JPH1129673A - 水分散体及びその用途 - Google Patents

水分散体及びその用途

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JPH1129673A
JPH1129673A JP9183290A JP18329097A JPH1129673A JP H1129673 A JPH1129673 A JP H1129673A JP 9183290 A JP9183290 A JP 9183290A JP 18329097 A JP18329097 A JP 18329097A JP H1129673 A JPH1129673 A JP H1129673A
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JP
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copolymer
aqueous dispersion
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modified copolymer
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Application number
JP9183290A
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English (en)
Inventor
Tadao Saito
忠雄 斉藤
Taku Tokita
卓 時田
Kunihiko Yorihiro
邦彦 頼広
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】樹脂成形品、特にポリオレフィンに密着性が良
好な水系分散体の提供。 【解決手段】変性共重合体(A)10〜90重量部に対
して、(B)及び(C)から選ばれる変性共重合体を9
0〜10重量部含有する水分散体。 (A)α−オレフィン共重合体に、モノオレフィンジカ
ルボン酸及びその無水物ならびにモノオレフィンジカル
ボン酸のモノアルキルエステルから選ばれる少なくとも
1種を0.5〜15重量%グラフト共重合した変性共重
合体。 (B)ポリスチレン−ポリ共役ジエン−ポリスチレンの
トリブロック共重合体またはその水添物に、水酸基を有
するα、β−不飽和ビニル単量体をグラフト共重合させ
てなる変性共重合体。 (C)α−オレフィン共重合体に水酸基を有するα、β
−不飽和ビニル単量体を0.1〜25重量%含むように
グラフト共重合させてなる変性共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分散体に関し、
特に成形品に下塗して成形品の表面への塗料の付着性を
向上させることが出来る水分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン等のポリオレフィンの成
形品の表面に塗料を塗布したり、他の樹脂層を形成し
て、その付加価値を高めることが行なわれている。とこ
ろで、ポリオレフィンは極性が小さく、塗料との付着性
が悪いので、予めクロム酸処理、火炎処理、コロナ処
理、プラズマ処理、溶剤処理などの方法によってポリオ
レフィン成形品の表面の塗料に対する付着性を改良する
ことが行なわれている。しかし、これらの方法では複雑
な処理を要したり、腐食性の薬品を使用するので危険を
ともない、又、安定した付着力を得るためには厳しい工
程管理が必要であるという欠点を有している。
【0003】これらの欠点を改良する有効な方法とし
て、成形品表面を下塗剤等で処理する方法があり、その
下塗剤として各種の組成物が提案されている。本出願人
は、先に、特定のプロピレン・エチレン共重合体のマレ
イン酸またはその無水物をグラフトしてなる変性体を有
機溶媒に溶解してなる表面処理剤(特公昭62−210
27号)を提案した。また、X線回折による結晶化度が
20%以下のα−オレフィン共重合体にモノオレフィン
ジカルボン酸モノアルキルエステルを0.5ないし15
重量%グラフト共重合した変性重合体を有機溶媒に溶解
してなることを特徴とする表面処理剤(特公昭61−1
1250号)を提案した。また、スチレン・ブタジエン
ブロック共重合体またはその水素添加物を水酸基を有す
るα、β−不飽和ビニル単量体を0.05〜25重量%
グラフト共重合した変性変性重合体を有機溶媒に溶解し
てなることを特徴とする表面処理剤(特公平2−110
168号)を提案した。
【0004】また水分散体として、特定のプロピレン・
エチレン共重合体のマレイン酸またはその無水物を0.
5〜15重量%グラフトした変性体を水分散体としてな
る表面処理剤(特開平4−39350号)を提案した。
また、スチレン・ブタジエンブロック共重合体またはそ
の水素添加物を水酸基を有するα、β−不飽和ビニル単
量体を0.05〜25重量%グラフト共重合した変性重
合体を水分散体としてなることを特徴とする表面処理剤
(特開平4−39314号)を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
工場内の作業環境を良好に保つために揮発性有機溶媒の
使用量を低下させることが望まれている。そこで、本発
明の目的は、この様な要求に答えるために良好な密着性
及び耐水性などの二次密着性を保持しつつ貯蔵安定性の
良好な、有機溶媒を含有しないために工場内の作業環境
を悪化させる原因とならない、下塗剤として好適な水分
散体を提供することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明はこのような要求
に答えるために良好な密着性及び耐水性、貯蔵安定性を
保持したまま、用いる下塗剤を水分散体にしたことを特
徴とする表面処理剤を提供するものである。すなわち、
本発明は変性共重合体(A)10〜90重量部に対して
(B)及び(C)から選ばれる少なくとも1種の変性共
重合体を90〜10重量部含有する水分散体である。
(A)はX線回析による結晶化度が20%以下のα−オ
レフィン共重合体に、モノオレフィンジカルボン酸及び
その無水物ならびにモノオレフィンジカルボン 酸のモ
ノアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種を0.
