JP3320407B2 - 鉄筋コンクリート造建築物における電線管のエンドカバーとこれを用いた電線管の配設方法 - Google Patents

鉄筋コンクリート造建築物における電線管のエンドカバーとこれを用いた電線管の配設方法

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JP3320407B2
JP3320407B2 JP2000240220A JP2000240220A JP3320407B2 JP 3320407 B2 JP3320407 B2 JP 3320407B2 JP 2000240220 A JP2000240220 A JP 2000240220A JP 2000240220 A JP2000240220 A JP 2000240220A JP 3320407 B2 JP3320407 B2 JP 3320407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
造建築物における電線管のエンドカバーとこれを用いた
電線管の配設方法に関する。さらに詳しくは、学校や事
務所、病院、マンション等に用いられる鉄筋コンクリー
ト造建築物において、壁や天井、梁等に埋設され、電線
や電話線等の配線に使用される電線管の配設に使用され
るエンドカバーとこれを用いた電線管の配設方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】まず、従来のエンドカバー110 が使用さ
れるコンクリート打設部Rを説明する。コンクリート打
設部Rとは、鉄筋コンクリート造建築物において、生コ
ンクリートを流し込むために形成される型枠のことをい
う。このコンクリート打設部Rは、コンクリートが固化
後、コンクリート壁Bの壁面Sから取り外されるもので
ある。
【0003】図7は、従来のエンドカバー110 の使用状
況説明図であり、(A) はコンクリート打設前、(B) はコ
ンクリート打設後を示している。同図において、符号U
および符号Lは、コンクリート打設部R内に配設された
上筋、下筋をそれぞれ示している。また、符号Pは、コ
ンクリート打設部Rを構成する幕板を示しており、この
幕板Pは、コンクリートが固化したときに天井や壁、梁
等のコンクリート壁Bの壁面Sを形成するためのもので
ある。前記上筋Uおよび下筋Lの間には、電線管120 が
配設されている。電線管120は、樹脂製の可撓性を有す
る円管である。この電線管120 は、その他端から電線や
電話線等を挿入し、その一端へ突出させ、電線等を建物
内部に配線するために使用されるものである。
【0004】符号110 は、従来のエンドカバーを示して
いる。この従来のエンドカバー110は、略おわん形をし
ており、伏せて幕板Pに取り付けられる。すると、幕板
Pとエンドカバー110 との間に、空間115 が形成され
る。このエンドカバー110 には、円筒状のジョイント11
1 が固定されている。ジョイント111 は、その一端がエ
ンドカバー110 の空間115 に突出しており、その他端
が、エンドカバー110 の外側に突出している。
【0005】つぎに、従来のエンドカバー110 の使用方
法を説明する。まず、幕板Pによって、コンクリート壁
B等を形作るコンクリート打設部Rを組み立てる。つい
で、コンクリート打設部R内に上筋Uおよび下筋Lを配
設する。つぎに、コンクリート打設部Rの幕板Pに電線
管120 の一端を配設する。つぎに、前記電線管120 の外
径と同じ内径のジョイント111 を有するエンドカバー11
0 を、幕板Pに釘等で固定する。ついで、電線管120 の
一端をジョイント111 の他端に取り付け、固定する。そ
の後、コンクリートを打設する。すると図7(B) に示す
ように、電線管120 およびエンドカバー110 の周囲はコ
ンクリートによって包囲され、電線管120 およびエンド
カバー110 は、コンクリートに埋設される。
【0006】図7(B) に示すように、コンクリートが固
化した後、幕板Pを取り除くと、エンドカバー110 がコ
ンクリート壁Bの壁面Sに露出する。エンドカバー110
