JPH0747705B2 - ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物Info
- Publication number
- JPH0747705B2 JPH0747705B2 JP2023373A JP2337390A JPH0747705B2 JP H0747705 B2 JPH0747705 B2 JP H0747705B2 JP 2023373 A JP2023373 A JP 2023373A JP 2337390 A JP2337390 A JP 2337390A JP H0747705 B2 JPH0747705 B2 JP H0747705B2
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- graft
- propylene
- weight
- olefin copolymer
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリオレフィン系樹脂の表面を塗装したり他
の基材を接着するとき密着力を向上させる為に使用され
るポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物に関する
ものである。
の基材を接着するとき密着力を向上させる為に使用され
るポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物に関する
ものである。
ポリオレフィン系樹脂は、優れた性質を持ちかつ価格が
安いことから近年家庭電化製品や、自動車部品など需要
は年々増加している。しかしポリオレフィン系樹脂はそ
の表面が無極性かつ高結晶性であるために塗装、接着が
困難であり、また他樹脂とのブレンドが困難であると言
う欠点を有している。従来より、これらの欠点を解決す
るために予めポリオレフィン系樹脂の表面をクロム酸処
理,火炎処理,コロナ処理等を行なうことにより付着性
を改良することが知られている。しかし、これらの方法
は、複雑な処理によって手数が掛かったり火災などの危
険を伴い現在では徐々に利用されなくなってきている。
そこでこの様な表面処理を行なわずに塗装や接着を行な
うために、ポリオレフィンに付着性のあるプライマー組
成物が各種提案されている。例えば特公昭62−21027号
には、プロピレン−α−オレフィン共重合体のマレイン
酸変性された表面処理剤が開示されている。しかしポリ
オレフィンに極性基を導入しただけのプライマー組成物
では、付着性,耐溶剤性はあるがスプレー性,溶解性,
相溶性が悪いと言う欠点を有している。また、これらの
欠点を解決するために第3成分をラジカルによりグラフ
ト共重合させる方法も開示されている。例えば、特開昭
62−283134号には、プロピレン−α−オレフィン共重合
体のマレイン酸変性物にメチルメタクリレートなどの不
飽和物を第3成分としてグラフト共重合する方法が開示
されている。しかしポリオレフィンへのグラフト共重合
効率は、非常に低く精製などの工程を経なければ第3成
分またはポリマーが幹ポリマーと相溶せず2層分離を起
こしそのままで使用できるものではない。また特公昭63
−50381号にはアイソタクチックポリプロピレンの塩素
化物をマレイン酸変性したものも開示されているが塩素
を含んだものは耐紫外線や、耐溶剤性にやや劣ると言う
欠点を有している。他に、特開昭58−185655号にはプロ
ピレン−α−オレフィン共重合体のマレイン酸変性物の
溶解性を改良するためにアルコールをエステル化によっ
て導入する方法も開示されているが根本的な解決には至
っていない。
安いことから近年家庭電化製品や、自動車部品など需要
は年々増加している。しかしポリオレフィン系樹脂はそ
の表面が無極性かつ高結晶性であるために塗装、接着が
困難であり、また他樹脂とのブレンドが困難であると言
う欠点を有している。従来より、これらの欠点を解決す
るために予めポリオレフィン系樹脂の表面をクロム酸処
理,火炎処理,コロナ処理等を行なうことにより付着性
を改良することが知られている。しかし、これらの方法
は、複雑な処理によって手数が掛かったり火災などの危
険を伴い現在では徐々に利用されなくなってきている。
そこでこの様な表面処理を行なわずに塗装や接着を行な
うために、ポリオレフィンに付着性のあるプライマー組
成物が各種提案されている。例えば特公昭62−21027号
には、プロピレン−α−オレフィン共重合体のマレイン
酸変性された表面処理剤が開示されている。しかしポリ
