JPS5910419B2 - コバルト・マンガン系酸化触媒残渣からコバルトを分離回収する方法 - Google Patents

コバルト・マンガン系酸化触媒残渣からコバルトを分離回収する方法

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JPS5910419B2
JPS5910419B2 JP51102569A JP10256976A JPS5910419B2 JP S5910419 B2 JPS5910419 B2 JP S5910419B2 JP 51102569 A JP51102569 A JP 51102569A JP 10256976 A JP10256976 A JP 10256976A JP S5910419 B2 JPS5910419 B2 JP S5910419B2
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cobalt
manganese
catalyst
acid
solution
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敏彦 綾
孝司 笹川
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Toray Industries Inc
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は少なくとも1個のアルキル基で置換されたベン
ゼン誘導体をコバルトおよびマンガン混合触媒の存在下
に液相酸化することによってベンゼンジカルボン酸類を
製造する工程から排出される触媒含有残渣物質からコバ
ルトを分離回収する方法に関するものである。
ベンゼンカルボン酸類特にベンゼンジカルボン酸類ぱ可
塑剤、合成高分子その他有機合成化学誘導体製造用の基
本原料として極めて重要であり、現在アルキルベンゼン
類を主としてコバルトおよびマンガン混合系触媒の存在
下に必要に応じてー・ロゲン特に臭素化合物を促進剤と
して分子状酸素含有ガスで液相酸化することによって大
規模に工業生産されている。
この生産工程に使用されているコバルトおよびマンガン
の触媒量は全体の生産規模が大きいだけに莫大なものに
なっており、したがってこれらの工程から排出される廃
触媒を分離、回収、再利用することはこの種の業界にお
いて、経済性および重金属公害問題の両面から極めて重
要な課題になっている。
従来から少なくとも1個のアルキル基で置換されたベン
ゼン誘導体を低級脂肪酸などの溶媒中液相でコバルト・
マンガン系酸化触媒の存在下に分子状酸素含有ガスで酸
化してベンゼンカルボン酸類を製造する工程から排出さ
れるコバルト・マンガン廃触媒の有効利用法、回収精製
法にっていは種々の提案がなされてきた。
その第1は使用済触媒を特に外部に固形物として取り出
すことなく溶液のまま酸化反応系に戻す方法(〜である
たとえば反応混合物からベンゼンカルボン酸類を分離し
た母液をそのまま反応系に戻す方法(A−1)、あるい
はこの母液から溶媒を回収して得られた蒸留残留物から
水または低級モノカルボン酸により触媒を抽出して反応
系に戻す方法(A−2、特公昭41−18577号およ
び米国特許第2964559号)などである。
しかしこの囚の方法では製造装置の腐食により混入した
反応阻害物質(主として鉄イオンおよびクロムイオン)
の除去は行なわれず、再循環によって反応系に蓄積され
、それにともなって酸化反応が大幅に阻害されるという
結果にいたる。
そのために再循環には限界があり、原理そのものはすぐ
れていながら、大きな実用的価値を獲得するにはいたっ