は、伏せて幕板Pに取り付けていたので、ジョイント11
1 の一端は、コンクリートに埋設されず、コンクリート
壁Bの壁面Sに露出することになる。したがって、電線
管120 の他端から、電線を入れると、電線管120 とジョ
イント111 とを通って、空間115 内のジョイント111 の
一端から空間115 に電線を出すことができる。
【0007】また、エンドカバー110 の位置から離れた
場所まで、電線を配線するときには、ジョイント111 の
一端に、ジョイントナット125 とコネクタ126 とを介し
て延長電線管130 の一端を取り付ける。そして、コンク
リート壁Bに延長電線管130を配設し、その中に電線を
通せば、延長電線管130 の他端から電線を出すことがで
きるので、電線を自由に配線することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、ジョイント
111 の内面と電線管120 の外周面との間に隙間があれ
ば、コンクリートを打設したときに、その隙間を通って
空間115 にコンクリートが入り込み、電線管120 の一端
がふさがってしまう可能性がある。このため、エンドカ
バー110 は、そのジョイント111 の内径が、電線管120
の外径にぴったり合うものを使用しなければならない。
しかし、電線管120 は、その内径や材質によって、その
外径が異なる。そのため、電線管120 の外径が変われ
ば、ジョイント111 内径が異なるエンドカバー110 を使
用しなければならないという問題がある。さらに、配線
を延長するときには、ジョイント111 と延長電線管130
とをつなぐために、ジョイントナット125 とコネクタ12
6 とが必要になる。よって、常に多数の部品を準備し、
携行する必要があり、邪魔であり、コストもかかる。さ
らに、1つの建造物には、多数の電線管120 が埋設され
るので、エンドカバー110 も多数必要となる。このエン
ドカバー110 は、電線管120 に固定されているためコン
クリートに埋設されてしまい、再利用することができな
い。このため、新しい建造物を建築する際には、新しい
エンドカバー110 を多数購入して使用する必要があるた
め、コストがかかる。さらに、エンドカバー110 には、
ジョイント111 等と複数の部品から構成されているの
で、部品点数が多くなる。しかも、形状は複雑であり、
重ねて運ぶことができず、嵩ばり、その製造にも手間と
コストがかかる。
【0009】本発明はかかる事情に鑑み、電線管の一端
がコンクリートに埋設されることを防ぐことができ、電
線管を所望の方向に向けて配線でき、電線管の延長が容
易であり、部品点数が少なく、再利用が可能であり、持
ち運びが容易で、製造が容易で安価である鉄筋コンクリ
ート造建築物における電線管のエンドカバーとこれを用
いた電線管の配設方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の鉄筋コンクリ
ート造建築物における電線管のエンドカバーは、電線管
が配設され、コンクリート壁を形成するためのコンクリ
ート打設部に取り付けられるカバーであって、該カバー
が、前記コンクリート打設部に、前記電線管の幅よりも
広い間隔をもって、前記コンクリート打設部に密着して
固定される一対の固定部と、該一対の固定部の間にアー
チ状に設けられており、両側端部が前記固定部にそれぞ
れ取り付けられ、縦長で、長手方向の一端が閉じ、他端
が前記電線管の挿入口となった胴部と、該胴部の挿入口
に取り付けられ、該挿入口に前記電線管を挿入したと
き、胴部内部を密閉しうる密閉材とからなり、該密閉材
が、前記挿入口に前記電線管を挿入すると、前記電線管
の外形に密着したまま、順応して変形する収縮可能な素
材であることを特徴とする。請求項2の鉄筋コンクリー
ト造建築物における電線管のエンドカバーは、電線管が
配設され、コンクリート壁を形成するためのコンクリー
ト打設部に取り付けられるカバーであって、該カバー
が、前記コンクリート打設部に、前記電線管の幅よりも
広い間隔をもって、前記コンクリート打設部に密着して
固定される一対の固定部と、該一対の固定部の間にアー
