JPS6119632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、コンバインの脱穀装置から排出される排
藁をその利用目的又は穀稈の長短等により、結束
機の装着位置を稈身方向に移動調節して排藁の株
元側又は穂先側を結束してたが、放出アームが放
擲して放出した藁束を機体側方の既刈地へ挟持搬
送して放出する藁束搬送体は、その伝動機構が簡
単になることから結束機に一体に装着されていた
ので、例えば結束機を株元側にセツトした場合は
かさの大きい部分が藁束搬送体に挾み込まれるの
で詰りを生ずると共に藁が損傷し、また、結束機
を穂側に移動してセツトした場合はかさが小とな
るので搬送中に藁束が抜け落る欠点があつた。

また、結束機を一定の位置にセツトした場合で
も長稈と短稈では藁束搬送体に挾み込まれる部位
のかさが異なるため結束機のセツト位置を変更し
た場合に似た現象が発生する。

本考案は藁束の結束位置を変更すべく結束機を
移動調節しても、藁の稈長が異なつても藁束搬送
体に藁束が詰つたり、藁が損傷したり、搬送中に
藁束が抜け落たりすることがなく、かつ挾み込み
位置を変更すべく挟持杆を移動調節した場合、藁
束搬送体の始端を昇降調節して適正な挾み込み高
さにすることができ、このような調節を行なつて
も藁束搬送体の駆動を簡単な伝動機構により的確
に駆動することができると共に搬送終端の高さを
一定に保持して藁束を圃場に起立せしめるための
放出高さを確保することができるコンバインにお
ける藁束放出装置を提供せんとするものであつ
て、脱穀装置の後部に、排藁を横方向に倒した姿
勢で集束して結束する結束機を装着し、藁束を放
出アームにより後方へ放出するようにしたコンバ
インにおいて、前記結束機の後部に、搬送帯と少
なくとも始端側が搬送方向に進退する挟持杆とか
らなりかつ前記放出された藁束を始端の挾み込部
で受継いで側方の既刈地へ挟持搬送する藁束搬送
体を終端部を始端部より高位に設け、該藁束搬送
体の終端部を入力部として機体に支承すると共に
該藁束搬送体をその終端側を中心として上下回動
調節可能に支持して始端が昇降するように構成し
たことを特徴とするものである。

以下、本考案の一実施例を図面について説明す
ると、１はコンバインの機台上に搭載した自脱型
の脱穀装置であつて、その排稈口の後部には排藁
搬送体２を設けてある。

３は前記脱穀装置１の後部に装着した結束機で
あつて、前方へ向けて突設した腕部材４をガイド
杆５に係合させ、下部に設けた転輪６をガイドレ
ール７に乗架させることにより横移動可能となつ
ており、結束機３と一体な挾み込み板８をねじ９
で締め付けることにより任意の位置セツトするこ
とができ、この結束機３は従来のものと同様下部
にニードル１０、パツカー１１及びドア１２を備
え、その上方に集稈空間を隔てて結節部１３と放
出アーム１４が設けてあり、入力軸１５にスプラ
イン嵌合している伝動ケースの入力プーリーは脱
穀装置１の軸により駆動される。

そして、集束される排藁を保持する案内板１７
の後部には既刈地側に向けて昇り傾斜となつてい
て搬送チエン１８ａとその上面に対設した挟持杆
１８ｂとからなる藁束搬送体１８を設けてあり、
搬送チエン１８ａの保持枠１９の始端は前記案内
板１７の後部の垂下部に、後述する伝動軸２８を
中心とする円弧状長孔２１ａを有する取付金２１
により装着し、後部はニードル軸と共に回転する
中間軸２２ａと結節軸２２ｂとを連動連結する伝
動ケース２３に取付けられたステー２４の後端に
上下動可能に支持されている。

また、挟持杆１８ｂは支持杆２５に弾持された
固定杆１８b′と、その始端部側に進退調節可能に
ボルト２６で締着した可動杆１８b″とからな
り、該可動杆１８b″の前方上方に向けて弯曲し
た始端部と搬送チエン１８ａとの間は挾み込部Ａ
に形成されている。

図面中、２８は前記入力軸１５により搬送チエ
ン１８ａの終端のスプロケツト２９をギヤケース
３０及び可撓軸３１を介して駆動する伝動軸、３
２は前記支持杆２５を保持枠１９に取付けるＵ字
杆である。

