JPH05112751A - プライマー組成物 - Google Patents

プライマー組成物

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JPH05112751A
JPH05112751A JP3271216A JP27121691A JPH05112751A JP H05112751 A JPH05112751 A JP H05112751A JP 3271216 A JP3271216 A JP 3271216A JP 27121691 A JP27121691 A JP 27121691A JP H05112751 A JPH05112751 A JP H05112751A
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JP
Japan
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copolymer
weight
modified
graft
chlorinated
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Application number
JP3271216A
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English (en)
Inventor
Taku Tokita
田 卓 時
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Priority to JP3271216A priority Critical patent/JPH05112751A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂成形品の表面をトリクレン、1,1,1
−トリクロルエタン等の塩素系有機溶媒によって蒸気洗
浄処理をしなくても、その成形品の表面に下塗りして塗
料の付着性を向上させることができるプライマー組成
物。 【構成】 プロピレンとエチレンおよび炭素数4以上の
α−オレフィンから選ばれる少なくとも1種とのランダ
ム共重合体に、不飽和カルボン酸およびその無水物から
選ばれる少なくとも1種の変性単量体をグラフト共重合
させてなるグラフト変性共重合体を、さらに塩素化して
なる塩素化変性共重合体5〜50重量部と、有機溶媒と
を含むプライマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプライマー組成物に関
し、特に各種の成形品の表面をトリクレン、1,1,1
−トリクロルエタン等の塩素系有機溶媒によって蒸気洗
浄処理をしなくても、その成形品の表面に下塗りして塗
料の付着性を向上させることができるプライマー組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ンの成形品の表面に塗装を施したり、他の樹脂層を形設
したりして、その付加価値を高めることが行われてい
る。しかし、一般にポリオレフィンは極性に乏しく、一
般の塗料や他の樹脂との付着性が悪い。そのため、従来
は、予め成形品の表面をプライマーで処理して該表面へ
の塗料の付着性および密着性を改善することが行われて
いる。
【0003】そこで、本願出願人は、先に、プロピレン
・エチレン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合
させてなるグラフト共重合体をプライマーとして用いる
と、被塗装物および塗料に良好な密着性を有する塗膜を
得ることができることを見出し、これを提案した。(特
公昭59−42693号公報、同62−21027号公
報) さらに、スチレン・共役ジエン・スチレンブロック共重
合体の水素添加物に水酸基を有する変性単量体をグラフ
ト共重合させてなるグラフト変性共重合体がプライマー
として有用であることを見出し、これを提案した(特願
昭63−264446号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記グラフト
変性共重合体を含めて従来のプライマーは、塗料の付着
性および密着性が良好なプライマー塗膜を得るために
は、いずれもプライマー塗膜を形成する表面を1,1,
1−トリクロルエタン等の塩素系有機溶媒で蒸気洗浄す
ることが必要であり、製造および使用時の作業環境を悪
化させ、また、使用する塩素系有機溶媒は、オゾン層破
壊の原因になるという問題があった。
【0005】そこで本発明の目的は、樹脂成形品を1,
1,1−トリクロルエタン、トリクレン等の塩素系有機
溶媒で蒸気洗浄しなくても、該樹脂成形品、特に、ポリ
プロピレン等のポリオレフィンの成形品に塗布して良好
な付着性を有し、十分な剥離強度を有し、さらに塗料の
付着性に優れたプライマー塗膜を得ることができるプラ
イマー組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、第1の態様として、プロピレン含有量9