オレフィンに極性基を導入しただけのプライマー組成物
では、付着性,耐溶剤性はあるがスプレー性,溶解性,
相溶性が悪いと言う欠点を有している。また、これらの
欠点を解決するために第3成分をラジカルによりグラフ
ト共重合させる方法も開示されている。例えば、特開昭
62−283134号には、プロピレン−α−オレフィン共重合
体のマレイン酸変性物にメチルメタクリレートなどの不
飽和物を第3成分としてグラフト共重合する方法が開示
されている。しかしポリオレフィンへのグラフト共重合
効率は、非常に低く精製などの工程を経なければ第3成
分またはポリマーが幹ポリマーと相溶せず2層分離を起
こしそのままで使用できるものではない。また特公昭63
−50381号にはアイソタクチックポリプロピレンの塩素
化物をマレイン酸変性したものも開示されているが塩素
を含んだものは耐紫外線や、耐溶剤性にやや劣ると言う
欠点を有している。他に、特開昭58−185655号にはプロ
ピレン−α−オレフィン共重合体のマレイン酸変性物の
溶解性を改良するためにアルコールをエステル化によっ
て導入する方法も開示されているが根本的な解決には至
っていない。
ポリオレフィン系樹脂成形品に対して塗装したり他の基
材を接着する場合には、プライマー処理を施すことが実
際的であるが、密着性,耐候性,耐溶剤性,液の安定
性,スプレー適性などの全てを満足するプライマー組成
物はないのが現状であった。本発明者などは、従来の欠
点を解決すべく鋭意検討した結果プロピレン−α−オレ
フィン共重合体にα,β−不飽和カルボン酸またはその
酸無水物を0.1〜20重量%グラフト共重合した後、少な
くとも1個の水酸基,グリシジル基またはアミノ基をも
つ反応性不飽和物を結合した後にラジカル重合性不飽和
物をグラフト共重合して得られる樹脂を含有することを
特徴とするポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物
によって目的を達成した。従って本発明の目的は第1
に、プロピレン−α−オレフィン共重合体に上記の方法
で第3成分を導入することにより、溶剤への溶解性を向
上させることにある。
材を接着する場合には、プライマー処理を施すことが実
際的であるが、密着性,耐候性,耐溶剤性,液の安定
性,スプレー適性などの全てを満足するプライマー組成
物はないのが現状であった。本発明者などは、従来の欠
点を解決すべく鋭意検討した結果プロピレン−α−オレ
フィン共重合体にα,β−不飽和カルボン酸またはその
酸無水物を0.1〜20重量%グラフト共重合した後、少な
くとも1個の水酸基,グリシジル基またはアミノ基をも
つ反応性不飽和物を結合した後にラジカル重合性不飽和
物をグラフト共重合して得られる樹脂を含有することを
特徴とするポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物
によって目的を達成した。従って本発明の目的は第1
に、プロピレン−α−オレフィン共重合体に上記の方法
で第3成分を導入することにより、溶剤への溶解性を向
上させることにある。
第2の目的は、プロピレン−α−オレフィン共重合体に
極性基を導入しただけのコーティング剤は他樹脂との相
溶性がないのでインキや塗料として使用できないと言う
欠点があった為、相溶性をもたせるために第3成分を、
目的に合せて選択しグラフト共重合することによって、
それまで相溶性のなかった樹脂に対しても相溶させるこ
とにある。
極性基を導入しただけのコーティング剤は他樹脂との相
溶性がないのでインキや塗料として使用できないと言う
欠点があった為、相溶性をもたせるために第3成分を、
目的に合せて選択しグラフト共重合することによって、
それまで相溶性のなかった樹脂に対しても相溶させるこ
とにある。
本発明の目的は、プロピレン−α−オレフィン共重合体
に、α,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物を0.
1〜20重量%グラフト共重合した後カルボキシル基また
は、酸無水物基の一部を少なくとも1個の水酸基,グリ
シジル基またはアミノ基を持つ反応性不飽和物をエステ
ル化またはアミド化し幹ポリマーに2重結合を導入し、
その2重結合に第3成分をグラフト共重合して得られる
樹脂を、含有することを特徴とするポリオレフィン系樹
脂用コーティング組成物によって達成された。
に、α,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物を0.
