JP2895574B2 - 水性分散体 - Google Patents

水性分散体

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JP2895574B2
JP2895574B2 JP2145992A JP14599290A JP2895574B2 JP 2895574 B2 JP2895574 B2 JP 2895574B2 JP 2145992 A JP2145992 A JP 2145992A JP 14599290 A JP14599290 A JP 14599290A JP 2895574 B2 JP2895574 B2 JP 2895574B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、水性分散体に関し、特にポリオレフィン成
形品への塗料等の付着性を改善するのに適した水性分散
体に関する。
〈従来の技術〉 ポリプロピレン等のポリオレフィンの成形品の表面に
塗料を塗布したり、他の樹脂層を形成して、その付加価
値を高めることが行なわれている。ところで、ポリオレ
フィンは極性が小さく一般塗料との付着性が悪いので、
予めクロム酸処理、火炎処理、コロナ処理、プラズマ処
理、溶剤処理などの方法によってポリオレフィン成形品
の表面の塗料に対する付着性を改良することが行なわれ
ている。しかしこれらの方法では複雑な処理を要した
り、腐食性の薬品を使用するので危険を伴い、また、安
定した付着力を得るためにはきびしい工程管理が必要で
あるという欠点を有している。
これらの欠点を改良する有効な手段として、成形品表
面を下塗り剤等で処理する方法があり、その下塗り剤と
して各種の水性分散体が提案されている。
本出願人は、先に、基材及び塗料との密着性に優れた
下塗り剤として、特定のプロピレン・エチレン共重合体
にマレイン酸またはその無水物をグラフトして成る変性
重合体を有機溶媒に溶解して成る表面処理剤(特公昭62
−21027号)を提案した。しかし該表面処理剤は、特殊
な条件下、例えば高温多湿下では増粘、結晶析出を起こ
すことがあり貯蔵条件によっては不都合を生じる場合が
あった。
そこで本出願人は、優れた密着性は保持したまま貯蔵
安定性に優れた下塗り剤として、X線回折による結晶化
度が20%以下のα−オレフィン共重合体にモノオレフィ
ンジカルボン酸ノアルキルエステルを0.5ないし15重量
%グラフト共重合した変性重合体を有機溶媒に溶解して
成ることを特徴とする表面処理剤(特公昭61−11250
号)を提案した。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、近年、工場内の作業環境を良好に保つ
ために揮発性有機溶媒の使用量を低下させることが望ま
れている。
そこで本発明の目的は、このような要求に答えるため
に良好な密着性及び貯蔵安定性を保持しつつ、有機溶媒
を含有しないため工場内の作業環境を悪化させる原因と
ならない、下塗り剤として好適な水分散体を提供するこ
とにある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は前記課題を解決するために、X線回折による
結晶化度が2〜20%のα−オレフィン共重合体に、モノ
オレフィンジカルボン酸及びその無水物並びにモノオレ
フィンジカルボン酸のモノアルキルエステルから選ばれ
る少なくとも1種を、変性共重合体中において0.5〜15
重量%となるようにグラフト共重合した変性共重合体が
水に分散している下塗り剤用水性分散体を提供するもの
である。
また、前記α−オレフィン共重合体が、エチレン・プ
ロピレン共重合体であると、好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性分散体の主成分である変性共重合体の原
料となるα−オレフィン共重合体は、エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレンまたはプロピレンと他のα−オ
レフィンの共重合体あるいはエチレンおよびプロピレン
と他のα−オレフィンとからなる3元重合体でもよい。
該他のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキサン、4−メチル−1ペンテ
ン、1−オクテン等が挙げられる。
また、この共重合体は、有機溶媒に溶解し易く、溶媒
置換法での製造が容易であり、かつ耐揮発油性に優れる
点で、X線回折による結晶化度が20%以下、好ましくは
2〜20%、特に好ましくは5〜18%の範囲のものであ
る。結晶化度が20%以下のものであれば共重合体を構成
するα−オレフィンの種類は特に限定されないが、それ
らの中でもエチレンとプロピレンの共重合体であるエチ
