JP2015199683A - トリアジン化合物の製造方法 - Google Patents

トリアジン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度のトリアジン化合物を効率良く製造する工業的製造方法の提供。【解決手段】遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、式(3)で表されるトリアジン化合物と、特定のボロン酸化合物を反応させて、式(1)で表されるトリアジン化合物を得る製造法。Ar1はアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総C6〜40の芳香族炭化水素基;Ar2はアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総C3〜40のヘテロ芳香族基;Ar3は同一置換基でC1〜40の置換基【選択図】なし

Description

本発明は、トリアジン化合物の製造法に関する。より詳細には芳香族炭化水素置換基とヘテロ芳香族置換基の両方を有する非対称トリアジン化合物をより効率良くかつ高い純度で製造し得る方法に関する。
芳香族炭化水素置換基とヘテロ芳香族置換基の両方を有する非対称トリアジン化合物(以下、「非対称トリアジン化合物」という)(例えば、特許文献1参照)は、電子材料としてその用途の拡大が広く期待されている。しかし、具体的に開示された製造法は、工業的に満足のいくものでなく、極めて高純度の目的化合物を高効率的に且つ大量に合成する目的に適した製造方法の開発が強く望まれていた。
特開2011−063584公報
特許文献1に記載された製造方法では、反応選択率が十分高くないために、目的とする非対称トリアジン化合物の中に、不純物として対称トリアジン化合物(2つのヘテロ芳香族置換基を有する、又はヘテロ芳香族置換基を有さないトリアジン化合物)が併せて0.1%を超える量で含まれるものであった。このような対称トリアジン化合物は、目的とする非対称トリアジン化合物との昇華点差が非常に近いために、昇華精製のみで非対称トリアジン化合物を高純度化することが困難であった。
この場合、昇華精製に先立って対称トリアジン化合物と非対称トリアジン化合物を分離しなければならず、煩雑なカラムクロマトグラフィーによる精製操作が必須なるという課題があった。特に工業規模の生産において、カラムクロマトグラフィーによる精製は極めて非効率的であるため、改善が求められるものであった。
また、このような二段階の精製(カラムクロマトグラフィー精製及び昇華精製)操作の結果得られた非対称トリアジン化合物についても、その純度は満足のいくものではなく、さらなる改良が求められた。
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、極めて高純度の非対称トリアジン化合物を効率良く製造する製造方法を提供することにある。
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の製造方法によって目的とする非対称トリアジン化合物の高純度品を効率良く製造できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、下記の通りの一般式(1)で表されるトリアジン化合物の製造方法に関する。
遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、一般式(3)
Figure 2015199683
(式中、Arは、同一の置換基を表し、炭素数1〜40の置換基を表す。)
で表されるトリアジン化合物と、一般式(4)
Figure 2015199683
(式中、Arは、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数6〜40の芳香族炭化水素基を表す。また、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、2つのRは連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環を形成してもよい。)
で表されるボロン酸化合物を反応させて一般式(2)
Figure 2015199683
(式中、Ar及びArは前記と同じ。)
で表されるトリアジン化合物を得る工程A、並びに遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、工程Aで得られた一般式(2)で表されるトリアジン化合物と一般式(5)
Figure 2015199683
(式中、Arは、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40のヘテロ芳香族基を表す。また、Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、2つのRは、連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環を形成しても良い。)
で表されるボロン酸化合物を反応させて、一般式(1)
Figure 2015199683
(式中、Ar、Ar、及びArは前記と同じ。)
で表されるトリアジン化合物を得る工程Bを含むことを特徴とする、一般式(1)で表されるトリアジン化合物の製造法。
本発明のトリアジン化合物の製造方法は、従来公知の製造方法に比べて、対称トリアジン化合物の生成量が極めて少ない。このため、非対称トリアジン化合物のクロマトグラフィーによる精製操作が不要となり、昇華精製のみの一段階精製のみで市場要求を満たす高純度化合物を取得することができる。すなわち、工業的に非常に有利な発明である。