1〜20重量%グラフト共重合した後カルボキシル基また
は、酸無水物基の一部を少なくとも1個の水酸基,グリ
シジル基またはアミノ基を持つ反応性不飽和物をエステ
ル化またはアミド化し幹ポリマーに2重結合を導入し、
その2重結合に第3成分をグラフト共重合して得られる
樹脂を、含有することを特徴とするポリオレフィン系樹
脂用コーティング組成物によって達成された。
本発明のコーティング組成物の原料であるプロピレン−
α−オレフィン共重合体は、プロピレンを主体としてこ
れにα−オレフィン共重合したものであり特にブロック
共重合体よりランダム共重合体が望ましい。α−オレフ
ィン成分としては、例えば、エチレン,1−ブテン,1−ヘ
プテン,1−オクテン,1−ヘキセン,1−デセン,4−メチル
−1−ペンテンなどを例示することができる。
α−オレフィン共重合体は、プロピレンを主体としてこ
れにα−オレフィン共重合したものであり特にブロック
共重合体よりランダム共重合体が望ましい。α−オレフ
ィン成分としては、例えば、エチレン,1−ブテン,1−ヘ
プテン,1−オクテン,1−ヘキセン,1−デセン,4−メチル
−1−ペンテンなどを例示することができる。
本発明においては、共重合体におけるピロピレン成分と
α−オレフィン成分との比に特に制限はないが、プロピ
レン成分が50モル%以上であることが望ましい。また、
プロピレン−α−オレフィン共重合体にグラフト共重合
するα,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物とし
ては、例えば、マレイン酸,フマル酸,イタコン酸,メ
サコン酸,アコニット酸およびこれらの無水物が挙げら
れる。
α−オレフィン成分との比に特に制限はないが、プロピ
レン成分が50モル%以上であることが望ましい。また、
プロピレン−α−オレフィン共重合体にグラフト共重合
するα,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物とし
ては、例えば、マレイン酸,フマル酸,イタコン酸,メ
サコン酸,アコニット酸およびこれらの無水物が挙げら
れる。
本発明において、α,β−不飽和カルボン酸またはその
酸無水物をグラフト共重合によって導入する量は0.1〜2
0重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。0.1重
量%より少ない場合には、得られた組成物の溶解性が悪
くなりまた上塗り塗料などのプライマーに対する密着性
が悪くなり、逆に20重量%以上になるとポリオレフィン
に対する密着性が悪くなる。
酸無水物をグラフト共重合によって導入する量は0.1〜2
0重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。0.1重
量%より少ない場合には、得られた組成物の溶解性が悪
くなりまた上塗り塗料などのプライマーに対する密着性
が悪くなり、逆に20重量%以上になるとポリオレフィン
に対する密着性が悪くなる。
プロピレン−α−オレフィン共重合体にα,β−不飽和
カルボン酸またはその酸無水物をグラフト共重合する方
法は、ラジカル発生剤の存在下でプロピレン−α−オレ
フィン共重合体を融点以上に加熱溶融して反応させる方
法(溶融法),プロピレン−α−オレフィン共重合体を
有機溶剤に溶解させた後ラジカル発生剤の存在下で加熱
撹拌して反応させる方法(溶液法)等、公知の方法によ
って行なうことができる。溶融法の場合には、バンバリ
ーミキサー,ニーダー,押し出し機等などを使用し融点
以上300℃以下の温度で短時間で反応させるので、操作
が簡単であると言う利点がある。一方、溶液法に於いて
は、有機溶剤としてトルエン,キシレン等の芳香族有機
溶媒を使うことが望ましい。反応温度は、100〜180℃で
あり副反応が少なく均一なグラフト共重合体を得ること
ができると言う特徴がある。反応に用いるラジカル発生
剤は公知のものの中から適宜選択することができるが特
に有機過酸化物系化合物が望ましい。
カルボン酸またはその酸無水物をグラフト共重合する方
法は、ラジカル発生剤の存在下でプロピレン−α−オレ
フィン共重合体を融点以上に加熱溶融して反応させる方
法(溶融法),プロピレン−α−オレフィン共重合体を
有機溶剤に溶解させた後ラジカル発生剤の存在下で加熱