ていない。
第2の万法としては、酸化反応母液から溶媒を回収して
得られた使用済触媒含有蒸留残渣物質を種々の方法で押
出処理して、触媒を何らかの形の固形分(主として酢酸
塩、塩化物、ギ酸塩、炭酸塩、水酸化物、硫酸塩、その
他複塩)として析出させて回収するという方法(B)が
提案されている。
この場合、触媒成分を固形分として晶析させる際に不純
物を含まないような条件を選んで精製効果をもたせるこ
とが多い。
この(E9の方法としては、たとえば特公昭39−10
119号、特公昭40−4819号、特公昭4.3−1
8528号、特公昭44−24571号、特公昭45−
17786号、特公昭46−1. 4 3 3 9号、
特公昭47−1867号、特開昭47−1553号、特
開昭48−66089号、特開昭48−66090号、
特開昭48−66091号、米国特許第3557173
号などがあげられる。
しかしこの(B)の方法には種々の難点が存在する。
その1つは使用済触媒含有蒸留残渣物質が主として酸化
反応溶媒(たとえば酢酸)を多量に残留含有しているこ
とが多いために極めて悪臭を放ち、腐食性も大きく、し
かも可燃性物質としての性質を備えていることである。
そのためこの残渣の保管および移動が極めて困難であり
、抽出処理を行なう設備の立地条件が極端に制限され、
しかも設備そのものの保守管理に多大の経費を要する。
第2に蒸留残渣物質からの水および有機溶媒などによる
触媒成分の不均一系抽出操作は、抽出率が必ずしも高く
ならず(通常抽出率50〜80係)、そのために抽出残
渣中に重金属触媒が比較的多量にとり残される。
その結果、重金属公害の面からあたらめてこの抽出残渣
の処理が問題となる。
第3に特に蒸留残渣物質から触媒成分を水抽出する場合
、蒸留残渣物質中に共存した酸化反応溶媒(たとえば酢
酸)が多量に水相に溶出し、最終的に得られる排水中の
COD (化学的酸素要求量)値またはBOD (生
物化学的酸素要求量)値が極めて高くなり、公害防止の
見地からの排水処理が大きな問題となる。
この(B)の方法の欠点を改善する手法として使用済触
媒含有残渣物質をあらかじめ焼却処理して焼却灰にして
おいてから各種処理を行なうという方法(Qが提案され
ている(たとえば特開昭50−51 994号および米
国特許第3 3 4 1. 4 7 0号など)。
この(Qの方法における従来例の骨子は、焼却灰を還元
剤(塩酸、過酸化水素、グルコース、ヒドラジンなと)
共存下で硫酸処理することにより、コバルトおよびマン
ガンを最大限に溶出させる工程、ついで適当に中和処理
することによってpe+++を水酸化鉄として除去する
工程および最終的に得られた脱鉄液にアルカリ性炭酸塩
を添加してコバルトおよびマンガンをほぼ完全に混合炭
酸塩として回収する工程からなっている。
したがってこれらの公知例にはコバルトおよびマンガン
を(部分)分別しながら回収しようとする思想は全く含
まれていない。
また上記(0法に関する従来例で回収される炭酸コバル
ト/炭酸マンガン混合物は通常マンガン含有量/コバル
ト含有量−1〜4/1(重量比)のようにマンガン優性
の混合物であるためごく一部分をもとの触媒原料として
再利用できる(ここで回収されるコバルト・マンガン混
合物は通常純度がそれほど高くならないために、一般の
触媒用高純度グレードとしては採用できない)以外ほと
んど適当な再利用用途がみつからないのが現状であり、
折角の回収技術ももう一歩のところで有効活用が阻止さ
れている。
本発明者らは上記(Qの方法を改良して、コバルトおよ
びマンガンを原触媒組成よりもコバルト・マンガン比の
値が少しでも大きな状態(理想的にはコバルトおよびマ
