JP2561191B2 - ポリオレフィン変性物の製造方法及びポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物 - Google Patents

ポリオレフィン変性物の製造方法及びポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン系樹脂成
形品の表面を塗装する場合や、ポリオレフィン系樹脂に
他の基材を接着する場合にポリオレフィン系樹脂の密着
力を向上させる目的で使用するポリオレフィン変性物の
製造方法及び有機溶剤に溶解させたコーティング組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂は価格が安く優れた性質を持っていることから、家庭
電化製品や自動車部品等に多量に使用されている。しか
し、ポリオレフィン系樹脂は無極性であるため、塗装や
接着が困難であるという欠点を有している。
【0003】このような欠点を解決するために、従来、
ポリオレフィン系樹脂成形品の塗装や接着の前にポリオ
レフィン系樹脂成形品表面に火炎処理、コロナ放電処理
やプラズマ処理等の処理を施し付着性を向上させること
が行われていた。しかし、処理操作が煩雑な上複雑な形
状の物では均一な処理が難しく実用性に欠けていた。
【0004】そのため、塩素化変性ポリオレフィンを主
成分とするプライマー組成物が提案されており、例えば
特公昭50-10916号公報、特開昭57-36128号公報、特公昭
63-36624号公報に開示されている。しかし、これらの塩
素化物からなるプライマーは、ポリオレフィンに対する
付着性は優れているものの耐候性や耐溶剤性に劣るとい
う共通した欠点があり、その用途が限定される場合があ
る。
【0005】一方、ポリオレフィンに付着性のある塩素
化物ではない各種のプライマー組成物も提案されてい
る。例えば、特公昭62-21027号公報にはプロピレン−エ
チレン共重合体にマレイン酸またはその無水物をグラフ
ト共重合したプライマー組成物が開示されている。しか
し、このものは溶剤に対する溶解性が劣るため保存時に
粒状の非溶解物が生成し、これが原因となって塗装した
塗膜に凹凸が生じ外観を著しく損じたり付着性にバラツ
キが生じたり、スプレー塗布性が極端に悪化したりする
という欠点がある。
【0006】また特開昭58−185655号公報には
プロピレン−α−オレフィン共重合体にα、β−不飽和
ジカルボン酸をグラフト共重合したものを含有する塗料
用組成物が開示されているが、その実施例にはプロピレ
ン−エチレン共重合体の例しか示されておらず前記のも
のと同様の欠点がある上に、他の樹脂との相溶性に欠け
るため実用性はほとんど無いのが実状である。
【0007】また、特開平2-6513号にプロピレン−エチ
レン−α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸また
はその誘導体をグラフト重合させた変性重合体が開示さ
れているが、これは有機溶剤への溶解性がほとんど無
く、本発明の用途のコーティング組成物には使えないも
のである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにポリオレ
フィンに塗装や接着を行うためにはプライマー処理を施
すことが現実的ではあるが、現存の技術はいずれも欠点
を有しており、ポリオレフィンに対する密着性、耐候
性、樹脂の溶剤への溶解性、保存安定性、スプレー塗布
性等の要求性能をバランス良く満たすものは無かった。
【0009】そこで、本発明者らは特願平 02-234848号
においてこのような問題点を解決しポリオレフィン系樹
脂の塗装性や接着性を改善でき、かつトルエン,キシレ
ン等の有機溶剤への溶解性のよいコーティング組成物を
提案した。又、特願平03-113876 号において、低温に於
ける耐衝撃性を改善し、ポリオレフィンへの密着性をさ
らに向上させたものを提案した。しかし、これらには有
機溶剤に溶解させたときの透明性や、長期間保存したと
きの安定性など改善の余地があることが分かった。ま
た、今後、塗料分野に於ける揮発成分の規制の可能性が
考えられ、高濃度のコーティング剤が求められてもい
る。
【0010】そこで、本発明はこのような問題点を解決
し、ポリオレフィン系樹脂の塗装性や接着性さらに保存
安定性などを改善でき、高固形分濃度化が可能なポリオ
レフィン変性物の製造方法及びコーティング組成物を提
供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
種々研究の結果本発明に到達した。すなわち、プロピレ
