JP2004336872A - プレキャストコンクリート壁の形成方法、プレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法、ハーフpc工法用プレキャストコンクリート壁、配線空間形成装置及びカバー部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口11と、該上面開口11側に設けられて配線用ボックス40の取り付けが可能な取付部とを備えた枠体部材10を、当該枠体部材10の上面開口11をカバー部材で覆った状態で前記プレキャストコンクリート壁を形成する型枠に固定し、当該型枠内にコンクリートを打設することにより、前記枠体部材10から前記カバー部材を除去した際に、前記上面開口11及び取付部が上面側に臨まされるとともに、前記配線用ボックス40の開口を前記上面開口11に臨ませて、上面側から該ボックスを前記取付部に取り付け可能とする。
【選択図】図13
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハーフPC工法において用いられ、電線管を接続可能とするプレキャストコンクリート壁及びその形成方法に関するものであって、特に、該プレキャストコンクリート壁に対する電線管を接続する配線用ボックスを後付け可能な構成とするプレキャストコンクリート壁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物壁をコンクリートにて形成する際に、ハーフPC工法と呼ばれる工法が採用されている。このハーフPC工法というのは、工場において予め製作されたプレキャストコンクリート(PC)壁を施工場所にセットし、其処へ場所打ちのコンクリート(打設コンクリート)を打ち込むことによって、前記PC壁と打設コンクリートとの二層構造により建物壁を形成する工法である。このハーフPC工法によれば、PC壁が型枠代わりになるので仮設材が少なくなり、比較的短い養生期間で硬化するので全体としての工期が短縮できるという点で、マンション建築等において多用されている。
【0003】
そして、上記PC壁を工場等で作成する場合に、従来においては特許文献1に記載の如き「コンクリートボックス」等を埋設し、該PC壁内に配線接続空間を設けるものとしていた。但し、この特許文献1に記載のコンクリートボックスはハーフPC壁に埋設するためのものではなく、所謂現場打ちのコンクリートに埋もれて設置されるものである。従って、上記ハーフPC壁内に埋設する場合には、高さ寸法の長いものをハーフPC壁の型枠内に設置し、その上端部分をコンクリート面から臨ませて突出させている。詳細には、▲1▼PC壁を形成するためのコンクリート型枠に、背面開口がバックプレートで覆われた前記コンクリートボックスの前面開口側に、一又は複数の継枠を介して、開口周縁に配線器具や感知器等の機器取付部を備えたボックスカバーを、ビス等により固定し、▲2▼前記ボックスカバー及び継枠が一体化されたコンクリートボックスを、PC壁を形成するための型枠に、前記ボックスカバー側を下にして固定する。次いで、▲3▼前記型枠にコンクリートを打設して、PC壁を形成する。この時、前記コンクリートボックスは、前記PC壁の上方に突出された状態に埋設される。更に、▲4▼前記PC壁を建築現場に運搬して設置した後、PC壁の上方に突出しているコンクリートボックスのバックプレートを外して、該ボックス側壁にコネクタ等を取り付け、これに電線管を接続すべく配管し、再度バックプレートをボックスに取り付けた状態で、現場にて、打設コンクリートを打ち込むことにより、建物のスラブ壁を形成していた。
【0004】
しかしながら、上記従来工法にあっては、前記電線管の配管作業の際、ボックスが既にPC壁内に埋設されてしまっているため、バックプレートを外して形成される背面開口から手を挿入して、コネクタ等の取り付け作業を行なわなければならず、作業性が悪かった。
【0005】
とくに、ボックス近傍にカイザー筋が突出していると、これが邪魔となって、ボックス側壁のノックアウト等を打ち抜き作業や、コネクタの取り付け作業の妨げとなっていた。
【0006】
また、ノックアウトを打ち抜く際に、打ち抜かれたノックアウトは、ボックス内部に落下する場合が多く、この打ち抜かれたノックアウトを後から除去しないと、ケーブル配線の妨げとなることもあった。
【0007】
また、形成されたPC壁は、上面にボックスが大きく突出した状態となるため、邪魔であり、また運搬時に何らかの衝撃で破損してしまうおそれもあるため、運搬性の妨げにもなっていた。
【0008】
本発明は、上記の各問題点に鑑みて、プレキャストコンクリート壁に対して配線用ボックスを後付け可能とすることによって上記問題を解消できる点に気付き案出されたもので、その解決しようとする課題は、以下の如くである。
【0009】
【特許文献1】特開平6−351130号公報(図2)
【0010】
【発明の解決しようとする課題】
即ち本発明は、ハーフPC工法において用いられるプレキャストコンクリート壁において、該プレキャストコンクリート壁に対して配線用ボックスを後付け可能とすることにより、該配線用ボックスに対する電線管の接続作業の容易化を実現できる、プレキャストコンクリート壁又は配線用ボックスを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく本発明の採った手段を以下に示す。
【0012】
まず、請求項1に係る発明は、プレキャストコンクリート壁と打設コンクリート壁との二層構造により建物壁を形成するハーフPC工法における、前記プレキャストコンクリート壁の形成方法であって、形成されるプレキャストコンクリート壁の下面側に臨む下面開口12と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口11と、該上面開口11側に設けられて配線用ボックス40の取り付けが可能な取付部18とを備えた枠体部材10を、当該枠体部材10の上面開口11をカバー部材30で覆った状態で前記プレキャストコンクリート壁を形成する型枠50に固定し、当該型枠50内にコンクリートを打設することにより、前記枠体部材10から前記カバー部材30を除去した際に、前記上面開口11及び取付部18が上面側に臨まされるとともに、前記配線用ボックス40の開口を前記上面開口11に臨ませて、上面側から該ボックスを前記取付部18に取り付け可能とする、プレキャストコンクリート壁を形成することを特徴とするものである。
【0013】
即ち、本請求項に係るプレキャストコンクリート壁の形成方法は、プレキャストコンクリート壁を形成するにあたり、型枠50内の底部に対し、配線空間を確保する枠体部材10を固定すると共に、該枠体部材10の上面開口11をカバー部材30にて被覆して、コンクリートを打設して硬化させることにより、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口12を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側からはカバー部材30を除去することによって上面開口11を臨ませて、該上面開口11に対し、別部材に係る配線用ボックス40を取付可能とするものである。
【0014】
従って本請求項に係る発明によれば、形成されたプレキャストコンクリート壁に対して別部材に係る配線用ボックス40を後付けすることが可能となる。即ち、該プレキャストコンクリート壁へ電線管43を接続する際にあっては、該プレキャストコンクリート壁内に埋設された配線用ボックス40に対して直接的に電線管43を接続する必要がないのである。そのため、例えば「多数のカイザー筋」が突出した場所であっても、作業者による電線管43の接続作業を容易なものとすることができるのである。
【0015】
次に、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、前記枠体部材10は、下面開口12側に配線器具や感知器等の電気器具が取り付け可能な器具取付部21を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
本請求項に係る発明によれば、請求項1に記載の優位な特徴に加え、プレキャストコンクリート壁の下面に対する電気器具の取付が容易となるので、施行現場における作業性を向上させることが可能となるのである。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、前記枠体部材10は、複数の枠材の組み付けにより構成され、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることを特徴とするものである。
【0018】
