査中の結合もしくは非結合
有機物の大部分を燃焼させて除去するために行な
われる工程であり、また有機物の燃焼により生成
する炭化物などもまたこの工程で燃焼させて除去
するのが望ましい。 この工程中の蒸留残査の焼成は、酸素含有の雰
囲気下、たとえば空気の存在下で、既知の焼成方
法により行なうことができる。すなわち、たとえ
ば、電気炉、ロータリーキルン、マツフル炉など
の焼成装置を用いた既知の焼成方法より適宜選択
して行なうことができる。この焼成工程の焼成は
200〜1000℃、特に400〜600℃の範囲の温度で行
なうことが望ましい。 上記の第二工程の(1)で得られた焼成物は、次い
で第二工程の(2)で還元処理する。次の第三工程の
酸処理の前に上記焼成物を還元処理することによ
つて、容易にパラジウム、銅などの塩が生成する
との利点がある。 上記の焼成物を還元処理する際に使用される還
元剤の例としては、水素および有機性還元剤を挙
げることができる。特に水素を使用して還元処理
することが望ましい。水素で還元処理したパラジ
ウムおよび銅の還元処理物は、ほぼ定量的にカル
ボン酸塩などの塩に変換することができるばかり
でなく、その還元処理も迅速でかつ容易に行なう
ことができるとの利点がある。 水素を使用する還元処理は通常、室温〜300℃、
好ましくは50〜100℃の処理温度、5〜300Kg/cm2
の圧力、そして10分〜10時間、好ましくは30分〜
2時間の反応時間で行なう。 上記の還元処理は、通常は溶剤を使用して行な
うが、溶剤を使用することなく行なうこともでき
る。この還元処理において使用できる溶剤の例と
しては、ギ酸、修酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸などの脂肪族カルボン酸およびその酸無水物、
そして安息酸などの芳香族カルボン酸を挙げるこ
とができる。特に好ましいのは酢酸である。な
お、還元処理の溶媒として水などの他の溶媒を使
用することもできる。 使用する溶媒の選択に際しては、再生するパラ
ジウム(および銅)の塩に対応するカルボン酸を
選択することが望ましい。 第二工程の(2)で得られた還元処理物を、第三工
程において酸で処理する。 この第三工程の酸処理は、還元処理物を、たと
えば硝酸、あるいは少量の硝酸を加えたカルボン
酸中で加熱することによつて、それぞれ硝酸銅と
ともに硝酸パラジウム、あるいは銅のカルボン酸
塩とともにパラジウムのカルボン酸塩を生成させ
ることができる。 上記のように生成した銅塩およびパラジウム塩
は、未反応の酸を蒸発除去することにより混合物
として取り出すことができる。ただし、それぞれ
の塩を含む酸(酸溶液)を冷却することによりパ
ラジウム塩を析出させて、これを分離することも
できる。。ただし、このようにして得られるパラ
ジウム塩は一般に少量の銅塩を含んでいる。 また、パラジウムと銅の両者の塩を分離し個別
に得る方法としては下記のような方法を利用する
こともできる。たとえば、パラジウムと銅とを含
む還元処理物を、まずカルボン酸(硝酸を含まな
いもの)中で加熱して銅のカルボン酸塩を選択的
に生成させ、未反応物(パラジウム)を濾別しの
ち、濾液から未反応のカルボン酸を蒸発除去して
銅のカルボン酸塩を得る。次いで上記の未反応物
を再び還元処理した後、これを少量の硝酸を含む
カルボン酸を加えて加熱することによつてパラジ
ウムのカルボン酸塩(ただし、該パラジウムのカ
ルボン酸塩は通常微量の銅塩を含む)を得ること
ができる。 上述したパラジウムおよび銅の再生反応に使用
できるカルボン酸の例としては、ギ酸、修酸、プ
ロピオン酸、酪酸、吉草酸などの脂肪族カルボン
酸およびその酸無水物、そして安息香酸、テレフ
タル酸などの芳香族カルボン酸を挙げることがで
きる。特に好ましいカルボン酸は酢酸である。 酸処理に用いる酸の量は、処理対象のパラジウ
ムと銅の当量の総和と同当量以上であれば特に制
限はない。また、少量の硝酸を加えカルボン酸中
で加熱する場合の硝酸の量は、反応させるパラジ
ウムおよび銅の当量の総和の0.1〜10倍、好まし
くは0.5〜2倍の量を使用するのがよい。また、
少量の硝酸を加えカルボン酸中で加熱する場合に
