JPS636664B2 - - Google Patents

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JPS636664B2
JPS636664B2 JP9350581A JP9350581A JPS636664B2 JP S636664 B2 JPS636664 B2 JP S636664B2 JP 9350581 A JP9350581 A JP 9350581A JP 9350581 A JP9350581 A JP 9350581A JP S636664 B2 JPS636664 B2 JP S636664B2
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JP
Japan
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needle
knitting
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cam
sub
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JP9350581A
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JPS57210048A (en
Inventor
Hiroshi Kitazawa
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
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Publication of JPS57210048A publication Critical patent/JPS57210048A/ja
Publication of JPS636664B2 publication Critical patent/JPS636664B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、針床上に装架されたキヤリジに、
編成に際して適宜の駆動源から動力を得ることに
より起動されて1本の編針を作動するための駆動
カム体と、その駆動カム体の複数の駆動カムに各
別に作用する針作動体とを設けて、複数の異なる
編成を選択的に行い得るようにした手編機に関す
る。
従来技術 従来のこの種の手編機において出願人が提案し
たものは、駆動カム体を上下2位置間において移
動可能にして、その駆動カム体を一方又は他方の
位置へ切替え移動させることにより、駆動カム体
上の相異なる駆動カムが針作動体に別々に作用し
て異なる編成動作が行われるようにしていた。
しかしながら、以上のように駆動カム体が2位
置間を移動できるように構成した場合には、その
駆動カム体の移動ストロークを得るためにキヤリ
ジ全体が大形化するばかりでなく、駆動カム体は
回転可能に支持されているためにそれを移動可能
に支持することは複雑な機構と高い組付け精度を
要求される。
発明の目的 この発明の目的は、以上のような従来技術に存
する欠陥を解消した手編機を提供することにあ
る。
実施例 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。この実施例の手編機はキヤリ
ジが編機本体の針床上に列設された編針の配列ピ
ツチと同ピツチで歩進的に移動し、その停止中に
おいて各編針に順次編目を形成して行くものであ
る。そして、この手編機では平編、ゴム編、巻き
目編およびとじ編を行うことができ、以下にまず
それらの編み方を第1図〜第4図を参照して説明
する。これらの第1図〜第4図においてキヤリジ
は矢印P方向(右方)に進行するものとする。
はじめに、第1図1〜11に基づいて平編の編
成方法を説明する。この場合は第1図1において
上から3番目に示された針床上の主編針1に新た
な編目を形成しようとしている。さて、第1図1
は主編針1が後退位置に配置され、円筒状の糸口
2がすでに編成の終了した上から2番目の主編針
1に略相対し、その位置で下方側に配置されてい
る。この状態において、まず主編針1がベラ抜け
位置に前進して旧編目のベラ抜けが行われる(第
1図2〜4)。次に、主編針1が若干後退すると
ともに、糸口2が主編針1より上方に位置するよ
うに上昇する(第1図5)。その後、糸口2は主
編針1の配列ピツチの略2倍分、すなわち2編針
ピツチだけ右方へ移動し、前記3番目の主編針1
の上方を通過して右隣の4番目の主編針1と対向
する。
そして、糸口2が下降して編糸Tが主編針1の
フツク1aとラツチ1bとの間に掛渡され(第1
図7〜10)た後に、主編針1がノツクオーバー
位置まで後退して、前記旧編目がノツクオーバー
するとともに前記編糸Tによる新たな編目が形成
される。なお、ラツチ制御板3は、第1図2,3
および5,6に示すように、旧編目がベラ抜けす
るときおよび編目がラツチ1bに触れるときに、
下方に位置してラツチ1bの閉じる方向への回動
を阻止する。又、編地押さえ4は、第1図2〜4
および8〜10に示すように、旧編目がベラ抜け
するときおよびノツクオーバーするときに前進し
て編地をおさえる。
以上のようにして、前記3番目の主編針1に対
して新たな編目が形成される。その後、キヤリジ
が右方へ1編針ピツチ分移動するとともに、糸口
2が左方へ2編針ピツチ分移動する。従つて、次
は前記4番目の主編針1に対して新たな編目を形
成できる状態になる。
次に、ゴム編の編成方法を第2図1〜11に基
づいて説明する。このゴム編の編成においては、
後記する柄板で上方位置に選択された主編針1に
表目を編成する場合にキヤリジに設けられた1本
の副編針5が使用され、選択されない主編針1に
よつて通常の編目である裏目を編成する場合には
副編針5は使用されない。糸口2、ラツチ制御板
3および編地押さえ4は、前記平編編成の場合と
同じタイミングで同じ動きをする。さて、特に表
目の編成方法について説明すると、第2図1〜3
に示すように、主編針1は前記第1図1〜3と同
じ動きをして副編針5の左側に進出するとともに
旧編目がベラ抜けした後に、副編針5が主編針1
側である左側に回転してそのフツク5aが主編針
1のフツク1aに引掛る状態になる。次に、主編
針1のフツク1aと副編針5のフツク5aとが引
掛つた状態にて、主編針1が後退するとともに、
副編針5が前進して、旧編目が主編針1側から副
編針5に移転され(第2図4)、そして副編針5
は単独でさらに前進してそのフツクが主編針1の
フツクから外れるとともに右側に回転して通常配
置に戻り、移転した旧編目がベラ抜けする(第2
図5)。なお、この副編針5のラツチ5bはスプ
リング(図示しない)により常に開く方向に付勢
されている。
次に、糸口2が2編針ピツチ分右方へ移動する
とともに、副編針5が後退を開始する(第2図
6)。そして、糸口2が下降して編糸Tが副編針
5上に掛渡された後にその副編針5がさらにノツ
クオーバー位置まで後退して旧編目がノツクオー
バーしその副編針5上に編糸Tによるひとつの新
たな表目が形成される(第2図7)。その後、副
編針5が再びベラ抜け位置まで前進して前記表目
のベラ抜けが行われた(第2図8)後に、左側に
回転する(第2図9)。そして、主編針1のフツ
ク1aと副編針5のフツク5aとが引掛つた状態
にて主編針1が前進するとともに、副編針5が後
退し、表目が副編針5上から主編針1に移転され
(第2図10)、副編針5が右側に回転して通常配
置に戻ることによりその副編針5が主編針1から
外れ、その主編針1が後退位置に復帰する(第2
図11)。以上のようにして、選択された主編針
1に対して表目を形成することができる。又、こ
のゴム編編成に際しては前記平編の場合と異な
り、主編針1が第2図4〜9に示されているとき
において、ほぼ編成準備位置付近で停止されてい
る。なお、ラツチ制御板3は副編針5のラツチ5
bの閉じる方向への回動をも防止する。
次に、巻き目編の編成方法を第3図1〜11に
基づいて説明する。この場合には、副編針5は使
用されず、又、主編針1、ラツチ制御板3および
編地押さえ4は前記平編の場合と同じタイミング
で同じ動きをし、糸口2のみが異なつた動きをす
る。まず、はじめは糸口2が第3図1に示される
ように二点鎖線位置であつて下方位置に配置され
ている(第3図1)。この状態から糸口2が右側
の実線位置に移動した後、主編針1が前進して編
糸Tの上方に位置する(第3図2〜4)。次に、
糸口2が上昇して(第3図5)、左方へ2編針ピ
ツチ分移動し(第3図6)、そして下降する(第
3図7〜10)。最後に、主編針1が後退して1
つの巻き目が形成される。
最後に、第4図1〜11に基づいてとじ編の編
成方法を説明する。この場合には前記ゴム編の場
合と同様に副編針5を使用する。又、この場合、
ラツチ制御板3および編地押さえ4は平編時と同
じタイミングで同じ動きをし、糸口2はゴム編時
と同じタイミングで同じ動きをする。そして、主
編針1および副編針5が独自の動きをする。さ
て、第4図1においては、主編針1に旧編目が掛
けられ、副編針5には前回のとじ目が掛けられて
いる。この状態で主編針1が前進して旧編目のベ
ラ抜けが行われる(第4図2,3)。なお、第4
図3、同図8〜10は編目の図示を省略してあ
る。次に、副編針5が回転して両編針1,5のフ
ツク1a,5aどうしが引掛つた状態において主
編針1が後退するとともに、副編針5が前進し、
主編針1上の旧編目が副編針5側に移転される
(第4図4)。次に、副編針5は右側に回転してフ
ツクどうしの結合が解除されるとともにベラ抜け
位置まで前進する(第4図5)。
次に、副編針5が後退に移行するとともに、糸
口2が右方へ2編針ピツチ分移動した(第4図
6)後に、その糸口2が下降して編糸Tが副編針
5に掛渡され、その副編針5の後退により旧編目
並びにとじ目がノツクオーバーして新たなとじ目
が形成される(第4図7〜11)。以上のように、
このとじ目編の場合にはゴム編の場合と相違し
て、主編針1から副編針5への編目移転が行われ
た後は逆に副編針5から主編針1への編目移転が
行われることはない。
次に、この実施例の手編機の構成を第5図以下
に基づいて説明する。第5図において、編機本体
11は長手方向に延びる細長い針床12を備え、
その長手方向のほぼ全長に渡つて多数の前記主編
針1が等ピツチで列設されている。
編成用キヤリジ(以下キヤリジと称する)13
は前記針床12の後側に設けた摺動レール14に
沿つて左右方向に移動可能に装架されている。そ
こで、以下にキヤリジ13の構成を関連機構別に
詳細に説明する。
キヤリジの外殻機構(第5図、第9図および第1
0図を主に参照) 第5図および第9図において、21は前記針床
12に装架される取付枠を示している。その取付
枠21は、左右一対の側壁部22と、その両側壁
部22の後部下端間に一体状に設けられ、前記摺
動レール14に摺動可能に嵌合される摺動部23
と、両側壁部22の下端前部間に一体状に架設さ
れた架設部24とにより形成されている。架設部
24には摺動板25が固定され、その折曲された