ンガンの完全分別)にして回収する効果的方法について
鋭意検討した結果、触媒含有残渣物質の焼却灰を出発原
料とし、これを非還元性強酸性溶液で抽出して得たコバ
ルト・マンガン混合溶液を適当な酸化剤で処理してマン
ガン分を優先的に沈殿させることが極めて効果的である
ことを見い出し、この目的に合った酸化剤としては過マ
ンガン酸塩類、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩類および過硫
酸塩類が極めて効果的であることについてはすでに本発
明者らが提案してある(特願昭50−153471号)
これらの酸化剤はpH7.5以下の広いpH領域全面に
わたってその効果を発揮する。
本発明者らは、さらに鋭意検討を行なった結果、すでに
提案した酸化剤のほかに臭素酸および臭素酸塩類が非還
元性強酸性条件下での反応に限定した場合に同様の効果
を期待できることを見い出し本発明に到達した。
すなわち本発明炭素数2〜4の飽和脂肪族モノカルボン
酸溶媒中で、コバルト・マンガン系酸化触媒の存在下に
少なくとも1個のアルキル基で置換されたベンゼン誘導
体を分子状酸素または分子状酸素含有ガスで酸化するこ
とによりベンゼンジカルボン酸類を製造する工程から排
出される触媒含有残渣物質を処理するに際し、 (A) 上記触媒含有残渣物質を焼却することにより
、含有有機成分を燃焼せしめ、触媒成分が主として酸化
物に灰化してなる焼却灰を得る第1工程、(均囚の焼却
灰を必要に応じて水抽出処理することにより水溶性成分
を除去した後、非還元性強酸性溶液で処理して可溶性コ
バルト分および可溶性マンガン分を溶出させる第2工程
、 (Q (B)の溶出液に臭素酸および/または臭素酸
塩類を添加し、溶液中マンガンイオンを酸化して不溶性
にする第3工程、 (D) (Clの酸化処理液に中和剤を加えてpHを
2.5〜70の範囲に調節することにより、主として鉄
成分を水酸化鉄として沈殿せしめ、ついで沈殿を分離除
去して脱鉄・脱マンガン液を得る第4工程、 (ト)(至)の脱鉄・脱マンガン液から通常の凝集沈殿
法または還元析出法によってコバルト分を回収する第5
工程からなる工程を順次行なうことを特徴とするコバル
ト・マンガン系酸化触媒残渣からコバルトを分離回収す
る方法 を提供するものである。
本発明でいう炭素数2〜4の飽和脂肪族モノカルボン酸
とは、酢酸、プロピオン酸および酪酸であり、特に安価
という意味で酢酸が推奨される。
本発明における少なくとも1つのアルキル基で置換され
たベンゼン誘導体とはたとえばトルエン、0−キシレン
、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、シメ
ン、1,2,4−トリメチルベンゼンなどのアルキル置
換ベンゼン類であり、さらにトルイル酸、トルアルデヒ
ドのようにアルキル基のほかにカルボキシル基、アルデ
ヒド基ナどを含有するベンゼン誘導体も含まれる。
本発明のコバルト・マンガン系酸化触媒におけるコバル
ト触媒およびマンガン触媒は特にその構造と濃度に限定
を加える必要はないが、ベンゼンカルボン酸類を製造す
る工程から発生する触媒含有残渣物質中においては、通
常酢酸、プロピオン酸および/またぱ酪酸の酸塩として
存在することが多い。
本発明でいう触媒含有残渣物質とは主として次の2つの
工程から発生し、いずれも有機溶媒、有機系酸化物およ
び副生物、触媒成分およびその他の不純物金属類などを
含んでいる。
a 反応系から生成ベンゼンカルボン酸類を分離した際
に得られる反応母液から反応溶媒を蒸留除去する工程。
b 粗製ベンゼンカルボン酸類を洗浄溶媒などで処理す
る精製糸から精製ベンゼンカルボン酸類を分離した際に