チ状に設けられており、両側端部が前記固定部にそれぞ
れ取り付けられ、縦長で、長手方向の一端が閉じ、他端
が前記電線管の挿入口となった胴部と、該胴部の挿入口
の内端縁に沿って、扇形に並んで設けられた複数枚の仕
切板とからなり、隣接する該仕切板の側辺間が、コンク
リートが流れ込まない程度の間隔をもって形成されてお
り、各仕切板が、前記胴部の挿入口の内端縁を支点とし
て内方と外方に揺動自在に設けられており、前記挿入口
に前記電線管を挿入したときに、前記仕切板が、前記胴
部内部と外部とを仕切ることを特徴とする 求項
鉄筋コンクリート造建築物における電線管のエンドカバ
ーは、請求項1または記載の発明において、前記胴部
の外面が、コンクリートに対して剥離可能な剥離面とな
っており、前記密閉材が、前記電線管に対して着脱自在
であることを特徴とする
【0011】請求項1の発明によれば、一対の固定部を
コンクリート打設部に密着して取り付ければ、アーチ状
の胴部の内面とコンクリート打設部との間に空間が形成
される。しかも、一対の固定部の間隔は電線管の外径よ
りも広く、胴部が縦長であるので、前記空間に、胴部の
挿入口から電線管を挿入することができる。しかも、挿
入口に取り付けられた密閉材によって、胴部内面と電線
管の外周面との間のすきまを埋めることができるので、
胴部の内部を密閉することができる。したがって、コン
クリートを打設したときに、コンクリートが胴部の中の
空間に侵入することを防ぐことができるので、胴部に挿
入された電線管は、コンクリートに埋設されない。ま
た、コンクリートが固化した後、コンクリート打設部を
コンクリート壁の壁面から取り外すと、胴部に挿入され
ていた電線管の一端はコンクリートの壁面に露出するの
で、露出している電線管を所望の方向に向ければ、所望
の方向に電線等を配線することができ、電線等の配線作
業が簡単になる。しかも、電線管を取り付けるためのジ
ョイント等が必要ないので、部品点数を少なくできる。
そして、密閉材が、電線管の外面に密着したまま順応し
て変形するため、電線管の外径や外形が異なっても、胴
部内面と電線管の外周面との間を確実に埋めて、胴部内
部を密閉することができる。よって、1種類で、様々な
外径や外形の電線管に使用することができる。請求項2
の発明によれば、一対の固定部をコンクリート打設部に
密着して取り付ければ、アーチ状の胴部の内面とコンク
リート打設部との間に空間が形成される。しかも、一対
の固定部の間隔は電線管の外径よりも広く、胴部が縦長
であるので、前記空間に、電線管を収容することができ
る。しかも、複数枚の仕切板によって、胴部内部と外部
との間を仕切ることができ、隣接する仕切板の側辺の間
には、コンクリートが流れ込まない程度のすき間しかな
いので、コンクリートを打設したときに、コンクリート
が胴部の中の空間に侵入することを防ぐことができ、胴
部に挿入された電線管は、コンクリートに埋設されな
い。また、コンクリートが固化した後、コンクリート打
設部をコンクリート壁の壁面から取り外すと、胴部に挿
入されていた電線管の一端はコンクリートの壁面に露出
するので、露出している電線管を所望の方向に向けれ
ば、所望の方向に電線等を配線することができ、電線等
の配線作業が簡単になる。しかも、電線管を取り付ける
ためのジョイント等が必要ないので、部品点数を少なく
できる。さらに、電線管の一端を胴部の内部に挿入すれ
ば、仕切板が外方に揺動するので、1種類で、様々な外
径や外形の電線管に使用することができる 求項
発明によれば、固化後のコンクリートから胴部外面を剥
離させ、密閉材を電線管から引き抜けば、エンドカバー
全体をコンクリートの壁面から取り外すことができるの
で、再利用が可能である
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図3は、第1実施形態のエンドカバ
ー10A の使用状況説明図であり、(A) はコンクリート打
設前、(B) はコンクリート打設後を示している。まず、
第1実施形態の鉄筋コンクリート造建築物における電線
管のエンドカバー10A (以下単にエンドカバー10A で示