下端部と架設部24とによつて針床12の前端縁
を略挾持しキヤリジ13の前部の浮上を阻止す
る。又、架設部24の前面中央にはマグネツト2
6が固着され、同部の下方において前進する主編
針1のラツチ1bを吸引開放するようになつてい
る。前記摺動部23の後部側には嵌合板27が固
定され、その両端部には嵌合突起27aが突設さ
れており、この嵌合突起27aが編機本体11の
回動可能な無端ベルト(図示しない)の嵌合孔に
嵌合される。
前記両側壁部22の後端間には軸28により基
板29が回動可能に支持され、第9図に実線で示
すように前記架設部24の上面に沿う水平位置
と、2点鎖線で示すようにそこから上昇する位置
との間を回動可能であり、その基板29を2点鎖
線位置に回動することにより、その基板29の下
面の後記バツト作動用諸部材を編針バツトとの係
合から解除できる。
前記両側壁部22の前端部にはそれぞれ軸30
により保持部材31が回動可能に支持され、その
保持部材31は前方に延びる操作片31aと、下
方に延び、基板29の上面に係合可能な係合片3
1bと、後方に延び、側壁部22に突設したピン
32に当接する弾性片31cとにより構成されて
いる。そして、この保持部材31を第9図の実線
位置に配置したときには、係合片31bが基板2
9の側部上面に摩擦係合して基板29を下方の水
平位置に保持し、又、2点鎖線で示すように、保
持部材31を弾性片31cの弾性に抗して回動さ
せたときには、係合片31bが基板29の側部上
面から後方に外れて基板29の回動が可能な状態
になる。
キヤリジの歩進送り機構(第10図〜第12図、
第20図〜第23図、第30図および第31図を
主に参照) 第11図および第12図に示すように、基板2
9の両側前端には軸受体41が固定され、それら
の間には基板29の下面に位置する可動軸42が
回動および軸方向移動可能に支持されている。そ
の可動軸42には第1係合板43が固定され、そ
の両端には編機本体11のくし歯15に係脱可能
な熊手状の係合部43aが形成されている。第1
係合板43のほぼ中間部には、基板29に透設し
た一対の規制孔44にそれぞれ貫通する一対の規
制片43bと、同じく基板29に透設した孔45
に貫通する掛止片43cとが上方に向かつて折曲
形成されている。又、規制孔44は規制片43b
の左右幅プラス主編針1の1配列ピツチ分の左右
幅を有していて、規制片43b、すなわち第1係
合板43および可動軸42の左右動を前記の1配
列ピツチに規制する。
第20図および第21図に示すように、前記第
1係合板43の両側において、可動軸42上には
一部のみに歯46aを有する一対のギヤ46が固
定されている。又、前記軸受体41には軸47に
より係脱体48が回動可能に支持されており、そ
の係脱体48には前記ギヤ46の歯46aに噛合
する歯48aと、前記くし歯15間に係脱可能な
係脱部48bとが形成されている。従つて、可動
軸42が回動してギヤ46が回動されると、係脱
体48がギヤ46と反対方向に回動される。そし
て、第21図に示すように、前記一対の係合部4
3aがくし歯15に係合しているときには、前記
両係脱部48bがくし歯15から離れ、第20図
に示すように、可動軸42が回動して係合部43
aがくし歯15から離脱したときには、係脱部4
8bがくし歯15間に嵌合される。この場合、く
し歯15に対する係合部43a又は係脱部48b
の係合は、係脱部48b又は係合部43aのくし
歯15からの離脱に先立つて行われる。又、係脱
体48の歯48aはギヤ46の歯46aより広い
歯幅を有していて、可動軸42が左右いずれかに
1配列ピツチ分移動しても、両歯46a,48a
の噛合いが外れないようになつている。
基板29の上面に前後動可能に支持された取付
軸49の前端には取付体50が固定されている。
その取付体50には前記両係合部43a間に位置
する熊手状の第2係合板51と、刷毛状の前記編
地押さえ4とが固定されており、第2係合板51
は前後動することにより前記くし歯15に係脱可
能である。
第11図、第22図および第23図に示すよう
に前記基板29のほぼ中央に立設固定されたカム
軸52には駆動カム体53が回転可能に支持さ
れ、その下方に位置する第1カム輪54の下面に
は送り用カム溝55が360度にわたつて設けられ
ている。その送り用カム溝55は内側案内部55
aと、外側案内部55bと、両案内部55a,5
5bが重複する重複部55cとよりなり、重複部
55cには送りカム部55dが形成されている。
又、内側案内部55aの一端および外側案内部5
5bの他端にはそれぞれ斜面部55e,55fが
形成されている。さらに、第1カム輪54の下面
には係合板用カム溝56が360度にわたつて形成
され、その一部には第1および第2の作動部56
a,56bが形成されている。
第10図、第22図および第23図に示すよう
に、基板29の上面には、前記カム軸52および
ガイドピン57により前後動可能に案内される駆
動板58が設けられ、その両側には上方へ向かつ
て左右一対の駆動片58aが折曲形成されるとと
もに、前端上面には接触ピン58bが突設されて
おり、その接触ピン58bは前記送り用カム溝5
5に嵌合されている。駆動板58はスプリング7
3により前方へ付勢されている。
そして、駆動カム体53の時計方向の回転にと
もない、前記接触ピン58bは内側案内部55a
又は外側案内部55b内を移動するようになつて
おり、第11図の状態において接触ピン58bが
内側案内部55a内を移動したときには、駆動板
58が斜面部55eの作用により後方位置から前
方へ移動されるとともに、送りカム部55dの作
用によりその前方位置から後方へ移動される。
又、接触ピン58bが外側カム部55b内を移動
したときには、駆動板58が斜面部55fの作用
によりスプリング73の付勢力により前方に移動
されるとともに、送りカム部55dの作用により
後方に移動される。
第12図に示すように、互いに対称をなす形状
の左右一対の回動腕59は軸60により基板29
上に支持されており、それらの一方の腕部の先端
には前記駆動片58aがそれぞれ相対するととも
に、他方の腕部の先端内側には前記規制片43b
がそれぞれ相対している。
基板29上には軸61により従動レバー62が
回動可能に支持され、その一方の腕部には前記係
合板用カム溝56に嵌合される接触ピン62aが
突設されるとともに、他方の腕部には大小2つの
長孔62b,62cが透設されている。この小さ
な長孔62bには前記取付軸49に突設されたピ
ン49aが嵌合され、又、大きな長孔62cには
前記可動軸42に突設されたピン42aが遊嵌さ
れており、従動レバー62が反時計方向又は時計
方向に回動したときには、ピン49aと長孔62
bとの嵌合部を介して取付軸49、すなわち第2
係合板51および前記編地押さえ4を有する取付
体50が前方又は後方へ移動されるとともに、ピ
ン42aと長孔62cとの係合により第2係合板
51を有する可動軸42が前後いずれかに回動さ
れる。
そして、駆動カム体53が時計方向すなわち第
11図の矢印Q方向に1回転されると、従動レバ
ー62が係合板用カム溝56の第1の作動部56
aの作用により同図の矢印R方向へわずかに回動
した後に復帰し、又、第2の作動部56bの作用
により再び矢印R方向へ大きく回動した後に復帰
する。このため取付軸49を介して取付体50が
2回前後動され、前記編地押さえ4が第1図〜第
4図1〜11に示すタイミングで前後に往復動さ
れるとともに、前記従動レバー62の2回目の回
動時においてのみ、第2係合板51がくし歯15
から離脱される。又、可動軸42および第1係合
板43は、従動レバー62の初回の回動のときに
は長孔62cのキヤパシテイにより動かず、従動
レバー62が矢印R方向へ大きく回動したときに
のみ回動されて左右の係合部43aがくし歯15
に係合する。
駆動カム体53の近傍において、基板29に立
設固定した軸63にはばね取付体64が回動可能
に支持され、第30図に示すように、その一部に
は扇形の切欠部64aが形成されている。ばね取
付体64には細長ばね片65がその基端において
取付固定され、その先端が第1係合板43の前記
掛止片43cに掛止されており、ばね取付体64
の回動位置に応じて第1係合板43に対して左右
いずれか一方にばね力を付与し得るようになつて
いる。ばね取付体64の外周には係止突起64b
が形成され、又、基板29にはその係止突起64
bに作用する板ばね66が設けられており、前記
細長ばね片65が第1係合板43に対して左方又
は右方へのばね力を付与しているときに、この板
ばね66が係止突起64bのいずれか一方の側面
に係合して、ばね取付体64を弾性的に保持する
ようになつている。
前記ばね取付体64の上面において、前記軸6
3上にはばね湾曲作動体67が回動可能に支持さ
れ、その下面には前記切欠部64a内に位置し、
その切欠部64a内側面との間に遊びを有するよ
うに、その切欠部64aより短い弧を有する扇形
突部67aが形成されるとともに、外周には2叉
部67bと、前記係止突部64bの上面に位置
し、その係止突部64bより長い弧を有する係止
突部67cとが形成されており、係止突部67c
には前記とは別の板ばね68が作用している。そ
して、第11図および第12図に示すように、ば
ね湾曲作動体67が一方の回動位置に配置されて
板ばね68によりその位置で弾性的に保持された
ときには、下面の突部67aがばね取付体64の
切欠部64aの一方の側面に係合してばね取付体
64と協働して細長ばね片65を一方の弾性付与
位置にて保持し、そのばね湾曲作動体67が板ば
ね68のばね力に抗して他方の位置に回動された
ときには、突部67aが切欠部64a内を遊び分
だけ回動した後その切欠部64aの他側面に係合
し、ばね取付体64が板ばね68のばね力に抗し
て回動されて、細長ばね片65のばね力付与方向
が切替えられる。
軸69により基板29上に回動可能に支持され
た付勢方向切替えレバー70は、その一腕部の先
端に前記ばね湾曲作動体67の2叉部67bに係
合するピン70aが設けられるとともに、軸支部
から側方へ延びる腕部の下面には従動ピン70b
が突設され、さらにその軸支部から基板29の後
方に向かつて手動操作用の操作片70cが突設さ
れている。
第11図および第31図に示すように、編成位
置の両側における針床12上には右側切替えカム
体71および左側切替えカム体72がそれぞれ装
置される。第11図に示す右側切替えカム体71
は、その本体部71aの前縁両側に休止編針1の
バツト1c間に嵌合する嵌合脚部71bを有し、
右側上面には前記付勢方向切替えレバー70の従
動ピン70bと係合可能なカム面71cを有して
いる。又、第31図に示す左側切替えカム体72
は、その本体部72aの前縁両側に前記と同様な
嵌合脚部72bを有し、左側上面には前記従動ピ
ン70bと係合可能なカム面72cを有してお
り、そのカム面72cが前記右側切替えカム体7
1のカム面71cと逆の向きになつている。
そして、付勢方向切替えレバー70が第11図
の位置に配置された状態においてキヤリジ13が
左方へ移動し、そのキヤリジ13が稼働編針群の
位置から外れて、付勢方向切替えレバー70の従
