JP2984334B2 - 水分散体 - Google Patents

水分散体

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JP2984334B2 JP2205578A JP20557890A JP2984334B2 JP 2984334 B2 JP2984334 B2 JP 2984334B2 JP 2205578 A JP2205578 A JP 2205578A JP 20557890 A JP20557890 A JP 20557890A JP 2984334 B2 JP2984334 B2 JP 2984334B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は水分散体に関し、特に各種の樹脂成形品に下
塗りして成形品の表面への塗料の付着性を向上させるこ
とができるとともに、有機溶媒を含有しないため、作業
環境を良好に保つことができる、プライマーとして好適
な水分散体に関する。
<従来の技術> 従来、ポリプロピレン等のポリオレフィンの成形品の
表面に塗装を施したり、他の樹脂層を形設したりして、
その付加価値を高めることが行われている。しかし、一
般にポリオレフィンは、極性に乏しく、一般に塗料や他
の樹脂との付着性が悪い。そのため、従来は予め成形品
の表面を、クロム酸、火炎、コロナ放電、プラズマ、溶
剤等で処理して該表面の極性を高めることにより、塗料
の付着性を改善することが試みられてきた。しかし、こ
れらの処理においては、複雑な処理を要したり、腐食性
の薬品を使用するため危険を伴なったりする難点があ
る。また、安定した処理効果を得るためには、厳しい工
程管理が必要であるという欠点がある。
そこで、これらの欠点を改良する有効な手段として、
成形品等の表面をプライマーで塗布処理する方法があ
り、そのプライマーとして、本出願人は、先に、特定の
プロピレン・エチレン共重合体にマレイン酸またはその
無水物をグラフト共重合させてなる変性重合体を有機溶
媒に溶解してなる表面処理剤を提案した。(特公昭62−
21027号公報)また、X線回折によって測定される結晶
化度が20%以下のα−オレフィン共重合体に、モノオレ
フィンジカルボン酸モノアルキルエステルを0.5〜15重
量%グラフト共重合してなる変性重合体を有機溶媒に溶
解してなる表面処理剤を提案した(特公昭61−11250号
公報)。
<発明が解決しようとする課題> しかし、前記に提案された表面処理剤は、良好な付着
性および保存安定性を有し、プライマーとして有用であ
るが、いずれも有機溶媒を含有している。ところで、近
年、揮発性有機溶媒の使用量を低減させ、工場内の作業
環境を良好に保つために、有機溶媒を含有しない、ある
いは有機溶媒を含有していても、その含有量が少量であ
る表面処理剤が、強く要望されている。そのため、前記
の表面処理剤では、このような要望に応えることが困難
である。
そこで本発明の目的は、樹脂成形品、例えば、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン、合成ゴム、不飽和ポリエ
ステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等、あるいは
これらの複合樹脂等の各種の樹脂からなる成形品との付
着性に優れるため、これらの成形品の表面に塗布して十
分な剥離強度および密着性を有する塗膜を得ることがで
き、さらに保存安定性が良好であるとともに、有機溶媒
を含有しない水系であるため、作業環境を良好に保つこ
とができる、プライマーとして好適な水分散体を提供す
ることにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は、前記課題を解決するために、結晶化度が20
%以下のα−オレフィン共重合体に、水酸基を有する
α,β−ビニル単量体を0.05〜25重量%含むようにグラ
フト共重合させてなる変性共重合体を、さらに塩素化し
て得られる塩素含有量10〜50重量%の塩素化変性α−オ
レフィン共重合体を水に分散させてなる水分散体であっ
て、該塩素化変性α−オレフィン共重合体5〜70重量部
に対して、水95〜30重量部を含む水分散体を提供するも
のである。
また、前記α−オレフィン共重合体が、プロピレン・
エチレン共重合体およびプロピレン・ブテン・エチレン
共重合体から選ばれる少なくとも1種であると、好まし
い。
さらに、前記水酸基を有するα,β−ビニル単量体
が、1価のアルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステ
ルおよび多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エス
テルから選ばれる少なくとも1種であると、好ましい。
以下、本発明の水分散体について、詳細に説明する。
本発明の水分散体の主成分である塩素化変性ポリオレ
フィンは、α−オレフィン共重合体に水酸基を有する
α,β−ビニル単量体をグラフト共重合させてなる変性
重合体を、さらに塩素化してなるものである。この塩素
化変性ポリオレフィンの主要構成成分であるα−オレフ
ィン共重合体は、プロピレンおよび/またはエチレンを
主成分とするものであり、例えば、プロピレンの単独重
合体、エチレンの単独重合体、プロピレン・エチレン共
重合体、あるいはプロピレンおよび/またはエチレン
と、他のα−オレフィンとの共重合体である。このα−
オレフィン共重合体において、プロピレンの含有量は、
通常、30〜90モル%程度であり、またエチレンの含有量
は、通常、30〜90モル%程度である。また、このα−オ
レフィン共重合体が、プロピレンとエチレンを共に含有
する場合、その含有割合は、通常、モル比で95/5〜5/95
