JP2000159803A - カルボキシ多糖類の製造方法 - Google Patents

カルボキシ多糖類の製造方法

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JP2000159803A
JP2000159803A JP10341923A JP34192398A JP2000159803A JP 2000159803 A JP2000159803 A JP 2000159803A JP 10341923 A JP10341923 A JP 10341923A JP 34192398 A JP34192398 A JP 34192398A JP 2000159803 A JP2000159803 A JP 2000159803A
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Hisashi Sakaitani
ひさし 堺谷
Toshiaki Kanzaki
利昭 神崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ルテニウム化合物を用いた酸化剤によるカルボ
キシ多糖類ポリマーの製造において、反応混合物からル
テニウム化合物を有効に分離させる方法を提供する。 【解決手段】反応混合物から有機溶媒により抽出したル
テニウム化合物を、さらに酸性溶液で抽出することによ
って、水溶液として分離回収し、反応に再使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多糖類の酸化によ
り、カルボキシ多糖類又はその塩を製造する方法に関す
る。本発明により得られるカルボキシ多糖類又はその塩
は、スケール付着防止剤、顔料分散剤、サイズ剤、コン
クリート混和剤、洗剤ビルダーとして好適に利用でき
る。
【0002】
【従来の技術】洗剤ビルダーとして、アクリル酸ポリマ
ー又はアクリル酸/マレイン酸コポリマーが工業的に製
造されている。しかしながら、これら合成系ポリカルボ
ン酸は、天然の高分子の化学構造としては一般的でない
ビニル重合体構造からなるため、微生物による生分解性
がきわめて低いという問題点が知られている。多糖類を
酸化カルボキシル化して製造されたポリカルボン酸が、
生分解性ビルダーとしてこの問題点の解決に役立つこと
が期待される。
【0003】特開平9−71601号公報には、ルテニ
ウム触媒の存在下、次亜塩素酸塩を用いてデンプンをカ
ルボキシル化する方法が開示されている。ここで用いる
ルテニウムはきわめて高価な遷移金属であるため、カル
ボキシ多糖類製造工程におけるルテニウムの損失は厳し
く制限されるとともに、その回収、再使用が強く望まれ
る。
【0004】前記公報では、反応溶液を亜硫酸塩等の還
元剤で処理することにより沈殿物を生成せしめ、これを
濾別することにより得られる生成物ポリカルボン酸の色
調が改善されることが記載されているが、具体的なルテ
ニウムの回収及び再使用の記述はされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多糖
類を酸化してカルボキシ多糖類を製造する方法におい
て、酸化剤と組み合わせて用いられる遷移金属を反応混
合溶液中から簡便かつ有効に回収し、再使用することよ
りなるカルボキシ多糖類を工業的に生産する方法の提供
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決する方法を検討した結果、有機溶媒により抽出
したルテニウム化合物をさらに酸性溶液で抽出すること
によって、水溶液として分離回収し、再使用できること
を見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、多糖類をルテニウム化合
物と酸化剤の組み合わせにより酸化してカルボキシ多糖
類を製造する方法において、(1)反応後の混合溶液に
酸化剤を添加しルテニウムを高酸化状態にし、(2)水
に不溶な有機溶媒でルテニウムを抽出し、(3)酸性溶
液により有機溶媒中からルテニウムを抽出し、(4)回
収したルテニウムを多糖類の酸化に再使用することを特
徴とするカルボキシ多糖類の製造方法に関するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用される多糖類は、デ
