JP2000007703A - カルボキシ多糖類の製造方法 - Google Patents

カルボキシ多糖類の製造方法

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JP2000007703A
JP2000007703A JP31466498A JP31466498A JP2000007703A JP 2000007703 A JP2000007703 A JP 2000007703A JP 31466498 A JP31466498 A JP 31466498A JP 31466498 A JP31466498 A JP 31466498A JP 2000007703 A JP2000007703 A JP 2000007703A
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ruthenium
carbon atoms
transition metal
acid
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English (en)
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Masabumi Jinpo
正文 神宝
Hisashi Sakaitani
ひさし 堺谷
Hidechika Wakabayashi
英親 若林
Toshiaki Kanzaki
利昭 神崎
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遷移金属を用いた酸化剤によるカルボキシ多糖
類ポリマーの製造において、反応混合物から遷移金属を
有効に分離させる方法を提供する。 【解決手段】反応混合物からキレート剤で遷移金属を分
離させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多糖類の酸化によ
り、カルボキシ多糖類を製造する方法に関する。本発明
により得られるカルボキシ多糖類は、スケール付着防止
剤、顔料分散剤、サイズ剤、コンクリート混和剤、洗剤
ビルダーとして好適に利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、洗剤ビルダーとして、アクリル酸
ポリマー又はアクリル酸/マレイン酸コポリマーが工業
的に製造されている。しかしながら、これら合成系ポリ
カルボン酸は、天然の高分子の化学構造としては一般的
でないビニル重合体構造からなるため、微生物による生
分解性がきわめて低いという問題点があることが知られ
ている。一方、多糖類を酸化カルボキシル化して製造さ
れたポリカルボン酸は生分解性が高いので、このポリカ
ルボン酸が、生分解性ビルダーとしてこの問題点の解決
に役立つことが期待される。
【0003】従来から、多糖類を酸化してカルボキシ多
糖類を製造する方法は種々知られており、例えば、特公
昭49−1281号公報には、過ヨウ素酸と亜塩素酸塩
の組み合わせ又は次亜塩素酸塩を使用して多糖類を酸化
する方法が開示されており、多糖類構成単位単糖のC2
位及びC3位を酸化して得られるジカルボキシデンプン
が洗剤ビルダー機能を有することが記載されている。ま
た、多糖類を酸化してトリカルボキシ多糖類を製造する
方法として、特公昭47−40552号公報及びチェコ
スロバキア特許235576号公報には、デンプンを過
ヨウ素酸塩でアルデヒド化した後、四酸化二窒素により
酸化カルボキシル化する方法が開示されている。しか
し、これらの公報に記載されている方法は、高価な過ヨ
ウ素酸塩を使用しなければならず工業的に適当ではなか
った。
【0004】特開平9−71601号公報には、ルテニ
ウム触媒の存在下、酸化剤として次亜塩素酸塩を用いて
デンプンをカルボキシル化することにより、トリカルボ
キシデンプンを製造する方法が開示されている。ここで
用いるルテニウムはきわめて高価な遷移金属であるた
め、トリカルボキシデンプン製造工程におけるルテニウ
ムの損失は厳しく制限される。しかしながら、本発明者
らが検討したところでは、上記方法により生成したトリ
カルボキシデンプンには一定量のルテニウムが含有さ
れ、このため、ルテニウムが損失され、また、生成した
トリカルボキシデンプンからルテニウムを除去する操作
を要するという問題がある。
【0005】デンプン等の多糖類を酸化することにより
生成したトリカルボキシ多糖類に含まれるルテニウムを
除去するためには、ルテニウム化合物を酸化して四酸化
ルテニウムとして蒸留又は有機溶媒で抽出する方法、ル
