JP6032000B2 - 環状アジン化合物の製造方法 - Google Patents

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本発明は高純度の多置換環状アジン化合物をより効率良く製造する方法に関する。
環状アジン化合物は、電子材料(例えば、有機電界発光素子の電子輸送性材料)として利用されている。その製造方法については、多くの公知文献に記載されている。例えば、特開2011−121934(特許文献1)、特開2011−063584(特許文献2)等に具体的に記載されている。
特開2011−121934 公報 特開2011−063584 公報 環状アジン化合物のカップリング反応には、一般的に多くの金属触媒を使用することが必要と考えられていた。例えば、特開2011−121934に記載された方法は、基質である環状アジン化合物1モルに対して0.01〜0.06モルの大量のパラジウム触媒を使用するものであった。このような大量のパラジウム触媒を使用する反応液から高純度の多置換環状アジン化合物を取得するには、カラムクロマトグラフィーによる精製操作が必須であり、効率の点で工業的に満足できるものではなかった。このため、大量合成に適した製造方法が強く望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、高純度の多置換環状アジン化合物を効率良く製造する工業的製造方法を提供することにある。
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の製造方法によって目的とする高純度の多置換環状アジン化合物を効率良く製造できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、下記の通りの一般式(1)で表される環状アジン化合物の製造方法に関する。
遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、一般式(2)で表される環状アジン化合物
Figure 0006032000
(式中、Ar、Ar、及びArは、各々独立して、炭素数1〜40の一価の置換基を表す。Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。Yは、CH又は窒素原子を表す。)
と一般式(3)で表されるボロン酸化合物
Figure 0006032000
(式中、Arは、炭素数1〜40の一価の置換基を表す。Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、2つのRは連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環を形成していてもよい。)
とを反応さてなる一般式(1)
Figure 0006032000
(式中、Ar、Ar、Ar、及びArは、各々独立して、炭素数1〜40の一価の置換基を表す。Yは、CH又は窒素原子を表す。)
で表される環状アジン化合物の製造法であって、{(遷移金属化合物中の遷移金属のモル数)÷(一般式(2)で表される化合物のモル数)}が0.00001〜0.009であることを特徴とする、一般式(1)で表される環状アジン化合物の製造方法。
本発明の環状アジン化合物の製造方法は、従来公知の製造方法に比べて、目的とする高純度の多置換環状アジン化合物を効率よく製造する、工業的に非常に有利な方法を提供する。
以下、本発明について具体的に説明する。
上記一般式(1)及び(2)において、Ar、Ar、及びArは、各々独立して、炭素数1〜40の一価の置換基を表す。
炭素数1〜40の一価の置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、炭素数6〜40のアリール基または炭素数3〜40のヘテロアリール基、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のアルコキシル基(これらは、各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数3〜40のヘテロアリール基、異なっていてもよい2個の炭素数6〜18のアリール基を結合してなるジアリールアミノ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有してもよい)、シアノ基等が挙げられる。このうち、生産効率に優れる点で、炭素数6〜40のアリール基または炭素数3〜40のヘテロアリール基(これらは、各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数3〜40のヘテロアリール基、異なっていてもよい2個の炭素数6〜18のアリール基を結合してなるジアリールアミノ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有してもよい)であることが好ましい。
Ar、Ar、及びArにおいて、炭素数6〜40のアリール基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、ビフェニルリル基、ターフェニリル基、9−フェナントリル基、9,9−ジアルキル−フルオレン−2−イル基、ビフェニレニル基、ナフチル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ピセニル基等が挙げられる。このうち、環状アジン化合物の安定性の点で、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、ビフェニルリル基、9−フェナントリル基、9,9−ジアルキル−フルオレン−2−イル基、ナフチル基が好ましい。
Ar、Ar、及びArにおいて、炭素数3〜40のヘテロアリール基としては、特に限定するものではないが、例えば、キノリル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、N−カルバゾリル基等が挙げられる。
Ar、Ar、及びArにおいて、炭素数1〜40のアルキル基としては、以下に限定されるものではないが、具体的には、メチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、プロピン基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−イル基等を例示することができる。
Ar、Ar、及びArにおいて、炭素数1〜40のアルコキシ基としては、以下に限定されるものではないが、具体的には、メトキシ基、クロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、プロピンオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1,3−シクロヘキサジエニルオキシ基、2−シクロペンテン−1−イルオキシ基等を例示することができる。
Ar、Ar、及びArにおいて、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基としては、以下に限定されるものではないが、具体的には、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、プロピン基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−イル基等を例示することができる。
Ar、Ar、及びArにおいて、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルコキシ基としては、以下に限定されるものではないが、具体的には、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等を例示することができる。
