JP4816615B2 - シム、シムを用いた連結構造体及びシムを用いた室内照明灯 - Google Patents
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Description
このシム100は、例えば図10に示すように、第1連結部材101の回転軸部102と第2連結部材103の軸受部104との間に介在されている。そして、シム100は、回転軸部102に嵌装される軸受孔105と、軸受部104に嵌装される固定突起106とを備えている。ここで、回転軸部102及び軸受孔105は円柱形状であり、第1連結部材101とシム100とは互いに回転可能に設けられている。一方、軸受部104と固定突起106とは例えば四角柱形状であり、第2連結部材103とシム100とは互いに回転不能に固定されている。
これにより、第1連結部材101と第2連結部材103に相対回転させる外力が作用したときは、第1連結部材101が第2連結部材103及びシム100に対して回転しようとし、回転軸部102の外周面と軸受孔105の内周面の摩擦で生じる抵抗力より外力が大きくなった時点で回転を始める。
1.互いに相対回転可能な第1連結部材と第2連結部材との間に介在されると共に、相対回転時に摩擦により負荷を与えるシムであって、円板形状であり且つ外周面を摩擦面とする基盤部と、前記基盤部より大径の円板形状であり、その外周面が摩擦面であり且つ前記基盤部に連続して段状に設けられる大径部と、前記大径部側から軸方向に突出した角柱形状の固定部と、を有することを特徴とするシム。
2.前記固定部の根元周囲には角柱形状の凹部からなる固定凹部が更に設けられる前記1.記載のシム。
3.互いに相対回転可能な第1連結部材及び第2連結部材と、これらの連結部材の間に介在されると共に相対回転時に摩擦により負荷を与えるシムと、を備える連結構造体であって、前記シムは、円板形状で外周面を摩擦面とする基盤部と、前記基盤部より大径の円板形状であり、その外周面が摩擦面であり且つ前記基盤部に連続して段状に設けられる大径部と、前記大径部側から軸方向に突出した角柱形状の固定部と、を有し、前記第1連結部材は、前記基盤部が回転可能に嵌合する基盤部受け部と、前記大径部が回転可能に嵌合する大径部受け部と、を備えた段状のシム受け孔を有し、前記第2連結部材は、前記固定部に回転不能に嵌合する固定部受け部を有することを特徴とする連結構造体。
4.前記シムの前記固定部の根元周囲には角柱形状の凹部からなる固定凹部が更に設けられると共に、前記第2連結部材の固定部受け部の先端が前記固定凹部に回転不能に嵌合することを特徴とする前記3.記載の連結構造体。
5.前記シム受け孔は、その深さが前記基盤部及び前記大径部の厚さの和である貫通孔である前記4.記載の連結構造体。
6.光源を具備する照射部と、前記光源の点灯制御の選択を行うスイッチと、前記照射部及び前記スイッチを支持するハウジングと、を備える室内照明灯であって、前記照射部は、少なくとも1軸の請求項3乃至5の記載の連結構造体を介して前記ハウジングによって支持されていることを特徴とする室内照明灯。
また、摩擦面が段状に形成されているので、第1連結部材が板状でシム受け孔が貫通孔であっても、貫通孔に対応する段差を設けることによってシムが脱落することを防止できる。更に、段状に形成されていることから、組み付け時には誤組付けを防止することができる。
しかも、基盤部及び大径部が円板形状なので、円柱面あるいは球面に取り付ける場合に、従来のような四角形のものに比べて取付けに必要な平面の面積を小さくすることができる。これにより、連結構造体の小型化を図ることができる。また、基盤部及び大径部がシム受け孔に嵌め込まれるので、2つの連結部材の間に余計な隙間を設ける必要がない。
更に、シム受け孔が基盤部及び大径部の厚さの和、つまりシムの厚さ分の貫通孔である場合は、シム受け孔を容易に形成及び/又は加工することができ、連結構造体が容易に作製することができる。また、第1連結部材及び第2連結部材の厚さをシム受け孔と同じ厚さまで薄く形成することができるため、連結構造体をより小型化することが容易とすることができる。
本シムの材質は、通常のシムとして用いられ、操作をしない限り第1連結部材と第2連結部材との位置関係を摩擦により維持することができ、耐摩耗性を備える材質であれば任意に選択することができ、例えばエラストマ、ゴム及び樹脂を例示することができる。また、エラストマとしては、ポリオレフィン系エラストマ及びポリエステル系エラストマ等を例示することができる。更にゴムとしてはSBR、IR、CR、EPDM等を例示することができる。また、樹脂としてはPBT、PETE及びPOM等を例示することができる。
