JP2988694B2 - 水性分散体 - Google Patents

水性分散体

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JP2988694B2 JP2205576A JP20557690A JP2988694B2 JP 2988694 B2 JP2988694 B2 JP 2988694B2 JP 2205576 A JP2205576 A JP 2205576A JP 20557690 A JP20557690 A JP 20557690A JP 2988694 B2 JP2988694 B2 JP 2988694B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は水性分散体に関し、特に成形品に下塗りして
成形品の表面への塗料の付着性を向上させることができ
る水性分散体に関する。
<従来の技術> 従来、ポリプロピレン等のポリオレフィンの成形品の
表面に塗装を施して、その付加価値を高めることが行わ
れている。しかし、一般にポリオレフィンは、極性に乏
しく、塗料の付着性が悪い。そのため、従来は予め成形
品の表面をプライマーで処理して塗料の付着性および密
着性を改善することが行なわれている。
そこで、プライマーなしで直接成形品等に1回塗り可
能な塗料のバインダーとして使用するものとして、不活
性有機溶媒中でスチレン・ブタジエン・スチレンブロッ
ク共重合体の水素添加物に(メタ)アクリル酸エステ
ル、特に水酸基を有するビニル単量体を重合して得られ
る塗料用樹脂組成物が提案されている。(特開昭63−51
477号公報) <発明が解決しようとする課題> しかし、前記特開昭63−51477号公報に記載された塗
料用樹脂組成物を用いても、得られる塗膜は、剥離強度
が十分なものではない。また、この組成物を含めて従来
プライマーは、いずれも有機溶媒を含有または有機溶媒
に溶解して使用するものであるため、製造および使用時
の作業環境を悪化させる原因となるという問題がある。
そこで本発明の目的は、樹脂成形品、特にポリプロピ
レン等のポリオレフィンの成形品との付着性に優れるた
め、十分な剥離強度を有する塗膜を得ることができ、ま
た水系であるため、作業環境を良好に保つことができ
る、プライマーとして好適な水性分散体を提供すること
にある。
<課題を解決するための手段> 本発明は、前記課題を解決するために、スチレン・イ
ソプレンブロック共重合体またはその水素添加物に、水
酸基を有するα,β−不飽和ビニル単量体を0.05〜25重
量%を含むようにグラフト共重合させてなる変性重合体
を、さらに塩素化してなる塩素含有量10〜50重量%の塩
素化ポリオレフィンを水に分散させてなる水性分散体で
あって、前記塩素化ポリオレフィン5〜70重量部に対し
て水95〜30重量部を含む水性分散体を提供するものであ
る。
また、前記水酸基を有するα,β−不飽和ビニル単量
体が、1価のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル
または多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステ
ルであると、好ましい。
以下、本発明の水性分散体について、詳細に説明す
る。
本発明の水性分散体の構成成分の変性重合体の主成分
であるスチレン・イソプレンブロック共重合体は、1個
以上のスチレンに由来する繰返し構造単位であるスチレ
ン重合体ブロックと、1個以上のイソプレンに由来する
繰返し構造単位であるイソプレン重合体ブロックとを含
む共重合体であり、例えば、一般式: S−I (式中、Sはスチレン重合体ブロック、Iはイソプレン
重合体ブロックを示し、nは1以上の整数である。) で表される構造を有するものである。
このスチレン・イソプレンブロック共重合体は、例え
ば、米国特許第3,265,765号明細書、特開昭61−192743
号公報等に記載されている方法によって製造されるもの
などが挙げられる。このスチレン・イソプレンブロック
共重合体の具体例として、カリフレックスR1107やTR111
7(いずれもシェル化学社製)として市販されているも
のが挙げられる。
また、このスチレン・イソプレンブロック共重合体の
水素添加物は、例えば、ヨウ素価20%以下のものであ
り、特公昭43−6636号公報、特公昭45−20504号公報、
特公昭48−3555号公報等に記載されている方法によって
製造されるものなどが挙げられる。
これらのスチレン・イソプレンブロック共重合体また
はその水素添加物は、本発明の水性分散体の塗膜の剥離
強度および固形分濃度の点から、テトラヒドロフランを
溶媒として、40℃でゲルパーミエーション・クロマトグ
ラフィーによって測定される数平均分子量が1×104〜1
8×104であるものが好ましく、特に1.5×104〜12×104
であるものが好ましい。また、スチレン含有量は、本発
明の水性分散体の塗膜の付着性、剥離強度、低温特性、
べたつき性の点等から、10〜60重量%であることが好ま
しく、特に12〜55重量%であることが好ましい。
本発明の水性分散体は、上記のようなスチレン・イソ
プレンブロック共重合体またはその水素添加物(以下、
これらを単に「ブロック共重合体」という)に、水酸基
を有するα,β−不飽和ビニル単量体(以下、単に「ビ
ニル単量体」という)をグラフト共重合させてなる変性
