JPH0747706B2 - ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物

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JPH0747706B2
JPH0747706B2 JP23484890A JP23484890A JPH0747706B2 JP H0747706 B2 JPH0747706 B2 JP H0747706B2 JP 23484890 A JP23484890 A JP 23484890A JP 23484890 A JP23484890 A JP 23484890A JP H0747706 B2 JPH0747706 B2 JP H0747706B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリオレフィン系樹脂成形品の表面を塗装する
場合や、またポリオレフィン系樹脂に他の基材を接着す
る場合に密着力を向上させる目的で使用するコーティン
グ組成物に関する。
〔従来の技術〕
ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は優れた性質
を持ち価格が安いことから、家庭電化製品や自動車部品
等に多量に使用されている。しかし、ポリオレフィン系
樹脂はその無極性であるため、塗装や接着が困難である
という欠点を有している。
このような欠点を解決するために、従来、ポリオレフィ
ン系樹脂成形品の塗装や接着の前にポリオレフィン系樹
脂成形品表面に火炎処理、コロナ放電処理やプラズマ処
理等の処理を施し付着性を向上させることが行われてい
たが、処理操作が煩雑な上複雑な形状の物では均一な処
理が難しく実用性に欠けている。
また、塩素化変性ポリオレフィンを主成分とするプライ
マー組成物が提案されており、例えば特公昭50−10916
号、特開昭57−36128号、特公昭63−36624号等に開示さ
れている。しかし、これらの塩素化物からなるプライマ
ーは、ポリオレフィンに対する付着性は優れているもの
の耐候性や耐溶剤性に劣るという共通した欠点があり、
その用途は極めて限定されている。
一方、ポリオレフィンに付着性のある塩素化物ではない
各種のプライマー組成物が提案されている。例えば、特
公昭62−21027号にはプロピレン−エチレン共重合体に
マレイン酸またはその無水物をグラフト共重合したプラ
イマー組成物が開示されているが、このものは溶剤に対
する溶解性が劣るため保存時に粒状の非溶解物が生成
し、これが原因となって塗装した塗膜に凹凸が生じ外観
を著しく損じたり付着性にバラツキが生じたり、スプレ
ー塗布性が極端に悪化したりするという欠点がある。ま
た、特開昭58−185655号にはプロピレン−α−オレフィ
ン共重合体にα,β−不飽和ジカルボン酸グラフ共重合
したものを含有する塗料用組成物が開示されているが、
その実施例にはプロピレン−エチレン共重合体の例しか
示されておらず前記のものと同様の欠点がある上に、他
の樹脂と相溶性に欠けるために実用性はほとんどが無い
のが実状である。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のようにポリオレフィンに塗装や接着を行うために
はプライマー処理を施すことが現実的ではあるが、いず
れの技術も欠点を有しておりポリオレフィンに対する密
着性,耐候性,耐溶剤性,樹脂の溶剤への溶解性、保存
安定性,スプレー塗布性,他の樹脂との相溶性等の要求
性能をバランス良く満たすものは無かった。本発明はこ
のような問題点を解決しポリオレフィン系樹脂の塗装性
や接着性を改善できるコーティング組成物を提供するこ
とを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するため種々研究の結果本発明に到達し
た。すなわち、プロピレン−ブテン共重合体にα,β−
不飽和ジカルボン酸またはその誘導体を0.1ないし15重
量%グラフト共重合し、その分子量が3000ないし35000
である樹脂を含有することを特徴とするポリオレフィン
系樹脂用コーティング組成物により前記目的は達成され
た。
本発明のコーティング組成物の原料であるプロピレン−
ブテン共重合体は、プロピレンを主成分にブテン−1を
共重合したものであり、ブロック共重合よりランダム共
重合が望ましい。プロピレン成分の割合は55ないし85モ
ル%が望ましく、55モル%以下ではポリオレフィンへの
付着性が低下し、85モル%以上では得られた樹脂の溶剤
への溶解性が劣るようになる。また、10モル%以下の範
囲でプロピレン,ブテン−1以外の成分を含んでいても
差し支えない。
プロピレン−ブテン共重合体にグラフト共重合するα,