テニウム触媒を有機又は無機の担体に吸着させる方法、
常温でキレート剤を用いて抽出除去する方法がある。し
かしながらトリカルボキシ多糖類に含有される一定量の
ルテニウムはこれらの除去操作において不活性で、トリ
カルボキシ多糖類のルテニウム含有量を100ppm未
満に引き下げることはきわめて困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における上記したような課題を解決し、多糖類を酸
化してカルボキシ多糖類を製造する方法において、酸化
剤と組み合わせて用いられるルテニウム等の遷移金属を
有効に除去してカルボキシ多糖類を工業的に生産する方
法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多糖類の
酸化により生成したカルボキシ多糖類に含有される遷移
金属を除去する方法について鋭意検討した結果、反応混
合物をキレート剤で処理し、有機溶媒より遷移金属を有
効に除去できることを見いだし本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、多糖類を遷移金属化合物と酸化剤
の組み合わせにより酸化してカルボキシ多糖類を製造す
る方法において、反応混合物からキレート剤で遷移金属
を分離することを特徴とするカルボキシ多糖類の製造方
法である。
【0008】本発明でいうカルボキシ多糖類とは、多糖
類を構成する単糖ピラノース環のC6位の一級アルコー
ルもしくはエステルが平均10モル%以上酸化もしくは
加水分解されてカルボキシル基もしくはその塩に転化さ
れ、同時にピラノース環のC2、C3位が開裂し、C
2,C3位の二級アルコ−ルが10モル%以上酸化され
たカルボキシル基もしくはその塩に転化した構造からな
る、平均分子量で1,000〜100,000のトリカ
ルボキシ多糖類である。
【0009】本発明で使用される多糖類は、デンプン、
アミロース、アミロペクチン、ペクチン、プロトペクチ
ン、ペクチン酸などのα結合型多糖類及びセルロ−スな
どβ結合型多糖類である。反応の容易性からデンプンが
好ましい。デンプンとしては、トウモロコシデンプン、
バレイショデンプン、タピオカデンプン、小麦デンプ
ン、サツマイモデンプン、米デンプンなどが挙げられ、
これらを原料として低分子化させた水溶性デンプンも使
用できる。ここで、これらの原料は、反応濃度で0.1
〜80重量%、好ましくは1〜50重量%の範囲で使用
される。
【0010】本発明における多糖類の酸化は、遷移金属
化合物と酸化剤との組み合わせにより行われる。遷移金
属化合物としてはルテニウム化合物などが挙げられる。
本発明において使用するルテニウム化合物としては、ル
テニウム金属;二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウムな
どのルテニウム酸化物;ルテニウム酸ナトリウムなどの
ルテニウム酸塩;塩化ルテニウム、臭化ルテニウムなど
のハロゲン化ルテニウム;硝酸ルテニウム;硫酸ルテニ
ウム;酢酸ルテニウムなどのカルボン酸ルテニウム;ヘ
キサクロロルテニウム酸アンモニウム、ヘキサクロロル
テニウム酸カリウム、ペンタクロロアクアルテニウム酸
カリウム、ペンタクロロアクアルテニウム酸アンモニウ
ム、ペンタクロロニトロシルルテニウム酸カリウム、ヘ
キサアンミンルテニウム塩化物、ヘキサアンミンルテニ
ウム臭化物、ヘキサアンミンルテニウムヨウ化物、ニト
ロシルペンタアンミンルテニウム塩化物、ヒドロキソニ
トロシルテトラアンミンルテニウム硝酸塩、エチレンジ
アミン四酢酸ルテニウム、ルテニウムドデカカルボニウ
ムなどのルテニウム錯体が挙げられる。
【0011】さらに、ルテニウム金属を各種担体に担持
させたルテニウム担持物を使用することもできる。具体
的には、アルミナ担持ルテニウム、炭素担持ルテニウ
ム、シリカアルミナ担持ルテニウム、チタニア担持ルテ
ニウムなどが挙げられる。好ましいルテニウム化合物
は、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、ペンタクロロア
クアルテニウム酸カリウム、ペンタクロロアクアルテニ
ウム酸アンモニウムルテニウム酸ナトリウム、硝酸ルテ
ニウム、酢酸ルテニウム、ヘキサアンミンルテニウム塩
化物、ヘキサアンミンルテニウム臭化物、エチレンジア
ミン四酢酸ルテニウムに例示される水溶性ルテニウム化
合物である。これらルテニウム化合物の使用量は、原料
である多糖類の構成単糖単位1モルに対して0.000
01〜1.0倍モル、好ましくは、0.0001〜0.