重合体を、さらに塩素化してなる塩素化変性ポリオレフ
ィンを水に分散させてなるものである。このビニル単量
体としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリ
レート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート等の1価のアルコールの(メタ)アクリル
酸エステル;グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、テトラエ
チロールエタンモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのモノ
(メタ)アクリル酸エステル;10−ウンデセン−1−オ
ール、1−オクテン−3−オール、2−メタノールノル
ボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N−メ
チロールアクリルアミド、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルアシッドホスフェート、グリセリンモノアリ
ルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール
などが挙げられる。これらの中でも、1価のアルコール
の(メタ)アクリル酸エステルまたは多価アルコールの
モノ(メタ)アクリル酸エステルが好ましく用いられ
る。
このビニル単量体は、0.05〜25重量%、好ましくは1
〜10重量%含有されるように、上記ブロック共重合体に
グラフト共重合されて変性重合体を構成する。このよう
な変性重合体を用いることによって、付着性および耐水
性に優れた塗膜を形成する水性分散体を得ることができ
る。
本発明の水性分散体の構成成分である変性重合体の製
造は、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下、不活性溶
媒の存在下もしくは不存在下に、前記ブロック共重合体
に前記ビニル単量体をグラフト共重合させることによっ
て行なうことができる。
不活性溶媒の存在下にグラフト共重合する方法として
は、例えば、トルエン等の不活性溶媒1m3にブロック共
重合体を10〜3000kg、好ましくは20〜1000kg溶解して溶
液を調製した後、これに溶液中のブロック共重合体1kg
当たりビニル単量体を0.5〜100ミリモル/分、好ましく
は1〜20ミリモル/分の割合で逐次添加するとともに、
ラジカル重合開始剤をブロック共重合体1kg当たり5×1
0-5〜50ミリモル/分、好ましくは1×10-2〜5ミリモ
ル/分の割合にて逐次添加して反応させる方法がある。
このとき、ラジカル重合開始剤/ビニル単量体の使用割
合は、通常、モル比で、1/100〜3/5、好ましくは1/20〜
1/2の範囲である。また、反応は加熱撹拌下に行なうの
が好ましい。反応温度は50℃以上、特に80〜200℃の範
囲が好適であり、反応時間は2〜10時間程度である。反
応方式は、回分式、連続式のいずれでもよいが、グラフ
ト共重合を均一に行なうためには、回分式が好ましい。
また、グラフト共重合を不活性溶媒の不存在下に行な
う方法としては、例えば、ブロック共重合体の軟化点以
上の反応温度で、ビニル単量体およびラジカル重合開始
剤の存在下に、該ブロック共重合体を加熱溶融し、強撹
拌することによって反応させる方法を挙げることができ
る。さらに、ブロック共重合体、ビニル単量体およびラ
ジカル重合開始剤を予め混合しておき、混合物を押出機
にて加熱溶融して押出しながらグラフト共重合させるこ
ともできる。これらの不活性溶媒の不存在下に行なう方
法において、ビニル単量体およびラジカル重合開始剤の
使用量、ならびに両者の使用割合等は、前記の不活性溶
媒の存在下に行なう方法と同様である。
上記グラフト共重合体に用いられるラジカル重合開始
剤としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクロ
ロベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ
−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−ジ(ペル
オキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(t−
ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイル
ペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペ
ルオキシ)−ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサン等の有機ペルオキ
シド;t−ブチルペルアセテート、t−ブチルペルベンゾ
エート、t−ブチルペルフェニルアセテート、t−ブチ
ルペルイソブチレート、t−ブチルペル−s−オクトエ
ート、t−ブチルピバレート、クミルペルピバレート、
t−ブチルペルジエチルアセテート等の有機ペルエステ
ル;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられ、好ましくは
有機ペルオキシドおよび有機ペルエステルである。
本発明の水性分散体は、前記のようにして得られる変
性重合体をさらに塩素化して塩素化変性ポリオレフィン