0〜99モル%である、プロピレンとエチレンおよび炭
素数4以上のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1
種とのランダム共重合体に、不飽和カルボン酸およびそ
の無水物から選ばれる少なくとも1種の変性単量体をグ
ラフト共重合させてなるグラフト変性共重合体を、さら
に塩素化してなる、前記変性単量体の含有量が0.5〜
10重量%であり、かつ塩素含有量10〜35重量%で
ある塩素化変性共重合体5〜50重量部と、有機溶媒9
5〜50重量部とを含むプライマー組成物を提供するも
のである。
【0007】また、本発明は、第2の態様として、プロ
ピレン含有量90〜99モル%である、プロピレンとエ
チレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれ
る少なくとも1種とのランダム共重合体を塩素化してな
る塩素化共重合体に、不飽和カルボン酸およびその無水
物から選ばれる少なくとも1種の変性単量体をグラフト
共重合させてなる、前記変性単量体の含有量が0.5〜
10重量%であり、かつ塩素含有量10〜35重量%で
ある塩素化変性共重合体5〜50重量部と、有機溶媒9
5〜50重量部とを含むプライマー組成物を提供するも
のである。
【0008】前記ランダム共重合体が、示差熱分析によ
り測定される融点が120〜160℃のものであると、
好ましい。
【0009】以下、本発明のプライマー組成物につい
て、詳細に説明する。
【0010】本発明のプライマー組成物を構成する塩素
化変性共重合体の主要構成成分であるランダム共重合体
は、プロピレンとエチレンおよび炭素数4以上のα−オ
レフィンから選ばれる少なくとも1種とのランダム共重
合体である。前記炭素数4以上のα−オレフィンとして
は、例えば、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、
2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1
−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、2−メチル−
1−ペンテン、1−ヘプテン等が挙げられる。
【0011】このランダム共重合体中のプロピレン含有
量は、90〜99モル%、好ましくは95〜99モル%
である。また、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレ
フィンから選ばれる少なくとも1種の含有量は、1〜1
0モル%であり、好ましくは1〜5モル%である。
【0012】また、このランダム共重合体は、示差熱分
析により測定される融点が120〜160℃のものが、
使用する塗料の焼付け温度が高くならず塗膜の劣化等の
問題がない点で、好ましい。
【0013】本発明のプライマー組成物の主要構成成分
である塩素化変性共重合体は、(A)前記ランダム共重
合体に、変性単量体をグラフト共重合させてなるグラフ
ト変性共重合体を、さらに塩素化する工程によって得ら
れるものでもよいし、あるいは(B)前記ランダム共重
合体を塩素化してなる塩素化共重合体に、変性単量体を
グラフト共重合させる工程によって得られるものでもよ
い。
【0014】以下、まず、前記(A)の工程によって塩
素化変性共重合体を製造する方法について説明する。
【0015】グラフト共重合に用いられる変性単量体
は、不飽和カルボン酸およびその無水物から選ばれる少
なくとも1種である。この変性単量体の具体例として
は、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン
酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン酸、ナジ
ック酸、メチルナジック酸、テトラヒドロフタル酸、メ
メチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和ジカルボン酸;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、
無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ナジック
酸、無水メチルナジック酸、無水テトラヒドロフタル
酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和ジカル
ボン酸の無水物などが挙げられる。これらの変性単量体
は、1種単独でも2種以上を組み合わせてランダム共重
合体にグラフト共重合されていてもよい。これらの変性
単量体の中でも、マレイン酸、無水マレイン酸、ナジッ
ク酸、無水ナジック酸が好ましい。
【0016】この変性単量体は、グラフト変性共重合体
中に0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%含有
されるように、上記ランダム共重合体にグラフト共重合
される。
【0017】本発明で用いられるグラフト変性共重合体
の製造は、種々の公知の方法にしたがって行なうことが
