JPS639223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンドカバーに関し、更に詳しくは鉄
筋コンクリートにより建設される建物にコード
（例えば火災報知機、電灯線、電話線、電気機械
設備のコード、放送用コード等を配線するために
配管、されるコード配管用パイプの端末に取付け
られるエンドカバーに関する。

従来、エンドカバーは略箱型に成形されたカバ
ー本体の一側にコード配管用パイプを嵌め込むた
めの逆Ｕ字型の切り欠きが開穿され、更にカバー
本体の開口部の外周縁にはフランジ片が一体的に
成形されたものである。

然るに、上記カバー本体とコード配管用パイプ
とはカバー本体の嵌め込み用切り欠きにパイプの
端末を嵌め込むだけの連結方法、即ち、パイプと
カバー本体との連結固定手段がないため、木板に
よつて形成せる仮枠、詳しくは床面及び天井又は
壁面及び柱等を施工するため、コンクリートを打
つ空間部を作る仮枠にカバー本体のフランジ片を
釘打ちして配管されたコード配管用パイプの端末
にセツトして取付固定していた。

しかし乍ら、カバー本体のフランジ片を釘打ち
する際、仮枠上に格子状に組み込まれた鉄筋が邪
魔になつてその作業に支障を来して大変困難な作
業となつたり、またパイプと嵌め込み用切り欠き
との間隙からコンクリートがカバー本体内に侵入
するのを阻止するために該本体内に布切れ等を詰
め込んだり、更に本体内のパイプの端末口にも布
切れ等を詰め込んだりしなければならない不便が
あつた。

又、カバー本体を釘打ちして仮枠に取付固定し
たため、コンクリート打ち後、該仮枠を取り外す
際に中々取り外せなかつたり、仮枠と一緒にカバ
ー本体も外ずれてしまう恐れもあつた。

更に、コンクリートを打つために空間部を作る
仮枠を金属製のものも使用する様になつてきた今
日では、前述したような方法でカバー本体を固定
できないため、コンクリートを打ち込んだ際にカ
バー本体がズレて、パイプの端末口がカバー本体
の嵌め込み用切り欠きと相対するその後壁近くま
で突出して、後のコードの差し込み作業（コード
配管工事）がたいへん不便となるなどの問題があ
つた。

而して、本考案は上記した従来品の問題点を解
消し、カバー本体とコード配管用パイプの端末と
を一体的に連結固定して、カバー本体の位置ズレ
と、コンクリートの本体内への侵入を確実に防止
出来るところのエンドカバーを提供することを目
的とするものである。

斯る本考案のエンドカバーは、略箱型に成形さ
れたカバー本体の一側にパイプ差し込み用の窓孔
を開穿して、弾力性を有する部材によつて、先細
の袋状で、挿入口の外周縁に袋部よりも硬いフラ
ンジを一体的に突出成形したキヤツプを差し込む
と共に、フランジを窓孔々縁に当接係止自在と
し、更にカバー本体の開口部に蓋板を着脱自在に
設けたことを特徴とするものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はエンドカバーとコード配管用パイプと
の連結状態も示す分解斜視図であり、図中ａは硬
質合成樹脂材により下面を開口した舟型に成形さ
れたカバー本体、ｂはキヤツプ、ｃは蓋板を夫々
示す。

上記カバー本体ａは一側面を半円弧状に形成
し、その面の略中心にはコード配管用パイプ１を
差し込む窓孔a₁を開穿してなり、この窓孔a₁はコ
ード配管用パイプ１の外径よりも大径に形成し
て、該パイプ１と一緒にキヤツプｂを差し込むよ
うにする。

このキヤツプｂは弾力性を有する部材によつて
先細の袋状に成形し、且つ袋部b₁の肉厚を挿入口
b₂に至るに従つて漸次肉厚状に成形すると共に、
挿入口b₂近傍、即ち、第２図に示す如くキヤツプ
ｂをカバー本体ａの窓孔a₁に差し込んだ際に、該
窓孔a₁の内周孔面に位置した部分を袋部b₁先端よ
りも硬く成形して、窓孔a₁との圧接によつて破損
する恐れを防止する。又、挿入口b₂の外周縁には
袋部b₁よりも硬いフランジb₃を一体的に突出成形
して、カバー本体ａの窓孔a₁に差し込んだ時に該
窓孔a₁の孔縁に当接係止するようにする。

又、カバー本体ａの開口部a₂の内周縁に係止凸
部a₃を一体的に突出成形して、開口部a₂に蓋板ｃ
を着脱自在に設ける。

この蓋板ｃは上記カバー本体ａと同一部材によ
つて該本体ａの開口部a₂と同一形状に形成し、そ
の上面の外周縁上には上記係止凸部a₃が係合係止
する係合溝部c₁を形成する様に係合片c₂を側面略
Ｕ字状に一体的に突出形成して、カバー本体ａの
開口部a₃に着脱自在に取付固定するようにする。