を調製し、この塩素化変性ポリオレフィンを水に分散さ
せてなるものである。この塩素化変性ポリオレフィン
は、溶媒に溶解し易く、後記の溶媒置換法による水性分
散体の製造が容易であり、また成形品に塗布して塗料の
付着性が高い塗膜を得ることができる水性分散体が得ら
れる点で、塩素含有量が10〜40重量%、好ましくは15〜
35重量%のものである。また、この塩素化変性ポリオレ
フィンは、通常、溶液粘度が、100〜10000cps程度、好
ましくは200〜5000cps程度のものである。
この塩素化変性ポリオレフィンの製造は、前記変性重
合体を適当な有機溶媒に溶解または分散させた後、塩素
ガスと反応させることによって行なうことができる。こ
の反応は、通常、50〜120℃程度で、約0.5〜5時間で行
なうのが一般的である。また、反応を効率的に進行させ
るために、紫外線や可視光線を照射したり、あるいはラ
ジカル重合開始剤を使用してもよい。
用いられる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラドデカン
等の脂肪族炭化水素;メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シク
ロドデカン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン、クメン、エチルトルエン、
トリメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等の芳香
族炭化水素;クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジ
クロロベンゼン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホル
ム、ブロモホルム、トリクロロエタン、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素な
どが挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組合
せても用いられる。
また、ラジカル重合開始剤を使用する場合、そのラジ
カル重合開始剤としては、例えば、前記グラフト共重合
に用いられるものと同じものが挙げられる。
本発明の水性分散体は、以上のようにして得られる塩
素化変性ポリオレフィンを水に分散させて得られる。塩
素化変性ポリオレフィンを水に分散させて、本発明の水
性分散体を製造する方法としては、例えば、該塩素化変
性ポリオレフィン、水および界面活性剤を一括して混合
して乳化させるドラム乳化法;予め粉砕しておいた塩素
化変性ポリオレフィンを界面活性剤とともに水中に投入
して分散させる粉砕法;有機溶媒に溶解した塩素化変性
ポリオレフィンと界面活性剤および水とを混合した後、
有機溶媒を除去する溶媒置換法;ホモミキサーを用いて
分散を行なうホモミキサー法;転相法等が挙げられ、使
用する塩素化変性ポリオレフィンの物性に応じて適宜選
択される。
用いられる界面活性剤としては、非イオン系およびア
ニオン系界面活性剤を挙げることができる。非イオン系
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミンエーテル等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、高
級アルコール硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸ソーダ、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート等が挙
げられ、特にアルキルベンゼンスルホン酸ソーダが好ま
しい。
この界面活性剤の使用量は、変性重合体の分散状態が
良好で、かつ得られる水性分散体の成形品との密着性が
良好となる点で、通常、変性重合体に対して0.05〜10重
量%程度が好ましく、特に0.1〜7重量%が好ましい。
本発明の水性分散体中における変性重合体と水の配合
割合は、変性重合体5〜70重量部に対して、水95〜30重
量部の割合の範囲の中で、適宜選択される。特に、本発
明の水性分散体を噴霧塗布する場合には、塗布面に塗り
むらが生じにくく、塗膜の付着性のばらつきが生じにく
く、また、形成される塗膜の層が厚くならないため、例
えば、プライマーとして使用した場合に塗装後の塗膜の
平滑性が良好となる点で3〜45重量%が好ましい。
また、本発明の水性分散体には、必要に応じて、増粘
剤、塩基性物質、消泡剤等を添加することができる。
また、素材との濡れ性を改良するために、必要に応じ
て少量の有機溶媒を添加してもよい。
増粘剤としては、例えば、アルギン酸アンモニウム、
アルギン酸ナトリウム、ベントナイトクレー等の鉱物性
増粘剤;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ア
ンモニウム、アクリルエマルジョンコポリマー架橋アク
リルエマルジョンコポリマー等のアクリル酸系増粘剤;
カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース等の繊維素誘導体等を挙げることができ、特
にカルボキシメチルセルロースが好ましい。
消泡剤としては、例えば、ヒマシ油、大豆油、アマニ
油等の植物油;スピンドル油、流動パラフィン等の鉱物