β−不飽和ジカルボン酸またはその誘導体とは、α,β
−不飽和ジカルボン酸の他にα,β−不飽和ジカルボン
酸の酸無水物やそのエステル等のことをいい、例えばマ
レイン酸,フマル酸,イタコン酸,シトラコン酸,アリ
ルコハク酸,メサコン酸,アコニット酸,これらの酸無
水物,またはこれらのアルキルエステルが挙げられる。
α,β−不飽和ジカルボン酸またはその誘導体をグラフ
ト共重合する量は0.1ないし15重量%が好ましくは、0.1
重量%以下では得られた樹脂の上塗り塗料に対する密着
性が悪く、15重量%以上ではポリオレフィンに対する密
着性が悪くなるばかりかグラフト効率が悪くなって不経
済である。特に好ましくは1ないし10重量%である。ま
た、α,β−不飽和ジカルボン酸またはその誘導体をグ
ラフト共重合した樹脂の分子量は3000ないし35000が好
ましく、3000以下では凝集力が不足して密着力が悪くな
り、35000以上では溶剤に対する溶解性が悪くなりまた
他樹脂との相溶性が悪くなって好ましくない。特に好ま
しくは8000ないし30000である。分子量をこの範囲にす
るためには、原料の分子量やグラフト反応を行なうとき
の条件をコントロールすることで可能である。なお、こ
こで分子量は重量平均分子量のことをいい、GPC(ゲル
バーミエーションクロマトグラフィー)で測定すること
ができる。
プロピレン−ブテン共重合体にα,β−不飽和ジカルボ
ン酸またはその誘導体をグラフト共重合する方法は、プ
ロピレン−ブテン共重合体をキシレン等の有機溶剤に加
熱溶解させラジカル発生剤の存在下に反応させる方法
(溶液法)や、プロピレン−ブテン共重合体を融点以上
に加熱溶融させてラジカル発生剤の存在下で反応させる
方法(溶融法)等、公知の方法によって行なうことがで
きる。溶液法では有機溶剤としてトルエン,キシレン等
の芳香族系溶剤を使うことが好ましく、反応温度は100
ないし180℃で行ない、この方法は副反応が少なく均一
なグラフト共重合体を得ることができるという特徴があ
る。溶融法の場合にはバンバリーミキサー,ニーダー,
押出し機等を使用し、原料樹脂の融点以上300℃以下の
温度で反応させ、操作が簡単である上短時間で反応を終
了させることができる。
反応に用いるラジカル発生剤は公知のものの中から適宜
選択することができるが、特に有機過酸化物が好まし
い。有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオサ
イド、ジクミルパーオキサイド,ラウロイルパーオキサ
イド,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)−ヘキシン−3,ジ−t−ブチルパーオキサイド,i−
ブチルハイドロパーオサイド,t−ブチルパーオキシベン
ゾエート,クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられ
る。
本発明において得られた樹脂はポリオレフィンに対する
密着性,耐候性,耐溶剤性,有機溶剤に対する溶解性,
保存安定性,スプレー塗布性,他樹脂との相溶性が良好
であり、ポリオレフィン系樹脂成形品の塗装や密着の際
のプライマーとして好適である。本発明の組成物の有機
溶剤溶液をそのまま用いても良く、また公知の方法によ
り顔料と混練して用いることもできる。有機溶剤として
はトルエン,キシレン等の芳香族系溶剤を使用すること
が好ましい。さらに、本発明の組成物と塗料用樹脂と顔
料を練り合わせて塗料を調製し、ポリオレフィン系樹脂
成形品にプライマー無しで直接塗装することも可能であ
る。また、ポリオレフィンフィルムに対するコーティン
グ剤として優れており、インキ用樹脂として用いること
もできる。
また、オレフィン系樹脂,アクリル系樹脂,エポキシ系
樹脂,ウレタン系樹脂,アルキド系樹脂等の他の樹脂を
添加しても良く、必要に応じて紫外線吸収剤,酸化防止
剤等の添加剤を加えることも差し支えない。なお、本発
明におけるポリオレフィン系樹脂とはポリエチレン,ポ
リプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体等をいうが、本発明の
コーティング組成物はポリオレフィン系樹脂以外のプラ
スチックに適用することも可能である。
〔作 用〕
本発明のポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物は
プロピレン−ブテン共重合体を原料にしてα,β−不飽
和ジカルボン酸またはその誘導体をグラフト共重合して
いるので、ポリオレフィンに対する密着性に優れている
ほか、極性樹脂にも良好な密着性を示す。また、本発明
の変性により有機溶剤に対する溶解性が向上し、さらに
コーティング組成物として要求される性能を満たすこと
ができる。