す)を説明する前に、エンドカバー10A が使用されるコ
ンクリート打設部Rを説明する。コンクリート打設部R
とは、鉄筋コンクリート造建築物において、生コンクリ
ートを流し込むために形成される型枠のことをいう。符
号Pは、コンクリート打設部Rを構成する幕板を示して
いる。この幕板Pは、コンクリートが固化したときに、
天井や壁、梁等のコンクリート壁Bの壁面Sを形成する
ためのものである。幕板P等のコンクリート打設部R
は、コンクリートが固化後、コンクリート壁Bの壁面S
から取り外されるものである。
【0013】図3において、符号Uおよび符号Lは、上
筋および下筋を示している。上筋Uおよび下筋Lは、コ
ンクリート打設部R内に配設され、コンクリートに埋設
され、鉄筋コンクリート造建築物の骨格となるものであ
る。
【0014】コンクリート打設部Rの前記幕板Pには、
後述するエンドカバー10A によって、電線管20の一端
が配設される。この電線管20は、円管であり、一般的
には、CD管やPF管等が使用される。この電線管20
は、用途によって16〜28mmの内径がある。また、同
じ内径であっても材質によって外径が異なり、例えば内
径が同じ16mmであっても、CD管では外径が21mmで
あり、PF管では外径が23mmである。この電線管20
は、コンクリート壁Bに埋設される。埋設された電線管
20は、その中に電線や電話線等が通され、電線等の鉄
筋コンクリート建造物内への配設に使用される。つま
り、鉄筋コンクリート建造物には、用途に応じて、内径
や外径、材質が様々な電線管20が多数使用される。
【0015】さて、第1実施形態のエンドカバー10A を
説明する。図1は第1実施形態のエンドカバー10A の斜
視図である。同図に示すように、第1実施形態のエンド
カバー10A は、前記コンクリート打設部Rの幕板P等に
固定され、電線管20を幕板Pに配設するとともに、前
記電線管20の一端を覆い、電線管20の一端がコンク
リートに埋設されることを防ぐものである。このエンド
カバー10A は、本体部11A と密閉材15A とから構成され
たものである。
【0016】まず、本体部11A を説明する。図2(A) は
第1実施形態のエンドカバー10A の正面図であり、図2
(B) は(A)のB−B線断面矢視図である。図1および図
2に示すように、本体部11A は、胴部12A と固定部13A
とからなり、両者が一体に形成されたものである。本体
部11A の胴部12A はアーチ状に、すなわち断面視で逆U
字状に形成されており、素材は合成樹脂や鉄等である。
この胴部12A の外面は、突起等がない円滑な面であり、
しかも、胴部12A はコンクリートに固着しない素材でで
きている。このため、胴部12A の外面は、コンクリート
に対して剥離可能な剥離面となっている。
【0017】この胴部12A は、縦長であり、長手方向の
長さLは、例えば90〜120 mm程度である。胴部12A
は、その長手方向の一端が閉じ、他端が開放されてお
り、この開放端は、前記電線管20が挿入される挿入口
12b となっている。しかも、胴部12A の幅は、例えば3
4〜40mm程度であり、断面視で、その下端における内
面間の間隔WAも、例えば31〜37mm程度である。ま
た、胴部12A の下端からアーチ頂点の内面までの高さH
も、例えば31〜37mm程度である。したがって、31
〜37mmの外径を有する電線管20であれば、その一端
を胴部12A の挿入口12b から、胴部12A の内部に挿入す
ることができ、胴部12A によって、挿入口12b から挿入
された電線管20の一端から一定の長さ分を収容し、覆
うことができるのである。
【0018】前記胴部12A の両側端部、つまり、胴部12
A の両側部の下端には、外方に向かって延びた固定部13
A が、フランジ状に、かつ胴部12A と一体に設けられて
いる。また、胴部12A の長手方向の閉端の下端にも、外
方に向かって延びた固定部13A が、フランジ状に、かつ
胴部12A と一体に設けられている。この固定部13A は、
下面が平坦に形成されており、固定部13A を前記幕板P
に取り付けると、固定部13A の下面を、前記幕板Pに密
