JPS6328523Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電子時計等の小型電子機器におけ
る電池の保持構造に関する。

従来、小型電子機器、例えば電子腕時計の電池
の保持構造にあつては、ハウジングに電池を収納
する電池収納孔を形成し、この電池収納孔の側壁
から弾性的に突出して電池の側面を押圧する電極
板と、電池の底面のほぼ中心を通り両端がハウジ
ングに係止されて架け渡される細長い板状の電池
押え板とにより、上記電池収納孔内に電池を収納
保持するように構成されたものが知られている。

しかしながら、上記のような電池の保持構造に
あつては、電池の径が大きくなると、たとえ電池
押え板を電池底面の中心を通して電池を保持した
としても、電池が電池収納孔内で傾き易くなり、
このため使用中に、電池が電極板から離れて接触
不良を起こす場合があつた。

また、上記のような電池の傾きを防ぐために、
電池押え板の幅を広くすると共に係止部を大きく
したり、あるいは電池押え板を３箇所以上でハウ
ジングに係止することにより、電池の傾きを防止
することも考えられているが、このような方法で
は、いずれも電池押え板及びハウジングの係止部
が大きくなり、実装スペースも大きくなり、例え
ば電子腕時計のような実装密度の高いものにあつ
ては、小型化を計る際に支障を来たすという欠点
があつた。

この考案は、以上のような点を考慮してなされ
たもので、その目的とするところは、小さな実装
スペースで電池を傾くことなく確実且つ良好に保
持することができ、接触不良等を生じることのな
い信頼性の高い電池の保持構造を提供することで
ある。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。第１図は電子腕時計に内蔵されるモジユ
ールの分解斜視図であつて、この図において符号
１は下部ハウジングである。この下部ハウジング
１は、合成樹脂により成形されており、そのほぼ
中央部には、電池２を収納する円孔状の電池収納
孔３が上下に貫通して形成されている。また、下
部ハウジング１の下面には、金属製の地板４がビ
ス５，５により取り付けられるようになつてい
る。この地板４は、電池収納孔３よりも若干大き
い円弧状の切欠きを有する略「Ｃ」字状に形成さ
れていて、電池収納孔３内に収納された電池２の
側面を押圧する押圧部６と、電池２の底面におけ
る周縁の一部に係止される係止部７と、スイツチ
ばね部８とを備えた構成になつている。即ち、上
記押圧部６は、地板４の基部側に略「Ｌ」字状の
切欠き６ａを形成し、その先端を上方へ折曲する
と共に、この折曲部６ｂを若干電池収納孔３内へ
突出形成することにより、上記折曲部６ｂの突出
端が電池収納孔３内へ弾性的に突出し、電池２の
側面を押圧すると共に、電池２の陽極（＋）に導
通するように構成されている。また、上記係止部
７は、上記押圧部６の近傍に位置する地板４を電
池２を電池収納孔３側へ若干延出形成することに
より、電池２の底面における周縁の一部を係止す
る構成になつている。更に、上記スイツチばね部
８は、下部ハウジング１の側方へ突出した板ばね
であつて、その撓み変形により下部ハウジング１
に取り付けられたスイツチスプリング９，９に接
離可能に接触する構成になつている。

また、上記下部ハウジング１には、電池収納孔
３の周囲近傍におけるほぼ対向箇所に、電池押え
板１０を係脱自在に係止する係止部１１，１１が
形成されている。この場合、上記電池押え板１０
は、細長い帯状板からなる中央部１０ａを途中で
若干折曲し、その両端を上方へ折曲し、この折曲
した折曲部１０ｂに上記係止部１１，１１が係脱
自在に係合する係合孔１２，１２を形成すること
により、電池２のほぼ中心を通り電池収納孔３の
ほぼ直径方向に架け渡され、電池２の底面を保持
する構成になつている。

更に、上記下部ハウジング１の上部には回路基
板１３が装着されるようになつている。この回路
基板１３の下面には、電池収納孔３内に収納され
た電池２の陰極（−）に導通する電極板１４と、
下部ハウジング１に配置されたスイツチスプリン
グ９，９に接して導通する電極端子１５，１５
と、トリマコンデンサ等の電子部品１６とが設け
られている。また更に、上記下部ハウジング１内
における上記回路基板１３上には、上部ハウジン
グ１７が装着されるようになつている。この上部
ハウジング１７は、液晶表示パネル１８と、この
液晶表示パネル１８と回路基板１３とを電気的に
接続するインターコネクタ１９，１９とを取り付
けるものである。

