JPS6334379B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車などの車室内におけるインス
トルメントパネルの両サイドに取り付けられるエ
アアウトレツトの改良に関する。

従来、この種のエアアウトレツトにあつては、
上下、左右の各風向調整機構を組み合せることに
よつて構成されたものが多く、このようなエアア
ウトレツトでは風向が２方向に調整されるのみで
その調整範囲に限界があるものになつてしまつて
いる。また、多数のフインによつて風向調整を行
なわせるようにしたものではそのフインによる通
風抵抗が大きくなつてしまい、さらに吹出口の首
振り機能をもたせるようにしたものでは吹出口が
狭められて充分な風量を得ることができなくなつ
てしまうという欠点がある。

本発明はこれらの点を考慮してなされたもの
で、通風抵抗を増大させることのない広範囲な風
向調整および吹出口の開閉を操作性よく行なわせ
ることができるようにしたエアアウトレツトを提
供するものである。

以下、添付図面を参照して本発明の一実施例に
ついて詳述する。

本発明によるエアアウトレツトにあつては、第
１図に示すように、その各構成要素として、エア
吹出口１をもつた円筒状のパネル２と、そのパネ
ル２内に一体に組み合せられて装着されるダンパ
ー３、第１のケース４および第２のケース５とか
らなつている。

ダンパー３は２枚の円板部３１，３２が平行に
なつてその間から風が通り抜けられるように導風
路３３が形成されるように上、下のボス部３４，
３５によつて一体に形成されており、そのボス部
３４，３５にはダンパー３の回転中心となるよう
に軸３６，３７がそれぞれ突出形成されている。
第１のケース４にはその円筒体の一端における円
周上に多数等分された山と谷とからなるギヤ歯４
１が形成されており、またその円筒体部にはその
内部にダンパー３を軸３６，３７によつて回転自
在に装着させるための孔４２，４３が穿設されて
いる。なお、孔４２にはブツシユ６を介してダン
パー３の軸３６をとりつけるようにするととも
に、孔４２にはめ込まれるブツシユ６が第１のケ
ース４に対して回動しないようなブツシユ６およ
び孔４２の形状をとるようにしている。また、ブ
ツシユ６による軸３６の締代によつて、ダンパー
３の回転荷重を適宜発生させるようにしている。
また、孔４３部分にあつては第２図ａに示すよう
に、スリツト４４，４５間のブリツジ部４６に形
成されたＶ形突起４７が孔４３の一部に突出する
ようになつており、その孔４３に挿入されるダン
パー３の軸３７に形成されたＶ形溝３８（第３図
参照）にＶ形突起４７が係合するようになつてい
る。なお、第２図ａの状態からダンパー３を回転
させると、同図ｂに示すようにブリツジ部４６が
たわんで軸３７のＶ形溝３８がＶ形突起４７から
外れた状態になる。しかして、第２図ａの状態を
ダンパー３による第１のケース４の閉塞時に、ま
た同図ｂの状態をダンパー３による第１のケース
４の開放時にそれぞれ設定することにより、ダン
パー３を閉じたときにその位置決めを行なわせる
クリツク機能を発揮させるようにしている。

また、第２のケース５には、その円筒体の一端
の円周上の上、下２箇所に突起５１がそれぞれ形
成されてそれにつき合せられる第１のケース４の
ギヤ歯４１と噛合するようになつているととも
に、その円筒体には第４図ａに示すように各突起
５１にそれぞれ対応してスリツト５２が形成され
ており、第１のケース４を回動させると同図ｂに
示すように突起５１が設けられたブリツジ部５３
がたわんでその突起５１とギヤ歯４１との噛合が
外れるようになつている。しかして、第２のケー
ス５に対して第１のケース４を回動させるときの
クリツク機能をもたせることができ、第１のケー
ス４の回動位置決めをなしてそれががたつくこと
がないようにしている。また、第２のケース５の
円筒体の他端にはその開口部を覆うように網体５
５が一体に形成されており、エアアウトレツト内
へコインなどの異物を入れてもそれがインストル
メントパネルの内部に落ちることがないようにし
ている。なお、ダンパー３が組み込まれた第１の
ケース４と第２のケース５とを組み合せてパネル
２内に装着させる際、パネル２の後方からその内
部に第１のケース４をその一端がエア吹出口１の
段部につき当るまで挿入させたのち、同じくパネ
ル２の後方からその内部に第２のケース５を挿入
して、そのケース５の上、下２箇所に設けられて
いる突起５４をパネル２の上、下２箇所に穿設さ
れた穴２１にそれぞれ係合させることによつて固
定させるようにしている。さらに、このエアアウ
トレツトの後部には、それをインストルメントパ
ネルの取付口に装着させたときに固定させるため
のバネ性をもつた爪７（例えばSK材からなる）
が取り付けられる。なお、その爪７の取付けは、
爪７におけるコの字状に形成された折り返し部分
の先端を網体５５の目を通して第２のケース５の
内側からそのスリツト５２における切欠部にはめ
込み、その折り返し部分によつて第２のケース５
とパネル２とを挾持させて爪７が脱落しないよう
にしている。

