JP2984335B2 - 水分散体 - Google Patents

水分散体

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JP2984335B2
JP2984335B2 JP2205579A JP20557990A JP2984335B2 JP 2984335 B2 JP2984335 B2 JP 2984335B2 JP 2205579 A JP2205579 A JP 2205579A JP 20557990 A JP20557990 A JP 20557990A JP 2984335 B2 JP2984335 B2 JP 2984335B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は水分散体に関し、特に各種の樹脂成形品に下
塗りして成形品の表面への塗料の付着性を向上させるこ
とができるとともに、有機溶媒を含有しないため、作業
環境を良好に保つことができる、プライマーとして好適
な水分散体に関する。
<従来の技術> 従来、ポリプロピレン等のポリオレフィンの成形品の
表面に塗装を施したり、他の樹脂層を形設したりして、
その付加価値を高めることが行われている。しかし、一
般にポリオレフィンは、極性に乏しく、一般の塗料や他
の樹脂との付着性が悪い。そのため、従来は予め成形品
の表面を、プライマーで処理して塗料の付着性および密
着性を改善することが行なわれている。
そこで、プライマーなしで直接成形品等に1回塗り可
能な塗料のバインダーとして使用するものとして、不活
性溶媒中でスチレン・ブタジエンブロック共重合体の水
素添加物の存在下に(メタ)アクリル酸エステル、特に
水酸基を有するビニル単量体を重合して得られる塗料用
樹脂組成物が提案されている。(特開昭63−51477号公
報) <発明が解決しようとする課題> しかし、前記特開昭63−51477号公報に記載された塗
料用樹脂組成物を用いても、得られる塗膜は、剥離強度
が十分なものではない。また、その組成物を含めて従来
のプライマーは、いずれも有機溶媒を含有または有機溶
媒に溶解して使用するものであるため、製造および使用
時の作業環境を悪化させる原因となるという問題があ
る。
そこで本発明の目的は、樹脂成形品、例えば、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン等の各種の樹脂からなる成
形品との付着性に優れるため、これらの成形品の表面に
塗布して十分な剥離強度および密着性を有する塗膜を得
ることができ、さらに有機溶媒を含有しない水系である
ため、作業環境を良好に保つことができる、プライマー
として好適な水分散体を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は、前記課題を解決するために、スチレン・ブ
タジエンブロック共重合体またはその水素添加物に、モ
ノオレフィンジカルボン酸およびその無水物並びにモノ
オレフィンジカルボン酸のモノアルキルエステルから選
ばれる少なくとも1種を0.025〜25重量%を含むように
グラフト共重合させてなる変性共重合体を、さらに塩素
化して得られる塩素含有率10〜50重量%の塩素化変性共
重合体を水に分散させてなる水分散体であって、該塩素
化変性共重合体5〜70重量部に対して、水95〜30重量部
を含む水分散体を提供するものである。
以下、本発明の水分散体について、詳細に説明する。
本発明の水分散体の主成分である塩素化変性共重合体
またはその水素添加物は、スチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合体にモノオレフィンジカルボン酸およびその無
水物並びにモノオレフィンジカルボン酸のモノアルキル
エステルから選ばれる少なくとも1種をグラフト共重合
させてなる変性共重合体を、さらに塩素化してなるもの
である。
この塩素化変性共重合体の主要構成成分であるスチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体は、分子中に、1個以
上のスチレンに由来する繰返し構造単位であるスチレン
重合体ブロック(S)と、1個以上のブタジエンに由来
する繰返し構造単位であるブタジエン重合体ブロック
(B)とを有する共重合体であり、例えば、下記式: S−B (ここで、nは1以上の整数である) で表わされる構造を有するものである。
このスチレン・ブタジエンブロック共重合体は、例え
ば、米国特許第3,265,765号明細書、特開昭61−192743
号公報等に記載されている方法によって製造されるもの
などが挙げられる。このスチレン・ブタジエンブロック
共重合体の具体例として、クレイトン1101や1102(いず
れもシェル化学社製)として市販されているものなどが
挙げられる。
また、このスチレン・ブタジエンブロック共重合体の
水素添加物は、例えば、特公昭43−6636号公報、特公昭
45−20504号公報、特公昭48−3555号公報等に記載され
ている方法によって製造されているものなどが挙げられ
る。このスチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素
添加物の具体例として、クレイトンG−1652(シェル化