本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁内に埋設される枠体部材10の高さ寸法が、形成されるプレキャストコンクリート壁の厚みに応じて容易に変化させることができるため、該プレキャストコンクリート壁の多様化を図ることが可能となる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3の何れかに記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、前記枠体部材10は、下面開口12を形成すると共に前記器具取付部21を備えた器具取付枠と、該器具取付枠に取り付けられて上面開口11を形成すると共に、別部材に係る配線用ボックス40の取り付けが可能な取付部18を備えた継枠部材13とで形成され、前記継枠部材13は、複数積層できるように相互に組み付けられて、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることを特徴とするものである。
【0020】
本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁の下面に対する電気器具の取付が容易となって施行現場における作業性を向上させることが可能となると共に、当該プレキャストコンクリート壁の厚みに応じて枠体部材10の高さ寸法を容易に変化させることができるので、該プレキャストコンクリート壁の多様化を図ることが可能となる。
【0021】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4に記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、前記枠体部材10は、前記型枠50に固定された固定具60に、下面開口12側が固定されて型枠50に固定することを特徴とするものである。
【0022】
本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、枠体部材10を所期の位置へ正確且つ容易に固定できるので、該プレキャストコンクリート壁の製造効率を向上させることが可能となるのである。
【0023】
請求項6に係る発明は、プレキャストコンクリート壁と打設コンクリート壁との二層構造により建物壁を形成するハーフPC工法において、前記建物壁内に配線用ボックス40を埋設すべく、前記プレキャストコンクリート壁に配線用ボックス40を固定する方法であって、形成されるプレキャストコンクリート壁の下面側に臨む下面開口12と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口11と、該上面開口11側に設けられ、配線用ボックス40を取り付け可能な取付部18とを備えた枠体部材10を、当該枠体部材10の上面開口11をカバー部材30で覆った状態で前記プレキャストコンクリート壁を形成する型枠50に固定し、当該型枠50内にコンクリートを打設することによって、前記プレキャストコンクリート壁を形成し、前記枠体部材10から前記カバー部材30を除去して、前記上面開口11及び取付部18をプレキャストコンクリート壁の上面側に臨ませ、前記配線用ボックス40の開口を前記上面開口11に臨ませて、上面側から該ボックスを前記取付部18に取り付けることにより、プレキャストコンクリート壁に配線用ボックス40を固定することを特徴とするものである。
【0024】
即ち、本請求項に係る配線用ボックス40の固定方法は、プレキャストコンクリート壁を形成するにあたり、型枠50内の底部に対し、上面開口11と下面開口12とを有する枠体部材10を固定すると共に、該枠体部材10の上面開口11をカバー部材30にて被覆して、コンクリートを打設して硬化させ、形成されたプレキャストコンクリート壁の上面側からカバー部材30を除去することによって上面開口11を臨ませて、該上面開口11に対して、配線用ボックス40を取付可能とするものである。
【0025】
従って本請求項に係る発明によれば、形成されたプレキャストコンクリート壁に対して別部材に係る配線用ボックス40を後付けすることが可能となる。即ち、該プレキャストコンクリート壁へ電線管43を接続する際にあっては、該プレキャストコンクリート壁内に埋設された配線用ボックス40に対して直接的に電線管43を接続する必要がないのである。そのため、例えば「多数のカイザー筋」が突出した場所であっても、作業者による電線管43の接続作業を容易なものとすることができるのである。
【0026】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックス40の固定方法において、前記配線用ボックス40は、側壁に電線管43が接続された状態で、前記枠体部材10に取り付けられることを特徴とするものである。
【0027】
本請求項に係る発明によれば、形成されたプレキャストコンクリート壁の枠体部材10の取付部18に対し、別部材に係る配線用ボックス40に電線管43を接続してから取り付けることが可能となるので、作業者による電線管43の接続作業を容易なものとすることができるのである。
【0028】
請求項8に係る発明は、請求項6又は請求項7に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックス40の固定方法において、前記枠体部材10は、下面開口12側に配線器具や感知器等の電気器具が取り付け可能な器具取付部21を備えたことを特徴とするものである。
【0029】
本請求項に係る発明によれば、請求項6又は請求項7に記載の優位な特徴に加え、プレキャストコンクリート壁の下面に対する電気器具の取付が容易となるので、施行現場における作業性を向上させることが可能となるのである。
【0030】
請求項9に係る発明は、請求項6乃至請求項8の何れかに記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックス40の固定方法において、前記枠体部材10は、複数の枠材の組み付けにより構成され、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることを特徴とするものである。
【0031】
本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁内に埋設される型枠50に固定される枠体部材10の高さ寸法が、形成されるプレキャストコンクリート壁の厚みに応じて容易に変化させることができるため、該プレキャストコンクリート壁の多様化を図ることが可能となる。
【0032】
請求項10に係る発明は、請求項8又は請求項9に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックス40の固定方法において、前記枠体部材10は、下面開口12を形成するとともに前記器具取付部21を備えた器具取付枠と、該器具取付枠に取り付けられて上面開口11を形成すると共に、別部材に係る配線用ボックス40の取り付けが可能な取付部18を備えた継枠部材13とで形成され、前記継枠部材13は、複数積層できるように相互に組み付けられて、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることを特徴とするものである。
【0033】
本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁の下面に対する電気器具の取付が容易となって施行現場における作業性を向上させることが可能となると共に、当該プレキャストコンクリート壁の厚みに応じて枠体部材10の高さ寸法を容易に変化させることができるので、該プレキャストコンクリート壁の多様化を図ることが可能となる。
【0034】
請求項11に係る発明は、請求項6乃至請求項10に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックス40の固定方法において、前記枠体部材10は、前記型枠50に固定された固定具60に、下面開口12側が固定されて型枠50に固定することを特徴とするものである。
【0035】
本請求項に係る発明によれば、枠体部材10を所期の位置へ固定するにあたり、正確な位置に対して容易に固定できるので、該プレキャストコンクリート壁の製造効率を向上させることが可能となるのである。
【0036】
請求項12に係る発明は、プレキャストコンクリート壁と打設コンクリート壁との二層構造により建物壁を形成するハーフPC工法に用いる前記プレキャストコンクリート壁であって、該プレキャストコンクリート壁はその内部に枠体部材10を埋設してなり、該枠体部材10は、前記プレキャストコンクリート壁の下面側に臨む下面開口12と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口11と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨まされて、配線用ボックス40の取り付けが可能な取付部18とを備えたことを特徴とするものである。