5〜15重量%グ ラフト共重合した変性共重合体であ
る。(B)はポリスチレン−ポリ共役ジエン−ポリスチ
レンのトリブロック共重合体またはその水添物に、水酸
基を有するα、β−不飽和ビニル単量体を0.1〜25
重量%含むようにグラフト共重合させてなる変性重合体
である。(C)はα−オレフィン共重合体に水酸基を有
するα、β−不飽和ビニル単量体を0.1〜25重量%
含むようにグラフト共重合させてなる変性共重合体であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】(変性共重合体(A)に用いられる原料共
重合体)本発明の水分散体の主成分の1つである変性重
合体(A)の原料となるα−オレフィン共重合体は、エ
チレン・プロピレン共重合体、あるいはエチレンまたは
プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体である。
該他のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン等が挙げられる。これらのα−オレフ
ィン共重合体としては、エチレンおよびプロピレンと他
のα−オレフィンの3元共重合体が用いられてもよい。
【0008】また、この共重合体は、X線回折による結
晶化度が20%以下、好ましくは2〜20%、特に好ま
しくは、5〜18%の範囲のものである。結晶化度が2
0%以下であると、有機溶媒に溶解しやすく、溶液変性
によるグラフト重合が可能であり、又、後述の溶媒置換
法による水分散体への変換が容易であるので好ましい。
結晶化度が20%以下のものであれば共重合体を構成す
るα−オレフィンの種類は特に限定されないが、それら
の中でもエチレン・プロピレン共重合体及び、プロピレ
ン・ブテン・エチレン共重合体が好ましい。プロピレン
含量は90〜10モル%、特に80〜40モル%が好ま
しい。これらの共重合体の分子量は極限粘度[η](1
35℃、溶媒:デカリン)が0.3〜20dl/g、特
には0.3〜12dl/gの範囲にあるものが好まし
い。
【0009】(変性共重合体(A)に用いられるグラフ
トモノマー)本発明で用いられる変性重合体(A)に於
て、前記α−オレフィン共重合体にグラフト共重合され
るグラフト共重合単位は、モノオレフィンジカルボン酸
及びその無水物ならびにモノオレフィンジカルボン酸の
モノアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種であ
る。モノオレフインジカルボン酸としては、例えばマレ
イン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、3
−メチル−2−ペンテン・二酸、2−メチル−2ペンテ
ン・二酸、2−ヘキセン・二酸等が挙げられる。また、
これらの無水物及びカルボキシル基の1つがアルキルア
ルコールによりエステル化されたものも同様でに使用で
きる。
【0010】この際エステル化率(完全ジエステル化率
を200%とする)は45〜100%、好ましくは80
〜100%である。エステル化率が45%以上、特には
80%以上であると、変性共重合体の貯蔵安定性が良好
であり、また、100%以下であると、耐水性が良好で
ある。前記アルキル基とはCn2n+1 の一般式で表わさ
れるもので例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、イソプロピル基等である。このモノ
オレフィンジカルボン酸モノアルキルエステルグラフト
変性共重合体は例えば、モノオレフィンジカルボン酸モ
ノアルキルエステルをα−オレフィン共重合体にグラフ
ト共重合する方法、モノオレフィンジカルボン酸もしく
はその無水物を、α−オレフィン共重合体にグラフト共
重合した後に、アルキルアルコールによりカルボン酸基
の1つをエステル化する方法等によって得ることができ
る。
【0011】グラフト量、即ち、変性共重合体(A)に
おいて、モノオレフィンジカルボン酸、その無水物及び
モノオレフインジカルボン酸モノアルキルエステルの変
性共重合体Aに占める割合は、0.5ないし15重量
%、特には3ないし10重量%が好ましい。塗料等との
付着性、耐揮発油性の点から0.5重量%以上、特に3
重量%以上であることが好ましい。また、グラフト量が
15重量%以下であると、グラフト変性共重合体の
[η]の減少の度合いが少なくなるため、凝集力の低下
や塗膜の耐水性の低下を避けることができる。このグラ
フト変性共重合体の結晶化度は未変性のα−オレフィン
共重合体の結晶化度に比べ殆ど変化しないかわずかに小
さくなる程度である。
【0012】(変性共重合体(B)に用いられる原料共
重合体)変性共重合体(B)に用いられるポリスチレン
−ポリ共役ジエン−ポリスチレンのトリブロック共重合
体、またはその水添物としては、1個以上のスチレンに
由来する繰り返し構造単位であるスチレン重合体ブロッ
クと、1個以上の共役ジエンに由来するポリ共役ジエン
を含む共重合体であり、共役ジエンとしてはブタジエ
ン、イソプレンが望ましい。これらのトリブロック共重
合体ないしその水添物の製法としては、例えばUSP
3,265,765号明細書、特開昭61−19274
3号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭45−
20504号公報、特公昭48−3555号公報等に記
載の方法を挙げることができる。ポリスチレン−ポリブ
タジエン−ポリスチレン共重合体の具体例としては、ク
レイトン1101や1103(いずれもシェル化学
製)、またこのポリスチレン−ポリブタジエン−ポリス
チレン共重合体の水添物としては、たとえばクレイトン