撹拌して反応させる方法(溶液法)等、公知の方法によ
って行なうことができる。溶融法の場合には、バンバリ
ーミキサー,ニーダー,押し出し機等などを使用し融点
以上300℃以下の温度で短時間で反応させるので、操作
が簡単であると言う利点がある。一方、溶液法に於いて
は、有機溶剤としてトルエン,キシレン等の芳香族有機
溶媒を使うことが望ましい。反応温度は、100〜180℃で
あり副反応が少なく均一なグラフト共重合体を得ること
ができると言う特徴がある。反応に用いるラジカル発生
剤は公知のものの中から適宜選択することができるが特
に有機過酸化物系化合物が望ましい。
上記有機過酸化物系化合物としては、例えばベンゾイル
パーオキサイド,ジクミルパーオキサイド,ラウロイル
パーオキサイド,ジ−tert−パーオキサイド,tert−パ
ーオキシベンゾエート,クメンハイドロパーオキサイド
等があげられる。
パーオキサイド,ジクミルパーオキサイド,ラウロイル
パーオキサイド,ジ−tert−パーオキサイド,tert−パ
ーオキシベンゾエート,クメンハイドロパーオキサイド
等があげられる。
本発明に於けるα,β−不飽和カルボン酸またはその酸
無水物をグラフト共重合したプロピレン−α−オレフィ
ン共重合体が有しているカルボキシル基または酸無水物
基は、少なくとも1個の水酸基,アミノ基もしくはグリ
シジル基を含む化合物と化学結合を形成して結合させる
ことが可能である。本発明において使用される上記の少
なくとも1個の水酸基,アミノ基またはグリシジル基を
持つ反応性不飽和物は、具体的には、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート(以下2HEAと略す),2−ヒドロキシメ
チルメタクリレート(以下2HEMAと略す),グリシジル
メタクリレート(以下GMAと略す),アクリルアミド等
のモノマーが例示できる。
無水物をグラフト共重合したプロピレン−α−オレフィ
ン共重合体が有しているカルボキシル基または酸無水物
基は、少なくとも1個の水酸基,アミノ基もしくはグリ
シジル基を含む化合物と化学結合を形成して結合させる
ことが可能である。本発明において使用される上記の少
なくとも1個の水酸基,アミノ基またはグリシジル基を
持つ反応性不飽和物は、具体的には、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート(以下2HEAと略す),2−ヒドロキシメ
チルメタクリレート(以下2HEMAと略す),グリシジル
メタクリレート(以下GMAと略す),アクリルアミド等
のモノマーが例示できる。
この様な反応性不飽和物の官能基の数は、1個以上であ
れば何個でも良いが、数が多いと架橋によりゲル化する
ことがあるので1個または2個が望ましい。
れば何個でも良いが、数が多いと架橋によりゲル化する
ことがあるので1個または2個が望ましい。
反応性不飽和物を導入する方法は、α,β−不飽和カル
ボン酸または、その酸無水物をグラフト共重合したプロ
ピレン−α−オレフィン共重合体を融点以上に加熱溶融
させて反応させる方法または、有機溶剤に溶解させて反
応させる方法のいずれでも良く、前述のα,β−不飽和
カルボン酸またはその酸無水物をグラフト共重合させる
反応の場合と同様の方法および装置で行なうことが可能
であるが、ラジカルが残存していると2重結合を攻撃す
るのでラジカル発生剤の半減期を10倍経過しラジカルが
十分消滅した後であればグラフト反応に引き続き行なっ
ても良い。
ボン酸または、その酸無水物をグラフト共重合したプロ
ピレン−α−オレフィン共重合体を融点以上に加熱溶融
させて反応させる方法または、有機溶剤に溶解させて反
応させる方法のいずれでも良く、前述のα,β−不飽和
カルボン酸またはその酸無水物をグラフト共重合させる
反応の場合と同様の方法および装置で行なうことが可能
であるが、ラジカルが残存していると2重結合を攻撃す
るのでラジカル発生剤の半減期を10倍経過しラジカルが
十分消滅した後であればグラフト反応に引き続き行なっ
ても良い。
反応性不飽和物を導入を溶融法で行なう場合の反応温度
はポリマーの融点以上反応性不飽和物の沸点以下で行な
い反応時間は10分〜3時間である。
はポリマーの融点以上反応性不飽和物の沸点以下で行な
い反応時間は10分〜3時間である。
反応性不飽和物を導入を溶融法で行なう場合の反応温度
