JPS6410724B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は燃料を生燃焼状態から自動的に気化燃
焼状態に移行せしめるものであつても、発生した
燃焼熱の一部で送風筒を加温せしめ、気化筒内に
おいて発生した混気ガスの一部がその流通過程に
おいて、送風筒との接触による冷却作用によつて
液化されるのを未然に防止し、長期に亘り良好な
青焔の気化燃焼焔を安定よく焔上させることがで
きる気化バーナに関する。

従来、燃料を回転する気化筒によつて生燃焼状
態から自動的に気化燃焼状態に移行させる際に、
発生した混気ガスが送風筒の外周面に沿いながら
ガス室に向け流通される過程で送風筒の冷却作用
により液化され、未気化燃料となつてガス室の底
部側に溜まり、気化燃焼焔中に赤火が混入され、
良好な青焔気化燃焼を長期に亘り継続させること
ができないのを解決するために、前記送風筒を内
部を中空状とした二重構造式としたり、或は内部
に発熱抵抗体を埋設した発熱通風筒として混気ガ
スの液化発生を未然に防止するようにした気化バ
ーナは本出願前例えば実公昭56−35606号公報或
は特開昭57−188914号公報に記載された如くさき
に本出願人が開発したものである。

ところで、上記のような二重構造式の送風筒に
あつては流通する燃焼用空気の常温が比較的に高
い時には冷却防止対策の一手段として一応の効果
を奏するが、一たんその温度が低い時には冷却防
止効果が著しく減退され、混気ガスは速やかに液
化露結現象を起してガス室内に溜つて赤火となつ
て燃焼される欠点が生ずる。又発熱通風筒にあつ
てはその効果が大きい反面、電力消費量が大き
く、かつ使用中に断線事故が多く発生し、長期に
亘り安定した気化燃焼を継続させることができな
い許りかコスト的にも高くなつて一般使用者に適
さない欠点があつた。

そこで本発明は、上記公知の気化バーナの欠点
を解決するため、燃焼の始動により発生した燃焼
熱の伝熱作用を有効的に使用して送風筒を何等の
加熱部材を使用しなくても積極的に加温せしめ、
例え燃焼用空気が低温状態の時にあつても、混気
ガスの液化露結現象の発生を未然に防止し、燃焼
の初期より赤火の混入がない青焔気化燃焼を安定
よく継続させることができる気化バーナを得るこ
とを目的としたものである。

本発明は前記に鑑み、上記目的を達成させるた
め特にその構成を、前記燃焼筒と燃焼盤とに亘り
複数個の伝熱支柱を架設すると共に上記気化筒内
に先端側を挿通開口した送風筒の展開基端面側を
伝熱支柱と接続するように止着したことを特徴と
する気化バーナとしたものであつて、かかる気化
バーナによれば、燃焼の始動によつて発生した燃
焼熱の一部により強烈に加熱された伝熱支柱より
の直接伝熱作用で送風筒全体を速やかに加温し、
気化筒内において発生した混気ガスがその流通中
に送風筒との接触で冷却され、液化露結現象を発
生するのを未然に防止し、常に発生した混気ガス
の総てをガス室よりガス噴出孔を経て燃焼筒内へ
勢いよく噴気させ、もつて完全な青焔の気化燃焼
を燃焼の初期より安定状態のもとに継続させるこ
とができる許りか、送風筒の昇温を燃焼熱により
行わしめたことで、昇温部材の使用を無くし、気
化バーナのコストをより安価にならしめ、一般に
使用できるようならしめると共に、流通する燃焼
用空気の温度上昇を図つて、より完全な混気ガス
の発生を促進できるは勿論のこと燃焼筒の底壁側
も複数個の伝熱支柱よりの伝熱作用で加温される
ので、混気ガスが気化燃焼の始動時にガス室内に
おいて冷却作用で液化状態となることも未然に防
止できる効果を奏する。