G−1652が挙げられる。ポリスチレン−ポリイソプ
レン−ポリスチレン共重合体としてはクラプレンLIR
−300、LIR−310(いずれもクラレ製)、また
その水添物としてはセフトン2002、2003(いず
れもクラレ製)が挙げられる。また上記ポリスチレン−
ポリ共役ジエン−ポリスチレン共重合体またはその水添
物の重量平均分子量(測定法:テトラヒドロフランを溶
媒として40℃でGPCによって測定)は5000〜2
00000が望ましく、特に20000〜100000
が望ましい。分子量分布は1.05〜10が望ましく、
特に1.05〜3のものが望ましい。スチレン含量は、
本発明の水性分散体の塗膜の付着性、剥離強度、低温特
性、べたつき性の観点等から10〜60重量%、特に1
2〜55重量%が好ましい。
【0013】(変性共重合体(B)に用いられるグラフ
トモノマー)変性共重合体(B)に用いられる水酸基を
有するα,β−不飽和ビニル単量体としては、1価のア
ルコールの(メタ)アクリル酸エステルまたは多価アル
コールのモノ(メタ)アクリル酸エステルが好ましく用
いられる。従ってビニル単量体としては、例えば、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモ
ノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスロトールモノ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ
(メタ)アクリレート、テトラエチロールエタンモノ
(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート等を挙げることができる。また、10−ウンデ
セン−1−オール、1−オクテン−3−オール、2−メ
タノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエー
テル、N−メチロールアクリルアミド、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、グリセ
リンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキ
シエタノール等も用いることができる。
【0014】変性共重合体(B)において、水酸基を有
するα、β不飽和ビニル単量体は、0.1〜25重量
%、好ましくは1〜10重量%含有されるように、ポリ
スチレン−ポリ共役ジエン−ポリスチレンブロック共重
合体にグラフト共重合されて変性重合体を構成する。
【0015】(変性共重合体(C)に用いられる原料共
重合体)変性共重合体(C)に用いられるα−オレフィ
ン共重合体としては、変性共重合体(A)で用いられた
α−オレフィン共重合体と同様のもの、即ち、エチレン
・プロピレン共重合体、あるいはエチレンまたはプロピ
レンと他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることが
できる。該他のα−オレフィンとしては、例えば、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。これらのα
−オレフィン共重合体としては、エチレンおよびプロピ
レンと他のα−オレフィンの3元共重合体が用いられて
もよい。
【0016】また、この共重合体は、X線回折による結
晶化度が20%以下、好ましくは2〜20%、特に好ま
しくは、5〜18%の範囲のものである。結晶化度が2
0%以下であると、有機溶媒に溶解しやすく、溶液変性
によるグラフト重合が可能であり、又、後述の溶媒置換
法による水分散体への変換が容易であるので好ましい。
結晶化度が20%以下のものであれば共重合体を構成す
るα−オレフィンの種類は特に限定されないが、それら
の中でもエチレン・プロピレン共重合体及び、プロピレ
ン・ブテン・エチレン共重合体が好ましい。プロピレン
含量は90〜10モル%、特に80〜40モル%が好ま
しい。これらの共重合体の分子量は極限粘度[η](1
35℃、溶媒:デカリン)が0.3〜20dl/g、特
には0.3〜12dl/gの範囲にあるものが好まし
い。
【0017】(変性共重合体(C)に用いられるグラフ
トモノマー)変性共重合体(C)に用いられるグラフト
モノマーは水酸基を有するα、β−不飽和ビニル単量体
であり、変性共重合体(B)で用いられるグラフトモノ
マーと同様のモノマーを例示することができる。
【0018】変性共重合体(C)において、水酸基を有
するα、β不飽和ビニル単量体は、0.1〜25重量
%、好ましくは1〜10重量%含有されるように、α−
オレフィン共重合体にグラフト共重合されて変性重合体
を構成する。
【0019】(変性共重合体(A)、(B)、(C)の
製法)前記α−オレフィン共重合体にモノオレフィンジ
カルボン酸、モノオレフィンジカルボン酸無水物、モノ
オレフィンジカルボン酸モノアルキルエステル等のモノ
マーをグラフト共重合する方法(変性共重合体(A)の
製法)、前記ポリスチレン−ポリ共役ジエン−ポリスチ
レンのトリブロック共重合体またはその水添物に水酸基
を有するα、β−不飽和ビニル単量体をグラフト共重合
する方法(変性共重合体(B)の製法)、前記α−オレ
フィン共重合体に水酸基を有するα、β−不飽和ビニル
単量体をグラフトする方法(変性共重合体(C)の製
法)としては、種々の公知の方法を例示することができ
る。この方法としては、例えば原料共重合体を反応に不
活性な有機溶媒に溶解し、前記モノマー及びラジカル重
合開始剤を添加して加熱攪拌することによりグラフトす
る方法、原料共重合体を加熱により溶融し、該溶融物に
モノマー及びラジカル重合開始剤を添加し攪拌すること