は80〜160℃であり反応時間は1〜20時間である。
は80〜160℃であり反応時間は1〜20時間である。
いずれの方法で反応性不飽和物を導入する場合も無機
酸,有機酸,第3級アミン等の触媒を使用することが望
ましい。勿論触媒を用いずに反応させることもできる。
酸,有機酸,第3級アミン等の触媒を使用することが望
ましい。勿論触媒を用いずに反応させることもできる。
上記の方法で幹ポリマーに導入した2重結合とこれと重
合し得るラジカル重合性不飽和物とをラジカル発生剤の
存在下で重合させることによりメチルメタクリレートや
スチレンなどの第3成分を枝ポリマーとする均一なグラ
フト共重合体を得ることができる。
合し得るラジカル重合性不飽和物とをラジカル発生剤の
存在下で重合させることによりメチルメタクリレートや
スチレンなどの第3成分を枝ポリマーとする均一なグラ
フト共重合体を得ることができる。
上記のグラフト共重合体の重合方法は2重結合を導入さ
れたプロピレン−α−オレフィン共重合体を融点以上に
加熱させて重合させる方法、または有機溶媒に溶解させ
て反応させる重合のいずれでもよく、前述のα,β−不
飽和カルボン酸またはその酸無水物をグラクト共重合さ
せる反応の場合と同様の方法および装置で行なうことが
できる。
れたプロピレン−α−オレフィン共重合体を融点以上に
加熱させて重合させる方法、または有機溶媒に溶解させ
て反応させる重合のいずれでもよく、前述のα,β−不
飽和カルボン酸またはその酸無水物をグラクト共重合さ
せる反応の場合と同様の方法および装置で行なうことが
できる。
幹ポリマーに導入された2重結合にグラフトする重合を
溶融法で行なう場合の反応温度はポリマーの融点以上重
合性不飽和物の沸点以下で行ない反応時間は10分〜3時
間である。反応装置として、バンバリーミキサー,ニー
ダー,押し出し機などが使用可能である。重合性不飽和
物のグラフト重合を溶液法で行なう場合の反応温度は0
〜160℃であり反応時間は1〜20時間である。溶媒には
トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤を使用すること
が望ましい。反応に用いるラジカル発生剤は、有機過酸
化物系化合物,アゾ系化合物,スルフィド類,スルフィ
ン類,ジアゾ化合物,ニトロソ化合物,レドックス系な
どが使用できる。
溶融法で行なう場合の反応温度はポリマーの融点以上重
合性不飽和物の沸点以下で行ない反応時間は10分〜3時
間である。反応装置として、バンバリーミキサー,ニー
ダー,押し出し機などが使用可能である。重合性不飽和
物のグラフト重合を溶液法で行なう場合の反応温度は0
〜160℃であり反応時間は1〜20時間である。溶媒には
トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤を使用すること
が望ましい。反応に用いるラジカル発生剤は、有機過酸
化物系化合物,アゾ系化合物,スルフィド類,スルフィ
ン類,ジアゾ化合物,ニトロソ化合物,レドックス系な
どが使用できる。
幹ポリマーに導入された2重結合にグラフト共重合する
不飽和物はコーティング組成物として用いる際の目的に
合わせて選ぶことが可能であり、具体的には、スチレン
(以下St略す),メチルメタクリレート(以下MMAと略
す),メチルアクリレート(以下MAと略す),酢酸ビニ
ル(以下VAcと略す)等が使用出来る。
不飽和物はコーティング組成物として用いる際の目的に
合わせて選ぶことが可能であり、具体的には、スチレン
(以下St略す),メチルメタクリレート(以下MMAと略
す),メチルアクリレート(以下MAと略す),酢酸ビニ
ル(以下VAcと略す)等が使用出来る。
これらの第3成分をグラフトすることにより有機溶媒へ
の溶解性が向上しスプレー適性も向上する。例えば、第
3成分をスチレンとした場合には、芳香族溶媒への溶解
性が飛躍的に向上し作業性やスプレー適性が向上する。
また第3成分をメチルメタクリレートとした場合は、ア
クリル樹脂などと相溶性が向上する。本発明においてグ
ラフト共重合する量は、5〜70重量%であり、好ましく
は30〜60重量%である。5重量%以下ではグラフト共重
合の効果はほとんど現れない。逆に、70重量%を超える
とポリオレフィンに対する密着が悪くなる。