1倍モルの範囲の触媒量である。
【0012】本発明において使用する酸化剤として、ハ
ロゲン、ハロゲン酸およびその塩類、酸素、過酸、過酸
化水素、過硫酸およびその塩、またはフェリシアン化塩
などが用いられる。具体的には塩素、臭素などのハロゲ
ン分子;一酸化ニ塩素、二酸化塩素、一酸化ニ臭素、二
酸化臭素などの酸化ハロゲン;過ヨウ素酸、過塩素酸な
どの過ハロゲン酸およびその塩;臭素酸、臭素酸などの
ハロゲン酸およびその塩;亜臭素酸、亜塩素酸などの亜
ハロゲン酸およびその塩;次亜臭素酸、次亜塩素酸など
の次亜ハロゲン酸およびその塩;酸素、過蟻酸、過酢
酸、過安息香酸などの過酸;クメンヒドロペルオキシ
ド、ベンジルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキ
シド;tert−ブチルベンジルオキシド、ジベンゾイ
ルオキシドなどのペルオキシド;ペルオキシ二硫酸など
の過硫酸およびその塩、カロー酸;フェリシアン化カリ
ウム、フェリシアン化ナトリウムなどのフェリシアン化
塩などが挙げられる。これらの酸化剤のうち、水溶性の
ハロゲン酸およびその塩が好ましい。また、その使用量
は原料に対して0.5〜10倍モルの範囲、好ましく
は、1.5〜8倍モルである。
【0013】本発明において反応溶媒は、通常水溶媒も
しくは水と酸化剤に安定な溶媒との混合溶媒が使用され
る。酸化剤に安定な溶媒として具体的には、酢酸などの
有機酸;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭素;ペンタン、ヘキサンなどのメタン
系飽和炭化水素;シクロヘキサンなどのパラフィン系炭
化水素が好ましい。また、水と不均一な混合溶媒になる
場合は、攪拌を十分行うことにより反応速度を上げるこ
とができる。
【0014】本発明では、多糖類、遷移金属化合物とし
て例えばルテニウム化合物、水溶媒もしくは水と酸化剤
に安定な溶媒との混合溶媒の混合物に攪拌しながら酸化
剤を徐々に添加して、高原子値ルテニウムを生成させな
がら、温度0〜100℃、pH1〜13で反応させる。
反応混合物には、生成したカルボキシ多糖類の他、ルテ
ニウム化合物、溶媒が含まれている。ここで、高原子価
ルテニウムとは、ルテニウム原子が+6、+7、+8価
の酸化ルテニウムのことである。
【0015】本発明における遷移金属の分離は、キレー
ト剤を用いる。抽出工程で水に不溶性の有機溶媒を用い
る場合は、1)反応混合物をキレート剤で処理する工
程、2)水に不溶性の有機溶媒により遷移金属を抽出除
去する工程からなり、水に可溶性の有機溶媒を用いる場
合は、1)反応混合物をキレート剤で処理する工程の
後、2)水に可溶性の有機溶媒を添加・抽出し、同時に
カルボキシ多糖類を沈殿化して分離する工程からなる。
【0016】本発明で用いるキレート剤は、遷移金属と
結合して塩又は錯体を形成するものであれば限定はされ
ない。キレート剤としては、N,N−配位型(金属原子
Mに対してN−M−Nで配位するキレート剤)、N,O
−配位型(同様にN−M−O)、O,O−配位型(同様
にO−M−O)、N,S−配位型(同様にN−M−
S)、S,S−配位型(同様にS−M−S)、S,O−
配位型(同様にS−M−O)などが挙げられる。N,N
−配位型のキレート剤として具体的には、α−ジオキシ
ム類(ジメチルグリオキシム、ベンジルジオキシム、フ
リルジオキシム、ニオキシム、シクロヘキサンジオンジ
オキシムなど)、2,2' −ビピリジン、ビピリジル類
(2,2' −ビピリジル)、フェナントロリン類(1,
10' −フェナントロリン、クプロイン、ネオクプロイ
ン、バソフェナントロリンなど)、フェニレンジアミン
類、ジフェニルカルバジド及びジフェニルカルバゾンな
どが挙げられる。N,O−配位型のキレート剤として
は、コンプレクソン類(EDTA、NTA、CDTAな
ど)、またはカルボン酸の代わりにホスホン酸が入った
ポリアミノホスホン酸類(EDTMP、PDTMPな
ど)、オキシン(8−ヒドロキシルキノリン)類(ジク
ロル、ジブロム、ジヨードなどのハロゲン化誘導体、メ
チルオキシンなどのアルキル化誘導体など)、オキシム
類(ピリジン−2−アルドキシム、シクロヘキサノンオ
キシム、サリチルアルドキシム、α−ベンゾインオキシ
ムなど)、アントラニル酸、キナルジン酸、キノリン−
8−カルボン酸、α−ニトロソ−β−ナフトール、β−
ニトロソ−α−ナフトール、ニトロソR塩(1−ニトロ
ソ−2−オキシ−3,6−ナフタリンジスルホン酸)、
o−ヒドロシアゾまたはo,o' −ジヒドロシアゾの骨
格構造を有するキレート剤(カルコン、ピリジルアゾレ
ゾルシン、トリン、ジンコンなど)などが挙げられる。
O,O−配位型キレート剤としては、クペロン(N−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミン塩)、ネオクペロン
(N−ニトロソナフチルヒドロキシルアミンアンモニウ
ム塩)、N−ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミン、
β−ジケトン類(アセチルアセトン、テノイルトリフル
オロアセトン、ジベンゾイルメタン、トリフルオルアセ
チルアセトンなど)、タイロン、フェニルフルオロン、
アリザリン、モリン、キナリザリン、ヘマトキシリン、
スチルバゾ、ピロカテコールバイオレット、サリチル酸
類(スルホサリチル酸、レゾルシル酸、p−アミノサリ
チル酸、クロモトロープ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、アルミノン