着させることができる。
【0019】また、前記胴部12A の挿入口12b の内面に
は、密閉材15A の外面が取り付けられている。この密閉
材15A は、厚みが約10mmであり、収縮可能な、例えば
スポンジ等の素材である。この密閉材15A は、断面視で
逆U字状をしており、厚さ方向を貫通する切欠き部15h
は、例えば幅が15〜20mm、高さが15〜20mmに形
成されたものである。
【0020】したがって、第1実施形態のエンドカバー
10A によれば、電線管20の外径が固定部13A の幅WA
よりも小さく、密閉材15A の切欠き部15h の幅よりも大
きいものであれば、電線管20の一端から一定の長さ分
を切欠き部15h を通して胴部12A の内部に挿入すること
ができ、電線管20の一端から一定の長さ分を胴部12A
によって覆うことができる。しかも、密閉材15A は電線
管20の外面に密着し、胴部12A の内面と電線管20の
外面との間を埋め、胴部12A の内部を密閉することがで
きるので、1種類で、様々な外径や外形の電線管20に
使用することができる。また、電線管20を密閉材15A
によって支持し、電線管20を胴部12A に着脱自在に取
り付けているので、電線管20を胴部12A に取り付ける
ためのジョイントが必要なく、部品点数を少なくでき
る。さらに、胴部12A の形状が簡単であり、胴部12A の
内面に密閉材15A を取り付けただけの構造であるので、
容易かつ安価に製造することができる。しかも、1つの
エンドカバー10A の胴部12A の内部に、エンドカバー10
A の胴部12A を入れて重ねることができるので、持ち運
びが容易で、保管しておく場所をとらない。
【0021】つぎに、第1実施形態のエンドカバー10A
の作用と効果を説明する。図3に示すように、幕板Pに
よって、コンクリート壁B等を形作るコンクリート打設
部Rを形成する。ついで、コンクリート打設部R内に上
筋Uおよび下筋Lを配設する。つぎに、コンクリートを
打設する前に、第1実施形態のエンドカバー10A の固定
部13A の下面をコンクリート打設部Rの幕板Pの所望の
位置に当てて、固定部13A に釘を打ちつければ、エンド
カバー10A を幕板Pに密着させて固定することができ
る。すると、エンドカバー10A の胴部12A の内面と幕板
Pの上面との間には、縦長の空間が形成される。
【0022】ついで、この胴部12A に、挿入口12b から
密閉材15A の切り欠き部15h を通して、電線管20の一
端から一定の長さ分を挿入する。すると、密閉材15A
が、電線管20の外形に密着したまま、電線管20の外
形に順応して変形するので、電線管20を密閉材15A に
着脱自在に取り付けることができる。よって、胴部12A
の内面と電線管20の外周面との間は、密閉材15A によ
って埋められ、しかも、固定部13A が幕板Pに密着して
いるので、胴部12A の内部を、電線管20の一端から一
定の長さ分を収容した状態で、胴部12A の外部と遮断
し、密閉することができる。
【0023】ついで、コンクリートを打設すると、エン
ドカバー10A および電線管20の周囲は、コンクリート
によって包囲され、電線管20はコンクリートに埋設さ
れる。このとき、エンドカバー10A はコンクリートの圧
力を受けるが、固定部13A によって幕板Pに密着して固
定されているので移動することがない。また、エンドカ
バー10A の下端は、幕板Pと密着しており、胴部12A の
挿入口12b の内面と、電線管20の外周面との間は密閉
材15A によって埋められているため、胴部12A の内部に
はコンクリートが浸入しない。
【0024】よって、第1実施形態のエンドカバー10A
によれば、コンクリートを打設しても、アーチ状の胴部
12A と密閉材15A とによって、コンクリートが胴部12A
の中の空間に侵入することを防ぐことができるので、胴
部12A に挿入された電線管20の一端は、コンクリート
に埋設されない。
【0025】ついで、コンクリートが固化した後、幕板
Pを取り外す。このとき、幕板Pに固定されていたエン
ドカバー10A も幕板Pとともに引っ張られることにな