第５図は第１図に示したエアアウトレツトの各
構成要素を一体に組み込んだ状態を示すもので、
図ではダンパー３の円板部によつてエア吹出口１
を閉塞したときの状態を示している。なお、第５
図に示すように、ダンパー３の回転を容易にする
ためにダンパー３と第１のケース４との間に僅少
なすきまｇを設けるようにしているが、ダンパー
３によるエア吹出口１の閉塞時にそのすきまｇか
らの風もれを極力抑えるとともにピーピー音の発
生を防止するため、第１のケース４側におけるす
きまｇの入口部分ａを凸状に形成し、すきまｇの
入口部分にきた風の流れを内方に向けさせるよう
にしている。図中矢印は、そのときの風の流れを
示している。また、すきまｇを通してエア吹出口
１に吹き出される僅かな量の風は、エア吹出口１
に設けられた第１のケース４を係止させるための
段部ｂのでつぱりによつて乱され、それによりピ
ーピー音の発生が防止されることになる。

このように構成された本発明によるエアアウト
レツトにあつては、エア吹出口１の閉塞状態から
フイン３の一端を指で押すと、それが回転してそ
の導風路３３がエア吹出口１の方向に向いて開放
状態になる。また、ダンパー３の開放状態からそ
の一端を指で押してダンパー３を前記クリツク位
置まで回転させると、ダンパー３の円板部３１，
３２によつてエア吹出口１が閉塞された状態にな
る。その際、第１図に示すように、ダンパー３の
円板部３１，３２にはダンパー３を指で押してエ
アアウトレツトを開、閉させるときの目印として
それぞれホツトスタンプＭが設けられている。ま
た、開放時にダンパー３の回転量を変えることに
よつて左右などの一方向における風向調整を適宜
行なわせることができるようになる。さらに本発
明によるエアアウトレツトにあつては、ダンパー
３と一体に第１のケース４をクリツク機能をもつ
て回動させることができるようにしているので、
ダンパー３の開放時にそのダンパー３を指でつま
んで自在に360゜回転させることが可能になり、そ
れにより二次元的な風向調整を任意に行なわせる
ことができるようになる。

しかして、本発明によるエアアウトレツトで
は、エア吹出口１の開、閉をワンタツチで行なわ
せることができるとともに、ダンパー３の回転お
よび回動の適宜組み合せによつてエア吹出空間の
全てにわたる風向調整を操作性良く行なわせるこ
とができるという利点を有している。また、少な
くとも２枚の１体となつたダンパー３によつて風
向調整を行なわせているために通風抵抗が少な
く、風向調整時にエア吹出口１が狭められるよう
なことが全くないために充分な風量を常に得るこ
とができるという利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるエアアウトレ
ツトの各構成要素を示す分解斜視図、第２図ａ，
ｂはダンパーのクリツク機構の動作状態をそれぞ
れ示す図、第３図はクリツク機構の一部をなすダ
ンパー軸の斜視図、第４図ａ，ｂは第１および第
２の各ケース間におけるクリツク機構の動作状態
をそれぞれ示す図、第５図は第１図の各構成要素
を一体に組み込むことによつて構成されたエアア
ウトレツトの正断面図である。 １……エア吹出口、２……パネル、３……ダン
パー、４……第１のケース、５……第２のケー
ス、６……ブツシユ、７……爪、３３……導風
路、５……網体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ エア吹出口をもつた円筒状のパネルと、その
   パネル内に円周方向に回動自在に設けられた円筒
   状の第１のケースと、少なくとも２枚の円板間に
   導風路が設けられるように構成され、かつ軸中心
   に回転自在になるように第１のケース内に取り付
   けられたダンパーとからなり、そのダンパーの円
   板部によつてエア吹出口を閉塞させるようにした
   エアアウトレツト。