JPS6328444B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6328444B2
JPS6328444B2 JP16985582A JP16985582A JPS6328444B2 JP S6328444 B2 JPS6328444 B2 JP S6328444B2 JP 16985582 A JP16985582 A JP 16985582A JP 16985582 A JP16985582 A JP 16985582A JP S6328444 B2 JPS6328444 B2 JP S6328444B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl
pentene
polymer
pentene polymer
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP16985582A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5959711A (ja
Inventor
Riichiro Nagano
Toshihiro Aine
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP57169855A priority Critical patent/JPS5959711A/ja
Publication of JPS5959711A publication Critical patent/JPS5959711A/ja
Publication of JPS6328444B2 publication Critical patent/JPS6328444B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、ハロゲン化変性4−メチル−1−ペ
ンテン重合体の製造方法に関するもので、より詳
細には、実質的に線状の4−メチル−1−ペンテ
ン重合体を幹重合体とし、それに不飽和カルボン
酸またはその酸無水物成分単位をグラフト共重合
せしめ、さらにハロゲン原子を結合せしめること
を特徴とする、耐熱性ならびに接着性に優れたハ
ロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重合体の
製造方法に関する。 (従来の技術) ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フインを塩素化して得られる塩素化ポリオレフイ
ン類は耐候性、耐水性、耐薬品性などの優れた被
膜を形成することができるので、クリヤーラツカ
ー、塗料、インキなど被覆用組成物の被膜形成要
素または接着剤の接着要素として広く利用されて
いる。しかし、これらの塩素化ポリオレフイン類
を主成分とする被覆用組成物または接着剤組成物
は耐熱性および密着性、接着性に劣るという欠点
がある。 このような塩素化ポリオレフインを主成分とす
る被覆用組成物または接着剤組成物の前述の欠点
を改善しようとする試みも提案されている。たと
えば、特開昭56−76404号公報、特開昭56−
133374号公報および特開昭57−53576号公報には
塩素化4−メチル−1−ペンテン重合体を被膜形
成要素とする被覆用組成物または接着要素とする
接着剤組成物がそれぞれ提案されている。しかし
ながら、これらの塩素化4−メチル−1−ペンテ
ン重合体を主成分とする被覆用組成物、接着剤組
成物から得られる被膜または接着層の耐熱性は確
かに改善されるが、該被膜または接着層の密着
性、接着性に関しては依然として不充分であり、
これらの性能が要求される分野には使用すること
ができない。とくに、最近では被覆作業性、印刷
作業性または接着作業性の迅速化を画ることが要
求されており、乾燥処理工程の温度が高められる
傾向にあり、被膜または接着層の耐熱特性と密着
性、接着性などの接着特性との両方の特性を満足
した重合体が強く要望されている。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、優れた性能の被膜形成要素また
は接着要素となり得るハロゲン化変性ポリオレフ
イン類を探索した結果、実質的に線状の4−メチ
ル−1−ペンテン重合体からなる幹重合体に不飽
和カルボン酸またはその酸無水物成分単位をグラ
フト共重合せしめ、かつハロゲン原子を結合せし
めてえられたハロゲン化変性4−メチル−1−ペ
ンテン重合体を被膜形成要素成分または接着要素
成分とする被覆用組成物または接着剤組成物とし
て使用すると、被膜または接着層は耐熱特性に優
れかつ密着性、接着性などの接着特性に優れてい
ることを見出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明によれば、4−メチル−1−