によりグラフト共重合する方法、あるいは各成分を押し
出し機に供給してグラフト共重合する方法、該原料共重
合体のパウダーに前記モノマー及びラジカル重合開始剤
を有機溶剤に溶解した溶液を含浸させた後、パウダーが
溶解しない温度まで加熱し、グラフト共重合する方法等
を挙げることができる。中でも、反応に不活性な有機溶
剤中、加熱攪拌下に行なうことが好ましい。グラフト共
重合の好適条件の1例を以下に記す。
【0020】有機溶媒1リットルに対して原料共重合体を
0.01ないし0.5kg、好ましくは0.1ないし
0.4kg溶解してなる共重合体溶液に、1ないし10
0ミリモル/min./kg−共重合体、好ましくは2
ないし20ミリモル/min./kg−共重合体の割合
で前記のグラフトモノマーを逐次滴下する。またラジカ
ル重合開始剤も同時に逐次添加が好ましく、添加速度は
約5×10-5ないし50ミリモル/min./kg−共
重合体、特には10-2ないし5ミリモル/min./k
g−共重合体が好ましい。ラジカル重合開始剤のグラフ
トモノマーに対するモル比は、約1/100ないし60
/100、特には約1/20ないし1/2とすることが
好ましい。グラフト反応は共重合体溶液を加熱し強攪拌
下に行なうことが好ましい。反応温度は50℃以上、特
に、80ないし200℃の範囲が好ましく、特に変性共
重合体(A)(C)の製法の場合、反応温度は共重合体
の融点以上特には120ないし160℃の範囲が好まし
い。反応時間は2ないし10時間が通常である。反応方
式は、回分式、連続式のいずれでも良いが、グラフト共
重合を均一に行なうためには、回分式が好ましい。
【0021】しかし、グラフト共重合反応は、該原料共
重合体の軟化点以上の反応温度であれば、無溶剤下で
も、グラフトモノマーおよびラジカル重合開始剤の存在
下に該原料共重合体を加熱溶融し、強攪拌することによ
っても行なうことができる。さらに、該原料共重合体、
グラフトモノマーおよびラジカル重合開始剤を予め混合
し、これを押し出し機を用いて、グラフト共重合する事
もできる。これらの不活性溶媒の不存在下に行なう方法
に於て、グラフトモノマー及びラジカル重合開始剤の使
用量、並びに両者の使用割合等は、前記の不活性溶媒の
存在下に行なう方法と同様である。
【0022】グラフト反応に用いられるラジカル重合開
始剤は、α−オレフィン共重合体と前記モノマーとの反
応を促進するものであれば何れでも良いが、特に有機ペ
ルオキシド、有機ペルエステルが好ましい。具体的に
は、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペル
オキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチ
ルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペル
オキシベンゾエ−ト)ヘキシン−3、1,4−ビス(t
ert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラ
ウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
ペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(tert−ブチルペルオキシド)ヘキサン、te
rt−ブチルベンゾエート、tert−ブチルペルフェ
ニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレー
ト、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、t
ert−ブチルペルピパレート、クミルペルピパレート
及びtert−ブチルペルジエチルアセテートがあり、
その他アゾ化合物、例えばアゾビス−イソブチロニトリ
ル、ジメチルアゾイソブチロニトリルがある。これらの
うちでは、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチ
ルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(te
rt−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼン等のジアルキルペルオキシドが好ま
しい。
【0023】有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素、トリクロルエ
チレン、パークロルエチレン、ジクロルエチレン、クロ
ルベンゼン等の塩素系炭化水素があり、中でも芳香族系
炭化水素が好ましく、アルキル置換芳香族炭化水素が特
に好ましい。
【0024】(水性分散体)本発明では、得られた変性
共重合体を水分散体として用いる。水分散体の製造方法
としては、樹脂、水、乳化剤を一括添加して乳化を行な
うドラム乳化法、樹脂を予め粉砕しておき乳化剤ととも
に水に分散させる粉砕法、有機溶剤に溶解した樹脂と乳
化剤及び水を混合した後有機溶剤を除去する溶媒置換
法、ホモミキサーを用いて乳化を行なうホモミキサー
法、転相法等を挙げることができ、これらは、使用する
グラフト共重合体の物性によって選択される。
【0025】用いる界面活性剤としては、非イオン系及
びアニオン系界面活性剤を挙げることができる。前者と
しては例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンア
ルキルアミンエーテル等を示すことができる。また後者
としては脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル、アル