得られる母液から洗浄剤、溶媒などを蒸留除去する工程
本発明の第1工程はこの種の触媒含有残渣物質を焼却す
るのであるが、この焼却方法には特に限定はなく、加熱
自己燃焼をさせてもよく、また灯油、重油などの補助燃
料を追加して燃焼させてもよい。
要は、残渣物質中の有機成分の大部分を焼却し触媒成分
の大部分を酸化物に変換せしめればよい。
焼却時の炎の温度は明確には測定し難いが、その焼却炉
内の温度は通常300〜1300℃に達する。
本発明の第2工程においては第1工程で得られた焼却灰
を非還元性強酸の水溶液で湿式処理して可溶性コバルト
分および可溶性マンガン分を溶出させる。
この際に用いられる非還元性強酸はたとえば硫酸、硝酸
、リン酸などであり、なかでも硫酸がコバルト抽出能力
が一番太きいという意味で量も推奨される。
塩酸、臭素酸などの還元性強酸は第3の酸化工程を阻害
するので用いることができない。
またこの件に関連して、特にベンゼンカルボン酸類の製
造工程においてコバルト・マンガン混合触媒に加えて助
触媒として臭素化合物を併用する場合に見られるように
本発明の第1工程で得られる焼却灰中に比較的多量の塩
化物、臭化物などの・・ロゲン系無機塩類が混入してい
る場合には第2工程に入る前に予備処理として・・ロゲ
ン系無機塩類の大部分を除去する工程が必要である。
この予備処理としては焼却灰を単純に水抽出処理するこ
とが効果的かつ経済的な点で推奨される。
この第2工程の湿式処理は50〜16o(好ましくは7
0〜150)℃の温度条件下で実施するのが最も効果的
である。
また湿式処理時間は0.5〜200(好ましくは1、O
〜30)時間の中から選定される。
この第2工程の使用される非還元性強酸の使用量はその
工程に仕込まtる焼却灰(またはその水抽出処理物)中
に含まれる金属酸化物の0.1〜100(好ましくは0
.5〜10)倍当量が適当である。
第2工程終了後の溶出液はそのまま、または不溶性スラ
リー成分を口過分離除去してから次の第3工程に移され
る。
本発明の第3工程は、非還元性強酸性条件下に臭素酸お
よび/または臭素酸塩類を添加して溶液中マンガンイオ
ンを優先的に酸化して不溶性沈殿として析出させる操作
を行なう。
この工程で用いられる臭素酸および/または臭素酸塩類
は、非還元性強酸性溶液中で臭素酸イオンを発生する性
質のものであり、たとえば臭素酸、臭素酸ナトリウム、
臭素酸カリウム、臭素酸リチウム、臭素酸アンモ=ウム
、臭素酸カルシウム、臭素酸バリウム、臭素酸アルミニ
ウムなどが利用できる。
これら酸化剤中で固形のものはそのまま添加してもよい
し、水溶液状で益加してもよい。
本発明で利用する酸化反応は典型的には次の式で進行す
ると推定される。
3Mn”+2Br03 +2H20−+3MnO2↓+
28rO”−+4H+ この反応は中性とか弱酸性領域では反応速度が極めて遅
くて実用的でなく、実質的に強酸性の条件下で行なう必
要がある。
またこの酸化処理過程には酸化反応を大幅に阻害するよ
うな量の塩酸、臭化水素酸などのハロゲン系強酸類およ
びグルコース、デンプン、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ア
ンモニウム、ギ酸、シュウ酸その他の還元性有機化合物
などの還元性物質の共存は好ましくない。
本発明で利用する臭素酸および/または臭素酸塩類は、
上記酸化還元反応式の当量関係において、コバルトイオ
ン・マンガンイオン混合溶液中に存在するマンガンイオ
ン(n)の0.5倍当量(好ましくは0.8倍当量)以
上用いるのが適当である。
また、この酸化反応工程は通常、常温〜200℃(好ま
しくは50〜100゜C)の温度条件下、反応時間0.