おいて、硝酸あるいはカルボン酸のいずれを先に
加えてもよい。 また還元処理物を硝酸の存在下にて1,10−フ
エナントロリンあるいは2,2'−ビピリジンなど
の塩基性二座配位子と水系溶媒中にて反応させ、
冷却することにより硝酸パラジウムをキレート化
合物として析出させて取り出すこともできる。こ
の際に生成する硝酸銅は水系溶媒に高い溶解度を
示すため、溶媒中に溶解されて残る。従つて、こ
の方法によりパラジウム塩がキレート化合物とし
て効率的に分離回収される。 このようにして得られる硝酸パラジウムと1,
10−フエナントロリンあるいは2,2'−ビピリジ
ンなどの塩基性二座配位子とのキレート化合物
に、たとえば酢酸銅などの銅塩を加え、あるいは
所望によりさらに塩基性二座配位子を加えて調製
した酸化カツプリング触媒は、オルトフタル酸ジ
メチルエステルなどの選択的酸化カツプリング反
応において良好な選択反応性を示す。 また、本発明の方法により回収再生された硝酸
パラジウムおよび硝酸銅、あるいはパラジウムの
カルボン酸塩および銅のカルボン酸塩は、そのま
ま、あるいは所望により他の塩に変えた後、公知
の方法(たとえば、特開昭55−153747号公報記載
の方法)により1,10−フエナントロリン、2,
2′−ビピリジン(α、α′−ビピリジン)などの塩
基性二座配位子と共にオルトフタル酸エステル等
の酸化カツプリング反応触媒として再使用するこ
とができ、その選択反応性も良好である。 次に実施例および参考例を示す。 実施例 1 酢酸パラジウム、酢酸銅および1,10−フエナ
ントロリンからなる触媒(Pd/Cu重量比=77/
23)の存在下にてオルトフタル酸ジメチルエステ
ルの選択的酸化カツプリング反応を行ない、二量
体(3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸テトラアルキルエステル)を含む反応液を得
た。 上記の反応液を2mmHg、100〜130℃の条件下
で減圧蒸留して未反応原料を留去し、次いで二量
体を0.5mmHg、200〜260℃にて減圧蒸留した。 上記の蒸留残査20gを磁製蒸発皿の上で燃焼し
て1.0gの残留灰分を得た。(残留炭素および水素、
C:0.28%,H:0.02%) 上記残留灰分をさらに電気炉中で550℃で5時
間焼成し焼成物を得た。(残留炭素および水素
C:0.04%,H:0.00%) この焼成物と酢酸をオートクレーブに仕込み、
さらに水素を導入して内圧を30気圧とし、60℃で
1時間還元処理した。この還元処理物200mgと濃
硝酸0.1mlと酢酸20mlとをコンデンサーを取付た
フラスコに入れて1時間還流した。この反応液を
熱時濾過して未反応物を除去した後、この濾液
(少量の硝酸を含む酢酸母液)から未反応の酸を
留去し421mgの酢酸パラジウム結晶および酢酸銅
結晶の混合物を得た。 実施例 2 実施例1で得られた還元処理物200mgと酢酸20
mlとをコンデンサーを取付けたフラスコに入れて
1時間還流した。この反応液を熱時濾過して未反
応物を除去したのち、この濾液(酢酸母液)から
酢酸を留去して127mgの酢酸銅を得た。 上記の未反応物を実施例1と同様の方法で再び
水素で還元処理した後、酢酸10ml、濃硝酸0.1ml
と共に1時間還流した。 不溶物(痕跡量)を熱時濾液して除去した後、
上記反応液を放置して室温まで冷却し、析出した
180mgの酢酸パラジウム結晶を濾取した。なお、
分析の結果、この濾取した酢酸パラジウムは、
0.42重量%の銅を含み、さらにこの濾液中には、
酢酸パラジウム73mg、酢酸銅35mgが溶存してい
た。 実施例 3 酢酸パラジウム、酢酸銅および1,10−フエナ
ントロリンからなる触媒(Pd/Cu重量比=84/
16)の存在下にてオルトフタル酸ジメチルエステ
ルの選択的酸化カツプリング反応を行ない、二量
体(3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸テトラアルキルエステル)を含む反応液を得
た。 上記の蒸留残査20gを磁製蒸発皿の上で燃焼し
て1.0gの残留灰分を得た。(残留炭素および水素、