程度である。また、他のα−オレフィンとしては、例え
ば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。本
発明において、これらの他のα−オレフィンの1種また
は2種以上が、α−オレフィン共重合体に含まれていて
もよい。α−オレフィン共重合体が、この他のα−オレ
フィンを含む場合、その含有量は、通常、40モル%以
下、好ましくは30モル%以下である。
このα−オレフィン共重合体は、有機溶媒に溶解でき
るため溶液状態におけるグラフト共重合が容易となり、
また、後記の溶媒置換法による水分散体の調製が容易と
なる点で、結晶化度が20%以下、好ましくは2〜20%、
特に好ましくは5〜18%のものである。この結晶化度は
X線回折によって測定される値である。
また、このα−オレフィン共重合体の分子量は、135
℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、通常、0.
3〜20dl/g程度、特に好ましくは0.5〜12dl/g程度のもの
である。
本発明において、変性共重合体を得るために、前記の
ようなα−オレフィン共重合体に、グラフト共重合され
る水酸基を有するα,β−ビニル単量体(以下、単に
「ビニル単量体」という)としては、例えば、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート等の1価のアルコー
ルの(メタ)アクリル酸エステル;グリセリンモノ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)ア
クリレート、テトラエチロールエタンモノ(メタ)アク
リレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の
多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル;10
−ウンデセン−1−オール、1−オクテン−3−オー
ル、2−メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレ
ン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル、N−メチロールアクリルアミド、2
−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェ
ート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコー
ル、アリロキシエタノールなどが挙げられる。これらは
1種単独でも2種以上を組合せても用いられる。これら
のビニル単量体の中でも、特に、1価のアルコールの
(メタ)アクリル酸エステル、および多価アルコールの
アクリル酸エステルが好ましく、特に、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレートが好ましい。
本発明において、このビニル単量体は、変性共重合体
中の含有量が、プライマーとして成形品に塗布して、塗
料の付着性が高い塗膜を得ることができる水分散体が得
られる点で、0.05〜25重量%、好ましくは1〜10重量%
となるようにα−オレフィン共重合体にグラフト共重合
される。
以上のような変性重合体の製造は、種々の公知の方法
に従って行なうことができる。例えば、ラジカル重合開
始剤の存在下、不活性溶媒の存在下もしくは不存在下
に、前記α−オレフィン共重合体に前記ビニル単量体を
グラフト共重合させることによって行なうことができ
る。
不活性溶媒の存在下にグラフト共重合する方法として
は、例えば、不活性溶媒にα−オレフィン共重合体を溶
解して溶液を調製し、これにビニル単量体およびラジカ
ル重合開始剤を添加して撹拌しながら加熱して反応させ
る方法などが挙げられる。
このとき、ラジカル重合開始剤/ビニル単量体の使用
割合は、通常、モル比で、1/100〜3/5、好ましくは1/20
〜1/2の範囲である。
反応温度は、50℃以上、特に80〜200℃の範囲が好適
であり、反応時間は2〜10時間程度である。
反応方式は、回分式、連続式のいずれでもよいが、グ
ラフト共重合を均一に行なうためには、回分式が好まし
い。
また、グラフト共重合を不活性溶媒の不存在下に行な
う方法としては、例えば、α−オレフィン共重合体を該
α−オレフィン共重合体の軟化点以上の温度で加熱溶融
し、ビニル単量体およびラジカル重合開始剤を添加し
て、溶融状態で強撹拌しながら反応させる方法;α−オ
レフィン共重合体、ビニル単量体およびラジカル重合開
始剤を予め混合しておき、混合物を押出機にて加熱溶融
して押出しながらグラフト共重合させる方法などが挙げ
られる。これらの不活性溶媒の不存在下に行なう方法に
おいて、ビニル単量体およびラジカル重合開始剤の使用
量、ならびに両者の使用割合等は、前記の不活性溶媒の
存在下に行なう方法と同様である。
上記グラフト共重合に用いられるラジカル重合開始剤
としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクロル
ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−
t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペ
ルオキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(t
−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイ
ルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)−ヘキシン3、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサン等の有機ペルオキ