ン−エチレン−α−オレフィン共重合体をラジカル発生
剤で減成し、その後、α、β−不飽和ジカルボン酸また
はその誘導体を0.1ないし15重量%グラフトさせる
ポリオレフィン変性物の製造方法及びその樹脂を含有す
るポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物により前
記目的は達成された。
【0012】
【作用】本発明のコーティング組成物の原料であるプロ
ピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体は、プロピ
レンを主成分にエチレン及び他のα−オレフィンを共重
合したものであり、ブロック共重合体よりランダム共重
合体が望ましい。原料中のプロピレン成分の割合は55な
いし85モル%が望ましく、55モル%未満ではポリオレフ
ィンへの付着性が低下し、85モル%を超えると得られた
樹脂の溶剤への溶解性が劣るようになる。ブテンなどの
炭素数4以上のα−オレフィン成分の割合は5ないし40
%が望ましく、5モル%未満でも40モル%を超えても得
られた樹脂の溶剤への溶解性が劣るようになる。エチレ
ン成分の割合は1モル%以上10モル%以下が望ましい。
なぜなら、1モル%未満では得られた樹脂の透明性が悪
くなって沈澱物が生成しやすくなるからであり、10モル
%を超えると得られた樹脂が粘着性を持つようになり、
又、架橋反応が起こり易くなって溶剤への溶解性が劣る
からである。
【0013】プロピレン−エチレン−α−オレフィン共
重合体の減成に用いるラジカル発生剤は公知のものの中
から適宜選択することができるが、特に有機過酸化物が
好ましい。有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)−ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオ
キサイド等が挙げられる。ラジカル発生剤を添加する量
は0.1ないし5重量%が望ましい。 0.1重量%未満では
減成の効果が少なく得られた樹脂の溶解性が悪くなり、
溶液中に粒が見られるようになる。又、5重量%を超え
ると樹脂の架橋などが起こり、やはり溶解性が低下す
る。特に好ましくは 0.5ないし2重量%である。
【0014】プロピレン−エチレン−α−オレフィン共
重合体にラジカル発生剤を添加する方法は、プロピレン
−エチレン−α−オレフィン共重合体をキシレン等の有
機溶剤に加熱溶解させラジカル発生剤を加える方法(溶
液法)や、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重
合体を融点以上に加熱溶融させてラジカル発生剤を加え
る方法(溶融法)等、公知の方法によって行なうことが
できる。
【0015】溶液法では有機溶剤としてトルエン、キシ
レン等の芳香族系溶剤を使うことが好ましく、反応温度
は 100ないし 250℃で行なう。この方法は副反応が少な
く均一な生成物を得ることができるという特徴がある。
溶融法の場合にはバンバリーミキサー、ニーダー、押出
し機等を使用し、原料樹脂の融点以上 300℃以下の温度
で反応させる。この方法は操作が簡単である上短時間で
反応を終了させることができる。ラジカル発生剤の添加
方法は一括添加でも逐添でもよいが、逐添の方が反応を
均一に行うことが出来て望ましい。
【0016】ラジカル発生剤の添加終了後、反応系を減
圧にしてラジカル発生剤由来の低沸点成分やポリオレフ
ィンの分解による低分子量成分を除去すること( 500mm
Hg以下で5分以上)により反応の再現性が向上し、製品
品質が安定する。
【0017】このラジカル発生剤による減成によってプ
ロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体の分子量
を調節できるのみでなく、ラジカル発生剤断片の付加反
応なども期待できる。また、減成時、ラジカル発生剤に
よってプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体
上に炭素−炭素二重結合が生成する。この炭素−炭素二
重結合によって、次のα、β−不飽和ジカルボン酸また
はその誘導体のグラフト反応での反応性が向上する。
【0018】以上のようにして得られたプロピレン−エ
チレン−α−オレフィン共重合体にα、β−不飽和ジカ
ルボン酸またはその誘導体をグラフトさせる。この際、
この2つの反応は連続して行なっても良いし、ラジカル
発生剤での減成の段階で一度止めてもよい。
【0019】プロピレン−エチレン−α−オレフィン共
重合体にグラフトさせるα、β−不飽和ジカルボン酸ま
たはその誘導体とは、α、β−不飽和ジカルボン酸の他