C:0.28%,H:0.02%) 上記残留灰分をさらに電気炉中で550℃で5時
間焼成し焼成物を得た。(残留炭素および水素
C:0.04%,H:0.01%) 上記の焼成物200mgと酢酸10mlとをオートクレ
ーブに仕込み、次に5気圧の水素を導入して60℃
で1時間還元処理した。得られた還元処理物の酢
酸溶液と濃酢酸0.1mlとをコンデンサーを取付た
フラスコに入れ1時間還流した。この反応液を熱
時濾過し、(濾過による分離物はなかつた)、この
濾液を室温まで冷却し析出した結晶を濾過し、酢
酸パラジウムの結晶289mgを得た。分析の結果、
この結晶は0.67重量%の銅を含んでいた。得られ
た結晶の元素分析値を次に示す。
【表】 実施例 4 実施例3で得られた焼成物(残留炭素および水
素、C:0.04%,H:0.01%)400mgと水40mlと
をオートクレーブに仕込み、さらに5気圧の水素
を導入して60℃で1時間還元処理し、固体を濾取
した。 得られた還元処理物250mgを1mlの濃硝酸に溶
解し10mlの水を加えて濾過し、少量の水で容器お
よび濾紙を洗浄し13.57gの溶液を得た。 この溶液10.89g(還元処理物200mgすなわちパラ
ジウム塩1.56mM、銅塩0.54mMが溶存する溶液)
に10mlの水と297mg(1.50mM)の1,10−フエ
ナントロリン・H2Oを加えて1時間還流した。
環流終了後、濃硝酸1mlを加えて冷却し、析出し
た結晶を濾過し0.5Nの硝酸15mlでこれを洗浄し
たのち乾燥して603mg(1.47mM)の硝酸パラジ
ウムと1,10−フエナントロリンのキレート化合
物の結晶を得た。 分析の結果、この結晶は0.11重量%の銅(銅と
して0.009mM)を含有していた。また濾液中に
は9.06mg(0.085mM)のパラジウムおよび26.37
mg(0.41mM)の銅が溶存しることが判明した。 得られた結晶の重量より算出したパラジウムの
回収率は94.2%であり、パラジウムの残部および
銅は、濾液を蒸発乾固して得られる固形分を再処
理することにより回収することができた。 実施例 5 酢酸パラジウム、酢酸銅および1,10−フエナ
ントロリンからなる触媒(Pd/Cu重量比=85/
15)の存在下にてオルトフタル酸ジメチルエステ
ルの選択的酸化カツプリング反応を行ない、二量
体(3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸テトラアルキルエステル)を含む反応液を得
た。 上記の反応液(4)を減圧蒸留して未反応原
料、反応生成物および反応副生物などを回収して
65.0gの残査を得た。この残査50gを蒸発皿に取
り、バーナーを用い燃焼(燃焼温度430℃、燃焼
時間8時間)させて1.73gの灰分を得た。得られ
た灰分を540℃の電気炉で5時間焼成し1504gの
焼成物を得た。 上記の蒸留残査、灰分および焼成物の炭素、水
素、窒素の含有率を以下に示す。
【表】 オートクレーブに50mlの水と上記の焼成物
1400gを仕込み、次に該オートクレーブ内に水素
を導入して水素圧を5気圧とし、温度60℃で1時
間還元処理を行ない1.286gの第一次還元処理物を
得た。 次いでオートクレーブに50mlの酢酸と上記の第
一次還元処理物1000gとを仕込みオートクレーブ
内に水素を導入して水素圧を5気圧、温度60℃で
1時間還元処理を行ない、第二次還元処理物を得
た。上述の第一次および第二次の還元処理のうち
第一次の還元処理は第二次還元処理の迅速かつ効
率的に行なうための予備的な処理である。 次に第二次還元処理物を溶媒と共にフラスコに
移し、0.5mlの農硝酸を加えコンデンサーを取付
けて1時間乾留した。 不溶物を熱時濾過して除去した後、上記反応液
を放置して室温まで冷却し、析出した0.905gの酢
酸パラジウム結晶を濾取した。なお、分析の結
果、この酢酸パラジウムの結晶は0.99重量%の銅
を含有していることが判明した。 得られた酢酸パラジウムの元素分析結果を以下
に示す。
【表】 [再生触媒の評価例] 実施例1および実施例2で得られた触媒を用い
てオルトフタル酸ジメチルエステルの酸化カツプ