また、基盤部18a及び大径部18bの直径の差は、本シムを配設したときに基盤部18a及び大径部18bから構成される段差から外れて脱落しない程度に必要であり、用途に応じて任意に選択される。
固定部18cは、第2連結部材の固定部受け部と回転不能に嵌合することができる形状が好ましく、任意の角柱形状を選択することができる。この角柱の平面形状は任意に選択することができ、正方形、長方形、六角形等の各角が等角度の角柱の他、十字形、星形等の各角が等角でない角柱等を例示することができる。また、基盤部18aの中心軸と、大径部18b及び固定部18cの中心軸とは、同一軸線上に位置するように配置されているのが好ましいとすることができる。また、同一軸線上に限らず、異なる軸線上に位置するように配してもよい。
本発明のシム及びシムを用いた連結構造体は、1軸又は2軸の範囲で、向きを手操作で変えることができ、操作後はその向きが変わることなく維持することができる任意の用途に対して用いることができる。この例として、図9に例示するレンズ3の向きを本連結構造体によって変えることによって照射方向を変えることができる室内照明灯1を挙げることができる。また、フィンの向きを本連結構造体によって変えることによって風の吹き付け方向を変えることができる空調装置の吹き出し口に設けられるレジスタを挙げることができる。更に、スティックの向きを本連結構造体によって変えることによってカーナビゲーションシステム等のカーソル表示位置を指示したり、ドアミラー及びサイドミラー等のミラーの向きを指示したりすることができる指示スティックを挙げることができる。
前記「照射部」は、少なくとも1軸の回転軸を介してハウジングによって支持されることによって、照射方向を変えることができるものである限り、その大きさ、個数等は特に問わない。また、回転軸の数は、室内照明灯の用途に応じて任意の数を選択することができ、例えば1軸、及び2軸を挙げることができる。
このうち2軸とする場合は、面の範囲で向きを変えることができる。2つの回転軸は通常直交するように配設するが、それに限られず、互いになす角度は特に問わない。また、照射部は光源を備え、照射部の向きの変更により光源の向きも同時に変化する。
各回転軸は、1箇所又は対角線上の2箇所に連結構造体を設けることができる。更に、連結構造体の全て又は1箇所以上に本シムを用いた連結構造体を用いることができる。
また、照射部の露出部分の形状は任意に選択することができるが、通常露出部分の周縁形状が真円形であることが好ましい。美観に優れ、且つ照射部の向きを変えるときに支障が出ないためである。
前記「光源」は電気的に発光するものである限り、その種類、形状、大きさ、個数等は特に問わない。この光源は、例えば、LEDとすることができる。
また、照射部及び/又は光源にレンズを設け、光源から発せされる光束を調節することができる。このレンズは、光源からの光を用途に応じて範囲に拡散することができればよく、その大きさ、材質及び形状等を問わない。
(1)実施形態の構成
本実施例の室内照明灯1は、図3〜図5に示すように、光源2及びレンズ3を有する照射部4と、光源2のオンオフ制御を行うリング式スイッチ5と、照射部4を支持するレンズホルダ7と、レンズホルダ7を支持する支持リング8と、支持リング8及びリング式スイッチ5を支持するハウジング6と、を備えている。これらハウジング6とリング式スイッチ5とレンズホルダ7と照射部4は同心円状に形成されている。
ハウジング6は円形で合成樹脂からなり、室内側に露出するアウターベゼル9と、その裏側に蓋のように取り付けられるアウタープレート10とを備えている。これらアウターベゼル9とアウタープレート10との中に他の部品が収容される。
照射部4は、光源2であるLEDを具備するLEDユニット11と、光源2からの光線の拡散を防止するLEDホルダー12と、レンズ3と、これらを一体化するLEDホールドプレート13と、を備えている。この照射部4はレンズホルダ7に固定されている。
第1シム18はエラストマ製であり、図1に示すように、円板形状で外周面を摩擦面とする基盤部18aと、基盤部18aより大径の円板形状で外周面を摩擦面とすると共に基盤部に連続して中心軸が一致し且つ段状に設けられる大径部18bと、大径部18b側から軸方向に突出した角柱形状の固定部18cと、該固定部18cの根元周囲に形成された角柱形状の凹部からなる固定凹部18dと、を備えている。尚、第2シム19も同様の構造であるため、同じ符号a〜dを付した19a〜19dとして説明を省略する。