など)、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒドなどが
挙げられる。N,S−配位型キレート剤としては、ジチ
ゾン、キノリン類のチオオキシン(8−メルカプトキノ
リン)、2−チオ−イミダゾリジン類のエチレンチオ尿
素などが挙げられる。S,S−配位型キレート剤として
は、トルエン−3,4−ジチオール、ジアルキルジチオ
カルバミン酸塩(ジメチルジチオカルバミン酸Na、ジ
エチルジチオカルバミン酸Na、ジベンジルジチカルバ
ミン酸Naなど)、2−メルカプトベンゾチアゾール、
ビスムチオールII(3−フェニル−5−メルカプト−
1,3,4−チオジアゾール−2−チオン)、ルベアン
酸塩、キサントゲン酸塩、チオナリドなどが挙げられ
る。S,O−配位型キレート剤としては、3−メルカプ
ト−4−ヒドロキシトルエンなどが挙げられる。
【0017】本発明では、まず、キレート剤の存在下、
遷移金属及びカルボキシ多糖類を含む水溶液を高温で処
理する。処理温度は、60〜140℃であり、好ましく
は80〜120℃である。温度が低いと遷移金属の抽出
効率を高めるのに長時間を要し、温度が高いとカルボキ
シ多糖類の分解を引き起こす。高温処理の時間は処理条
件等により異なるが、5分〜12時間、好ましくは30
分〜8時間である。高温処理を行う際、加圧・減圧の操
作を行うことによって、温度、処理時間などを変えるこ
とができる。また、キレート剤添加時に酸化剤、還元剤
を添加することによって遷移金属の除去率を高めること
が可能である。酸化剤としてはハロゲン、ハロゲン酸及
びその塩、次亜ハロゲン酸塩、過酢酸などの過酸、過酸
化水素などの過酸化物、過硫酸及びその塩などで代表さ
れる一般的な酸化剤を用いることができる。還元剤とし
ては、亜硫酸塩、ヒドラジン塩、ヒドロキシルアミン
塩、低級アルコール(メタノール、エタノール、2−プ
ロパノール)などに代表される一般的な還元剤を用いる
ことができる。
【0018】上記キレート剤による処理の後に行う遷移
金属の分離において水に不溶性の有機溶媒を用いる場
合、好ましいキレート剤は、分子内に少なくとも1個の
イオウ原子を含有するキレート剤であり、より好ましく
は、一般式R1 2 N−C(=S)−SM(R1 及びR
2 はそれぞれ水素、炭素数1〜10のアルキル基又は炭
素数6〜14のアリール基、Mは金属元素)で表わされ
るジチオカルバミン酸塩及び一般式R3 −O−C(=
S)−SM(R3 は、炭素数1〜10のアルキル基又は
炭素数6〜14のアリール基、Mは金属元素)で表され
るジチオカルボン酸塩である。ジチオカルボン酸塩とし
ては、エチルキサントゲン酸カリウムなどが挙げられ
る。最も好ましいキレート剤は、ジアルキルジチオカル
バミン酸塩であり、具体的にはジメチルジチオカルバミ
ン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム及びジブチルジチオカルバミン酸ナトリウムが例示さ
れる。これらキレート剤は各種金属塩としても用いる事
ができるが、交換反応等により他の金属に置換されるた
め、アルカリ金属塩または金属フリーの形態で用いる事
が好ましい。またこれらキレート剤はハロゲン化、アル
キル化、ヒドロキシル化等を行っても使用する事が可能
である。
【0019】水に不溶性の有機溶媒としては、脂肪族炭
化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、炭素数
4以上のアルコール、炭素数4以上のケトン、炭素数4
以上のエステル、炭素数4以上のエーテル等が挙げられ
る。これら有機溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種
以上混合して用いてもよい。水に不溶性の有機溶媒とし
ては、遷移金属及びカルボキシ多糖類を含む水溶液との
比重差が大きく、粘度の低い有機溶媒又はその組合せが
好ましい。
【0020】上記有機溶媒は、キレート剤の存在下に遷
移金属及びカルボキシ多糖類を含む水溶液を加熱した
後、この混合物に加える。水溶液の高温処理温度を十分
に高く出来るならば、キレート剤の存在下に遷移金属及
びカルボキシ多糖類を含む水溶液を高温処理する際に、
同時に又は高温処理以前に有機溶媒を加えておいても良
い。キレート剤存在下での高温処理及び有機溶媒による
抽出におけるpHに制限はないが、好ましくは中性から
アルカリ性で行われる。
【0021】水溶液と有機溶媒を混合後、分液する。水
溶液と有機溶媒との混合には、単段又は多段のミキサー
セトラー、インラインミキサー、RDCなどの公知の抽
出装置を使用することができる。加熱・抽出操作を繰り
返すことも遷移金属の除去率を高める上で有効である。
以上の方法により、トリカルボキシ多糖類からルテニウ
ムがppmレベルの低濃度にまで除去することが可能に
なり、精製されたトリカルボキシ多糖類の水溶液が得ら
れる。
【0022】一方、上記キレート剤による処理の後に行
う遷移金属の分離において水に可溶性の有機溶媒を用い
る場合、好ましいキレート剤は、一般式R4 5 C=N
OH(R4 及びR5 はそれぞれ水素、炭素数1〜10の
アルキル基又は炭素数6〜14のアリール基又はピリジ
ル基)で表されるオキシム類、一般式HON=CR6
CR7 =NOH(R6 ,R7 はそれぞれ水素、炭素数1
〜10のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基又は
ピリジル基)で表されるα−ジオキシム類、ビピリジル
類、フェナントロリン類、キノリン類、アミノナフタリ