レン・プロピレンランダム共重合体が好ましい。このエ
チレン・プロピレンランダム共重合体におけるプロピレ
ン含量は50〜75モル%、特に好ましくは60〜70モル%の
範囲であり、その分子量は極限粘度[η](135℃、溶
媒:デカリン)で0.3〜20dl/g、特には0.3〜12dl/gの範
囲にあるものが好ましい。
本発明で用いられる変性共重合体において、前記α−
オレフィン共重合体にグラフト共重合されるグラフト共
重合単位は、モノオレフィンジカルボン酸及びその無水
物並びにモノオレフィンジカルボン酸のモノアルキルエ
ステルから選ばれる少なくとも1種である。該モノオレ
フィンジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、シト
ラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、3−メチル−2
−ペンテン・二酸、2−メチル−2ペンテン・二酸、2
−ヘキセン・二酸等が挙げられる。また、これらの無水
物及びカルボキシル基の一つがアルキルアルコールによ
りエステル化されたものも同様に使用される。モノオレ
フィンジカルボン酸のモノアルキルエステルにおいて
は、エステル化率(完全ジエステル化率を200%とす
る)が、水性分散体が十分な貯蔵安定性を有し、良好な
耐水性を有する塗膜が得られる点で、好ましくは45〜10
0%、さらに好ましくは80〜100%であるものが望まし
い。また、モノアルキルエステルのアルキル基としては
CnH2n+1の一般式で表わされるものであり、例えば、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イ
ソプロピル基等が挙げられる。
本発明で用いられる変性共重合体の内で、グラフト共
重合単位としてモノオレフィンジカルボン酸モノアルキ
ルエステルを有する変性共重合体は、例えば、モノオレ
フィンジカルボン酸モノアルキルエステルをα−オレフ
ィン共重合体にグラフト共重合する方法;モノオレフィ
ンジカルボン酸もしくはその無水物を、α−オレフィン
共重合体にグラフト共重合させた後に、アルキルアルコ
ールによりカルボン酸基の1つをエステル化する方法等
によって得ることができる。
変性共重合体中におけるモノオレフィンジカルボン
酸、その無水物及びモノオレフィンジカルボン酸モノア
ルキルエステルから選ばれる少なくとも1種のグラフト
共重合単位のα−オレフィン共重合体に対するグラフト
量は、水性分散体を塗布して得られる塗膜が塗料等に対
して十分な付着性を有し、耐揮発油性も良好であり、ま
た塗膜の耐水性が良好となる点で、0.5から15重量%、
好ましくは3〜10重量%である。
この変性共重合体の結晶化度は未変性の前記α−オレ
フィン共重合体の結晶化度に比べ殆ど変化しないかわず
かに小さくなる程度である。
前記α−オレフィン共重合体にモノオレフィンジカル
ボン酸、モノオレフィンジカルボン酸無水物、モノオレ
フィンジカルボン酸モノアルキルエステル等のグラフト
共重合単位をグラフト共重合する方法としては、種々の
公知の方法が挙げられる。例えばα−オレフィン共重合
体を有機溶媒に溶解し、前記グラフト共重合単位及びラ
ジカル重合開始剤を添加して加熱撹拌することによりグ
ラフトする方法;α−オレフィン共重合体を加熱により
溶融し、該溶融物にグラフト共重合単位及びラジカル重
合開始剤を添加し撹拌することによりグラフト共重合す
る方法;あるいは各成分を押出機に供給してグラフト共
重合する方法;α−オレフィン共重合体のパウダーに前
記グラフト共重合単位及びラジカル重合開始剤を有機溶
媒に溶解した溶液を含浸させた後、パウダーが溶解しな
い温度まで加熱し、グラフト共重合する方法などを挙げ
ることができる。
グラフト共重合の好適条件の1例を以下に記す。
有機溶媒11kgに対してα−オレフィン共重合体を0.01
〜0.5kg、好ましくは0.1〜0.4kg溶解してなる共重合体
溶液に、1〜100ミリモル/min./kg−共重合体、好まし
くは2〜20ミリモル/min./kg−共重合体の割合で前記の
モノオレフィンジカルボン酸、モノオレフィンジカルボ
ン酸無水物、オレフィンジカルボン酸モノアルキルエス
テル等のグラフト共重合単位を逐次滴下する。またラジ
カル重合開始剤も同時に逐次添加が好ましく、添加速度
は約5×10-5〜50ミリモル/min./kg−共重合体、特には
10-2〜5ミリモル/min./kg−共重合体が好ましい。
ラジカル重合開始剤のグラフト共重合単位に対するモ
ル比は、約1/100ないし60/100、特には約1/20ないし1/2
とすることが好ましい。
グラフト共重合反応は、反応溶液を加熱し強撹拌下に
行なうことが好ましい。反応温度は、α−オレフィン共
