JP3731861B2 - バルコニー手摺り壁構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成木材を使用したバルコニーの手摺り壁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、住宅のバルコニーに使用されている手摺り壁としては、例えば、外壁と同じ材質で構成されたパネルを使用したり、アルミ鋼材で構成された鋼製フレームにパンチングメタルを貼り付けたものなどを使用したりすることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の手摺り壁は、外壁と同等のパネルによる場合、住宅の外観にあまり変化が無く、鋼製フレームによる場合、住宅の外観が鋼材による冷たい印象になってしまうので、木材のような自然な風合いを得ることができない。
【0004】
そのため、このような手摺り壁に木材を使用することが考えられるが、この場合、外壁や鋼製フレームと同等の耐候性を得ることができない。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、通風性、安全性、耐久性を確保できるとともに、自然な風合いを得ることができるバルコニー手摺り壁構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明のバルコニー手摺り壁構造は、長手方向に沿った両側部に溝部が形成されてなる複数本の合成木材が、バルコニー周縁に立設されたバルコニーフレームの外側に、水平方向に沿って並行するように、間隙を存して設けられてなり、これら合成木材の間隙には、断面略コ字状の溝形となされ、溝底に複数の通気孔が穿孔されてなる長尺の目地材が、合成木材の溝部に嵌め込むようにして設けられ、バルコニーの内側は、これら合成木材と目地材とが略面一となされる一方、バルコニーの外側は、合成木材間に目地材が凹設されて合成木材の横格子が強調されるようになされたものである。
【0007】
この構成により、バルコニーの内側は、合成木材と目地材とが略面一となされるので、この部分を子供がよじ登るといったことを防止できる。
【0008】
また、バルコニーの外側は、合成木材間に目地材が凹設されて合成木材の横格子が強調されるので、バルコニーの水平ラインが強調されて広がり感があり、しかも合成木材による自然な風合いが生かされることとなる。
【0009】
さらに、合成木材による耐久性が得られるとともに、目地材の溝底に通風孔を設けているので、適宜な通風性も得られることとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明に係るバルコニー手摺り壁構造の全体構成の概略を示し、図2は同手摺り壁構造に使用されている合成木材2および目地材3を示し、図3ないし図4は、同手摺り壁構造の各部断面図を示している。
【0012】
すなわち、このバルコニー手摺り壁構造は、バルコニーフレーム1の外側に合成木材2が設けられ、この合成木材2の間隙Dに目地材3が設けられている。
【0013】
バルコニーフレーム1は、鋼製の形材11を組み合わせて構成されており、バルコニー10の周縁に立設される。
【0014】
合成木材2は、木粉と樹脂との混合物による押出成形材であって、長尺の板状に形成されている。この合成木材2は、表面21の幅より裏面22の幅の方が広くなるように、両側部にテーパ面23が形成されている。このテーパ面23の裏面22側近傍の位置には長手方向に沿って溝部24が設けられている。また、図2(a)に示すように、合成木材2の裏面22には、合成木材2の端部から長手方向に沿って断面略T字状の切込み20が設けられている。この切込み20には、係止片41を有するボルト4の係止片41の部分が嵌め込まれる。そして、図4ないし図6に示すように、この合成木材2の切込み20から突出するボルト本体42の部分を、バルコニーフレーム1を構成する形材11にナット5で固定することによって、合成木材2の両端部は、バルコニーフレーム1に固定される。また、合成木材2の中間部は、図7に示すように、ビス6によって、バルコニーフレーム1を構成する形材11に固定される。このボルト本体42とナット5との固定部分やビス6は、バルコニーフレーム1が形材11同士を組み合わせて構成しているため、形材11の内部に隠されることとなる。
【0015】
この合成木材2は、図1に示すように、複数本が水平方向に沿って並行するように設けられる。また、この状態で、並行する合成木材2同士の間には、間隙Dを形成し、この間隙Dに目地材3が設けられる。
【0016】
目地材3は、断面略コ字状の溝形に形成された長尺の鋼材からなる。この目地材3の両側の立ち上がり片31は、前記合成木材2の溝部24に合致する形状となされている。また、目地材3の溝底32には、長手方向に沿って複数の通気孔30が穿孔されている。
【0017】
この目地材3は、両側の立ち上がり片31を、間隙Dを挟んで対向する合成木材2同士の溝部24間に嵌め込むことによって、この並行する合成木材2同士の間隙Dに取り付けられる。この状態で、図2(a)に示すように、合成木材2の裏面22と、目地材3とは、面一となる。したがって、バルコニー内には、引っ掛かりとなる部分ができないので、子供がバルコニーをよじ登るといったことを防止することができ、安全性を確保することができる。
【0018】
また、図2(b)に示すように、合成木材2の表面21からは、間隙Dの部分にテーパ面23があり、さらにその奥部に目地材3が凹設されることとなるので、並行する合成木材2同士の間隙Dが強調されることとなる。したがって、バルコニーの外部からは、合成木材2と間隙Dとによって水平ラインが強調されて広がり感のあるバルコニーが得られる。また、合成木材2によって今までに無かった自然な風合いが生かされ、おおらかさと暖かさが演出される。また、この合成木材2は、木の風合いによって鉢植えなどとも良く合うので、このバルコニーに鉢植えなどを置いたりして園芸などを楽しむことができる。
【0019】
さらに、この合成木材2の間隙Dの奥部に凹設される目地材3には、通風孔30を設けているので、適宜な通風性も得られる。
【0020】
バルコニーフレーム1の上辺部分には、合成木材2の部分も被覆するように笠木7が設けられて仕上げられる。また、笠木7上には手摺り8が設けられる。こ手摺り8は、バルコニーフレーム1に固定した支持部材81を介して固定される。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によると、通風性、安全性、耐久性を確保できるとともに、自然な風合いを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、本発明に係るバルコニー手摺り壁構造によるバルコニーを示す正面図および側面図である。
【図2】(a)および(b)は、本発明に係るバルコニー手摺り壁構造に使用されている合成木材と目地材とを裏面側および表面側から見た部分斜視図である。
【図3】図1におけるI-I 線断面図である。
【図4】図1におけるII-II 線断面図である。
【図5】図1におけるIII-III 線断面図である。
【図6】図1におけるIV-IV 線断面図である。
【図7】図1におけるV-V 線断面図である。
【符号の説明】
1 バルコニーフレーム
2 合成木材
24 溝部
3 目地材
30 通気孔
D 間隙
Claims (1)
- 長手方向に沿った両側部に溝部が形成されてなる複数本の合成木材が、バルコニー周縁に立設されたバルコニーフレームの外側に、水平方向に沿って並行するように、間隙を存して設けられてなり、
これら合成木材の間隙には、断面略コ字状の溝形となされ、溝底に複数の通気孔が穿孔されてなる長尺の目地材が、合成木材の溝部に嵌め込むようにして設けられ、バルコニーの内側は、これら合成木材と目地材とが略面一となされる一方、バルコニーの外側は、合成木材間に目地材が凹設されて合成木材の横格子が強調されるようになされたことを特徴とするバルコニー手摺り壁構造。
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