また、従来公知の方法に比べて目的とする非対称トリアジン化合物を極めて高純度に製造することができるため、製造効率が顕著に向上させることができ、工業的に非常に有利な発明である。
以下、本発明について具体的に説明する。
上記一般式(1)、(2)及び(4)において、Arはアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数6〜40の芳香族炭化水素基を表す。
当該アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数6〜40の芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、ビフェニリル基、4−メチルビフェニル−4−イル基、4−エチルビフェニル−4−イル基、4−n−ブチルビフェニル−4−イル基、4−n−オクチルビフェニル−4−イル基、4−メトキシビフェニル−4−イル基、4−エトキシビフェニル−4−イル基、4−n−ブトキシビフェニル−4−イル基、4−n−オクチルオキシビフェニル−4−イル基、ナフチル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、4−エチルナフタレン−1−イル基、4−n−ブチルナフタレン−1−イル基、4−n−オクチルナフタレン−1−イル基、4−メトキシナフタレン−1−イル基、4−メトキシナフタレン−1−イル基、4−n−ブトキシナフタレン−1−イル基、4−n−オクチルオキシナフタレン−1−イル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、又はピレニル基等が挙げられる。
Arとしては、高純度の非対称トリアジン化合物が製造できる点で、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数10〜40の連結又は縮環芳香族炭化水素基であることが好ましく、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基ピレニル基、ビフェニリル基、又はターフェニリル基(これらの置換基は、各々独立して、メチル基又はメトキシ基を有していてもよい)がより好ましい。
なお、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数10〜40の縮環芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、ナフチル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、4−エチルナフタレン−1−イル基、4−n−ブチルナフタレン−1−イル基、4−n−オクチルナフタレン−1−イル基、4−メトキシナフタレン−1−イル基、4−トキシナフタレン−1−イル基、4−n−ブトキシナフタレン−1−イル基、4−n−オクチルオキシナフタレン−1−イル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、又はピレニル基等が挙げられる。
上記一般式(1)及び(5)において、Arはアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40のヘテロ芳香族基を表す。
当該アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40のヘテロ芳香族基としては、特に限定するものではないが、ピリジル基、6−メチルピリジン−2−イル基、5−メチルピリジン−2−イル基、4−メチルピリジン−2−イル基、6−メチルピリジン−3−イル基、5−メチルピリジン−3−イル基、4−メチルピリジン−3−イル基、3−メチルピリジン−4−イル基、2−メチルピリジン−4−イル基、6−メトキシピリジン−2−イル基、5−メトキシピリジン−2−イル基、4−メトキシピリジン−2−イル基、6−メトキシピリジン−3−イル基、5−メトキシピリジン−3−イル基、4−メトキシピリジン−3−イル基、3−メトキシピリジン−4−イル基、2−メトキシピリジン−4−イル基、ピリミジル基、4,6−ジメチルピリミジン−2−イル基、4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル基、ピラジル基、6−メチルピラジン−2イル基、5−メチルピラジン−2−イル基、5,6−ジメチルピラジン−2−イル基、6−メトキシピラジン−2イル基、5−メトキシピラジン−2−イル基、5,6−ジメトキシピラジン−2−イル基、キノリル基、2−メチルキノリン−4−イル基、4−メチルキノリン−2−イル基、2−メトキシキノリン−4−イル基、4−メトキシキノリン−2−イル基、イソキノリル基、3−メチルイソキノリン−8−イル基、8−メチルキノリン−3−イル基、3−メトキシイソキノリン−8−イル基、8−メトキシキノリン−3−イル基、キノキサリル基、2−ピリジルベンゼン−4−イル基、3−ピリジルベンゼン−4−イル基、4−ピリジルベンゼン−4−イル基、2−ピリジルベンゼン−3−イル基、3−ピリジルベンゼン−3−イル基、4−ピリジルベンゼン−3−イル基、6−メチルピリジン−2−イルベンゼン−4−イル基、4−メチルピリジン−3−イルベンゼン−4−イル基、2−メチルピリジン−4−イルベンゼン−4−イル基、6−メチルピリジン−2−イルベンゼン−3−イル基、4−メチルピリジン−3−イルベンゼン−3−イル基、2−メチルピリジン−4−イルベンゼン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、又はジベンゾチオフェニル基等が挙げられる。このように、総炭素数3〜40のヘテロ芳香族基は、少なくとも一つの単環ヘテロ芳香環を含み、総炭素数3〜40の範囲で炭化水素芳香環及び/又はヘテロ芳香環を連結又は縮合していてもよい置換基を表す。