キルベンゼンスルホン酸ソーダ、ナフタリンスルホン酸
ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルサルフェートを挙げることができ、特にはアルキルベ
ンゼンスルホン酸ソーダが好ましい。界面活性剤の添加
量は、樹脂成分に対し0.05ないし10重量%が好ま
しく特には0.1ないし7重量%が好ましい。0.05
重量%未満で用いると樹脂の分散状態が悪く又、10重
量%以上用いると、生成する水分散体の基材との密着性
が悪くなる。
【0026】本発明の水性分散体中における変性共重合
体と水の使用割合は、変性共重合体5〜70重量部に対
して、水95〜30重量部の割合の範囲の中で適宜選択
される。特に、本発明の水性分散体を噴霧塗布する場合
には、塗布面に塗りむらが生じにくく、塗膜の付着性の
ばらつきが生じにくく、また、形成される塗膜の層が厚
くならないため、例えば、プライマーとして使用した場
合に塗装後の塗膜の平滑性が良好となる点で3〜45重
量%が好ましい。
【0027】前述のα−オレフイン共重合体にモノオレ
フィンジカルボン酸およびその無水物、またはモノオレ
フィンジカルボン酸のモノアルキルエステルをグラフト
共重合した変性共重合体(A)を水分散体にしたものを
それぞれ単独で用いると貯蔵安定性が悪く1ヶ月以内に
凝集、または著しく増粘し使用出来なくなる。また、ポ
リスチレン−ポリ共役ジエン−ポリスチレン共重合体に
α、β−不飽和ビニル単量体をグラフト重合した変性共
重合体(B)の水分散体は、塗装後の耐水性が悪く屋外
での使用が出来ない欠点がある。しかし、AとBの水分
散体を混合して使用することで、貯蔵安定性の改良と同
時に耐水性の改良を行うことが出来る。その混合比率は
A/Bが重量比で90/10〜10/90が望ましく、
特に70/30〜30/70が最も望ましい。
【0028】またα−オレフイン共重合体にα、β−不
飽和ビニル単量体をグラフト重合した変性共重合体
(C)の水分散体は単独で使用すると、上塗り塗装した
時の付着性評価の1つの手段である剥離強度が低く実使
用に課題がある。しかし、Cの水分散体とAの水分散体
を混合して使用することで付着性及び貯蔵安定性の改良
を行うことが出来る。C/Aの混合比率は重量比で90
/10〜10/90が望ましく、特に70/30〜30
/70が望ましい。
【0029】該水分散体には、必要に応じ増粘剤、塩基
性物質、消泡剤等を添加することができる。また、素材
との濡れ性を改良するために必要に応じて有機溶剤を添
加することもできる。
【0030】増粘剤としては、アルギン酸アンモニウ
ム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム等のア
ルギン酸塩、ベントナイトクレー等の鉱物性増粘剤、ポ
リアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウ
ム、アクリルエマルジョンコポリマー架橋アクリルエマ
ルジョンコポリマー等のアクリル酸系増粘剤、カルボキ
シルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス等の繊維素誘導体を挙げることができるが特には、カ
ルボキシメチルセルロースが好ましい。
【0031】消泡剤としては、ヒマシ油、大豆油、アマ
ニ油等の植物油、スピンドル油、流動パラフィン等の鉱
物油、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、オレイル
アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、オクチ
ルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールジ
ステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート等の脂肪酸エステル、トリブチルホスフェート、
ソディウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル、
ポリオキシアルキレンアミド等のアミド類、ステアリン
酸アルミニウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸カ
ルシウム等の金属石鹸、ジメチルシリコン、ポリエーテ
ル変性シリコン等のシリコン類、ジアミルアミン、ポリ
オキシプロピレンアルキルアミン等のアミン類を挙げる
ことができる。
【0032】本発明による水分散体は、必要に応じて、
酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤当の各種安定剤、
酸化チタンや有機顔料等の着色剤、カーボンブラック、
フェライト等の導電性付与剤等の成分を含有していても
よい。
【0033】本発明による水分散体は、ポリオレフィン
やその他の重合体からなる成形品の表面に塗布し、その
表面への塗料の付着性を改善する等のために用いられ
る。特に、本発明による水分散体は、例えば、高圧法ポ
リエチレン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ−4−メチル−ペンテン、ポリスチレン等のポリオ
レフィンや、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・ブテン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、エチ
レン・プロピレン・ジエンモノマー共重合体などのポリ
オレフィン共重合体からなる成形品に好適に用いること