できる。例えば、有機溶媒にランダム共重合体を溶解し
て溶液を調製し、これに変性単量体およびラジカル重合
開始剤を添加して攪拌しながら加熱して反応させる方
法;ランダム共重合体を加熱溶融し、変性単量体および
ラジカル重合開始剤を添加して、溶融状態で攪拌しなが
ら反応させる方法;ランダム共重合体、変性単量体およ
びラジカル重合開始剤を押出機に供給して加熱溶融して
押出しながらグラフト共重合させる方法;粉末状のラン
ダム共重合体に、変性単量体およびラジカル重合開始剤
を有機溶媒に溶解してなる溶液を含浸させた後、粉末状
のランダム共重合体が溶融しない温度まで加熱し、グラ
フト共重合させる方法などが挙げられる。
【0018】このとき、ラジカル重合開始剤/変性単量
体の使用割合は、通常、モル比で1/100〜3/5、
好ましくは1/20〜1/2の範囲である。
【0019】上記グラフト共重合に用いられるラジカル
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルペルオキシ
ド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオ
キシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン−
3、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘキシン
−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペル
オキシ)−ヘキサン等の有機ペルオキシド;t−ブチル
ペルアセテート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブ
チルペルフェニルアセテート、t−ブチルペルイソブチ
レート、t−ブチルペル−sec−オクトエート、t−
ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート、t−ブ
チルペルジエチルアセテート等の有機ペルエステル;ア
ゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチロニ
トリル等のアゾ化合物などが挙げられる。これらのうち
では、有機ペルオキシドおよび有機ペルエステルが好ま
しく、特に、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペ
ルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ビチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビ
ス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等の
ジアルキルペルオキシドが好ましい。
【0020】不活性溶媒を用いる場合、その不活性有機
溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族系炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン等の脂肪族系炭化水素;トリクロルエチレ
ン、パークロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられ、これら
の中でも、芳香族系炭化水素が好ましく、特にアルキル
基置換芳香族系炭化水素が好ましい。
【0021】本発明のプライマー組成物の主要構成成分
である塩素化変性共重合体は、以上のようにして得られ
るグラフト変性共重合体を塩素化してなるものである。
【0022】この塩素化変性共重合体の製造は、前記グ
ラフト変性共重合体を適当を溶媒に溶解または分散させ
た状態で、所定の塩素含有量に達するまで塩素ガスを導
入して反応させることにより行なうことができる。この
反応は、通常50〜120℃程度で、約0.5〜5時間
で行なうのが一般的である。また、この反応を効率的に
進行させるために、紫外線や可視光線を照射したり、あ
るいはラジカル発生剤を使用してもよい。
【0023】用いられる溶媒としては、例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラド
デカン等の脂肪族炭化水素;メチルシクロペンタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタ
ン、シクロドデカン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、エチルト
ルエン、トリメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン
等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、四塩化炭素、四臭化炭素、
クロロホルム、ブロモホルム、トリクロロエタン、トリ
クロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化