にα、β−不飽和ジカルボン酸の酸無水物やそのエステ
ル等のことをいい、例えばマレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、
アコニット酸、これらの酸無水物、またはこれらのアル
キルエステルが挙げられる。α、β−不飽和ジカルボン
酸またはその誘導体をグラフトさせる量は、0,1ない
し15重量%が好ましく、0.1重量%未満では得られ
た樹脂の上塗り塗料に対する密着性が悪く、15重量%
を超えるとポリオレフィンに対する密着性が悪くなるば
かりかグラフト反応の効率が悪くなって不経済である。
又、樹脂を有機溶剤に溶解させた時に沈殿物が発生し易
くなる。特に好ましいα、β−不飽和ジカルボン酸また
はその誘導体のグラフト量は1ないし10重量%であ
る。
【0020】又、このグラフト反応時のα、β−不飽和
ジカルボン酸またはその誘導体とラジカル発生剤との比
は10/1〜1/10(モル比)が好ましい。なぜな
ら、10/1を超えると溶液が濁りやすくなり、又、未
反応のα、β−不飽和ジカルボン酸またはその誘導体が
樹脂中に混入する恐れがある。一方1/10未満では樹
脂の架橋反応が起き易くなりゲル化したり粘度が異常に
上昇したりする。特に好ましいα、β−不飽和ジカルボ
ン酸またはその誘導体とラジカル発生剤との比は5/1
〜1/5である。
【0021】プロピレン−エチレン−α−オレフィン共
重合体にα、β−不飽和ジカルボン酸またはその誘導体
をグラフトさせる方法は、プロピレン−エチレン−α−
オレフィン共重合体をキシレン等の有機溶剤に加熱溶解
させラジカル発生剤の存在下に反応させる方法(溶液
法)や、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合
体を融点以上に加熱溶融させてラジカル発生剤の存在下
で反応させる方法(溶融法)等、公知の方法によって行
なうことができる。
【0022】上記溶液法では有機溶剤としてトルエン、
キシレン等の芳香族系溶剤を使うことが好ましく、反応
温度は 100ないし 250℃で行なう。この方法は副反応が
少なく均一なグラフト共重合体を得ることができるとい
う特徴がある。一方溶融法の場合にはバンバリーミキサ
ー、ニーダー、押出し機等を使用し、原料樹脂の融点以
上 300℃以下の温度で反応させる。この方法は、操作が
簡単である上短時間で反応を終了させることができる。
α、β−不飽和ジカルボン酸またはその誘導体とラジカ
ル発生剤との添加方法は逐添でも一括添加でも良いが、
逐添の方が反応が均一になって望ましい。
【0023】反応に用いるラジカル発生剤は公知のもの
の中から適宜選択することができるが、特に有機過酸化
物が好ましい。有機過酸化物としては、例えば前記のよ
うなベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ク
メンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。このラジ
カル発生剤は前述の減成時に用いたものと同じであって
も異なっていてもよい。
【0024】この付加反応に於いては、先ほどのラジカ
ル発生剤での減成の際にプロピレン−エチレン−α−オ
レフィン共重合体上に生成した炭素−炭素二重結合が反
応性の向上に寄与している。
【0025】α、β−不飽和ジカルボン酸またはその誘
導体をグラフトさせた樹脂の分子量は3000ないし7
0000が好ましい。3000以下にすることは非常に
困難であり工業的な価値を有しない。又、70000以
上では溶剤に対する溶解性が悪くなり、さらに他樹脂と
の相溶性が悪くなってやはり好ましくない。更に好まし
くは8000以上、特に好ましくは16000以上50
000以下である。分子量をこの範囲にすることは、原
料の分子量、ラジカル発生剤による減成時の反応条件、
さらにグラフト反応を行なうときの反応条件をコントロ
ールすることで可能である。なお、ここで分子量とは重
量平均分子量のことをいい、GPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー)で測定しポリスチレン換算で
表した値である。
【0026】α、β−不飽和ジカルボン酸またはその誘
導体をグラフトさせたプロピレン−エチレン−α−オレ
フィン共重合体はコーティング組成物として使用するた
めにトルエン、キシレン、MEK、酢酸エチル、ヘキサ
ン等の有機溶剤あるいはこれらの混合溶剤に溶解させて
使用に供する。有機溶剤としてはトルエン、キシレン等
の芳香族系溶剤を使用することが好ましい。その場合、
有機溶剤に10重量%以上の固形分濃度で溶解させて用い