以下に本発明に係る気化バーナを添附図面に示
された各実施例について説明する。

第１図および第２図に示された実施例のものは
混気ガスを燃焼盤の内周面側および底面側より一
斉に噴気燃焼させることができる気化バーナであ
つて、１は先端側を開口した有底筒状の燃焼筒で
あつて、該燃焼筒１の底壁２側の中央部は外側に
幾分膨出せしめてある。上記燃焼筒１の内周面側
および底面側には多数のガス噴出孔４………を穿
孔した略相似形の燃焼筒３を、燃焼筒１との間に
ガス室５が形成せられる間隔をおいて装着位置せ
しめてある。そして上記燃焼筒３の底面側中央部
は開口され、しかも該開口部周壁６はガス室５内
に臨むようにテーパー状に形成されている。７は
燃焼筒１の底壁２側中央位置に開口した開口部８
を介して燃焼筒１と接続せしめた送風室であつ
て、該送風室７および開口部８の中心位置には先
端を燃焼筒１内に臨ませた回転軸９が挿通されて
おり、該回転軸９の先端側には一側を開放した気
化筒１０を直結して回転自在に配設すると共に気
化筒１０の一側開放側端部には混気体１１が燃料
流出間隙１２をおいて一体的に装着されている。
上記の混気体１１は境界壁１３を境として、先端
部が外側に拡開された燃料案内筒１４に、又基端
部が同径の中空筒状１５に形成され、しかも混気
体１１の過半部はテーパー状の開口部周壁６内に
位置せしめて、開口部周壁６の内周面と混気体１
１の外周面との間に斜め前方に向け開口されたガ
ス噴出間隙１６を形成せしめる。

なお前記のガス噴出間隙１６の基端側はガス室
５に接続されると同時にガス室５も混気体１１を
経て気化筒１０内部と連通せしめてある。

１７は燃焼筒１と燃焼盤３とに亘り両者に連結
されるよう架設した伝熱効果の優ぐれた材料で塑
成された伝熱支柱であつて、該伝熱支柱１７は略
同心円状に複数個配設されている。

１８は送風室７より開口部８を経て送られた燃
焼用空気を気化筒１０内に送風するための中空状
を呈する送風筒であつて、該送風筒１８の先端開
口部１９は気化筒１０内に臨ませると共に送風筒
１８の展開基端面２０側は複数個の伝熱支柱１７
………と夫々接続するように伝熱支柱１７………
で止着されている。

なお上記送風筒１８は伝導率の高い材料で塑成
することが最も効果的であると同時に送風筒１８
の展開基端面２０側を燃焼筒１の底壁２内面、又
は外面に密接した状態のもとに伝熱支柱１７……
…で止着すれば、伝熱作用で送風筒１８は勿論の
こと燃焼筒１の底壁２側も速かに昇温して加温状
態とすることができる。

２１は気化筒１０の先端側内面に付設した燃料
拡散体２２の表面に先端開口部を臨ませた送油管
であり、２３は点火栓である。

第３図に示されたものは、複数個の伝熱支柱１
７………を、多数のガス噴出孔４′が燃焼筒１′の
内側に張設された燃焼筒３′の先端側内周面のみ
に穿孔して、ガス室５′内において起成された混
気ガスを内方に向けて噴焔せしめるようにした気
化バーナに配設した場合の変形実施例であつて、
該実施例の気化バーナにあつては燃焼筒１′の底
壁２′側は外側に膨出させず、しかも気化筒１
０′の一側開放側端部には混気体１１を付設せず、
一側開放側端部を単に外側に向け展開折曲せしめ
ると共に燃焼盤３′の底面側中央部に開口して形
成した開口部周壁６′は第１図実施例の気化バー
ナとは逆に気化筒１０′の開放側端部に向け膨出
せしめて、気化筒１０′の開放側端部と開口部周
壁６′との間に適当巾の燃料流出間隙１２′を形成
せしめた以外の構成は第１図実施例の気化バーナ
と略同じである。

又第４図および第５図に示されたものは、複数
個の伝熱支柱１７………を、燃焼筒１″の底壁
２″側のみにガス室５″を形成した気化バーナに配
設した場合の変形実施例であつて、該実施例の気
化バーナにあつては、燃焼筒１″の筒壁を第１図
実施例のものより短かくし、その底壁２″側には、
間隔をおいて多数のガス噴出孔４″………を穿孔
した燃焼盤３を水平状に張設して燃焼筒１″の底
壁２″と燃焼盤３″との間に中央部において気化筒
１０内部と連通するガス室５″を形成すると共に
上記燃焼盤３″の中央開口部には第１図実施例と
同様な開口部周壁６″を設けたものであつて、他
の構成は第１図の実施例の構成と同一である。唯
上記の気化バーナは起成された混気ガスを上向き
に噴焔させる竪型を主目的としているが、これを
横型として使用しても何等差支えがない。