る。このエンドカバー10A の胴部12A の外面は、コンク
リートに対して剥離可能であり、しかも、電線管20
は、密閉材15A に対して着脱自在に取り付けられてい
る。したがって、エンドカバー10A は、その外面がコン
クリートから剥離し、電線管20が密閉材15A から抜け
る。よって、エンドカバー10A を幕板Pとともにコンク
リートから外すことができる。すると、胴部12A の内部
に収容されていた、一端から一定の長さ分の電線管20
を、コンクリート壁Bの壁面Sに露出させることができ
る(図3(B) 参照)。
【0026】したがって、コンクリート壁Bの壁面Sに
露出している電線管20の一端を所望の方向に屈曲させ
れば、電線管20によって電線等を保護しながら、電線
等を所望の方向に簡単に配線できる。しかも、幕板Pと
ともに、コンクリートから外れたエンドカバー10A は再
利用が可能である。
【0027】また、電線管20が露出した位置よりも離
れた場所まで電線等を配設したいときには、公知のジョ
イントナット25によって、電線管20の一端に、延長
用電線管30の一端をつなげば、簡単に電線管20を延
長できるので、電線等を簡単に配線することができる。
つまり、電線管20の延長には、延長用電線管30とジ
ョイントナット25だけがあればよく、従来のようにコ
ネクタ等を必要としないので、部品点数も削減できる。
【0028】したがって、上記のごとく第1実施形態の
エンドカバー10A によれば、電線管20の一端がコンク
リートに埋設されることを防ぐことができ、電線管20
を所望の方向に向けて配線でき、電線管20の延長が容
易であり、部品点数が少なく、再利用が可能であり、持
ち運びが容易で、製造が容易で安価である。
【0029】また、第1実施形態のエンドカバー10A
は、コンクリートを打設する前に、その胴部12C を電線
管20の一端にかぶせてから、固定部13A の下面をコン
クリート打設部Rの幕板Pの所望の位置に当てて、固定
部13A に釘を打ちつけて固定してもよい。この場合、電
線管20の一端を、エンドカバー10A に取り付けるとき
に、密閉材15A が邪魔にならないので、作業が容易にな
る。
【0030】つぎに、本発明のエンドカバーの他の実施
形態を説明する。図4は他の実施形態エンドカバー10B
の斜視図である。同図に示すように、エンドカバー10B
は、本体部11B の固定部の幅WBが、エンドカバー10A
の固定部の幅WAよりも広く、例えば93〜111 mmの広
さにしたものである。また、胴部12B の挿入口12b に取
り付けられた密閉材15B は、密閉材15A が3つ並んで、
一体になった形状をしている。つまり、幅が、例えば1
5〜20mmで、高さが、例えば15〜20mmの切欠き部
15h を、3つ有している。胴部12B は、その内面が、密
閉材15B の外面に沿うような形状をしており、3つのア
ーチ状の部分を有している。この胴部12B の下端と、各
アーチ頂点の内面までの高さHは、エンドカバー10A の
胴部12A の下端からアーチ頂点までの高さHと同じ、例
えば31〜37mmである。
【0031】したがって、31〜37mmの外径を有する
電線管20であれば、密閉材15B の各切欠き部15h に、
それぞれ電線管20の一端から一定の長さ分を挿入すれ
ば、3本の電線管20を1つのエンドカバー10B の胴部
12B によって被うことができる。しかも、胴部12B の内
面と電線管20の外面、および隣りあった電線管20の
間は、密閉材15B によって埋めることができる。
【0032】なお、密閉材15B に形成される切欠き部15
h は、3つだけでなく、複数形成してもよい。この場
合、各切欠き部15h に、それぞれ電線管20の一端から
一定の長さ分を挿入すれば、複数の電線管20の一端
を、1つのエンドカバー10B によって覆うことができ
る。
【0033】よって、エンドカバー10A と同様に、エン
ドカバー10B を、固定部13B によって、コンクリート打
設部Rに取り付け、密閉材15B の各切欠き部15h を通し
て胴部12B 内に複数の電線管20をそれぞれ挿入すれ