シド;t−ブチルペルアセテート、t−ブチルペルベンゾ
エート、t−ブチルペルフェニルアセテート、t−ブチ
ルペルイソブチレート、t−ブチルペル−sec−オクト
エート、t−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレ
ート、t−ブチルペルジエチルアセテート等の有機ペル
エステル;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾ
イソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。こ
れらのうちでは、有機ペルオキシドおよび有機ペルエス
テルが好ましく、特に、ジクミルペルオキシド、ジ−t
−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス
(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のジ
アルキルペルオキシドが好ましい。
不活性溶媒を用いる場合、その不活性溶媒の具体例と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭
化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂
肪族系炭化水素;トリクロルエチレン、パークロルエチ
レン、ジクロルエチレン、クロルベンゼン等のハロゲン
化炭化水素などが挙げられ、これらの中でも、芳香族系
炭化水素が好ましく、特にアルキル基置換芳香族系炭化
水素が好ましい。
本発明の水分散体は、前記のようにして得られる変性
共重合体をさらに塩素化して得られる塩素化変性α−オ
レフィン共重合体を主成分とするものである。この塩素
化変性α−オレフィン共重合体は、溶媒に溶解し易く、
後記の溶媒置換法による水分散体の製造が容易であり、
またプライマーとして成形品に塗布して塗料の付着性が
高い塗膜を得ることができる水分散体が得られ、かつ該
塗膜と成形品との付着性も高い点で、塩素含有量が10〜
50重量%、好ましくは12〜30重量%のものである。ま
た、この塩素化変性α−オレフィン共重合体の極限粘度
[η]は、水に分散が容易であり、接着強度も高い点
で、通常、0.1〜20dl/g、好ましくは0.2〜10dl/g程度で
ある。
この塩素化変性α−オレフィン共重合体の製造は、前
記変性共重合体を適当な有機溶媒に溶解または分散させ
た後、塩素ガスと反応させることによって行なうことが
できる。この反応は、通常、50〜120℃程度で、約0.5〜
5時間で行なうのが一般的である。また、反応を効率的
に進行させるために、紫外線や可視光線を照射したり、
あるいはラジカル発生剤を使用してもよい。
用いられる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラドデカン
等の脂肪族炭化水素;メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シク
ロドデカン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン、クメン、エチルトルエン、
トリメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等の芳香
族炭化水素;クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジ
クロロベンゼン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホル
ム、ブロモホルム、トリクロロエタン、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン等の
ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらは1種単
独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明の水分散体は、以上のようにして得られる塩素
化変性α−オレフィン共重合体を水に分散させて得られ
る。塩素化変性α−オレフィン共重合体を水に分散させ
て、本発明の水分散体を製造する方法としては、例え
ば、該塩素化変性α−オレフィン共重合体、水および界
面活性剤を一括して混合して乳化させるドラム乳化法;
予め粉砕しておいた塩素化変性α−オレフィン共重合体
を界面活性剤とともに水中に投入して分散させる粉砕
法;有機溶媒に溶解した塩素化変性α−オレフィン共重
合体と界面活性剤および水とを混合した後、有機溶媒を
除去する溶媒置換法;ホモミキサーを用いて分散を行な
うホモミキサー法;転相法等が挙げられ、使用する塩素
化変性α−オレフィン共重合体の物性に応じて適宜選択
される。
用いられる界面活性剤としては、非イオン系およびア
ニオン系界面活性剤を挙げることができる。非イオン系
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミンエーテル等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、高
級アルコール硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合
物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート
等が挙げられ、特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムが好ましい。