次にその作用について説明する。

第１図および第２図において、送風室７より開
口部８および送風筒１８を経て燃焼用空気を噴送
せしめると共に回転軸９により気化筒１０を回転
させる。

さすれば、燃焼用空気は気化筒１０と送風筒１
８との間および中空筒体１５を通つてガス室５内
に導入された後、多数のガス噴出孔４………およ
びガス噴出間隙１６より夫々燃焼筒１内に噴出さ
れる。そこで、送油管２１より燃料を回転する燃
料拡散体２２を経て気化筒１０内周面に送油すれ
ば、該燃料は気化筒１０内周面を順次開放側に移
行される間に回転遠心力と燃焼用空気の噴送作用
とにより薄膜状となつて燃料流出間隙１２から燃
料案内筒１２表面に出て最後に、その周端から微
粒状となつて燃焼盤３内周面に噴散され、点火栓
２３により着火され燃焼される。この様にして生
燃焼が発生すると、その燃焼焔で気化筒１０全体
は急速に加熱され、気化筒１０内部を速やかに気
化発生雰囲気温度に昇温せしめる。

したがつて、それ以後、送油管２１より燃料拡
散体２２表面に送油された燃料は気化筒１０内周
面に沿つて薄膜状に拡散移行される間に速かに蒸
発気化され気化ガスとなると同時に発生した気化
ガスはその流通中に燃焼用空気と撹拌混合され、
完全な混気ガスとなつてガス室５内に圧入され
る。そして圧入された混気ガスは燃焼盤３の内周
面側および底面側に多数穿孔されたガス噴出孔４
………より勢い良く噴気され、さきの燃焼焔で着
火され、気化燃焼焔を焔上して気化筒１０全体を
加熱する。それ故、気化燃焼焔の発生以後にあつ
ては気化筒１０が強烈に加熱されていることで、
気化ガスは連続して発生され、青焔の気化燃焼を
長期に亘り継続させることができる。

ところで、上述の様な気化燃焼の始動時にあつ
ては、送風室７より燃焼用空気が送風筒１８を経
て気化筒１０内に強制的に噴送されている関係
で、送風筒１８は流通する燃焼用空気により冷却
されるので、気化筒１０内において起成された混
気ガスが送風筒１８の外周面に沿つてガス室５に
向け噴送される過程で送風筒１８との接触作用に
より冷却され、液化露結現象を起し、未気化燃料
状態となつてガス室５内に流下し滞溜される。そ
の結果、この滞溜した未気化燃料が燃焼盤３より
流出燃焼されることで、青焔状態の気化燃焼焔中
に前記未気化燃料の赤火燃焼焔が混入し、完全な
青焔状態を安定よく継続させることができない。

しかしながら、本発明にあつては、燃焼筒１と
燃焼盤３とに亘り複数個の伝熱支柱１７………が
架設されると共に、気化筒１０内に先端側を挿通
開口した送風筒１８の展開基端面２０側は伝熱支
柱１７………と接続するように止着されているの
で、前記伝熱支柱１７………は生燃焼の始動時よ
り燃焼焔の一部で強烈に加熱され、その熱を展開
基端面２０側を経て伝熱しているため、送風筒１
８は上記伝熱作用で相当温度に加温される。した
がつて、燃焼用空気の流通量が多い場合或はその
温度が低温の場合にあつも、送風筒１８全体を自
己の燃焼焔よりの伝熱作用で加温状態ならしめ起
成された混気ガスの液化露結現象の発生を未然に
防止し、常に混気ガスのみをガス室５内に圧入さ
せ、赤火のない青焔の気化燃焼を初期より安定よ
く行うことができる。又伝熱支柱１７………は燃
焼筒１とも接続されて、燃焼筒１を伝熱作用で加
温せしめているので、ガス室５内の温度も自然昇
温され、ガス室５内において混気ガスが冷却によ
り液化露結現象を起すことも防止できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気化バーナの各実施例を示
すものであつて、第１図は一部を切欠した第１実
施例に係る気化バーナの縦断正面図、第２図はそ
の側面図、第３図は一部を切欠した第２実施例に
係る気化バーナの縦断正面図、第４図は一部を切
欠した第３実施例に係る気化バーナの縦断正面
図、第５図はその平面図である。 １……燃焼筒、３……燃焼盤、４……ガス噴出
孔、５……ガス室、１０……気化筒、１７……伝
熱支柱、１８……送風筒、２０……その展開基端
面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一側が開放された気化筒を回転自在に配設し
   た燃焼筒内に多数のガス噴出孔を穿孔した燃焼盤
   を間隔をおき張設して、燃焼筒と燃焼盤との間に
   気化筒内部と連通するガス室を配設したものにお
   いて、前記燃焼筒と燃焼盤とに亘り複数個の伝熱
   支柱を架設すると共に上記気化筒内に先端側を挿
   通開口した送風筒の展開基端面側を伝熱支柱と接
   続するように止着したことを特徴とする気化バー
   ナ。