炭化水素などが挙げられる。これらは1種単独でも2種
以上を組合せても用いられる。
【0024】この塩素化変性共重合体の塩素含有量は、
有機溶媒への溶解が容易であり、得られる溶液中に不溶
分が残存することがないため、塗装外観が良好となり、
また適度な分子量を有するため、凝集力が良好な塗膜が
得られる点で、10〜35重量%であり、好ましくは1
5〜30重量%である。
【0025】また、この塩素化変性共重合体は、デカリ
ン中135℃で測定される極限粘度〔η〕が0.25d
l/gのものが好ましく、特に0.3〜0.75dl/
gのものが好ましい。
【0026】また、本発明のプライマー組成物に用いら
れる塩素化変性共重合体は、前記(A)の工程で得られ
るものに限定されず、(B)前記ランダム共重合体を塩
素化してなる塩素化共重合体に、変性単量体をグラフト
共重合させる工程によって得られるものでもよい。この
塩素化およびグラフト共重合は、前記(A)の工程によ
る塩素化変性共重合体の塩素化およびグラフト共重合と
同様に行うことができる。
【0027】本発明のプライマー組成物は、前記の通り
にして得られる塩素化変性共重合体と、有機溶媒とを含
むものである。
【0028】用いられる有機溶媒としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水
素;シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘ
キサン等の脂環式炭化水素;エタノール、イソプロピル
アルコール等の脂肪族アルコール;アセトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶
媒;トリクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これ
らは1種単独でも2種以上を組み合わせてなる混合系と
して使用してもよい。これらの中でも、芳香族炭化水素
が好ましく、特にアルキル置換芳香族炭化水素が好まし
い。
【0029】本発明のプライマー組成物において、塩素
化変性共重合体と有機溶媒の配合割合は、塩素化変性共
重合体5〜50重量部に対して有機溶媒95〜50重量
部の割合であり、好ましくは塩素化変性共重合体7〜4
5重量部に対して有機溶媒93〜55重量部の割合であ
る。
【0030】さらに、本発明のプライマー組成物は、必
要に応じて酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等の各
種安定剤;カーボンブラック、フェライト等の導電性付
与剤;酸化チタン、有機顔料等の着色剤などを含有して
いてもよい。
【0031】本発明のプライマー組成物は、ポリオレフ
ィンやその他の重合体からなる成形品の表面に塗布し、
その表面への塗料の付着性を改善するために有効であ
る。特に、本発明のプライマー組成物は、例えば、高圧
法ポリエチレン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1−ブテ
ン、ポリスチレン等のα−オレフィン(共)重合体;エ
チレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合
体、プロピレン・ブテン共重合体等のオレフィン共重合
体などからなる成形品に好適に用いることができる。
【0032】さらに、本発明のプライマー組成物は、上
記のオレフィン系重合体やその共重合体以外にも、ポリ
プロピレンと合成ゴムとからなる成形品、ポリアミド樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン・プロピレ
ン・ターポリマーゴム(EPT)等からなる成形品、例
えば、自動車用バンパー等の成形品、さらには、鋼板や
電着処理用鋼板等の表面処理にも適用することができ
る。また、ポリウレタン樹脂、脂肪酸変性ポリエステル
樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂等を主成分とする塗料、プライマー、接着
剤等を塗布した表面に下塗りし、その表面への塗料等の
付着性を改善すると共に、鮮映性、低温衝撃性等にも優
れる塗膜を形成するためにも用いられる。
【0033】また、本発明の塗装方法が適用される成形
品は、上記の各種重合体あるいは樹脂が、射出成形、圧
縮成形、中空成形、押出成形、回転成形等の公知の成形
法のいずれの方法によって成形されたものであってもよ
い。
【0034】本発明のプライマー組成物は、これを適用
する成形品が、タルク、亜鉛華、ガラス繊維、チタン
白、硫酸マグネシウム等の無機充填剤、顔料等が配合さ
れている場合にも、特に塗膜の付着性の良いプライマー
塗膜を形成することができる。
【0035】また、本発明のプライマー組成物を塗布す
る成形品は、上記以外に、種々の安定剤、紫外線吸収
剤、塩酸吸収剤等を含有していてもよい。
【0036】好ましく用いられる安定剤としては、例え
ば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、メタオクタ
