JP2551970B2 - 和風便器の施工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は和風便器を床に配設する際の施工方法に関
する。

（従来の技術） 従来より和風便器の床への配設は、例えば次のような
施工方法で行われている。

（イ）先ず、デッキプレートに開口部を設けて該開口部
に和風便器据置穴に相当する大きさの型枠を仮固定した
後、デッキプレート上面に基盤スラブ用のコンクリート
を打込む。

（ロ）その後コンクリートが固化し、基盤スラブが形成
されたら前記型枠を取り除き、和風便器挿入用の開口部
（和風便器据置穴）を形成する。

（ハ）その後この開口部に和風便器の耐火カバーを兼ね
た支持枠を設け、この支持枠で後に挿入される和風便器
の通水路段部下面を支持するとともに、この支持枠と和
風便器との隙間に不乾性シール材を設ける。

（ニ）更に前記支持枠下端に設けてある配管接続具に和
風便器の排水口部を接続し、又この配管接続具に配管を
接続する。

（ホ）一方、前記支持枠外周の基盤スラブ上には、この
支持枠を固定するためのモルタルを充填した後、漏水防
止の防水層を設け、更にこの防水層上にはシンダーコン
クリートあるいはモルタルを充填した後仕上層を施して
一連の施工作業を終了する。

（発明が解決しようとする課題） このように従来の施工方法においては、先ず、工程
（イ）（ロ）において基盤スラブを形成すると同時に、
該基盤スラブに和風便器据置用の開口部を形成し、しか
る後工程（ハ）（ニ）により和風便器の配設を行い、更
にその後工程（ホ）により基盤スラブ上に防水層、コン
クリート、又はモルタル等を充填して床を完全に仕上げ
るようにしている。

従ってかかる従来の施工方法においては、和風便器を
取り付けるためには、当該和風便器を取付ける床自体を
和風便器の施工と同時に形成していかねばならず、即ち
床スラブとの同時施工が要求されることとなり、従って
施工作業が大掛かりとなるとともに、その作業効率も悪
くなり、結局和風便器施工のための時間、労力、コスト
等が大幅に費やされることとなる。

そこでこの発明はかかる従来の課題を解決すべく成さ
れたもので、その目的とする処は、和風便器の床への取
付けは、床の形成後において当該床の形成とは別個独立
して行うことができるようにすることで、和風便器の取
付け作業を簡単化し、その作業効率を向上せしめること
ができ、従って又、低コストにて行い得る和風便器の施
工方法を提供するにある。

（課題を解決するための手段及び作用） 上記課題を解決するために、この発明に係る和風便器
の施工方法によれば、デッキプレート１上に床材3aを打
込み固化させてなる床スラブ３に和風便器４を嵌挿支持
する開口部3cを形成するため、予めデッキプレート１に
床材3aを打込む際に該デッキプレート１上の前記開口部
形成領域Ｓに床材3aが流れ込むのを防止する型枠２を設
けておき、 打込まれた床材3aが固化した後、前記型枠２を取り外
すとともに、該領域Ｓにおけるデッキプレート1cを切断
することで前記開口部3bを形成し、 しかる後、該開口部3cに和風便器４を嵌挿支持させる
ようにしてなる。

このような和風便器の施工方法によれば、床スラブの
形成時に支持枠を取り付けた開口部さえ設けておけば、
その後の和風便器の取付けは、床スラブの形成とは関係
なく、別個独立に行うことができ、従って和風便器の取
付け作業が簡単で作業効率を高めることができる。

（実施例） 以下にこの発明の実施例を添付図面に従って説明す
る。

第１図はデッキプレートに型枠を取り付ける工程を示
した図である。

本実施例に係るデッキプレート１は上面が平坦状に成
形されており、このデッキプレート上に取り付けられる
型枠２は、断面四角形状の筒状をなす第１型枠2aと、こ
の第１型枠2aに外装され後述する和風便器を係止する段
部を形成するための第２型枠2bとを組み合わせてなる。

この型枠２は後でデッキプレート１上に床材たるコン
クリートを打ち込み、床スラブを形成する際に、当該床
スラブに和風便器を嵌挿支持する開口部を形成するもの
であり、その形状及び構成は和風便器及びデッキプレー
トの形状に応じて定められ、当該実施例に限定されるこ
とはない。