る。すると、コンクリートを打設しても、アーチ状の胴
部12B と密閉材15B とによって、コンクリートが胴部12
B の中の空間に侵入することを防ぐことができ、胴部12
B に挿入された複数の電線管20の一端が、コンクリー
トに埋設することを防ぐことができる。
【0034】したがって、上記のごとくエンドカバー10
B によれば、1つのエンドカバー10B によって、複数の
電線管20の一端をコンクリートに埋設されることを防
ぐことができ、電線管20を所望の方向に向けて配線で
き、電線管20の延長が容易であり、部品点数が少な
く、再利用が可能であり、持ち運びが容易で、製造が容
易で安価である。
【0035】つぎに、第2実施形態のエンドカバーを説
明する。図5は第2実施形態のエンドカバー10C の斜視
図である。同図に示すように、本実施形態のエンドカバ
ー10C は、第1実施形態のエンドカバー10A と異なり、
密閉材15A に代えて、本体部11C の挿入口12b に、板状
の仕切板15C を設けたことが特徴である。このエンドカ
バー10C は、本体部11C と仕切板15C とが、例えば射出
成形によって、一体に形成されたものである。
【0036】そこで、仕切板15C について説明する。図
6(A) は第2実施形態のエンドカバー10C の正面図であ
り、図6(B) は(A)のB−B線断面矢視図である。図5
および図6に示すように、前記胴部12C の挿入口12b の
内端縁には、複数の仕切板15C が本体部11C と一体に形
成されている。この複数の仕切板15C は、挿入口12b の
内端縁に沿って、扇形に並んで設けられており、隣接す
る仕切板15C の側辺間が、コンクリートが流れ込まない
程度の、例えば0.5〜1.5mmの間隔をもって形成されてい
る。この仕切板15C の内端縁によって形成される切欠き
部15h は正面視で、逆U字状である。
【0037】また、各仕切板15C は、厚みが約0.5 mmの
板状であり、挿入口12b との連結位置の厚さが、他の部
分より薄くなっている。このため、仕切板15C は、挿入
口12b の内端縁との接続位置を支点として、胴部12C の
内方と外方とに揺動させることができる。
【0038】したがって、第2実施形態のエンドカバー
10C によれば、電線管20を胴部12C に挿入したとき
に、仕切板15C が外方に揺動するので、電線管20の外
径が固定部13C の幅WCよりも小さく、切欠き部15h の
幅よりも大きいものであれば、電線管20の一端から一
定の長さ分を胴部12C の内部に挿入することができ、電
線管20の一端から一定の長さ分を胴部12C によって覆
うことができる。しかも、仕切板15C の内端縁が電線管
20の外面に接触し、胴部12C の内部を仕切ることがで
きるので、1種類で、様々な外径や外形の電線管20に
使用することができる。また、電線管20を仕切板15C
によって支持し、電線管20を胴部12C に着脱自在に取
り付けているので、電線管20を胴部12C に取り付ける
ためのジョイントが必要なく、部品点数を少なくでき
る。
【0039】この第2実施形態のエンドカバー10C の胴
部12C を、コンクリートを打設する前に、電線管20の
一端にかぶせ、固定部13C の下面をコンクリート打設部
Rの幕板Pの所望の位置に当てて、固定部13C に釘を打
ちつければ、エンドカバー10C の胴部12C の内面と幕板
Pの上面との間に電線管20の一端を収容することがで
きる。しかも、電線管20の一端をエンドカバー10C に
取り付けるときに、仕切板15C が邪魔にならないので、
作業が容易になる。
【0040】この状態でコンクリートを打設すれば胴部
12C の内面と電線管20の外周面との間は、仕切板15C
によって仕切られており、隣接する仕切板の側辺の間に
は、コンクリートが流れ込まない程度の隙間しかないの
で、胴部12C の内部にはコンクリートが浸入しない。こ
のため、コンクリートを打設しても、第2実施形態のエ
ンドカバー10C によって、胴部12C に挿入された電線管
20の一端が、コンクリートに埋設することを防ぐこと
ができるのである。
【0041】