01〜100(好ましくは0.1〜10)時間で実施さ
れる。
第3工程(酸化処理工程)終了後の溶液はそのまま、ま
たは不溶性スラリー成分を口過分離除去してから次の第
4工程に移される。
本発明の第4工程は中和剤を利用して第3工程処理液中
の主として鉄(Fe)成分を水酸化第二鉄として沈殿除
去することを目的とするものであり、この工程での液中
コバルト成分の共沈損失は最小限にくいとめる必要があ
る。
そのため、この第4工程の中和処理の条件は、その系の
pHを目安として2.5〜7.0(好ましくは3.0〜
6.5)に設定される。
この中和処理に用いることのできる中和剤としては、カ
セイソーダ、カセイカリ、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、
炭酸カリ、重炭酸カリ、生石灰、消石灰、カーバイドス
ラリーなどがあげられる。
ただし中和剤として炭酸塩類を使用する場合は液中コバ
ルトイオンの析出を効果的に回避するために本第4工程
でのpH管理範囲を2.5〜6,O(好ましくは3.5
〜5.0)にすることが望ましい。
中和処理終了後、不溶性沈殿成分スラリーを口過分離除
去すると脱鉄・脱マンガン液が得られる。
次に第5工程では、この脱鉄・脱マンガン液に通常の凝
集沈殿法または還元析出法を適用してコバルト分を固形
分として回収する。
本発明の第5工程に適用される通常の凝集沈殿法は、液
中のコバルト二価イオンと反応して沈殿を生成させる性
質を有する陰イオンを添加する方法であり、その陰イオ
ンの種類により、たとえば水酸化物沈殿法、炭酸塩沈殿
法、硫化物沈殿法、シュウ酸塩沈殿法、ザンセート法な
どがあげられる。
この凝集沈殿法に利用される沈殿剤の具体例をあげると
、カセイソーダ、カセイカリ、炭酸ソダ、重炭酸ソーダ
、硫化水素、硫化ソーダ、水硫化ソーダ、硫化力1バ水
硫化カリ、シュウ酸、シュウ酸ソーダ、シュウ酸カリ、
エチルザンセート、プチルザンセート、イソアミルザン
セートなどである。
その添加量は液中コバルトニ価イオンと等当量を中心に
0.5〜10倍当量(好ましくは0.8〜3倍当量)が
適当である。
添加量が少なすぎるとコバルト沈殿回収率が低くなって
好ましくない。
またあまり多すぎると経済的に不利になるので好ましく
ない。
また本発明の第5工程に適用される通常の還元析出法に
は電解還元法、金属メタル添加法、薬液還元法などがあ
る。
電解還元法はいわゆる通常の方法であり、脱鉄・脱マン
ガン液中に陰極および陽極をさし込んで両極間に直流電
圧をかげると陰極表面にコバルトメタルが析出してくる
また金属メタル添加法は脱鉄・脱マンガン液中にコバル
トよりイオン化傾向の大きい金属のメタル(M)を添加
することにより、イオン/メタル交換反応Coメタルを
析出させる方法である。
ここで得られるコバルトは通常メタルとして析出後ただ
ちに加水分解反応または空気酸化反応を受けるので最終
的に回収されるコバルトは水酸化コバルトまたは酸化コ
バルトの形になっている。
この金属メタル添加法で利用される金属メタルは、コバ
ルトよりもイオン化傾向の大きい金属であり、その代表
的なものはCe ,Mg,Th,AI ,Ti,Zr,
Mn,Zn,Crなとである。
また薬液還元法としては通常の無電解化学メッキの手法
を応用することができる。
本発明の第1工程で得られる焼却灰中に不純物としての
銅成分が目立って混入する場合は本発明の第2〜第4工
程の適当な段階に銅成分含量に対応する硫化剤(硫化水
素、硫化ソーダ、水硫化ソーダ、硫化カリ、水硫化カリ
など)を添加することにより、銅成分を硫化物としてコ
バルトよりも優先して析出除去することができる。
本発明で最終的に回収されるコバルトは顔料や合金用原
料として有効に活用でき、またベンゼンカルボン酸類製
造用の触媒として再利用することも可能である。
以下実施例にしたがって本発明をさらに詳述する。
なお本実施例中の比、係および部の値はいずれも重量比
、重量%および重量部を示す。
また各種重金属成分はすべて原子吸光分析法を用いて分
析を行なった。
実施例 1 チタン製反応器に酢酸、酢酸コバルト、酢酸マンガン、
臭化ソーダおよびp−キシレンを仕込み、空気空塔速度
1 0 0aン′s e c、系内圧力2 0 kg/
,,”(ゲージ圧)、反応温度140℃の条件下で空気
酸化反応を行ない、反応混合物から生成テレフタル酸を