Arとしては、非対称トリアジン化合物の材料特性に優れる点で、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40の含窒素複素芳香族基(少なくとも一つの単環含窒素芳香環を含み、総炭素数3〜40の範囲で炭化水素芳香環及び/又は含窒素芳香環を連結又は縮合していてもよい置換基を表す。)であることが好ましく、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、キノリル基、キノキサリル基、イソキノリル基(これらの置換基は、各々独立して、メチル基又はメトキシ基を有していてもよい)が好ましい。
前記の、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40の含窒素複素芳香族基としては、特に限定するものではないが、ピリジル基、6−メチルピリジン−2−イル基、5−メチルピリジン−2−イル基、4−メチルピリジン−2−イル基、6−メチルピリジン−3−イル基、5−メチルピリジン−3−イル基、4−メチルピリジン−3−イル基、3−メチルピリジン−4−イル基、2−メチルピリジン−4−イル基、6−メトキシピリジン−2−イル基、5−メトキシピリジン−2−イル基、4−メトキシピリジン−2−イル基、6−メトキシピリジン−3−イル基、5−メトキシピリジン−3−イル基、4−メトキシピリジン−3−イル基、3−メトキシピリジン−4−イル基、2−メトキシピリジン−4−イル基、ピリミジル基、4,6−ジメチルピリミジン−2−イル基、4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル基、ピラジル基、6−メチルピラジン−2イル基、5−メチルピラジン−2−イル基、5,6−ジメチルピラジン−2−イル基、6−メトキシピラジン−2イル基、5−メトキシピラジン−2−イル基、5,6−ジメトキシピラジン−2−イル基、キノリル基、2−メチルキノリン−4−イル基、4−メチルキノリン−2−イル基、2−メトキシキノリン−4−イル基、4−メトキシキノリン−2−イル基、イソキノリル基、3−メチルイソキノリン−8−イル基、8−メチルキノリン−3−イル基、3−メトキシイソキノリン−8−イル基、8−メトキシキノリン−3−イル基、キノキサリル基、2−ピリジルベンゼン−4−イル基、3−ピリジルベンゼン−4−イル基、4−ピリジルベンゼン−4−イル基、2−ピリジルベンゼン−3−イル基、3−ピリジルベンゼン−3−イル基、4−ピリジルベンゼン−3−イル基、6−メチルピリジン−2−イルベンゼン−4−イル基、4−メチルピリジン−3−イルベンゼン−4−イル基、2−メチルピリジン−4−イルベンゼン−4−イル基、6−メチルピリジン−2−イルベンゼン−3−イル基、4−メチルピリジン−3−イルベンゼン−3−イル基、又は2−メチルピリジン−4−イルベンゼン−3−イル基等が挙げられる。
前記のアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40の含窒素複素芳香族基としては、特に限定するものではないが、例えば、ピリジル基、6−メチルピリジン−2−イル基、5−メチルピリジン−2−イル基、4−メチルピリジン−2−イル基、6−メチルピリジン−3−イル基、5−メチルピリジン−3−イル基、4−メチルピリジン−3−イル基、3−メチルピリジン−4−イル基、2−メチルピリジン−4−イル基、6−メトキシピリジン−2−イル基、5−メトキシピリジン−2−イル基、4−メトキシピリジン−2−イル基、6−メトキシピリジン−3−イル基、5−メトキシピリジン−3−イル基、4−メトキシピリジン−3−イル基、3−メトキシピリジン−4−イル基、2−メトキシピリジン−4−イル基、ピリミジル基、4,6−ジメチルピリミジン−2−イル基、4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル基、ピラジル基、6−メチルピラジン−2イル基、5−メチルピラジン−2−イル基、5,6−ジメチルピラジン−2−イル基、6−メトキシピラジン−2イル基、5−メトキシピラジン−2−イル基、5,6−ジメトキシピラジン−2−イル基、キノリル基、2−メチルキノリン−4−イル基、4−メチルキノリン−2−イル基、2−メトキシキノリン−4−イル基、4−メトキシキノリン−2−イル基、イソキノリル基、3−メチルイソキノリン−8−イル基、8−メチルキノリン−3−イル基、3−メトキシイソキノリン−8−イル基、8−メトキシキノリン−3−イル基、キノキサリル基、2−ピリジルベンゼン−4−イル基、3−ピリジルベンゼン−4−イル基、4−ピリジルベンゼン−4−イル基、2−ピリジルベンゼン−3−イル基、3−ピリジルベンゼン−3−イル基、4−ピリジルベンゼン−3−イル基、6−メチルピリジン−2−イルベンゼン−4−イル基、4−メチルピリジン−3−イルベンゼン−4−イル基、2−メチルピリジン−4−イルベンゼン−4−イル基、6−メチルピリジン−2−イルベンゼン−3−イル基、4−メチルピリジン−3−イルベンゼン−3−イル基、2−メチルピリジン−4−イルベンゼン−3−イル基等が挙げられる。
上記一般式(1)、(2)及び(3)において、Arは、同一の置換基を表し、炭素数1〜40の置換基を表す。