【0037】
本請求項に係る発明によれば、上面開口11の取付部18に対して別部材に係る配線用ボックス40を後付けできるために電線管43を接続してから取り付けることが可能となり、作業者による電線管43の接続作業を容易なものとすることができるのである。
【0038】
請求項13の発明に係る配線空間形成装置は、プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口12を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口11と配線用ボックス40の取付を可能にする取付部18とを臨ませる枠体部材10と、当該枠体部材10の上面開口11を覆って該枠体部材10内側へのコンクリートの進入を防止するカバー部材30と、を有することを特徴とするものである。
【0039】
本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、外側へと連通する開口を有する配線空間を、該プレキャストコンクリート壁の内側へ容易に設けることが可能となり、尚且つ、コンクリートが前記接続空間内に流入することを防止できる。
【0040】
請求項14の発明に係る配線空間形成装置は、プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口12を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口11と配線用ボックス40の取付を可能にする取付部18とを臨ませる枠体部材10と、当該枠体部材10の上面開口11に取り付けられることにより、該枠体部材10内側へのコンクリートの進入を防止すると共に、前記取付部18へのコンクリートの付着を防止するカバー部材30と、を有することを特徴とするものである。
【0041】
本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、外側へと連通する開口を有する配線空間を、当該プレキャストコンクリート壁の内側へ容易に設けることが可能となり、尚且つ、該プレキャストコンクリート壁を形成すべくコンクリートを打設する際に、枠体部材10の上面開口11にカバー部材30を係止させることによって、コンクリートが前記接続空間内に流入することを防止できる。
【0042】
請求項15の発明に係る配線空間形成装置は、プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口12を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口11と配線用ボックス40の取付を可能にする取付部18とを臨ませる枠体部材10と、当該枠体部材10の上面開口11を覆って該枠体部材10内側へのコンクリートの進入を防止するカバー部材30と、前記プレキャストコンクリートが形成されて、前記カバー部材30を除去した後に前記枠体部材10の取付部18に取り付けられ、側面又は底面に電線管43の接続を可能とする配線用ボックス40と、を有することを特徴とするものである。
【0043】
本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、外側へと連通する開口を有する配線空間を、該プレキャストコンクリート壁の内側へ容易に設けることが可能となると共に、コンクリートが前記接続空間内に流入することを防止でき、尚且つ、該プレキャストコンクリート壁が形成された後には、枠体部材10の取付部18に対して別部材に係る配線用ボックス40を後付けできるために電線管43を接続してから取り付けることが可能となり、作業者による電線管43の接続作業を容易なものとすることができるのである。
【0044】
請求項16の発明に係る配線空間形成装置は、プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口12を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口11と配線用ボックス40の取付を可能にする取付部18とを臨ませる枠体部材10と、当該枠体部材10の上面開口11に取り付けられることにより、該枠体部材10内側へのコンクリートの進入を防止すると共に、前記取付部18へのコンクリートの付着を防止するカバー部材30と、前記プレキャストコンクリートが形成されて、前記カバー部材30を除去した後に前記枠体部材10の取付部18に取り付けられ、側面又は底面に電線管43の接続を可能とする配線用ボックス40と、を有することを特徴とするものである。
【0045】
本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、外側へと連通する開口を有する配線空間を、該プレキャストコンクリート壁の内側へ容易に設けることが可能となると共に、該プレキャストコンクリート壁を形成すべくコンクリートを打設する際に、枠体部材10の上面開口11にカバー部材30を係止させることによって、コンクリートが前記接続空間内に流入することを防止でき、尚且つ、該プレキャストコンクリート壁が形成された後には、枠体部材10の取付部18に対して別部材に係る配線用ボックス40を後付けできるために電線管43を接続してから取り付けることが可能となり、作業者による電線管43の接続作業を容易なものとすることができるのである。
【0046】
請求項17の発明に係るカバー部材30は、プレキャストコンクリート壁を成型する際に、該プレキャストコンクリート壁内に埋設される枠体部材10の上面開口11を被覆して、該枠体部材10内側へのコンクリートの進入を防止すると共に、前記取付部18を保護することを特徴とするものである。
【0047】
本請求項に係る発明によれば、枠体部材10内側へのコンクリートの流入を防止できるので、プレキャストコンクリート壁の内側に対して配線空間を確実に設けることが可能となり、配線用ボックス40との取付部18をコンクリートの付着から保護することが可能となる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る技術的思想を、実施例に具現化して説明する。
【0049】
(実施例1)
図1は、本発明に係るプレキャストコンクリート壁に埋設される枠体部材10を示すものである。
【0050】
本実施例に係る枠体部材10は、図1に示すように、上面側と下面側にそれぞれ開口部を構成すべく継枠部材13とボックスカバー20とを有するものである。そして、該ボックスカバー20を継枠部材13に装着して、プレキャストコンクリート壁の形成型枠50の底部に固定され、該型枠50内にコンクリートが打設されて硬化した後には、該プレキャストコンクリート壁に内蔵されて、当該枠体部材10における各開口部が上面開口11又は下面開口12として、該プレキャストコンクリート壁の表面に臨むこととなる。
【0051】
まず、継枠部材13というのは、図1に示すような四角形状や、或いは図15に示すような八角形状等の枠状に構成され、複数の該継枠部材13を相互に積層することによって、形成されるプレキャストコンクリート壁の厚みに応じ、別部材に係る配線用ボックス40の取り付け高さを調整可能とするものである。
【0052】
そして、当該継枠部材13の具体的構成は、図1又は図3に示すように、まず、その上面開口11側を略拡開形状とし、下面開口12側を略縮径形状とする共に、それぞれの開口部の周縁部分に係合部14を形成している。即ち、一方の開口周縁部分には係止爪15を突設すると共に、他方の開口周縁部分には該係止爪15と係合可能な凹部16が形成するのである。かかる構成を採ることにより、複数の継枠部材13を相互に積み重ねが可能となると共に、積み重ねた状態において相互に離脱することなく固定することが可能となるのである。
【0053】
さらに、当該枠体部材10の上面開口11側には、図4、図5又は図15に示すように、別部材に係る配線用ボックス40が取り付けられることとなる。本発明においては、枠体部材10における配線用ボックス40を取り付ける部位を「取付部18」としている。即ち、複数の継枠部材13を相互に積層してなる枠体部材10における、最上部に配置された継枠部材13の上面開口側に設けた係合部14が「取付部18」に相当することとなるのである。
【0054】
そして、本実施例においては、前記取付部18に前記配線用ボックス40を装着するにあたり、該配線用ボックス40における継枠部材13の上面開口11(即ち、取付部18)に対する接合部分の形状は、図3又は図4に示すように、前記継枠部材13における下面開口12側に設けた係止爪15と略同一の形状に構成している。かかる構成によれば、相互に積層された複数の継枠部材13のうちの何れの継枠部材13が前記配線用ボックス40と対面したとしても、当該継枠部材13に設けた凹部16に対して、当該配線用ボックス40に設けた係止爪15を係合させることができ、当該継枠部材13を有する枠体部材10に対して前記配線用ボックス40を容易且つ確実に取り付けることが可能となるのである。