重合体の融点以上、特には120〜160℃の範囲が好まし
く、反応時間は、通常、2〜10時間程度である。
グラフト反応に用いられるラジカル重合開始剤は、α
−オレフィン共重合体と前記グラフト共重合単位との反
応を促進するものであれば何でも良いが、特に有機ペル
オキシド、有機ペルエステルが好ましい。
具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベン
ゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert
−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペル
オキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert
−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイ
ルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシ
ン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオ
キシド)ヘキサン、tert−ブチルベンゾエート、tert−
ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソ
ブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、t
ert−ブチルペルピパレート、クミルペルピパレート及
びtert−ブチルペルジエチルアセテートが挙げられ、そ
の他アゾ化合物、例えばアゾビス−イソブチルニトリ
ル、ジメチルアゾイソブチルニトリルが挙げられる。こ
れらのうちでは、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブ
チルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(t
ert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のジ
アルキルペルオキシドが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族系炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン等の脂肪族系炭化水素;トリクロルエチ
レン、パークロルエチレン、ジクロルエチレン、クロル
ベンゼン等の塩素系炭化水素などが挙げられ、これらの
中でも芳香族炭化水素が好ましく、アルキル置換芳香族
炭化水素が特に好ましい。
本発明の水性分散体は、以上のようにして得られた変
性共重合体を水に分散してなるものである。
本発明の水性分散体の製造方法としては、変性共重合
体、水、乳化剤を一括して混合して乳化を行なうドラム
乳化法;予め粉砕しておいた変性共重合体を乳化剤とと
もに水に投入して分散させる粉砕法;有機溶媒に溶解さ
せた変性共重合体と乳化剤及び水を混合した後、有機溶
媒を除去する溶媒置換法;ホモミキサーを用いて乳化を
行なうホモミキサー法;転相法等を挙げることができ、
これらは、分散させる変性共重合体の物性等によって適
宜選択される。
乳化剤として用いる界面活性剤としては、非イオン系
及びアニオン系界面活性剤を挙げることができる。前者
としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリ
オキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミンエーテル等を示すことができる。
また後者としては脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エス
テル、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ナフタリン
スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルサルフェートを挙げることができ、特には
アルキルベンゼンスルホン酸ソーダが好ましい。
乳化剤の添加量は、得られる水性分散体における変性
共重合体の分散状態を良好にすることができ、基材との
密着性が良好な水性分散体が得られる点で、変性共重合
体に対し0.05〜10重量%が好ましく、特には0.1〜7重
量%が好ましい。
本発明の水性分散体中の変性共重合体の濃度は、特に
制限されず、塗布する成形品およびその表面性状、塗布
方法、使用する上塗り塗料の性状等に従って、適宜選択
することができる。
噴霧塗布を行なう場合には、塗布面に塗りむらが生じ