ンプン、アミロース、アミロペクチン、ペクチン、プロ
トペクチン、ペクチン酸などのα結合型多糖類及びセル
ロースなどβ結合型多糖類である。反応の容易性、入手
の容易性からデンプンが好ましい。デンプンとしては、
トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、タピオカ
デンプン、小麦デンプン、サツマイモデンプン、米デン
プンなどが挙げられ、これらを原料として低分子化させ
た水溶性デンプンも使用できる。ここで、これらの原料
は反応液中濃度で0.1〜80重量%、好ましくは1〜
50重量%の範囲で使用される。
【0009】本発明のカルボキシ多糖類は、多糖類を構
成する単糖ピラノース環のC6位の一級アルコールもし
くはエステルが平均10モル%以上酸化もしくは加水分
解されてカルボキシル基もしくはその塩に転化され、同
時にピラノース環のC2、C3位が開裂し、C2、C3
位の二級アルコールが10モル%以上酸化されたカルボ
キシル基もしくはその塩に転化した構造からなる平均分
子量で1,000〜100,000のトリカルボキシ多
糖類である。
【0010】本発明の酸化は、ルテニウム化合物と酸化
剤との組み合わせで行われる。この高酸化状態ルテニウ
ム化合物は、ルテニウム化合物と酸化剤で生成させるこ
とができる。本発明において使用するルテニウム化合物
には、ルテニウム金属;二酸化ルテニウム、四酸化ルテ
ニウムなどのルテニウム酸化物;ルテニウム酸ナトリウ
ムなどのルテニウム酸塩;塩化ルテニウムなどのハロゲ
ン化ルテニウム;硝酸ルテニウム;硫酸ルテニウム;酢
酸ルテニウムなどのカルボン酸ルテニウム;ヘキサクロ
ロルテニウム酸アンモニウム、ヘキサクロロルテニウム
酸カリウム、ペンタクロロアクアルテニウム酸アンモニ
ウム、ペンタクロロアクアルテニウム酸カリウム、ヘキ
サアンミンルテニウム塩化物、ヘキサアンミンルテニウ
ム臭化物、ヘキサアンミンルテニウムヨウ化物、ニトロ
シルペンタアンミンルテニウム塩化物、ヒドロキソニト
ロシルテトラアンミンルテニウム硝酸塩、エチレンジア
ミン四酢酸ルテニウム、ルテニウムドデカカルボニルな
どのルテニウム錯体が挙げられる。これらルテニウム化
合物の使用量は、原料多糖類の構成単位1モルに対して
0.00001〜1.0倍モル、好ましくは0.000
1〜0.1倍モルの範囲の触媒量である。
【0011】本発明における反応でルテニウム化合物と
組み合わせる酸化剤および酸化後の反応液に転化する酸
化剤としては、ハロゲン、ハロゲン酸およびその塩類、
酸素、過酸、過酸化水素、過硫酸およびその塩、並びに
フェリシアン化塩からなる群から選ばれる少なくとも一
種が用いられる。具体的には塩素、臭素などのハロゲン
分子;一酸化二塩素、二酸化塩素、一酸化二臭素などの
酸化ハロゲン;過ヨウ素酸、過塩素酸などの過ハロゲン
酸およびその塩;臭素酸、塩素酸などのハロゲン酸およ
びその塩;亜臭素酸、亜塩素酸などの亜ハロゲン酸およ
びその塩;次亜臭素酸、次亜塩素酸などの次亜ハロゲン
酸およびその塩;酸素、過蟻酸、過酢酸、過安息香酸な
どの過酸;クメンヒドロペルオキシド、ベンジルヒドロ
ペルオキシドなどのヒドロペルオキシド;tert−ブ
チルベンジルオキシド、ジベンゾイルなどのペルオキシ
ド;ペルオキシ二硫酸などの過硫酸およびその塩、カロ
ー酸;フェリシアン化カリウム、フェリシアン化ナトリ
ウムなどのフェリシアン化塩などが挙げられる。これら
の酸化剤のうち、水溶性のハロゲン酸およびその塩が好
ましい。これらの酸化剤の使用量は、酸化反応では、原
料に対して1.0〜10倍モルの範囲、好ましくは、
1.5〜8倍モルである。
【0012】本発明の反応溶媒は、通常水溶媒または水
と酸化剤に安定な溶媒との混合溶媒が使用される。酸化
剤に安定な反応溶媒として具体的には、酢酸などの有機
酸;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどの
ハロゲン化炭素;ペンタン、ヘキサンなどのメタン系飽
和炭化水素;シクロヘキサンなどのパラフィン系炭化水
素が挙げられる。これらの溶媒のうち有機酸、ハロゲン
化炭化水素、パラフィン系飽和炭化水素が好ましい。ま
た、水と不均一な混合溶媒になる場合は、攪拌を十分に
行うことにより反応速度を上げることができる。
【0013】本発明の反応は、多糖類、ルテニウム及び
水溶媒もしくは水と酸化剤に安定な溶剤との混合溶媒の