【0055】
勿論、本発明は上記の構成に特段限定されるものではなく、例えば、継枠部材13相互間の接合を行う係合部14と、当該継枠部材13と配線用ボックス40との接合を行う取付部18とは、それぞれ異なる形状のものを採用してもよいことを付言する。かかる構成を採った場合には、複数の継枠部材13を積層して構成される枠体部材10における(配線用ボックス40と対面する)最上部には、他の継枠部材13とは異なる専用形状の取付部18を備えた継枠部材13を配置して、当該専用形状の取付部18を備えた継枠部材13に対して配線用ボックス40装着させることとなる。
【0056】
尚、本実施例において配線用ボックス40は、図4に示すように有底の箱形状とし、該箱の側面部にノック部を形成し、該ノックを必要に応じて打ち抜くことにより、電線管43との接続を行うことができるように構成している。更に、当該配線用ボックス40は、図4に示す構成に限定されるものではなく、図5に示すように、四辺に側面部を有し底面を備えない貫通形とし、該側面部にノック部を形成した配線用ボックス40の採用も考えられる。かかる構成を採った場合には、接続を行った後に別部材に係るプレート部材41を係合させる、或いは、ねじ止めするなどして、前記「貫通」部分を閉塞することができる。勿論、前記枠体部材10を図15に示すように、八角形状とした場合には、配線用ボックス40についても図16に示すように、八角形状のものを採用すべきである。
【0057】
次に、ボックスカバー20というのは、前記プレキャストコンクリート壁における下面開口12を構成するものであって、上記枠体部材10の下面側に設けられるものである。
【0058】
このボックスカバー20は、特許請求の範囲において記載した「器具取付枠」に相当するもので、図2に示すように、配線器具や感知器等の電気器具の容易な取り付けを可能とする器具取付部21を備えている。即ち、該ボックスカバー20を継枠部材13に装着して、前記プレキャストコンクリート壁に埋設した場合には、開口部と共に器具取付部21が該プレキャストコンクリート壁の下面側に臨まされるので、施工現場において、該器具取付部21に対する電気器具の取付を容易なものとすることができるのである。
【0059】
また、このボックスカバー20は、図1乃至図3に示すように、前記継枠部材13の下面側に固定すべく、該ボックスカバー20の上面側に係合部14を備えている。当該係合部14は、上述した継枠部材13の上面開口11側に設けた係合部14と略同一の形状として形成している。即ち、前記継枠部材13は、形成されるプレキャストコンクリート壁の厚みによっては複数の継枠部材13を相互に積層されるものであるため、当該ボックスカバー20が何れの継枠部材13と対面することとなっても、該継枠部材13に対してボックスカバー20を確実に装着可能とするためである。
【0060】
かかる構成を採ることにより、形成されるプレキャストコンクリート壁の厚みに応じて、複数の継枠部材13を相互に積層するすることによって配線用ボックス40の取り付け高さが調整でき、尚且つ、相互に積層された複数の枠体部材10のうち何れが最下部に配置されたとしても、該枠体部材10に対してボックスカバー20を確実に装着することができ、尚且つ、該ボックスカバー20における器具取付部21により、該プレキャストコンクリート壁の下面側に対し電気器具を容易に取り付けることが可能となるのである。
【0061】
続いて図6は、本実施例におけるカバー部材30を示すものである。本発明においてカバー部材30というのは、プレキャストコンクリート壁を形成する際に型枠50底部に固定される枠体部材10の上面開口11に対して装着することにより、該枠体部材10内側へコンクリートが進入することを防止するものであって、プレキャストコンクリート壁を形成すべく型枠内にコンクリートを打設する際に、当該コンクリートが、前記枠体部材10における前記取付部18に対して付着することを防止するものである。
【0062】
本実施例においてカバー部材30は、図6に示すように、相互に嵌合可能な嵌合部31を上端部に備えた2つの分割体からなるものである。これら2つの分割体からなるカバー部材30の下端には突出部36が形成されており、この突出部36を前記枠体部材10の上端部に設けたフランジ部17に左右からそれぞれ係合させると共に、これら2つの分割体を相互に近接させるべくスライドさせる。そして、図7に示すように、該枠体部材10における上面開口11の中央付近で相互に嵌合させて一体化するものである。上記2つの分割体を一体化することによって、カバー部材30下端の突出部36と枠体部材10上端のフランジ部17とが係合するため、前記枠体部材10上に略密閉状態の「フタ」を構成できるのである。
【0063】
また、本実施例に係るカバー部材30は、図8の断面図に示すように、その上面を傾斜した「屋根形」に形成しているので、プレキャストコンクリート壁の型枠50内にコンクリートを打ち込んだ際に、コンクリートが当該カバー部材30上に掛かった場合にあっても、このコンクリートが該カバー部材30の周囲へと流れるため、所謂「上かぶり」の状態でコンクリートが硬化してしまうことを防止できるのである。
【0064】
さらに、このカバー部材30は「屋根形」に形成したことから、その高さ位置によっては内側寸法が変化することとなる。即ち、図8に示すように、屋根形部分の下側付近の箇所では相互の内側寸法が長くなるが、該屋根形部分の上側付近の箇所では相互の内側寸法が短くなる。そのため、異なった高さ位置に係合部14を設けることによって、異なる外形寸法に係る枠体部材10に対しても装着することが可能となるのである。特に本実施例においては、2箇所の高さ位置に係合部14を設けており、図4に示す四角形状に係る大型枠50体部材10と、図16に示す八角形状に係る小型枠50体部材10との、それぞれに装着可能として汎用性を高めている。
【0065】
また、上記カバー部材30は、図6に示すように、それぞれの分割体の上端部に半月状の溝が形成されており、これら分割体を相互に嵌合させて一体の「フタ」を構成した際には、その中央部分に貫通穴が形成されることとなる。
【0066】
この貫通穴は、図10に示すように、下方へ進むに伴って縮径するテーパー形状となっており、弾性材料からなる断面C型の円柱部材を挿通としている。この断面C型の円錐台部材33には、図11に示すように、そのスリット部分から棒34を挿通可能となっており、この棒34の先端にはマグネット35が設けられるものとしている。このマグネット35は、前記枠体部材10を固定すべくボックスカバー20の開口部に係合する固定具60の被磁性体部分に吸着することとなる。
【0067】
即ち、当該カバー部材30を枠体部材10に固定するにあたっては、まず、図10に示すように、前記枠体部材10のボックスカバー20に係合する固定具60における被磁性体部分にマグネット35を吸着させる。次に、該マグネット35に一端が接続されて他端が上方に向けて直立する棒34が、図11に示すように、当該カバー部材30中央部の貫通穴に挿通した状態となるように、2つの分割体からなる該カバー部材30を前記枠体部材10の上端に対して左右から装着すると共に、図7に示すように、該カバー部材30を前記枠体部材10の中央付近にて相互に嵌合させる。このとき、図7ではフタを装着した状態となっているが、前記マグネット35に接続された棒34が、図11に示すように、カバー部材30中央の貫通穴から突出した状態となる。そして、この棒34の側方から弾性材料からなる断面C型の円錐台部材33を装着すると共に、図10に示すように、該円錐台部材33をテーパー状に構成した前記貫通穴へと押し込む。すると、該円錐台部材33の内周面にて棒34を挟持すると共に、該円錐台部材33がテーパー状の貫通穴へと深く入り込むこととなる。然るに、円錐台部材33がテーパー状の貫通穴に深く入り込んだ際には、該円錐台部材33に対してテーパー状の貫通穴から押し出そうとする押し出し作用が発生することとなる。かかる押し出し作用によって円錐台部材33はカバー部材30の貫通穴から、上方へと移動しようとすることとなる。このとき該円錐台部材33はその内周面にて棒34を挟持しているので、棒34を挟持したまま上方へと移動しようとすることとなる。しかし、当該棒34はその先端部分がマグネット35に接続されており、該マグネット35は前記固定具60の被磁性体部分に吸着している。そのため、該マグネット35に接続された棒34は前記固定具60から離れることができないので、該棒34を内周面にて挟持する円錐台部材33も貫通穴上方への移動ができず、前記押し出し作用によって、該円錐台部材33が前記貫通穴を介して前記カバー部材30を枠体部材10方向に向けて押し付けることとなるのである。
【0068】