口過分離した母液を得、この母液から酢酸を蒸留回収し
て触媒成分を含有する蒸留残渣物質を得た。
上記で得られた蒸留残渣物質を通常の静置式単純焼却炉
で焼却して第1表に示すような組成の燃えがら(焼却灰
)を得た。
第 1 表 臭素(Br) 23.1係 Co 8.O Mn 18.5 Fe 5。
2Ni O.15 Na 16.0 次にこの燃えがら1000部に対して水5000部を添
加して常温で高速攬拌1時間後、口過、水洗、乾燥して
第2表に示すような金属組成の水抽出不溶分570部を
得た。
第 2 表 Co 14.0係 Mn 32.4 Fe 9.I Ni O.26 Na 2.5 続いてこの水抽出不溶分乾燥品100g、純水500g
および濃硫酸280gを攬拌器およびコンデンサーを備
えた丸底フラスコに仕込んで100℃で15時間攬拌し
て溶出操作を行なった。
得られた溶出液中のイオン化した溶出重金属量を測定し
たところC o 1− 3.3 g, Mn 1 5.
1 gXFe8.9gXNi0.23gであった。
この段階でのCo溶出率が95係に対してMn溶出率が
46.5%と低く、CO,Mnの部分分別効果が認めら
れた。
次に臭素酸カリウム36.8gを添加し、攬拌しながら
さらに100℃で1時間反応させたところ多量の小溶性
マンガン沈殿が発生し液中の重金属イオン量はC o
1 2.O g, M n 0.0 2 gXFe8.
1gXNi0.20gに変化した。
次に酸化処理液を不溶分を含んだスラリーのまま円筒型
ホウロウ容器に出し、攬拌しながら20%カセイソーダ
水溶液を添加して中和反応を行ない液中のpH値を5.
5まで上昇させ、主として鉄分を水酸化鉄として沈殿さ
せる操作を行なった。
続いて得られたスラリー状懸濁液を吸引口過器でロ過し
、得られた脱水ケークはさらに純水で洗浄し、口液と洗
浄液をあわせて脱鉄・脱マンガン液が1.5t得られた
次に上記脱鉄・脱マンガン液の一部100m/!,をビ
ーカーに入れ、マグネチツクスターラーで攬拌しながら
4Nカセイソーダ水溶液を添加してpHを11まで上昇
させたところ多量の青録色の水酸化コバルト沈殿が発生
した。
続いて吸引口過/純水洗浄を3回繰り返えした後、乾燥
して水酸化コバルト粉末を1.24g得た。
この水酸化コバルト粉末中の重金属含量ぱCo58.6
係Mn0.08係、Fe0.03%、Ni0.95%で
あり、特にコバルト・マンガンの分別がほぼ完全に達成
された不純物の少ないコバルト分が全収率78係で回収
された。
比較参考例 1 強酸溶出工程における濃硫酸280gのかわりに濃塩酸
140gおよび濃硫酸140gを用いる以外はすべて実
施例1と同様の操作を行なったところ臭素酸カリウムに
よるCO・Mn分分別効果が全く観察されず、コバルト
分を分別回収することはできなかった。
このように強酸溶出工程に濃塩酸のような還元性強酸を
用いることは本発明の実施にあたって全く不適当であっ
た。
比較参考例 2 臭素酸カリウム添加による酸化工程を行なわない以外す
べて実施例1と同様の操作を行なって最終的に得られた
水酸化コバルト粉末中のCO,/Mn比が1/1.1
であり、コバルト分の分離回収という目的のためには
極めて不満足なものであった。
実施例 2 実施例1で得られた脱鉄・脱マンガン液の一部100m
,5をビーカーに入れ、マグネチツクスターラーで攬拌
しながら10係炭酸ソーダ水溶液を添加してpHを10
まで上昇させたところ多量の塩基性炭酸コバルトの沈殿
が発生した。
続いて吸引口過/純水洗浄を3回繰り返えした後、乾燥
して塩基性炭酸コバルト粉末を1.31g得た。
この塩基性炭酸コバルト粉末中の重金属含量はCo54
.1%、Mn0.07%、Fe0.03%、Ni0.9
0%であり、特にコバルト・マンガンの分別がほぼ完全
に達成された不純物の少ないコバルト分が全収率76係
で回収された。
実施例 3 実施例1で得られた脱鉄・脱マンガン液の一部100m
7をビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攬拌し
ながらシュウ酸三水和物3.0gを添加して1時間反応
させたところ多量のシュウ酸コバルト沈殿が発生した。
続いて吸引口過/純水洗浄を3回繰り返えした後、乾燥
してシュウ酸コバルト粉末を2.12g得た。
このシュウ酸コバルト粉末中の重金属含量はCo31.