デシル−3−(4´−ヒドキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルフェニル)プロピオネート、2,2´−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4´
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4´−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、2,2−チオビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノー
ル)ブタン等のフェノール系安定剤;ジラウリルチオジ
プロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等
のイオウ系安定剤;トリデシルホスファイト、トリノニ
ルフェニルホスファイト等のリン系安定剤などを挙げる
ことができる。
【0037】また、用いられる紫外線吸収剤としては、
例えば、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノ
ン、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェ
ニルアクリレート、パラオクチルフェニルサリチレート
等が挙げられる。
【0038】さらに、塩酸吸収剤としては、例えば、ス
テアリン酸カルシウム等が挙げられる。
【0039】本発明のプライマー組成物を成形品の表面
に適用する方法としては、噴霧塗布が好適であり、例え
ば、スプレーガンにて成形品の表面に吹き付けられる。
成形品への塗布は常温で行なえば良く、塗布した後、自
然乾燥や加熱強制乾燥等、適宜の方法によって乾燥さ
れ、塗膜を形成することができる。
【0040】以上のように、成形品の表面に本発明のプ
ライマー組成物を塗布し、乾燥させた後、該成形品の表
面には、静電塗装、吹き付け塗装、刷毛塗り等の方法に
よって、塗料を塗布することができる。塗料の塗布は、
下塗りした後、上塗りする方法で行なってもよい。塗料
を塗布した後、ニクロム線、赤外線、高周波等によって
加熱する通常の方法に従って塗膜を硬化させて、所望の
塗膜を表面に有する成形品を得ることができる。塗膜を
硬化させる方法は、成形品の材質、形状、使用する塗料
の性状等によって適宜選ばれる。
【0041】また、本発明のプライマー組成物は、付着
性、剥離強度および耐水性に優れる特徴を生かして、上
記の成形品のプライマーとしての用途以外にも、広範囲
の用途に適用可能なものであり、例えば、接着剤や塗料
のための添加剤等の用途にも適用可能であることはもち
ろんである。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
より何ら限定されるものではない。また、以下におい
て、塗膜の物性は下記の方法に従って評価した。
【0043】碁盤目試験 JIS K5400に記載されている碁盤目試験の方法
に準じて、碁盤目を付けた試験片を作成し、セロテープ
(ニチバン(株)製、商品名)を試験片の碁盤目上に張
り付けた後、これを速やかに90°の方向に引っ張って
剥離させ、碁盤目100の内で剥離されなかった碁盤目
の数を数え、付着性の指標とした。
【0044】剥離強度 基材上に塗膜を調製し、1cm幅にカッター刃で基材に
刃が到達するまで切れ目を入れ、端部を剥離させた後、
その剥離した塗膜の端部を50mm/分の速度で180
°の方向に塗膜が剥離するまで引っ張って剥離強度を測
定した。
【0045】耐水性 試験片を40℃の水中に240時間浸漬させた後、碁盤
目試験および剥離試験に供し、付着性の評価および剥離
強度の測定を行って耐水性を評価した。
【0046】(実施例1)反応容器に、ランダムポリプ
ロピレン(エチレン含有量:4.3モル%,示差熱分析
で測定された融点:140℃)をトルエン中に250g
/lの濃度になるように仕込み、140℃に加熱攪拌し
て溶解させた。得られた溶液100重量部に対して、無
水マレイン酸6.3重量部、ジクミルバーオキシド0.
7重量部を、それぞれ4時間かけて温度を140℃に保
ちながら逐次滴下した。滴下終了後、さらに1時間攪拌
しながら反応させた後、冷却して反応を終了させた。反
応終了後、反応混合物にアセトンを加え、生成したグラ
フト変性共重合体を析出、濾別し、十分量のアセトンで
洗浄した後、乾燥してグラフト変性ランダムポリプロピ
レンを得た。
【0047】得られたグラフト変性ランダムポリプロピ
レンの極限粘度〔η〕および無水マレイン酸の含有量
(グラフト量)を測定したところ、それぞれ0.8dl
/g、1.9重量%であった。
【0048】上記に得られたグラフト変性ランダムポリ
プロピレンを、クロロベンゼンに110℃で完全に溶解
させ、温度を保ちながら、光を完全に遮断して、塩素ガ
スを導入して約2時間塩素化反応を行った。次に、反応
混合物に大過剰のメタノールを加えてポリマーを析出、
濾別し、メタノールで繰り返し洗浄した後、減圧乾燥し
