JP6187120B2 - アリールアミン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Pd含有量及びP含有量が各々0.1〜100ppmであるアリールアミン化合物の製造方法に関する。
有機ELディスプレイ等にはアリールアミン化合物等が用いられている。当該アリールアミン化合物については、パラジウム化合物及びリン化合物を含む反応触媒を用いて効率よく製造されることが一般的に知られている。このような製造方法によって製造されたアリールアミン化合物は、通常100ppmを超えるパラジウム又はリンを含むものであった。有機ELディスプレイ用の材料中に反応触媒由来のパラジウム(以下、「Pd」とも称する)やリン(以下、「P」とも称する)が多量に残存すると、有機ELディスプレイの発光開始電圧の上昇、発光効率の低下、安定性の低下などの問題が生じやすくなることが知られており、Pd及びPを効率的に除去する方法が検討されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、前記の方法では、前記材料を酸化剤で処理する工程が必須であり、過酸化水素やOXONE(過硫酸水素などからなる過硫酸水素試剤)といった酸化剤を使用する必要がある。そのため、当該方法では、アリールアミン化合物が酸化されてアミンオキシド化合物が生成する。電子材料の分野においては、微量の不純物が悪影響を与えることが知られているため、アミンオキシドのような酸化物が生成しない処理法方が求められていた。また、設備の腐食、作業リスク等の点においても、酸化剤を用いない方法が望まれていた。
国際公開 WO2004/108800号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸化剤を用いることなく、Pd含有量及びP含有量が低減された、具体的には各々0.1〜100ppmである、アリールアミン化合物を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、100ppmを超えるPd又は100ppmを超えるPを含有するアリールアミン化合物と無機吸着剤と炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物を混合し、次いでアリールアミン化合物を分離することにより、Pd含有量及びP含有量が各々0.1〜100ppmであるアリールアミン化合物が得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
本発明によれば、酸化剤を用いることなく、Pd含有量及びP含有量が各々0.1〜100ppmであるアリールアミン化合物を製造することができる。従って、アミンオキシド化合物を生成させることなく、安全かつ簡便に、Pd含有量及びP含有量が各々0.1〜100ppmであるアリールアミン化合物を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、Pd含有量及びP含有量が各々0.1〜100ppmであるアリールアミン化合物の製造方法に関するものであり、100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物と無機吸着剤と炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物を混合し、次いで当該アリールアミン化合物を分離することを特徴とする。
本発明におけるアリールアミン化合物は、一般公知のものであれば特に限定されるものではない。このうち、本製造方法への適応性に優れる点で、本発明のアリールアミン化合物はアリールアミンポリマーが好ましい。
前記アリールアミンポリマーは、一般公知の物であれば、特に限定されるものではないが、アリーレン基又はヘテロアリーレン基とアミノ基が交互に結合したものを意味し、当該アミノ基はジアリールアミノ基又はトリアリールアミノ基を表わす。
前記アリールアミンポリマーは、本製造方法への適応効果が高い点で、下記一般式で表されるものが好ましい。
Figure 0006187120
(式中、Arは、各々独立して、置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基を表わす。Arは、各々独立して、置換基を有してもよいアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表わす。nは2以上の整数を表す。)
Arで表される置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基は、特に限定するものではないが、本製造方法への適応効果が高い点で、置換基を有してもよい炭素数6〜24のアリール基又は置換基を有してもよい炭素数3〜24のアリール基であることが好ましい。当該置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、n−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、フルオロフェニル基、シアノフェニル基、ジフェニリル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、6−フェニルヘキシルフェニル基ピリジル基、メチルピリジル基、フェニルピリジル基、カルバゾリル基、チエニル基、ビチエニル基、フリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基等が挙げられる。