支持リング8の第1シム受け孔15は、第1シム18の基盤部18aが摩擦を生じながら回転可能に嵌合する基盤部受け部15aと、大径部18bが摩擦を生じながら回転可能に嵌合する大径部受け部15bとが設けられており、内周面が段状になっている。このように内周面が段状になっているので、第1シム18の脱落を防止することができる。尚、第2シム受け孔17も同様の構造であるので、同じ符号a〜bを付した17a〜bとして説明を省略する。
レンズホルダ7の内面側には、支持リング8の第1回転軸端14を受ける第1軸受20と、第1シム18の固定部18c及び固定凹部18dに回転不能に嵌合する第1固定部受け部21が形成され、第1連結構造体の第2連結部材を構成する。即ち、第1固定部受け部21は、内周面が固定部18cに嵌合すると共に外周面が固定凹部18dに嵌合して固定される。
そして、レンズホルダ7と支持リング8とは、第1回転軸端14が第1軸受20に回転可能に支持されると共に、レンズホルダ7に固定された第1シム18が第1シム受け孔15に回転可能に支持されることにより第1連結構造体を構成し、第1回転軸22として回転可能かつシム18の作用で任意の角度で保持可能に組み付けられている(図3参照)。
また、アウタープレート10には、第2回転軸端23と、第2シム19の固定部19c及び固定凹部19dに回転不能に嵌合する第2固定部受け部24が形成され、第2連結構造体の第2連結部材である。即ち、第2固定部受け部24は、内周面が固定部19cに嵌合すると共に外周面が固定凹部19dに嵌合して固定される。
また、アウタープレート10には、支持柱10aが形成されている。更に、支持柱10aと支持リング8とは、第2回転軸端23が第2軸受16に回転可能に支持されると共に、アウタープレート10に固定された第2シム19が第2シム受け孔17に回転可能に支持されることにより第2連結構造体を構成し、第2回転軸25として回転可能かつシム19の作用で任意の角度で保持可能に組み付けられている(図4参照)。
ここで、レンズホルダ7と支持リング8とを連結する第1回転軸22と、支持リング8とアウタープレート10とを連結する第2回転軸25とのなす角度は90度としている(図6参照)。また、各回転軸での最大回転角度は56度としている(図7参照)。
スイッチプレート27は、アウタープレート10に装着された基板33の接点パターンに接触する。ピン29はアウタープレート10に形成された3つの凹部34に移動可能に入り込んでいる。そして、スイッチノブ26を回転することにより、ピンスプリング30によって凹部34に付勢されたピン29が一方の凹部34から他方の凹部34に移動することでスイッチの状態が変化した感触を得ることができる。これと同時にスイッチプレート27が基板33に対して移動し、接点パターンの接続状態が変化する。本実施例では、照明の常時点灯、常時消灯及びドアの開閉に連動する点灯の3つの状態を選択可能なものとしている。
アウターベゼル9は、室内側に露出するフランジ39と、天井35の裏側に引っ掛かる爪36及び係合バネ37とを備えている。係合バネ37は爪36と反対側に配置されており、室内照明灯1の天井35への装着時には弾性変形して装着可能となり、装着後には天井35の裏面に引っ掛かって脱落を防止する構造となっている。アウタープレート10には基板33が取り付けられている。基板33とLEDユニット11とはワイヤハーネス38で接続されている。
次に、前記構成の室内照明灯1の組立て手順について説明する。
先ず、レンズ3にLEDホルダー12を装着し、そこにLEDユニット11を載せてLEDホールドプレート13で挟んで照射部4を組み立てる。LEDユニット11にワイヤハーネス38を接続する。この照射部4をレンズホルダ7に装着する。レンズホルダ7の第1固定部受け部21に第1シム18を嵌め込んで固定する。
そして、支持リング8の第1シム受け孔15を第1シム18に嵌合し、続いて第1回転軸端14を第1軸受20に嵌合することで、支持リング8をレンズホルダ7の内側に装着する。
更に、アウタープレート10の第2固定部受け部24に第2シム19を嵌め込んで固定する。そして、アウタープレート10の第2シム19を支持リング8の第2シム受け孔17に嵌合し、続いて第2回転軸端23を第2軸受16に嵌合することで、アウタープレート10を支持リング8に装着する。
一方、アウターベゼル9の内側にスイッチノブ26を装着する。この時、スイッチノブ26のフランジ31がアウターベゼル9の案内孔32に入るようにする。そして、スイッチプレート27とスイッチスプリング28を装着し、またピン29とピンスプリング30も装着する。
続いて、照射部4、レンズホルダ7及び支持リング8を組み付けたアウタープレート10をアウターベゼル9に取り付ける。更に、アウタープレート10の外側に基板33をネジ留めし、ワイヤハーネス38を接続する。
