JPS6435Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一般にコンバインノツターにおける藁束搬送装
置は、結束装置から放出された藁束をその稈身方
向が搬送方向と略直交する姿勢となして供給し、
搬送することが望ましい。

ところが結束装置の放出アームにより藁束を藁
束搬送装置の始端に向けて放出した時、放出アー
ムの藁束への係合位置が株元側へ寄り過ぎると嵩
が大きな株元部が先行した状態で藁束搬送装置に
供給されるので詰りを生じ、無理に挟み込まれて
も著しく過大な搬送抵抗が発生し、また、パツカ
ーが穂先側に係合すると株元側に移送遅れを生
じ、いずれにしても藁束が斜め姿勢で藁束搬送装
置に供給されると受け継ミスが発生する。

本考案は排藁の長短又は結束位置の如何に拘ら
ず藁束を藁束搬送体に的確に受け継いで搬送する
ことのできるコンバインノツターにおける藁束搬
送装置を提供せんとするものであつて、脱穀装置
の排藁放出部に結束装置を装着し、該結束装置の
放出側に藁束を挟持して既刈地側へ搬送する藁束
搬送体を付設し、穂側にガイド体を設け、前記藁
束搬送体の株元搬送経路の始端側に、放出藁束の
受継移動に対する抵抗力を可変調節可能に構成し
た抵抗体を設けたことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
はコンバインの機台上に搭載した脱穀装置であつ
て、その後部には排藁搬送装置２が後送された排
藁を結束する結束装置３が支持台３ａにより横移
動調節可能に装着してあり、前記結束装置３は従
来のものと同様下部にパツカー４、ニードル５を
有し、上部には結節部６とスイーパー７とを備
え、集稈部８の後部にはドア９が設けてある。

１０は後部を中心として左右に偏角調節される
支持杆１１の前部に、回動自在な軸１２を介して
支承した根揃板であつて、上記軸１２から集稈部
側へ向けて突設したアーム１３の先端は後部を中
心として左右偏角自在でかつクランクアームによ
り前後動すると共に前記支持杆１１と平行なロツ
ド１４の先端に連結されているので根揃板１０は
前記軸１２を中心として左右に揺動して集束され
る排藁の根揃えを行う。また、排藁の稈長に応じ
て支持杆１１を左右に旋回調節すると根揃板１０
も左右動する。

１５は結束装置３の後部に終端が既刈地側に向
うように斜設したチエン保持枠であつて、その外
周には強制駆動される搬送チエン１６が張設して
あり、その上面に対設されている挟持レール１７
を吊設した支持枠１８はアーム１９により結節部
の駆動軸が内装された筒体２０に支持されてい
る。

２１はスターホイル２２，２２の下方から集稈
部８にわたつて緩傾斜で下降する前部案内板であ
り、その後端には上り傾斜となつた後部案内板２
３が逆へ字状になるよう連設してある。

そして、前記搬送チエン１６の搬送面の後部、
即ち株元移動経路に沿う部位の後端側には株元案
内板２４が保持枠１５に固定することにより並設
してあり、前端側に沿わせた板状の抵抗体２５の
終端は前記株元案内板２４の前端近傍に上下傾動
可能に枢着し、前端は前部案内板２１の後端に臨
み下方へ向けて折曲してある。

また、結束装置３の枠体３ｂの後面に突設した
受板２６は前記枢着部を中心とする円弧状の長孔
２６ａを有し、前記抵抗板２５の折曲部２５ａと
受板２６は上記長孔２６ａに挿通した蝶ねじ２６
ｂにより締付固定してあるので抵抗板２５は第３
図に示すように上下回動調節することができる。

なお、図面中２７は結節ガイド２８に突設した
弾性杆からなるガイド杆、２９は株受板、３０は
スターホイル２２，２２の伝動カバー３１から後
下方に向けて突設した強いスプリング杆からなる
ガイド体である。

次に作用について説明すると、排藁搬送装置２
から排出された排藁は急傾斜案内板３２を滑落し
てからスターホイル２２により掻き込まれ、次い
でパツカー４がドア９の前面の集稈部に掻き込
み、根揃板１０は、株元端部を叩きながら揃え、
所定量集束されたことをドア９が感知して一回転
クラツチが入ると結節部６が作動し、これをスイ
ーパー７が放出する。

その際、藁束の穂側はガイド体３０により受け
止められ、結束紐の近傍はガイド杆２７を撓ませ
ながら後方へ放出され、第２図及び第３図に示す
如く搬送チエンと上方へ立ち上がつた挟持レール
１７の始端へ押し込まれて挟持搬送され、株元部
は抵抗板２５と株元案内板２４とにより支持案内
されて既刈地上に放出される。

そして、ガイド体３０の穂先側の抑止力とスイ
ーパー７の投擲力と、排藁の長さとのバランスが
適切であれば、前記抵抗板２５を前部案内板より
稍々低くし、長稈のようにスイーパー７による一
定の投擲力では株元側が遅れるような場合は第３
図に実線で示す如く抵抗板２５の始端を前部案内
板２１と略同じ高さとして抵抗を小さくし、短稈
のように株元側がスイーパー７により強く押し出
されて先行するような場合は抵抗板２５を鎖線で
示すように下げて抵抗を大きくすると藁束は第２
図に示す如く搬送方向と略直交する姿勢となつて
受け継がれる。

本考案は前述のように脱穀装置の排藁放出部に
結束装置を装着し、該結束装置の放出側に藁束を
挟持して既刈地側へ搬送する藁束搬送体を付設
し、穂側にガイド体を設け、前記藁束搬送体の株
元搬送経路の始端側に、放出藁束の受継移動に対
する抵抗力を可変調節可能に構成した抵抗体を設
けたので、抵抗体を調節して長稈に対しては抵抗
を小さくし、短稈に対しては抵抗を大きくするこ
とにより、稈長の大小に拘らず結束装置から放出
される藁束は藁束搬送体に対して略直交する姿勢
で供給されることとなり、詰りや斜交姿勢となる
ことなく的確に受継することができる。

また、斜交姿勢で受け継がれるもののように藁
がばらけて藁束搬送体の終端に巻き付くこともな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は側面図、第２図は平面図、第３図は作用
図である。 １……脱穀装置、３……結束装置、７……スイ
ーパー、８……集稈部、９……ドア、１６……搬
送チエン、１７……挟持レール、２５……抵抗
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀装置の排藁放出部に結束装置を装着し、該
   結束装置の放出側に藁束を挟持して既刈地側へ搬
   送する藁束搬送体を付設し、穂側にガイド体を設
   け、前記藁束搬送体の株元移動経路の始端側に、
   放出藁束の受継移動に対する抵抗力を可変調節可
   能に構成した抵抗体を設けたことを特徴とするコ
   ンバインノツターの藁束搬送装置。