当該炭素数1〜40の置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、総炭素数6〜40のアリール基、総炭素数3〜40のヘテロアリール基、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のアルコキシル基、シアノ基等が挙げられる。
Arにおいて、総炭素数6〜40のアリール基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、9−フェナントリル基、9,9−ジアルキル−フルオレン−2−イル基、ビフェニリル基、ナフチル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ピセニル基等が挙げられる。このうち、トリアジン化合物の安定性の点で、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、ビフェニリル基、9−フェナントリル基、9,9−ジアルキル−フルオレン−2−イル基、又はナフチル基が好ましい。
Arにおいて、総炭素数3〜40のヘテロアリール基としては、特に限定するものではないが、例えば、キノリル基、イソキノリル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、N−カルバゾリル基等が挙げられる。
Arにおいて、炭素数1〜40のアルキル基としては、ハロゲン元素やアリール基を有していてもよい総炭素数1〜40のアルキル基が挙げられ、以下に限定されるものではないが、具体的には、メチル基、フルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、プロピン基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−イル基等を例示することができる。
Arにおいて、炭素数1〜40のアルコキシ基としては、ハロゲン元素やアリール基を有していてもよい総炭素数1〜40のアルコキシ基が挙げられ、以下に限定されるものではないが、具体的には、メトキシ基、フルオロメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、プロピンオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1,3−シクロヘキサジエニルオキシ基、2−シクロペンテン−1−イルオキシ基等を例示す
Arとしては、生産効率に優れる点で、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数10〜40の縮環芳香族炭化水素基又はアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40の含窒素複素芳香族基であることが好ましく、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、ビフェニリル基、9−フェナントリル基、9,9−ジアルキル−フルオレン−2−イル基、又はナフチル基であることがさらに好ましい。
なお、Arにおける、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数10〜40の縮環芳香族炭化水素基及びアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40の含窒素複素芳香族基は、それぞれ前記の通りの定義である。
一般式(4)において、Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、2つのRは連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環を形成していてもよい。2つのRが連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環としては、以下に示す(B−1)から(B−6)で示される環を例示することができる。
Figure 2015199683
一般式(5)において、Rは、前記Rと同じ置換基を例示することができる。
本発明は、遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、一般式(3)で表されるトリアジン化合物と一般式(4)で表されるボロン酸化合物とを反応させ一般式(2)で表されるトリアジン化合物を得る工程A、続いて遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、一般式(2)で表されるトリアジン化合物と一般式(5)で表されるボロン酸化合物とを反応させ一般式(1)で表されるトリアジン化合物を得る工程Bからなることを特徴とする、一般式(1)で表されるトリアジン化合物の製造方法である。
本発明の製造方法では、工程A及びBにおいて、特に限定するものではないが、通常、一般式(3)若しくは(2)で表されるトリアジン化合物1モルに対して、一般式(4)若しくは(5)で表されるボロン酸化合物を1.0〜3.0倍モル反応させる。目的とする一般式(1)で表されるトリアジン化合物を高選択的に合成するためには、一般式(4)若しくは(5)で表されるボロン酸化合物を1.0〜2.0倍モルとすることが好ましく、1.0〜1.5倍モルとすることがより好ましい。
遷移金属化合物としては、工程A及びBにおいて、特に限定するものではないが、例えば、パラジウム化合物、又はニッケル化合物が挙げられる。パラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセトナート(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウムトリフルオロアセテート(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等が挙げられる。