ペンテン重合体、あるいはその熱分解物もしくは
ラジカル分解物を、ラジカル開始剤の存在下に、
不飽和カルボン酸またはその酸無水物と反応させ
ることによつてえられるグラフト変性した4−メ
チル−1−ペンテン重合体に、さらに、ハロゲン
化剤を反応せしめることを特徴とするハロゲン化
変性4−メチル−1−ペンテン重合体の製造方
法、が提供される。 (作用) 本発明は、不飽和カルボン酸またはその酸無水
物をグラフトした4−メチル−1−ペンテン重合
体を、さらにハロゲン化することによつてえられ
たハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重合
体が、すぐれた耐熱特性および接着特性を示すと
いう発見に基づいてなされたものである。 (好適態様の説明) 本発明のハロゲン化変性4−メチル−1−ペン
テン重合体の製造方法は、4−メチル−1−ペン
テン重合体からなる幹重合体とあるいはその熱分
解物もしくはラジカル分解物を前記不飽和カルボ
ン酸またはその酸無水物成分とをラジカル開始剤
の存在下に反応させることにより得られるグラフ
ト変性4−メチル−1−ペンテン重合体に、さら
にハロゲン化剤を反応させることを特徴とする。 前記4−メチル−1−ペンテン重合体からなる
幹重合体への前記不飽和カルボン酸またはその酸
無水物成分単位(c)のグラフト共重合反応は溶媒の
存在下に溶液状態で実施することも可能である
し、溶融状態で実施することも可能である。該変
性反応はラジカル開始剤の存在下に実施するのが
とくに好ましい。ラジカル開始剤の使用割合は、
前記4−メチル−1−ペンテン重合体100重量部
に対して通常0.01ないし300重量部の範囲である。
該変性反応を溶液状態で実施する際の溶媒の使用
割合は、前記4−メチル−1−ペンテン重合体
100重量部に対して通常100ないし100000重量部の
範囲である。該変性反応の際の温度は通常100な
いし250℃の範囲であり、反応の際の時間は通常
15ないし360分の範囲である。変性反応に使用す
る溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水
素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素などを
例示することができる。さらに、該グラフト変性
反応を溶融状態で実施する場合には、前記4−メ
チル−1−ペンテン重合体、前記不飽和カルボン
酸またはその酸無水物および前記ラジカル開始剤
からなる混合物を押出機などを用いて溶融混練す
ることにより変性反応を起こさせることもでき
る。前記グラフト変性反応において使用されるラ
ジカル開始剤として代表的なものは有機過酸化物
であり、さらに具体的にはアルキルペルオキシ
ド、アリールペルオキシド、アシルペルオキシ
ド、アロイルペルオキシド、ケトンペルオキシ
ド、ペルオキシカーボネート、ペルオキシカルボ
キシレート、ヒドロペルオキシド等がある。 前記方法で得られた不飽和カルボン酸またはそ
の酸無水物グラフト共重合変性4−メチル−1−
ペンテン重合体にハロゲン化剤が反応させられ
る。ハロゲン化剤としては塩素、臭素またはN−
ブロムコハク酸イミドを例示することができる
が、塩素を使用することが好ましい。ハロゲン化
反応においては、前記グラフト共重合変性4−メ
チル−1−ペンテン重合体の均一溶液または水性
分散液にハロゲン化剤を接触させる方法が実施さ
れる。反応を均一に溶液系で実施するためには、
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカン、ドデカン、テトラデカン、灯油のような
脂肪族炭化水素、メチルシクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタ
ン、シクロドデカンのような脂環族炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
クメン、エチルトルエン、トリメチルベンゼン、
シメン、ジイソプロピルベンゼンなどの芳香族炭
化水素、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−
ジクロロベンゼン、四塩化炭素、四臭化炭素、ク
ロロホルム、ブロモホルム、トリクロロエタン、
トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テト
ラクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素な
どを例示することができる。これらの中ではとく
にハロゲン化炭化水素が好適である。該溶媒の使
用割合は、前記グラフト共重合変性4−メチル−
1−ペンテン重合体100重量部に対して通常100な
いし100000重量部の範囲である。ハロゲン化剤の
