JPS6329386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンバイン用結束機の排桿株元揃え装
置に関するものである。

従来、コンバインの機体後方に装着した結束機
の株元側に第６図に示す如く株元揃え板イを設
け、該株元揃え板イを排桿案内板ロ上を摺動しな
がら集桿室ハに送給される排桿ニの桿身方向に進
退せしめて排桿の株元ニ′を突揃えるようにした
排桿株元揃え装置が提案されているが、上記排桿
案内板ロは単に排桿ニを受止めるだけで穂先受部
分から株元受部分にわたつて略全面が平坦に形成
されているため第６図，に示す如く、排桿ニ
の比較的重い株元側ニ′がややもすればたれ下つ
たままで集桿室ハに送給される傾向があり、この
ような状態で排桿ニの株元を揃えるべく株元揃え
板イを桿身方向に進退させるとその押圧作用で株
元部が単に下方に折曲るのみで、排桿ニが桿身方
向へ移動しなくなるため株元の突揃え作用が的確
に行なわれなくなるばかりでなく株元部分の摺擦
抵抗が大きくなつて排桿の送給姿勢を乱す原因と
なる等の不都合がある。

本考案は上記の如き不都合を解消するためなさ
れたものであつて、コンバインの機体後方に装着
した結束機の株元側に進退駆動機構を介して排桿
の桿身方向に往復移動自在に構成された株元揃え
板を設け、該株元揃え板を排桿案内板上を摺動し
ながら集桿室に送給される排桿の桿身方向に進退
せしめて排桿の株元を突揃えるように構成し、上
記排桿案内板の株元側を排桿の送給方向に沿つて
案内板の上面よりも高くすると共に、株元揃え板
の進出量が排桿送給方向下手側から上手側に行く
に従つて順次大となるように構成したことによ
り、株元のたれ下り及び折曲り現象を解消し株元
揃え板による排桿の株元突揃え作用を常に的確に
行なうことができるコンバイン用結束機の排桿株
元揃え装置を提供しようとするものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、第１図はコンバインＡの後方に装
備された結束機Ｂの全体平面図、第２図は同上側
面図であつて、脱穀機１の排桿出口（図示せず）
から排出された脱穀処理後の排桿は排藁チエン２
により機体の後方へ搬送されるようになつてお
り、排藁チエン２から排出された排桿は傾斜流板
２′上に落下すると共に掻込輪３で排桿掻込搬送
通路ａを第２図矢印方向に順次掻込搬送され、更
にパツカー４の掻込作用を受けて排桿案内板５上
を摺動しながら集桿室６のドア７面に向け押圧送
給されるようになつている。そして集桿室６内の
排桿集収量が増大してドア７面への圧力が所定圧
以上となると上記排桿案内板５の上方に対設した
結節部８のクラツチが入り、ニードル９が作動し
て結束され、結束後の排桿は放出杆１０により放
出されるようになつている。このようにして間欠
的に放出される結束排桿はチエン等からなる移送
装置１１により機体の一側へ強制的に移送されそ
の終端部から既刈取圃場面へ排出されるように構
成されている。１２は結束機Ｂの取付フレームで
ある。

１３は排桿案内板５の株元側端部外側方に配設
された株元揃え板であつて、この株元揃え板１３
は第１図に示す如く集桿室６への排桿送給方向上
手側が外側方へ向け平面橇状に湾曲形成され、下
手側がステー１４に回転自在に支承された支点軸
１４ａに対しリンク１５を介して固定されてい
て、支点軸１４ａを揺動支点として第１図矢印Ｐ
方向に往復揺動し得るように構成されている。１
６は適宜手段により機体の駆動側に連動連結され
た株元揃え板１３の駆動軸であつて、該駆動軸１
６の回転によりクランク装置を介してロツド１７
が矢印Ｑ方向に往復動するようになつている。１
８はリンクで該リンク１８の一端は上記ロツド１
７の先端に枢結され、他端は前記支点軸１４ａを
介してリンク１５に固着されていて、ロツド１７
の往復動によりリンク１８、支点軸１４ａ、リン
ク１５及び株元揃え板１３が一体的に回動するよ
うになつており、これらにより株元揃え板１３の
進退駆動機構Ｍが構成されている。

ところで排桿案内板５の株元側は排桿の送給方
向に沿つて案内板５の上面より若干高く形成され
ており、これにより案内板５上の排桿は第４図に
示す如く株元部が浮上つた状態で集桿室６側へ送
給されるようになつている。図示例では案内板５
の株元側端部にアングル状の株元受補助板５′を
固着した構成が示されており、また集桿室６に対
する排桿送給方向下手側においては株元受補助板
５′の高さが順次低くなり、集桿室６部分で案内
板５と略同高となるように構成されている（第３
図〜第５図参照）。