Ar、Ar、及びArにおいて、炭素数6〜40のアリールオキシ基としては、以下に限定されるものではないが、具体的には、フェノキシ基、o−トリロキシ基、m−トリロキシ基、p−トリロキシ基、4−ビフェニルオキシ基、3−ビフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、p−tert−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基等を例示することができる。
なお、Ar、Ar、及びArにおける、炭素数6〜40のアリール基(これらは、各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数3〜40のヘテロアリール基、異なっていてもよい2個の炭素数6〜18のアリール基を結合してなるジアリールアミノ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有してもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、2−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−ネオペンチルフェニル基、2−ネオペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−(2’−エチルブチル)フェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)フェニル基、4−tert−オクチルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル基、4−トリチルフェニル基、3−トリチルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(3’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ブトキシフェニル)フェニル基、2−(2’−メトキシフェニル)フェニル基、3−メチル−4−フェニルフェニル基、3−メトキシ−4−フェニルフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−トリフェニルシリルフェニル基、3−トリフェニルシリルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、5−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、4,6−ジ−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、2−sec−ブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−イソペンチルオキシフェニル基、2−イソペンチルオキシフェニル基、4−ネオペンチルオキシフェニル基、2−ネオペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、2−(2−エチルブチル)オキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、2−メチル−5−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、3−エチル−5−メトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、3,5−ジ−n−ブトキシフェニル基、2−メトキシ−4−エトキシフェニル基、2−メトキシ−6−エトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−(9−カルバゾリル)フェニル基、3−(9−カルバゾリル)フェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、4−(2−ピリジル)フェニル基、4−(3−ピリジル)フェニル基、4−(4−ピリジル)フェニル基、4−(1−ナフチル)フェニル基、4−(2−ナフチル)フェニル基、3−(1−ナフチル)フェニル基、3−(2−ナフチル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、4−フェニル−1−ナフチル基、6−フェニル−2−ナフチル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、5−エトキシ−1−ナフチル基、6−エトキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、6−n−ブトキシ−2−ナフチル基、6−n−ヘキシルオキシ−2−ナフチル基、4−n−ブトキシ−1−ナフチル基、7−n−ブトキシ−2−ナフチル基、2−アントリル基、9−アントリル基、10−フェニル−9−アントリル基、10−(3,5−ジフェニルフェニル)−9−アントリル基、2−フルオレニル基、9−メチル−2−フルオレニル基、9−エチル−2−フルオレニル基、9−n−ヘキシル−2−フルオレニル基、9−フェニル−2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、9,9−ジエチル−2−フルオレニル基、9,9−ジ−n−プロピル−2−フルオレニル基、9,9−ジ−n−オクチル−2−フルオレニル基、9,9−ジフェニル−2−フルオレニル基、9,9’−スピロビフルオレニル基、9−フェナントリル基、2−フェナントリル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ピセニル基、4−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、2−ビフェニリル基、p−ターフェニル基、m−ターフェニル基、o−ターフェニル基等が挙げられる。このうち、環状アジン化合物の安定性の点で、Ar、Ar、及びArは、各々独立して、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−ビフェニルリル基、4−(2−ピリジル)フェニル基、4−(3−ピリジル)フェニル基、4−(4−ピリジル)フェニル基、9−アントリル基、10−フェニル−9−アントリル基、9−フェナントリル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい。
Ar、Ar、及びArにおける、炭素数3〜40のヘテロアリール基(これらは、各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数3〜40のヘテロアリール基、異なっていてもよい2個の炭素数6〜18のアリール基を結合してなるジアリールアミノ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有してもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、4−キノリル基、4−ピリジル基、4−(2−メチル)ピリジル基、4−(2−エチル)ピリジル基、4−フェニルピリジル基、3−フェニルピリジル基、2−フェニルピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、2,2’−ビピリジル基、2,3’−ビピリジル基、2,4’−ビピリジル基、3−フリル基、2−フリル基、3−チエニル基、2−チエニル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、2−チアントレニル基、4−フェノキサチエニル基等が挙げられる。このうち、環状アジン化合物の安定性の点で、Ar、Ar、及びArは、各々独立して、4−キノリル基、4−ピリジル基、4−(2−メチル)ピリジル基、4−(2−エチル)ピリジル基、4−フェニルピリジル基、3−フェニルピリジル基、2−フェニルピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、2,2’−ビピリジル基、2,3’−ビピリジル基、2,4’−ビピリジル基が好ましい。
