JPH0542144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は和風便器を床に配設するための和風
便器の支持枠に関する。

（従来の技術） 従来、和風便器の床への施工作業においては、
先ず、デツキプレート上に基盤スラブを形成する
とともに、該基盤スラブに和風便器据置用の開口
部を形成し、しかる後該開口部に和風便器の配設
を行い、更にその後前記基盤スラブ上に防水層、
コンクリート、又はモルタル等を充填して床を完
全に仕上げるようにしている。

（考案が解決しようとする課題） 従つてかかる従来の施工作業においては、和風
便器を取り付けるためには、当該和風便器を取付
ける床自体を和風便器の施工と同時に形成してい
かねばならず、即ち床スラブとの同時施工が要求
されることとなり、従つて施工作業が大掛かりと
なるとともに、その作業効率も悪くなり、結局和
風便器施工のための時間、労力、コスト等が大幅
に費やされることとなる。

そこでかかる従来の不具合を解決すべく、和風
便器の床への取付けは、床の形成後において当該
床の形成とは別個独立に行うようにする便器の後
付け公法が考えられる。

そこでこの考案は、かかる施工方法を遂行する
に際し、床への和風便器の取付けをより効率よく
行うことができる和風便器取付け用の支持枠を提
供することを目的とする。

（課題を解決するための手段及び作用） 上記課題を解決するためこの考案は、床スラブ
６に形成される開口部６ｃに設けられ、和風便器
７を嵌挿支持する支持枠１であつて、床スラブ６
は、デツキプレート２上に当該支持枠１を設置し
た後、コンクリート６ａ等の流動状床材を打ち込
んで固化させることにより形成され、支持枠１
は、和風便器７を嵌挿支持する係止部１ｂと、該
支持枠１内に床材が流れ込むのを防止する防壁部
１ｃと、床材内に埋設され該支持枠１を固定せし
める埋設部１ｄとを備えてなる和風便器７の支持
枠において、防壁部１ｃはデツキプレート２面に
対して略垂設され、埋設部１ｄは防壁部１ｃの上
端より枠外方向へ延出される延出部１ｄ−１と、
該延出部１ｄ−１の外周端より下方へ垂下されそ
の下端で支持枠１をデツキプレート２上に支持す
る支持部１ｄ−２とから構成されている。

このような和風便器の支持枠によれば、支持枠
が従来の型枠としての機能をも有することとな
り、従つて床スラブの形成時において型枠が不要
となるとともに、床スラブの形成後においてはそ
の取外し作業が不要となり、和風便器の床スラブ
への後付け工法による施工を行うに際し、その作
業効率を向上させることができる。

（実施例） 以下にこの考案の実施例を添付図面に従つて説
明する。

第１図はこの考案に係る和風便器の支持枠を示
す斜視図、第２図は第１図Ａ−Ａ線断面図であ
る。

支持枠１は、四角形状の開口部１ａの内周部に
設けられ和風便器を嵌挿支持する係止部１ｂと、
この係止部１ｂを下端縁に備え、和風便器の嵌挿
部である係止部１ｂ及び開口部１ａに周囲より床
材が流れ込むのを防止すべく後述するデツキプレ
ートに対し略垂直に起設された防壁部１ｃと、後
で床材を打ち込む際に、床材（床スラブ）内に埋
設され、当該支持枠１を固定せしめる埋設部１ｄ
とからなり、更にこの埋設部１ｄは、前記防壁部
１ｃ上端より外周方向へ延出された延出部１d_-1
と、外延出部１d_-1の外周端より下方へ垂下され、
その下端がデツキプレート上面に当接する支持部
１d_-2とからなる。

そして前記延出部１ｄの所定カ所及び前記支持
部の所定カ所には、これら延出部１d_-1、支持部
１d_-2及び防壁部１ｃと、デツキプレート２とに
より区画成形される領域内に床材が流れ込み易く
するための開口部１d_-3…及び切欠部１d_-4…が
夫々設けられている。

以下にかかる支持枠１を用いた和風便器の施工
方法を第３図乃至第７図に従つて説明する。

第３図はデツキプレートに支持枠を取り付ける
工程を示した図である。

この実施例に係るデツキプレート２は断面が略
矩形波状に成形されており、支持枠１の取付けに
際しては、その谷部２ａに発泡スチロール等から
なるブロツク片３…を嵌装し、その上方に前記支
持枠１を載置する。尚、この実施例では該支持枠
１上にも発泡スチロール等のブロツク４を設け
る。

これらブロツク片３…、及びブロツク４は、後
でコンクリート６ａ等の床材をデツキプレート上
に打込む際に、支持枠１内に床材が流れ込むのを
防止するためのものであり、従つてデツキプレー
ト面が本実施例とは異なり平坦な場合には、前記
ブロツク片３…は不要となる。

こうして支持枠１がデツキプレート上に配置さ
れると、第４図に示されるようにデツキプレート
上に床材たるコンクリート６ａが打込まれ、支持
枠１の埋設部１ｄが埋設される。

