JPS6228830Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 自脱の供給口の前部に揚送体を側方へ向けて設
け、この揚送体を傾動して扱深さ調節するように
したコンバインは、穀稈が供給口の入口板と揚送
体との間に入り込むため、穂先遅れを生じたり、
揚送体上に藁屑が塊状に溜つたりする欠点があつ
た。

本考案者等は前記欠点を解消すべく帯状のゴム
板の前端を揚送体に取付け、後部を入口板上に載
せたところ前述の欠点を解消することができた。

しかし、短稈に対して深扱調節すべく揚送体を
下降傾動しても上記ゴム板の後部が入口板上に重
合している程度に、ゴム板を長く構成すると長稈
に対して浅扱ぎ調節した時ゴム板の後端が扱室内
に侵入するので、この現象を排除するためには入
口板を長くすると共に揚送体を前方に移動させな
ければならず、また、揚送体を急速に下降させる
と、その勢いでゴム板が前方へめくれて落下する
ことがあつた。

その上湿田で倒伏している穀稈を刈取脱穀する
と、稈や藁屑に付着した泥土や水が扱室内に搬入
されて受網が目詰りしたり、二番移送螺旋、二番
スロワー等が詰つたり、一番穀粒が濡れる等の障
害が発生する。

本考案は前述の諸欠点を改善することを目的と
するものであつて、脱穀装置の供給口の前部に揚
送体を側方に向けて設け、この揚送体を傾動して
扱ぎ深さ調節するようにしたコンバインにおい
て、前記供給口から前方に向けて突設した入口板
と揚送体との間に、脱穀装置と一体な枠体に装着
した支持具を臨ませ、基部を上記揚送体に取付け
た可撓板の先端部側を、支持具と入口板の前端と
の間隙に上方から移動自在に挿し込んで、可撓板
の中間部を支持具によつて支承したことを特徴と
するものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
は走行装置２を有する機台３上に、フイードチエ
ン１ａと挾扼レール１ｂとを一側寄りとなして搭
載した自脱型の脱穀装置であつて、その供給口４
の下縁部から前方に向けて突設した入口板５の直
前には前記フイードチエン１ａの前端下部に近接
した部位にある前後方向の軸６を中心として上下
傾動する揚送体７が操縦部８に向けて設けてあ
り、その前方には株元掻込チエン９、掻込輪１
０，１０、刈刃１１、穀稈梳起体１２，１２及び
分草体１３，１３等が配設してあり、刈刃１１で
刈取られた穀稈の株元部は掻込チエン９、掻込輪
１０，１０により、また穂側は前記揚送体７の先
端の上方に立設されていて前方に向うラグ１４付
の掻込帯により揚送体の始端前面に向けて両側の
ガイド板１５，１５により案内されながら掻き込
まれる。

そして、前記入口板５の操縦部８側に設けた縦
案内板１６には、入口板５の前縁との間に間隙を
隔てた横方向の支持杆（支持具）１７の基部が熔
接してあり、その先端部側は後方に向けて折曲し
てフイードチエン１ａの搬送面に添わせてあり、
前記揚送体７の保持枠の上面に前端部を固定した
ゴム板１８はその後部を前記入口板５の前縁と支
持枠１７との間隙に上方から挿通して中間部を支
持杆１７により移動自在に支承してある。

また、ゴム板１８の支持杆１７から垂下した自
由端に取付けたフツク１９は、スプリング２０及
び操作ワイヤー２１を介して、又は操作ワイヤー
２１のみにより扱深さ調節レバー２２に直結して
あり、前記ゴム板１８の自由端には垂錘１９′が
取付けてある。

なお、扱深さ調節レバー２２は操縦部８の近傍
に設けてあり、揚送体７を調節レバー２２によつ
て傾動操作する場合はスプリング２０及び操作ワ
イヤー２１を要しない。

而して、前記揚送体７の始端前面に掻込まれた
穀稈はその株元部が揚送体７によりフイードチエ
ン１ａ及び挾扼レール１ｂの始端に向けて挾持揚
送され、その間に横倒し状となりゴム板１８に案
内されて入口板５上に倒れ、穂側は供給口４に挿
入される。

このような刈取脱穀作業中穀稈が短い場合は揚
送体７を下降傾動し、長稈に対しては上昇傾動さ
せて第４図及び第５図に示すように扱深さ調節を
行うが、その間、ゴム板１８の支持杆１７による
掛け吊部と入口板５の前端との関係位置は不変で
あるから穀稈の受継がいつもスムーズであり、か
つ湿田等にて倒伏穀稈を刈取つた場合には穀稈に
付着した泥土や水はゴム板１８と入口板５の前端
との間から落下して扱室内に搬入されることはな
い。

また、第６図に示すように支持杆１７にカラー
１７ａを回転自在に装着したものにおいてはゴム
板１８の移動を一層円滑に行うことができる。

更に前記支持杆１７は第３〜５図に示す如く揚
送体７の終端部近傍で入口板５の端部をとりまく
ように徐々に後方へ向けて彎曲せしめて後端をフ
イードチエン１ａと挾扼レール１ｂとの間に挿入
してあるので穀稈の受継を乱れなく整然と行うこ
とができる。

本考案は前述のように脱穀装置の供給口の前部
に揚送体を側方に向けて設け、この揚送体を傾動
して扱ぎ深さ調節するようにしたコンバインにお
いて、前記供給口から前方に向けて突設した入口
板と揚送体との間に、脱穀装置と一体な枠体に装
着した支持具を臨ませ、基部を上記揚送体に取付
けた可撓板の先端部側を、支持具と入口板の前端
との間隙に上方から移動自在に挿し込んで、可撓
板の中間部を支持具によつて支承したので、扱深
さ調節すべく揚送体を如何様に傾動しても、可撓
板が扱室に侵入したり前方へまくれて落下するこ
とはなく自在に扱深さ調節を行うことができ、し
かも揚送体上に藁屑が溜つて穀稈の移動を阻害し
て穂先遅れを生ずることなく、入口板上に整然と
横倒状となして供給することができる。

その上湿田で倒伏した穀稈を刈取脱穀しても穀
稈に付着した泥土や水滴は可撓板と入口板の前端
との間隙から落下して除去されるので、扱室の受
網の目詰り、二番移送螺旋及び二番スロワーの詰
り及び一番穀粒の濡れを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの側面図、第２図は正面図、
第３図ａは平面図、ｂはａのＡ−Ａ断面図、第４
図ａ，ｂは要部の斜視図、第５図ａ，ｂは同上断
面図、第６図は同上作用図、第７図は対象例の斜
視図である。 １……脱穀装置、５……入口板、７……揚送
体、１７……支持杆、１８……ゴム板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀装置の供給口の前部に揚送体を側方に向け
   て設け、この揚送体を傾動して扱深さ調節するよ
   うにしたコンバインにおいて、前記供給口から前
   方に向けて突出した入口板と揚送体との間に、脱
   穀装置と一体な枠体に装着した支持具を臨ませ、
   基部を上記揚送体に取付けた可撓板の先端部側
   を、支持具と入口板の前端との間隙に上方から移
   動自在に挿し込んで、可撓板の中間部を支持具に
   よつて支承したことを特徴とするコンバインにお
   ける穀稈供給装置。