の溶解性が向上しスプレー適性も向上する。例えば、第
3成分をスチレンとした場合には、芳香族溶媒への溶解
性が飛躍的に向上し作業性やスプレー適性が向上する。
また第3成分をメチルメタクリレートとした場合は、ア
クリル樹脂などと相溶性が向上する。本発明においてグ
ラフト共重合する量は、5〜70重量%であり、好ましく
は30〜60重量%である。5重量%以下ではグラフト共重
合の効果はほとんど現れない。逆に、70重量%を超える
とポリオレフィンに対する密着が悪くなる。
このようにして得られた樹脂を使用する場合固体状態で
の使用も可能であることは言うまでもない。
の使用も可能であることは言うまでもない。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明は
これによって限定されるものではない。
これによって限定されるものではない。
実施例1 撹拌器,冷却管,温度計および滴下ロートを取り付けた
4つ口フラスコ中でプロピレン−α−オレフィン共重合
体(プロピレン成分75モル%,エチレン成分20モル%,1
−ブテン成分5モル%,数平均分子量17,000)100gをト
ルエン400gに加熱溶解させた後、系の温度を140℃に保
って攪拌しながら無水マレイン酸(和光純薬製試薬1
級)10gとラジカル発生剤としてジ−tert−ブチルパー
オキサイド(日本油脂製)4gをそれぞれ2時間掛けて滴
下させその後3時間熟成を行なった。反応後室温まで冷
却した後反応物を20のアセトン中に投入して精製しグ
ラフト量6.2重量%の無水マレイン酸グラフト共重合体
を得た。次に得られた無水マレイン酸グラフト共重合体
100gを4つ口フラスコ中で加熱溶解して20重量%のトル
エン溶液とし2−ヒドロキシメチルアクリレート(和光
純薬製)3gを加え、触媒としてパラトルエンスルホン酸
を0.5g投入した後100℃で5時間反応させた。反応精製
物を赤外分光光度計で分析した結果完全にエステル化し
ていることが確認した。
4つ口フラスコ中でプロピレン−α−オレフィン共重合
体(プロピレン成分75モル%,エチレン成分20モル%,1
−ブテン成分5モル%,数平均分子量17,000)100gをト
ルエン400gに加熱溶解させた後、系の温度を140℃に保
って攪拌しながら無水マレイン酸(和光純薬製試薬1
級)10gとラジカル発生剤としてジ−tert−ブチルパー
オキサイド(日本油脂製)4gをそれぞれ2時間掛けて滴
下させその後3時間熟成を行なった。反応後室温まで冷
却した後反応物を20のアセトン中に投入して精製しグ
ラフト量6.2重量%の無水マレイン酸グラフト共重合体
を得た。次に得られた無水マレイン酸グラフト共重合体
100gを4つ口フラスコ中で加熱溶解して20重量%のトル
エン溶液とし2−ヒドロキシメチルアクリレート(和光
純薬製)3gを加え、触媒としてパラトルエンスルホン酸
を0.5g投入した後100℃で5時間反応させた。反応精製
物を赤外分光光度計で分析した結果完全にエステル化し
ていることが確認した。
引き続き上記反応容器中においてトルエン100gを加え温
度を100℃に保ったまま、ベンゾイルパーオキサイド0.5
g(日本油脂製)を10gのトルエンに溶解したものとメチ
ルメタクリレート60gをそれぞれ2時間掛けて滴下させ
た。得られた共重合体は均一で淡黄色の粘調な液体であ
った。
度を100℃に保ったまま、ベンゾイルパーオキサイド0.5
g(日本油脂製)を10gのトルエンに溶解したものとメチ
ルメタクリレート60gをそれぞれ2時間掛けて滴下させ
た。得られた共重合体は均一で淡黄色の粘調な液体であ
った。
実施例2〜8 表1に記載の原料および反応性不飽和物を用いて実施例
1と同様にしてポリオレフィン樹脂用コーティング組成
物を得た。
1と同様にしてポリオレフィン樹脂用コーティング組成
物を得た。
比較例1〜2 反応性不飽和物を用いなかったほかは実施例1と同様に
してポリオレフィン樹脂用コーティング組成物を得た。
してポリオレフィン樹脂用コーティング組成物を得た。
比較例3 アイソタクチックポリプロピレンに無水マレイン酸を5
重量%グラフト共重合し,四塩化炭素中に溶解させ塩素
ガスを吹き込み塩素化した塩素化度20重量%のポリオレ
フィン系樹脂用コーティング組成物である。
重量%グラフト共重合し,四塩化炭素中に溶解させ塩素
ガスを吹き込み塩素化した塩素化度20重量%のポリオレ