一般式(1)において、YはCH又は窒素原子を表す。
一般式(2)において、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。このうち、環状アジン化合物の入手しやすさから、塩素原子または臭素原子であることが好ましい。また、一般式(2)において、Yは、CH又は窒素原子を表す。
一般式(1)及び(3)において、Arは、炭素数1〜40の一価の置換基を表す。
前記炭素数1〜40の一価の置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、炭素数6〜40のアリール基または炭素数3〜40のヘテロアリール基、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のアルコキシル基(これらは、各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数3〜40のヘテロアリール基、異なっていてもよい2個の炭素数6〜18のアリール基を結合してなるジアリールアミノ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有してもよい)等が挙げられる。なお、Arとしては、特に限定するものではないが、例えば、シアノ基を除いて、前述したAr、Ar及びArで例示した一価の置換基と同じ基を挙げることができる。
一般式(3)において、Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、2つのRは連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環を形成していてもよい。2つのRが連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環としては、以下に示す(B−1)から(B−6)で示される環を例示することができる。
Figure 0006032000
本発明は、遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、一般式(2)で表される環状アジン化合物と一般式(3)で表されるボロン酸化合物とを反応させることを特徴とする、上記一般式(1)で表される環状アジン化合物の製造方法である。
本発明の製造方法では、特に限定するものではないが、通常、一般式(2)で表される環状アジン化合物1モルに対して、一般式(3)で表されるボロン酸化合物を1.0〜3.0倍モル反応させる。目的とする環状アジン化合物を高選択的に合成するためには、一般式(3)で表されるボロン酸化合物を1.0〜2.0倍モルとすることが好ましく、1.0〜1.5倍モルとすることがより好ましい。
遷移金属化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、パラジウム化合物、又はニッケル化合物が挙げられる。パラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセトナート(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウムトリフルオロアセテート(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等が挙げられる。
ニッケル化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)等のハロゲン化ニッケル、ニッケル(0)粉末、硫酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、過塩素酸ニッケル(II)等の無機塩、蟻酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、安息香酸ニッケル(II)、ニッケルアセチルアセトナート(II)等が挙げられる。
なお、これらの遷移金属化合物を、例えば、炭素、シリカゲル等の担体に担持させたものを本発明の製造方法に用いることもできる。
ホスフィン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o―トリル)ホスフィン、トリ(メシチル)ホスフィン等の単座アリールホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(イソプロピル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等の単座アルキルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等のニ座ホスフィンが挙げられる。これらのうち、反応選択率を向上させる観点から、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(イソプロピル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等の単座アルキルホスフィンが好ましく、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルがより好ましい。なお、ホスフィン化合物は、遷移金属化合物と事前に混合し錯体調製したものを反応に用いてもよいし、遷移金属化合物とは別の経路で反応系中に投入して共存させたものを反応に用いてもよい。
本発明において、遷移金属化合物の使用量は、{(遷移金属化合物中の遷移金属のモル数)÷(一般式(2)で表される化合物のモル数)}で表される数式で定義され、通常、0.00001〜0.009の範囲である。遷移金属化合物の使用量が0.00001未満の場合、反応速度が著しく低下するため、工業的に好ましくない。また、遷移金属化合物の使用量が0.009を超えた場合、副生成物の生成量が増え、目的とする高純度の環状アジン化合物を取得するためにカラムクロマトグラフィーによる精製が要求されるため、工業的に好ましくない。なお、遷移金属化合物の使用量が上記範囲内であれば、一般式(1)で表される環状アジン化合物を高純度で効率よく製造することができる。より高選択的に目的の環状アジン化合物を製造する観点から、(遷移金属化合物中の遷移金属のモル数)÷(一般式(2)で表される化合物のモル数)}は、0.00001〜0.005の範囲であることが好ましく、0.00001〜0.001の範囲であることがより好ましい。
本発明における塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、無機塩基、有機塩基、又は無機塩基及び有機塩基の混合物があげられる。塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸カリウム、燐酸ナトリウム等、ナトリウム−メトキシド、ナトリウム−エトキシド、カリウム−メトキシド、カリウム−エトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のようなアルカリ金属アルコキシド、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジンであって、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸カリウム、燐酸ナトリウム等があげられる。なお、塩基は水溶液として本発明の製造法に用いてもよい。
