JP2510986Y2 - 手摺の接続装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は手摺の接続装置、更に詳しくは手摺同士を
簡単に、しかも見栄え良く接続する手摺の接続装置に関
する。

［従来の技術］ 家屋等の建物の階段、吹抜け階上の腰壁等には、転倒
防止、転落防止等の安全性、また、建物内の装飾も兼ね
る種々の手摺が提供され、取り付けられていることは周
知の通りである。

ところで、一般的に手摺は長尺なものが多く、所要長
さのものを現場で接続して取り付けられる。

従来、この手摺の接続手段として、接続すべき手摺の
端部に臍を形成し、或はダボを取り付けて、手摺同士を
一体的に接続することが行なわれている。

この他、手摺端部下面に溝穴を掘っておき、結合金具
を両者の溝穴に掛け渡すように埋め込んで接続するもの
や、手摺端部の処理を兼ねて当該部分を被覆するキャッ
プ状の接続金具を両者に取り付け、接続金具同士をボル
ト・ナット等で接続するもの等も有る。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、前者の臍、ダボによる手摺の接続は、
手摺同士を一体的に接続するために、かなりの正確さと
熟練度を要求され、後者のキャップ状の接続金具等を使
用するものにあっては、ボルト・ナット或は接続金具の
金属素地が露呈して体裁を損ねる事がある。

そこで、接続作業が簡単で、仕上がりの見栄えが良
く、しかも手摺同士を強固に接続出来るものが望まれて
いた。

［課題を解決するための手段］ この考案に係る手摺の接続装置は、上記した従来の課
題に鑑みこれを解消すべく考案したもので、接続すべき
手摺の木口端面に夫々固定する雌雄一対の接続金具と、
この一対の接続金具を接続した後に、その外面を被覆す
る化粧カバーとから構成すると共に、化粧カバーを手摺
の木口よりも小さい断面としたことを特徴とする。

ここで、木口端面に夫々固定する雌雄一対の接続金具
は、その接続手段として一方に雄ネジ、他方に雌ネジ、
或は、互いを嵌合出来る箱型等も可能であるが、接続が
簡単でしかも接続状態が強固となる蟻接続を採用するこ
とが好ましい。

また、上記接続金具を接続した後に、その外面を被覆
する化粧カバーは、手摺の素材、形状、色等と相性が合
えば、木材、樹脂、金属或はその他の素材で形成しても
よいが、手摺の木口端面形状よりやや小さな端面形状と
してあるので、多少の取り付け誤差が有っても、手摺外
面よりこの化粧カバーが突出することが無いものであ
る。

また、この化粧カバーを接続金具外面に被覆するに際
して、化粧カバー自体を可撓性あるいは樹脂板等で形成
しておき接続金具に巻き付ける手段や、上下、左右に分
割しておき接続金具を挟み付けるように被覆し、両者を
接着、或はビス等で固定する手段もあるが、丁度、接続
金具をくり抜いた馬蹄形状に化粧カバーを形成してお
き、接続金具を接続した後に、上方より接続金具を嵌合
するように押し下げて被覆する手段を採用することが、
作業性等の点でより好ましい。

［作用］ この考案に係る手摺の接続装置は、上記した手段を採
用したので、手摺同士の接続が極めて簡単に、しかも、
強固で見栄え良く接続出来るようになる作用がある。

すなわち、工場段階または現場で、接続すべき手摺の
木口端面に、雌雄一対の接続金具を夫々固定し、この一
対の接続金具を嵌め合わせて接続して、化粧カバーを接
続金具外面に被覆する極めて簡単な作業で手摺同士を接
続出来る作用がある。

［実施例］ 以下、この考案の構成を図面に示す実施例に基いて説
明する。

第１図は全体の分解斜視図、第２図と第３図は接続状
態を示すもので、第２図は斜視図、第３図は縦断面図で
ある。

図面において、10、10は接続すべき手摺、20、30は夫
々雌雄一対の接続金具、40は化粧カバーである。

ここで手摺10、10はもちろん同形のもので、この実施
例においては、断面円形状で木製のものを採用してあ
る。これ等の手摺10、10は製造工場で所要長さに切断さ
れ、この木口端面11、11は仕上げかんな、サンドペーパ
ー等で綺麗に仕上げされていると共に、木口周囲を面取
り仕上げして、ささくれ等が生じないようにしてある。