かかる支持枠２のデッキプレート１への取り付けが終
了すると、次には第２図に示されるようにデッキプレー
ト１上に床材たるコンクリート3aが第２型枠2bの上端面
2b−１と略面一となるように打込まれる。

そして打込まれたコンクリート3aが固化し、床スラブ
３が形成されると、次には第３図に示すように、この型
枠２を床スラブ３から取り外し、更に第４図に示される
ように該領域（凹部）Ｓ内に臨むデッキプレート1cを切
断して取り除き、床スラブ３に和風便器を嵌挿させる開
口部3bを形成する。

かくして床スラブの形成とともに、和風便器取付け用
の開口部が形成されると、当該開口部には和風便器の施
工時において、床スラブの形成とは別個独立に和風便器
の取付けが行なわれる。

第５図は当該開口部に和風便器を取付ける工程示し、
第６図はその取付状態を示すもので、この実施例では、
和風便器４は耐火カバー５を開口部に嵌挿支持した後こ
の耐火カバーを介して開口部3bに嵌挿支持される。

耐火カバー５は和風便器４のトラップ部4a及び排水口
部4bを囲む上面開口状の略箱型形状をなし、その内側に
は断熱材６が充填されている。そしてこの耐火カバー５
は、その上端部で和風便器４の流水通路部4cの段部4dを
支持し、その外周部に設けられたフランジ部5aが補強板
金5dを介して開口部3bの段部3b−１に支持される。

一方、この耐火カバー５の底面部には、配管接続のた
めの貫通孔5bが設けられ、この貫通孔5bには排水アダプ
ター７が設けられている。

この排水アダプター７は、貫通孔5bより下方へ延出さ
れる配管接続部7aと、このアダプター７を耐火カバーの
底面部5cに締結するフランジ部7bと、該アダプター７に
和風便器の排水口4bを接続する排水口接続部7cとを一体
的に備えてなる。

前記排水口接続部7cは上方へ突出する筒状をなし、こ
の接続部7cを和風便器の排水口部周縁部に取付けた排水
ジョイント８の嵌挿部8aに嵌挿させてアダプター７に接
続する。従ってこのような構成によれば、和風便器４を
耐火カバー５の開口上方より挿入するのみで、排水口部
4bとアダプター７との接続が行え、その接続が容易とな
る。

尚、このアダプター７の配管接続部7aは、フランジ状
継手９を介して排水管10に接続され、このフランジ状継
手９のカバー9aがバンド9b,9bにより耐火カバー５と排
水管10側に締結されている。

かくして床スラブ３の開口部3bに和風便器４を嵌挿支
持させると、和風便器の流水通路部4cの外周部にはシー
ル材を兼ねた固定材11が床スラブ上面と面一となるよう
に充填され、その上面に仕上層12を施して一連の施工作
業を終了する。

（発明の効果） 以上の説明より明らかなように、この発明に係る和風
便器の施工方法によれば、床スラブの形成時に和風便器
を取付けるための開口部さえ設けておけば、その後の和
風便器の取付けは、床スラブの形成とは全く関係なく別
個独立して行うことができ、従って和風便器の取付け作
業が簡単で作業効率も向上し、もって低コストにて和風
便器の取付けを行うことができる。

又、この発明によれば、デッキプレートの切断は、床
スラブの形成後において行うようにしたため、当該切断
領域におけるデッキプレートの構造上の剛性は、床スラ
ブ形成前に比し高められており、従ってその切断作業も
容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はデッキプレートへの型枠の取付工程を示す図、
第２図は床材の打込みを示す図、第３図はデッキプレー
トより型枠を取外した状態を示す図、第４図はデッキプ
レートの切断を示す図、第５図は和風便器の取付け工程
を示す図、第６図は和風便器の取付け状態を示す図であ
る。 そして図面中、１はデッキプレート、２は型枠、３は床
スラブ、3aは床材、3bは開口部、４は和風便器である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】デッキプレート上に床材を打込み固化させ
   てなる床スラブに和風便器を嵌挿支持する開口部を形成
   するため、予めデッキプレートに床材を打込む際に該デ
   ッキプレート上の前記開口部形成領域に床材が流れ込む
   のを防止する型枠を設けておき、 打込まれた床材が固化した後、前記型枠を取り外すとと
   もに、該領域におけるデッキプレートを切断することで
   前記開口部を形成し、 しかる後、該開口部に和風便器を嵌挿支持させるように
   したことを特徴とする和風便器の施工方法。