本発明の製造方法で使用される塩基の量は、特に限定するものではないが、通常、一般式(2)で表される環状アジン化合物1モルに対して1〜50倍モルの範囲である。上記の範囲であれば、目的とする高純度の環状アジン化合物を効率よく製造することができる。なお、目的とする環状アジン化合物を高選択的に合成するためには、塩基の使用量は、1〜5倍モルの範囲であることが好ましい。
本反応は、通常、不活性溶媒存在下で行われる。不活性溶媒としては、本発明の製造方法で行われる反応を著しく阻害しないものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶媒や、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテル系有機溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうち、目的とする環状アジン化合物を高選択的に合成する点において、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラハイドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶媒が好ましく用いられる。
本発明の製造方法で行われる反応は、特に限定するものではないが、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行なわれ、常圧下また加圧下で行われる。反応は、通常、20〜300℃の範囲で行われるが、30〜150℃の範囲が好ましい。
本発明の製造方法で行われる反応にかかる反応時間は、一般式(2)で表される環状アジン化合物、一般式(3)で表されるボロン酸化合物、遷移金属化合物、ホスフィン化合物、及び塩基の量、並びに反応温度等によって一定しないが、通常、数分〜72時間の範
囲から選択すればよい。
以下、本発明を実施例によって具体的に記述する。しかし、これらによって本発明は制限されるものではない。
[材料純度測定(HPLC分析)]
測定装置:マルチステーションLC−8020(東ソー社製)
測定方法:カラム Inertsil ODS−3V(4.6mmΦ×250mm)(GLサイエンス社製)
検出器 UV検出(波長 254nm)
溶離液 メタノール/テトラヒドロフラン=9/1(v/v比)
実施例1
Figure 0006032000
化合物C−1(特開2011−121934に記載の方法を基に合成) 4.04g(9.62mmol)、1−ナフタレンボロン酸 2.15g(12.5mmol)、テトラヒドロフラン 50mL、酢酸パラジウム 2.16mg(Pd原子が0.0094mmol、化合物C−1の使用量に対して0.00098倍モル)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 9.17mg(0.019mmol)を200mL4つ口フラスコに加え、窒素雰囲気下、60℃で10分加熱した。この溶液に20%炭酸カリウム水溶液 16.9g(炭酸カリウムとして、3.46g(25.0mmol))を滴下し、更に75℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した。その後、純水50mLを添加し、そのまま室温で30分間攪拌した。析出した白色粉末をろ取し、純水、メタノール、ヘキサンで順次洗浄した。この後、70℃で真空乾燥し、目的の化合物D−1を白色粉末として4.90g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.65%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.93%となった。トルエン再結晶時の回収率は88%であった。
実施例2
実施例1において、使用する酢酸パラジウムを1.08mg(Pd原子が0.0048mmol、化合物C−1の使用量に対しての使用量に対して0.00050倍モル)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 4.58mg(0.0096mmol)、反応時間を13時間とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−1を白色粉末として4.90g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.66%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.94%となった。トルエン再結晶時の回収率は88%であった。
実施例3
Figure 0006032000
実施例1において、1−ナフタレンボロン酸の代わりに9−アントラセンボロン酸を2.78g(12.5mmol)用い、反応時間を10時間とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−2を淡黄色粉末として5.40g取得した(収率100%)。得られた目的物のHPLC純度は99.54%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.91%となった。トルエン再結晶時の回収率は90%であった。
実施例4
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−2(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を4.31g(9.62mmol)用い、反応時間を10時間とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−3を白色粉末として5.17g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.22%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.97%となった。トルエン再結晶時の回収率は83%であった。
実施例5
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−3(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を4.52g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに4−(2−ピリジル)フェニルボロン酸を2.49g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−4を白色粉末として5.60g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.31%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.90%となった。トルエン再結晶時の回収率は85%であった。
実施例6
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−4(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を5.23g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに4−ビフェニルボロン酸を2.48g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−5を黄色粉末として6.31g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.28%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.97%となった。トルエン再結晶時の回収率は87%であった。