使用割合は前記グラフト共重合変性4−メチル−
1−ペンテン重合体100重量部に対して通常5な
いし500重量部、好ましくは5ないし300重量部の
範囲であり、得られるハロゲン化変性4−メチル
−1−ペンテン重合体中のハロゲン含有率が前述
の範囲に到達するまで供給される。ハロゲン化反
応に使用する不飽和カルボン酸またはその酸無水
物グラフト変性4−メチル−1−ペンテン重合体
の(不)飽和ポリカルボン酸成分の酸無水物単位
である場合には、そのままでも良いが、該(不)
飽和ポリカルボン酸の酸無水物単位を開環(加水
分解)して、(不)飽和ポリカルボン酸単位を形
成させたほうが好ましい。ハロゲン化反応をラジ
カル開始剤の存在下に実施するかまたは紫外線や
可視光線の照射下に実施すると、効果的に反応が
進行するので好適である。ラジカル開始剤として
は、4−メチル−1−ペンテン重合体に不飽和カ
ルボン酸またはその酸無水物成分単位(c)をグラフ
ト共重合する際に例示したラジカル開始剤を同様
に使用することができる。該ラジカル開始剤の使
用割合は、前記グラフト共重合変性4−メチル−
1−ペンテン重合体に対して通常0ないし5重量
%の範囲である。ハロゲン化反応の際の温度は通
常0ないし200℃であり、反応に要する時間は通
常5分ないし20時間の範囲である。ハロゲン化反
応の終了後の混合物を、メタノール、水などの該
ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重合体
の難溶性溶媒中に投入して沈澱させる方法などの
常法によつて処理することにより、ハロゲン化変
性4−メチル−1−ペンテン重合体が得られる。 本発明によつて得られるハロゲン化変性4−メ
チル−1−ペンテン重合体は、4−メチル−1−
ペンテン成分単位(a)が55ないし100重量%および
4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数が2
ないし20の範囲にあるα−オレフイン成分単位(b)
が0ないし45重量%の範囲[ここで、(a)と(b)の合
計は100である。]にある実質的に線状の4−メチ
ル−1−ペンテン重合体からなる幹重合体に、不
飽和カルボン酸またはその酸無水物成分単位(c)が
グラフト共重合しかつハロゲン原子(d)が結合した
ものであつて、 (A) 該不飽和カルボン酸またはその酸無水物成分
単位(c)のグラフト割合が、該ハロゲン化変性4
−メチル−1−ペンテン重合体に対して0.05な
いし20重量%の範囲にあり、 (B) 該ハロゲン原子(d)の含有率が、該ハロゲン化
変性4−メチル−1−ペンテン重合体に対して
5ないし75重量%の範囲にあり、 (C) デカリン溶媒中で135℃で測定した極限粘度
[η]が0.05ないし5の範囲にある、 ことによつて特徴づけられる実質的に線状のハロ
ゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重合体であ
る。 本発明の方法によつて得られるハロゲン化変性
4−メチル−1−ペンテン重合体を構成する4−
メチル−1−ペンテン重合体からなる幹重合体中
の4−メチル−1−ペンテン成分単位(a)の組成
は、55ないし100重量%の範囲にあることが必要
であり、さらには80ないし100重量%の範囲にあ
ることが好ましい。また、4−メチル−1−ペン
テン以外の構成成分のα−オレフイン成分単位(b)
の組成は0ないし45重量%の範囲にあることが必
要であり、さらには0ないし20重量%の範囲にあ
ることが好ましい。ここで、いずれの場合にも、
(a)と(b)との合計は100である。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体を構成する4−メチル−1−ペンテン重合体
からなる幹重合体中の4−メチル−1−ペンテン
以外のα−オレフイン成分単位(b)は炭素原子数が
2ないし20、好ましくは3ないし18の範囲にある
α−オレフイン成分単位である。α−オレフイン
成分単位として具体的には、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2
−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、
2−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テト
ラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセ
ン、1−アイコセンなどの成分単位を挙げること
ができる。これらの成分単位は、直接共重合によ
つて生成したものでもよく、あるいは分解の際に
もともとあつた重合単位の一部が切断されて生じ
たものであつてもよい。これら4−メチル−1−