この界面活性剤の使用量は、塩素化変性α−オレフィ
ン共重合体の分散状態が良好で、かつ得られる水分散体
の成形品との密着性が良好となる点で、通常、塩素化変
性α−オレフィン共重合体に対して0.05〜10重量%程度
が好ましく、特に0.1〜7重量%が好ましい。
本発明の水分散体中における塩素化変性α−オレフィ
ン共重合体と水の配合割合は、塩素化変性α−オレフィ
ン共重合体5〜70重量部に対して、水95〜30重量部の割
合の範囲の中で、適宜選択される。特に、本発明の水分
散体を噴霧塗布する場合には、塗布面に塗りむらが生じ
にくく、塗膜の付着性のばらつきが生じにくく、また、
形成される塗膜の層が厚くならないため、例えば、プラ
イマーとして使用した場合に塗装後の塗膜の平滑性が良
好となる点で3〜45重量%が好ましい。
また、本発明の水分散体には、必要に応じて、増粘
剤、塩基性物質、消泡剤等を添加することもできる。さ
らに、塗布される素材との濡れ性を改善するために、必
要に応じて少量の有機溶媒を添加してもよい。
増粘剤としては、例えば、アルギン酸アンモニウム、
アルギン酸ナトリウム、ベントナイトクレー等の鉱物性
増粘剤;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ア
ンモニウム、アクリルエマルジョンコポリマー架橋アク
リルエマルジョンコポリマー等のアクリル酸系増粘剤;
カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース等の繊維素誘導体等を挙げることができ、特
にカルボキシメチルセルロースが好ましい。
消泡剤としては、例えば、ヒマシ油、大豆油、アマニ
油等の植物油;スピンドル油、流動パラフィン等の鉱物
油;ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;オレイルア
ルコール、ポリオキシアルキレングリコール、オクチル
アルコール等のアルコール類;エチレングリコールジス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート等の脂肪酸エステル;トリブチルホスフェート、ナ
トリウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル;ポ
リオキシアルキレンアミド等のアミド類;ステアリン酸
アルミニウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸カル
シウム等の金属石鹸;ジメチルシリコン、ポリエーテル
変性シリコン等のシリコン類;ジアミルアミン、ポリオ
キシプロピレンアルキルアミン等のアミン類等が挙げら
れる。
さらに、本発明の水分散体は、上記以外に、必要に応
じて酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等の各種安定
剤;酸化チタン、有機顔料等の着色剤;カーボンブラッ
ク、フェライト等の導電性付与剤などを含有していても
よい。
本発明の水分散体は、α−オレフィン共重合体やその
他の重合体からなる成形品の表面に塗布し、その表面へ
の塗料の付着性を改善するためのプライマー等として用
いることができる。
特に、本発明の水分散体は、例えば、高圧法ポリエチ
レン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−
4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1−ブテン、ポリス
チレン等のα−オレフィン共重合体;エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン
・ブテン共重合体等のオレフィン共重合体などからなる
成形品に好適に用いることができる。
さらに、本発明の水分散体は、上記のα−オレフィン
共重合体やその共重合体以外にも、ポリプロピレンと合
成ゴムとからなる成形品、ポリアミド樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂等からなる成形品、例えば、自動車用
バンパー等の成形品、さらには、鋼板や電着処理用鋼板
等の表面処理にも用いることができる。
また、ポリウレタン樹脂、脂肪酸変性ポリエステル樹
脂、オイルフリーポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂等を主成分とする塗料、プライマー、接着剤
等を塗布した表面に下塗りし、その表面への塗料等の付
着性を改善すると共に、鮮映性、低温衝撃性等にも優れ
る塗膜を形成するためにも用いられる。
また、本発明の水分散体が適用される成形品は、上記
の各種重合体あるいは樹脂が、射出成形、圧縮成形、中
空成形、押出成形、回転成形等の公知の成形法のいずれ
の方法によって成形されたものであってもよい。
本発明の水分散体は、これを適用する成形品が、タル
ク、亜鉛華、ガラス繊維、チタン白、硫酸マグネシウム
等の無機充填剤、顔料等が配合されている場合にも、特
に塗膜の付着性の良いプライマー塗膜を形成することが
できる。
また、本発明の水分散体を塗布する成形品は、上記以
外に、種々の安定剤、紫外線吸収剤、塩酸吸収剤等を含
有していてもよい。
好ましく用いられる安定剤としては、例えば、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒ
ドロシンナメート)]メタン、メタオクタデシル−3−
(4′−ヒドキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プ
ロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,