ン類;フェニレンジアミン類;ベンゾチアゾール類;2
−チオ−イミダゾリジン類及びルベアン酸である。具体
的には、オキシム類として、ピリジン−2−アルドキシ
ム、シクロヘキサンオキシムなど、α−ジオキシム類と
してジメチルグリオキシム、α−ベンジルジオキシム、
α−フリルジオキシムなどが挙げられ、ビピリジル類と
して2,2' −ビピリジル、タ−ピリジンなどが挙げら
れ、フェナントロリン類として1,10' −フェナント
ロリン、ネオクプロイン、バソフェナントロリンなどが
挙げられ、キノリン類として8−ヒドロキシキノリン
(オキシン)、8−メルカプトキノリンなどが挙げら
れ、アミノナフタリン類として、1,8−ジアミノナフ
タリンなど、フェニレンジアミン類としてフェニレンジ
アミンなどが挙げられ、ベンゾチアゾール類として2−
メルカプトベンゾチゾールなどが挙げられ、2−チオ−
イミダゾリジン類としてエチレンチオ尿素などを例示す
ることができるがこれらの例に限定されない。
【0023】これらのキレート剤は、各種金属塩として
用いることができるが、交換反応等により他の金属に置
換されるため金属フリーの形態で用いることが好まし
い。また、これらのキレート剤は、ヒドロキシル化等を
行っても使用することができる。これらのキレート剤の
量は特に制限はないがカルボキシ多糖類中の遷移金属の
0.1から100,000倍モル量が好ましい。
【0024】水溶性の有機溶媒としてはカルボキシ多糖
類に対して貧溶媒であれば限定されないが、遷移金属と
キレート剤の錯体(錯塩)を溶解するものが好ましく、
メタノール、エタノール、2−プロパノールに代表され
る低級アルコール、アセトン、アセトニトリルなどの水
溶性有機溶媒が特に好ましい。
【0025】水溶性の有機溶媒は、キレート剤の存在下
に遷移金属及びカルボキシ多糖類を含む水溶液を加熱し
た後、この混合物に加えるか、もしくは、この混合物を
有機溶媒に加えてもよい。使用する有機溶媒の量は、特
に制限はないが、キレート剤・遷移金属・カルボキシ多
糖類の混合物の0.05〜100倍容量が好ましく、
0.1〜10倍容量がさらに好ましい。キレート剤存在
下での高温処理及び水溶性有機溶媒による抽出時の反応
液のpHに制限はないが、好ましくは中性からアルカリ
性で行われる。
【0026】遷移金属の除去率を高めるためキレート剤
存在下での高温処理、水溶性有機溶媒抽出及び沈殿物分
離の操作を繰り返すことは有効である。この方法によ
り、これまでの水に不溶性の有機溶媒による抽出工程を
用いることなくトリカルボキシ多糖類からルテニウムを
ppmレベルの低濃度にまで除去することが可能にな
り、精製されたトリカルボキシ多糖類を得ることができ
る。
【0027】
【実施例】本発明を実施例により詳しく説明する。なお
本発明は実施例に限定されるものではない。
【0028】実施例1 攪拌機、温度計及びポンプを備えた300ml容丸底パ
イレックスフラスコに水50ml、トウモロコシデンプ
ン2g及び塩化ルテニウム20mgを入れ、攪拌しなが
ら、冷水浴で20℃に冷却した。この混合物にデンプン
の5倍モル量の6.7重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を4.5時間かけて添加した。反応液のpHは、水酸
化ナトリウム水溶液で4.0に制御した。
【0029】反応終了後、四酸化ルテニウムを四塩化炭
素100mlで3回抽出して除去した。抽出後の反応液
を水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調整し、これ
に2倍容量のメタノールを加え白色沈澱物を得た。沈澱
物を水に溶解しメタノールを加えて沈殿させる操作を2
回繰り返して得た白色生成物を60℃、5時間真空乾燥
して2.1gの生成物Aを得た。
【0030】生成物Aを13C−NMR、IR及びICP
によって分析したところ、生成物は、原料トウモロコシ
デンプンを構成するグルコピラノース単位のC6位の一
級アルコ−ルが100モル%カルボキシル基に酸化され
ていると同時にC2−C3位が開裂し、C2、C3位の
二級アルコ−ルが55モル%カルボキシル基に酸化され
たトリカルボキシデンプンナトリウム塩であり、そのル
テニウム含量は320ppmであった。
【0031】生成物A1.0gを100gの水に溶解
し、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム1.0gを
加え、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた100m
l容四ツ口パイレックスフラスコ中、96℃で2時間加
熱した。常温に冷却後、分液ロートに移し、酢酸エチル
50gで3回抽出した。水相を濃縮し、メタノールを加
え、トリカルボキシデンプンをそのナトリウム塩として
回収した。回収したトリカルボキシデンプンナトリウム
塩に含まれるルテニウムをICPで分析したところ、2
3ppm(ルテニウム除去率92%)であった。
【0032】実施例2 ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム1.0gを加え
た後、96℃で2時間加熱する操作の代わりに60℃で
2時間撹拌する操作を行なった以外は、実施例1と同様
にして抽出操作を行なった。回収したトリカルボキシデ
ンプンナトリウム塩に含まれるルテニウムをICPで分
析したところ、95ppm(ルテニウム除去率70%)
であった。
【0033】実施例3 実施例1で得た生成物A5.0gを100gの水に溶解
