JPH0348305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は鉄筋コンクリート建築物の階上便所の
便器取付工事に要する労力を節減し、かつ作業時
間を短縮する便器取付工事用の組立式型枠に関す
るものである。

（従来の技術） 従来の階上便器の取付工事は、床コンクリート
打込用の建築用枠板上の便器装着個所に、ベニヤ
板等による角筒形の枠体を取り付けて、その周囲
にコンクリートを流し込み、コンクリートの凝固
後、前記の建築用枠板及び枠体を取り外して上下
に貫通する便器取付穴を有する床台壁を構築し、
装着する便器の床台壁の下面より下型に突出する
排水管接続筒部等に対応する通孔を設けたベニヤ
板等による当て板の周辺部を便器取付穴の周辺の
床台壁下面に固定して、該取付穴の下方開口部を
被蓋し、便器取付穴内に便器を収容し、便器取付
穴の内壁面と、便器の外周面間にモルタルを充填
し、モルタルが凝固した後、前記の当て板を取り
外して突台壁に便器を固定している。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら従来のように角形状の便器取付穴
を設けた床壁を構築した後建築用枠板を取り外
し、該便器取付穴の下方開口部を当て板により被
蓋し、便器を収容してモルタルにより便器を床壁
に固定して後当て板を取り外す便器装着方法では
当て板の着脱に多大の労力と時間を要すると共
に、便器取付穴を形成する型枠はベニヤ板等を用
い現場仕事により適宜行われているので作業能率
が非常に悪い等の問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこれ等の問題点を解決するためになさ
れたもので、以下本考案を図面に基づいて詳述す
る。

構成 第１図乃至第５図より同一高さで適厚矩形板状
の前後部側枠板１，１′、左右側前部側枠板２，
２′及び左右側後部側枠板３，３′は、夫々の下部
外側面を下端縁に沿つて同一高さで、かつ等しい
深さの逆Ｌ形状に切欠いた切欠段部４，４……を
設け、又各側枠板１，１′，２，２′及び３，３′
の上部中間内側面に横長にコ形状の切込凹溝部
５，５……を形成し、左右側前部側枠板２，２′
の後側縁部を夫々組みつぎ用の連設凹凸部６，
６′とし、左右側後部側枠板３，３′の前側縁部を
夫々前記連設凹凸部６，６′に挿脱自在の嵌設凹
凸部７，７′を形成すると共に、左右側前後部側
枠板２，２′，３，３′の夫々の内側面下端部に、
上下方向に貫通する釘孔８を有する型枠固定用突
起片９，９……を、底面がこれ等の側枠板２，
２′，３，３′の底面と同一平面となるように内方
に向け突出する如く、各側枠板１，１′，２，
２′，３，３′を夫々合成樹脂材により一体に成形
し、前後部側枠板１，１′の夫々の上面左右に組
立用ピン挿通孔１０，１０′及び１１，１１′を垂
直方向に穿設し、左右側前部側枠板２，２′には
夫々の上面前部と上面後部に組立用ピン挿通孔１
２，１２′及び１３，１３′を、又左右側後部側枠
板３，３′には夫々の上面後部に組立用ピン挿通
孔１４，１４′、前部にピン挿通孔１４，１４′に
対応するピン挿通孔１４ａ，１４ａを穿設する。
左側前部側枠板２の連設凹凸部６と左側後部側枠
板３の嵌設凹凸部７を、又右側前部側枠板２′の
連設凹凸部６′と右側後部側枠板３′の嵌設凹凸部
７′を嵌込んで夫々左側枠板体１５及び右側枠板
体１５′を構成し、該左右枠板体１５，１５′を前
後部側枠板１，１′の両側端内側面間に配置して
前部側枠板１と左右側前部側枠板２，２′を組立
用ピン挿通孔１０，１２と１０′，１２′に〓形状
に成形した接続ピン１６，１６′の夫々の両側脚
部を挿入して固定し、後部側枠板１′と左右後部
側枠板３，３′を組立用ピン挿通孔１１，１３と
１１′，１３′に〓形状に成形した接続ピン１７，
１７′の夫々の両側脚部を挿入して固定すると共
に左右側後部側枠板３，３′を、該側枠板２，
２′と３，３′の前部に設けた組立用ピン挿入孔１
４，１４′，１４ａ，１４ａに〓形に成形した接
続ピン１８の両側脚部を挿入して角筒箱状に組立
て、前記接続ピン１６，１６′，１７，１７′及び
１８の抜き取りにより各側枠板１，１′，２，
２′及び３，３′を個々に分離可能な本考案の便器
取付工事用の組立式型枠Ａを構成する。