ペンテン以外の不飽和炭化水素の成分単位は2種
以上存在していてもよい。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体を構成する4−メチル−1−ペンテン重合体
からなる幹重合体中の4−メチル−1−ペンテン
の成分単位は、赤外線吸収スペクトルによつて求
めることができる。たとえば本発明に係る該変性
物の適当な溶剤に対する溶液および4−メチル−
1−ペンテン単独重合体の溶液の赤外線吸収スペ
クトルをとり、イソプチル基に基づく1356cm-1
近の極大吸収帯の吸光度の比率から共重合体の4
−メチル−1−ペンテン成分単位含有量(a)を求め
ることができ、その値から該変性物を構成する4
−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフイン成
分単位(b)を求めることができる。 本発明のハロゲン化変性4−メチル−1−ペン
テン重合体を構成する4−メチル−1−ペンテン
重合体からなる幹重合体は、実質的に線状であ
る。ここで、実質的に線状であるとは、分枝状鎖
状構造であつても差し支えないが三次元網状架橋
構造を有してないことを意味し、このことは有機
溶媒たとえばパラキシレンに溶解し、ゲル状物が
存在しないことによつて確認することができる。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体からなる幹重合体にグラフトされる不飽和カ
ルボン酸またはその酸無水物成分単位(c)は、アク
リル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコ
ン酸、ナジツク酸、メチルナジツク酸、テトラヒ
ドロフタール酸、メチルヘキサヒドロフタル酸な
どの不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水
イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハ
ク酸、無水グルタコン酸、無水ナジツク酸、無水
メチルナジツク酸、無水テトラヒドロフタール
酸、無水メチルテトラヒドロフタール酸などの不
飽和ジカルボン酸無水物などがあげられ、これら
の2成分以上の混合成分であつても差し支えな
い。これらの不飽和カルボン酸あるいはその酸無
水物のうちでは、マレイン酸、無水マレイン酸、
ナジツク酸または無水ナジツク酸を使用すること
が好ましい。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体においては、前記幹重合体にグラフト共重合
された該不飽和カルボン酸またはその酸無水物成
分単位(c)は、前記例示の不飽和カルボン酸または
その酸無水物単位(c1)、前記例示の不飽和カル
ボン酸またはその酸無水物に相当する飽和カルボ
ン酸またはその酸無水物単位(c2)、前記例示の
不飽和カルボン酸またはその酸無水物単位(c1
の低重合体単位(c3)、前記例示の不飽和カルボ
ン酸またはその酸無水物に相当するジハロ飽和カ
ルボン酸またはその酸無水物単位(c4)、前記例
示の不飽和カルボン酸またはその酸無水物に相当
するモノハロ飽和カルボン酸またはその酸無水物
単位(c5)またはこれらの2種以上の混合物とし
て存在しているが、グラフト共重合された該不飽
和カルボン酸またはその酸無水物成分単位(c)のう
ちの大部分(90モル%以上)は前記例示の不飽和
カルボン酸またはその酸無水物単位(c1)および
前記例示の不飽和カルボン酸またはその酸無水物
に相当する飽和カルボン酸またはその酸無水物単
位(c2)の混合物である。ここで、グラフト共重
合された不飽和カルボン酸またはその酸無水物成
分単位(c)のうちで、 飽和カルボン酸またはその酸無水物成分単位(c2)/不
飽和カルボン酸またはその酸無水物成分単位(c1) で表わしたモル比は、通常0.1ないし200、好まし
くは0.8ないし100の範囲にある。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体を構成する前記不飽和カルボン酸またはその
酸無水物成分単位(c)のグラフト割合は、該ハロゲ
ン化変性4−メチル−1−ペンテン重合体に対し
て0.05ないし20重量%の範囲にあることが必要で
あり、さらには0.1ないし10重量%の範囲にある
ことが好ましい。該不飽和カルボン酸またはその
酸無水物成分単位(c)のグラフト割合が0.05重量%
より小さくなると、被膜の密着性が低下するよう
になりかつ接着層の接着強度が低下するようにな
り、20重量%より大きくなるとポリオレフインの
長所の1つである耐水性が損なわれたり、ポリオ
レフインとの接着性が低下するようになるため好
ましくない。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体を構成するハロゲン原子(d)は、大部分(80%