実施例7
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−5(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を5.16g(9.62mmol)用い、反応時間を12時間とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−6を白色粉末として6.00g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.55%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.98%となった。トルエン再結晶時の回収率は89%であった。
実施例8
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−5(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を5.16g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに4−(2−ピリジル)フェニルボロン酸を2.49g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−7を白色粉末として6.31g取得した(収率100%)。得られた目的物のHPLC純度は99.48%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.95%となった。トルエン再結晶時の回収率は84%であった。
実施例9
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−5(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を5.16g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに9−アントラセンボロン酸を2.78g(12.5mmol)用い、反応時間を12時間とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−8を黄色粉末として6.51g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.47%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.92%となった。トルエン再結晶時の回収率は85%であった。
実施例10
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−6(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を6.04g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに4−(2−ピリジル)フェニルボロン酸を2.49g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−9を淡黄色粉末として6.09g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.51%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.90%となった。トルエン再結晶時の回収率は89%であった。
実施例11
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−7(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を5.00g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに4−(2−ピリジル)フェニルボロン酸を2.49g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−10を白色粉末として6.15g取得した(収率100%)。得られた目的物のHPLC純度は99.49%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.91%となった。トルエン再結晶時の回収率は83%であった。
実施例12
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−7(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を5.00g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに4−(3−ピリジル)フェニルボロン酸を2.49g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−11を白色粉末として6.13g取得した(収率100%)。得られた目的物のHPLC純度は99.44%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.98%となった。トルエン再結晶時の回収率は81%であった。
実施例13
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−7(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を5.00g(9.62mmol)用い、反応時間を12時間とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−12を白色粉末として5.81g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.11%と非常に高いものであった。更に、トルエンで2回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.99%となった。トルエン再結晶時の回収率は75%であった。
実施例14
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−7(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を5.00g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに9−アントラセンボロン酸を2.78g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−13を黄色粉末として6.33g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.40%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.93%となった。トルエン再結晶時の回収率は88%であった。
実施例15
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−8(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を4.77g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに4−(2−ピリジル)フェニルボロン酸を2.49g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−14を白色粉末として5.92g取得した(収率100%)。得られた目的物のHPLC純度は99.77%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.99%となった。トルエン再結晶時の回収率は89%であった。