ニッケル化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)等のハロゲン化ニッケル、ニッケル(0)粉末、硫酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、過塩素酸ニッケル(II)等の無機塩、蟻酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、安息香酸ニッケル(II)、ニッケルアセチルアセトナート(II)等が挙げられる。
なお、これらの遷移金属化合物を、例えば、炭素、シリカゲル等の担体に担持させたものを本発明の製造方法に用いることもできる。
ホスフィン化合物としては、工程A及びBにおいて、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o―トリル)ホスフィン、トリ(メシチル)ホスフィン等の単座アリールホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(イソプロピル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等の単座アルキルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等のニ座ホスフィンが挙げられる。これらのうち、反応選択率を向上させる観点から、工程Aにおいてはトリフェニルホスフィンが好ましく、工程Bにおいてはトリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(イソプロピル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等の単座アルキルホスフィンが好ましく、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルがより好ましい。なお、ホスフィン化合物は、遷移金属化合物と事前に混合し錯体調製したものを反応に用いてもよいし、遷移金属化合物とは別の経路で反応系中に投入して共存させたものを反応に用いてもよい。
本発明において、遷移金属化合物の使用量は、工程A及びBにおいて、{(遷移金属化合物中の遷移金属のモル数)÷(一般式(2)若しくは(3)で表される化合物のモル数)}で表される数式で定義され、通常、0.005〜0.05の範囲である。遷移金属化合物の使用量が0.005未満の場合、反応速度が著しく低下するため、工業的に好ましくない。遷移金属化合物の使用量が上記範囲内であれば、一般式(1)で表されるトリアジン化合物を高純度で効率よく製造することができる。
本発明における塩基としては、工程A及びBにおいて、特に限定するものではないが、例えば、無機塩基、有機塩基、又は無機塩基及び有機塩基の混合物があげられる。塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸カリウム、燐酸ナトリウム等、ナトリウム−メトキシド、ナトリウム−エトキシド、カリウム−メトキシド、カリウム−エトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のようなアルカリ金属アルコキシド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジンであって、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸カリウム、燐酸ナトリウム等があげられる。なお、塩基は水溶液として本発明の製造法に用いてもよい。
本発明の製造方法で使用される塩基の量は、工程A及びBにおいて、特に限定するものではないが、通常、一般式(2)若しくは(3)で表されるトリアジン化合物1モルに対して1〜50倍モルの範囲である。上記の範囲であれば、目的とする高純度のトリアジン化合物を効率よく製造することができる。なお、目的とするトリアジン化合物を高選択的に合成するためには、塩基の使用量は、1〜10倍モルの範囲であることが好ましい。
本反応は、通常、不活性溶媒存在下で行われる。不活性溶媒としては、本発明の製造方法で行われる反応を著しく阻害しないものであればよく、工程A及びBにおいて、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶媒や、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテル系有機溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうち、目的とするトリアジン化合物を高選択的に合成する点において、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラハイドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶媒が好ましく用いられる。
本発明の製造方法で行われる反応は、工程A及びBにおいて、特に限定するものではないが、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行なわれ、常圧下また加圧下で行われる。反応は、通常、20〜300℃の範囲で行われるが、30〜150℃の範囲が好ましい。