し、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム0.5gを
加え、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた100m
l容四ツ口パイレックスフラスコ中、94℃で2時間加
熱した。冷却後、分液ロートに移し、クロロホルム77
gで1回抽出した。水相を濃縮し、メタノールを加えて
トリカルボキシデンプンをそのナトリウム塩として回収
した。回収したトリカルボキシデンプンナトリウム塩中
のルテニウム含量は、15ppm(ルテニウム除去率9
5%)であった。
【0034】実施例4 実施例1で得た生成物A1.0gを100gの水に溶解
し、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム1.0gを
加え、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた100m
l容四ツ口パイレックスフラスコ中、96℃で2時間加
熱した。冷却後、分液ロートに移し、クロロホルム50
gで1回抽出した。水相にジエチルジチオカルバミン酸
ナトリウムを加え、加熱後、抽出する操作を2回繰り返
し、水相を濃縮し、メタノールを加えてトリカルボキシ
デンプンをそのナトリウム塩として回収した。回収した
トリカルボキシデンプンナトリウム塩中のルテニウム含
量は、1.5ppm(ルテニウム除去率99.5%)で
あった。
【0035】実施例5 実施例1で得た生成物A5.0gを100gの水に溶解
し、エチルキサントゲン酸カリウム0.5gを加え、攪
拌機、温度計及び還流冷却器を備えた100ml容四ツ
口パイレックスフラスコ中、94℃で2時間加熱した。
冷却後、分液ロートに移し、クロロホルム77gで1回
抽出した。水相を濃縮し、メタノールを加えてトリカル
ボキシデンプンをそのナトリウム塩として回収した。回
収したトリカルボキシデンプンナトリウム塩中のルテニ
ウム含量は、22ppm(ルテニウム除去率93%)で
あった。
【0036】実施例6 実施例1で得た生成物A5.0gを100gの水に溶解
し、オキシン(8−ヒドロキシキノリン)0.5gを加
え、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた100ml
容四ツ口パイレックスフラスコ中、94℃で2時間加熱
した。冷却後、分液ロートに移し、クロロホルム77g
で1回抽出した。水相を濃縮し、メタノールを加えてト
リカルボキシデンプンをそのナトリウム塩として回収し
た。回収したトリカルボキシデンプンナトリウム塩中の
ルテニウム含量は、43ppm(ルテニウム除去率86
%)であった。
【0037】実施例7 実施例1で得た生成物A5.0gを100gの水に溶解
し、1,10−フェナントロリン0.5gと塩酸ヒドロ
キシルアミン0.5gを加え、攪拌機、温度計及び還流
冷却器を備えた100ml容四ツ口パイレックスフラス
コ中、94℃で2時間加熱した。冷却後、分液ロートに
移し、ニトロベンゼン77gで1回抽出した。水相を濃
縮し、メタノールを加えてトリカルボキシデンプンをそ
のナトリウム塩として回収した。回収したトリカルボキ
シデンプンナトリウム塩中のルテニウム含量は、29p
pm(ルテニウム除去率91%)であった。
【0038】実施例8 実施例1で得た生成物A5.0gを100gの水に溶解
し、チオオキシン(8−メルカプトキノリン)0.5g
を加え、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた100
ml容四ツ口パイレックスフラスコ中、94℃で2時間
加熱した。冷却後、分液ロートに移し、クロロホルム7
7gで1回抽出した。水相を濃縮し、メタノールを加え
てトリカルボキシデンプンをそのナトリウム塩として回
収した。回収したトリカルボキシデンプンナトリウム塩
中のルテニウム含量は、15ppm(ルテニウム除去率
95%)であった。
【0039】実施例9 撹拌機、温度計及びポンプを備えた300ml容丸底パ
イレックスフラスコに水50ml、トウモロコシデンプ
ン2g及び塩化ルテニウム20mgを入れ、撹拌しなが
ら、冷水浴で20℃に冷却した。この混合物にデンプン
の5倍モル量の6.7重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を4.5時間かけて添加した。反応液のpHは、水酸
化ナトリウム水溶液で4.0に制御した。
【0040】反応終了後、四酸化ルテニウムを四塩化炭
素100mlで5回抽出して除去した。抽出後の反応液
を水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調整し、これ
に2倍容量のメタノールを加え白色沈澱物を得た。沈澱
物を水に溶解しメタノールを加えて沈殿させる操作を2
回繰り返して得た白色生成物を60℃、5時間真空乾燥
して2.1gの生成物Aを得た。
【0041】生成物Aを13C−NMR、IR及びICP
によって分析したところ、生成物は、原料トウモロコシ
デンプンを構成するグルコピラノース単位のC6位の一
級アルコ−ルが100モル%カルボキシル基に酸化され
ていると同時にC2−C3位が開裂し、C2、C3位の
二級アルコ−ルが55モル%カルボキシル基に酸化され
たトリカルボキシデンプンナトリウム塩であり、そのル
テニウム含量は210ppmであった。
【0042】生成物A1.0gを20gの水に溶解し、
シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gを加え、撹拌
機、温度計及び還流冷却器を備えた100ml容四ツ口
