JP2970934B2 - 変性スチレン・オレフィンブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

変性スチレン・オレフィンブロック共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は変性スチレン・オレフィンブロック共重合体
の製造方法に関し、特に各種成形品の表面に塗布して、
該表面の塗料や接着剤との付着性が向上し、また十分な
剥離強度を有する塗膜を得ることができる変性スチレン
・オレフィンブロック共重合体を得ることができる方法
に関する。
<従来の技術> 樹脂成形品の表面に塗料を塗装したり、他の樹脂層を
形成して、その付加価値を高めることが行なわれてい
る。その際、樹脂成形品の表面の塗料の付着性、あるい
は接着性を向上させるために、表面をクロム酸処理、火
炎処理、コロナ処理、プラズマ処理、溶剤処理などの方
法によって処理することが行なわれている。
しかし、これらの方法では、複雑な処理を要するため
簡便に行なうことができなかったり、腐食性の薬品を使
用するので危険を伴なう、また、安定した付着力を得る
ためには厳しい工程管理が必要であるなどの問題があっ
た。
そこで、塗装用の表面処理剤として、スチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体の水素化物に、水酸
基を有するビニル単量体を重合して得られる組成物が提
案されている。(特開昭63−51477号公報) <発明が解決しようとする課題> しかし、上記の特開昭63−51477号公報に記載の組成
物を塗布して得られる塗膜は、剥離強度が未だ不十分で
あった。
そこで本発明の目的は、各種成形品の表面に塗布し
て、該表面の塗料や接着剤との付着性が向上し、また十
分な剥離強度を有する塗膜を得ることができるプライマ
ーあるいは接着剤等の主成分として好適な変性スチレン
・オレフィンブロック共重合体を得ることができる方法
を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 前記課題を解決するために、本発明は、スチレン・オ
レフィンブロック共重合体またはその水素化物に水酸基
含有ビニル単量体をグラフト共重合させる工程と、オレ
フィン系重合体を塩素化する工程とを有する変性スチレ
ン・オレフィンブロック共重合体の製造方法を提供する
ものである。
また、本発明は、第1の態様として、スチレン・オレ
フィンブロック共重合体またはその水素化物に水酸基含
有ビニル単量体をグラフト共重合させた後、塩素化する
工程を有する方法を提供するものである。
さらに、本発明の第2の態様として、スチレン・オレ
フィンブロック共重合体またはその水素化物を塩素化し
た後、水酸基含有ビニル単量体をグラフト共重合させる
工程を有する方法を提供するものである。
以下、本発明の変性オレフィン系重合体の製造方法に
ついて詳細に説明する。
本発明で用いられるスチレン・オレフィンブロック共
重合体またはその水素化物は、スチレンとオレフィンと
の共重合体であり、1個以上のスチレンに由来するスチ
レン重合体ブロック[S]と、1個以上のオレフィンに
由来するオレフィン重合体ブロック[X]とを含む共重
合体またはその水素化物であり、例えば、一般式: S−X (式中、nは1以上の整数である) で表わされる構造を有するものまたはその一部が水素化
されたものである。
このオレフィン重合体ブロックを構成するオレフィン
としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、ブタジエン、1−ヘキセン、イソプ
レン等が挙げられ、1種または2種以上がオレフィン重
合体ブロック中に含まれていてもよい。
このスチレン・オレフィンブロック共重合体における
スチレン/オレフィンの含有割合は、通常、10/90〜60/
40程度、好ましくは20/80〜50/50程度である。
また、このスチレン・オレフィンブロック共重合体の
平均分子量は、通常、20000〜150000程度である。
さらにスチレン・オレフィンブロック共重合体の水素
化物を使用する場合、その水素化物の具体例としては、
シェル化学社からクレイトンの商品名で市販されている
ものなどが挙げられる。
本発明の方法において、スチレン・オレフィンブロッ
ク共重合体に水酸基含有ビニル単量体をグラフト共重合
させる工程(以下、「グラフト共重合工程という)と、
スチレン・オレフィンブロック共重合体を塩素化する工
程(以下、「塩素化工程」という)とは、いずれを先に
行なってもよいが、所望の塩素含有量を有する変性スチ
レン・オレフィンブロック共重合体を容易に得ることが
できるとともに、作業環境を良好に保つことができる点
で、グラフト共重合工程を行なった後、塩素化工程を行
なうのが好ましい。
グラフト共重合工程は、例えば、不活性溶媒にスチレ
ン・オレフィンブロック共重合体を溶解して溶液を調製
し、この溶液に水酸基含有ビニル単量体およびラジカル
重合開始剤を加え、加熱・攪拌して反応させる方法;ス
チレン・オレフィンブロック共重合体をその軟化点以上
の温度で加熱・溶融し、水酸基含有ビニル単量体および
ラジカル重合開始剤を加えた後、溶融状態で強攪拌して
反応させる方法;スチレン・オレフィンブロック共重合
体、水酸基含有ビニル単量体およびラジカル重合開始剤
を、予め混合し、得られた混合物を押出機に供給して加
熱溶融し押出しながら反応させる方法;スチレン・オレ
フィンブロック共重合体のペレットまたはパウダーに、
有機溶媒に溶解した水酸基含有ビニル単量体およびラジ
カル重合開始剤を含浸させた後、該スチレン・オレフィ
ンブロック共重合体の融点以下の温度で加熱して反応さ
せる方法などが挙げられ、用いるスチレン・オレフィン
ブロック共重合体の分子量、目標とするグラフト量、お
よび攪拌能力等の使用する装置の能力などに応じて適宜
選択される。
本発明でグラフト共重合単位として用いられる水酸基
含有ビニル単量体としては、水酸基を有するα,β−不
飽和ビニル単量体等が挙げられる。
水酸基を有するα,β−不飽和ビニル単量体の具体例
としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
−3−フェニキシプロピル(メタ)アクリレート、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
等の1価のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル;
グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンモノ(メタ)アクリレート、テトラエチロールエタ
ンモノ(メタ)アクリレート、ブテンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート等の多価アルコールのモノ(メタ)ア
クリル酸エステル;10−ウンデセン−1−オール、1−
オクテン−3−オール、2−メタノールノルボルネン、
ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N−メチロール
アクリルアミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルアシッドホスフェート、グリセリンモノアリルエーテ
ル、アリルアルコール、アリロキシエタノールなどが挙
げられる。これらの中でも、1価のアルコールの(メ
タ)アクリル酸エステルまたは多価アルコールのモノ
(メタ)アクリル酸エステルが好ましく用いられる。
本発明の方法のグラフト共重合工程において、この水
酸基含有ビニル単量体の使用量は、ライマーとして塗布
して上塗り塗料との密着性が高く、プライマー塗膜層の
凝集力が高い変性スチレン・オレフィンブロック共重合
体が得られる点で、得られる変性スチレン・オレフィン
ブロック共重合体中の水酸基含有ビニル単量体の含有
量、すなわちグラフト量が0.05〜25重量%、好ましくは
1〜10重量%となる量である。
用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、ベ
ンゾイルパーオキシド、ジクロルベンゾイルパーオキシ
ド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾエー
ト)ヘキシン−3、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼン、ラウロイルパーオキシド、t
−ブチルパーアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシド)ヘキサン、t−ブ
チルベンゾエート、t−ブチルパーフェニルアセテー
ト、t−ブチルパーイソブチレート、t−ブチルパーse
c−オクトエート、t−ブチルパーピバレート、クミル
パーピバレート、t−ブチルパージエチルアセテート等
が挙げられ、その他アゾ化合物、例えば、アゾビス−イ
ソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチロニトリル等
が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組合せ
ても用いられる。これらのうちでは、ジクミルパーオキ
シド、ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン等のジアルキルパーオキシドが好ましい。
不活性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族系炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素;トリクロルエ
チレン、パークロルエチレン、ジクロルエチレン、クロ
ルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
これらは1種単独でも2種以上を組合せても用いられ
る。これらのうちでは、トルエン等の芳香族系炭化水素
が好ましい。
この不活性溶媒をグラフト共重合工程に使用する場
合、その使用量は、通常、不活性溶媒1に対して、ス
チレン・オレフィンブロック共重合体50〜500gの割合に
なる量である。
塩素化工程は、例えば、前記グラフト共重合工程の前
または後に、スチレン・オレフィンブロック共重合体を
有機溶媒に溶解または分散させた後、塩素ガスと反応さ
せる方法によって行なうことができる。このとき、紫外
線や可視光線を照射して反応を活性化させたり、あるい
はラジカル発生剤を使用してもよい。さらに必要に応じ
て加熱してもよい。
用いられる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン等
の脂肪族炭化水素;メチルシクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロ
ドデカン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、クメン、エチルトルエン、ト
リメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等の芳香族
炭化水素;クロロベンゼン、ブロモブンゼン、o−ジク
ロロベンゼン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホル
ム、ブロモホルム、トリクロルエタン、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン等の
ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらは1種単
独でも2種以上を組合せても用いられる。
この有機溶媒の使用量は、通常、有機溶媒1に対し
て、スチレン・オレフィンブロック共重合体50〜300gの
割合の量である。
塩素化工程において、ラジカル発生剤を使用する場
合、そのラジカル発生剤の具体例としては、グラフト共
重合工程について例示のものと同じものが挙げられる。
本発明の方法で得られる変性スチレン・オレフィンブ
ロック共重合体の塩素含有量は、プライマーとして塗布
して、凝集力が高く、かつ被塗布物との付着性の高い塗
膜を得ることができるとともに、常温で有機溶媒に容易
に溶解できる変性スチレン・オレフィンブロック共重合
体が得られる点で、通常、10〜50重量%が好ましく、特
に、12〜30重量%が好ましい。
本発明の方法で得られる変性スチレン・オレフィンブ
ロック共重合体は、有機溶媒に溶解または分散して、α
−オレフィン共重合体、オレフィン共重合体、ポリアミ
ド、不飽和ポリエステル、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂の成形
品、あるいはポリプロピレンとゴムと複合樹脂の成形品
などの表面に塗布してこれらに対するブライマーとし