接続金具20、30は、上記手摺10の木口端面11より小さ
な端面略長方形状を呈する大きさに形成したもので、そ
の一方の接続金具20の表面には上下方向にレール状の蟻
突条21が突設してあり、また、もう一方の接続金具30に
は蟻溝31が形成してある。

詳述すると、蟻突条21は接続金具20の上面から下面や
や手前まで形成してあり、蟻溝31は接続金具30の上面に
挿入口32を有し、下面やや手前に底壁33を有する。つま
り、蟻突条21と蟻溝31とを同一長さに形成してあり、蟻
突条21を蟻溝31の挿入口23から挿入してこの蟻溝31の底
壁33に係止させると、接続金具20と接続金具30とが上下
面及び左右側面共に面一となり、接続金具20、30両者が
一体的に接続されるようにしてある。

尚、図中21、34は夫々接続金具20、30に開設したビス
孔で、これ等接続金具20、30を手摺10、10の木口端面1
1、11に固定する際に皿ビス50、50…を挿通するための
ものである。また、23は接続金具20の下面に開設した雌
ネジ孔、35は接続金具30の下面に開設したビス挿通孔
で、接続金具20、30を接続した後に両者を固定ビス60で
固定するためのものである。

化粧カバー40は、木材、樹脂、金属或はその他の素材
で製造したもので、手摺10の木口端面11より若干小径
で、また、接続金具20、30の接続状態の厚みと同じ厚さ
に形成したもので、全体形状が馬蹄形を呈するものであ
る。つまり、接続金具20、30の嵌合穴41が開設してあ
り、化粧カバー40下部に開口42を有する。

しかして、その使用態様を第２図、第３図を参照しな
がら説明すると、 先ず、手摺10、10の木口端面11、11の中央部に、夫
々、接続金具20、30を皿ビス50、50…で固定し、これ等
手摺10、10を、例えば、所定の手摺子70、70…上端に架
設し、（または、架設する前に）接続金具20、30を夫々
の蟻突条21を蟻溝31嵌合することにより接続し、下方よ
り固定ビス60を接続金具30下面のビス挿通孔35を通し
て、接続金具20下面の雌ネジ23に螺入して固定する。

然る後、化粧カバー40の嵌合穴41内面に予め少量の接
着剤を塗布しておき、この化粧カバー40を接続金属20、
30の上方から押し下げるようにして、化粧カバー40下部
の開口42から接続金具20、30を嵌合穴41内に嵌入して、
手摺10、10同士の接続を完了する。

また第１図の手摺10,10に破線で示したものは墨出し
であり、接続金具20、30に破線で示したものは墨出し溝
であり、何れも固定時の固定位置を決定するためのもの
である。

なお化粧カバー40は、手摺10,10の素材、形状、色等
と相性が合えば、木材、樹脂、金属或はその他の素材で
形成してもよいが、手摺10,10の木口端面形状よりやや
小さな端面形状としてあるので、多少の取り付け誤差が
有っても、手摺10,10の外面よりこの化粧カバー40が突
出することが無いものである。

この考案の一実施例は、以上説明したように構成さ
れ、使用されるものであるが、勿論、これに限定される
ものでは無く、種々設計変更可能である。

［考案の効果］ 上述したように、この考案に係る手摺の接続装置は、
接続すべき手摺の木口端面に夫々固定する雌雄一対の接
続金具と、この一対の接続金具を接続した後に、その外
面を被覆する化粧カバーとから構成したので、手摺同士
の接続が極めて簡単に、しかも、強固で見栄え良く接続
出来等の効果が有り、実用上極めて優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の一実施例を示すもので、第１図は分
解斜視図、第２図は接続状態を示す斜視図、第３図は第
２図に於ける縦断面図である。 10:手摺、11:木口端面 20:接続金具、21:蟻突条 22:ビス孔、23:雌ネジ孔 30:接続金具、31:蟻溝 32:挿入口、33:底壁 34:ビス孔、35:ビス挿通孔 40:化粧カバー、41:嵌合穴 42:開口、50:皿ビス 60:固定ビス

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】接続すべき手摺の木口端面に夫々固定する
   雌雄一対の接続金具と、この一対の接続金具を接続した
   後に、その外面を被覆する化粧カバーとから構成すると
   共に、 化粧カバーを手摺の木口よりも小さい断面としたことを
   特徴とする手摺の接続装置。