次に本考案の作用について説明する。脱穀機１
で脱穀処理後の排桿ニが結束機Ｂで結束されて圃
場に放出される一連の作業工程中、機体の駆動側
に連動連結された駆動軸１６が常時回転すること
により前記の如くして株元揃え板１３が支点軸１
４ａを中心として第１図矢印Ｐ方向に揺動運動す
るため、排藁チエン２を離れた排桿ニが傾斜流板
２′を経由して排桿案内板５上に掻込搬送された
時点で排桿ニの株元端部が上記揺動運動中の株元
揃え板１３により突揃えられる。この際、排桿案
内板の株元側端部には株元受補助板５′が固着さ
れ、該部が排桿ニの送給方向に沿う突条となつて
いるため排桿ニの比較的重い株元部は第４図に示
す如く株元受補助板５′により持上げられて排桿
案内板５の上面から浮上つた状態となつているの
で、排桿ニの株元部の案内板５の下方へのたれ下
り量が少なくなり、排桿ニの株元部が株元揃え板
１３に対し略直交状態に変姿されることになると
共に排桿ニの案内板５に対する摺擦抵抗が少なく
なるので株元揃え板１３の押え作用が排桿ニの桿
身方向に充分作用して従来のものの如く株元部が
案内板５の端部で単に折曲ることなく株元揃え作
用が極めて良好に行なわれる。しかも排桿ニの送
給時の案内板５に対する摺擦抵抗も大幅に減少す
る。また、株元揃え板１３は排桿送給方向下手側
を揺動支点として排桿ニの桿身方向に揺動し、そ
の揺動運動量は下手側が小さく上手側に行くに従
つて増大し、しかも株元受補助板５′の高さは上
手側が高く下手側が順次低くなつているので排桿
ニの摺擦抵抗は上手側が少なく下手側に行くに従
つて多くなるため排桿案内板５上に送込まれた排
桿ニに対する株元揃え作用は極めて効率的に行な
われ、排桿ニが集桿室６に到達した時点では上記
の如く桿身の略全長が案内板５上に受止められて
抵抗が大となつており、しかも株元揃え板１３の
揺動運動量も少なくなつているので結束作用を行
なう時点では排桿ニの横移動はなくなると共に、
株元が均一に突揃えられて安定した状態となる。
そのため結束時のトラブルが解消され結束作用及
びその後の放出作用等は常に円滑に行なわれる。

上記したように本考案は、コンバインの機体後
方に装着した結束機の株元側に進退駆動機構を介
して排桿の桿身方向に往復移動自在に構成された
株元揃え板を設け、該株元揃え板を排桿案内板上
を摺動しながら集桿室に送給される排桿の桿身方
向に進退せしめて排桿の株元を突揃えるように構
成し、上記排桿案内板の株元側を排桿の送給方向
に沿つて案内板の上面よりも高くすると共に、株
元揃え板の進出量が排桿送給方向下手側から上手
側に行くに従つて順次大となるように構成したか
ら、構造簡単なものでありながら、集桿室へ排桿
を送給する際排桿の摺動抵抗を少なくし得ると共
に板面からの株元部のたれ下り量を少なくして株
元揃え作用を行なわせしめることができ株元揃え
板の根揃え作用が桿身方向に充分に行きわたり、
根元部のみを単に折曲げたりする不都合を確実に
解消することができると共に、排桿の送給方向へ
の摺擦抵抗も少なくし得て株元揃え板による排桿
の株元揃え作用及び集桿室側への送給作用を常に
良好且つ的確に行なうことができ、しかも、株元
揃え板の進退作動による排桿の桿身方向の移動量
を集桿室への送給方向終端側に行くほど少なくす
ることができ、もつて、排桿を結束トラブル等を
きたすことなく整然とした姿勢のまま結束し得て
排桿の後処理の容易化を図ることができるうえ、
排桿再利用時の商品価値を高めることができる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を装備したコンバイン用結束機
の全体平面図、第２図は同上側面図、第３図は要
部の側面図、第４図及び第５図は要部の作用説明
図、第６図，は従来例の作用説明図である。 図中５は排桿案内板、６は集桿室、１３は株元
揃え板、Ａはコンバイン、Ｂは結束機、ニは排
桿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンバインの機体後方に装着した結束機の株元
   側に進退駆動機構を介して排桿の桿身方向に往復
   移動自在に構成された株元揃え板を設け、該株元
   揃え板を排桿案内板上を摺動しながら集桿室に送
   給される排桿の桿身方向に進退せしめて排桿の株
   元を突揃えるように構成し、上記排桿案内板の株
   元側を排桿の送給方向に沿つて案内板の上面より
   も高くすると共に、株元揃え板の進出量が排桿送
   給方向下手側から上手側に行くに従つて順次大と
   なるように構成したことを特徴とするコンバイン
   用結束機の排桿株元揃え装置。