5%、M n 0.0 4係、FeO.01%、NiO
.44%であり、特にコバルト・マンガンの分別がほぼ
完全に達成された不純物の少ないコバルト分が全収率7
1.5%で回収された。
実施例 4 強酸溶出工程における濃硫酸2.80gのかわりに濃硝
酸300gを用いる以外すべて実施例1と同様の操作を
行なって最終的に得られた水酸化コバルト粉末の収量ぱ
脱鉄・脱マンガン液100mlあたり0.88g(コバ
ルト収率55%)と多少少なかったカ瓢その重金属含量
ぱCo59.2%、Mn0.05%、Fe0.03%、
NiO.97%であり、コバルト・マンガン分別回収効
果は満足すべきものであった。
比較参考例 3 実施例1における臭素酸カリウムのかわりに等モル量の
塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウムおよびヨウ素酸
カリウムを用いたところいずれもco−Mn分別効果は
ほとんど観察されなかった。
実施例 5 臭素酸カリウム添加量を36.8gのかわシに18.4
gにする以外すべて実施例1と同様の操作を行なって最
終的に水酸性コバルトを回収したところ、その中の重金
属組成ぱCo/Mn/Fe/Ni=100/45/0.
05/1.6であり、臭素酸カリウムの添加量に応じた
co−Mn部分分別が行なわれたことが判明した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素数2〜4の飽和脂肪族モノカルボン酸溶媒中で
    、コバルト・マンガン系酸化触媒の存在下に、少なくと
    も1個の分子状酸素または分子状酸素含有ガスで酸化す
    ることによりベンゼンジカルボンザン類を製造する工程
    から排出される触媒含有残査物質を処理するに際し、 (4)上記触媒含有残査物質を焼却することによう、含
    有有機成分を燃焼せしめ、触媒成分が主として酸化物に
    灰化してなる焼却灰を得る第1工程、(B) (A)
    の焼却灰を必要に応じて水抽出処理することにより水溶
    性成分を除去した後、非還元性強酸性溶液で処理して可
    溶性コバルト分および可溶性マンガン分を溶出させる第
    2工程、 (C) (B)の溶出液に臭素酸および/または臭素
    酸塩類を添加し、溶液中のマンガンイオンを酸化して不
    溶性にする第3工程、 0 (0の酸化処理液に中和剤を加えてpHを2.5〜
    7.0の範囲に調節することにより、主として鉄成分を
    水酸化鉄として沈澱せしめ、ついで沈澱を分離除去して
    脱鉄・脱マンガン液を得る第4工程および (Q ■の脱鉄・脱マンガン液から通常の凝集沈澱法ま
    たは還元析出法によってコバルト分を回収する第5工程 からなる工程を順次行なうことを特徴とするコバルト・
    マンガン系酸化触媒残査からコバルトを分離回収する方
    法。
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