学社製)として市販されているものなどが挙げられる。
これらのスチレン・ブタジエンブロック共重合体また
はその水素添加物は、本発明の水分散体の塗膜の剥離強
度および固形分濃度の点から、テトラヒドロフランを溶
媒として、40℃でゲルパーミエーション・クロマトグラ
フィーによって測定される数平均分子量が1×104〜18
×104であるものが好ましく、特に1.5×104〜12×104
あるものが好ましい。また、スチレン含有量は、本発明
の水分散体の塗膜の付着性、剥離強度、低温特性、べた
つき性等の点から、10〜60重量%であることが好まし
く、特に12〜55重量%であることが好ましい。
本発明で用いられる変性共重合体を得るために、前記
のようなスチレン・ブタジエンブロック共重合体または
その水素添加物に、グラフト共重合されるグラフト共重
合単位は、モノオレフィンジカルボン酸およびその無水
物並びにモノオレフィンジカルボン酸のモノアルキルエ
ステルから選ばれる少なくとも1種である。該モノオレ
フィンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、シ
トラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、3−メチル−
2−ペンテン・二酸、2−メチル−2−ペンテン・二
酸、2−ヘキセン・二酸等が挙げられる。また、これら
のモノオレフィンジカルボン酸の無水物およびそのカル
ボキシル基の1つがアルキルアルコールによりエステル
化されたもの、すなわちモノオレフィンジカルボン酸の
モノアルキルエステルも同様に挙げられる。モノオレフ
ィンジカルボン酸のモノアルキルエステルにおいては、
エステル比率(完全ジエステル比率を200%とする)
が、水性分散体が十分な貯蔵安定性を有し、良好な耐水
性を有する塗膜が得られる点で、好ましくは45〜100
%、さらに好ましくは80〜100%であるものが望まし
い。また、モノアルキルエステルのアルキル基として
は、CnH2n+1の一般式で表わされるものであり、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、イソプロピル基等が挙げられる。
本発明で用いられる変性共重合体の内で、グラフト共
重合単位としてモノオレフィンジカルボン酸モノアルキ
ルエステルを有する変性共重合体は、例えば、モノオレ
フィンジカルボン酸モノアルキルエステルをスチレン・
ブタジエンブロック共重合体にグラフト共重合する方
法;モノオレフィンジカルボン酸もしくはその無水物
を、スチレン・ブタジエンブロック共重合体にグラフト
共重合させた後に、アルキルアルコールによりカルボン
酸基の1つをエステル化する方法等によって得ることが
できる。
変性共重合体中におけるモノオレフィンジカルボン
酸、その無水物およびモノオレフィンジカルボン酸モノ
アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種のグラフ
ト共重合単位のグラフト量、すなわち変性共重合体中の
含有量が、プライマーとして成形品に塗布して塗料の付
着性が高い塗膜が得られ、また、該塗膜と成形品との付
着性も良好で、外観が良好となる点で、0.025〜25重量
%、好ましくは1〜15重量%となるようにグラフト共重
合される。
前記スチレン・ブタジエンブロック共重合体にモノオ
レフィンジカルボン酸、モノオレフィンジカルボン酸無
水物、モノオレフィンジカルボン酸モノアルキルエステ
ル等のグラフト共重合単位をグラフト共重合させる方法
としては、種々の公知の方法が挙げられる。例えば、ス
チレン・ブタジエンブロック共重合体を有機溶媒に溶解
し、前記グラフト共重合単位およびラジカル重合開始剤
を添加して加熱撹拌することによりグラフト共重合反応
を行なう方法;スチレン・ブタジエンブロック共重合体
を加熱して溶融し、該溶融物にグラフト共重合単位およ
びラジカル重合開始剤を添加し撹拌することによグラフ
ト共重合する方法;あるいは各成分を押出機に供給して
加熱混練しながらグラフト共重合する方法;スチレン・
ブタジエンブロック共重合体のパウダーに前記グラフト
共重合単位およびラジカル重合開始剤を有機溶媒に溶解
した溶液を含浸させた後、パウダーが溶解しない温度ま
で加熱し、グラフト共重合する方法などが挙げられる。
このとき、ラジカル重合開始剤/グラフト共重合単位
の使用割合は、通常、モル比で、1/100〜3/5、好ましく
は1/20〜1/2の範囲である。
反応温度は、50℃以上、特に80〜200℃の範囲が好適
であり、反応時間は2〜10時間程度である。
上記グラフト共重合に用いられるラジカル重合開始剤
としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクロル
ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−
t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペ
ルオキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(t
−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイ
ルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)−ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサン等の有機ペルオキ
シド;t−ブチルペルアセテート、t−ブチルペルペンゾ
エート、t−ブチルペルフェニルアセテート、t−ブチ
ルペルイソブチレート、t−ブチルペル−sec−オクト
エート、t−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレ
ート、t−ブチルペルジエチルアセテート等の有機ペル
エステル;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾ
イソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。こ
れらのうちでは、有機ペルオキシドおよび有機ペルエス
テルが好ましく、特に、ジクミルペルオキシド、ジ−t
−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス
(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のジ
アルキルペルオキシドが好ましい。
有機溶媒を用いる場合、その有機溶媒の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水
素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族
系炭化水素;トリクロルエチレン、パークロルエチレ
ン、ジクロルエチレン、クロルベンゼン等のハロゲン化
炭化水素などが挙げられ、これらの中でも、芳香族系炭
化水素が好ましく、特にアルキル基置換芳香族系炭化水
素が好ましい。
本発明の水分散体は、前記のようにして得られる変性
共重合体をさらに塩素化して得られる塩素化変性共重合
体を主成分とするものである。この塩素化変性共重合体
は、溶媒に溶解し易く、後記の溶媒置換法による水分散
体の製造が容易であり、プライマーとして成形品に塗布
して塗料の付着性が高い塗膜が得られ、かつ該塗膜と成
形品と付着性が良好である水分散体が得られる点で、塩
素含有量が10〜50重量%、好ましくは12〜30重量%のも
のである。また、この塩素化変性共重合体の溶液粘度
(25℃)は、通常、100〜10000cps、好ましくは200〜50
00cps程度である。
この塩素化変性共重合体の製造は、前記変性共重合体
を適当な有機溶媒に溶解または分散させた後、塩素ガス
と反応させることによって行なうことができる。この反
応は、通常、50〜120℃程度で、約0.5〜5時間で行なう
のが一般的である。また、反応を効率的に進行させるた
めに、紫外線や可視光線を照射したり、あるいはラジカ
ル発生剤を使用してもよい。
用いられる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラドデカン
等の脂肪族炭化水素;メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シク
ロドデカン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルンエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、エチルトルエ
ン、トリメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等の
芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o
−ジクロロベンゼン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロ
ホルム、ブロモホルム、トリクロロエタン、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン
等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらは1
種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明の水分散体は、以上のようにして得られる塩素
化変性共重合体を水に分散させて得られる。塩素化変性
共重合体を水に分散させて、本発明の水分散体を製造す
る方法としては、例えば、該塩素化変性共重合体、水お
よび界面活性剤を一括して混合して乳化させるドラム乳
化法;予め粉砕しておいた塩素化変性共重合体を界面活
性剤とともに水中に投入して分散させる粉砕法;有機溶
媒に溶解した塩素化変性共重合体と界面活性剤および水
とを混合した後、有機溶媒を除去する溶媒置換法;ホモ
ミキサーを用いて分散を行なうホモミキサー法;転相法
等が挙げられ、使用する塩素化変性共重合体の物性等に
応じて適宜選択される。
用いられる界面活性剤としては、非イオン系およびア
ニオン系界面活性剤を挙げることができる。非イオン系
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミンエーテル等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、高