混合物に攪拌しながら酸化剤を徐々に添加して、高酸化
状態のルテニウムを生成させながら、温度0〜100
℃、pH1〜13で反応させる。反応混合物には、生成
したカルボキシ多糖類の他、ルテニウム化合物、溶媒な
どが含まれる。
【0014】本発明におけるルテニウムの回収は、有機
溶媒を用いる抽出と酸性溶液による抽出との組み合わせ
による。詳しくは反応終了後の溶液を1)酸化剤を添加し
てルテニウムを高酸化状態にする工程、2)水に不溶な有
機溶媒により高酸化状態のルテニウムを抽出する工程、
3)抽出したルテニウムを酸性溶液により抽出し回収する
工程からなり、得られたルテニウム水溶液は多糖類の酸
化に再使用される。上記工程について具体的に説明す
る。
【0015】第1工程 本工程は、第2工程の抽出工程に先立って反応終了付近
で、酸化剤を更に添加することによってルテニウムの存
在化学種をできるだけ多く高酸化状態の四酸化ルテニウ
ムにして抽出効率を上げるための工程である。ここで使
用する酸化剤の種類は反応で用いる酸化剤と同一種でも
他の種類でも良く、特に制限はないが反応後の処理を考
慮に入れると同一種の酸化剤の使用が好ましい。また、
この使用量は、含有ルテニウム量に対して1.0〜10
倍モルの範囲、好ましくは、1.2〜5倍モルの範囲で
ある。また、反応後に酸化剤を添加する際のpHは、反
応終了時のpH1〜13をそのまま用いることができる
が、添加する酸化剤及び生成する四酸化ルテニウムの安
定性の点から好ましくはpH2〜13、より好ましくは
pH4〜10に調整した後に酸化剤を添加するのが望ま
しい。
【0016】第2工程 第1工程で生成させた四酸化ルテニウムを有機溶媒によ
り抽出する工程である。抽出は、第1工程の水溶液と有
機溶媒を混合後、分液することにより行われる。水溶液
と有機溶媒との混合・分液には単段または多段のミキサ
ーセトラー、抽出塔などの公知な抽出装置を使用するこ
とができる。抽出溶媒としては生成させた四酸化ルテニ
ウムに安定であると共に、水に不溶な溶媒であることが
必要である。具体的には、パーフルオロヘプタン、パー
フルオロペンタン、パーフルオロメチルシクロヘキサン
などのフッ素化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、ジク
ロロメタンなどの塩素化炭素などのハロゲン化炭化水
素、ペンタン、ヘキサンなどのメタン系飽和炭化水素;
シクロヘキサン、流動パラフィンなどのパラフィン系炭
化水素が好ましい。これらの抽出溶媒は精製品でも未精
製品でも使用することができる。また、抽出温度は、高
温ほど抽出速度が早くなるが四酸化ルテニウムの揮発性
などの物性から、通常、常圧においては0〜100℃、
好ましくは、10〜80℃である。
【0017】第3工程 本工程は、有機溶剤中に抽出されたルテニウムを、酸性
溶液に抽出して回収する。回収された酸性溶液は多糖類
の反応に再使用される。ここで抽出に使用される酸性溶
液に関してはpH5以下、好ましくはpH3以下であれ
ば特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸、硝酸、酢
酸、炭酸、蟻酸、プロピオン酸、りん酸、ケイ酸、ホウ
酸、フッ酸、臭化水素酸、または、よう化水素酸などが
挙げられ、なかでも塩酸、硫酸、硝酸、酢酸のような一
般的な酸であれば工業的にも有利であり、好ましい。抽
出温度は高温ほど抽出速度が早くなるが、四酸化ルテニ
ウムの揮発性などの物性から、通常、常圧においては0
〜100℃、好ましくは10〜80℃である。有機溶媒
と酸性溶液の混合・分液には単段または多段のミキサー
セトラー、抽出塔などの公知の抽出装置を使用すること
ができる。また、抽出に際して還元剤を添加することも
好ましい。還元剤としては、亜硫酸塩、ヒドラジン及び
その塩、ヒドロキシルアミン及びその塩、過酸化水素、
キノン類、メタノール、エタノール、2−プロパノール
などの低級アルコールなどの一般的な還元剤を用いるこ
とができる。還元剤の使用量は、ルテニウム含有モル数
に対して、1〜100倍モル量、好ましくは、1から5
0倍モル量である。
【0018】さらには、第2工程の抽出後の抽残液に残
存するルテニウムを回収して再使用するために、抽残液
を加熱処理する工程を行った後、再度第1工程から第3
工程を行う。得られたルテニウム化合物の水溶液は多糖
類の酸化に再使用される。上記の加熱処理する工程につ