動ピン70bが左側切替えカム体72のカム面7
2cに係合することにより、その付勢方向切替え
レバー70が時計方向に回動されて、キヤリジ1
3の移動方向が右側に切替えられる。又、その状
態からキヤリジ13が右方へ移動して付勢方向切
替えレバー70の従動ピン70bが右側切替えカ
ム体71のカム面71cに係合することにより、
付勢方向切替えレバー70が反時計方向に回動さ
れ、キヤリジ13の移動方向が左側に切替えられ
る。なお、前記両カム面71c,72cの頂部は
2編針ピツチ分の長さを有している。
さて、第11図はキヤリジ13の右方移動が終
了し、付勢方向切替えレバー70の従動ピン70
bが右側切替えカム体71のカム面71c上に係
合して、その付勢方向切替えレバー70が一方の
回動位置に切替え配置された状態を示している。
この状態においては、ばね湾曲作動体67が一方
の位置に配置されて、細長ばね片65は第1係合
板43に対して左方へのばね力を付与している。
又、この第11図の状態においては、係合板用カ
ム溝56のカム作用により従動レバー62が一方
の位置に配置されて、取付軸49が後方位置に配
置されるとともに、第1係合板43が第20図の
位置に配置されて、第2係合板51がくし歯15
に係合するとともに、第1係合板43の両側の係
合部43aがくし歯15から外れて係脱体48の
係脱部48bがくし歯15に係合している。さら
に、この第11図の状態においては、駆動板58
の接触ピン58bが送り用カム溝55の送りカム
部55dに係合してその駆動板58が後方位置に
移動配置され、その両側の駆動片58aにより2
腕の回動腕59が第12図の2点鎖線位置に配置
されており、このため、その左方の回動腕59の
先端が第1係合板43の左方の規制片43bに係
合してその第1係合板43が右方位置に配置され
ている。
この状態において、駆動カム体53が矢印Q方
向へ1回転されると、駆動板58の接触ピン58
bが内側案内部55a又は外側案内部55b内を
移動する。そして、接触ピン58bがそれぞれ斜
面部55e又は55fに位置したときに駆動板5
8が前方へ移動され、その両側の駆動片58aが
回動腕59から離間する。このため、第1係合板
43の規制片43bに対する作用が解除されて、
その第1係合板43が細長ばね片65のばね力に
より左方へ1編針ピツチ分移動される。
そして、従動レバー62の接触ピン62aが係
合板用カム溝56の第2の作動部56bに係合す
ると、そのカム作用により従動レバー62が第1
1図の位置から矢印R方向に回動されて、第21
図に示すように、第2係合板51がくし歯15か
ら離脱するとともに、第1係合板43が回動され
て、その係合部43aがくし歯15に係合した後
に、歯部46a,48aの噛合関係を介して係脱
体48も回動されて、係脱体48の係脱部48b
がくし歯15から離脱される。
その後、駆動板58の接触ピン58bが送り用
カム溝55の送りカム部55dに再び達すると、
そのカム作用により駆動板58が後方へ移動され
て、両回動腕59の前端部が内方へ回動され、左
方の回動腕59が左方の規制片43bを右方へ押
圧する。ところが、この場合、第1係合板43は
その両側の係合部43aにおいてくし歯15に係
合しているので、第1係合板43は右方へ移動し
得ない。このため、キヤリジ13には左方への反
力が働き、そのキヤリジ13は規制孔44の移動
許容分だけ左方へ1ピツチ(第12図のP1)移
動される。
そして接触ピン58bが第2の作動部56bか
ら外れると、従動レバー62が第11図の位置に
復帰して、第2係合板51がくし歯15に係合す
るとともに、第20図に示すように、係脱体48
がくし歯15に係合した後に、第1係合板43が
くし歯15から離脱する。
以上のようにして、駆動カム体53が1回転す
るごとに、キヤリジ13が左方へ1ピツチずつ歩
進的に移動する。
このようにして、キヤリジ13が移動範囲の左
端位置に達すると、付勢方向切替えレバー70の
従動ピン70bが左側切替えカム体72のカム面
72cに係合し、その付勢方向切替えレバー70
が第11図の状態から時計方向に回動される。こ
のため、ばね湾曲作動体67が切替えピン70a
と2叉部67bとの係合を介して第11図の位置
から反時計方向へ回動されて、ばね取付体64が
同方向へ回動され、細長ばね片65の湾曲方向が
切替えられて第1係合板43に対するばね力の付
与方向が右方となるように切替えられる。従つ
て、第1係合板43の係合部43aがくし歯15
から離脱した状態においては、その第1係合板4
3が右方へ移動して、右側の規制片43bに当接
できる状態となり、第1カム輪54の矢印Q方向
への回転にともなつて、駆動板58が前後動する
と、回動腕59の回動は右側の規制片43bに対
して左方への力となつて表われる。このため、キ
ヤリジ13には右方への反力が働き、駆動カム体
53が1回転するごとに、キヤリジ13は右方へ
1ピツチずつ移動する。
そして、キヤリジ13が第11図の位置に来る
と、右側切替えカム体71のカム面71cにより
付勢方向切替えレバー70が切替え回動されて、
キヤリジ13が再び左方移動できる状態になる。
主編針作動機構(第13図〜第16図、第22図
および第23図参照) 第13図および第14図に示すように、基板2
9の下面中央部には左右に間隔をおいて一対の案
内板81,82が固定され、それらの間には戻り
位置調節板83が前後動可能に配置されている。
戻り位置調節板83には前方に延びるアーム83
aが一体形成されている。基板29の前端には戻
り位置変更ダイヤル84が回動操作可能に支持さ
れ、その上面には螺旋溝状の調節カム84aが形
成されている。前記戻り位置調節板83のアーム
83aと戻り位置変更ダイヤル84との間には軸
85により連結板86が回動可能に支持され、そ
の一端に設けたピン86aが前記調節カム84a
に嵌合されるとともに、他端が前記アーム83a
の先端に嵌合連結されており、戻り位置変更ダイ
ヤル84を回動操作することにより、調節カム8
4aのカム作用に基づき連結板86を介して戻り
位置調節板83が前後方向に移動調節される。
前記両案内板81,82および戻り位置調節板
83の後端部には編成バツト通路87,88が形
成されている。戻り位置調節板83における編成
バツト通路88に面する両端部は斜状に拡がつて
いる。又、両案内板81,82の後端間には誘導
板89が固定され、その前縁両端部には斜状面8
9aが形成されており、戻り位置調節板83が最
後退位置に達したとき、前記斜状面89aと編成
バツト通路88両端の拡がり部の斜面とにより編
成バツト通路88の両端部が斜状になつて、その
編成バツト通路88の中央部と両側の編成バツト
通路87とが連続される。
前記誘導板89と摺動部23との間には休止バ
ツト通路90が形成されている。
戻り位置調節板83には前後方向に延びかつ後
方に向かつて開口する収容溝83bが透設されて
いる。戻り位置調節板83の下面には取付板91
が固定され、その取付板91には前記収容溝83
bと対応し、前記編成バツト通路87側に開口す
るバツト案内溝91aが透設されている。
第15図および第16図に示すように、基板2
9の上面には取付軸92が前後動可能に支持さ
れ、その取付軸92はスプリング93により前方
へ向かつて付勢されている。前記一方の案内板8
1と基板29の下面との間に前後動可能に配置さ
れた主針作動腕94はその基端部にて前記取付軸
92の後端部に取付固定されている。前記主針作
動腕94の先端には前記収容溝83b内に位置す
る主針作動体96が取付けられている。この主針
作動体96はその把持部96aにおいて編成バツ
ト通路88内の1本の主編針1のバツト1cを前
後から把持し、主針作動腕94の作動にともなつ
てその1本の主編針1を前後動させるようになつ
ている。又、主針作動体96には前記取付軸92
上のスプリング93により主針作動腕94を介し
て前方へのばね力が付与されている。
戻り位置調節板83に形成した収容部83cに
は前記主針作動体96の前後動軌跡に対して出没
可能で、かつスプリング97により突出方向に向
かつて付勢された戻り位置規制板98が設けら
れ、その先端前面には斜面98aが形成されてい
る。そして、前記主針作動体96が第13図に2
点鎖線で示す前方位置から実線で示す後方位置に
後退するときには、その主針作動体96と前記斜
面98aとが係合して、戻り位置規制板98がス
プリング97の付勢力に抗して没入し、主針作動
体96の後退が許容される。又、主針作動体96
が後退した後、その後端位置から前進したときに
は、その主針作動体96は戻り位置規制板98に
より係合規制されて所定量以上の前進を阻止され
る。そして、戻り位置規制板98により主針作動
体96の前方移動が規制されたときには、その主
針作動体96の把持部96aが前記編成バツト通
路88内に位置する。
戻り位置規制板98の一側には上方へ延びる作
動突起98bが折曲形成されており、第11図お
よび第12図に示すように、その作動突起98b
が前記従動レバー62の一端に相対している。そ
して、前記係合板用カム溝56のカム作用により
従動レバー62が第11図の位置に配置されたと
きには、その従動レバー62が作動突起98bに
係合して戻り位置規制板98が没入移動され、前
記主針作動体96の前進が許容される。
第15図、第16図および第22図、第23図
に示すように、前記第1カム輪54の上面には溝
状の第1主針駆動カム99と、その第1主針駆動
カム99と一部が重複し、その第1主針駆動カム
99より深くえぐられた第2主針駆動カム100
とが形成されている。
第15図、第16図および第24図、第25図
に示すように、第1カム輪54の右側において、
基板29上にはレバー軸101が立設固定され、
その外周にはカラー102が上下動可能に取付け
られている。そのカラー102上には主針作動レ
バー103がその基端において回動可能に支持さ
れ、その先端が連結リンク104を介して前記主
針作動腕94の基端に連結されている。この主針
作動レバー103はカラー102とともにスプリ
ング105により下方へ向かつて付勢されてい
る。主針作動レバー103の中間部下面には、そ
の主針作動レバー103の上下動にともなつて前
記第1主針駆動カム99又は第2主針駆動カム1
00に選択的に係合する接触ピン103aが設け
られている。
さて、第15図は1本の主編針1に対する編成
前の状態を示しており、この状態においては第2
2図および第24図に示すように主針作動レバー
103が上方位置に配置されて、その接触ピン1
03aが第1主針駆動カム99内に位置してい
る。又、この状態においては、第1主針駆動カム
99のカム作用により主針作動レバー103を介
して主針作動腕94が後方側に配置され、第13
図に示すように主針作動体96が戻り位置規制板
98の後縁に当接して位置規制され、その主針作
動体96の把持部96aには1本の主編針1のバ
ツト1aが嵌合把持されている。
この状態において、駆動カム体53が矢印Q方
向に1回転されると、第1主針駆動カム99のカ
ム面形状に応じて主針作動レバー103が第15
図の実線位置から反時計方向に回動される。この
ため、連結リンク104を介して主針作動腕94