ることが作業性の面から不可欠であり、本発明のコーテ
ィング組成物は有機溶剤に対する溶解性が優れているの
で30重量%以上の固形分濃度でも何等問題なく使用する
ことができる。また有機溶剤の使用量を減らせるので安
全衛生上好ましく、今後予想される有機溶剤等の揮発性
成分の規制にも有利である。
【0027】本発明において得られた樹脂はポリオレフ
ィンに対する密着性、耐候性、耐溶剤性、有機溶剤に対
する溶解性、保存安定性、スプレー塗布性、他樹脂との
相溶性が良好であり、ポリオレフィン系樹脂成型品の塗
装や接着の際のプライマーとして好適である。
【0028】使用方法としては、本発明の組成物の有機
溶剤溶液をそのまま用いても良く、また公知の方法によ
り顔料と混練して用いることもできる。さらに、本発明
の組成物と塗料用樹脂と顔料を練り合わせて塗料を調製
し、ポリオレフィン系樹脂成型品にプライマー無しで直
接塗装することも可能である。又、透明性に優れ、保存
時に沈澱物をほとんど発生しないという特徴を持ってい
るので、ポリオレフィンフィルムに対するコーティング
剤として優れており、インキ用樹脂として用いることも
できる。
【0029】また、オレフィン系樹脂、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂
等の他の樹脂を添加しても良く、必要に応じて紫外線吸
収剤、酸化防止剤等の添加剤を加えることも差し使えな
い。なお、本発明におけるポリオレフィン系樹脂とはポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等をい
うが、本発明のコーティング組成物はポリオレフィン系
樹脂以外のプラスチックに適用することも可能である。
【0030】以上述べたように本発明のポリオレフィン
変性物の製造方法及びポリオレフィン系樹脂用コーティ
ング組成物は特定のプロピレン−エチレン−α−オレフ
ィン共重合体を原料にして、ラジカル発生剤による減成
の後、α、β−不飽和ジカルボン酸またはその誘導体を
グラフトさせているので、ポリオレフィンに対する密着
性が良く、低温における耐衝撃性にも優れている。ま
た、本発明の変性により有機溶剤に対する溶解性が向上
し、高濃度化が可能になった。さらに、透明性が向上し
ておりコーティング組成物として要求される性能を満た
すことができた。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが本発明はこれによって限定されるものではない。
【0032】(実施例1)攪拌機、冷却管および滴下ロ
ートを取り付けた四口フラスコ中で、プロピレン−エチ
レン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル
%、ブテン成分24モル%、エチレン成分8モル%、重量
平均分子量 68000) 100gをキシレン 400gに加熱溶解
させた後、系の温度を 140℃に保って攪拌しながらジク
ミルパーオキサイド1gを1時間かけて滴下させ、その
後1時間反応させた。その後、無水マレイン酸10gとジ
クミルパーオキサイド3gをそれぞれ3時間かけて滴下
させ、その後さらに1時間反応させた。反応後室温まで
冷却した後、反応物を大量のアセトン中に投入して精製
し、付加量 5.1%の共重合体を得た。GPCにより分子
量を測定すると重量平均分子量は 31000であった。これ
をトルエンに30重量%の濃度で溶解し液の性状と貯蔵安
定性をみた。結果を表1に示した。
【0033】重量平均分子量の測定は東ソー(株)製
HLC-8020にカラム TSK-GELを付け、試料をTHF(テト
ラヒドロフラン)に溶解して40℃で測定し、ポリスチレ
ン標準試料で作成した検量線から分子量を求めた。また
貯蔵安定性は30%トルエン溶液を3ヵ月間室温で放置し
溶液の状態を観察した。
【0034】(実施例2)攪拌機、冷却管および滴下ロ
ートを取り付けた四口フラスコ中で、プロピレン−エチ
レン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル
%、ブテン成分24モル%、エチレン成分8モル%、重量
平均分子量 68000)1000gを加熱溶解させた後、系の温
度を 200℃に保って攪拌しながらジ−t−ブチルパーオ
キサイド5gを30分かけて滴下させ、その後20分間反
応させ、その後、300mmHg で10分間、低沸点成分を留去
した。次に、無水マレイン酸40gとジ−t−ブチルパー
オキサイド30gをそれぞれ1時間かけて滴下させ、その
後さらに30分反応させた。反応後室温まで冷却した後、
反応物を大量のアセトン中に投入して精製し、付加量3.