にくく、塗膜付着性のばらつきがなく、しかも塗膜が厚
くならず、例えばプライマーとして使用した場合に塗装
後の平滑性が良好となる点で、3〜45重量%の範囲が好
ましい。また、本発明の水性分散体には、必要に応じ増
粘剤、塩基性物質、消泡剤等を添加することができる。
また、ぬれ改良のため、必要に応じて有機溶媒を加えて
も良い。
増粘剤としては、例えば、アルギン酸アンモニウム、
アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム等のアルギ
ン酸塩;ベントナイトクレー等の鉱物性増粘剤;ポリア
クリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ア
クリルエマルジョンコポリマー、架橋アクリルエマルジ
ョンコポリマー等のアクリル酸系増粘剤;カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロール等の
繊維素誘導体などを挙げることができる。特には、カル
ボキシメチルセルロースが好ましい。
消泡剤としては、例えば、ヒマシ油、大豆油、アマニ
油等の植物油;スピンドル油、流動パラフィン等の鉱物
油;ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;オレイルア
ルコール、ポリオキシアルキレングリコール、オクチル
アルコール等のアルコール類;エチレングリコールジス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート等の脂肪酸エステル;トリブチルホスフェート、ソ
ディウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル;ポ
リオキシアルキレンアミド等のアミド類;ステアリン酸
アルミニウム、オレイン酸カルシウム、ステアリン酸カ
ルシウム等の金属石鹸;ジメチルシリコン、ポリエーテ
ル変性シリコン等のシリコン類;ジアミルアミン、ポリ
オキシプロピレンアルキルアミン等のアミン類などを挙
げることができる。
本発明の水性分散体は、いずれの樹脂からなる成形品
にも適用することができるが、特に、極性に乏しいた
め、従来、塗膜または他の樹脂層との付着性が悪かった
ポリオレフィンからなる成形品に適用して、その表面の
付着性を改善することができるため、ポリオレフィンの
成形品に好適である。
このポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン
等のα−オレフィン、およびスチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物などから選ばれる少なくと
も1種の単量体の単独重合体あるいは共重合体;あるい
はこれらの単量体を主成分とし、これらと他の共重合性
単量体との共重合体などが挙げられ、また、これらの重
合体または共重合体をマレイン酸、ハイミック酸等の不
飽和カルボン酸、もしくはその無水物、酸アミド等で変
性したものも挙げられる。該他の共重合性単量体として
は、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エス
テル、ビニルアルコール、塩化ビニル、エチリデンノル
ボルネン、1,4−ヘキサジエン等が挙げられ、これらは
1種単独でも2種以上を組合せても用いられる。
前記のα−オレフィンあるいは芳香族ビニル化合物の
単独重合体または共重合体の具体例として、低密度ポリ
エチレン(高圧法、中低圧法)、中密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモ、ランダ
ム、ブロック)、ポリブテン、ポリスチレンなどが挙げ
られる。
また、α−オレフィンまたは芳香族ビニル化合物と他
の共重合性単量体との共重合体の具体例として、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合
体、エチレン・塩化ビニル共重合体、EPDM等が挙げられ
る。
本発明においては、ポリオレフィンとして、これらの
単独重合体および共重合体を1種単独でも2種以上を組
合わせた混合物でも用いることができる。
これらのポリオレフィンに、タルク、亜鉛華、グラス
ファイバー、チタン白、硫酸マグネシウム等の無機充填
剤、顔料等が配合される場合には、塗料の付着性が更に
良好となる。
このポリオレフィンは、安定剤、紫外線吸収剤、塩酸
吸収剤などの配合剤を含んでいても差し支えない。
好ましく用いられる安定剤としては、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス[メチレ
ン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フ