が後方位置から前方へ移動され、これにともなつ
て主編針1を把持した主針作動体96が後方位置
から前方へ移動される。この移動開始時において
は、従動レバー62が第11図の位置にあつて戻
り位置規制板98の作動突起98bと当接し、そ
の戻り位置規制板98が収容溝83b内に没入さ
れて、主針作動体96の前方移動が許容される。
その後、カム作用により主針作動体96が前方位
置から後退移行し、戻り位置規制板98をその斜
面98aの作用により押退けた後に後端位置に達
し、そしてスプリング93の弾性作用により主針
作動腕94を介して再び前進に移行する。そし
て、このときには、前記従動レバー62が第11
図の状態から矢印R方向に回動されて、戻り位置
規制板98が突出し、主針作動体96はこの戻り
位置規制板98にて停止される。以上のようにし
て、第1カム輪54が1回転されると、第1主針
駆動カム99のカム作用により1本の主編針1が
前記取付板91のバツト案内溝91aに沿つて案
内されながら前後動され、その主編針1は第1図
および第3図の1〜11に示す運動を行つて、平
編又は巻き目の編成が行われる。
又、第23図及び第25図に示すように、主針
作動レバー103が下方位置に配置されて、接触
ピン103aが第2主針駆動カム100に係合し
たときには、そのカム作用により主編針1が第2
図および第4図の1〜11に示す運動を行い、副
編針5と協働してゴム編又はとじ編の編成が行わ
れる。
以上の第1図および第3図の1〜11、第2図
および第4図の1〜11に示す主編針1の運動
は、第15図および第16図において、主針作動
レバー103の接触ピン103aが第1、第2主
針駆動カム99,100の1〜11に示す部分と
係合したときに行われる。
そして、以上の編成において、主針作動レバー
103の接触ピン103aが第1および第2主針
作動カム99,100の11部分に位置したとき
に主針作動体96が最後端位置に達して、主編針
1が最も後方に位置するが、その両カム99,1
00の11部分から1部分を含み回転開始位置0
部分までは両カム99,100が重複していると
ともに、溝巾が広くなつているため、この重複部
分においては主針作動レバー103がカム形状に
関わりなく溝巾分だけ回動し得、取付軸92上の
スプリング93のばね力による前方への移動が許
容される。従つて、いつたん後端位置に達した主
針作動体96は戻り位置規制板98に当接するま
で前進することになり、主編針1が後端位置から
前進することになる。これにより編目のノツクオ
ーバーが確実に行われ、その前進停止位置に応じ
た大きさの編目が形成される。
従つて、戻り位置調節ダイヤル84により戻り
位置調節板83を前方又は後方に移動して戻り位
置規制板98の前後位置を変更調節すれば、編目
の大きさを自在に調節できる。
以上のようにして、1本の主編針1に対する編
成が終了した後、キヤリジ13が1編針ピツチ分
移動すれば、主針作動体96の把持部96a内に
把持されていた編成終了後の主編針1が把持部9
6aから抜け出て、次の新たな主編針1が把持部
96a内に嵌合把持される。
副編針作動機構(第17図、第18図、第24図
および第25図を主に参照) 次に、ゴム編およびとじ編において使用される
副編針5の作動機構について説明する。第17図
および第18図に示すように、前記第1カム輪5
4の上方には第2カム輪111が一体的に設けら
れ、その下面にはゴム編用の第1副針駆動カム1
12と、その第1副針駆動カム112と大部分が
重複する第2副針駆動カム113とが形成されて
いる。第1副針駆動カム112と第2副針駆動カ
ム113との間には軸114により切替えカム体
115が2位置間に回動可能に支持され、第17
図に示すように、一方の位置に配置されたときに
は第1副針駆動カム112が360度にわたつて形
成され、第18図に示すように、他方の位置に配
置されたときには第2副針駆動カム113が360
度にわたつて形成される。板ばね116は切替え
カム体115のピン115aに作用してその切替
えカム体115を前記2位置に弾性的に保持す
る。
軸117により基板29上に回動可能に支持さ
れた切替え操作レバー118はその一端部下面に
突部カム118aを有し、その突部カム118a
には直線状のカム面118bと、円弧状のカム面
118cとが形成されている。又、切替え操作レ
バー118はその他端部下面に形成した突起11
8dが後述する軸受162上の2つの凹部162
aに選択的に係合することにより、2つの位置で
弾性的に保持されるようになつている。そして、
第17図に示すように切替えレバー118が一方
の位置に配置されたときには駆動カム体53の矢
印Q方向への回転にともない、第18図に示され
るように第1副針駆動カム112側に配置されて
いた切替えカム体115の前記ピン115aが円
弧状カム面118cに係合してその切替えカム体
115が第17図に示されるように第2副針駆動
カム113側に切替え配置され、又、第18図に
示すように切替えレバー118が他方の位置に配
置されたときには、第17図に示されるように第
2副針駆動カム113側に配置されていた切替え
カム体115のピン115aが直線状カム面11
8bに係合してその切替えカム体115が第18
図に示されるように第1副針駆動カム112側に
切替えられる。
第2カム輪111の右側において、基板29上
にはレバー軸119が立設され、その外周にはカ
ラー120が上下動可能に取付けられている。そ
のカラー120上には副針作動レバー121がそ
の基端において回動可能に支持されており、その
副針作動レバー121はスプリング122により
カラー120とともに下方へ向かつて付勢されて
いる。副針作動レバー121の中間部上面には接
触ピン121aが設けられており、その接触ピン
121aは副針作動レバー121が上方位置にあ
るときに前記第1又は第2副針駆動カム112,
113に係合され、副針作動レバー121が下方
位置にあるときには第1、第2副針駆動カム11
2,113から下側に離脱する。
第2カム輪111の左側において、基板29の
上面には取付軸123が前後動可能に支持されて
いる。その取付軸123はスプリング124によ
り前方に向かつて付勢されている。取付軸123
の前端には支持体125が固定され、第7図に示
すようにその下端には1本の副編針5が前後方向
の一水平軸線の周りで回動可能に支持されてい
る。この副編針5は前記各編成時において前記主
編針1の前後動位置の若干右側方に位置してい
る。又、前記副針作動レバー121の先端と支持
体125との間には連結リンク137が設けられ
ている。
基板29の前側部には前方に突出する延出部1
26が形成され、第7図に示すようにその前端に
は支持板127が固定されている。その支持板1
27の前面には軸128により回動レバー129
が支持され、その一端には2叉部129aが形成
されている。回動レバー129はスプリング13
0により第7図の反時計方向に向かつて付勢され
ている。ピン131は回動レバー129の回動範
囲を規制するためのものである。又、前記副編針
5の基端には連動レバー132がその一端におい
て固定され、その他端には前記回動レバー129
の2叉部129aに嵌合される連結棒133が固
定されている。従つて、副編針5は回動レバー1
29の回動にともなつて回動され、回動レバー1
29がピン131により回動を規制されていると
きには、そのフツク5aが直立する位置に配置さ
れ、又、同レバー129が2点鎖線位置に回動し
た時は前記フツク5aが左側に傾斜配置されるよ
うになつている。
第7図、第17図及び第18図に示すように前
記第2カム輪111の外周には互いにほぼ180度
隔てて一対の突起カム134が形成されている。
又、前記延出部126の上面には軸135により
作動レバー136が回動可能に支持され、その一
端が前記回動レバー129に形成したピン129
bに相対するとともに、他端が前記突起カム13
4の回転軌跡内に位置しており、突起カム134
と作動レバー136とが係合することにより回動
レバー129が前記スプリング130のばね力に
抗して第7図の2点鎖線位置に回動されて、副編
針5が主編針1側に回動される。
さて、第17図では切替えレバー118が一方
の位置に切替え配置され、その切替えレバー11
8の下面の突部カム118aにより切替えカム体
115が一方の位置に配置されて、第1副針駆動
カム112が360度の範囲にわたつて形成されて
いる。この状態において駆動カム体53が矢印Q
方向に1回転されると、第1副針駆動カム112
のカム作用により副針作動レバー121が実線位
置と鎖線位置との間で回動される。従つて、連結
リンク137を介して支持体125が前後動さ
れ、これにより副編針5が第2図1〜11に示す
前後運動を行う。この場合、副針作動レバー12
1の接触ピン121aが第1副針駆動カム112
の1〜11の部分とそれぞれ係合したときに副編
針5について第2図1〜11に示す動作が行われ
る。
又、駆動カム体53の矢印Q方向への回転にと
もない前記接触ピン121aと第1副針駆動カム
112の3部分および9部分とが係合したとき
に、作動レバー136が突起カム134に係合し
て、第17図および第18図に2点鎖線で示すよ
うに、その作動レバー136がはねられるように
して回動される。これにより、回動レバー129
が第7図の実線位置と鎖線位置との間で回動され
て、連結棒133および連動レバー132を介し
て、第2図3,9に示すように副編針5が一旦反
時計方向に回動された後時計方向に戻り、これに
よつてそのフツク5aは一旦主編針1のフツク1
aに引掛け可能な傾斜配置状態をとつた後通常の
配置状態に復帰する。
又、第18図に示すように、切替えレバー11
8が他方の位置に回動配置されたときには、第2
カム輪111の矢印Q方向の回転により、切替え
カム体115のピン115aが切替えレバー11
8の突部カム118aの直線部118bに係合し
て、その切替えカム体115が第18図の位置に
切替え回動され、板ばね116によりその位置で
弾性的に保持されて、とじ編用の第2副針駆動カ
ム113が360度の範囲にわたつて形成される。
従つて、この状態で駆動カム体53が矢印Q方向
に回動されれば、副針作動レバー121が回動さ
れて、副編針5が第4図1〜11に示すとじ編の
ための運動を行う。
糸口およびラツチ制御板作動機構(第6図、第
15図〜第18図、第24図〜第29図を主に参
照) 第15図、第16図および第26図〜第29図
に示すように、前記第1カム輪54の外周の上下
には第1、第2外周カム141,142が形成さ
れ、それらは互いに反対側においてほぼ180度の
範囲にわたつている。
第26図〜第29図に示すように、前記ばね取
付体64の上面およびばね湾曲作動体67の下面
にはそれぞれ互いに対向するカム面64c,67
dが形成されている。ばね湾曲作動体67の外周
には従動レバー143がその基端において回動可
能並びに上下動可能に支持され、第15図および
第16図に示すように、その中間部には前記第1
又は第2外周カム141,142に選択的に係合
可能な接触部143aが形成されている。前記従