て、塩素化変性共重合体を得た。
【0049】得られた塩素化変性共重合体の塩素含有量
を測定したところ、25重量%であった。
【0050】次に、得られた塩素化変性共重合体をトル
エンに溶解し、ポリマー濃度20重量%のトルエン溶液
を調製した。
【0051】得られた塩素化変性共重合体のトルエン溶
液を、イソプロピルアルコールで表面を洗浄したポリプ
ロピレン(X440,三井石油化学工業株式会社製)製
角板に、塗布量が200g /m2 となるように噴霧塗布
した。次に、上塗り塗料(日本ビーケミカル(株)製、
R−271)を乾燥膜厚が40μmになるように塗布し
て塗膜を形成した。室温で10分間放置した後、85℃
のエアオーブンに入れ、30分間焼付処理を行い、試料
を作製した。この試料を、碁盤目試験、剥離強度の測定
および耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
【0052】(実施例2)実施例1で得られたトルエン
溶液を用いて、上塗り塗料を関西ペイント(株)製のソ
フレックス1200に代え、焼付条件を120℃で30
分間に代えた以外は、実施例1と同様にして試料を作製
した。この試料を、碁盤目試験、剥離強度の測定および
耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
【0053】(実施例3〜6)変性共重合体のグラフト
量、前処理の洗浄液、および上塗り塗料の種類を表1に
示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして試
料を作製し、その試料を、碁盤目試験、剥離強度の測定
および耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
【0054】(比較例1)実施例1で得られたトルエン
溶液を用い、1,1,1−トリクロルエタンで30秒間
蒸気洗浄処理を施したポリプロピレン(X440,三井
石油化学工業株式会社製)製角板に、実施例1と同様に
して塗装を施し、試料を作製した。得られた試料を、碁
盤目試験、剥離強度の測定および耐水性の評価に供し
た。結果を表1に示す。
【0055】(比較例2)無水マレイン酸を用いてグラ
フト変性ランダムポリプロピレンを製造した後、塩素化
することなく、トルエン溶液を調製し、これを用いて
1,1,1−トリクロルエチレンで蒸気洗浄処理を施し
たポリプロピレン(X440,三井石油化学工業株式会
社製)製角板に、実施例1と同様にして塗装を施し、試
料を作製した。得られた試料を、碁盤目試験、剥離強度
の測定および耐水性の評価に供した。結果を表1に示
す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明のプライマー組成物は、樹脂成形
品、例えば、ポリプロピレン等のα−オレフィン共重合
体、合成ゴム、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂等、あるいはこれらの複合樹脂等の各種
の樹脂からなる成形品との付着性に優れるため、これら
の成形品の表面に塗布して十分な剥離強度および密着性
を有する塗膜を得ることができるとともに、有機溶媒を
含有しない水系であるため、作業環境を良好に保つこと
ができる、プライマーとして好適なものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン含有量90〜99モル%であ
    る、プロピレンとエチレンおよび炭素数4以上のα−オ
    レフィンから選ばれる少なくとも1種とのランダム共重
    合体に、不飽和カルボン酸およびその無水物から選ばれ
    る少なくとも1種の変性単量体をグラフト共重合させて
    なるグラフト変性共重合体を、さらに塩素化してなる、
    前記変性単量体の含有量が0.5〜10重量%であり、
    かつ塩素含有量10〜35重量%である塩素化変性共重
    合体5〜50重量部と、有機溶媒95〜50重量部とを
    含むプライマー組成物。
  2. 【請求項2】プロピレン含有量90〜99モル%であ
    る、プロピレンとエチレンおよび炭素数4以上のα−オ
    レフィンから選ばれる少なくとも1種とのランダム共重
    合体を塩素化してなる塩素化共重合体に、不飽和カルボ
    ン酸およびその無水物から選ばれる少なくとも1種の変
    性単量体をグラフト共重合させてなる、前記変性単量体
    の含有量が0.5〜10重量%であり、かつ塩素含有量
    10〜35重量%である塩素化変性共重合体5〜50重
    量部と、有機溶媒95〜50重量部とを含むプライマー
    組成物。
  3. 【請求項3】前記ランダム共重合体が、示差熱分析によ
    り測定される融点が120〜160℃のものである、請
    求項1または2に記載のプライマー組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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