パイレックスフラスコ中、96℃で2時間加熱した。常
温に冷却後、40mlのメタノールを加え、トリカルボ
キシデンプンをそのナトリウム塩として回収した。回収
したトリカルボキシデンプンナトリウム塩に含まれるル
テニウムをICPで分析したところ、6ppm(ルテニ
ウム除去率97%)であった。
【0043】実施例10 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gを加えた後、
96℃で2時間加熱する操作の代わりに60℃で2時間
攪拌する操作を行なった以外は、実施例9と同様にして
抽出操作を行なった。回収したトリカルボキシデンプン
ナトリウム塩に含まれるルテニウムをICPで分析した
ところ、95ppm(ルテニウム除去率55%)であっ
た。
【0044】実施例11 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりにシ
クロヘキサノンオキシム0.1gを加えた以外は、実施
例9と同様に加熱、抽出操作を行なった。回収したトリ
カルボキシデンプンナトリウム塩に含まれるルテニウム
をICPで分析したところ、27ppm(ルテニウム除
去率87%)であった。
【0045】実施例12 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりにジ
メチルグリオキシム0.1gを加えた以外は、実施例9
と同様に加熱、抽出操作を行なった。回収したトリカル
ボキシデンプンナトリウム塩に含まれるルテニウムをI
CPで分析したところ、8ppm(ルテニウム除去率9
6%)であった。
【0046】実施例13 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりにα
−フリルジオキシム0.1gを加えた以外は、実施例9
と同様に加熱、抽出操作を行なった。回収したトリカル
ボキシデンプンナトリウム塩に含まれるルテニウムをI
CPで分析したところ、10ppm(ルテニウム除去率
95%)であった。
【0047】実施例14 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりに
2,2'−ビピリジル0.1gを加えた以外は、実施例
9と同様に加熱、抽出操作を行なった。回収したトリカ
ルボキシデンプンナトリウム塩に含まれるルテニウムを
ICPで分析したところ、30ppm(ルテニウム除去
率86%)であった。
【0048】実施例15 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりに
1,10'−フェナントロリン0.1gを加えた以外
は、実施例9と同様に加熱、抽出操作を行なった。回収
したトリカルボキシデンプンナトリウム塩に含まれるル
テニウムをICPで分析したところ、20ppm(ルテ
ニウム除去率90%)であった。
【0049】実施例16 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりにオ
キシン0.1gを加えた以外は、実施例9と同様に加
熱、抽出操作を行なった。回収したトリカルボキシデン
プンナトリウム塩に含まれるルテニウムをICPで分析
したところ、10ppm(ルテニウム除去率95%)で
あった。
【0050】実施例17 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりに8
−メルカプトキノリン0.1gを加えた以外は、実施例
9と同様に加熱、抽出操作を行なった。回収したトリカ
ルボキシデンプンナトリウム塩に含まれるルテニウムを
ICPで分析したところ、8ppm(ルテニウム除去率
96%)であった。
【0051】実施例18 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりにジ
アミノナフタリン0.1gを加えた以外は、実施例9と
同様に加熱、抽出操作を行なった。回収したトリカルボ
キシデンプンナトリウム塩に含まれるルテニウムをIC
Pで分析したところ、14ppm(ルテニウム除去率9
3%)であった。
【0052】実施例19 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりにフ
ェニレンジアミン0.1gを加えた以外は、実施例9と
同様に加熱、抽出操作を行なった。回収したトリカルボ
キシデンプンナトリウム塩に含まれるルテニウムをIC
Pで分析したところ、19ppm(ルテニウム除去率9
1%)であった。
【0053】実施例20 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりに2
−メルカプトベンゾチアゾール0.1gを加えた以外
は、実施例9と同様に加熱、抽出操作を行なった。回収
したトリカルボキシデンプンナトリウム塩に含まれるル
テニウムをICPで分析したところ、33ppm(ルテ
ニウム除去率84%)であった。
【0054】実施例21 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりにエ
チレンチオ尿素0.1gを加えた以外は、実施例9と同
様に加熱、抽出操作を行なった。回収したトリカルボキ
シデンプンナトリウム塩に含まれるルテニウムをICP
で分析したところ、35ppm(ルテニウム除去率83
%)であった。
【0055】実施例22 シクロヘキサンジオンジオキシム0.1gの代わりにル
ベアン酸0.1gを加えた以外は、実施例9と同様に加
熱、抽出操作を行なった。回収したトリカルボキシデン