次に、上記のように構成された電子腕時計のモ
ジユールを組み立てる場合について説明する。ま
ず、下部ハウジング１の下面に地板４をビス５，
５により取り付ける。この場合には、地板４に形
成された押圧部６の先端の折曲部６ｂを電池収納
孔３の側壁からその内部へ突出させると共に、係
止部７を電池収納孔３へ若干オーバラツプさせて
おく。この後、下部ハウジング１にスイツチスプ
リング９，９を取り付けて、その上方から回路基
板１３を装着し、更にその上方に上部ハウジング
１７を装着し、この上部ハウジング１７に、液晶
表示パネル１８とインターコネクタ１９，１９と
を装着する。このように下部ハウジング１に回路
基板１３、上部ハウジング１７及び液晶表示パネ
ル１８等が取り付けられた後は、電池収納孔３内
に電池２を収納すればよい。この場合には、下部
ハウジング１の下方から電池２を傾けた状態で、
まず、電池２の一部を電池収納孔３に挿入すると
共に、その電池２の縁を地板４の係止部７に係止
させ、この状態で地板４の押圧部６の弾性力に抗
して電池２を電池収納孔３内に圧入する。この
後、電池押え板１０を下部ハウジング１に下方か
ら取り付ければよい。即ち、電池押え板１０の両
端に形成された各係合孔１２，１２を下部ハウジ
ング１に形成された各係止部１１，１１に夫々係
合させる。すると、電池押え板１０が電池２の底
面ほぼ中央を通つてそのほぼ直径方向に架け渡さ
れ、これにより電池２が電池収納孔３内に収納保
持される。

しかして、このような電池の保持構造にあつて
は、第２図及び第３図に示すように電池２の底面
がそのほぼ直径方向に架け渡された電池押え板１
０と地板４の係止部７との２箇所で保持されてい
るから、電池２が電池収納孔３内で傾くことなく
良好に保持することができ、しかも地板４の押圧
部６の折曲部６ｂにより電池２の側面が押圧され
ているから、電池２が電池収納孔３内で傾かない
ばかりか、ガタ付くこともなく確実に収納保持す
ることができ、この結果電池２の傾きによる接触
不良を防ぐことができ、信頼性の高い電池収納構
造を得ることができる。

また、上記のような電池の保持構造によれば、
電池収納孔３側へ係止部７が若干突出しているだ
けであるから、電池押え板１０に何等制約を与え
ることがなく、電池押え板１０を自由な形状に形
成することができ、このため実装の制約を受けな
くなり電子腕時計の少型化にも寄与することがで
きる。

なお、上記実施例では、電子腕時計の場合につ
いて説明したが、この考案はこれに限られること
なく、例えば置き時計等他の電子時計あるいは小
型電子計算機等他の小型電子機器にも広く適用す
ることができる。

以上説明したように、この考案に係る電池の保
持構造によれば、電池を収納する電池収納孔が形
成されたハウジングと、このハウジングの電池収
納孔に収納された電池の底面を押さえる第１の電
池押え板と、前記ハウジングの底面に取り付けら
れて前記電池収納孔の側壁から弾性的に突出し電
池の側面を押圧する押圧部及び電池の底面縁部を
係止する係止部を有する第２の電池押え板とを具
備してなる構成であるから、電池の底面が第２の
電池押え板に形成された係止部と電池押え板との
２箇所で保持することができ、このため電池が電
池収納孔内で傾くことなく良好に保持することが
でき、しかも第２の電池押え板の押圧部により電
池の側面が押圧されているので、電池が電池収納
孔内でガタ付くことなく確実に収納保持すること
ができ、この結果電池の傾きによる接触不良を防
ぐことができ、信頼性の高い電池の保持構造を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る電子時計のモジユール
の分解斜視図、第２図はその電池の保持構造の要
部拡大底面図、第３図は第２図の−線断面図
である。 １……下部ハウジング、２……電池、３……電
池収納孔、４……地板、６……押圧部、７……係
止部、１０……電池押え板、１１……係止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 合成樹脂製のハウジング１と、第一の電池押え
   板１０と、第二の電池押え板４とを有し、 前記ハウジング１は板状で下面に電池収納孔３
   が形成され且つ該前記電池収納孔の両側にそれぞ
   れ突出係止部１１が形成されており、 前記第一の電池押え板１０は中央部１０ａとこ
   の中央部１０ａの両端に形成された折曲部１０ｂ
   とからなり、前記中央部１０ａは前記電池収納孔
   の径より大きく形成され、前記折曲部１０ｂには
   係合孔１２が形成されており、 前記第二の電池押え板４は折曲部からなる側面
   押圧部６ｂと係止部７とからなり、 前記第二の電池押え板４は前記ハウジング１の
   下面に取り付けられ、前記係止部７が前記電池収
   納孔３の周縁部を覆うように配置されて電池底面
   の周縁部を係止し、前記側面押圧部６ｂが前記電
   池収納孔３の側壁に配置されて電池の側面を押圧
   保持し、 前記第一の電池押え板１０は前記係合孔１２が
   前記ハウジング１の突出係止部１１に係止される
   ことに依つて前記中央部１０ａが電池の底面中央
   部を押圧保持することを特徴とする電池の保持構
   造。