〔実施例〕 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが本発明
はこれによって限定されるものではない。
実施例1 攪拌機,冷却管および滴下ロートを取り付けた三口フラ
スコ中でプロピレン−ブテンン共重合体(プロピレン成
分75モル%,重量平均分子量65000)100gをキシレン400
gに加熱溶解させた後、系の温度を140℃に保って攪拌し
ながら無水マレイン酸10gとジクミルパーオキサイド2g
をそれぞれ2時間かけて滴下させ、その後3時間反応さ
せた。反応後室温まで冷却した後、反応物を大量のアセ
トン中に投入して精製し、グラフト量5.8%のグラフト
共重合体を得た。GPCにより分子量を測定すると重量平
均分子量は27000であった。これをトルエンに20重量%
濃度で溶解し液の性状と貯蔵安定性をみた。結果を第1
表に示した。
実施例2〜6 実施例1と同様にしてプロピレン−ブテンン共重合体の
グラフト反応を行ないコーティング組成物用樹脂を得
た。原料のプロピレンの割合、グラフト物の種類とグラ
フト量、得られた樹脂のトルエン溶液の性状と貯蔵安定
性を第1表に示した。
比較例1〜3 第1表に示した原料と条件で実施例1と同様にして変性
樹脂を得た。得られた樹脂のトルエン溶液の性状と貯蔵
安定性を第1表に示した。
なお、貯蔵安定性は20%トルエン溶液を3カ月間室温で
放置し溶液の状態を観察した。
良好:変化なし,不良:不溶解物が多量に生成した。
実施例7〜12 実施例1〜6で得た樹脂350g(20重量%トルエン溶液)
と酸化チタン30gを混合しサンドミルにて1時間顔料を
分散させた後、トルエンで適当な粘度に希釈して、トル
エンで表面の脱脂を行ったポリプロピレン板にスプレー
塗布した。約10分間室温で放置乾燥した後、二液型ウレ
タン系塗料をスプレー塗布し、10分間室温で放置した。
次に、熱風乾燥器を用いて80℃で30分間強制乾燥した。
得られた塗装板を室温で7日間放置した後塗膜の試験を
行った。結果は第2表に示した。
比較例4〜6 比較例1〜3で得た樹脂(10重量%トルエン溶液)を用
いて実施例7〜12と同様な方法で塗装板を作成し塗膜の
試験を行った。結果を第2表に示した。
なお試験方法は次の通りである。
塗膜の外観 塗膜の外観を目視にて観察した。
付着性 塗膜表面にカッターで素地に達する切れ目を入れて1mm
間隔で100個のゴバン目を作り、その上にセロハン粘着
テープを密着させて180度方向に引き剥し、残存するゴ
バン目の数を数えた。
耐ガソリン性 塗膜表面に素地に達する切れ目を入れ、レギュラーガソ
リンに4時間浸漬後、塗膜の状態を目視にて観察した。
耐湿性 50℃、相対湿度95%以上の雰囲気に10日間放置した後、
塗膜の状態を目視にて観察した。
耐水性 50℃の温水に10日間浸漬した後、塗膜の状態を目視にて
観察した。
〔発明の効果〕 本発明において得られた樹脂はポリオレフィンに対する
密着性が優れているのはもちろんのこと、有機溶剤に対
する溶解性が良好であり、特にトルエンやキシレン等の
芳香族系溶剤に対しては室温で30重量%以上の溶解性を
示す。このような溶解性が良好な樹脂をコーティング組
成物とすることにより、保存時に粒状の非溶解物が生成
することがなく塗料として使用した場合に平滑な塗膜を
得ることができる。また、スプレー塗布性が良好である
ので均一に塗布される結果付着性のバラツキが無く安定
した性能を得ることができる。また、他樹脂との相溶性
が良好でありコーティング組成物として応用範囲が広
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン−ブテン共重合体にα,β−不
    飽和ジカルボン酸またはその誘導体を0.1ないし15重量
    %グラフト共重合し、その分子量が3000ないし35000で
    ある樹脂を含有することを特徴とするポリオレフィン系
    樹脂用コーティング組成物。
  2. 【請求項2】プロピレン−ブテン共重合体のプロピレン
    成分が55ないし85モル%である請求項1記載のポリオレ
    フィン系樹脂用コーティング組成物。
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JP4557103B2 (ja) * 2000-03-14 2010-10-06 東洋紡績株式会社 ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物
JP6621262B2 (ja) 2015-08-06 2019-12-18 藤森工業株式会社 ホットメルト接着性樹脂フィルムおよびその製造方法

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