従って、前記枠体部材10にカバー部材30を装着するにあたり、該枠体部材10を固定する固定具60に対して、先端にマグネット35を備えた棒34を吸着させた場合には、当該カバー部材30の貫通穴から前記棒34を突出させると共に該棒34に円錐台部材33を挿通させ、該円錐台部材33をカバー部材30の貫通穴に強く押し込むことによって、該円錐台部材33がカバー部材30を枠体部材10に対して押し付けることとなり、該枠体部材10からカバー部材30が外れてしまうことを防止できるのである。尚、上記の如くマグネット35を使わなくとも、図12に示すように、カバー部材30に設けたフックに針金の一端を掛け合わせると共に、該針金の他端を、補強材としてプレキャストコンクリート壁内に埋設される鉄筋51に掛け合わせることにより、該カバー部材30を枠体部材10に固定するものとしてもよいことを付言する。
【0069】
尚、上記枠体部材10の開口部分に対し粘着テープを貼着して閉塞させることにより、該枠体部材10の内側へのコンクリートの流入は防止できる。このとき、当該枠体部材10における「配線用ボックス40を取り付けるための取付部18」が該枠体部材10の内側に設けられている場合には、当該「取付部18」もコンクリートの付着から保護できる。更に、該取付部18に対して粘着テープを直に貼着することにより、該取付部18に対してコンクリートが付着することを防止できる点についても付言する。かかる場合には、当該粘着テープが上述のカバー部材30の役割を担うこととなる。
【0070】
さらに、前記枠体部材10に対して、打ち抜き可能なノックを有する継枠部材13を接合させ、コンクリートを打設した後に前記ノックを打ち抜くことにより、該ノックアウト部分に対して配線用ボックス40を接合可能にするよう構成してもよい。かかる場合には、当該ノックが上述のカバー部材30の役割を担うこととなる。
【0071】
そして、上記カバー部材30と上述の枠体部材10とを組み合わせることにより、請求項14に記載の配線空間形成装置が構成されることとなる。又、当該配線空間形成装置に対して前記配線用ボックス40を組み合わせることにより、請求項16に記載の配線空間形成装置が構成されることとなる。
【0072】
一方、前記プレキャストコンクリート壁を形成するにあたり、当該プレキャストコンクリート壁の上面から上面開口11周縁のフランジ部17が突出した状態を添付図面において示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上面開口11の周縁部が前記プレキャストコンクリート壁の上面と同面一となるよう、該プレキャストコンクリート壁を形成してもよい。更には、配線ボックス40との接合が可能であることを条件として、前記プレキャストコンクリート壁の上面から窪ませた位置に、前記上面開口11の周縁部が配置されるよう、該プレキャストコンクリート壁を形成してもよいのである。
【0073】
(実施例2)
図13は、本発明に係る形成方法によって形成された、実施例2に係るプレキャストコンクリート壁を示すものである。
【0074】
本実施例に係るプレキャストコンクリート壁は、図4に示すように、その内側に配線用ボックス40との取り付けが可能な枠体部材10が埋設されてなるものである。該プレキャストコンクリート壁の上面側には前記枠体部材10の上面開口11が、そして、下面側には前記枠体部材10の下面開口12が、それぞれ臨まされて構成している。
【0075】
このプレキャストコンクリート壁を形成する際には、まず、図8に示すように、当該プレキャストコンクリート壁を形成する型枠50内に、該プレキャストコンクリート壁の補強材となる鉄筋51(カイザー筋)を配設すると共に、当該型枠50内の底部に設けた固定具60にて枠体部材10を固定する。そして、図6に示すように、該枠体部材10の上端部分、即ち、上面開口11周縁のフランジ部17に対して、2分割体からなるカバー部材30を左右からそれぞれ係合させると共にスライドさせ、これら2分割体を前記上面開口11の中央付近で嵌合させて一体化し、略密閉状態の「フタ」を構成することとなる。
【0076】
斯くして、「フタ」を備えた枠体部材10が底部に固定された型枠50内に、図9に示すようにコンクリートを打設する。打設されたコンクリートが硬化した後には前記型枠50から形成されたプレキャストコンクリート壁を取り出す。そして、型枠50から取り出されたプレキャストコンクリート壁から、図9に示すカバー部材30を除去すると、図13に示すように、該プレキャストコンクリート壁の上面側に前記枠体部材10の上面開口11が臨まされることとなる。
【0077】
この上面開口11の周縁部分には、別部材に係る配線用ボックス40と接続可能な取付部18を備えている。本実施例において当該取付部18は、上記枠体部材10の上端側に、配線用ボックス40の係止爪15に係合可能な凹部16を設け、これらを相互に係合させるものとしている。
【0078】
従って、本実施例に係るプレキャストコンクリート壁によれば、上記構成を採ることにより、配線空間を備えると共に、該配線空間へと連通する配線用ボックス40を後付けすることが可能となる。
【0079】
即ち、配線用ボックス40の後付けが可能となることから、当該配線用ボックス40に対して接続コネクタ42を固定する作業を、プレキャストコンクリート壁から独立して行うことができる。このプレキャストコンクリート壁が配設される施工現場においては、当該プレキャストコンクリート壁から補強材である鉄筋51(カイザー筋)が多数突出しているが、これら多数のカイザー筋に邪魔されることなく前記接続コネクタ42の固定作業が可能となる。
【0080】
そのため、当該プレキャストコンクリート壁を所期の位置に配設した後に、図13に示すが如く、該該プレキャストコンクリート壁の上面に臨まされる枠体部材10の上面開口11に対して、予め接続コネクタ42(及び、電線管43)が設けられた配線用ボックス40を後付けすることが可能となり、施工現場における作業性を向上させることができるのである。
【0081】
そして、所期の位置に配設されたプレキャストコンクリート壁を型枠50として、「現場打ち」のコンクリートを打設し、該打設コンクリートが硬化した後には、図14に示すように、配線空間及び電線管43を内側に有する建物壁が構成されることとなる。
【0082】
【発明の効果】
本発明は、以下に示す効果を奏することとなる。
【0083】
まず、請求項1に係る発明は、プレキャストコンクリート壁と打設コンクリート壁との二層構造により建物壁を形成するハーフPC工法における、前記プレキャストコンクリート壁の形成方法であって、形成されるプレキャストコンクリート壁の下面側に臨む下面開口と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口と、該上面開口側に設けられて配線用ボックスの取り付けが可能な取付部とを備えた枠体部材を、当該枠体部材の上面開口をカバー部材で覆った状態で前記プレキャストコンクリート壁を形成する型枠に固定し、当該型枠内にコンクリートを打設することにより、前記枠体部材から前記カバー部材を除去した際に、前記上面開口及び取付部が上面側に臨まされるとともに、前記配線用ボックスの開口を前記上面開口に臨ませて、上面側から該ボックスを前記取付部に取り付け可能とする、プレキャストコンクリート壁を形成することに、その構成上の特徴を有するものである。
【0084】
そして、本請求項に係る発明によれば、形成されたプレキャストコンクリート壁に対して別部材に係る配線用ボックスを後付けすることが可能となるので、該プレキャストコンクリート壁へ電線管を接続する際にあっても、該プレキャストコンクリート壁への直接的な接続を回避できるので、作業者による電線管の接続作業を容易なものとすることができるという効果を奏するのである。
【0085】
次に、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、前記枠体部材は、下面開口側に配線器具や感知器等の電気器具が取り付け可能な器具取付部を備えたことに、その構成上の特徴を有するものである。
【0086】
そして、本請求項に係る発明によれば、請求項1に記載の効果に加え、プレキャストコンクリート壁の下面に対する電気器具の取付が容易となるので、施行現場における作業性を向上させることが可能となるという効果を奏するのである。
【0087】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、前記枠体部材は、複数の枠材の組み付けにより構成され、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることに、その構成上の特徴を有するものである。
【0088】