本発明の製造方法で行われる反応にかかる反応時間は、工程A及びBにおいて、一般式(2)及び(3)で表されるトリアジン化合物、一般式(4)及び(5)で表されるボロン酸化合物、遷移金属化合物、ホスフィン化合物、及び塩基の量、並びに反応温度等によって一定しないが、通常、数分〜72時間の範囲から選択すればよい。
本発明の製造方法において、工程Aで得られる一般式(2)で表されるトリアジン化合物は、反応液から単離精製せずに工程Bに用いても良いし、単離精製して工程Bに用いても良い。
以下、本発明を実施例によって具体的に記述する。しかし、これらによって本発明は制限されるものではない。
[材料純度測定(HPLC分析)]
測定装置:マルチステーションLC−8020(東ソー社製)
測定方法:カラム ZORBAX Eclipse XDB−C18(4.6mmΦ×250mm),5μm
検出器 UV検出(波長 254nm)
溶離液 メタノール/テトラヒドロフラン=9/1(v/v比)
温度 40℃
流速 1mL/min
実施例1 化合物E−01の製造
Figure 2015199683
工程A:2−(3−ブロモ−5−クロロフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 5.00g(11.8mmol)、4−ビフェニルボロン酸 3.05g(15.4mmol)、テトラヒドロフラン 50mL、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 272mg(0.236mmol)、を200mL4つ口フラスコに加え、窒素雰囲気下、60℃で10分加熱した。この溶液に14%水酸化ナトリウム水溶液 10.1g(水酸化ナトリウムとして、1.42g(35.5mmol))を滴下し、更に70℃で10時間反応させた。次いで、反応液を室温まで冷却した。その後、純水70mLを添加し、そのまま室温で30分間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、純水、メタノール、ヘキサンで順次洗浄した。得られた灰色粉末をトルエンで再結晶することにより、目的の化合物C−01を灰色粉末として5.38g取得した(収率92%)。得られた化合物C−01のHPLC純度は99.79%であった。
工程B:化合物C−01 2.00g(4.03mmol)、4−ピリジルボロン酸 0.64g(5.24mmol)、テトラヒドロフラン 20mL、酢酸パラジウム 18.1mg(0.081mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 76.8mg(0.16mmol)を100mL4つ口フラスコに加え、窒素雰囲気下、60℃で10分加熱した。この溶液に20%炭酸カリウム水溶液 10.9g(炭酸カリウムとして、2.17g(15.7mmol))を滴下し、更に70℃で5時間反応させた。次いで、反応液を室温まで冷却した。その後、純水30mLを添加し、そのまま室温で30分間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、純水、メタノール、ヘキサンで順次洗浄した。得られた灰色粉末をトルエンで再結晶することにより、目的の化合物E−01を1.74g取得した(収率80%)。得られた目的物のHPLC純度は99.88%であった。不純物である対称トリアジン化合物は検出されなかった。
実施例2 化合物F−01の製造
Figure 2015199683
工程A:実施例1の工程Aにおいて、4−ビフェニルボロン酸 3.05g(15.4mmol)の代わりに、9−アントラセンボロン酸を3.41g(15.4mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物C−02を5.71g取得した(収率93%)。得られた化合物C−02のHPLC純度は99.68%であった。
工程B:酢酸パラジウム 18.1mg(0.081mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 76.8mg(0.16mmol)、テトラヒドロフラン2mLを20mLシュレンク管に加え、窒素下、60℃で20分間攪拌し、これを触媒溶液とした。次に、化合物C−02 2.10g(4.03mmol)、4−ピリジルボロン酸 0.64g(5.24mmol)、テトラヒドロフラン 20mL、20%炭酸カリウム水溶液 10.9g(炭酸カリウムとして、2.17g(15.7mmol))を100mL4つ口フラスコに加え、60℃で30分攪拌した。この溶液に先の触媒溶液を加え、窒素雰囲気下、65℃で10時間反応させた。次いで、反応液を室温まで冷却した。その後、純水30mLを添加し、そのまま室温で30分間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、純水、メタノール、ヘキサンで順次洗浄した。得られた灰色粉末をトルエンで再結晶することにより、目的の化合物F−01を1.75g取得した(収率77%)。得られた目的物のHPLC純度は99.83%であった。不純物である対称トリアジン化合物は検出されなかった。
実施例3 化合物F−02の製造
Figure 2015199683
実施例2の工程Bにおいて、4−ピリジルボロン酸 0.64g(5.24mmol)の代わりに3−ピリジルボロン酸を0.64g(5.24mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物F−02を1.70g取得した(収率75%)。得られた化合物F−02のHPLC純度は99.90%であった。不純物である対称トリアジン化合物は検出されなかった。
実施例4 化合物F−03の製造