1%の共重合体を得た。GPCにより分子量を測定する
と重量平均分子量は25000であった。これをトルエンに3
0重量%の濃度で溶解し液の性状と貯蔵安定性をみた。
結果を表1に示した。
【0035】(実施例3)無水マレイン酸の量を4gに
変えた他は実施例1と同様な操作を行なって変性樹脂を
得た。得られた樹脂のトルエン溶液の性状と貯蔵安定性
を表1に示した。
【0036】(実施例4〜9)実施例1と同様にしてプ
ロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体へのα、
β−不飽和ジカルボン酸またはその誘導体のグラフト反
応を行ないコーティング組成物用樹脂を得た。原料の組
成、α、β−不飽和ジカルボン酸またはその誘導体の種
類と量、得られた樹脂のトルエン溶液の性状と貯蔵安定
性を表1に示した。
【0037】(比較例1〜4)表1に示した原料と条件
で実施例2と同様にして変性樹脂を得た。得られた樹脂
のトルエン溶液の性状と貯蔵安定性を表1に示した。
【0038】(比較例5)最初に加えるジ−t−ブチル
パーオキサイドの量を100gに変えた他は実施例2と同
様な操作を行なった。得られた樹脂の重量平均分子量は
150000であり、30%トルエン溶液を作成出来なかった。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例10〜18)実施例1〜9で得た樹脂
350g(20重量%トルエン溶液)と酸化チタン30gを混
合しサンドミルにて1時間顔料を分散させた後、トルエ
ンで適当な粘度に希釈して、トルエンで表面の脱脂を行
ったポリプロピレン系樹脂板にスプレー塗布した。約10
分間室温で放置乾燥した後、二液型ウレタン系塗料をス
プレー塗布し、10分間室温で放置した。次に、熱風乾燥
器を用いて80℃で30分間強制乾燥した。得られた塗装板
を室温で7日間放置した後、下記のように塗膜の試験を
行った。結果を表2に示した。
【0041】(比較例6〜9)比較例1〜4で得た樹脂
(10重量%トルエン溶液)を用いて実施例10〜18と同様
な方法で塗装板を作成し、下記のように塗膜の試験を行
い、結果を表2に示した。
【0042】なお、塗膜の試験項目とその方法は次の通
りである。
【0043】塗膜の外観 塗膜の外観を目視にて観察した。
【0044】付着性 塗膜表面にカッターで素地に達する切れ目を入れて1mm
間隔で 100個のゴバン目を作り、その上にセロハン粘着
テープを密着させて 180度方向に引き剥し、残存するゴ
バン目の数を数えた。
【0045】耐ガソリン性 塗膜表面に素地に達する切れ目を入れ、レギュラーガソ
リンに4時間浸漬後、塗膜の状態を目視にて観察した。
【0046】耐湿性 50℃、相対湿度95%以上の雰囲気に10日間放置した後、
塗膜の状態を目視にて観察した。
【0047】耐水性 50℃の温水に10日間浸漬した後、塗膜の状態を目視にて
観察した。
【0048】耐衝撃性 デュポン式衝撃試験機で 0.5kgの荷重を50cmの高さから
落下させ塗膜の状態を観察した。温度−20℃。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明において得られた樹脂はポリオレ
フィンに対する密着性が優れているのはもちろんのこ
と、有機溶剤に対する溶解性が良好であり、特にトルエ
ンやキシレン等の芳香族系溶剤に対しては室温で30重量
%以上の溶解性を示す。このような溶解性が良好な樹脂
をコーティング組成物とすることにより、保存時に粒状
の非溶解物が生成することがなく塗料として使用した場
合に平滑な塗膜を得ることができる。
【0051】また、スプレー塗布性が良好であるので均
一に塗布される結果付着性のバラツキが無く安定した性
能を得ることができる。
【0052】さらに、ゴム成分が多量に配合されたポリ
プロピレン系樹脂に対する密着性や低温における対衝撃
性が改善され、自動車の部品の塗装等のプライマーとし
て優れている。また、他樹脂との相溶性が良好であり、
コーティング組成物として応用範囲が広い。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン成分が55ないし85モル
    %、エチレン成分が1ないし10モル%、炭素数4以上
    のα−オレイフィン成分が5ないし40モル%である、
    プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体を0.
    1ないし5%のラジカル発生剤で減成し、その後α、β
    −不飽和ジカルボン酸またはその誘導体とラジカル発生
    剤とを同時に加えることによってα、β−不飽和ジカル
    ボン酸またはその誘導体を0.1ないし15重量%グラ
    フトさせ、かつグラフト反応時に添加するα、β−不飽
    和ジカルボン酸またはその誘導体とラジカル発生剤との
    比率を10/1ないし1/10(モル比)とするポリオ
    レフィン変性物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製法で得られたポリオレ
    フィン樹脂を含有することを特徴とするポリオレフィン
    系樹脂用コーティング組成物。
  3. 【請求項3】 分子量が16,000〜70,000で
    ある請求項2記載の樹脂を含有するポリオレフィン系樹
    脂用コーティング組成物。
  4. 【請求項4】 グラフト反応させた樹脂を有機溶剤に1
    0〜30重量%溶解させてなることを特徴とする請求項
    2又は3記載のポリオレフィン系樹脂用コーティング組
    成物。
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