ェニル)−プロピオネート]メタン、n−オクタデシル
−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス
(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′
−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェ
ノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等のフェノ
ール系安定剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ジス
テアリルチオジプロピオネート等の硫黄系安定剤;トリ
デシルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト
等のリン系安定剤などである。
また、好ましく使用される紫外線吸収剤は、2−ヒド
ロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−エチルヘ
キシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
パラオクチルフェニルサリチレートなどである。
さらに、好ましく使用される塩酸吸収剤は、ステアリ
ン酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどである。
本発明の水性分散体は、いずれの方法によって得られ
た成形品にも適用可能であり、例えば、射出成形、圧縮
成形、中空成形、押出成形、回転成形等の公知の各種成
形法によって得られた成形品に適用できる。
本発明の水性分散体をポリオレフィン成形品に塗布す
る方法は、種々の公知の方法、例えば刷毛、ロール、ス
プレー等を用いる方法、あるいは水性分散体へ成形品を
浸漬する方法等が取り得る。
本発明の水性分散体は、加熱して用いても良いが、常
温でも充分その性能を発揮し得る。処理後、成形品は自
然感想、強制加熱等の方法によって乾燥すればよい。
本発明の水性分散体によって表面を処理した成形品
は、静電塗装、吹き付け塗装、刷毛塗りなどの方法で、
塗料が塗布される。
これらの塗料は下塗りした後、上塗りする方法で塗布
しても良く、また、使用される塗料は特に限定されず、
例えば、アクリル樹脂塗料、アクリル変性アルキッド樹
脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン塗料等が用い
られる。
これらの塗料が塗布されたポリオレフィン成形品は、
ニクロム線、赤外線、高周波加熱等の通常の方法で、塗
膜を硬化させるが、硬化条件はポリオレフィン成形品の
材質、形状、塗料の性状によって決められる。
本発明の水性分散体により処理されたポリオレフィン
成形品は、自動車用部品、工業用部品、電気器具等とし
て広く利用される。
〈実施例〉 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
なお、以下において塗膜の物性試験は次のように行な
った。
(基盤目試験) JIS K 5400に規定されている基盤目試験の方法に準じ
て基盤目を付けた試験片を作成し、セロテープ(ニチバ
ン(株)製、商品名)を、基盤目を形成された塗膜に張
り付けた後、これを速やかに90°方向に引っ張って剥離
させ、基盤目100のうち、塗膜が剥離されなかった基盤
目数を測定し、これを指標として塗膜の付着性を評価し
た。
(剥離強度) 基材上に塗膜を調製し、1cm幅にカッター刃で基材に
刃が届くまで塗膜に切れ目をいれた後、塗膜の端部を剥
離させ、その剥離した塗膜の端部を50mm/分の速度で180
°方向に引っ張って、剥離強度を求めた。
(耐水試験) 塗装品を40℃の水に240時間浸漬後、基盤目試験およ
び剥離強度の測定を行なった。
[実施例1] (モノオレフィンジカルボン酸無水物グラフト変性共重
合体の製造) 加圧反応容器に、プロピレン含量60モル%、デカリン
135℃における[η]が1.93dl/g、X線回折による結晶
化度が12%のプロピレン・エチレン共重合体75gと、ト
ルエン240mlとを仕込み、加圧反応容器系内の窒素置換
を1時間行った。反応容器を145℃に加熱して、共重合
体を完全に溶解させた後、無水マレイン酸6.9gをトルエ
ン30mlに溶解してなる溶液およびジ−tert−ブチルパー
オキシド2.4gを30mlに溶解してなる溶液を、同時に4時
間かけて連続滴下した。滴下終了後、温度を145℃に保
って2時間反応させ、グラフト共重合体のトルエン溶液
を得た。得られたグラフト共重合体を分析したところ、