前述の装置において、排藁搬送体２の後部から
排出される排藁はパツカー１１により案内板１７
上に集束されると共にドア１２によつて受け止め
られ、ニードル１０及び結節部１３が作動して結
束される。

この結束された藁束は放出アーム１４によつて
後方へ放出されると、その結束部の穂部寄りが藁
束搬送体１８の始端の挾み込部Ａに押し込まれて
挟持され、株元部は旋回して藁束搬送体１８の後
方へ移行し、搬送終端で放出されると、立姿勢で
落下して着地し、起立姿勢となる。

そして、排藁の結束位置を変更すべく、結束機
３を移動調節する場合、例えば結束機３を穂側へ
移動してセツトする場合は挟持杆１８ｂの可動杆
１８b″を株元側に上記移動量と同じだけ引出し
てボルト２６により固定杆１８b′に締着し、保持
枠１９を第２図に鎖線で示すように上昇傾動さ
せ、また、結束機３を株元側へ移動調節した場合
は前記可動杆１８b″を押し込込んで締着すると
共に、保持枠１９を第２図に実線で示すように下
降傾動させて締着すると、結束機３を横移動調節
しても藁束搬送体１８の挾み込部Ａは、集束排藁
の略一定位置に臨むと共に適正高さになる。

また、結束機３のセツト位置が一定であつても
短稈の場合は前記可動杆１８b″を株元側へ引出
してセツトし、長稈の場合は穂側へ押込んでセツ
トし、それに応じて挾み込高さが適正になるよう
に藁束搬送体１８を終端部側中心に上下傾動調節
してセツトする。

このような藁束搬送体１８の傾動調節を行なつ
た時、入力部を中心として藁束搬送体１８が傾動
するので、簡単な伝動機構で確実な伝動を行なう
ことができると共に搬送終端の高さが変動せず、
所定の藁束落下高さを確保することができる。

本考案は前述のよに脱穀装置の後文に、排藁を
横方向に倒した姿勢で集束して結束する結束機を
装着し、藁束を放出アームにより後方へ放出する
ようにしたコンバインにおいて、前記結束機の後
部に、搬送帯と少なくとも始端側が搬送方向に進
退する挟持杆とからなりかつ前記放出された藁束
を始端の挾み込部で受継いで側方の既刈地へ挟持
搬送する藁束搬送体を終端部を始端部より高位に
設け、該藁束搬送体の終端部を入力部として機体
に支承すると共に該藁束搬送体をその終端側を中
心として上下回台調節可能に支持して始端が昇降
するように構成したので、結束位置を変更して
も、また藁稈の長短に拘らず、常に藁束の適正な
箇所を藁束搬送体の始端に挾み込むことが可能と
なり、藁束搬送体がかさの大きい部分を挾み込ん
で詰りを生じたり、藁が損傷したり、かさの小さ
い部分を挾み込んで藁束が抜け落たりすることが
ない。

また、挾み込み位置を調節すべく挟持杆の可動
部を抜き差し調節した時、藁束搬送体は始端部よ
り終端部が高くなるように傾斜しているにも拘ら
ず、藁束搬送体を終端の入力部中心に傾動調節す
ることで、適正な挾み込み高さを容易に得ること
ができ、その際、藁束搬送装置がその入力部を中
心として傾動するため、伝動機構が簡単で軽量な
ものでも的確に駆動することができ、しかも搬送
終端における束放出高さを充分確保して藁束を圃
場に確実に起立させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は脱穀装置の後部に結束装置を装着したコ
ンバインの平面図、第２図は同上背面図、第３図
は同上側面図である。 ３……結束機、７……ガイドレール、１４……
放出アーム、１８……藁束搬送体、１８ａ……搬
送チエン、１８ｂ……挟持杆、１８b″……可動
杆、Ａ……挾み込部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀装置の後部に、排藁を横方向に倒した姿勢
   で集束して結束する結束機を装着し、藁束を放出
   アームにより後方へ放出するよにしたコンバイン
   において、前記結束機の後部に、搬送帯と少なく
   とも始端側が搬送方向に進退する挟持杆とからな
   りかつ前記放出された藁束を始端の挾み込部で受
   継いで側方の既刈地へ挟持搬送る藁束搬送体を終
   端部を始端部より高位に設け、該藁束搬送体の終
   端部を入力部として機体に支承すると共に該藁束
   搬送体をその終端側を中心として上下回動調節可
   能に支持して始端が昇降するように構成したこと
   を特徴とするコンバインにおける排藁結束放出装
   置。