フィン系樹脂用コーティング組成物である。
比較例4 プロピレン−α−オレフィン共重合体に無水マレイン酸
を4.6重量%グラフト共重合したポリオレフィン系樹脂
用コーティング組成物である。
を4.6重量%グラフト共重合したポリオレフィン系樹脂
用コーティング組成物である。
実施例12〜16 実施例1〜5で得た樹脂350gと20重量%トルエン溶液と
酸化チタン30gを混合し、サンドミルにて1時間顔料を
分散させた後芳香族系溶剤で適当な粘度に希釈してトル
エンで表面を洗浄したポリプロピレン板にスプレー塗布
した。約10分間室温で放置乾燥した後2液型ウレタン系
塗料をスプレー塗布し10分間室温で放置乾燥した。次に
熱風乾燥機を用いて80℃で30分間強制乾燥した。得られ
た塗装板を室温で7日間放置した後塗膜の試験を行った
結果は第2表に示したとおりである。
酸化チタン30gを混合し、サンドミルにて1時間顔料を
分散させた後芳香族系溶剤で適当な粘度に希釈してトル
エンで表面を洗浄したポリプロピレン板にスプレー塗布
した。約10分間室温で放置乾燥した後2液型ウレタン系
塗料をスプレー塗布し10分間室温で放置乾燥した。次に
熱風乾燥機を用いて80℃で30分間強制乾燥した。得られ
た塗装板を室温で7日間放置した後塗膜の試験を行った
結果は第2表に示したとおりである。
尚、塗膜の外観,付着性,耐ガソリン性,耐湿性は次の
ようにして評価した。
ようにして評価した。
塗膜の外観 塗膜の外観を目視により観察した。
付着性 塗膜表面にカッターで切れ目を入れて1mm間隔で素地に
達する100個の碁盤目を作り、その上にセロハン粘着テ
ープを密着させて180゜方向に引きはがし残存する碁盤
の目を数えた。
達する100個の碁盤目を作り、その上にセロハン粘着テ
ープを密着させて180゜方向に引きはがし残存する碁盤
の目を数えた。
耐ガソリン性 塗膜表面に素地に達する切れ目を入れ、レギュラーガソ
リンに4時間浸漬後、塗膜の状態を目視により観察し
た。
リンに4時間浸漬後、塗膜の状態を目視により観察し
た。
耐湿性 50℃の温水に240時間浸漬した後塗膜の状態を目視にて
観察した。
観察した。
フィルムとの密着 樹脂フィルムに2g/m2塗工し1昼夜放置した後その上に
セロハン粘着テープを密着させて180゜方向に引き剥が
し表面状態を目視にて観察した。
セロハン粘着テープを密着させて180゜方向に引き剥が
し表面状態を目視にて観察した。
低温流動性 20重量%のトルエン溶液を調製し−5℃で1昼夜放置後
流動性を目視により観察した。
流動性を目視により観察した。
相溶性 20重量%のトルエン溶液を調製し同じく20重量%のポリ
メチルメタクリレート(数平均分子量12000)トルエン
溶液と1対1の割合で混合し1昼夜放置した後、液状を
目視により観察した。
メチルメタクリレート(数平均分子量12000)トルエン
溶液と1対1の割合で混合し1昼夜放置した後、液状を
目視により観察した。
〔発明の効果〕 本発明のポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物
は、プロピレン−α−オレフィン共重合体にα,β−不
飽和カルボン酸またはその酸無水物をグラフト共重合し
た後少なくとも1個の水酸基,グリシジル基またはアミ
ノ基を持つ反応性不飽和物を結合した後にラジカル重合
性不飽和物をグラフト共重合しているため有機溶剤への
溶解性がよくスプレー適性や相溶性に優れている。従っ
て、他の高分子化合物と混合して使用する際も2層分離
することなく安定した性能が得られる。
は、プロピレン−α−オレフィン共重合体にα,β−不
飽和カルボン酸またはその酸無水物をグラフト共重合し
た後少なくとも1個の水酸基,グリシジル基またはアミ
ノ基を持つ反応性不飽和物を結合した後にラジカル重合
性不飽和物をグラフト共重合しているため有機溶剤への
溶解性がよくスプレー適性や相溶性に優れている。従っ
て、他の高分子化合物と混合して使用する際も2層分離
することなく安定した性能が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】プロピレン−α−オレフィン共重合体に、
α,β−不飽和カルボン酸および/またはその酸無水物
をグラフト共重合した後、少なくとも1個の水酸基、グ
リシジル基またはアミノ基を持つ反応性不飽和物を結合