級アルコール硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合
物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート
等が挙げられ、特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムが好ましい。
この界面活性相の使用量は、塩素化変性共重合体の分
散状態が良好で、かつ得られる水分散体の成形品との密
着性が良好となる点で、通常、塩素化変性共重合体に対
して0.05〜10重量%程度が好ましく、特に0.1〜7重量
%程度が好ましい。
本発明の水分散体中における塩素化変性共重合体と水
の配合割合は、塩素化変性共重合体5〜70重量部に対し
て、水95〜30重量部の割合の範囲の中で、適宜選択され
る。特に、本発明の水分散体を噴霧塗布する場合には、
塗布面に塗りむらが生じにくく、塗膜の付着性のばらつ
きが生じにくく、また、形成される塗膜の層が厚くなら
ないため、例えば、プライマーとして使用した場合に塗
装後の塗膜の平滑性が良好となる点で3〜45重量%が好
ましい。
また、本発明の水分散体には、必要に応じて、増粘
剤、塩基性物質、消泡剤等を添加することもできる。さ
らに、塗布される素材との濡れ性を改善するために、必
要に応じて少量の有機溶媒を添加してもよい。
増粘剤としては、例えば、アルギン酸アンモニウム、
アルギン酸ナトリウム、ベントナイトクレー等の鉱物性
増粘剤;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ア
ンモニウム、アクリルエマルジョンコポリマー架橋アク
リルエマルジョンコポリマー等のアクリル酸系増粘剤;
カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース等の繊維素誘導体等を挙げることができ、特
にカルボキシメチルセルロースが好ましい。
消泡剤としては、例えば、ヒマシ油、大豆油、アマニ
油等の植物油;スピンドル油、流動パラフィン等の鉱物
油;ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;オレイルア
ルコール、ポリオキシアルキレングリコール、オクチル
アルコール等のアルコール類;エチレングリコールジス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート等の脂肪酸エステル;トリブチルホスフェート、ナ
トリウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル;ポ
リオキシアルキレンアミド等のアミド類;ステアリン酸
アルミニウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸カル
シウム等の金属石鹸;ジメチルシリコン、ポリエーテル
変性シリコン等のシリコン類;ジアミルアミン、ポリオ
キシプロピレンアルキルアミン等のアミン類等が挙げら
れる。
さらに、本発明の水分散体は、上記以外に、必要に応
じて酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等の各種安定
剤;酸化チタン、有機顔料等の着色剤;カーボンブラッ
ク、フェライト等の導電性付与剤などを含有していても
よい。
本発明の水分散体は、α−オレフィン共重合体やその
他の重合体からなる成形品の表面に塗布し、その表面へ
の塗料の付着性を改善するためのプライマー等として用
いることができる。
特に、本発明の水分散体は、例えば、高圧法ポリエチ
レン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−
4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1−ブテン、ポリス
チレン等のα−オレフィン共重合体;エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン
・ブテン共重合体等のオレフィン共重合体などからなる
成形品に好適に用いることができる。
さらに、本発明の水分散体は、上記のα−オレフィン
共重合体やその共重合体以外にも、ポリプロピレンと合
成ゴムとからなる成形品、ポリアミド樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂等からなる成形品、例えば、自動車用
バンパー等の成形品、さらには、鋼板や電着処理用鋼板
等の表面処理にも用いることができる。
また、ポリウレタン樹脂、脂肪酸変性ポリエステル樹
脂、オイルフリーポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂等を主成分とする塗料、プライマー、接着剤
等を塗布した表面に下塗りし、その表面への塗料等の付
着性を改善すると共に、鮮映性、低温衝撃性等にも優れ
る塗膜を形成するためにも用いられる。
また、本発明の水分散体が適用される成形品は、上記
の各種重合体あるいは樹脂が、射出成形、圧縮成形、中
空成形、押出成形、回転成形等の公知の成形法のいずれ
の方法によって成形されたものであってもよい。