又、上記蓋板ｃの外周縁面を外方に延設して押
え片c₃を一体的に形成し、コンクリートを打ち込
んだ際に該コンクリートでカバー本体ａを木板或
いは金属板によつて形成せる仮枠２上に押さえ
る。

更に、蓋板ｃの裏面に両面テープ４を設ける。
斯様に両面テープ４を設けて蓋板ｃを仮枠２に接
着固定することによつて、カバー本体ａをより一
層確実に固定出来るものである。

次に上記したエンドカバーの配置方法を簡単に
説明すると、仮枠２上に格子状に組み込まれた鉄
筋３上方より、予め建築図面に基づいて配管され
たコード配管用パイプ１の端末にキヤツプｂを挿
入挿着する（第２図二点鎖線）。そして、パイプ
１に挿着したキヤツプｂ先端に蓋板ｃを取付けた
状態のカバー本体ａの窓孔a₁を位置せしめ、カバ
ー本体ａを移動せしめて窓孔a₁にキヤツプｂを差
し込んで窓孔a₁孔縁にキヤツプｂのフランジb₃が
当接係止すればセツトは完了する（第３図、第４
図）。

尚、上記説明においては、初めにコード配管用
パイプ１の端末にキヤツプｂを挿着した後、該キ
ヤツプｂをカバー本体ａの窓孔a₁に差し込んだ
が、キヤツプｂを該窓孔a₁に差し込んだ後にコー
ド配管用パイプ１の端末をキヤツプｂ内に挿入挿
着してもよくその順序は問わない。

然る後、コンクリートを打ち込んだ後に、仮枠
２を取り外ずし、コード配管工事を行う際には、
蓋板ｃを外ずしてキヤツプｂの先端を切断するこ
とによつてコート配管用パイプ１の端末口は開口
され、コードの配管を行い得る。

又、カバー本体ａの開口部a₃に着脱自在に設け
た蓋板ｃの裏面に両面テープ等を設けることによ
つて、カバー本体ａを仮枠２により確実に固定で
きる。

更に、カバー本体ａはコード配管用パイプ１の
端末を露出させるためのものであるため、壁面或
いは柱に設けるコンセントボツクス、スイツチボ
ツクス、ダイヤルボツクス、ジヨイントボツクス
等の場合にはカバー本体ａをその形態にあつた、
例えば箱型に成形しても同様の作用効果を得る。

本考案のエンドカバーは叙上の如く構成したこ
とにより下記の利点を有する。

(1) 略箱型に形成されたカバー本体の一側に開穿
した窓孔に弾力性を有する部材によつて先細の
袋状に成形し、更に挿入口の外周縁には袋部よ
りも硬いフランジを一体的に突出成形したキヤ
ツプを差し込んで、このキヤツプ内にコード配
管用パイプの端末を挿入したので、キヤツプ自
体の弾力でカバー本体とパイプとはキヤツプを
介して３者一体的に連結されるため、カバー本
体はパイプにセツトした後にズレたりする恐れ
はなく、同時にカバー本体内へのコンクリート
の浸入も確実に阻止出来る。

(2) 上記カバー本体の開口部に蓋板を着脱自在に
設けたことにより、カバー本体内へのコンクリ
ートの浸入を確実に阻止出来、しかも仮枠を取
り外した後のコンクリートを地肌としてそのま
ま見せる場合には、使用箇所の蓋板のみを取り
外して使用すればよいので、従来のように使用
しない箇所に取付けねじなどでカバーをする必
要がないため、現場の手間を少なく出来、同時
に建築費の削減を計り得る。

依つて所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はエン
ドカバーとコード配管用パイプとの連結する状態
を示す斜視図、第２図はエンドカバーとコード配
管用パイプとを連結して示す縦断側面図、第３図
は仮枠上にエンドカバーを配設した状態を示す斜
視図、第４図は第３図の−線に沿えた拡大断
面図である。 図中、ａ……カバー本体、a₁……窓孔、a₂……
開口部、ｂ……キヤツプ、b₃………フランジ、１
……コード配管用パイプ、ｃ……蓋板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄筋コンクリートにより建設される建物におい
   て、コンクリートを打つ前に配管されるコード配
   管用パイプの端末に取付けられるエンドカバーで
   あつて、前記カバー本体は略箱型に成形し、その
   一側にパイプ差し込み用の窓孔を開穿して、弾力
   性を有する部材によつて、先細の袋状に成形した
   キヤツプを差し込むと共に、該キヤツプの挿入口
   の外周縁には袋部よりも硬いフランジを一体的に
   突出成形して、窓孔々縁に当接係止自在とし、更
   にカバー本体の開口部に蓋板を着脱自在に設けて
   なるエンドカバー。