実施例16
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−9(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を6.89g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに4−(2−ピリジル)フェニルボロン酸を2.49g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−15を白色粉末として7.55g取得した(収率99%)。得られた目的物のHPLC純度は99.62%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.97%となった。トルエン再結晶時の回収率は93%であった。
実施例17
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−9(特開2011−121934に記載の方法を基に合成)を6.89g(9.62mmol)用い、反応時間を12時間とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−16を白色粉末として7.36g取得した(収率100%)。得られた目的物のHPLC純度は99.76%と非常に高いものであった。更に、トルエンで1回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.93%となった。トルエン再結晶時の回収率は92%であった。
実施例18
Figure 0006032000
実施例1において、化合物C−1の代わりに化合物C−10(特開2011−063584に記載の方法を基に合成)を5.58g(9.62mmol)用い、1−ナフタレンボロン酸の代わりに4−(2−ピリジル)フェニルボロン酸を2.49g(12.5mmol)用いた以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−17を白色粉末として6.19g取得した(収率98%)。得られた目的物のHPLC純度は99.16%と非常に高いものであった。更に、トルエンで2回再結晶精製を行うことにより、HPLC純度は99.91%となった。トルエン再結晶時の回収率は74%であった。
比較例1
実施例1において、使用する酢酸パラジウムを216mg(Pd原子が0.962mmol、化合物C−1の使用量に対して0.10倍モル)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 917mg(1.92mmol)とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−1を灰色粉末として5.02g取得した(収率102%)。得られた目的物のHPLC純度は97.51%と低いものであった。トルエンで1回再結晶精製を行っても、HPLC純度は98.79%までしか向上しなかった。トルエン再結晶時の回収率は78%であった。なお、HPLC純度を99.9%以上に向上させるには、カラムクロマトグラフィーによる精製操作が必要であった。
比較例2
実施例8において、使用する酢酸パラジウムを216mg(Pd原子が0.962mmol、化合物C−5の使用量に対して0.10倍モル)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 917mg(1.92mmol)とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−7を灰色粉末として6.37g取得した(収率101%)。得られた目的物のHPLC純度は96.11%と低いものであった。トルエンで1回再結晶精製を行っても、HPLC純度は97.88%までしか向上しなかった。トルエン再結晶時の回収率は75%であった。なお、HPLC純度を99.9%以上に向上させるには、カラムクロマトグラフィーによる精製操作が必要であった。
比較例3
実施例11において、使用する酢酸パラジウムを216mg(Pd原子が0.962mmol、化合物C−7の使用量に対して0.10倍モル)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 917mg(1.92mmol)とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−10を灰色粉末として6.26g取得した(収率102%)。得られた目的物のHPLC純度は97.08%と低いものであった。トルエンで1回再結晶精製を行っても、HPLC純度は98.50%までしか向上しなかった。トルエン再結晶時の回収率は77%であった。なお、HPLC純度を99.9%以上に向上させるには、カラムクロマトグラフィーによる精製操作が必要であった。
比較例4
実施例16において、使用する酢酸パラジウムを216mg(Pd原子が0.962mmol、化合物C−9の使用量に対して0.10倍モル)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル 917mg(1.92mmol)とした以外は、同様の操作を行い、目的の化合物D−15を灰色粉末として7.76g取得した(収率102%)。得られた目的物のHPLC純度は97.24%と低いものであった。トルエンで1回再結晶精製を行っても、HPLC純度は98.79%までしか向上しなかった。トルエン再結晶時の回収率は79%であった。なお、HPLC純度を99.9%以上に向上させるには、カラムクロマトグラフィーによる精製操作が必要であった。
本発明によれば、従来必要であったカラムクロマトグラフィー操作を行うことなく、有機電界発光素子の構成成分として有用な高純度多置換環状アジン化合物を効率的に製造することができる。このため、本発明の製造方法は、多置換環状アジン化合物を工業的に製造する方法として非常に重要である。

Claims (1)

  1. 遷移金属化合物、ホスフィン化合物及び塩基の存在下、一般式(2)で表される環状アジン化合物
    Figure 0006032000
    (式中、Ar、Ar、及びArは、各々独立して、炭素数1〜40の一価の置換基を表す。Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。Yは、CH又は窒素原子を表す。)
    と一般式(3)で表されるボロン酸化合物
    Figure 0006032000
    (式中、Arは、炭素数1〜40の一価の置換基を表す。Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、2つのRは連結して酸素原子及びホウ素原子を含んだ環を形成していてもよい。)
    とを反応させる工程からなる一般式(1)
    Figure 0006032000
    (式中、Ar、Ar、Ar、及びArは、各々独立して、炭素数1〜40の一価の置換基を表す。Yは、CH又は窒素原子を表す。)
    で表される環状アジン化合物の製造法であって、{(遷移金属化合物中の遷移金属のモル数)÷(一般式(2)で表される化合物のモル数)}が0.00001〜0.001であることを特徴とする、一般式(1)で表される環状アジン化合物の製造方法。
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