Arで表される置換基を有してもよいアリーレン基又はヘテロアリーレン基としては、特に限定するものではないが、本製造方法への適応効果が高い点で、置換基を有してもよい炭素数6〜24のアリーレン基又は置換基を有してもよい炭素数3〜24のヘテロアリーレン基が好ましい。当該置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、メトキシベンゼンジイル基、n−ブチルベンゼンジイル基、トリフルオロメチルベンゼンジイル基、フルオロベンゼンジイル基、シアノベンゼンジイル基、ジフェニルジイル基、ターフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、ピリジンジイル基、メチルピリジンジイル基、フェニルピリジンジイル基、カルバゾールジイル基、チオフェンジイル基、フランジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、フェニレンピリジンジイル基等が挙げられる。
本発明において、Pd含有量及びP含有量は、それぞれ、本発明のアリールアミン化合物中のPd含有量及びP含有量を表す。当該原子の含有量は、特に限定するものではないが、ICP(誘導結合プラズマ)分析法により定量することができる。
本発明において、100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物は、本製造方法への適応効果が高い点で、少なくともパラジウム化合物とリン化合物を含有する反応触媒を用いて製造され、100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物であることが好ましい。
本発明におけるパラジウム及びリンは、本願のアリールアミン化合物の合成反応に用いられる前記反応触媒に由来するものである。
当該反応触媒に用いられるパラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセテート等の2価パラジウム化合物、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、パラジウム−カーボン等の0価パラジウム化合物を挙げることができる。
前記反応触媒に用いられるリン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、アルキルホスフィン類やアリールホスフィン類、またその酸化物が挙げられる。アルキルホスフィン類としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等が挙げられる。アリールホスフィン類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、トリメシチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノフェロセン等が挙げられる。
本発明に用いられる無機吸着剤としては、一般公知の物であれば特に限定するものではなく、例えば、アルミナ、炭素、シリカゲル、ゼオライト、ジルコニア、マグネシア、チタニア等が挙げられる。
これらのうち、本製造方法への適応効果が高い点で、シリカゲルが好ましい。当該シリカゲルは、多孔質であっても無孔質であってもよい、A型であってもB型であってもよい、中低圧クロマトグラフィー用やHPLC用であってもよい。このうち、本製造方法への適応効果が高い点で、中低圧クロマトグラフィー用シリカゲルが好ましい。
本発明における炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物は、一般公知の物であれば特に限定するものではないが、本製造方法への適応効果が高い点で、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ベンズイミダゾリル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、又はフェナントロリニル基を有する炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物が好ましい。
炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物(又は、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ベンズイミダゾリル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、又はフェナントロリニル基を有する炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物)としては、特に限定するものでないが例えば、ピロール、3−メチルピロール、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2,2’−ビピリジル、4,4’−ビピリジル、ピリミジン、2−メチルピリミジン、4−メチルピリミジン、2−フェニルピリミジン、4−フェニルピリミジン、2,2’−ビピリミジン、4,4’−ビピリミジン、ベンズイミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、インドール、2−メチルインドール、キノリン、6−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、イソキノリン、2−フェニルキノリン、イソキノリン、1−メチルイソキノリン、6−メチルイソキノリン、8−メチルイソキノリン、1−フェニルイソキノリン、2,2’,6’,2’’−ターピリジル等が挙げられる。これらのうち、本製造方法への適応効果が高い点で、ピロール、ピリジン、2,2’−ビピリジル、又は2,2’,6’,2’’−ターピリジルが特に好ましい。なお、本発明においては、炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物について、ある一つの化合物を単独で用いることもできるし、二つ以上の化合物を混合して用いることもできる。
本発明におけるアリールアミン化合物としては、特に限定するものではないが、アリールアミン類等を挙げることができ、1級、2級または3級のいずれであってもよい。このうち、本製造方法への適応効果が高い点で、分子量または重量平均分子量が500〜1,000,000の範囲のアミン化合物がより好ましい。