ができる。
【0034】さらに本発明による水分散体は、上記した
ポリオレフィンやその重合体以外にも、ポリプロピレン
と合成ゴムからなる成形品、ポリアミド樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポ
リカーボネート樹脂等からなる自動車用バンパー等の成
形品、さらには鋼板や電着処理鋼板等の表面処理にも用
いることが出来る。また、ポリウレタン樹脂、脂肪酸変
性ポリエステル樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を主成分とする塗料、プ
ライマー、接着剤等を塗布した表面に下塗し、その表面
への塗料等の付着性を改善するとともに、鮮映性、低温
衝撃性等に優れる塗膜を形成するのにも用いられる。
【0035】本発明による水分散体は、これが適用され
る成形品がタルク、亜鉛華、ガラス繊維、チタン白、硫
酸マグネシウム等の無機充填剤、顔料等が配合されてい
る場合に、特に塗膜の付着性の良いプライマー塗膜を形
成する。又、成形品も、上記以外に種々の安定剤、紫外
線吸収剤、塩酸吸収剤等が配合されていても良い。
【0036】好ましく用いられる安定剤としては、例え
ば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナート)〕メタン、メタオクタデ
シル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、2,2−チオビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノー
ル)ブタン等のフェノール系安定剤、ジラウリルチオジ
プロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等
のイオウ系安定剤、トリデシルホスファイト、トリノニ
ルフェニルホスファイト等のリン系安定剤を挙げること
ができる。
【0037】好ましく用いられる紫外線吸収剤として
は、例えば、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジ
フェニルアクリレート、パラオクチルフェニルサリチレ
ート等を挙げることができる。塩酸吸収剤としては、例
えば、ステアリン酸カルシウム等が好ましく用いられ
る。
【0038】本発明による水性分散体は、成形品への噴
霧塗布に好適であり、例えば、スプレーガンにて成形品
表面に吹き付けられる。成形品への塗布は常温で良く、
塗布した後、自然乾燥や加熱強制乾燥等、適宜の方法に
よって乾燥され、塗膜を形成する。
【0039】この様に、成形品表面に本発明による水性
分散体を塗布し、乾燥させた後、その成形品には、静電
塗装、吹き付け塗装、刷毛塗り等の方法によって塗料が
塗布される。これらの塗料は、下塗りした後、上塗りす
る方法で塗布してもよい。塗料を塗布した後、塗料は、
ニクロム線、赤外線、高周波加熱等の通常の方法によっ
て塗膜を硬化させて、製品としての成形品を得る。塗膜
硬化の方法は、成形品の材質、形状、塗料の性状等によ
って適宜選ばれる。
【0040】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、以下において、貯蔵安定性評価、塗膜の物性試
験は、次のようにして行なった。
【0041】貯蔵安定性 変性共重合体水分散物を製造時から1週間放置後、容易
に流動するものを○、流動しなくなったものを×とし
た。
【0042】碁盤目試験 JIS K 5400に記載されている碁盤目試験の方
法に準じて碁盤目を付けた試験片を作成し、セロテープ
(ニチバン(株)品)を碁盤目上に張り付けた後、これ
を速やかに90度方向に引っ張って剥離させ、碁盤目1
00の内、剥離されなかった碁盤目数にて評価した。
【0043】剥離強度 基材上に塗膜を調整し、1cm幅にてカッター刃にて基
材に刃が届くまで切れ目をいれ、端部を剥離させた後、
その剥離した塗膜の端部を50mm/分の速度で180
度方向に引っ張って、剥離強度を求めた。
【0044】耐水性 試験片を40℃の水中に240時間浸漬した後、取り出
し直後の外観をASTMD716−56によるフクレの
見本と比較した。また1時間以内に碁盤目試験を行なっ
た。
【0045】[合成例1](変性共重合体A1の合成) 加圧反応容器に、プロピレン含量60モル%、デカリン
135℃における[η]が1.93dl/g、X線回折
による結晶化度が12%のプロピレン・エチレン共重合
体75gと、トルエン240mlとを仕込み、加圧反応
容器系内の窒素置換を1時間行なった。反応容器を14
5℃に加熱して、共重合体を完全に溶解させた後、無水
マレイン酸6.9gをトルエン30mlに溶解してなる
溶液及び、ジ−t−ブチルペルオキシド2.4gをトル
エン30mlに溶解してなる溶液を、同時に4時間かけ
て連続滴下した。滴下終了後、温度を145℃に保って
2時間反応させ、グラフト共重合体のトルエン溶液を得
た。反応終了後、反応混合物に大量のアセトンを加え、
ポリマーを析出、濾別し、アセトンで繰り返し洗浄した
後、減圧乾燥した。得られたグラフト共重合体(A1)
を分析したところ、無水マレイン酸グラフト量が4.2
%であった。
【0046】[合成例2](変性共重合体A1の水分散
体製造) グラフト共重合体(A1)をトルエンに溶解し、ポリマ
ー濃度125g/lの溶液を調整した。このポリマー溶
液500g、蒸留水500g、及びドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム(ネオペレックスF−25,花王
(株)品)1.44gを混合し、回転数10000rp