本発明の水分散体は、これを適用する成形品が、タル
ク、亜鉛華、ガラス繊維、チタン白、硫酸マグネシウム
等の無機充填剤、顔料等が配合されている場合にも、特
に塗膜の付着性の良いプライマー塗膜を形成することが
できる。
また、本発明の水分散体を塗布する成形品は、上記以
外に、種々の安定剤、紫外線吸収剤、塩酸吸収剤等を含
有していてもよい。
好ましく用いられる安定剤としては、例えば、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒ
ドロシンナメート)]メタン、メタオクタデシル−3−
(4′−ヒドキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プ
ロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,
5−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェノール)ブタン等のフェノール不安定剤;ジラ
ウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロ
ピオネート等のイオウ系安定剤;トリデシルホスファイ
ト、トリノニルフェニルホスファイト等のリン系安定剤
などを挙げることができる。
また、用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−エ
チルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレ
ート、パラオクチルフェニルサリチレート等が挙げられ
る。
塩酸吸収剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウ
ム等が挙げられる。
本発明の水分散体を成形品の表面に適用する方法とし
ては、噴霧塗布が好適であり、例えば、スプレーガンに
て成形品の表面に吹き付けられる。成形品への塗布は常
温で行なえば良く、塗布した後、自然乾燥や加熱強制乾
燥等、適宜の方法によって乾燥され、塗膜を形成するこ
とができる。
以上のように、成形品の表面に本発明の水分散体を塗
布し、乾燥させた後、該成形品の表面には、静電塗装、
吹き付け塗装、刷毛塗り等の方法によって、塗料を塗布
することができる。
塗料の塗布は、下塗りした後、上塗りする方法で行な
ってもよい。塗料を塗布した後、ニクロム線、赤外線、
高周波等によって加熱する通常の方法に従って塗膜を硬
化させて、所望の塗膜を表面に有する成形品を得ること
ができる。塗膜を硬化させる方法は、成形品の材質、形
状、使用する塗料の性状等によって適宜選ばれる。
また、本発明の水分散体は、付着性、剥離強度および
耐水性に優れる特徴を生かして、上記の成形品のプライ
マーとしての用途以外にも、広範囲の用途に適用可能な
ものであり、例えば、接着剤や塗料のための添加剤等の
用途にも適用可能であることはもちろんである。
<実施例> 以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら
限定されるものではない。また、以下において、塗膜の
物性は下記の方法に従って評価した。
碁盤目試験 JIS K5400に記載されている碁盤目試験の方法に準じ
て、碁盤目を付けた試験片を作成し、セロテープ(ニチ
バン(株)製、商品名)を試験片の碁盤目上に張り付け
た後、これを速やかに90゜の方向に引っ張って剥離さ
せ、碁盤目100の内で剥離されなかった碁盤目の数を数
え、付着性の指標とした。
剥離強度 基材上に塗膜を調製し、1cm幅にカッター刃で基材に
刃が到達するまで切れ目を入れ、端部を剥離させた後、
その剥離した塗膜の端部を50mm/分の速度で180゜の方向
に塗膜が剥離するまで引っ張って剥離強度を測定した。
耐水性 試験片を40℃の水中に240時間浸漬させた後、碁盤目
試験に供し、付着性を評価する。
(実施例1) 撹拌装置を備えた容量1.5の加圧反応容器に、スチ
レン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(シェ
ル化学社製、クレイトンG−1652、数平均分子量:8.8×
104、スチレン含有量:31重量モル%)250重量部および
トルエン500重量部を仕込み、撹拌しながら加熱して145
℃まで昇温して、スチレン・ブタジエンブロック共重合
体の水素添加物を溶解させた。無水マレイン酸23gをト
ルエン100mlに溶解してなる溶液、およびジ−t−ブチ
ルパーオキシド8gをトルエン50mlに溶解してなる溶液
を、同時に4時間掛けて滴下した。滴下終了後、温度を
145℃に保って2時間反応させた。反応終了後、反応混
合物に大過剰のアセトンを加えてポリマーを析出、別
し、アセトンで繰返し洗浄した後、減圧乾燥して変性共
重合体を得た。
得られた変性共重合体の無水マレイン酸の含有量(グ
ラフト量)を測定したところ、4.1重量%であった。
上記に得られた変性共重合体を、クロロベンゼン溶媒
中、110℃に加熱して完全に溶解させ、温度を保ちなが
ら、光を完全に遮断し、塩素ガスを供給して、約2時間
反応させた。得られた反応混合物に大過剰のメタノール
を加えて、反応生成物を析出させ、これを別し、メタ
ノールで繰返し洗浄した後、減圧乾燥して塩素化変性共
重合体を得た。