5−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェノール)ブタン等のフェノール系安定剤;ジラ
ウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロ
ピオネート等のイオウ系安定剤;トリデシルホスファイ
ト、トリノニルフェニルホスファイト等のリン系安定剤
などを挙げることができる。
また、用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−エ
チルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレ
ート、パラオクチルフェニルサリチレート等が挙げられ
る。
塩酸吸収剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウ
ム等が挙げられる。
本発明の水分散体を成形品の表面に適用する方法とし
ては、噴霧塗布が好適であり、例えば、スプレーガンに
て成形品の表面に吹き付けられる。成形品への塗布は常
温で行なえば良く、塗布した後、自然乾燥や加熱強制乾
燥等、適宜の方法によって乾燥され、塗膜を形成するこ
とができる。
以上のように、成形品の表面に本発明の水分散性を塗
布し、乾燥させた後、該成形品の表面には、静電塗装、
吹き付け塗装、刷毛塗り等の方法によって、塗料を塗布
することができる。
塗料の塗布は、下塗りした後、上塗りする方法で行な
ってもよい。塗料を塗布した後、ニクロム線、赤外線、
高周波等によって加熱する通常の方法に従って塗膜を硬
化させて、所望の塗膜を表面に有する成形品を得ること
ができる。塗膜を硬化させる方法は、成形品の材質、形
状、使用する塗料の性状等によって適宜選ばれる。
また、本発明の水分散体は、付着性、剥離強度および
耐水性に優れる特徴を生かして、上記の成形品のプライ
マーとしての用途以外にも、広範囲の用途に適用可能な
ものであり、例えば、接着剤や塗布料のための添加剤等
の用途にも適用可能であることはもちろんである。
<実施例> 以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら
限定されるものではない。また、以下において、塗膜の
物性は下記の方法に従って評価した。
碁盤目試験 JIS K5400に記載されている碁盤目試験の方法に準じ
て、碁盤目を付けた試験片を作成し、セロテープ(ニチ
バン(株)製、商品名)を試験片の碁盤目上に張り付け
た後、これを速やかに90゜の方向に引っ張って剥離さ
せ、碁盤目100の内で剥離されなかった碁盤目の数を数
え、付着性の指標とした。
剥離強度 基材上に塗膜を調製し、1cm幅にカッター刃で基材に
刃が到達するまで切れ目を入れ、端部を剥離させた後、
その剥離した塗膜の端部を50mm/分の速度で180゜の方向
に塗膜が剥離するまで引っ張って剥離強度を測定した。
耐水性 試験片を40℃の水中に240時間浸漬させた後、碁盤目
試験に供し、付着性を評価する。
(実施例1) 加圧反応容器に、プロピレン・エチレン共重合体(プ
ロピレン含有量:60モル%、極限粘度[η](デカリン1
35℃):1.93dl/g、X線回折による結晶化度:12%)250
重量部およびトルエン500重量部を仕込み、撹拌しなが
ら加熱して160℃まで昇温した。2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート25重量部およびジ−t−ブチルパーオキ
シド6.5重量部を、それぞれ5時間かけて分割して滴下
した後、さらに160℃で2時間、撹拌しながら反応させ
た。反応終了後、反応混合物に大量のメタノールを加
え、生成したグラフト変性共重合体を析出させ、これを
別し、アセトンで繰返し洗浄した後、減圧乾燥した。
得られたグラフト変性共重合体の2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレートの含有量を測定したところ、3.1重量
%であった。
上記に得られたグラフト変性共重合体を、クロロベン
ゼン溶媒中、110℃に加熱して完全に溶解させ、温度を
保ちながら、光を完全に遮断し、塩素ガスを供給して、
約2時間反応させた。得られた反応混合物に大過剰のメ
タノールを加えて、反応生成物を析出させ、これを別
し、メタノールで繰返し洗浄した後、減圧乾燥してグラ
フト変性・塩素化共重合体を得た。
得られたグラフト変性・塩素化共重合体の塩素含有量
を測定したところ、30重量%であった。
次に、得られたグラフト変性・塩素化共重合体をトル
エンに溶解し、ポリマー濃度125g/の溶液を調製し
た。このポリマー溶液500g、蒸留水500gおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王(株)製、ネオペ
レックスF−25)1.44gを、回転数10000rpmで15分間撹
拌して混合させた。次いで、ポリアクリル酸(和光純薬
(株)製、ハイビスワコー304)0.72gを加え、撹拌、混
合して乳化液を得た。得られた乳化液中のトルエンをエ
バボレーターで減圧留去し、ポリマー濃度20重量%の水
分散体を得た。
この水分散体を、1,1,1−トリクロルエタン蒸気で洗
浄したポリプロピレン(X440,三井石油化学工業株式会
社製)製角板に、塗布量が200g/m2となるように噴霧塗
布した。次に、この角板をエアオーブン中で100℃で30
分間加熱乾燥させた後、碁盤目試験および耐水性の評価
に供した。結果を表1に示す。
(実施例2) 実施例1と同様に、ポリプロピレン製角板に水分散体
を塗布、乾燥した後、さらにウレタン系塗料(日本ビー
ケミカル(株)製、R−271)を乾燥膜厚60μmになる
ように上塗りした。
次に、100℃のエアオーブン中で30分間焼付を行な
い、塗膜試料を得た。