油;ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;オレイルア
ルコール、ポリオキシアルキレングリコール、オクチル
アルコール等のアルコール類;エチレングリコールジス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート等の脂肪酸エステル;トリブチルホスフェート、ナ
トリウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル;ポ
リオキシアルキレンアミド等のアミド類;ステアリン酸
アルミニウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸カル
シウム等の金属石鹸;ジメチルシリコン、ポリエーテル
変性シリコン等のシリコン類;ジアミルアミン、ポリオ
キシプロピレンアルキルアミン等のアミン類等が挙げら
れる。
本発明の水性分散体は、必要に応じて、塩素化ポリプ
ロピレン、塩素化マレイン化ポリプロピレン、水酸基含
有塩素化ポリプロピレンを配合したり、スチレン・ブタ
ジエン・ブロック共重合体またはその水素添加物、スチ
レン・エチレン・プロピレンブロック共重合体等、ある
いはこれらの共重合体に塩素原子、水酸基、カルボキシ
ル基またはその無水物基を単独または複数種導入してな
る変性共重合体を含有していてもよい。また、本発明の
水性分散体の主成分である変性重合体以外のスチレン・
イソプレン・スチレンブロック共重合体またはその水素
添加物に、塩素原子、水酸基、カルボキシル基またはそ
の無水物基を単独または複数種導入してなる変性共重合
体を含有していてもよい。
さらに、本発明の水性分散体は、上記以外に、必要に
応じて酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等の各種安
定剤;酸化チタン、有機顔料等の着色剤;カーボンブラ
ック、フェライト等の導電性付与剤などを含有していて
もよい。
本発明の水性分散体は、ポリオレフィンやその他の重
合体からなる成形品の表面に塗布し、その表面への塗料
の付着性を改善するためのプライマー等として用いられ
る。特に、本発明の水性分散体は、例えば、高圧法ポリ
エチレン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1−ブテン、ポ
リスチレン等のポリオレフィン;エチレン・プロピレン
共重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・ブ
テン共重合体等のオレフィン共重合体などからなる成形
品に好適に用いる事ができる。
さらに、本発明の水性分散体は、上記のポリオレフィ
ンやその共重合体以外にも、ポリプロピレンと合成ゴム
とからなる成形品、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂等からなる自動車用バンパー等の成形品、さ
らには、鋼板や電着処理用鋼板等の表面処理にも用いる
ことができる。また、ポリウレタン樹脂、脂肪酸変性ポ
リエステル樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂等を主成分とする塗料、プライ
マー、接着剤等を塗布した表面に下塗りし、その表面へ
の塗料等の付着性を改善すると共に、鮮映性、低温衝撃
性等にも優れる塗膜を形成するためにも用いられる。
本発明の水性分散体は、これを適用する成形品が、タ
ルク、亜鉛華、ガラス繊維、チタン白、硫酸マグネシウ
ム等の無機充填剤、顔料等が配合されている場合にも、
特に塗膜の付着性の良いプライマー塗膜を形成すること
ができる。また、本発明の水性分散体を塗布する成形品
は、上記以外に、種々の安定剤、紫外線吸収剤、塩酸吸
収剤等が配合されていてもよい。
好ましく用いられる安定剤としては、例えば、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒ
ドロシンナメート)]メタン、メタオクタデシル−3−
(4′−ヒドキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プ
ロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,
5−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェノール)ブタン等のフェノール系安定剤;ジラ
ウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロ
ピオネート等のイオウ系安定剤;トリデシルホスファイ
ト、トリノニルフェニルホスファイト等のリン系安定剤
などを挙げることができる。
また、用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−エ
チルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレ
ート、パラオクチルフェニルサリチレート等が挙げられ
る。
塩酸吸収剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウ
ム等が挙げられる。
本発明の水性分散体は、成形品への噴霧塗布に好適で
あり、例えば、スプレーガンにて成形品の表面に吹き付
けられる。成形品への塗布は常温で行なえば良く、塗布