100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物と無機吸着剤と炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物を混合するときは、有機溶媒の存在下に行ってもよい。当該有機溶媒としては、一般公知の物であれば特に限定するものではないが、例えば、脂肪族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、特に限定されないが、具体例として、クロロホルム、ジクロロメタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
溶媒は、本発明のアリールアミン化合物及び炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物の溶解性に基づいて選択することが好ましい。このうち、本発明のアリールアミン化合物を良く溶かす溶媒を選択することが好ましい。これらの溶媒は、2種類以上の溶媒を任意の比率で混合して用いても良いが、後処理や再利用の点から、単独で用いることが好ましい。
本発明のアリールアミン化合物中には、パラジウム及びリンの他に、アリールアミン化合物の合成反応に用いた溶媒、金属、塩基等のその他の化合物が含まれていてもよい。
本発明のアリールアミン化合物が、少なくともパラジウム化合物とリン化合物を含有する反応触媒を用いた有機合成反応の一つであるブッフバルト−ハートウィッグ反応(以下「C−N結合反応」という)の反応液である場合、反応後の反応液を本発明の製造方法にそのまま用いることもできるし、反応液に抽出、濾過、蒸留等の後処理を施したものを用いることもできる。また、C−N結合反応に用いた溶媒若しくはその他の溶媒を用いて希釈又は濃縮したものを用いてもよい。
C−N結合反応において、用いられるパラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、上述したものと同じものを例示することができる。
C−N結合反応において、用いられるリン系配位子としては、特に限定するものではないが、例えば、上述したものと同じものを例示することができる。
本発明に用いるアリールアミン化合物としては、特に限定するものではないが、0.2〜40重量%の濃度の溶液であることが好ましく、溶液粘度および処理効率の点から、0.5〜10重量%の濃度の溶液であることがより好ましい。
100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物と無機吸着剤と炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物を混合する方法としては、特に限定するものではないが、各物質を容器中で混合し所定の時間撹拌して接触させる方法、カラムクロマトグラフィー法、固定床クロマトグラフィー法、移動床クロマトグラフィー法、及び疑似移動床クロマトグラフィー法等が挙げられる。
炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物の使用量としては、特に限定するものではないが、アリールアミン化合物に対して、1〜200重量倍、好ましくは2〜100重量倍である。1重量倍以上とすることにより、高いパラジウム及び/又はリン除去効率が得られ、また、200重量倍以下とすることが、経済的に好ましい。
100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物と無機吸着剤と炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物を混合させる温度は、特に限定するものではないが、通常−10〜170℃、好ましくは、0〜150℃である。
100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物と無機吸着剤と炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物を混合させる時間は、特に限定するものではないが、0.1〜5時間、好ましくは、0.5〜2時間である。
また、100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物と無機吸着剤と炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物の混合物から、アリールアミン化合物を分離する方法については、当業者公知の方法を用いることができる。
例えば、前記混合物から無機吸着剤を分離する方法としては、特に限定するものではないが、ろ紙、メンブレンフィルター、又はグラスフィルターなどを用いてろ過する方法が挙げられる。
また、前記混合物から炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物を分離する方法としては、特に限定するものではないが、蒸留、濃縮乾固、再沈殿、再結晶等が挙げられる。これらのうち、本製造方法への適応効果が高い点で、再沈殿が好ましい。
再沈殿に用いる溶媒としては、上記の炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物が溶解するものであれば特に限定するものではないが、例えば脂肪族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、非プロトン性溶媒が挙げられる。また、アリールアミン化合物中の残留溶媒を完全に除去することが求められることがあるため、使用する溶媒は低沸点のものが好ましい。更にアリールアミン化合物の回収率および溶媒の入手容易性、経済性を加味すると、アルコール系溶媒であれば、メタノール、エタノール、エステル系溶媒であれば酢酸エチル、ケトン系溶媒であればアセトンが特に好ましい。
本製造方法を用いれば、アリールアミン化合物からパラジウム又はリンを効率よく取り除くことができる。したがって、本発明は、アリールアミン化合物中のパラジウム又はリンの除去方法として有用である。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。