動レバー143はスプリング144により上方へ
付勢され、又、この従動レバー143およびばね
湾曲作動体67が前記スプリング144よりばね
力の強いスプリング145により下方へ付勢され
ている。そして、ばね湾曲作動体67が第11図
に示す回動位置、すなわち左方へのばね力付与位
置に配置されたときには、第26図に示すよう
に、ばね取付体64およびばね湾曲作動体67の
カム面64c,67dの高部どおしが係合して、
従動レバー143が上方側に位置し、その接触部
143aが前記第1外周カム141の係合範囲に
位置する。又、ばね湾曲作動体67が右方へのば
ね力付与位置に配置されたときには第27図に示
すように、前記カム面64c,67dの低部どお
しが係合して、従動レバー143が下方側に位置
し、その接触部143aが前記第2の外周カム1
42の係合範囲に位置する。
第2カム輪111の右側後方に設けられた軸1
46には上下動操作レバー147が上下動可能に
支持され、第15図、第16図および第22図〜
第25図に示すようにその一腕部に形成した弾性
2叉部147aが前記切替えレバー118を支持
する軸117を弾性挾持して、その軸117の外
周3箇所に形成した係止溝117a,117b,
117cに選択的に係合可能である。上下動操作
レバー147の他腕部には上下2枚の板よりなる
切替え部147bが形成されており、その切替え
部147bの2枚の板間には前記従動レバー14
3の基端部に形成した突起143bが位置してい
る。そして、上下動操作レバー147がその弾性
2叉部147aにおいて中間部の前記係止溝11
7bに係合する位置に配置されたときには、従動
レバー143の前記外周カム141,142のい
ずれかに係合する上下動が許容され、弾性2叉部
147aが上方の係止溝117aに係合したとき
には、切替え部147bが前記突起143bの下
面に当接して、従動レバー143が第1外周カム
141に係合する位置に保持され、さらに、弾性
2叉部147aが下方係止溝117cに係合した
ときには、切替え部147bが前記突起143b
の下面に当接して従動レバー143が第2外周カ
ム142に係合する位置に保持される。
第1カム輪54の前方には糸口作動体148が
左右動可能に配置され、その右端には前記従動レ
バー143の先端がピン連結されており、前記第
1又は第2外周カム141,142のカム作用に
基づく従動レバー143の回動にともなつてこの
糸口作動体148が左右方向へ移動される。糸口
作動体148にはスプリング149のばね力が作
用していて、その糸口作動体148が常には左方
へ向かつて付勢されるとともに、従動レバー14
3がカム接触方向に付勢されている。糸口作動体
148の中央部には挿通孔148aが透設され、
その挿通孔148aと糸口作動体148の前面と
の間には糸導入溝148bが透設されている。
第6図、第17図、第18図および第24図、
第25図に示すように、前記糸口作動体148上
にはスプリング149(第6図において図示)に
より上方へ付勢された前記ラツチ制御板3がその
上端の嵌合部3aにおいて上下動可能に取付けら
れている。このラツチ制御板3は糸口作動体14
8の前面において下方へ延び、その下端には主編
針1のラツチ1bに作用可能なラツチ制御部3b
が折曲形成されている。第24図および第25図
に示すように、前記嵌合部3aおよびラツチ制御
部3bには糸口作動体148の挿通孔148aに
対応する挿通孔3cが透設されるとともに、第6
図に示すように、その嵌合部3aからラツチ制御
部3bにかけては前記糸導入溝148bに対応す
る別の糸導入溝3dが透設されている。
前記ラツチ制御板3の上方には糸口支持板15
1が配置され、第17図、第18図および第24
図、第25図に示すように、その糸口支持板15
1には前記糸口挿通孔148aおよび糸導入溝1
48bにそれぞれ対応する糸口取付孔151aお
よび糸導入溝151bが透設されている。その糸
口取付孔151aには筒状の前記糸口2がその上
端において嵌合固定され、前記各糸口挿通溝14
8a,3c内に上下動可能に挿通している。この
糸口2は、前記従動レバー143が第1又は第2
外周カム141,142に係合して糸口作動体1
48が右方位置に配置されたときには、前記主針
作動体96に把持された主編針1の右方に位置
し、又、従動レバー143が第1又は第2外周カ
ム141,142から外れて糸口作動体148が
左方位置に配置されたときには、主編針1の左方
に位置する。第6図に示すように糸口2には前記
各糸導入溝148b,3dに対応する糸導入溝2
aが透設されている。又、糸口支持板151上に
は編糸Tを糸口2内へガイドするための糸ガイド
153が固定されている。なお、第6図に示すよ
うに、基板29上には、編糸Tを前記糸ガイド1
53に案内するための別の糸ガイド154が設け
られている。
第7図、第17図および第18図に示すように
前記第2カム輪111の外周2箇所には下降駆動
カム155,156が形成されている。又、基板
29上に固定した取付板157上には軸158に
より下降作動体159が回動可能に支持され、第
32図に示すように、その先端下面には前記ラツ
チ制御板3の上面に係合可能な斜面カム159a
が形成されている。又、この下降作動体159は
その一部において前記下降駆動カム155,15
6に係合可能であり、スプリング160によりそ
の係合方向に付勢されている。そして、駆動カム
体53の回転にともなつて前記下降駆動カム15
5,156が下降作動体159に係合すると、そ
の下降作動体159が第17図および第18図に
実線で示す位置に回動されて、その下面の斜面カ
ム159aの作用により第25図に実線で示すよ
うにラツチ制御板3が下降される。このタイミン
グは、第15図および第16図に示す主針作動レ
バー103の接触ピン103aが前記第1又は第
2主針駆動カム99,100の2および5部分と
係合したときに係合し、接触ピン103aが第1
又は第2主針駆動カム99,100の4および7
部分と係合したときに離れる。従つて、第1図〜
第4図の2および5に示すように、そのときにラ
ツチ制御板3が下降され、第1図〜第4図の4お
よび7に示すときに上昇される。
第33図に示すように、第2カム輪111の外
周にはフランジ部161が形成されている。その
フランジ部161の一部には切欠部161aが形
成され、その切欠部161aの両側縁には斜状の
カム面161bが設けられている。第17図およ
び第18図に示すように第2カム輪111の後方
において、基板29には一対の軸受162,16
3により下降作動レバー164が回動可能に支持
され、その中間部には、スプリング165の上昇
付勢力により前記フランジ部161の下面に係合
する接触ピン164aが設けられている。又、下
降作動レバー164の前側先端部164bは、前
記糸口支持板151に折曲形成した当接部151
cの上面に当接している。そして、前記接触ピン
164aがフランジ部161の下面に係合してい
るときには、第24図および第25図に示すよう
に、下降作動レバー164が下方回動位置に配置
されて、糸口支持板151および糸口2が下方位
置に配置される。又、前記主針作動レバー103
の接触ピン103aが第1又は第2主針駆動カム
99,100の5部分と係合したときには前記接
触ピン164aが前記切欠部161a内に位置し
て、スプリング165の付勢力により下降作動レ
バー164が上昇回動され、又、主針作動レバー
103の接触ピン103aが第1又は第2主針駆
動カム99,100の7部分と係合したときに
は、下降作動レバー164の接触ピン164aが
フランジ部161の下面に再び係合してその下降
作動レバー164が下降回動し、糸口支持板15
1および糸口2が下降する。このため、糸口2は
第1図〜第4図5のときに下降し、第1図〜第4
図7のときに上昇する。
さて、平編、ゴム編およびとじ編を行う場合に
は、第24図〜第27図に示すように、上下動操
作レバー147をその弾性2叉部147aが軸1
17上の中間部の係止溝117bに掛止されるよ
うに中間位置に配置する。このようにすれば、従
動レバー143の上下動が許容される状態にな
る。そして、キヤリジ13が右方へ移動される状
態にセツトされると、ばね湾曲作動体67が一方
の位置に回動配置されて、そのばね湾曲作動体6
7とばね取付体64との間のカム面67d,64
cの作用により従動レバー143が下方に移動さ
れ、その接触部143aが第1カム輪54の第2
外周カム142に対応する。このため、第16図
に示すように糸口作動体148が左方に移動され
て、糸口2が主針作動体96に把持された主編針
1の左方に位置する。
この状態で駆動カム体53が矢印Q方向に1回
転されると、まず、第2カム輪111外周の一方
の突起カム134が下降作動体159に係合し、
その下降作動体159が第17図および第18図
の実線位置に回動されて、その下降作動体159
の先端の斜面カム159aの作用により、第1図
〜第4図の2に示すようにラツチ制御板3が初回
の下降を行う。その後、一方の突起カム134が
下降作動体159から外れて、第1図〜第4図の
4に示すようにラツチ制御板3が上昇復帰した後
に、他方の突起カム134が下降作動体159に
係合し、第1図〜第4図の5に示すようにラツチ
制御板3が再び下降する。そして、突起カム13
4が下降作動体159から外れると、第1図〜第
4図の7に示すようにラツチ制御板3が上昇復帰
する。
一方、ラツチ制御板3の2回目の下降とほぼ同
時に、第2カム輪111のフランジ部161の切
欠部161aが下降作動レバー164の接触ピン
164aの部分に位置して、スプリング165に
より下降作動レバー164が上昇されて、第1
図、第2図および第4図の5に示すように糸口2
が上昇される。
その後、前記第2外周カム142が従動レバー
143の接触部143aに係合して、その従動レ
バー143が第16図の鎖線位置まで回動され、
糸口作動体148が右方へ2ピツチ分移動され
る。このため、第1図、第2図および第4図の6
に示すように、糸口2がラツチ制御板3とともに
右方へ2ピツチ分移動される。その後、フランジ
部161が下降作動レバー164の接触ピン16
4aに再び係合して、その下降作動レバー164
が再び下降回動され、糸口2が下降する。
そして、駆動カム体53の1回転が終了に近づ
くと、第2外周カム142が従動レバー143か
ら外れて、糸口作動体148が2ピツチ分左方へ
移動し、糸口2およびラツチ制御板3が左方へ2
ピツチ分移動して編成の終了した主編針1の左側
に位置する。
又、ばね湾曲作動体67が切替え回動され、細
長ばね片65のばね力付与方向が切替えられて、
第11図に示すようにキヤリジ13が左方移動可
能な状態にセツトされたときには、第15図およ
び第26図に示すように、ばね取付体64とばね
湾曲作動体67との間のカム面64c,67dの
高部どおしが係合して、従動レバー143が上昇
され、その接触部143aが第1外周カム141
に対応する。そして、駆動カム体53の矢印Q方
向への回転にともなうキヤリジ13の左方移動時
には、前記突起カム134およびフランジ部16
1の作用による糸口2およびラツチ制御板3の上
