JPH026148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、タイル張施工を容易かつ美麗に果
すことができ、給水管床立上り形の和風大便器に
あつては床の防水性をも高めることの可能な和風
大便器に関する。

和風大便器はデザイン的及び機能的な面から、
その便器本体に曲面部分を多く採用している。こ
のような曲面部分は第１図に例示する和風大便器
ａからも判るように、便器本体ｂの取付床面レベ
ルに全周に亘つて一体的に形成されているフラン
ジｃにも採用されているのが一般的であり、図示
のものの場合には前部及び後部の四隅部分○イ〜○ニ
がそれである。従来のこのようなフランジｃの外
周形状は便器本体ｂの外周形状に合わせられてい
ることによる。

しかし乍ら、上記のようにフランジｃの外周形
状に曲面（○イ〜○ニ）部分があると、タイル張、就
中図示のような角形のタイルｄを張る場合、その
曲面（○イ〜○ニ）部分回りに位置するタイルd′は角
形状態のままで用いることはできず、図示のよう
に曲面（○イ〜○ニ）に合うように割り欠かなければ
ならない。また、例示の給水管床立上り形の和風
大便器ａにあつては、タイル張を施すシリンダー
コンクリートｅ部分からフラツシユバルブｆを備
えている給水管ｇが立上つているためにその給水
管回りに位置するタイルd′も上記と同様に割り欠
かねばならず、従つて、タイル張施工を著しく低
下させると同時にタイル張の仕上程度を低下させ
ている。上記タイルd′の割り欠き作業は現場に
て、位置する曲面形状に合わせて為される。

そこでこの考案は、構造簡単にして上述の如き
問題を払拭することのできる和風大便器を提供す
るものである。

この考案に係る和風大便器は、便器本体の取付
床面レベルに全周に亘つて一体的に形成されてい
るフランジの外周の平面形状を、角形又は一部に
角形の張り出し部、或いは角形の切欠部を有して
いる変形の角形とし、かつ、該フランジ上には給
水管貫通孔が穿設されているものである。

この考案においては、コンクリートスラブに埋
められている便器の取り合いに合わせられたスリ
ーブ上に嵌合載置された後、フランジ上に穿設し
た給水管貫通孔を通すようにして、フラツシユバ
ルブを備えている給水管を設置し、次いで、シリ
ンダーコンクリート上に角形のタイルを張ること
によつて設置できる。また、給水管を交換すると
きには、便器の周囲のタイル等を壊すことなく、
設置されている給水管だけを引き抜いて、新たな
給水管と交換することによつて達成することがで
きる。

以下、この考案を給水管床立上り形の和風大便
器に適用した場合の実施例について第２図に基づ
き説明する。

ここで示す和風大便器１は、フランジ２を除
き、便器本体３部分の構造は従来のものと同様の
構成とされている。そして、前記フランジ２はそ
の外周４の平面形状を矩形とし、かつ、給水管の
立上り部分に給水管貫通孔５を穿設している。フ
ランジ２の巾寸法及び長さ寸法′は角形のタ
イルの大きさと合わせられている。例えば100×
100の正方形タイルを張る場合、そのタイルはフ
ランジ２の巾方向及び長さ方向共に、フランジの
隅部に一致するようにされる。

このように構成される実施例の和風大便器１
は、従来のものと同様に、コンクリートスラブに
埋められている便器に取り合いに合わせられたス
リーブ上に嵌合載置される。しかる後、第３図に
示すように、前記給水管貫通孔５を通すようにし
て、フラツシユバルブ６を備えている給水管７を
設置し、次いでシリンダーコンクリート８上に角
形のタイル９を張る。この場合、タイル９はフラ
ンジ回りに位置するものでも、従来のように割り
欠くことなく角形のままの状態にて張ることがで
きる。また、給水管７はフランジ２部分から立上
つているために従来のように給水管回りに位置す
るタイルを割り欠いたりすることもなくなる。更
に、給水管７は従来のようにシリンダーコンクリ
ート８部分に立上つておらず、フランジ２部分か
ら立上つているために便器本体３と共に前記スリ
ーブ内を通ることになり、コンクリートスラブ上
に設けられる防水層を貫通しないから、床の防水
性が高められる。前記給水管７は、従来のように
シリンダーコンクリート８部分において給水本管
と接続される短寸のものではなく、天井裏などで
給水本管と接続される長寸のものが用いられる。
給水管７を腐食などで交換する場合にも建築部分
に損傷を与えることなく簡単に取り外すことがで
き、かつ、取り付けも簡単に行なえる。

この実施例では、フランジ２の外周４の平面形
状を矩形としたが、第４図及び第５図に例示する
給水管床立上形和風大便器１０，１０′のフラン
ジ１１，１１′の外周１２，１２′の平面形状のよ
うに、一部に角形のタイルに合わせられた角形の
張り出し部１３、或いは角形の切欠部１４を形成
している変形の角形としてもよく、この場合であ
つても同様の効果を期待することができる。

以上要するに、この考案に係る和風大便器は、
便器本体の取付床面レベルに全周に亘つて一体的
に形成されているフランジの外周の平面形状を、
角形又は一部に角形の張り出し部、或いは角形の
切欠部を有している変形の角形とし、かつ、該フ
ランジ上には給水管貫通孔が穿設されているもの
であるから、給水管貫通孔に給水管を通すことが
可能となり、従来のように給水管の部分にタイル
を張るときに給水管の曲面に合うように割り欠く
という作業が不要となり、タイル張施工を著しく
向上させると同時にタイル張の仕上程度を向上さ
せることができる。また、従来のように給水管が
タイル張されている部位には設置されないため、
床の防水性が高められる。さらに、給水管の交換
が容易であり、その際に建築部分に損傷を与える
ことなく簡単に取り外すことができるなどの利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来構造の和風大便器の設置状態の平
面図、第２図はこの考案の実施例の平面図、第３
図は同設置状態の平面図、第４図及び第５図は
夫々変形例の平面図である。 図において、１，１０，１０′は和風大便器、
２，１１，１１′はフランジ、３は便器本体、４，
１２，１２′は外周、５は給水管貫通孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器本体の取付床面レベルに全周に亘つて一体
   的に形成されているフランジの外周の平面形状
   を、角形又は一部に角形の張り出し部、或いは角
   形の切欠部を有している変形の角形とし、かつ、
   該フランジ上には給水管貫通孔が穿設されている
   ことを特徴とする和風大便器。