調製例1 アリールアミンポリマー(2)の合成
冷却管、温度計を装着した300mL四つ口丸底フラスコに、室温下、4,4’−ジヨードビフェニル 8.12g(20.0mmol)、4−n−ブチルアニリン 3.04g(20.4mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 7.69g(80.0mmol;ヨウ素原子に対して2倍モル)およびo−キシレン 80mLを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム 92.0mg(0.10mmol;ヨウ素原子に対して0.25mol%)およびトリ−tert−ブチルホスフィン 161.8mg(0.80mmol;パラジウム原子に対して4倍モル)のo−キシレン(10mL)溶液を添加した。その後、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
この後、4−n−ブチルアニリン 0.60g(4.00mmol)を添加し、更に3時間反応を行った。次いで、ブロモベンゼン 2.52g(16.0mmol)を添加し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
反応終了後、この反応混合物を約80℃まで冷却した後、90%アセトン水溶液(2000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、真空下、100℃で6時間の減圧乾燥をして、淡黄色粉体Aを5.71g得た。
得られた淡黄色粉体A 5.71gをクロロベンゼン 285.5gに溶解し、2.0重量パーセントのクロロベンゼン溶液を調製し、セライト545 57gを敷いたグラスフィルターを通してろ過した。得られたクロロベンゼン溶液を4.0重量パーセントまで減圧濃縮し、アセトン(2000mL)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、減圧乾燥して、淡黄色粉体Bを5.14g得た。(トータル収率86%)。
得られた淡黄色粉体Bを核磁気共鳴分析装置(バリアン社製 Gemini200)および元素分析により測定したところ、下記一般式(2)で表されるアリールアミンポリマーであることが確認された。元素分析の結果を表1に示した。
また、アリールアミンポリマーをGPC(装置:HLC−8220GPC;カラム:TSKgel SuperH3000−TSKgel SuperH2000−TSKgelSuperH1000(いずれも東ソー製)にて分析(移動相:THF)した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量35,900および数平均分子量21,000(分散度1.7)であった。
また、アリールアミンポリマーを硫酸と硝酸とで湿式分解し、ICP−AES(ICP発光分光分析装置、パーキンエルマー社製、Optima5300DV)にてPd含有量を定量したところ、アリールアミンポリマーの重量に対して、パラジウムが200ppm、リンが105ppm含まれていた。
Figure 0006187120
Figure 0006187120
得られた式(2)で表されるアリールアミンポリマー 4.00gをトルエン 396gに溶解させ、1.0重量%の溶液を調製した。これを溶液Aとする。
実施例1
50mLの丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下、溶液A 25.0g(アリールアミンポリマー含量 0.25g)と2,2’−ビピリジル 0.25g(アリールアミンポリマーに対して1.0重量倍)仕込み、100℃、窒素雰囲気下、φ4×10mmの回転子で2時間撹拌した。混合液を室温まで冷却し、シリカゲル(和光純薬工業社製、ワコーゲル(登録商標) C−100) 25g(アリールアミンポリマーに対して、100重量倍)を充填したカラムクロマトグラフィーに通液し、得られたろ液を、攪拌しながらアセトン(200mL)中にゆっくり加えたところ、微細な結晶が析出した。ろ紙を用いたろ過により結晶を単離し、減圧乾燥して、淡黄色粉体のアリールアミンポリマー 0.23gを得た(回収率92%)。調整例1と同様の操作により、パラジウム含有量およびリン含有量を定量した。結果を表2に示した。
実施例2
実施例1の2,2’−ビピリジルを4,4’−ビピリジルに変更した以外は実施例1と同様にしてアリールアミンポリマーを取得した(回収率88%)。調整例1と同様の操作により、パラジウム含有量およびリン含有量を定量した。結果を表2に示した。
実施例3
実施例1の2,2’−ビピリジルを2,2’,6’,2’’−ターピリジルに変更した以外は実施例1と同様にしてアリールアミンポリマーを取得した(回収率92%)。調整例1と同様の操作により、パラジウム含有量およびリン含有量を定量した。結果を表2に示した。
実施例4
100mLの丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下、溶液A 25.0g(アリールアミンポリマー含量 0.25g)とピリジン 25.0g(アリールアミンポリマーに対して100重量倍)仕込み、100℃、窒素雰囲気下、φ4×10mmの回転子で2時間撹拌した。混合液を室温まで冷却し、エバポレーターで濃縮乾固させた。残渣にトルエン 25.0gを加えて再溶解させ、このトルエン溶液をシリカゲル(和光純薬工業社製、ワコーゲル(登録商標) C−100) 25g(アリールアミンポリマーに対して、100重量倍)を充填したカラムクロマトグラフィーに通液し、得られたろ液を、攪拌しながらアセトン(200mL)中にゆっくり加えたところ、微細な結晶が析出した。ろ紙を用いたろ過により結晶を単離し、減圧乾燥して、淡黄色粉体のアリールアミンポリマー 0.21gを得た(回収率84%)。調整例1と同様の操作により、パラジウム含有量およびリン含有量を定量した。結果を表2に示した。
比較例1