下動は前記右行時と同様に行われるが、従動レバ
ー143が第1外周カム141によつて作動制御
されるため、糸口2およびラツチ制御板3は左右
方向を逆にして移動される。すなわち、第1外周
カム141は第2外周カム142に対して180度
ずれた位置に形成されているため、第1外周カム
141と従動レバー143との係合に基づく糸口
2およびラツチ制御板3の初期の位置および移動
方向は前記右方移動の場合と逆になる。従つて、
主編針1に対する糸口2およびラツチ制御板3の
左右位置および左右の移動方向は第1図、第2図
および第3図の場合と逆になる。
さらに、第3図に示す巻き目編成の場合には次
のようにする。まず、キヤリジ13の右行の場合
には、第29図に示すように、上下動操作レバー
147をその弾性2叉部147aが軸117上の
上部側の係止溝117aに掛止されるように上方
移動させてその位置で保持する。
このようにすれば、従動レバー143がスプリ
ング145の付勢力に抗して上昇され、第15図
に示すように、第1外周カム141に係合する。
このため、キヤリジ13の停止時には糸口作動体
148が右方側に配置されて、第3図の1に示す
ように糸口2は編成を施そうとする主編針1の右
方に位置する。そして、この状態から駆動カム体
53が矢印Q方向へ1回転すれば、前記下降駆動
カム155,156およびフランジ部161の切
欠部161aの作用により糸口2およびラツチ制
御板3の上下動は前記第1図、第2図および第4
図における右方移動時と同様に行われるが、従動
レバー143は駆動カム体53の回転にともなつ
て第1外周カム141から外れた後に再び係合す
るので、糸口作動体148は第15図に示す右方
位置から2ピツチ分左方移動した後に右方位置に
復帰する。従つて、糸口2およびラツチ制御板3
は第3図の6に示すようにその上昇状態において
右方位置から左方へ2ピツチ分移動した後に、第
3図の11に示すように右方へ2ピツチ分復帰す
る。
又、キヤリジ13の左方移動時には、第28図
に示すように上下動操作レバー147を下方位置
に移動配置する。このようにすれば、従動レバー
143が下方移動され、第16図に示すように、
キヤリジ13の停止時には糸口作動体148が左
方位置に配置され、駆動カム体53の回転にとも
なつて糸口2およびラツチ制御板3が前記右方移
動時とは逆の運動を行う。
編成切替え機構(第10図、第22図〜第25図
を主に参照) 第10図、第24図および第25図に示すよう
に、基板29上には1個の切替え部材171が前
後動可能に配置され、その前後両端にはガイド孔
172が透設されており、この切替え部材171
はその両ガイド孔172において前記前後動のガ
イドのために前記両レバー軸101,119に嵌
挿されている。切替え部材171の前後両端上面
にはそれぞれ低面部171a,171bと、高面
部171c,171dと、それらの間に位置する
斜面部171e,171fとが形成されている。
そして、第24図に示すように、切替え部材17
1が後方位置に移動配置されたときには、後部側
高面部171dとカラー102および前部側低面
部171aとカラー120とがそれぞれ係合し
て、主針作動レバー103が高部側に、副針作動
レバー121が低部側に配置される。従つて、第
22図に示すように主針作動レバー103の接触
ピン103aが平編および巻き目編用の第1主針
駆動カム99に係合するとともに、副針作動レバ
ー121の接触ピン121aが第1および第2副
針駆動カム112,113から下方に脱出して、
平編および巻き目編の状態となる。
又、第25図に示すように、切替え部材171
が前方へ移動配置されたときには、両カラー10
2,120が斜面171f,171e上を摺動し
て後部側低面部171b、前部側高面部171c
にそれぞれ係合し、これにより主針作動レバー1
03が低部側に、副針作動レバー121が高部側
に配置される。従つて、主針作動レバー103の
接触ピン103aがゴム編およびとじ編用の第2
主針駆動カム100に係合するとともに、副針作
動レバー121の接触ピン121aがゴム編又は
とじ編用の第1又は第2副針駆動カム112,1
13に係合して、ゴム編又はとじ編の状態にな
る。
第10図、第22図および第23図に示すよう
に、基板29上に固定した軸受174には感知板
173がその基端の軸部173aにおいて前後方
向の軸線の周りに回動可能に支持され、常に板ば
ね175により下方へ付勢されている。そして、
第22図に示すように、この感知板173が下方
位置に配置されたときには、前記駆動板58の後
端に形成した折曲部58cがこの感知板173に
掛止されるようになつており、この掛止時には駆
動板58の前方移動が規制される。このため、駆
動板58の前端の接触ピン58bは、駆動カム体
53が第11図の状態から矢印Q方向に回転され
ても、送り用カム溝55の外側カム部55b内に
は進入し得ず、内側カム部55a内を移動する。
又、前記感知板173の先端下面には前記主針作
動体96内に位置して編成バツト通路88内に突
出する感知突部173bが形成されている。
そして、第22図に示すように、周知のパンチ
カード等により作動制御される柄板16が不作動
状態にあつてその柄板16の突起16aが主編針
1と対応していない場合には、その主編針1が感
知突部173bと係合して押上げばね17の付勢
力に抗して下方移動される。このため、感知板1
73が板ばね175の付勢力により下方位置を保
持する。又、第23図に示すように、ゴム編時等
において、前記パンチカード等により柄板16が
作動状態にあつて柄板16の突起16aが主編針
1と対応している場合には、主編針1が下降し得
ないために、感知板173が板ばね175の付勢
力に抗して上昇され、駆動板58の前方移動が許
容される。
感知板173の先端上面には上方へ向かうアー
ム173cが一体形成され、その上端部の後側お
よび前側にはそれぞれ接触ピン173d,173
eが突設されており、第17図および第18図に
示すように、後側の接触ピン173dは前記切替
えレバー118の中間部上面に形成したカム面1
18eに相対し、前側の接触ピン173eは前記
第1カム輪54の外周上面に係合している。一
方、第15図および第16図に示すように、第1
カム輪54の外周上面の一部には、切欠きカム部
176が形成されており、この切欠きカム部17
6と前記接触ピン173eとが相対したときにの
み、感知板173の第22図に示す下方移動が許
容され、このタイミングは第1カム輪54が
(0)位置からほぼ(2)位置の間に位置したときで
ある。前記接触ピン173eが切欠きカム部17
6に相対せず第1カム輪54の外周上面に係合し
ている時、感知板173は上方位置に保持され
る。
第10図に示すように前記切替え部材171の
後側部内側には2叉部171gが突設されてお
り、その2叉部171gには前記駆動板58に突
設した嵌合部58dが嵌合されていて、駆動板5
8の前後動にともなつて切替え部材171が一体
的に前後動される。
さて、駆動カム体53が(0)位置にあるとき
には、第11図に示すように駆動板58の接触ピ
ン58bが前記送り用カム溝55の送りカム部5
5dの終端に位置して、その駆動板58切替え部
材171が後方位置に配置されて、第24図に示
すように主針作動レバー103が上方位置に、副
針作動レバー121が下方位置に配置されてい
る。このため、第22図に示すように、主針作動
レバー103の接触ピン103aが第1主針駆動
カム99に係合し、副針作動レバー121が第1
および第2副針駆動カム112,113から離脱
している。
この場合、感知板173はその前側接触ピン1
73eにおいて第1カム輪54外周の切欠きカム
部176に相対して、板ばね175の付勢力によ
る下方移動が可能な状態にあり、第22図に示す
ように、主編針1と柄板16の突起16aとが対
応していない場合には、その感知板173が下方
位置に配置される。従つて、駆動板58はその折
曲部58cにおいて感知板173に係合して前方
へ移動し得ず、駆動カム体53が第11図の状態
から矢印Q方向に回転すれば、その駆動板58の
接触ピン58bは送り用カム溝55の内側カム部
55a内を移動する。このため、切替え部材17
1が後方位置に保持され、駆動カム体53の回転
に基づく第1又は第2主針駆動カム99,100
のカム作用により平編又は巻き目編が行われる。
このように、感知板173が下方移動されたとき
には、副編針5が作動されず、平編又は巻き目編
が行われる。
なお、駆動カム体53の1回転の終了直前にお
いて駆動板58の接触ピン58bが内側カム部5
5aの斜面部55eに係合して、その駆動板58
が一旦前方移動され、切替え部材171が前方移
動されるが、この場合には主針作動レバー103
の接触ピン103aが第1、第2主針駆動カム9
9,100の重複部分に位置してすでに編成が終
了しているので問題はない。
又、第23図に示すように、主編針1と柄板1
6の突起16aとが対向している場合には、感知
板173が下方移動し得ず、駆動板58の前方移
動が許容される。このため、第11図の状態から
駆動カム体53が回転すると、スプリング73の
付勢力により駆動板58の接触ピン58bが送り
用カム溝55の斜面部55fに沿つて前進され、
外側カム部55b内に導入される。そのため、第
25図に示すように駆動板58が前方へ移動して
切替え部材171が前方へ移動し、第23図に示
すように主針作動レバー103がその接触ピン1
03aにおいて第2主針駆動カム100に係合す
るとともに、副針作動レバー121がその接触ピ
ン121aにおいて第1又は第2副針駆動カム1
12,113に係合する。
従つて、駆動カム体53の矢印Q方向への回転
にともなつて第2主針駆動カム100と第1又は
第2副針駆動カム112,113とのカム作用に
よりゴム編又はとじ編が行われる。以上のよう
に、感知板173の下方移動が阻止されたときに
は、副編針5が主編針1とともに作動可能な状態
となり、ゴム編又はとじ編が行われる。
動力機構(第10図、第19図、第34図〜第3
6図を主に参照) 次に編成のための動力機構について説明する。
第10図および第19図に示すように、基板29
上には直流モータ181が設置固定され、そのモ
ータ軸上にはベベルギヤ182が設けられてい
る。第34図に示すように、基板29上に立設さ
れた軸183上には前記ベベルギヤ182と噛合
する別のベベルギヤ184と、そのベベルギヤ1
84と一体状の小径のスパーギヤ185とが回転
可能に支承されている。又、前記軸63の上端に
は前記スパーギヤ185と噛合する大径のスパー
ギヤ186が回転可能に支持されている。そのス
パーギヤ186の下面において軸63上には小径
のスパーギヤ187が回転および上下動可能に支
持され、第26図〜第29図から明らかなように
前記スプリング145により上方へ付勢されて常
には前記スパーギヤ186の下面に接合するよう
にされている。第19図および第35図に示すよ
うに、前記スパーギヤ186の下面には複数(本
実施例では4個)の接続凹部186aが90度ずつ
の角度を隔てて形成され、又、スパーギヤ187
の上面には前記接続凹部186aと対応するよう