得られた塗膜試料を碁盤目試験、剥離強度の測定およ
び耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例3) プロピレン・エチレン共重合体の代わりに、プロピレ
ン・ブテン・エチレン共重合体(プロピレン/ブテン/
エチレンのモル比:65/25/10)を使用した以外は、実施
例1と同様にしてポリマー濃度20重量%の水分散体の調
製を行った。水分散体の調製の途中で得られたグラフト
変性共重合体の2−ヒドロキシプロピルアクリレートの
含有量は2.9重量%であった。また、塩素化変性共重合
体の塩素含有量は30重量%であった。
得られた水分散体を用いて、実施例2と同様にして塗
膜試料を調製し、これを碁盤目試験、剥離強度の測定お
よび耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例4) 2−ヒドロキシプロピルアクリレートの代わりに、2
−ヒドロキシエチルメタクリレートを使用した以外は実
施例1と同様にして、グラフト変性共重合体を製造し
た。得られたグラフト変性共重合体の2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートの含有量を測定したところ、2.2重
量%であった。このグラフト変性ポリプロピレンを、実
施例1と同様にして、塩素含有量:30%になるように塩
素化した後、さらに実施例1と同様にして、ポリマー濃
度20重量%の水分散体を調製し、実施例2と同様にして
塗膜試料を作製して碁盤目試験、剥離強度の測定および
耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例5) 実施例2で使用したものと同じプロピレン・ブテン・
エチレン共重合体3kg、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート120gおよび2,5−ジメチル−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン12gを、ヘンシェルミキサーで予め混
合した後、2軸押出機(池貝鉄工所製、PCM−45)に供
給して、加熱温度230℃、回転数260rpmで混練しながら
押出して反応させ、グラフト変性共重合体を得た。
このグラフト変性共重合体を実施例1と同様にして、
塩素化した後、さらに実施例1と同様にして、ポリマー
濃度20重量%の水分散体を調製し、実施例2と同様に塗
膜試料を作製して碁盤目試験、剥離強度の測定および耐
水性の評価に供した。結果を表1に示す。
(比較例1) グラフト変性共重合体の変性を行なわない以外は、実
施例1と同様にして水分散体を調製し、これを用いて、
実施例2と同様にして塗膜試料を作製し、これを碁盤目
試験、剥離強度の測定および耐水性の評価に供した。結
果を表1に示す。
(比較例2) 水分散体を塗布しない以外は、実施例2と同様にして
塗膜試料を作製し、これを碁盤目試験、剥離強度の測定
および耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
剥離強度:g/10mm 注 表中の「−」は測定を行わなかったことを示す。
碁盤目試験:碁盤目100当りの剥離されなかった碁盤目
の数 <発明の効果> 本発明の水分散体は、樹脂成形品、例えば、ポリプロ
ピレン等のα−オレフィン共重合体、合成ゴム、不飽和
ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等、あ
るいはこれらの複合樹脂等の各種の樹脂からなる成形品
との付着性に優れるため、これらの成形品の表面に塗布
して十分な剥離強度および密着性を有する塗膜を得るこ
とができるとともに、有機溶媒を含有しない水系である
ため、作業環境を良好に保つことができる、プライマー
として好適なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−139903(JP,A) 特開 平1−256556(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 3/03 C08F 255/00 - 255/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶化度が20%以下のα−オレフィン共重
    合体に、水酸機を有するα,β−ビニル単量体を0.05〜
    25重量%含むようにグラフト共重合させてなる変性共重
    合体を、さらに塩素化して得られる塩素含有量10〜50重
    量%の塩素化変性α−オレフィン共重合体を水に分散さ
    せてなる水分散体であって、該塩素化変性α−オレフィ
    ン共重合体5〜70重量部に対して、水95〜30重量部を含
    む水分散体。
  2. 【請求項2】前記α−オレフィン共重合体が、プロピレ
    ン・エチレン共重合体およびプロピレン・ブテン・エチ
    レン共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項
    1に記載の水分散体。
  3. 【請求項3】前記水酸基を有するα,β−ビニル単量体
    が、1価のアルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステ
    ルおよび多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エス
    テルから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載
    の水分散体。
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