実施例1の2,2’−ビピリジルの仕込み(溶液Aとの混合)を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様にしてアリールアミンポリマーを取得した(回収率92%)。調整例1と同様の操作により、パラジウム含有量およびリン含有量を定量した。結果を表2に示した。
Figure 0006187120
調製例2 アリールアミンポリマー(3)の合成
調製例1の4,4’−ジヨードビフェニルを4,4’’−ジヨードターフェニルに変更した以外は、実施例1と同様にしてアリールアミンポリマーの淡黄色粉体Cを6.38g取得した(トータル収率85%)。ポリスチレン換算で重量平均分子量40,500および数平均分子量25,300(分散度1.6)であった。得られた淡黄色粉体Cを核磁気共鳴分析装置により測定したところ、下記式(3)で表されるアリールアミンポリマーであることが確認された。
また、調整例1と同様の操作により、パラジウム含有量およびリン含有量を定量した。結果を表3に示した。
Figure 0006187120
淡黄色粉体C 0.25gをトルエン 24.75gに溶解させ、1.0重量%の溶液を調製した。これを溶液Bとする。
調製例3 アリールアミンポリマー(4)の合成
調整例1の4,4’−ジヨードビフェニルを2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレンに変更した以外は、実施例1と同様にしてアリールアミンポリマーの淡黄色粉体Eを7.50g取得した(トータル収率70%)。ポリスチレン換算で重量平均分子量28,700および数平均分子量15,900(分散度1.8)であった。得られた淡黄色粉体Dを核磁気共鳴分析装置により測定したところ、下記式(4)で表されるアリールアミンポリマーであることが確認された。
また、調整例1と同様の操作により、パラジウム含有量およびリン含有量を定量した。結果を表3に示した。
Figure 0006187120
淡黄色粉体D 0.25gをトルエン 24.75gに溶解させ、1.0重量%の溶液を調製した。これを溶液Cとする。
実施例5
実施例1において、溶液Aを溶液Bに変更した以外は実施例1と同様にしてアリールアミンポリマーを取得した(回収率88%)。調整例1と同様の操作により、パラジウム含有量およびリン含有量を定量した。結果を表3に示した。
実施例6
実施例3において、溶液Aを溶液Cに変更した以外は実施例1と同様にしてアリールアミンポリマーを取得した(回収率92%)。調整例1と同様の操作により、パラジウム含有量およびリン含有量を定量した。結果を表3に示した。
Figure 0006187120
いずれのアリールアミンポリマーにおいてもPdを80%以上、Pを50%以上の除去率で除去し、Pd含有量及びP含有量が各々0.1〜100ppmであるアリールアミン化合物を製造することができた。
本発明の製造方法によって製造されるアリールアミン化合物は、特に電子材料用途(有機EL素子の正孔輸送材料や発光材料等)に適用することが可能である。
本発明の製造方法によって製造されたアリールアミン化合物は、アリールアミン化合物の重量に対するパラジウム化合物含有量及び/又はリン化合物含有量が顕著に低い為、有機EL素子性能に与える悪影響を低く抑えることができる。

Claims (7)

  1. 100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物と無機吸着剤と炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物を混合し、次いで得られた混合物からアリールアミン化合物を分離することを特徴とする、パラジウム含有量及びリン含有量が各々0.1〜100ppmであるアリールアミン化合物の製造方法。
  2. 100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物が、少なくともパラジウム化合物とリン化合物を含有する反応触媒を用いて製造され、且つ100ppmを超えるパラジウム又は100ppmを超えるリンを含有するアリールアミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 製造されるアリールアミン化合物が、パラジウム含有量及びリン含有量が各々1〜50ppmであるアリールアミン化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物が、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ベンズイミダゾリル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、又はフェナントロリニル基を有する炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 炭素数3〜15の含窒素複素芳香族化合物が、ピロール、ピリジン、2,2’−ビピリジル、又は2,2’,6’,2’’−ターピリジルであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. アリールアミン化合物が一般式(1)
    Figure 0006187120
    (式中、Arは、各々独立して、置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基を表わす。Arは、各々独立して、置換基を有してもよいアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表わす。nは2以上の整数を表す。)
    で表されるアリールアミンポリマーであることと特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 無機吸着剤がシリカゲルであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法。
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