そして、本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁内に埋設される枠体部材の高さ寸法が、形成されるプレキャストコンクリート壁の厚みに応じて容易に変化させることができるため、該プレキャストコンクリート壁の多様化を図ることが可能となるという効果を奏するのである。
【0089】
請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3の何れかに記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、前記枠体部材は、下面開口を形成すると共に前記器具取付部を備えた器具取付枠と、該器具取付枠に取り付けられて上面開口を形成すると共に、別部材に係る配線用ボックスの取り付けが可能な取付部を備えた継枠部材とで形成され、前記継枠部材は、複数積層できるように相互に組み付けられて、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることに、その構成上の特徴を有するものである。
【0090】
そして、本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁の下面に対する電気器具の取付が容易となって施行現場における作業性を向上させることが可能となると共に、当該プレキャストコンクリート壁の厚みに応じて枠体部材の高さ寸法を容易に変化させることができるので、該プレキャストコンクリート壁の多様化を図ることが可能となるという効果を奏するのである。
【0091】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4に記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、前記枠体部材は、前記型枠に固定された固定具に、下面開口側が固定されて型枠に固定することに、その構成上の特徴を有するものである。
【0092】
そして、本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、枠体部材を所期の位置へ正確且つ容易に固定できるので、該プレキャストコンクリート壁の製造効率を向上させることが可能となるという効果を奏するのである。
【0093】
請求項6に係る発明は、プレキャストコンクリート壁と打設コンクリート壁との二層構造により建物壁を形成するハーフPC工法において、前記建物壁内に配線用ボックスを埋設すべく、前記プレキャストコンクリート壁に配線用ボックスを固定する方法であって、形成されるプレキャストコンクリート壁の下面側に臨む下面開口と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口と、該上面開口側に設けられ、配線用ボックスを取り付け可能な取付部とを備えた枠体部材を、当該枠体部材の上面開口をカバー部材で覆った状態で前記プレキャストコンクリート壁を形成する型枠に固定し、当該型枠内にコンクリートを打設することによって、前記プレキャストコンクリート壁を形成し、前記枠体部材から前記カバー部材を除去して、前記上面開口及び取付部をプレキャストコンクリート壁の上面側に臨ませ、前記配線用ボックスの開口を前記上面開口に臨ませて、上面側から該ボックスを前記取付部に取り付けることにより、プレキャストコンクリート壁に配線用ボックスを固定することに、その構成上の特徴を有するものである。
【0094】
そして、本請求項に係る発明によれば、形成されたプレキャストコンクリート壁に対して別部材に係る配線用ボックスを後付けすることが可能となるので、該プレキャストコンクリート壁へ電線管を接続する際にあっても、該プレキャストコンクリート壁への直接的な接続を回避できるので、作業者による電線管の接続作業を容易なものとすることができるという効果を奏するのである。
【0095】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、前記配線用ボックスは、側壁に電線管が接続された状態で、前記枠体部材に取り付けられることに、その構成上の特徴を有するものである。
【0096】
そして、本請求項に係る発明によれば、形成されたプレキャストコンクリート壁の枠体部材の取付部に対し、別部材に係る配線用ボックスに電線管を接続してから取り付けることが可能となるので、作業者による電線管の接続作業を容易なものとすることができるという効果を奏するのである。
【0097】
請求項8に係る発明は、請求項6又は請求項7に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、前記枠体部材は、下面開口側に配線器具や感知器等の電気器具が取り付け可能な器具取付部を備えたことに、その構成上の特徴を有するものである。
【0098】
そして、本請求項に係る発明によれば、請求項6又は請求項7に記載の効果に加え、プレキャストコンクリート壁の下面に対する電気器具の取付が容易となるので、施行現場における作業性を向上させることが可能となるという効果を奏するのである。
【0099】
請求項9に係る発明は、請求項6乃至請求項8の何れかに記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、前記枠体部材は、複数の枠材の組み付けにより構成され、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることに、その構成上の特徴を有するものである。
【0100】
そして、本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁内に埋設される型枠に固定される枠体部材の高さ寸法が、形成されるプレキャストコンクリート壁の厚みに応じて容易に変化させることができるため、該プレキャストコンクリート壁の多様化を図ることが可能となるという効果を奏するのである。
【0101】
請求項10に係る発明は、請求項8又は請求項9に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、前記枠体部材は、下面開口を形成するとともに前記器具取付部を備えた器具取付枠と、該器具取付枠に取り付けられて上面開口を形成すると共に、別部材に係る配線用ボックスの取り付けが可能な取付部を備えた継枠部材とで形成され、前記継枠部材は、複数積層できるように相互に組み付けられて、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることに、その構成上の特徴を有するものである。
【0102】
そして、本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁の下面に対する電気器具の取付が容易となって施行現場における作業性を向上させることが可能となると共に、当該プレキャストコンクリート壁の厚みに応じて枠体部材の高さ寸法を容易に変化させることができるので、該プレキャストコンクリート壁の多様化を図ることが可能となるという効果を奏するのである。
【0103】
請求項11に係る発明は、請求項6乃至請求項10に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、前記枠体部材は、前記型枠に固定された固定具に、下面開口側が固定されて型枠に固定することに、その構成上の特徴を有するものである。
【0104】
そして、本請求項に係る発明によれば、枠体部材を所期の位置へ固定するにあたり、正確な位置に対して容易に固定できるので、該プレキャストコンクリート壁の製造効率を向上させることが可能となるという効果を奏するのである。
【0105】
請求項12に係る発明は、プレキャストコンクリート壁と打設コンクリート壁との二層構造により建物壁を形成するハーフPC工法に用いる前記プレキャストコンクリート壁であって、該プレキャストコンクリート壁はその内部に枠体部材を埋設してなり、該枠体部材は、前記プレキャストコンクリート壁の下面側に臨む下面開口と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨まされて、配線用ボックスの取り付けが可能な取付部とを備えたことに、その構成上の特徴を有するものである。
【0106】
そして、本請求項に係る発明によれば、上面開口の取付部に対して別部材に係る配線用ボックスを後付けできるために電線管を接続してから取り付けることが可能となり、作業者による電線管の接続作業を容易なものとすることができるという効果を奏するのである。
【0107】
請求項13の発明に係る配線空間形成装置は、プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口と配線用ボックスの取付を可能にする取付部とを臨ませる枠体部材と、当該枠体部材の上面開口を覆って該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止するカバー部材とを有することに、その構成上の特徴を有するものである。