このグラフト共重合体は、無水マレイン酸グラフト量が
4.2%のグラフト共重合体変性重合体(以下、MAH−PER
と略す)であり、また、溶液中の共重合体濃度は250g/l
であった。
(水性分散体の製造) 前記のMAH−PERトルエン溶液に、トルエンを加え、共
重合体濃度を125g/lに調整した。
このMAH−PER溶液500g、蒸留水500g、及びドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスF−25、
花王(株)製)1.44gを混合し、回転数10000rpmで15分
間撹拌した。次いでカルボキシメチルセルロース(HE−
600、第一工業薬品製)0.72gを加え撹拌混合し、乳化液
を得た。この乳化液中のトルエンをエバポレータで減圧
留去し、共重合体濃度20重量%の水性分散体を得た。
(塗装) 得られた水性分散体を、1,1,1−トリクルエタン蒸気
で洗浄されたポリプロピレン(X440、三井石油化学工業
株式会社製)製の角板(長さ12cm×幅14.5cm×厚さ0.3c
m)に、200g/m2となるように噴霧塗布し、エアオーブン
中100℃で30分間加熱乾燥して、試料を得た。
この試料を碁盤目試験、剥離強度の測定および耐水試
験に供した。結果を表1に示す。
[実施例2] 実施例1で製造したMAH−PERトルエン溶液300mlに、
メチルアルコール5.8ml(MAH−PERにグラフト共重合し
ている無水マレイン酸の2倍モル相当)を一括して添加
した後、145℃で2時間加熱撹拌して反応させ、マレイ
ン酸モノメチルエステルグラフト共重合プロピレン・エ
チレン共重合体(以下、MMM−PERと略す)のトルエン溶
液を得た。溶液中のMMM−PERのエステル化率を赤外線吸
収スペクトルにより確認した結果、エステル化率100%
のマレイン酸モノメテイルエステルがグラフトされてい
ることがわかった。次いで、このMMM−PER溶液を実施例
1と同様に処理して水性分散体を得た。
さらに、実施例1と同様の方法で塗装を行なって、試
料を作成し、碁盤目試験、剥離強度の測定および耐水試
験に供した。結果を表1に示す。
[実施例3] 実施例2で得られた水性分散体の塗膜を有するポリプ
ロピレン製角板の表面に、ウレタン系塗料(R−271、
日本ビーケミカル(株)製)を上塗り塗装した後、100
℃で30分焼付け処理して、試料を得た。得られた試料を
碁盤目試験、剥離強度の測定および耐水試験に供した。
結果を表1に示す。
[実施例4] 水性分散体の製造においてカルボキシメチルセルロー
スの代わりにアクリル酸重合物(ハイビスワコー304、
和光純薬製)を用いる以外は、実施例2と同様の方法で
水性分散体を調製した。得られた水性分散体を用いて実
施例3と同様に上塗り塗装を行なって試料を作成し、こ
の試料を碁盤目試験、剥離強度の測定および耐水試験に
供した。結果を表1に示す。
[比較例1] 水性分散体を塗布しない以外は実施例3と同様に塗料
を塗布して試料を作成し、この試料を、碁盤目試験、剥
離強度の測定および耐水試験に供した。結果を表1に示
す。
〈発明の効果〉 本発明の水性分散体は、良好な貯蔵安定性を有し、成
形品に塗布して良好な、付着性および密着性を有する塗
膜を形成することができるとともに、有機溶媒を含有し
ないため工場内の作業環境を悪化させることがないもの
である。特に、従来、塗料の付着性に乏しかったポリプ
ロピレン等のポリオレフィンからなる成形品に適用し
て、その表面への塗料の付着性を改善することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−37102(JP,A) 特開 昭61−126120(JP,A) 特開 昭61−238842(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 51/06 C09D 151/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線回折による結晶化度が2〜20%のα−
    オレフィン共重合体に、モノオレフィンジカルボン酸及
    びその無水物並びにモノオレフィンジカルボン酸のモノ
    アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種を、変性
    共重合体中において0.5〜15重量%となるようにグラフ
    ト共重合した変性共重合体が水に分散している下塗り剤
    用水性分散体。
  2. 【請求項2】前記α−オレフィン共重合体が、エチレン
    ・プロピレン共重合体であることを特徴とする請求項1
    に記載の下塗り剤用水性分散体。
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