以上)は前記4−メチル−1−ペンテン重合体か
らなる幹重合体の主鎖および側鎖中の炭素−水素
結合が置換されて炭素−ハロゲン結合を形成した
ものであり(d1)、その他に少量(20%未満)は
前記不飽和カルボン酸またはその酸無水物成分単
位(c)の不飽和結合に付加し炭素−ハロゲン結合を
形成していることもある。ここで、ハロゲン原子
としては塩素原子、臭素原子などを例示すること
ができるが、塩素原子であることがとくに好まし
い。該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン
重合体中のハロゲン原子の含有率は該ハロゲン化
変性4−メチル−1−ペンテン重合体に対して5
ないし75重量%の範囲にあることが必要であり、
さらには10ないし70重量%の範囲にあることが好
ましい。該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペン
テン重合体中のハロゲン原子の含有率が5重量%
より小さくなると、該ハロゲン化変性4−メチル
−1−ペンテン重合体の塗料用汎用溶媒または接
着剤用汎用溶媒への溶解性が著しく低下するよう
になり、ハロゲン原子の含有率が75重量%より大
きくなると、得られる被膜の耐熱性およびポリオ
レフインとの接着性が劣るようになり、また接着
層の耐熱性および接着強度が低下するようにな
る。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体が前述の被膜特性および接着特性を発揮する
ためには、極限粘度[η](デカリン溶媒中で135
℃で測定した値)は0.05ないし5dl/gの範囲に
あることが必要であり、さらには0.1ないし3
dl/gの範囲にあることが好ましく、とくに0.15
ないし1dl/gの範囲にあることが好ましい。極
限粘度[η]が0.05dl/gより小さくなると、被
膜の強度が劣り、ベタつき性が生じる様になり、
接着層の接着強度が劣るようになる。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体はさらに次の性質を有している。該ハロゲン
化変性4−メチル−1−ペンテン重合体の重量平
均分子量/数平均分子量で表わした分子量分布
(w/n)はゲルパーミエーシヨンクロマト
グラフイー(GPC)により測定される。該ハロ
ゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重合体の分
子量分布は通常1ないし8、好ましくは2ないし
6の範囲である。GPCによる分子量分布の測定
は次の方法に従つて実施した。すなわち、溶媒と
してo−ジクロロベンゼンを用い、溶媒100重量
部に対し、ポリマー0.04g(安定剤として2,6
−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー
100重量部に対し0.05g添加)を加え、溶液とし
たあと、1μのフイルターを通してゴミなどの不
溶物を除去する。その後、カラム温度135℃、流
速1.0ml/分に設定したGPC測定機を用いて測定
し、数値比はポリスチレンベースで換算した。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体の融点は示差走査熱量計(DSC)によつて
測定した。該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペ
ンテン重合体の融点は通常120ないし230℃、好ま
しくは180ないし220℃の範囲である。なお、ここ
で融点は次のようにして測定される。すなわち試
料を示差走査熱量計(du Pont990型)に仕込み、
室温から20℃/minの速度で昇温し、250℃に達
した所で20℃/minの速度で降温して一旦25℃ま
で下げた後、再び20℃/minの速度で昇温し、こ
のときの溶解ピークから融点を読み取る(多くの
場合、複数の融解ピークが現われるので、この場
合は高融点側の値を採用した)。 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体は、DSCに基づく結晶化度が通常1ないし
35%の範囲であり、さらには2ないし30%の範囲
にあることが好ましい。なお結晶化度は次のよう
な方法によつて測定した。すなわち、前記した
DSCによる融点測定時のチヤートを用い、測定
試料の融解面積(S)と、対照サンプルであるイ
ンジウムの単位量当りの融解エネルギー(Po)
に相当する記録紙上の融解面積(So)を比べる。
インジウムのPoは既知量であり、一方4−メチ
ル−1−ペンテン重合体の結晶部の単位量当りの
融解エネルギー(P)も下記のように既知である