に同数の接続凸部187aが90度ずつの角度を隔
てて形成されており、その接続凸部187aは前
記スプリング145の付勢力により接続凹部18
6a内に嵌合されるようになつている。前記各接
続凸部187aの共通の一側には斜面部187b
が他側には垂直面187cがそれぞれ形成されて
いる。そして、大径のスパーギヤ186が第35
図の矢印S方向(第11図において反時計方向)
に回転されたとき(前記モータ181が一方向に
回動したとき)には、接続凸部187aの垂直面
187cと接続凹部187bの垂直内面との係合
を介して小径のスパーギヤ187が同方向に回転
され、又、大径のスパーギヤ186が停止してい
る状態において、小径のスパーギヤ187が矢印
S方向に回転されたとき(後記回転操作輪が手動
操作によつて第11図のQ方向に回転されたと
き)には、前記斜面部187bの作用により、ス
プリング145のばね力に抗してスパーギヤ18
7が下方へ逃げ、小径のスパーギヤ187の回転
は大径のスパーギヤ186には伝達されない。
なお、第36図は前記モータ181の駆動回路
を示すものであり、188は交流を直流に変換す
る整流器、189は電圧降下用のトランス、19
0は手動操作可能な起動スイツチをそれぞれ示
す。起動スイツチ190は第5図に示す編機本体
11に設けられている。モータ181への給電
は、第5図に示されるように交流電源のコンセン
トに差し込まれたプラグ193からケーブル19
4を通じて行われ、そのケーブル194の内のキ
ヤリジ13に近い部分はコイル状にされるととも
にテンシヨン支柱195のケーブル係止片196
に引掛けられる。
第19図、第22図〜第23図および第26図
〜第29図に示すように前記第2カム輪111の
外周には前記スパーギヤ187と噛合するギヤ部
191が形成されている。又、第19図、第22
図および第23図に示すように第2カム輪111
の上面には回転操作輪192が固定されており、
その操作輪192をハンドル192aにて回転操
作することにより駆動カム体53全体が回転され
る。
従つて、モータ181が所定の方向、すなわち
第6図の矢印T方向に回転することにより、ベベ
ルギヤ182,184及びスパーギヤ185を介
してスパーギヤ186が第35図の矢印S方向に
回転されて、接続凹部186aと接続凸部187
aとの嵌合関係を介してスパーギヤ187が同方
向へ回転され、そのスパーギヤ187およびギヤ
部191を介して駆動カム体53が矢印Q方向に
回転される。又、ハンドル192aにより回転操
作輪192が所定の方向である矢印Q方向に回転
操作されて駆動カム体53が矢印Q方向に回転さ
れた場合には、第2カム輪111外周のギヤ部1
91との噛合関係を介してスパーギヤ187が矢
印S方向に回転されるが、その回転は接続凸部1
87aの斜面部187bの作用によりスパーギヤ
186には伝達されない。従つて、その回転はモ
ータ181には伝達されず、手動による駆動カム
体53の回転操作を軽い力で行うことができると
ともに、前記モータ181に全く支障を来たさな
い。
次に、以上のように構成された手編機を使用し
て、第37図に示すようなベストの後身頃Vの編
成方法を説明する。
まず、編成巾に相当する主編針1を針床12上
においてほぼ編成準備位置まで前進させる。
さて、編出しは巻き目により行われるので、上
下動操作レバー147を第28図又は第29図に
示す位置に切替え操作して、従動レバー143の
接触部143aを第1カム輪54の第1又は第2
外周カム141,142に対応させる。すなわ
ち、この編出しにおいてキヤリジ13を左行させ
る場合には上下動操作レバー147を第28図の
位置に、キヤリジ13を右行させる場合には第2
9図の位置にして、糸口2をキヤリジ13の移動
方向とは反対側の一方の位置に配置する。
一方、切替えレバー118を第17図の位置に
配置して、感知板173の上端の接触ピン173
dが切替えレバー118から外れるようにし、感
知板173が下方移動できるようにする。
このようにして、例えば、モータ駆動する場合
は編機本体11のスイツチ190をオンすると、
第6図に示す駆動モータ181が回転始動され
て、ベベルギヤ182,184、スパーギヤ18
5,186,187等を介して駆動カム体53が
第11図、第15図、第17図等の矢印Q方向に
回転される。或いは手動操作する場合は、操作輪
192を矢印Q方向に回転すればよい。しかしな
がら、下記の如き決まつた形のゴム編や平編を連
続する場合はモータ駆動した方が効率的である。
又、この巻き目編の場合にはパンチカードを使用
せず、柄板16が不作動位置に保持されているの
で、第22図に示すように主編針1が下方移動す
ることができ、これにより感知板173が下方位
置にあつて駆動板58がその感知板173に掛止
される。このため、駆動板58が前方移動し得
ず、その接触ピン58bが第11図に示す送り用
カム溝55の内側カム部55a内を移動し、第2
4図に示すように切替え部材171が後方位置に
保持される。これにより、第22図に示すよう
に、主針作動レバー103が第1主針駆動カム9
9に係合するとともに、副針作動レバー121が
第1および第2副針駆動カム112,113から
離脱する。
従つて、駆動カム体53の1回転に基づく第1
主針駆動カム99のカム作用により、主針作動体
96に把持された1本の主編針が第3図の1〜1
1に示すように前後運動されるとともに、第1又
は第2外周カム141,142のカム作用および
フランジ部161の切欠部161aの作用によ
り、糸口2がキヤリジ右行の場合には第3図の1
〜11に示す運動を、キヤリジ左行の場合には左
右逆の運動を行つて、1本の主編針1に対して1
つの巻き目が形成される。このようにして、キヤ
リジ13が間欠移動し、その停止中において各主
編針1に対して巻き目が形成され、第38図に示
すような巻き目編出しが行われる。
以上のようにして巻き目編出しが終了した後に
ゴム編を所定段数実施するが、その前にキヤリジ
13が移動範囲の一端に達すれば、右側又は左側
切替えカム体71,72のカム部71c,72c
の作用により、細長ばね片65のばね力付与方向
が切替えられて、キヤリジ13が反対方向へ移動
し得る状態になる。ここで、例えば、所謂1目ゴ
ム編を行うとすると、有孔部と無孔部とが1編針
毎交互に記録されたパンチカードを編機本体11
にセツトし、キヤリジ13の摺動にともないその
パンチカードに従つて柄板16を作用、不作用各
位置に作動し得る状態にする。一方、キヤリジ1
3上の上下動操作レバー147を第26図および
第27図に示すように中間位置に配置して、従動
レバー143が上下の外周カム141,142の
いずれにも係合できるようにするとともに、第1
7図に示すように、切替えレバー118を一方の
位置に配置して、ゴム編用の第1副針駆動カム1
12が360度にわたつて形成されるようにする。
従つて、この場合にも、感知板173が下方移動
し得る状態となる。
この状態でモータ181若しくは手動によつて
駆動カム体53を矢印Q方向へ回転させ、キヤリ
ジ13を左方又は右方へ歩進的に移動させれば、
前記パンチカードの有孔部と無孔部とに対応して
表目および裏目が編成される。つまり、パンチカ
ードの無孔部と対応する主編針1の編成時には、
第22図に示すように感知板173が主編針1と
ともに下方移動する。このため、送り用カム溝5
5の送りカム部55dにより後方位置に移動され
た駆動板58は感知板173に掛止されて前方へ
移動し得ず、第24図に示すように切替え部材1
71が後方位置に保持される。従つて、第22図
に示すように主針作動レバー103が第1主針駆
動カム99に係合するとともに、副針作動レバー
121の接触ピン121aが第1および第2副針
駆動カム112,113から下方に離脱し、駆動
カム体53の回転にともないその第1主針駆動カ
ム99の作用により主編針1が第1図の1〜11
に示す運動を行うとともに、第1又は第2外周カ
ム141,142およびフランジ部161の切欠
部161aの作用により糸口2が同じく第1図の
1〜11に示す運動を行つて裏目が形成される。
又、パンチカードの有孔部と対応する主編針1
の編成時には、第23図に示すように、その主編
針1が柄板16の突起16aにより下方移動でき
ないので、感知板173の接触ピン173eが切
欠きカム部176に対向しても、その感知板17
3は下動しない。従つて、駆動板58は自在に前
方移動することができ、駆動カム体53の回転に
ともなつて駆動板58の接触ピン58aが第11
図に示す送り用カム溝55の外側カム部55b内
を移動し、切替え部材171が第25図に示すよ
うに前方へ移動される。このため、第23図に示
すように主針作動レバー103が下方位置に配置
されてその接触ピン103aが第2主針駆動カム
100に係合するとともに、副針作動レバー12
1が上方位置に配置されてその接触ピン121a
が第1副針駆動カム112に係合する。
従つて、駆動カム体53の回転に基づく第2主
針駆動カム100のカム作用により主編針1が第
2図1〜11に示す運動を行うとともに、第1副
針駆動カム112のカム作用および第1カム輪5
4の外周の突起カム134の作用による作動レバ
ー136の回動により、副編針5が同じく第2図
の1〜11に示す運動を行い、表目が編成され
る。
以上のように、パンチカード上の無孔部と対応
する主編針1については裏目が形成されるととも
に、パンチカード上の有孔部と対応する主編針1
については表目が形成されて、このくり返しによ
りゴム編が行われる。
このようにして所要段数のゴム編を終了して、
キヤリジ13が一方の移動端に位置したら、柄板
16がパンチカードにより作動されない状態に切
換える。
この状態でキヤリジ13を左方および右方へ歩
進移動させれば、感知板173が主編針1と対向
するごとにその感知板173が第22図に示す下
方位置に配置されて、駆動板58が前方移動し得
ず、平編が行われる。従つて、第37図に示す後
身頃を順次編成して行くことができる。
袖ぐり部分は次のようにして行う。まず、減し
目する場合には次のようにして行う。すなわち、
右側の減し目はキヤリジ13の左行開始時におい
て、切替えレバー118を第18図の位置に配置
してとじ編用の第2副針作動カム113が360度
にわたつて形成されるようにする。このようにす
ると、切替えレバー118と感知板173の接触
ピン173dとの係合によりその感知板173が
引上げられて、駆動板58が自在に前方移動でき
る状態になる。そして、駆動カム体53を矢印Q
方向へ回転させれば、その駆動カム体53の回転
にともなつて駆動板58の前方移動が許容され
て、切替え部材171が前方位置に移動され、第
23図に示すように主針作動レバー103の接触
ピン103aが第2主針駆動カム100に係合す
るとともに、副針作動レバー121の接触ピン1
21aが第2副針駆動カム113に係合する。従
つて、駆動カム体53が1回転するごとに、主編
針1および副編針5が第4図の1〜11に示す運
動を行い、とじ編が行われる。この場所でのとじ
編は数針以上行われることがないので、駆動カム
体53の回転は、モータ駆動よりも回転操作輪1