Figure 2015199683
実施例2の工程Bにおいて、4−ピリジルボロン酸 0.64g(5.24mmol)の代わりに3−キノリンボロン酸を0.91g(5.26mmol)を用い、酢酸パラジウムを36.2mg(0.16mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 154mg(0.32mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物F−03を2.00g取得した(収率81%)。得られた化合物F−02のHPLC純度は99.67%であった。不純物である対称トリアジン化合物は検出されなかった。
実施例5 化合物G−01の製造
Figure 2015199683
実施例1の工程Aにおいて、4−ビフェニルボロン酸 3.05g(15.4mmol)の代わりに、2−トリフェニレニルボロン酸を4.19g(15.4mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物C−03を6.39g取得した(収率95%)。得られた化合物C−03のHPLC純度は99.74%であった。不純物である対称トリアジン化合物は検出されなかった。
実施例6 化合物H−01の製造
Figure 2015199683
工程A:実施例1の工程Aにおいて、4−ビフェニルボロン酸 3.05g(15.4mmol)の代わりに、9−フェナントレンボロン酸ネオペンチルグリコールエステルを4.47g(15.4mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物C−04を5.70g取得した(収率93%)。得られた化合物C−04のHPLC純度は99.93%であった。 工程B:実施例1の工程Bにおいて、化合物C−01 2.00g(4.03mmol)の代わりに化合物C−04を2.10g(4.04mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物H−01を1.66g取得した(収率75%)。得られた化合物H−01のHPLC純度は99.97%であった。不純物である対称トリアジン化合物は検出されなかった。
実施例7 化合物H−02の製造
Figure 2015199683
実施例3の工程Bにおいて、化合物C−02 2.10g(4.03mmol)の代わりに化合物C−04を2.10g(4.04mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物H−02を1.68g取得した(収率74%)。得られた化合物H−02のHPLC純度は99.97%であった。不純物である対称トリアジン化合物は検出されなかった。
実施例8 化合物H−03の合成
Figure 2015199683
実施例3の工程Bにおいて、化合物C−02 2.10g(4.03mmol)の代わりに化合物C−04を2.10g(4.04mmol)、4−ピリジルボロン酸の代わりに3−キノリンボロン酸を0.91g(5.26mmol)、酢酸パラジウムを36.2mg(0.16mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 154mg(0.32mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物H−03を1.91g取得した(収率77%)。得られた化合物H−03のHPLC純度は99.93%であった。不純物である対称トリアジン化合物は検出されなかった。
比較例1
Figure 2015199683
化合物E−01を特開2011−063584に記載の方法に準じて以下の通り合成した。
2−(3,5−ジブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 2.00g(4.28mmol)、4−ビフェニルボロン酸 0.85g(4.29mmol)、テトラヒドロフラン 20mL、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 49.5mg(0.043mmol)、を100mL4つ口フラスコに加え、窒素雰囲気下、60℃で10分加熱した。この溶液に20%炭酸カリウム水溶液 8.9g(炭酸カリウムとして、1.77g(12.8mmol))を滴下し、更に70℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した。次に、4−ピリジルボロン酸 0.53g(4.31mmol)、20%炭酸カリウム水溶液 8.9g(炭酸カリウムとして、1.77g(12.8mmol))を追加し、更に70℃で10時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した。純水30mLを添加し、そのまま室温で30分間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、純水、メタノール、ヘキサンで順次洗浄した。得られた灰色粉末をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒ヘキサン:クロロホルム=1:2)、更にトルエンで再結晶することにより、目的の化合物E−01を0.53g取得した(収率23%)。得られた目的物のHPLC純度は97.50%であり、高純度品は得られず、また収率も低いものであった。不純物として対称トリアジン化合物が1.58%検出された。
比較例2
Figure 2015199683