した後、自然乾燥や加熱強制乾燥等、適宜の方法によっ
て乾燥され、塗膜を形成することができる。
以上のように、成形品の表面に本発明の水性分散体を
塗布し、乾燥させた後、該成形品の表面には、静電塗
装、吹き付け塗装、刷毛塗り等の方法によって、塗料を
塗布することができる。塗料の塗布は、下塗りした後、
上塗りする方法で行なってもよい。塗料を塗布した後、
ニクロム線、赤外線、高周波等によって加熱する通常の
方法に従って塗膜を硬化させて、所望の塗膜を表面に有
する成形品を得ることができる。塗膜を硬化させる方法
は、成形品の材質、形状、使用する塗料の性状等によっ
て適宜選ばれる。
<実施例> 以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら
限定されるものではない。また、以下において、塗膜の
物性は下記の方法に従って評価した。
碁盤目試験 JIS K5400に記載されている碁盤目試験の方法に準じ
て、碁盤目を付けた試験片を作成し、セロテープ(ニチ
バン(株)製、商品名)を試験片の碁盤目上に張り付け
た後、これを速やかに90゜の方向に引っ張って剥離さ
せ、碁盤目100の内で剥離されなかった碁盤目の数を数
え、付着性の指標とした。
剥離強度 基材上に塗膜を調製し、1cm幅にカッター刃で基材に
刃が到達するまで切れ目を入れ、端部を剥離させた後、
その剥離した塗膜の端部を50mm/分の速度で180゜の方向
に塗膜が剥離するまで引っ張って剥離強度を測定した。
耐水性 試験片を40℃の水中に240時間浸漬させた後、碁盤目
試験に供し、付着性を評価する。
(実施例1) (変性スチレン・イソプレンブロック共重合体の製造) 撹拌装置を備えた容量1.5のオートクレーブに、ス
チレン・イソプレンブロック共重合体の水素添加物(シ
ェル化学社製、カリフレックス1117)250重量部および
トルエン500重量部を仕込み、撹拌下に160℃まで昇温し
た。次いで、2−ヒドロキシプロピルアクリレート25重
量部およびジ−t−ブチルペルオキシド6.5重量部を、
それぞれ5時間かけて滴下して加えた後、さらに、160
℃で2時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、反応
混合物に大過剰のアセトンを加えて、生成した変性スチ
レン・イソプレンブロック共重合体を析出、別しアセ
トンで繰返し洗浄した後、減圧乾燥した。
得られた変性スチレン・イソプレンブロック共重合体
の2−ヒドロキシプロピルアクリレートの含有量を測定
したところ、4.1重量%であった。
(塩素化変性スチレン・イソプレンブロック共重合体の
製造) 前記の反応で得られた変性スチレン・イソプレンブロ
ック共重合体を、クロロベンゼン中、110℃に加熱して
完全に溶解させた後、温度を保ちながら、光を完全に遮
断して、塩素ガスを供給して、約2時間30分反応させ
た。反応終了後、反応混合物に大過剰のメタノールを加
えて、生成した塩素化変性スチレン・イソプレンブロッ
ク共重合体を析出、別し、メタノールで繰返し洗浄し
た後、減圧乾燥した。
得られた塩素化変性スチレン・イソプレンブロック共
重合体の塩素含有量を測定したところ、30重量%であっ
た。
(水性分散体の調製) 得られた塩素化変性スチレン・イソプレンブロック共
重合体をトルエンに溶解し、ポリマー濃度:125g/の溶
液を調製した。このポリマー溶液500g、蒸留水500gおよ
びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王(株)
製、ネオペレックスF−25)1.44gを、回転数10000rpm
で15分間撹拌しながら混合させた。次に、ポリアクリル
酸(和光純薬(株)製、ハイビスワコー304)0.72gを加
え、撹拌、混合して乳化液を得た。
得られた乳化液中のトルエンをエバポレーターで減圧
留去し、ポリマー濃度:20重量%の水性分散体を得た。
(塗装) この水性分散体を、1,1,1−トリクロルエタン蒸気で
洗浄したポリプロピレン製角板(X440,三井石油化学工
業株式会社製)に、200g/m2となるように噴霧塗布し
た。
この角板をエアオーブン中で100℃で30分間加熱乾燥
させたのち、これを碁盤目試験および耐水性の評価に供
した。結果を表1に示す。
(実施例2) 実施例1と同様に、ポリプロピレン製角板に水性分散
体を塗布した後、さらに上塗り塗料(日本ビーケミカル
社製、R−271)を乾燥膜厚60μmになるように塗布し
た。室温で10分間放冷させた後、100℃のエアーオーブ
ン中で30分間焼付を行なった。得られた塗膜の試料を碁
盤目試験、剥離強度の測定および耐水性の評価に供し
た。結果を表1に示す。
(実施例3) 実施例1で使用したものと同じスチレン・イソプレン
ブロック共重合体3kg、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート120g、および2,5−ジメチル−ジ−(t−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン4.8gをヘンシェルミキサーで予め
混合し、得られた混合物を2軸押出機(池貝鉄工所製、
PCM−45)に供給して樹脂温度230℃、回転数260RPMで加
熱混練して反応させ、変性スチレン・イソプレンブロッ
ク共重合体を得た。
得られた変性スチレン・イソプレンブロック共重合体
中の2−ヒドロキシプロピルアクリレートの含有量は3.