mで15分間攪拌した。ついでポリアクリル酸(ハイビ
スワコー304、和光純薬品)0.72gを加え、攪拌
混合し乳化液を得た。この乳化液中のトルエンをエバポ
レータで減圧留去し、ポリマー濃度20重量%の(A
1)の水分散体を得た。
【0047】[合成例3](変性共重合体B1の合成と
水分散体の製造) 加圧反応容器に、スチレン・ブタジエンブロック共重合
体の水素添加物であるクレイトンG−1652(シェル
化学社製、数平均分子量=8.8×104、スチレン含
有量=30重量%)250重量部およびトルエン500
重量部を仕込み、撹拌下に160℃まで昇温した。次い
で、2−ヒドロキシプロピルアクリレート25重量部お
よびジ−t−ブチルペルオキシド6.5重量部を、それ
ぞれ5時間かけて分割して加えた後、さらに、160℃
で2時間撹拌しながら反応させ、グラフト共重合体のト
ルエン溶液を得た。反応終了後、反応混合物に大量のア
セトンを加え、ポリマーを析出、濾別し、アセトンで繰
り返し洗浄した後、減圧乾燥した。得られたグラフト共
重合体(B1)を分析したところ、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレートのグラフト量が3.5%であった。得
られた変性共重合体(B1)を使用した他は合成例2と
同じ方法によりポリマー濃度20重量%の(B1)の水
分散体を得た。
【0048】[合成例4](変性共重合体A2の合成と
水分散体の製造) 実施例1で製造した変性共重合体(A1)のトルエン溶
液300mlに、メチルアルコール5.8mlを一括し
て添加した後、145℃で2時間加熱攪拌して反応さ
せ、マレイン酸モノメチルエステルグラフト共重合体
(A2)のトルエン溶液を得た。エステル化率を赤外線
吸収スペクトルにより確認した結果、エステル化率10
0% のマレイン酸モノメチルエステルがグラフトされ
ていることがわかった。 ついで、合成例2と同様の方
法でこの変性共重合体を水分散体にした。
【0049】[合成例5](変性共重合体C1の合成と
水分散体の製造) 加圧反応容器に、プロピレン含量60モル%、デカリン
135℃における[η]が1.93dl/g、X線回折
による結晶化度が12%のプロピレン・エチレン共重合
体75gと、トルエン240mlとを仕込み、加圧反応
容器系内の窒素置換を1時間行なった。反応容器を14
5℃に加熱して、共重合体を完全に溶解させた後、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート7gをトルエン30m
lに溶解してなる溶液及び、ジ−t−ブチルペルオキシ
ド2.4gをトルエン30mlに溶解してなる溶液を、
同時に4時間かけて連続滴下した。滴下終了後、温度を
145℃に保って2時間反応させ、グラフト共重合体の
トルエン溶液を得た。反応終了後、反応混合物に大量の
アセトンを加え、ポリマーを析出、濾別し、アセトンで
繰り返し洗浄した後、減圧乾燥した。得られたグラフト
共重合体(C1)を分析したところ、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレートのグラフト量が3.2%であった。
ついで、合成例2と同様の方法で水分散体を得た。
【0050】[実施例1]合成例2で得られた変性共重
合体(A1)の水分散体300重量部と合成例3で得ら
れた変性共重合体(B1)の水分散体700重量部を
1.5リットルのオートクレーブに仕込み、25℃、1
500回転で15分間撹拌して変性共重合体が重量比で
A1/B1=30/70の水分散体混合物を得た。得ら
れた水分散体混合物を、イソプロピルアルコールを含ま
せた布で表面を拭き取り清浄にしたポリプロピレン(X
84S:(株)グランドポリマー社製)の角板に100
g/m2となるように噴霧塗布し、エアオーブン中80
℃で10分間加熱乾燥した。その上にウレタン系塗料
(R−278;日本ビーケミカル社製)を碁盤目評価用
は乾燥膜厚が35μm、剥離用は100μmになるよう
に塗布した。室温で10分間放置した後、100℃のエ
アオーブンで30分間焼付けを行なった。得られた塗装
板を、碁盤目試験、剥離強度及び耐水試験に供した。結
果を表1に記した。
【0051】[実施例2]変性共重合体(A1)の水分
散体700重量部と、変性共重合体(B)水分散体30
0重量部を用いた他は、実施例1と同じ方法で変性共重
合体が重量比でA1/B1=70/30の水分散体混合
物を得た。得られた水分散体混合物を実施例1と同様な
方法により塗装し、碁盤目試験、剥離強度の測定、耐水
性試験に供した。結果を表1に記した。
【0052】[実施例3]合成例4で得られた変性共重
合体(A2)の水分散体300重量部と合成例3で製造
した変性共重合体(B1)の水分散体700重量部を用
いた他は実施例1と同じ方法で変性共重合体が重量比で
A2/B1=30/70の水分散体混合物を得た。得ら
れた水分散体混合物を実施例1と同様の方法で塗装し、
碁盤目試験、剥離強度の測定及び耐水試験に供した。結
果を表1に記した。
【0053】[実施例4]変性共重合体(A2)の水分
散体700重量と変性共重合体B1の水分散体300重
量部を用いた他は実施例1と同じ方法で変性共重合体が
重量比でA2/B1=70/30の水分散体混合物を得
た。得られた水分散体を実施例1と同様の方法で塗装
し、碁盤目試験、剥離強度の測定及び耐水試験に供し
た。結果を表1に記した。
【0054】[実施例5]合成例5で製造した変性共重
合体(C1)の水分散体700重量部と合成例2で製造
した変性共重合体(A1)の水分散体300重量部を用
いた他は、実施例1と同じ方法で変性共重合体が重量比
でC1/A1=70/30の水分散体混合物を得た。得