【発明の効果】請求項1のエンドカバーによれば、電線
管の一端を壁面に露出させることができ、電線等の配線
作業が簡単になる。しかも、電線管を取り付けるための
ジョイント等が必要ないので、部品点数を少なくでき
1種類で、様々な外径や外形の電線管に使用することが
できる。請求項2のエンドカバーによれば、電線管の一
端を壁面に露出させることができ、電線等の配線作業が
簡単になる。しかも、電線管を取り付けるためのジョイ
ント等が必要ないので、部品点数を少なくできる
のエンドカバーによれば、胴部を壁面から取り外す
ことができるので、再利用が可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のエンドカバー10A の斜視図であ
る。
【図2】(A) は第1実施形態のエンドカバー10A の正面
図であり、(B) は(A) のB−B線断面矢視図である。
【図3】第1実施形態のエンドカバー10A の使用状況説
明図であり、(A) はコンクリート打設前、(B) はコンク
リート打設後を示している。
【図4】他の実施形態のエンドカバー10B の斜視図であ
る。
【図5】第2実施形態のエンドカバー10C の斜視図であ
る。
【図6】(A) は第2実施形態のエンドカバー10C 正面図
であり、(B) は(A) のB−B線断面矢視図である。
【図7】従来のエンドカバー110 の使用状況説明図であ
り、(A) はコンクリート打設前、(B) はコンクリート打
設後を示している。
【符号の説明】
10 エンドカバー 12 胴部 12b 挿入口 13 固定部 15 密閉材 20 電線管

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電線管が配設され、コンクリート壁を形成
    するためのコンクリート打設部に取り付けられるカバー
    であって、 該カバーが、 前記コンクリート打設部に、前記電線管の幅よりも広い
    間隔をもって、前記コンクリート打設部に密着して固定
    される一対の固定部と、 該一対の固定部の間にアーチ状に設けられており、両側
    端部が前記固定部にそれぞれ取り付けられ、縦長で、長
    手方向の一端が閉じ、他端が前記電線管の挿入口となっ
    た胴部と、 該胴部の挿入口に取り付けられ、該挿入口に前記電線管
    を挿入したとき、胴部内部を密閉しうる密閉材とからな
    り、 該密閉材が、前記挿入口に前記電線管を挿入すると、前
    記電線管の外形に密着したまま、順応して変形する収縮
    可能な素材である ことを特徴とする鉄筋コンクリート造
    建築物における電線管のエンドカバー。
  2. 【請求項2】電線管が配設され、コンクリート壁を形成
    するためのコンクリート打設部に取り付けられるカバー
    であって、 該カバーが、 前記コンクリート打設部に、前記電線管の幅よりも広い
    間隔をもって、前記コンクリート打設部に密着して固定
    される一対の固定部と、 該一対の固定部の間にアーチ状に設けられており、両側
    端部が前記固定部にそれぞれ取り付けられ、縦長で、長
    手方向の一端が閉じ、他端が前記電線管の挿入口となっ
    た胴部と、 該胴部の挿入口の内端縁に沿って、扇形に並んで設けら
    れた複数枚の仕切板とからなり、 隣接する該仕切板の側辺間が、コンクリートが流れ込ま
    ない程度の間隔をもって形成されており、 各仕切板が、前記胴部の挿入口の内端縁を支点として内
    方と外方に揺動自在に設けられており、 前記挿入口に前記電線管を挿入したときに、前記仕切板
    が、前記胴部内部と外部とを仕切ることを特徴とする鉄
    筋コンクリート造建築物における電線管のエンドカバ
  3. 【請求項3】前記胴部の外面が、コンクリートに対して
    剥離可能な剥離面となっており、 前記密閉材が、前記電線管に対して着脱自在であること
    を特徴とする請求項1または記載の鉄筋コンクリート
    造建築物における電線管のエンドカバー
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