いて具体的に説明する。
【0019】加熱工程 本工程は、抽出分離後の溶液を加熱処理し、溶液中に残
存するルテニウムを除去し易くするための工程である。
加熱処理温度は、常圧においては50℃〜沸点温度であ
る。温度が低いとルテニウムの除去率を高めるのに長時
間を要し、温度が高すぎるとカルボキシル多糖類の分解
を引き起こす。また、加熱処理する反応溶液のpHは、
酸性側では分解しやすいため通常はpH7〜13、好ま
しくは、8〜10に調整して行う。加熱処理時間は、条
件などにより異なるが、5分〜24時間、好ましくは3
0分〜10時間である。加熱処理を行う際、圧力を変え
ることによって、温度、処理時間などを変えることがで
きる。加熱方法としては特に制限はなく、蒸気または温
水での熱交換による加熱、ヒーター加熱、赤外線加熱、
高周波加熱などの通常の加熱方法を使用できる。
【0020】加熱工程以後の工程は、第1工程から第3
工程と同様の処理を行う。なお、本発明ではさらに加熱
処理、第1工程から第3工程を繰り返してもよい。ま
た、反応後の混合溶液を加熱処理してから第1工程から
第3工程を行ってもよい。
【0021】以上の方法により、ルテニウム化合物を水
溶液として回収することができ、ルテニウム化合物の回
収・再使用によるトリカルボキシ多糖類の工業的生産が
可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明について実施例にて詳述する。
生成物トリカルボキシデンプン中のルテニウム濃度はI
CP(誘導結合型プラズマ発光分析法、セイコー電子工
業社製1200VR型分析計)を用いて測定した。ま
た、塩化ナトリウム含有量はXRF(蛍光X線分析法、
理学電機RIX3100)を用いて測定した。
【0023】実施例1 (1回目の反応)攪拌機、温度計及びポンプを備えた1
L容丸底パイレックスフラスコに水50ml、トウモロ
コシデンプン(敷島スターチ社製)15g及び塩化ルテ
ニウム0.70g(ルテニウム含有量43重量%、ルテ
ニウム2.8ミリモル)を入れ、攪拌しながら、冷水浴
で20℃に冷却した。この混合物にデンプンの5倍モル
量の12.9重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を3時
間かけて添加した。反応液のpHは、2規定の水酸化ナ
トリウム水溶液で9.0に制御した。
【0024】反応終了後、反応液455gに13重量%
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を13g、n−ヘプタンを
130g添加し、室温で振とう、遠心分離、静置したの
ちn−ヘプタン相を水溶液から分離した。この操作を室
温で4回行った。抽出液には35重量%塩酸20g(p
H1以下)を加え、水相への抽出を行った。透明なn−
ヘプタン相と赤茶色の水相が得られた。抽残液には2倍
容量のメタノールを加えて白色沈殿物を生成させた。沈
殿物をろ別し、さらに水に溶解しメタノールを加えて沈
殿させた後、60℃、5時間真空乾燥して生成物A2
3.6gを得た。
【0025】生成物Aを13C−NMR、IR、XRFに
よって分析したところ、原料トウモロコシデンプンを構
成するグルコピラノース単位のC6位の一級アルコール
が100モル%カルボキシル基に酸化されていると同時
にC2−C3位が開裂し、C2、C3位の二級アルコー
ルが75モル%カルボキシル基に酸化されたトリカルボ
キシデンプンナトリウム塩が99.2%(収率95.0
%)と塩化ナトリウム0.8%であった。生成物Aのル
テニウム濃度をICPで測定したところ128ppm
(除去率99.2%)であった。
【0026】(2回目の反応・ルテニウム再使用)1回
目の反応で得られたルテニウム水溶液に、トウモロコシ
デンプンを加えて、1回目の反応と同様に反応、抽出、
ルテニウムの分離を行った。また、抽残液は、1回目の
反応と同様に、メタノール添加、沈殿化、ろ別、再溶
解、乾燥して生成物B23.5gを得た。生成物Bを13
C−NMR、IR、XRFによって分析したところ、1
回目の反応で得られた生成物Aと同一のトリカルボキシ
デンプンナトリウム塩が99.5%(収率94.2%)
と塩化ナトリウム0.5%であった。
【0027】実施例2 (1回目の反応)塩化ルテニウムの代わりに酸化ルテニ
ウム0.600g(ルテニウム含有量47重量%、2.
8ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様に反応し
た。反応後、実施例1と同様にしてn−ヘプタンで4回
抽出した後、抽残液(反応液)を温度計、冷却管を備え
た1L容の丸底パイレックスに入れオイル浴により98
℃、1時間還流処理した。冷却後、加熱処理した溶液に
13重量%次亜塩素酸ナトリウムを加えn−ヘプタンで
4回抽出した後、実施例1と同様に沈殿化、乾燥を行
い、生成物Cを得た。抽出液には2−プロパノール1.
5g、35重量%塩酸20gを添加し水相への抽出を行
った。
【0028】生成物Cを13C−NMR、IR、XRFに
よって分析したところ、生成物Aと同一のトリカルボキ
シデンプンナトリウム塩が99.5%(収率93.2
%)と塩化ナトリウム0.5%であった。生成物C中の
ルテニウム濃度をICPで測定したところ6ppm(除
去率99.96%)であった。
【0029】(2回目の反応・ルテニウム再使用)1回
目の反応で得られたルテニウム水溶液に、トウモロコシ
デンプンを加えて、1回目の反応と同様に反応、抽出、
ルテニウムの分離を行った。また、抽残液は、1回目の
反応と同様に、加熱処理、抽出を行ったのちにメタノー
ル添加、沈殿化、ろ別、再溶解、乾燥して生成物D2
3.1gを得た。生成物Dを13C−NMR、IR、XR
Fによって分析したところ、1回目の反応で得られた生
成物Cと同一のトリカルボキシデンプンナトリウム塩が
99.4%(収率92.6%)と塩化ナトリウム0.6
%であった。生成物D中のルテニウム濃度をICPで測
定したところ5ppm(除去率99.96%)であっ
た。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、多糖類の酸化に用いら
れるルテニウムを効率よく回収し、再び反応に有効利用
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多糖類をルテニウム化合物と酸化剤との
    組み合わせにより酸化してカルボキシ多糖類を製造する
    方法において、(1)反応後の混合溶液に酸化剤を添加
    しルテニウムを高酸化状態にし、(2)水に不溶な有機
    溶媒でルテニウムを抽出し、(3)酸性溶液により有機
    溶媒中からルテニウムを抽出し、(4)回収したルテニ
    ウムを多糖類の酸化に再使用することを特徴とするカル
    ボキシ多糖類の製造方法。
  2. 【請求項2】 (3)工程で有機溶媒中に還元剤を添加
    する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 (3)工程で使用される還元剤が亜硫酸
    塩、ヒドラジン及びその塩、ヒドロキシルアミン及びそ
    の塩、過酸化水素、キノン類、メタノール、エタノー
    ル、並びに2−プロパノールから選ばれる少なくとも一
    種である請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 (3)工程で使用する酸性溶液がpH5
    以下である請求項1記載の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9376648B2 (en) 2008-04-07 2016-06-28 The Procter & Gamble Company Foam manipulation compositions containing fine particles

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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