ので、測定試料の結晶化度は次式により求まる。 結晶化度(%)=S/So×Po/P×100 ここに、 Po:27Joul/g(at 156 ±0.5℃) P:141.7Joul/g[F.C.Frank et al、
Philosophical Magazine、4、200(1959)] 該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体の酸価は通常0.5ないし200mgKOH/1g、
好ましくは1ないし100mgKOH/1gの範囲であ
る。ここで、該ハロゲン化変性4−メチル−1−
ペンテン重合体の酸価は、次に示したように
(不)飽和ポリカルボン酸の酸無水物単位を開環
(加水分解)させて(不)飽和ポリカルボン酸単
位を形成させた後に測定したものである。すなわ
ち、蒸留水50部、ジオキサン50部からなる混合液
に該ハロゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重
合体の粉末を加え、沸点下20時間混合し、冷却後
濾取し、40℃で窒素雰囲気下真空乾燥した試料を
用いて通常の方法により酸価を測定した。 (発明の効果) 本発明の重合方法によつて得られるハロゲン化
変性4−メチル−1−ペンテン重合体は、溶液型
組成物または水性分散液型組成物の形態でクリア
コート、塗料、ラツカー、インキなどの被覆用組
成物に使用され、該ハロゲン化変性4−メチル−
1−ペンテン重合体は優れた性能の被膜形成要素
となる。この被覆用組成物から得られる被膜は耐
熱性および密着性に優れているという特徴を有し
ている。 また、本発明の重合方法によつて得られるハロ
ゲン化変性4−メチル−1−ペンテン重合体は溶
液型組成物の形態で接着剤組成物として使用さ
れ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−4−メチル−1
−ペンテン共重合体などのポリオレフイン類、特
にポリ4−メチル−1−ペンテンに対する接着剤
として有用であり、該ハロゲン化変性4−メチル
−1−ペンテン重合体は優れた性能の接着層形成
要素となる。この接着剤組成物から得られる接着
層は耐熱性および接着性に優れているという特徴
を有している。 (実施例) 実施例 1 4−メチル−1−ペンテン単独重合体(極限粘
度[η]3.5dl/g、w/n7.3、融点240℃、
結晶化度43%)を用い、トルエン溶媒中145℃で
ジクミルペルオキシド触媒により、無水マレイン
酸(MAH)のグラフト反応を行つた。得られた
反応物に大過剰のアセトンを加えることにより、
ポリマーを沈澱、濾取し、沈澱物をアセトンで繰
り返し洗浄し、窒素雰囲気下60℃で真空乾燥する
ことにより、無水マレイン酸グラフト4−メチル
−1−ペンテン重合体を得た。 次いで、かかる無水マレイン酸をグラフトした
4−メチル−1−ペンテン重合体(無水マレイン
酸成分単位含量4.5重量%、デカリン135℃におけ
る極限粘度[η]0.96dl/g、融点208℃、結晶
化度15%、分子量分布w/n3.0酸価46mg−
KOH/g)50gを光を遮断した窒素雰囲気下四
塩化炭素1に溶解し、70℃の温度で、ベンゾイ
ルペルオキシド0.48gを触媒として用い、塩素ガ
ス152gを2時間かけて供給することにより塩素
化反応を行つた。次に反応混合物に多量のメタノ
ールを加え、ポリマーを沈澱させ濾取した。さら
に沈澱物をメタノールで繰り返し洗浄し、窒素雰
囲気下60℃で減圧乾燥を行うことにより塩素化無
水マレイン酸グラフト4−メチル−1−ペンテン
重合体を得た。その結果を表1に示した。 実施例2、3および比較例1、2、4、5 変性用基材の4−メチル−1−ペンテン重合体
として、単独重合体または表1に示した共重合体
を用い、実施例1の方法により無水マレイン酸グ
ラフト4−メチル−1−ペンテン重合体を得た。
次いで、これらの無水マレイン酸グラフト4−メ
チル−1−ペンテン重合体を用いて同じく実施例
1の方法により塩素化無水マレイン酸グラフト4
−メチル−1−ペンテン重合体を合成した。その
結果を表1に示した。 実施例 4 実施例1と同じ4−メチル−1−ペンテン単独
重合体100重量部に対し、無水マレイン酸
(MAH)およびペルオキシドとして2,5−ジ
メチル−2,5−ジ−tert−ブチルペルオキシヘ
キシン−3を加え、260℃に設定した一軸押出機
に供給し、窒素雰囲気下で混練することにより、
低分子量の無水マレイン酸(MAH)グラフト4
−メチル−1−ペンテン重合体を得た。この粗反
応物を125℃のp−キシレンに溶解し、室温まで
冷却後、大過剰のアセトンに加えることによりポ
リマーを沈澱させ、繰返しアセトンで洗浄したの
ち、窒素雰囲気下で真空乾燥することにより得た
精製無水マレイン酸グラフト4−メチル−1−ペ
ンテン重合体を用いて、無水マレイン酸のグラフ
ト量を測定した。次いでかかる無水マレイン酸グ
ラフト4−メチル−1−ペンテン重合体を用いて