92による手動駆動の方が好ましい。このように
すれば、所望する数のとじ目を間違いなく得るこ
とができる。
以上のようにして、左側の編目を適当数減らし
たら、キヤリジ13を平編の状態に切替えて、キ
ヤリジ13を歩進移動させて、平編を行う。
又、左側の減し目は、キヤリジ13の右行時に
前記と同様にして行う。
袖ぐりの増し目は次のようにして行う。まず、
右側の増し目を行うには、キヤリジ13の右行時
において増し目しようとする主編針1に巻き目を
設ければよく、左側の増し目はキヤリジ13の左
行時に行う。この場合も前記と同様にキヤリジ駆
動を手動にて行う。
肩部および衿ぐりの減し目は前記と同様にキヤ
リジ13をとじ目の状態にして、左側はキヤリジ
13の右行時に、右側は左行時に行う。
又、第39図に示すように、平編中に巻き目を
模様として入れるには、その部分の前の位置でキ
ヤリジ13を停止してそのキヤリジ13を巻き目
編成可能な状態に切替えて編成を行えばよい。
又、この場合、巻き目位置の直前までキヤリジ駆
動をモータ181により行い、そこから巻き目位
置までは手動によりキヤリジ13を駆動すれば、
その所望の位置に対する巻き目編成を間違いなく
行うことができる。
なお、前記の各種の編成においては、第13図
および第14図に示す戻り位置調節ダイヤル84
により戻り位置調節板83の前後位置を移動調節
することにより、ノツクオーバー後の主編針1の
戻り位置が調節され、任意の大きさの編目を得る
ことができる。
以上のように、この手編機を使用すれば、編出
し、ゴム編、平編、或いは減し目および増し目を
伴なう成形を連続して行うことができる。
又、この手編機のキヤリジにおいては、主針作
動レバー103および副針作動レバー121を異
なる2位置間において移動可能とし、編目の選択
は、それらの移動に基づく異なるカムへの係合切
替えによつて行うようにしたので、例えば前記実
施例のように主、副針作動レバー103,121
を第1、第2カム輪54,111間の隙間に配置
して、その隙間内で移動されるように構成すれ
ば、大形でしかも回転作動される駆動カムを2位
置間で移動可能に装置するようなことは不要にな
る。従つて、この手編機のキヤリジは、前述した
従来の手編機のキヤリジとは異なり、キヤリジの
上下長さが大きくなつたり、機構が複雑になつた
り、あるいは高い組付精度が要求されたりするこ
とはない。
さらに、この手編機のキヤリジにおいては、主
針作動レバー103および副針作動レバー121
の切替え移動を1個の切替え部材171により行
い得るように構成したので、編目の切替えのため
の機構をも簡素化し得る。
発明の効果 以上実施例にて例示したように、この発明は、
キヤリジに、1本の編針に作用してこれを前後方
向に作動するための針作動体と、異なる編成に対
応してそれぞれ針作動体に異なる駆動動作を与え
るための複数の駆動カムを有する駆動カム体とを
設け、前記針作動体のカム接触部を、前記各駆動
カムに各別に作用する複数の位置若しくはその駆
動カムに作用しない不作用位置に移動配置可能に
装置したことにより、例えば平編又はゴム編への
切替えを容易に行い得てそれらの平編、ゴム編等
を自在に行うことができ、しかも、キヤリジの構
成を簡素化し得るとともに、全体を小形化し得る
優れた効果を発揮する。
又、この発明は、針床上の主編針を作動させる
ための主針作動体およびキヤリジ上の副編針を作
動させるための副針作動体と駆動カムとの間に、
異なる二位置間にて移動し、その一方の移動位置
で主針作動体のカム接触部を第1主針駆動カムに
接触させるとともに、副針作動体のカム接触部を
作用位置に配置させ、かつ他方の移動位置で主針
作動体のカム接触部を第2主針作動カムに接触さ
せるとともに、副針作動体のカム接触部を不作用
位置に配置させる1個の切替え部材を設けたこと
により、編目の編成切替えの機構を簡素化し得る
とともにその切替え操作を一挙動で実施できる効
果も発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図はこの発明の手編機を使用した
編成方法を示すものであつて、第1図1〜11は
平編の編成方法を示す説明図、第2図1〜11は
ゴム編の編成方法を示す説明図、第3図1〜11
は巻き目編の編成方法を示す説明図、第4図1〜
11はとじ編の編成方法を示す説明図である。第
5図〜第36図はこの発明を具体化した手編機を
示すものであつて、第5図は全体を示す斜視図、
第6図はキヤリジの正面図、第7図は副編針の周
辺機構を示す正面図、第8図はキヤリジの側面
図、第9図はキヤリジの外殻機構を示す側面図、
第10図はキヤリジ上の諸機構を示す平面図であ
る。第11図および第12図はそれぞれキヤリジ
の送り機構を示す平面図、第13図および第14
図はそれぞれキヤリジの主針作動機構を示す底面
図、第15図および第16図はそれぞれ第1カム
輪とその関連機構とを示す平面図、第17図およ
び第18図はそれぞれ第2カム輪とその関連機構
とを示す平面図、第19図は主に動力関係を示す
キヤリジの平面図である。第20図および第21
図はそれぞれキヤリジの送り機構を示す断面図、
第22図および第23図はそれぞれ駆動カム体と
その関連機構とを示す断面図、第24図および第
25図はそれぞれ主に切替え部材と主、副針作動
レバーとを示す断面図、第26図および第27図
はそれぞれ主に従動レバーとその切替え機構とを
示す断面図、第28図および第29図はそれぞれ
巻き目編成時において主に従動レバーとその切替
え機構とを示す断面図である。第30図はばね取
付体とばね湾曲作動体とを示す平面図、第31図
は左側切替えカム体を示す平面図、第32図は下
降作動体とラツチ制御板との関係を示す断面図、
第33図は第1カム輪のフランジ部と下降作動レ
バーとの関係を示す側面図、第34図はモータお
よび動力伝達機構を示す側面図、第35図はスパ
ーギヤ186,187間の動力伝達機構を示す断
面図、第36図はモータ駆動回路を示す回路図で
ある。第37図はベストの後身頃を示す正面図、
第38図は編出しのための巻き目を示す正面図、
第39図は模様のための巻き目を示す正面図であ
る。 主編針…1、副編針…5、針床…12、キヤリ
ジ…13、駆動カム体…53、第1主針駆動カム
…99、第2主針駆動カム…100、主針作動レ
バー…103、接触ピン…103a、第1副針駆
動カム…112、第2副針駆動カム…113、副
針作動レバー…121、接触ピン…121a、切
替え部材…171。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 針床12上に装架されたキヤリジ13に、編
    成に際して適宜の駆動源から動力を得ることによ
    り起動して1本の編針1に前後方向の運動を与え
    るための駆動カム体53を備えた手編機におい
    て、 前記キヤリジ13に、前記1本の編針1に作用
    してこれを前後方向に作動するための針作動体1
    03等を設け、 前記駆動カム体53には、異なる編成に対応し
    てそれぞれ前記針作動体103等に異なる駆動動
    作を与えるための複数の駆動カム99,100を
    設け、 前記針作動体103等のカム接触部103a
    を、前記各駆動カム99,100に各別に作用す
    る複数の位置若しくはその駆動カム99,100
    に作用しない不作用位置に移動配置可能に装置し
    たことを特徴とする手編機。 2 針床12上に装架されたキヤリジ13に、編
    成に際して適宜の駆動源から動力を得ることによ
    り起動して1本の編針1に前後方向の運動を与え
    るための駆動カム体53を備えた手編機におい
    て、 前記キヤリジ13に、前記針床12の編針1
    (以下主編針と称す)とは表裏逆の編目を編成す
    るための1本の編針5(以下副編針と称す)と、
    1本の前記主編針1を前後方向に作動するための
    主針作動体103等と、前記1本の副編針5を前
    後方向に作動するための副針作動体121等とを
    備え、 前記駆動カム体53に、前記主、副両編針1,
    5による編成に際して前記副針作動体121等を
    駆動するための副針駆動カム112,113と、
    主、副両編針1,5による編成に際して前記主針
    作動体103等を駆動するための第1主針駆動カ
    ム99と、前記主編針1のみによる編成に際して
    前記主針作動体103等を駆動するための第2主
    針駆動カム100とを設け、 前記副針作動体121等のカム接触部121a
    を前記副針駆動カム112,113に対する作
    用、不作用各位置に移動可能に装置するととも
    に、前記主針作動体103等のカム接触部103
    aを前記第1、第2各主針駆動カム99,100
    に各別に作用する2つの位置に移動可能に装置し
    たことを特徴とする手編機。 3 針床12上に装架されたキヤリジ13に、編
    成に際して適宜の駆動源から動力を得ることによ
    り起動して1本の編針1に前後方向の運動を与え
    るための駆動カム体53を備えた手編機におい
    て、 前記キヤリジ13に、前記針床12の編針1
    (以下主編針と称す)とは表裏逆の編目を編成す
    るための1本の編針5(以下副編針と称す)と、
    1本の前記主編針1を前後方向に作動するための
    主針作動体103等と、前記1本の副編針5を前
    後方向に作動するための副針作動体121等とを
    備え、 前記駆動カム体53に、前記主、副両編針1,
    5による編成に際して前記副針作動体121等を
    駆動するための副針駆動カム112,113と、
    主、副両編針1,5による編成に際して前記主針
    作動体103等を駆動するための第1主針駆動カ
    ム99と、前記主編針1のみによる編成に際して
    前記主針作動体103等を駆動するための第2主
    針駆動カム100とを設け、 前記副針作動体121等のカム接触部121a
    を前記副針駆動カム112,113に対する作
    用、不作用各位置に移動可能に装置するととも
    に、前記主針作動体103等のカム接触部103
    aを前記第1、第2各主針駆動カム99,100
    に各別に作用する2つの位置に移動可能に装置
    し、 前記主、副両針作動体103等、121等と駆
    動カム99,100,112,113との間に、
    異なる二位置間にて移動し、その一方の移動位置
    で主針作動体103等のカム接触部103aを前
    記第1主針駆動カム99に接触させるとともに副
    針作動体121等のカム接触部121aを作用位
    置に配置させ、かつ他方の移動位置で主針作動体
    103等のカム接触部103aを第2主針駆動カ
    ム100に接触させるとともに副針作動体121
    等のカム接触部121aを不作用位置に配置させ
    る一個の切替部材171を設けたことを特徴とす
    る手編機。
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