そして打込まれたコンクリート６ａが固化し、
床スラブ６が形成されると次には第５図に示され
るように、ブロツク片３…及びブロツク４を支持
枠より取り外し、更に第６図に示されるように支
持枠内に臨むデツキプレート２ｃを切断して取り
除き、床スラブ６に和風便器を嵌挿させる開口部
６ｃを形成する。

かくして床スラブの形成とともに、和風便器取
付け用の開口部が形成されると、当該開口部には
和風便器の施工時において、床スラブの形成とは
別個独立に和風便器の取付けが行なわれる。

第７図は当該開口部に和風便器を取付けた状態
を示すもので、この実施例では、和風便器７は耐
火カバー８を介して支持枠１に嵌挿支持される。

耐火カバー８は和風便器７のトラツプ部７ａ及
び排水口部７ｂを囲む上面開口状の略箱型形状を
なし、その内側には断熱材９が充填されている。
そしてこの耐火カバー８は、その上端部で和風便
器７の流水通路部７ｃ段部７ｄを支持し、その外
周部に設けられた段部８ａが補強板金８ｄを介し
て支持枠１の係止部１ｂに支持される。

一方、この耐火カバー８の底面部には、配管接
続のための貫通孔８ｂが設けられ、この貫通孔８
ｂには排水アダプター１０が設けられている。

この排水アダプター１０は、貫通孔８ｂより下
方へ延出される配管接続部１０ａと、このアダプ
ター１０を耐火カバーの底面部８ｃに締結するフ
ランジ部１０ｂ、該アダプター１０に和風便器の
排水口部７ｂを接続する排水口接続部１０ｃとを
一体的に備えてなる。

前記排水口接続部１０ｃは上方へ突出する筒状
をなし、この接続部１０ｃを和風便器の排水口部
周縁部に取付けた排水ジヨイント１１の嵌挿部１
１ａに嵌挿させてアダプター１０に接続する。従
つてこのような構成によれば、和風便器７を耐火
カバー８の開口上方より挿入するのみで、排水口
部７ｂとアダプター１０との接続が行え、その接
続が容易となる。

尚、このアダプター１０の配管接続部１０ａ
は、フランジ状継手１２を介して不図示の排水管
に接続されている。

こうして床スラブの開口部６ｃに和風便器７を
嵌挿支持させると、便器の流水通路部７ｃの外周
部及び耐火カバーの段部８ａの外周部には夫々シ
ール材を兼ねた固定材１３，１４を、耐火カバー
８の上端縁８ｅ及び埋設部１ｄの上面と略面一と
なるよう充填し、更にその上面にはモルタル１５
を床スラブ上面と面一となるよう充填した後、仕
上層１６を施すようにして和風便器の施工作業を
終了する。

（考案の効果） 以上の説明より明らかなようにこの考案に係る
和風便器の支持枠によれば、支持枠に一部従来の
型枠として機能をも持たせたため、床スラブの形
成時において当該型枠が不要となるとともに床ス
ラブの形成後においてはその取外し作業が不要と
なり、後付け工法による和風便器の取付におい
て、その作業効率をより向上させることができ
る。

そしてこの考案の実施例に係る支持枠によれ
ば、その形状から構造的な剛性が高められ、従つ
て重量の大きい和風便器でも安定して支持せしめ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は支持枠を示す斜視図、第２図は第１図
Ａ−Ａ線断面図、第３図はデツキプレートへの支
持枠の取付工程を示す図、第４図は床材の打込み
を示す図、第５図はデツキプレートよりブロツク
片を取外した状態を示す図、第６図はデツキプレ
ートの切断を示す図、第７図は和風便器の取付け
状態を示す図である。 そして図面中、１は支持枠、１ｂは係止部、１
ｃは防壁部、１ｄは埋設部、１d_-1は延出部、１
d_-2は支持部、１d_-3は開口部、１d_-4は切欠部、
２はデツキプレート、６は床スラブ、６ａは床
材、７は和風便器である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 床スラブに形成される開口部に設けられ、和
   風便器を嵌挿支持する支持枠であつて、前記床
   スラブは、デツキプレート上に当該支持枠を設
   置した後、コンクリート等の流動状床材を打ち
   込んで固化させることにより形成され、前記支
   持枠は、和風便器を嵌挿支持する係止部と、該
   支持枠内に前記床材が流れ込むのを防止する防
   壁部と、前記床材内に埋設され該支持枠を固定
   せしめる埋設部とを備えてなる和風便器の支持
   枠において、前記防壁部はデツキプレート面に
   対し略垂設され、前記埋設部は前記防壁部の上
   端より枠外方向へ延出される延出部と、該延出
   部の外周端より下方へ垂下されその下端で前記
   支持枠をデツキプレート上に支持する支持部と
   から構成されていることを特徴とする和風便器
   の支持枠。 (2) 前記延出部と支持部の少なくとも一方には、
   前記床材が当該支持部と前記防壁部間に流れ込
   み易くするための開口部若しくは切欠部が形成
   されている請求項１記載の和風便器の支持枠。