5重量%であった。
この変性スチレン・イソプレンブロック共重合体を用
いて、実施例1と同様にして塩素化し、さらに実施例1
と同様にしてポリマー濃度20重量%の水性分散体の調製
を行った。得られた水性分散体を用いて、実施例2と同
様にして塗装を行ない、得られた塗膜試料を碁盤目試
験、剥離強度の測定および耐水性の評価に供した。結果
を表1に示す。
(実施例4) 2−ヒドロキシプロピルアクリレートの代わりに、2
−ヒドロキシエチルメタクリレートを使用した以外は、
実施例1と同様にして変性スチレン・イソプレンブロッ
ク共重合体を得た。この変性スチレン・イソプレンブロ
ック共重合体の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの
含有量は2.2重量%であった。次に、この変性スチレン
・イソプレンブロック共重合体を用いて、実施例1と同
様にして塩素化変性スチレン・イソプレンブロック共重
合体を得、さらに実施例1と同様にしてポリマー濃度20
重量%の水性分散体を調製した。
得られた水性分散体を用いて、実施例2と同様にして
塗装を行ない、得られた塗膜試料を碁盤目試験、剥離強
度の測定および耐水性の評価に供した。結果を表1に示
す。
(実施例5) ガラス繊維強化ナイロンを射出成形してなる成形品
を、ポリプロピレン製角板の代わりに用いた以外は、実
施例2と同様にして塗膜試料を作製し、得られた塗膜試
料を碁盤目試験、剥離強度の測定および耐水性の評価に
供した。結果を表1に示す。
(比較例1) 2−ヒドロキシプロピルアクリレートをグラフト共重
合しない以外は、実施例1と同様に合成を行ない、塩素
化共重合体の水性分散体を得た。これを実施例1と同様
にポリプロピレン角板に塗布した後、実施例2と同様に
上塗り塗装した。得られた塗膜の物性を表1に記した。
<発明の効果> 本発明の水性分散体は、樹脂成形品、特にポリプロピ
レン等のポリオレフィンの成形品との付着性に優れるた
め、十分な剥離強度および密着性を有する塗膜を得るこ
とができるとともに、有機溶媒を含有していないため、
製造時および塗布作業時の作業環境を良好に保つことが
できる。プライマーとして好適なものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 3/03 C08L 53/02,51/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン・イソプレンブロック共重合体ま
    たはその水素添加物に、水酸基を有するα,β−不飽和
    ビニル単量体を0.05〜25重量%を含むようにグラフト共
    重合させてなる変性重合体を、さらに塩素化してなる塩
    素含有量10〜50重量%の塩素化ポリオレフィンを水に分
    散させてなる水性分散体であって、前記塩素化ポリオレ
    フィン5〜70重量部に対して水95〜30重量部を含む水性
    分散体。
  2. 【請求項2】前記水酸基を有するα,β−不飽和ビニル
    単量体が、1価のアルコールの(メタ)アクリル酸エス
    テルまたは多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エ
    ステルである請求項1に記載の水性分散体。
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