得られた塩素化変性共重合体の塩素含有量を測定した
ところ、30重量%であった。
次に、得られた塩素化変性共重合体をトルエンに溶解
し、ポリマー濃度125g/の溶液を調製した。このポリ
マー溶液500g、蒸留水500gおよびドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム(花王(株)製、ネオペレックスF−
25)1.44gを、回転数10000rpmで15分間各撹拌して混合
させた。次いで、ポリアクリル酸(和光純薬(株)製、
ハイビスワコー304)0.72gを加え、撹拌、混合して乳化
液を得た。得られた乳化液中のトルエンをエバポレータ
ーで減圧留去し、ポリマー濃度20重量%の水分散体を得
た。
この水分散体を、1,1,1−トリクロルエタン蒸気で洗
浄したポリプロピレン(X440,三井石油化学工業株式会
社製)製角板に、塗布量が200g/m2となるように噴霧塗
布した。次に、この角板をエアオーブン中で100℃で30
分間加熱乾燥させた後、碁盤目試験および耐水性の評価
に供した。結果を表1に示す。
(実施例2) 実施例1と同様に、ポリプロピレン製角板に水分散体
を塗布、乾燥した後、さらにウレタン系塗料(日本ビー
ケミカル(株)製、R−271)を乾燥膜厚60μmになる
ように上塗りした。
室温で10分間放置した後、100℃のエアオーブン中で3
0分間焼付を行ない、塗膜試料を得た。
得られた塗膜試料を碁盤目試験、剥離強度の測定およ
び耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例3) 実施例1で製造した変性共重合体のトルエン溶液300m
lに、メタノール5.8mlを添加し、145℃で2時間加熱、
撹拌して反応させ、マレイン酸モノメチルエステルグラ
フト変性スチレン・ブタジエンブロック共重合体のトル
エン溶液を得た。
得られたマレイン酸モノメチルエステルグラフト変性
スチレン・ブタジエンブロック共重合体の赤外線吸収ス
ペクトルを測定し、そのエステル比率を求めたところ、
エステル比率100%のマレイン酸モノメチルエステルが
グラフト共重合されていることが確認された。次いで、
このマレイン酸モノメチルエステルグラフト変性スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体を用いて、実施例1と
同様にして塩素化し、さらに実施例1と同様にしてポリ
マー濃度20重量%の水分散体を調製した。得られた水分
散体を用いて、実施例2と同様にして、塗膜試料を作製
し、これを碁盤目試験、剥離強度の測定および耐水性の
評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例4) ポリプロピレン製角板の代わりに、ガラス繊維強化ナ
イロンを射出成形して得られた成形品を用いた以外は、
実施例2と同様にして、塗膜試料を作製し、これを碁盤
目試験、剥離強度の測定および耐水性の評価に供した。
結果を表1に示す。
(比較例1) 無水マレイン酸によるグラフト変性をしない以外は、
実施例1と同様にして水分散体を調製した。得られた水
分散体を用いて実施例2と同様にして塗膜試料を作製
し、碁盤目試験、剥離強度の測定および耐水性の評価に
供した。結果を表1に示す。
(比較例2) 実施例1で製造した変性共重合体を塩素化しない以外
は、実施例1と同様にして、水分散体を調製し、これを
用いて実施例2と同様にして塗膜試料を作製し、碁盤目
試験、剥離強度の測定および耐水性の評価に供した。結
果を表1に示す。
剥離強度:g/10mm 注 表中の「−」は測定を行わなかったことを示す。
碁盤目試験:碁盤目100当りの剥離されなかった碁盤目
の数 <発明の効果> 本発明の水分散体は、樹脂成形品は例えば、ポリプロ
ピレン等のα−オレフィン共重合体、合成ゴム、不飽和
ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等、あ
るいはこれらの複合樹脂等の各種の樹脂からなる成形品
との付着性に優れるため、これらの成形品の表面に塗布
して十分な剥離強度および密着性を有する塗膜を得るこ
とができるとともに、有機溶媒を含有しない水系である
ため、作業環境を良好に保つことができる、プライマー
として好適なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 3/03 C08L 51/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン・ブタジエンブロック共重合体ま
    たはその水素添加物に、モノオレフィンジカルボン酸お
    よびその無水物並びにモノオレフィンジカルボン酸のモ
    ノアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種を0.02
    5〜25重量%含むようにグラフト共重合させてなる変性
    共重合体を、さらに塩素化して得られる塩素含有率10〜
    50重量%の塩素化変性共重合体を水に分散させてなる水
    分散体であって、該塩素化変性共重合体5〜70重量部に
    対して、水95〜30重量部を含む水分散体。
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