作用 次に本考案の作用を第６図，第７図及び第８図
により説明する。

床コンクリート打込用の建築用枠板１９上の便
器装着個所に角筒箱状に組立てた本考案の型枠Ａ
を載置し、型枠固定用の突起片９，９……の釘孔
８，８′……に上方より釘２０，２０……を通し
て建築用枠板１９に打ち付けて固定し、その周囲
にスラグコンクリートC₁を流し込み、コンクリ
ートの凝固後、釘２０，２０……と接続ピン１
６，１６′，１７，１７′及び１８を抜き取つて型
枠Ａを分解した状態で建築用枠板１９より取り外
すと共に該枠板１９に取り外して、周壁中間部に
角環状に連続する段部４Ａを有する上下方向に開
口する便器取付穴２１を設けた床台壁２２を構築
するものである。

第７図は、本考案の使用により構築した床台壁
２２に便器Ｂ（図は水洗式和風便器の場合を示す）
を装着する状態の第１実施例を示すもので、上方
が開口する箱型で外周面の中間部より下方を前記
の便器取付穴２１の段部４Ａに係合する係止面部
２３を形成する如く切欠き、底壁部２４に便器Ｂ
の水溜め凹部２５及び排水管接続筒部２６の外周
面を保持する通孔２７，２７′を設けた石綿混入
セメント等により一体に成形した便器受け体Ｄ
を、外周面が便器取付穴２１の内壁面に近接し、
係止面部２３が段部４Ａ上面に接面する如く挿嵌
し、便器Ｂの外周面と便器受け体Ｄの内周面間の
間隙２８にモルタルＭを注入して床台壁２２に便
器Ｂを固定し、該床台壁２２の上面にシンダーコ
ンクリートC₂を被設して床壁Ｆを構築するもの
である。

第８図は本考案の使用により構築した第６図に
示す床台壁２２に便器Ｂを装着する状態の第２実
施例を示すもので、上方が開口する箱形で、外周
面の中間部より下方を前記の便器取付穴２１の段
部４Ａに係合する係止面部２９を形成する如く切
欠き、底壁部３０に便器Ｂの水溜め凹部２５の下
方突出周壁部３１を収容する膨出壁部３２と、排
水管接続筒部２６を挿通する通孔３３を設ける如
く石綿混入セメント等により一体に成形した便器
受け体D′を、便器取付穴２１内に外周面が便器
取付穴２１の内壁面に近接し、係止面部２９が段
部４Ａの上面に接面すると共に便器Ｂの水溜め部
下方突出周壁部３１が便器受け体D′の膨出壁部
３２内に収容され、排水管接続筒部２６が通孔３
３に挿通する如く、便器Ｂの水溜め部下方突出周
壁部３１と膨出壁部３２間の間隙に断熱材Ｔを介
在して収容し、便器Ｂの外周面と便器受け体
D′の内周面間の間隙３５にモルタルＭを注入し
て床台壁２２に便器Ｂを固定し、該床台壁２２の
上面にシンダーコンクリートC₂を被設して床
F′を構築するものである。

効果 本考案の便器取付工事用の型枠は、組立式であ
るから、反復使用が可能であると共に、使用時の
移動や不使用時の運搬収納に便利であり、本考案
の使用により形成した便器取付穴は、前記の便器
受け体の使用により、便器装着の際の当て板の取
付取外し等の面倒な作業を要しないので作業能率
が向上する等の優れた実用的効果を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図本考案の平面図、第２図は正面図、第３
図は側面図、第４図は第１図のＸ−Ｘ断面図、第
５図はＹ−Ｙ断面図、第６図は本考案を使用した
便器取付穴の作業図、第７図，第８図は夫々便器
取付要領図である。 Ａ……本考案の組立式型枠、１……前部側枠
板、１′……後部側枠板、２……左側前部側枠板、
２′……右側前部側枠板、３……左側後部側枠板、
３′……右側後部側枠板、４……切欠段部、６，
６′……連設凹凸部、７，７′……嵌設凹凸部、８
……釘孔、９……型枠固定用突起片、１５……左
側枠板体、１５′……右側枠板体、１６，１６′…
…接続ピン、１７，１７′……接続ピン、１８…
…接続ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同一高さで適厚矩形状の前後部側枠板１，１′、
   左右側前後部側枠板２，２′及び３，３′は、夫々
   の下部外側面に下端縁に沿つて同一高さでかつ等
   しい深さに切欠いた逆Ｌ形状の切欠段部４，４…
   …を設け、左右側前後部側枠板２，２′，３，
   ３′の夫々の内側面下端部に釘孔８を有する型枠
   固定用突起片９，９……を突設すると共に、左側
   前後部側枠板２，３と右側前後部側枠板２′，
   ３′を分離自在の組つぎ用凹凸部６，７及び６′，
   ７′により連結して左側枠板体１５と右側枠板体
   １５′とし、該左右側枠板体１５，１５′を前記前
   後部側枠板１，１′の左右端内側面間に配置して
   角筒箱形に形成し、前部側枠板１と左右側前部側
   枠板２，３、後部側枠板１′と左右側後部側枠板
   ２′，３′及び左右側後部側枠板２′，３′間を夫々
   挿脱自在の接続ピン１６，１６′，１７，１７′及
   び１８の挿嵌により固定することを特徴とした便
   器の取付工事用の組立式型枠。