実施例1の方法により塩素化無水マレイン酸グラ
フト4−メチル−1−ペンテン重合体を合成し
た。その結果を表1に示した。 実施例5および比較例3 変性用基材の4−メチル−1−ペンテン重合体
として、それぞれ表1に示した共重合体を用い、
窒素雰囲気下300℃で2時間混練することにより
4−メチル−1−ペンテン共重合体の熱分解物を
得た。さらに別の反応器に移し上記熱分解物を
260℃に加熱し、窒素雰囲気下無水マレイン酸
(MAH)とtert−ブチルヒドロペルオキシドを2
時間かけて供給することにより無水マレイン酸グ
ラフト4−メチル−1−ペンテン重合体を得た。
さらに実施例4と同様の方法によりグラフトポリ
マーの精製を行い、各々の無水マレイン酸のグラ
フト量を測定した。次いで、これらの無水マレイ
ン酸グラフト4−メチル−1−ペンテン重合体を
用いて実施例1の方法により塩素化無水マレイン
酸グラフト4−メチル−1−ペンテン重合体を合
成した。その結果を表1に示した。
【表】
【表】 評価例1ないし5、および比較評価例1ないし5 表1に示した実施例1ないし5および比較例1
ないし5の塩素化無水マレイン酸グラフト4−メ
チル−1−ペンテン重合体を用い、被覆用組成物
を作製した。すなわち、アルキド樹脂80gをエチ
ルシクロヘキサン100gへ加え、70℃で加温する。
ホモミキサーでこの均一溶液を撹拌しつつ、上記
塩素化無水マレイン酸グラフト4−メチル−1−
ペンテン重合体20g(粉末)を添加する。さらに
20分間撹拌を続けたのち、均一な分散液であるこ
とを確認して放置により室温まで冷却した。 そして、得られたワニスについては25℃の室内
に7日間放置することによりワニスの安定性を調
べた。このワニスをガラス板上に塗布し、乾燥塗
膜の透明性を調べた。さらに、上記ワニスをベー
スに下記の配合でサンドミルにより3時間混合す
ることにより塗料を得た。 ワニス 180g 可塑剤エンパラA40 10g チタンホワイト 60g この塗料を用い、鋼板に対する塗料を行い、そ
の塗膜性能を試験した。それらの結果を表2に示
した。 評価例6ないし10、および比較評価例6ないし10 表1に示した実施例1ないし5および比較例1
ないし5の塩素化無水マレイン酸グラフト4−メ
チル−1−ペンテン重合体を表2に示した溶剤を
用いて5%溶液とした。この溶液をアセトンで脱
脂したアルミニウム板(200μ)と三井石油化学
工業(株)製ポリ4−メチル−1−ペンテン(商品名
TPX、銘柄名RT−18)の2mm厚シート(各々の
サイズは100×25×2mm)の各々に塗布し、接着
面積が25×25mmになるように接着させた。該試験
片はクリツプで押出、固定し、室温で2日間放置
した。次いで引張速度50mm/分で引張剪断接着強
度を測定した。結果を表2に示した。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 4−メチル−1−ペンテン重合体、あるいは
    その熱分解物もしくはラジカル分解物を、ラジカ
    ル開始剤の存在下に、不飽和カルボン酸またはそ
    の酸無水物と反応させることによつてえられるグ
    ラフト変性した4−メチル−1−ペンテン重合体
    に、さらに、ハロゲン化剤を反応せしめることを
    特徴とするハロゲン化変性4−メチル−1−ペン
    テン重合体の製造方法。 2 前記4−メチル−1−ペンテン重合体が、4
    −メチル−1−ペンテン成分単位(a)が55ないし
    100重量%および4−メチル−1−ペンテン以外
    の炭素原子数が2ないし20の範囲にあるα−オレ
    フイン成分単位(b)が0ないし45重量%の範囲[こ
    こで、(a)と(b)の合計は100である。]にある実質的
    に線状の重合体であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の製造方法。 3 前記不飽和カルボン酸またはその酸無水物成
    分単位のグラフト割合が、該ハロゲン化変性4−
    メチル−1−ペンテン重合体に対して0.05ないし
    20重量%の範囲にあり、 該ハロゲン原子の含有率が、該ハロゲン化変性
    4−メチル−1−ペンテン重合体に対して5ない
    し75重量%の範囲にあり、 デカリン溶媒中で135℃で測定した極限粘度
    [η]が0.05ないし5の範囲にあることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 4 前記グラフト反応を、溶媒の存在下に溶液状
    態で行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の製造方法。 5 前記グラフト反応を、溶融状態で行うことを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。