られた水分散体を実施例1と同様の方法で塗装し、碁盤
目試験、剥離強度の測定及び耐水試験に供した。結果を
表1に記した。
【0055】[実施例6]変性共重合体(C1)の水分
散体300重量部と変性共重合体(A1)の水分散体7
00重量部を用いた他は実施例1と同じ方法で変性共重
合体が重量比でC1/A1=30/70の水分散体混合
物を得た。得られた水分散体混合物を実施例1と同様の
方法で塗装し、碁盤目試験、剥離強度の測定及び耐水試
験に供した。結果を表1に記した。
【0056】[実施例7]合成例4で製造した変性共重
合体(A2)の水分散体700重量部と合成例5で製造
した変性共重合体(C1)の水分散体300重量部を用
いた他は、実施例1と同じ方法で変性共重合体が重量比
でC1/A2=30/70の水分散体混合物を得た。得
られた水分散体混合物を実施例1と同様の方法で塗装
し、碁盤目試験、剥離強度の測定及び耐水試験に供し
た。結果を表1に記した。
【0057】[実施例8]合成例4で製造した変性共重
合体(A2)の水分散体300重量部と合成例5で製造
した変性共重合体(C1)の水分散体700重量部を用
いた他は、実施例1と同じ方法で変性共重合体が重量比
でC1/A2=70/30の水分散体混合物を得た。得
られた水分散体混合物を実施例1と同様の方法で塗装
し、碁盤目試験、剥離強度の測定及び耐水試験に供し
た。結果を表1に記した。
【0058】[比較例1]合成例2で得られた変性共重
合体(A1)の水分散体を単独で塗装した他は、実施例
1と同じ方法で上塗り塗装を行い、碁盤目試験、剥離強
度の測定及び耐水試験に供した。結果を表2に記した。
【0059】[比較例2]合成例3で得られた変性共重
合体(B1)の水分散体を単独で塗装した他は、実施例
1と同じ方法で上塗り塗装を行い、碁盤目試験、剥離強
度の測定及び耐水試験に供した。結果を表2に記した。
【0060】[比較例3]合成例4で得られた変性共重
合体(A2)の水分散体を単独で塗装した他は、実施例
1と同じ方法で上塗り塗装を行い、碁盤目試験、剥離強
度の測定及び耐水試験に供した。結果を表2に記した。
【0061】[比較例4]合成例5で得られた変性共重
合体(C1)の水分散体を単独で塗装した他は、実施例
1と同じ方法で上塗り塗装を行い、碁盤目試験、剥離強
度の測定及び耐水試験に供した。結果を表2に記した。
【0062】[比較例5]プライマーとして水分散体を
塗装しなかった他は実施例1と同じ方法により塗装し、
碁盤目試験、剥離強度の測定及び耐水試験に供した。結
果を表2に記した。
【0063】
【表1】
【0064】 *1 碁盤目試験:X/100 *2 剥離強度:N/cm *3 ASTM D716−56
【0065】
【表2】
【0066】 *1 碁盤目試験:X/100 *2 剥離強度:N/cm *3 ASTM D716−56
【0067】
【発明の効果】本発明の水性分散体は、良好な貯蔵安定
性を有し、上塗り塗料や成形品に対して良好な付着性、
密着性を有し、かつ塗装後の耐水性にも優れた塗膜を形
成することができる。本発明の水性分散体は、塗装用プ
ライマーに好適である。また、有機溶媒を含有しないた
めに工場内の作業環境を悪化させることがないものであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B05D 7/24 302

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変性共重合体(A)10〜90重量部に対
    して、(B)及び(C)から選ばれる少なくとも1種の
    変性共重合体を90〜10重量部含有する水分散体。 (A)X線回析による結晶化度が20%以下のα−オレ
    フィン共重合体に、モノオレフィンジカルボン酸及びそ
    の無水物ならびにモノオレフィンジカルボン酸のモノア
    ルキルエステルから選ばれる少なくとも1種を0.5〜
    15重量%グラフト共重合した変性共重合体。 (B)ポリスチレン−ポリ共役ジエン−ポリスチレンの
    トリブロック共重合体またはその水添物に、水酸基を有
    するα、β−不飽和ビニル単量体を0.1〜25重量%
    含むようにグラフト共重合させてなる変性共重合体。 (C)α−オレフィン共重合体に水酸基を有するα、β
    −不飽和ビニル単量体を0.1〜25重量%含むように
    グラフト共重合させてなる変性共重合体。
  2. 【請求項2】前記α−オレフィン共重合体が、プロピレ
    ン・エチレン共重合体であることを特徴とする請求項1
    に記載の水分散体。
  3. 【請求項3】請求項第1項に記載する水分散体を有効成
    分とする塗装用プライマー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7112625B2 (en) 2002-03-29 2006-09-26 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Thermocrosslinkable resin dispersion
JP2011068912A (ja) * 2000-07-31 2011-04-07 Mitsui Chemicals Inc 耐チッピング性付与水性分散体組成物
JP2011094047A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Nippon Paper Chemicals Co Ltd 変性ポリオレフィン樹脂水分散組成物及びその製造方法

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