プンナトリウム塩に含まれるルテニウムをICPで分析
したところ、21ppm(ルテニウム除去率90%)で
あった。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、遷移金属及びカルボキ
シ多糖類を含む水溶液から遷移金属を100ppm未満
の低濃度にまで除去できる。本発明の方法は、ルテニウ
ム触媒に関わる損失を低減し、精製されたトリカルボキ
シ多糖類又はその塩を工業的に製造する方法として重要
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神崎 利昭 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多糖類を遷移金属化合物と酸化剤の組み
    合わせにより酸化してカルボキシ多糖類を製造する方法
    において、反応混合物からキレート剤で遷移金属を分離
    することを特徴とするカルボキシ多糖類の製造方法。
  2. 【請求項2】 遷移金属の分離が、1)反応混合物をキ
    レート剤で処理する工程、2)水に不溶性の有機溶媒に
    より遷移金属を抽出除去する工程からなる請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 キレート剤が、一般式R1 2 N−C
    (=S)−SM(R1及びR2 は水素、炭素数1〜10
    のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基、Mは金
    属元素)で表されるジチオカルバミン酸塩である請求項
    2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 キレート剤が、一般式R3 −O−C(=
    S)−SM(R3 は炭素数1〜10のアルキル基又は炭
    素数6〜14のアリール基、Mは金属元素)で表される
    ジチオカルボン酸塩である請求項2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 遷移金属の分離が、1)反応混合物をキ
    レート剤で処理する工程、2)水に可溶性の有機溶媒を
    添加・抽出し、同時にカルボキシ多糖類を沈殿化して分
    離する工程からなる請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 キレート剤が一般式R4 5 C=NOH
    (R4 及びR5 はそれぞれ水素、炭素数1〜10のアル
    キル基、炭素数6〜14のアリール基又はピリジル基)
    で表されるオキシム類である請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 キレート剤が一般式HON=CR6 −C
    7 =NOH(R6,R7 はそれぞれ水素、炭素数1〜
    10のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基又は
    ピリジル基)で表されるジオキシム類である請求項5記
    載の製造方法。
  8. 【請求項8】 キレート剤がビピリジル類、フェナント
    ロリン類、キノリン類、アミノナフタリン類、フェニレ
    ンジアミン類、ベンゾチアゾール類、2−チオ−イミダ
    ゾリジン類及びルベアン酸である請求項5記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 キレート剤による処理温度が60〜12
    0℃である請求項1記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 遷移金属化合物がルテニウム化合物で
    ある請求項1記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 カルボキシ多糖類がトリカルボキシデ
    ンプン、トリカルボキシアミロ−ス、トリカルボキシア
    ミロペクチン、トリカルボキシペクチン、トリカルボキ
    シプロトペクチン、トリカルボキシペクチン酸又はトリ
    カルボキシセルロースである請求項1記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4816835A (en) * 1986-09-05 1989-03-28 Matsushita Electric Works, Ltd. Planar antenna with patch elements
JP2011068766A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Kao Corp 黒ずみ汚れ防止剤
JP2011068767A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Kao Corp 黒ずみ汚れ防止剤
JP2015074721A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 東ソー株式会社 アリールアミン化合物の製造方法

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JP2011068766A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Kao Corp 黒ずみ汚れ防止剤
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