【0108】
そして、本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、外側へと連通する開口を有する配線空間を、該プレキャストコンクリート壁の内側へ容易に設けることが可能となり、尚且つ、コンクリートが前記接続空間内に流入することを防止できるという効果を奏するのである。
【0109】
請求項14の発明に係る配線空間形成装置は、プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口と配線用ボックスの取付を可能にする取付部とを臨ませる枠体部材と、当該枠体部材の上面開口に取り付けられることにより、該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止すると共に、前記取付部へのコンクリートの付着を防止するカバー部材とを有することに、その構成上の特徴を有するものである。
【0110】
そして、本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、外側へと連通する開口を有する配線空間を、該プレキャストコンクリート壁の内側へ容易に設けることが可能となり、尚且つ、該プレキャストコンクリート壁を形成すべくコンクリートを打設する際に、枠体部材の上面開口にカバー部材を係止させることによって、コンクリートが前記接続空間内に流入することを防止できるという効果を奏するのである。
【0111】
請求項15の発明に係る配線空間形成装置は、プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口と配線用ボックスの取付を可能にする取付部とを臨ませる枠体部材と、当該枠体部材の上面開口を覆って該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止するカバー部材と、前記プレキャストコンクリートが形成されて、前記カバー部材を除去した後に前記枠体部材の取付部に取り付けられ、側面又は底面に電線管の接続を可能とする配線用ボックスとを有することに、その構成上の特徴を有するものである。
【0112】
そして、本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、外側へと連通する開口を有する配線空間を、該プレキャストコンクリート壁の内側へ容易に設けることが可能となると共に、コンクリートが前記接続空間内に流入することを防止でき、尚且つ、該プレキャストコンクリート壁が形成された後には、枠体部材の取付部に対して別部材に係る配線用ボックスを後付けできるために電線管を接続してから取り付けることが可能となり、作業者による電線管の接続作業を容易なものとすることができるという効果を奏するのである。
【0113】
請求項16の発明に係る配線空間形成装置は、プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口と配線用ボックスの取付を可能にする取付部とを臨ませる枠体部材と、当該枠体部材の上面開口に取り付けられることにより、該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止すると共に、前記取付部へのコンクリートの付着を防止するカバー部材と、前記プレキャストコンクリートが形成されて、前記カバー部材を除去した後に前記枠体部材の取付部に取り付けられ、側面又は底面に電線管の接続を可能とする配線用ボックスとを有することに、その構成上の特徴を有するものである。
【0114】
そして、本請求項に係る発明によれば、プレキャストコンクリート壁を形成する際に、外側へと連通する開口を有する配線空間を、該プレキャストコンクリート壁の内側へ容易に設けることが可能となると共に、該プレキャストコンクリート壁を形成すべくコンクリートを打設する際に、枠体部材の上面開口にカバー部材を係止させることによって、コンクリートが前記接続空間内に流入することを防止でき、尚且つ、該プレキャストコンクリート壁が形成された後には、枠体部材の取付部に対して別部材に係る配線用ボックスを後付けできるために電線管を接続してから取り付けることが可能となり、作業者による電線管の接続作業を容易なものとすることができるという効果を奏するのである。
【0115】
請求項17の発明に係るカバー部材は、プレキャストコンクリート壁を成型する際に、該プレキャストコンクリート壁内に埋設される枠体部材の上面開口を被覆して、該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止すると共に、前記取付部を保護することに、その構成上の特徴を有するものである。
【0116】
そして、本請求項に係る発明によれば、枠体部材内側へのコンクリートの流入を防止できるので、プレキャストコンクリート壁の内側に対して配線空間を確実に設けることが可能となり、配線用ボックスとの取付部をコンクリートの付着から保護することが可能となるという効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における枠体部材を示す図である。
【図2】図1におけるボックスカバーを別部材に係る配線用ボックスを係合させる直前の状態を示す図である。
【図3】図1における枠体部材に対し別部材に係る配線用ボックスを係合させた状態の断面を示す図である。
【図4】図1における枠体部材に対し別部材に係る配線用ボックスを係合させる直前の状態を示す図である。
【図5】図4における枠体部材に対し他の実施形態に係る配線用ボックスを係合させる直前の状態を示す図である。
【図6】2つの分割体からなるカバー部材を、枠体部材の上端に装着する状態を示す図である。
【図7】図6に示すカバー部材を、枠体部材上端への装着が完了し、キャップを装着した状態を示す図である。
【図8】図1に示す枠体部材を型枠底部の固定具にて固定し、該枠体部材の上面開口を図7に示すカバー部材にて閉塞すると共に、該型枠内にコンクリートを打設してなるプレキャストコンクリート壁の断面を示す図である。
【図9】図8に示すプレキャストコンクリート壁を斜め上方より示した図である。
【図10】図1に示す枠体部材を型枠底部の固定具にて固定し、該枠体部材の上面開口を図7に示すカバー部材にて閉塞すると共に、前記固定具の被磁性体部分に吸着させたマグネットに接続する棒にて、前記カバー部材を仮止めし、前記型枠内にコンクリートを打設してなるプレキャストコンクリート壁の断面を示す図である。
【図11】図7に示すカバー部材に対してキャップを装着することなく、型枠底部に設けた固定具に吸着するマグネットに接続された棒を該カバー部材の貫通孔から突出させると共に、該棒に弾性材料からなる円錐台部材を装着する状態を示す図である。
【図12】図8に示すカバー部材を、型枠内に配設されたプレキャストコンクリート壁の補強材としての鉄筋に対して、針金にて縛り付けることによって仮止めした状態を示す断面図である。
【図13】プレキャストコンクリート壁内に図5に示す枠体部材が埋設され、予めコネクタを介して電線管が接続された別部材に係る配線用ボックスを係合させる直前の状態を示す図である。
【図14】図13に示す配線用ボックスが接合されたプレキャストコンクリート壁を型枠として、施工現場においてコンクリートが打設されてなる建物壁の断面を示す図である。
【図15】他の実施例に係る枠体部材を示す図である。
【図16】図15に示す枠体部材に対して別部材に係る配線用ボックスを係合させる直前の状態を示す図である。
【図17】プレキャストコンクリート壁内に図16に示す枠体部材が埋設され、予めコネクタを介して電線管が接続された別部材に係る配線用ボックスを係合させる直前の状態を示す図である。
【符号の説明】
10 枠体部材
11 上面開口
12 下面開口
13 継枠部材
14 係合部
15 係止爪
16 凹部
17 フランジ部
18 取付部
20 ボックスカバー
21 器具取付部
30 カバー部材
31 嵌合部
32 キャップ
33 円錐台部材
34 棒
35 マグネット
36 突出部
40 配線用ボックス
41 プレート部材
42 コネクタ
43 電線管
50 型枠
51 鉄筋
60 固定具
Claims (17)
- プレキャストコンクリート壁と打設コンクリート壁との二層構造により建物壁を形成するハーフPC工法における、前記プレキャストコンクリート壁の形成方法であって、
形成されるプレキャストコンクリート壁の下面側に臨む下面開口と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口と、該上面開口側に設けられて配線用ボックスの取り付けが可能な取付部とを備えた枠体部材を、当該枠体部材の上面開口をカバー部材で覆った状態で前記プレキャストコンクリート壁を形成する型枠に固定し、当該型枠内にコンクリートを打設することにより、