室内照明灯1を天井35に取り付ける際は、図8に示すように、アウターベゼル9の爪36を天井35の装着穴の縁に斜めに引っ掛け、それから反対側を持ち上げて係合バネ37を弾性変形させて天井35の裏に押し込むようにする。これにより、爪36と係合バネ37が天井35の裏に引っ掛かって脱落が防止される。
使用者がスイッチノブ26を把持して回転させると、スイッチプレート27が移動して光源2のオンオフが切り替わる。また、使用者がレンズホルダ7を把持して光軸を変えるように外力を加えると、図9に示すように、レンズホルダ7がアウタープレート10に対して支持リング8の2つの回転軸22,25を介して適宜回転する。これにより、可動範囲内で任意の位置を照射することができるようになる。ここで、第1回転軸22においては、第1シム18が支持リング8の第1シム受け孔15との間で摩擦を生じながら回転するので、回転後に任意の角度に設定したまま保持することができる。同様に、第2回転軸25においては、第2シム19が支持リング8の第2シム受け孔17との間で摩擦を生じながら回転するので、回転後に任意の角度に設定したまま保持することができる。
本実施形態のシム18,19及びこれらを用いた連結構造体によると、固定凹部18d、19dが設けられているので、各固定部受け部21,24に対してより強固に回転止めを図ることができる。
また、本実施例の室内照明灯1によれば、レンズホルダ7の内側に2つの回転軸22,25を設けているので、照射部4の可動範囲を大きくし、且つ強固に回転止めを図ることができる。
更に、各シム18,19は、最外周が大径部18b、19bであり、且つ厚みが基板部18a、19aと大径部18b、19bとの分のみで済み、且つ基板部18a、19a及び大径部18b、19bからなる段差によって脱落しないように配設することができるため、支持リング8を薄くすることができ、室内照明灯を小さく作成することができる。
また、前記実施形態では、各シム18,19はエラストマ製としたが、これに限定されず、例えば、PBT、PETE及びPOM等、耐摩耗性のある樹脂を適宜選択するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、シム18,19を用いた連結構造体を自動車の室内照明灯1に適用したが、これに限定されず、例えば、空調装置のレジスタ等、回転部材を任意の角度で保持する構造の全般に適用することができる。
Claims (6)
- 互いに相対回転可能な第1連結部材と第2連結部材との間に介在されると共に、相対回転時に摩擦により負荷を与えるシムであって、
円板形状であり且つ外周面を摩擦面とする基盤部と、
前記基盤部より大径の円板形状であり、その外周面が摩擦面であり且つ前記基盤部に連続して段状に設けられる大径部と、
前記大径部側から軸方向に突出した角柱形状の固定部と、を有することを特徴とするシム。 - 前記固定部の根元周囲には角柱形状の凹部からなる固定凹部が更に設けられる請求項1記載のシム。
- 互いに相対回転可能な第1連結部材及び第2連結部材と、これらの連結部材の間に介在されると共に相対回転時に摩擦により負荷を与えるシムと、を備える連結構造体であって、
前記シムは、円板形状で外周面を摩擦面とする基盤部と、
前記基盤部より大径の円板形状であり、その外周面が摩擦面であり且つ前記基盤部に連続して段状に設けられる大径部と、
前記大径部側から軸方向に突出した角柱形状の固定部と、を有し、
前記第1連結部材は、前記基盤部が回転可能に嵌合する基盤部受け部と、前記大径部が回転可能に嵌合する大径部受け部と、を備えた段状のシム受け孔を有し、
前記第2連結部材は、前記固定部に回転不能に嵌合する固定部受け部を有することを特徴とする連結構造体。 - 前記シムの前記固定部の根元周囲には角柱形状の凹部からなる固定凹部が更に設けられると共に、前記第2連結部材の固定部受け部の先端が前記固定凹部に回転不能に嵌合することを特徴とする請求項3記載の連結構造体。
- 前記シム受け孔は、その深さが前記基盤部及び前記大径部の厚さの和である貫通孔である請求項4記載の連結構造体。
- 光源を具備する照射部と、前記光源の点灯制御の選択を行うスイッチと、前記照射部及び前記スイッチを支持するハウジングと、を備える室内照明灯であって、
前記照射部は、少なくとも1軸の請求項3乃至5の記載の連結構造体を介して前記ハウジングによって支持されていることを特徴とする室内照明灯。
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