した後に、ラジカル重合性不飽和物をグラフト共重合し
て得られる樹脂を含有することを特徴とするポリオレフ
ィン系樹脂用コーティング組成物。 - 【請求項2】プロピレン−α−オレフィン共重合体に対
し、0.1〜20重量%のα,β−不飽和カルボン酸および
/またはその酸無水物をグラフト共重合した請求項1記
載の組成物。 - 【請求項3】ラジカル重合性不飽和物を5〜70重量%グ
ラフト共重合した請求項1または2記載の組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023373A JPH0747705B2 (ja) | 1990-02-01 | 1990-02-01 | ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023373A JPH0747705B2 (ja) | 1990-02-01 | 1990-02-01 | ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03229772A JPH03229772A (ja) | 1991-10-11 |
JPH0747705B2 true JPH0747705B2 (ja) | 1995-05-24 |
Family
ID=12108745
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023373A Expired - Lifetime JPH0747705B2 (ja) | 1990-02-01 | 1990-02-01 | ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0747705B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE4026719A1 (de) * | 1990-08-24 | 1992-02-27 | Huels Chemische Werke Ag | Schmelzfluessig applizierbare schutzmassen |
JP2706580B2 (ja) * | 1991-02-07 | 1998-01-28 | 東洋インキ製造株式会社 | 活性エネルギー線硬化性樹脂および樹脂組成物 |
CA2115533C (en) * | 1994-02-11 | 2002-06-18 | Hiroshi Uchida | Urethane modified epoxy resin compositions |
US5545697A (en) * | 1994-02-14 | 1996-08-13 | Ciba-Geigy Corporation | Urethane modified epoxy resin compositions |
JP4848603B2 (ja) * | 2000-11-14 | 2011-12-28 | 東洋紡績株式会社 | グラフトポリオレフィンの製造方法およびそれを含有するコーティング用樹脂組成物の製造方法 |
JP3948279B2 (ja) * | 2001-02-06 | 2007-07-25 | 日本製紙株式会社 | 水性分散液、その製造方法及び用途 |
CN100402569C (zh) * | 2003-02-21 | 2008-07-16 | 三菱化学株式会社 | 聚丙烯共聚物、含有该聚丙烯共聚物的组合物以及生产该聚丙烯共聚物的方法 |
JP5089031B2 (ja) * | 2005-08-31 | 2012-12-05 | 三洋化成工業株式会社 | 変性ポリオレフィンの製造法 |
JP5683332B2 (ja) * | 2011-03-09 | 2015-03-11 | ユーエムジー・エービーエス株式会社 | プロピレン系グラフト重合体、成形体、塗料および接着剤 |
-
1990
- 1990-02-01 JP JP2023373A patent/JPH0747705B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03229772A (ja) | 1991-10-11 |
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