前記枠体部材から前記カバー部材を除去した際に、前記上面開口及び取付部が上面側に臨まされるとともに、前記配線用ボックスの開口を前記上面開口に臨ませて、上面側から該ボックスを前記取付部に取り付け可能とする、プレキャストコンクリート壁を形成することを特徴とするプレキャストコンクリート壁の形成方法。 - 請求項1に記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、
前記枠体部材は、下面開口側に配線器具や感知器等の電気器具が取り付け可能な器具取付部を備えたことを特徴とするプレキャストコンクリート壁の形成方法。 - 請求項1又は請求項2に記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、
前記枠体部材は、複数の枠材の組み付けにより構成され、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることを特徴とするプレキャストコンクリート壁の形成方法。 - 請求項2又は請求項3の何れかに記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、
前記枠体部材は、下面開口を形成するとともに前記器具取付部を備えた器具取付枠と、該器具取付枠に取り付けられて上面開口を形成すると共に、別部材に係る配線用ボックスの取り付けが可能な取付部を備えた継枠部材とで形成され、前記継枠部材は、複数積層できるように相互に組み付けられて、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることを特徴とするプレキャストコンクリート壁の形成方法。 - 請求項1乃至請求項4に記載のプレキャストコンクリート壁の形成方法において、
前記枠体部材は、前記型枠に固定された固定具に、下面開口側が固定されて型枠に固定することを特徴とするプレキャストコンクリート壁の形成方法。 - プレキャストコンクリート壁と打設コンクリート壁との二層構造により建物壁を形成するハーフPC工法において、前記建物壁内に配線用ボックスを埋設すべく、前記プレキャストコンクリート壁に配線用ボックスを固定する方法であって、
形成されるプレキャストコンクリート壁の下面側に臨む下面開口と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口と、該上面開口側に設けられ、配線用ボックスを取り付け可能な取付部とを備えた枠体部材を、当該枠体部材の上面開口をカバー部材で覆った状態で前記プレキャストコンクリート壁を形成する型枠に固定し、当該型枠内にコンクリートを打設することによって、前記プレキャストコンクリート壁を形成し、
前記枠体部材から前記カバー部材を除去して、前記上面開口及び取付部をプレキャストコンクリート壁の上面側に臨ませ、前記配線用ボックスの開口を前記上面開口に臨ませて、上面側から該ボックスを前記取付部に取り付けることにより、プレキャストコンクリート壁に配線用ボックスを固定することを特徴とするプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法。 - 請求項6に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、
前記配線用ボックスは、側壁に電線管が接続された状態で、前記枠体部材に取り付けられることを特徴とするプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法。 - 請求項6又は請求項7に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、
前記枠体部材は、下面開口側に配線器具や感知器等の電気器具が取り付け可能な器具取付部を備えたことを特徴とするプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法。 - 請求項6乃至請求項8の何れかに記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、
前記枠体部材は、複数の枠材の組み付けにより構成され、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることを特徴とするプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法。 - 請求項8又は請求項9に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、
前記枠体部材は、下面開口を形成するとともに前記器具取付部を備えた器具取付枠と、該器具取付枠に取り付けられて上面開口を形成すると共に、別部材に係る配線用ボックスの取り付けが可能な取付部を備えた継枠部材とで形成され、前記継枠部材は、複数積層できるように相互に組み付けられて、プレキャストコンクリート壁の壁厚に応じて高さ調整可能に設けられることを特徴とするプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法。 - 請求項6乃至請求項10に記載のプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法において、
前記枠体部材は、前記型枠に固定された固定具に、下面開口側が固定されて型枠に固定することを特徴とするプレキャストコンクリート壁への配線用ボックスの固定方法。 - プレキャストコンクリート壁と打設コンクリート壁との二層構造により建物壁を形成するハーフPC工法に用いる前記プレキャストコンクリート壁であって、
該プレキャストコンクリート壁はその内部に枠体部材を埋設してなり、
該枠体部材は、前記プレキャストコンクリート壁の下面側に臨む下面開口と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨む上面開口と、該プレキャストコンクリート壁の上面側に臨まされて、配線用ボックスの取り付けが可能な取付部とを備えたことを特徴とするハーフPC工法用プレキャストコンクリート壁。 - プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口と配線用ボックスの取付を可能にする取付部とを臨ませる枠体部材と、
当該枠体部材の上面開口を覆って該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止するカバー部材と、を有することを特徴とする配線空間形成装置。 - プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口と配線用ボックスの取付を可能にする取付部とを臨ませる枠体部材と、
当該枠体部材の上面開口に取り付けられることにより、該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止すると共に、前記取付部へのコンクリートの付着を防止するカバー部材と、を有することを特徴とする配線空間形成装置。 - プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口と配線用ボックスの取付を可能にする取付部とを臨ませる枠体部材と、
当該枠体部材の上面開口を覆って該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止するカバー部材と、
前記プレキャストコンクリートが形成されて、前記カバー部材を除去した後に前記枠体部材の取付部に取り付けられ、側面又は底面に電線管の接続を可能とする配線用ボックスと、を有することを特徴とする配線空間形成装置。 - プレキャストコンクリート壁に埋設されることにより、当該プレキャストコンクリート壁内に配線空間を形成して、該プレキャストコンクリート壁の下面側に下面開口を臨ませると共に、該プレキャストコンクリート壁の上面側に上面開口と配線用ボックスの取付を可能にする取付部とを臨ませる枠体部材と、
当該枠体部材の上面開口に取り付けられることにより、該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止すると共に、前記取付部へのコンクリートの付着を防止するカバー部材と、
前記プレキャストコンクリートが形成されて、前記カバー部材を除去した後に前記枠体部材の取付部に取り付けられ、側面又は底面に電線管の接続を可能とする配線用ボックスと、を有することを特徴とする配線空間形成装置。 - プレキャストコンクリート壁を成型する際に、該プレキャストコンクリート壁内に埋設される枠体部材の上面開口を被覆して、該枠体部材内側へのコンクリートの進入を防止すると共に、前記取付部を保護することを特徴とするカバー部材。
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