JP57169855A 1982-09-30 1982-09-30 ハロゲン化変性4‐メチル‐1‐ペンテン重合体の製造方法 Granted JPS5959711A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57169855A JPS5959711A (ja) 1982-09-30 1982-09-30 ハロゲン化変性4‐メチル‐1‐ペンテン重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57169855A JPS5959711A (ja) 1982-09-30 1982-09-30 ハロゲン化変性4‐メチル‐1‐ペンテン重合体の製造方法

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31204687A Division JPS63178175A (ja) 1987-12-11 1987-12-11 被覆用組成物
JP31204787A Division JPS63178186A (ja) 1987-12-11 1987-12-11 接着剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5959711A JPS5959711A (ja) 1984-04-05
JPS6328444B2 true JPS6328444B2 (ja) 1988-06-08

Family

ID=15894185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57169855A Granted JPS5959711A (ja) 1982-09-30 1982-09-30 ハロゲン化変性4‐メチル‐1‐ペンテン重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5959711A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4808321B2 (ja) * 2001-03-14 2011-11-02 三井化学株式会社 4−メチル−1−ペンテン系重合体の水性分散液
CN113366032B (zh) * 2018-12-21 2024-01-23 阿朗新科新加坡私人有限公司 用于卤化不饱和异烯烃共聚物的湿法中的卤素回收

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5959711A (ja) 1984-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100965969B1 (ko) 올레핀계 중합체 및 그 조성물, 및 상기 조성물로이루어지는 접착성 수지
US20050228133A1 (en) Polyolefin-based adhesive resins
US5945492A (en) Graft polymers with controlled viscosity
JP4848592B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物の製造方法
JPH0356543B2 (ja)
JPS60223831A (ja) ポリプロピレン系樹脂用硬化塗料組成物
DE102007007793A1 (de) Verfahren zur Herstellung einer thermoplastischen Harzzusammensetzung
JP2596884B2 (ja) 低温流動性が良好なバインダー樹脂溶液組成物
JPS59217709A (ja) 変性プロピレン低分子量重合体およびその製法
JPS6328444B2 (ja)
JPH0747705B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物
JPH08217835A (ja) 改質された非晶質重合体
JPH0376325B2 (ja)
JPH026789B2 (ja)
JPH0359110B2 (ja)
JPH0344090B2 (ja)
JP2003040946A (ja) ポリオレフィン系グラフト共重合体の製造方法
JPS62104808A (ja) 変性エチレン−α−オレフイン系共重合体組成物の製法
JPH0427245B2 (ja)
JPS61108608A (ja) 塩素化変性ポリオレフィンの製法
JP2021193162A (ja) グラフト変性ポリマー
JPH0532420B2 (ja)
JP2002308949A (ja) 相溶性改良剤組成物およびその製造方法
JPH05345868A (ja) プライマー用組成物
JPH0242110B2 (ja)