リング化反応を行なつた。 基本的な反応条件等は下記の通りである。 触 媒 酢酸パラジウム 0.4ミリモル(90mg) 酢酸銅 0.2ミリモル(40mg) 1、10−フエナントロリン・H2O
0.4ミリモル(79mg) 原 料 オルトフタル酸ジメチルエステル 100ml 反応条件 空気流量 300ml/分 撹拌機回転数 500rpm 反応温度 200℃ 反応時間 6時間 反応器:コンデンサー、温度計、撹拌機、ガス
吹込管付300ml四つ口フラスコ 参考例 1 実施例1の再生触媒を使用して行なつたオルト
フタル酸ジメチルエステルの酸化カツプリング反
応の結果を第1表No.1に示す。 第1表中でs体とは、酸化カツプリング反応の
目的物質である3,3′,4,4′−ビフエニルテト
ラカルボン酸テトラメチルエステルを示し、a体
とは、副反応により生成する2,3,3′,4−ビ
フエニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル
を示す。 参考例 2 実施例2で生成した酢酸パラジウム再生触媒
(微量の銅化合物を含有する)と試薬より新たに
調製した酢酸銅触媒とを使用して参考例1に記載
の方法で行なつたオルトフタル酸ジメチルエステ
ルの酸化カツプリング反応の結果を第1表No.2に
示す。 参考例 3 試薬より新たに調製した酢酸パラジウムと酢酸
銅を使用して参考例1に記載の方法で行なつたオ
ルトフタル酸ジメチルエステルの酸化カツプリン
グ反応の結果を第1表のNo.3に示す。
【表】 上記の結果から明らかなように、本発明の回収
再生方法により回収再生された触媒は、オルトフ
タル酸エステルを酸化カツプリングさせることに
より3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸テトラアルキルエステルを選択的に得るための
触媒として、新規な触媒と同等な触媒活性を示
す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 パラジウム塩、銅塩および塩基性二座配位子
    を含む触媒の存在下にオルトフタル酸エステルを
    酸化カツプリングさせることにより生成したビフ
    エニルテトラカルボン酸エステルを含む反応液か
    ら少なくともパラジウム塩触媒を回収再生する方
    法において、 a 該反応液から、未反応オルトフタル酸エステ
    ルおよびビフエニルテトラカルボン酸エステル
    を含む揮発性成分を蒸留により分離する工程: b−1 工程a)で得られた蒸留残査を焼成す
    る工程: b−2 工程b−1)で得られた焼成物を還元
    処理する工程:および、 c 工程b−2)で得られた還元処理物を酸で処
    理することにより少なくともパラジウムの塩を
    生成させる工程、 を含むことを特徴とするパラジウム塩触媒の回収
    再生方法。 2 工程c)を、少量の硝酸を含有するカルボン
    酸を用いて行なうことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の触媒の回収再生方法。 3 工程c)を、硝酸を用いて行なうことを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の触媒の回収再
    生方法。 4 工程c)を、工程b−2)で得られた還元処
    理物を硝酸を含む水溶液中にて塩基性二座配位子
    と反応させることにより、硝酸パラジウムのキレ
    ート化合物として得ることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の触媒の回収再生方法。 5 工程c)を、まずカルボン酸で処理すること
    により銅のカルボン酸塩を得たのち、残部をさら
    に硝酸の存在下にてカルボン酸で処理することに
    よりパラジウムのカルボン酸塩を得ることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の触媒の回収再
    生方法。
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