2−(3−ブロモ−5−クロロフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 5.00g(11.8mmol)、3−ピリジルボロン酸 1.89g(15.4mmol)、1,2−ジメトキシエタン 80mL、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 273mg(0.236mmol)、を200mL4つ口フラスコに加え、窒素雰囲気下、60℃で10分加熱した。この溶液に14%水酸化ナトリウム水溶液 10.2g(水酸化ナトリウムとして、1.42g(35.5mmol))を滴下し、更に90℃で20時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した。その後、純水70mLを添加し、そのまま室温で30分間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、純水、メタノール、ヘキサンで順次洗浄した。得られた灰色粉末をトルエンで再結晶することにより、目的の化合物C−06を灰色粉末として3.90g取得した(収率78%)。得られた化合物C−06のHPLC純度は98.59%であった。
化合物C−06 2.00g(4.75mmol)、9−アントラセンボロン酸を1.37g(6.17mmol)、テトラヒドロフラン 30mL、酢酸パラジウム 21.3mg(0.094mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 90.4mg(0.19mmol)を100mL4つ口フラスコに加え、窒素雰囲気下、60℃で10分加熱した。この溶液に20%炭酸カリウム水溶液 8.55g(炭酸カリウムとして、1.71g(12.4mmol))を滴下し、更に70℃で20時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した。その後、純水30mLを添加し、そのまま室温で30分間攪拌した。析出した灰色粉末をろ取し、純水、メタノール、ヘキサンで順次洗浄した。得られた灰色粉末をトルエンで2回再結晶することにより、目的の化合物F−02を1.95g取得した(収率73%)。得られた目的物のHPLC純度は99.68%であり、高純度品は得られなかった。不純物として対称トリアジン化合物が0.18%検出された。
本発明によれば、従来必要であったカラムクロマトグラフィー操作を行うことなく、電子材料として有用な非対称トリアジン化合物を効率的に製造することができる。このため、本発明の製造方法は、高純度な非対称トリアジン化合物を工業的に製造する方法として非常に重要である。

Claims (4)

  1. 遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、一般式(3)
    Figure 2015199683
    (式中、Arは、同一の置換基を表し、炭素数1〜40の置換基を表す。)
    で表されるトリアジン化合物と、一般式(4)
    Figure 2015199683
    (式中、Arは、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数6〜40の芳香族炭化水素基を表す。また、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、2つのRは連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環を形成してもよい。)
    で表されるボロン酸化合物を反応させて一般式(2)
    Figure 2015199683
    (式中、Ar及びArは前記と同じ。)
    で表されるトリアジン化合物を得る工程A、並びに遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、工程Aで得られた一般式(2)で表されるトリアジン化合物と一般式(5)
    Figure 2015199683
    (式中、Arは、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40のヘテロ芳香族基を表す。また、Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、2つのRは、連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環を形成しても良い。)
    で表されるボロン酸化合物を反応させて、一般式(1)
    Figure 2015199683
    (式中、Ar、Ar、及びArは前記と同じ。)
    で表されるトリアジン化合物を得る工程Bを含むことを特徴とする、一般式(1)で表されるトリアジン化合物の製造法。
  2. 一般式(1)において、Arが、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数10〜40の連結又は縮環芳香族炭化水素基であることを特徴とする、請求項1に記載のトリアジン化合物の製造方法。
  3. 一般式(1)において、Arが、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい総炭素数3〜40の含窒素複素芳香族基であることを特徴とする、請求項1及び2に記載のトリアジン化合物の製造方法。
  4. 工程A及びBにおいて使用する遷移金属化合物が、いずれもパラジウム化合物であることを特徴とする請求項1に記載のトリアジン化合物の製造方法。
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