て、あるいは接着剤の主成分や塗料用ビヒクルとして、
好適に使用できる。特に、極性に乏しいため、従来、塗
膜または他の樹脂層との付着性が悪かったポリオレフィ
ンからなる成形品に適用して、その成形品の表面の塗装
性および付着性を改善することができるため、ポリオレ
フィンの成形品用のプライマーとして好適である。
このポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン
等のα−オレフィン、およびスチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物などから選ばれる少なくと
も1種の単量体の単独重合体あるいは共重合体;もしく
はこれらの単量体を主成分とし、これらと他の共重合性
単量体との共重合体などが挙げられる。また、これらの
重合体または共重合体をマレイン酸、ハイミック酸等の
不飽和カルボン酸、もしくはその無水物、酸アミド等で
変性したものも挙げられる。該他の共重合性単量体とし
ては、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、ビニルアルコール、塩化ビニル、エチリデンノ
ルボルネン、1,4−ヘキサジエン等が挙げられ、これら
は1種単独でも2種以上を組合せても用いられる。前記
のα−オレフィンあるいは芳香族ビニル化合物の単独重
合体または共重合体の具体例としては、低密度ポリエチ
レン(高圧法、低圧法)、中密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモ、ランダム、ブロ
ック)、ポリブテン、ポリスチレンなどが挙げられる。
また、α−オレフィンまたは芳香族ビニル化合物と、
他の共重合性単量体との共重合体の具体例としては、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共
重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体、EPDM等が挙げ
られる。
本発明で得られる変性スチレン・オレフィンブロック
共重合体は、ポリオレフィンとして、これらの単独重合
体または共重合体を1種単独でも2種以上を組合せた混
合物からなる成形品にも適用できる。
また、これらのポリオレフィンに、亜鉛華、グラスフ
ァイバー、チタン白、硫酸マグネシウム等の無機充填
剤、顔料、染料、着色剤等が配合されている場合には、
塗料の付着性がさらに良好となる。
さらに、ポリオレフィンは、安定剤、紫外線吸収剤、
塩酸吸収剤等の配合剤を含んでいても差し支えない。
安定剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ジヒドロキシ−フェニル)−プロピ
オネート]メタン、n−オクタデシル−3−(4′−ヒ
ドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)プロ
ピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t
ert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3
−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チ
オビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチ
ルフェノール)ブタン等のフェノール系安定剤;ジラウ
リルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピ
オネート等の硫黄系安定剤;トリデシルホスファイト、
トリノニルフェニルホスファイト等のリン系安定剤など
が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4
−オクトキシベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−2
−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、p−オクチ
ルフェニルサリチレート等が挙げられる。
塩酸吸収剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウ
ム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
本発明で得られる変性スチレン・オレフィンブロック
共重合体は、いずれの方法によって得られた成形品に
も、プライマーとして適用可能であり、例えば、射出成
形、圧縮成形、中空成形、押出成形、回転成形等の各種
成形法によって得られたいずれの成形品にも適用でき
る。
本発明の方法で得られる変性スチレン・オレフィンブ
ロック共重合体をポリオレフィン成形品等に塗布する方
法は、種々の公知の方法、例えば、刷毛、ロール、スプ
レー等を用いる方法、あるいは変性スチレン・オレフィ
ンブロック共重合体の溶液あるいは分散液に成形品を浸
漬する方法等が採り得る。
本発明の方法で得られる変性スチレン・オレフィンブ
ロック共重合体は、加熱して用いてもよいが、常温でも
十分その性能を発揮し得る。塗布処理後、成形品は、自
然乾燥、強制乾燥等の方法によって乾燥すればよい。
本発明の方法で得られる変性スチレン・オレフィンブ
ロック共重合体によって表面を処理した成形品は、静電
塗装、吹き付け塗装、刷毛塗り等の方法で塗料を塗布す
ることができる。
塗料は、下塗りした後、上塗りする方法で塗布しても
よく、また、使用される塗料は特に限定されず、例え
ば、アクリル樹脂塗料、アクリル変性アルキッド樹脂塗
料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン塗料等を用いるこ
とができる。
これらの塗料が塗布されたポリオレフィン成形品は、
ニクロム線、赤外線、高周波加熱等の通常の方法で加熱
して、塗膜を硬化させるが、硬化条件はポリオレフィン
成形品の材質、形状、塗料の性状等によって適宜選択す
ればよい。本発明の方法で得られた変性スチレン・オレ
フィンブロック共重合体により処理されたポリオレフィ
ン成形品は、自動車用部品、工業用部品、電気器具等の
各種成形品として広く利用される。
<実施例> 以下、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。また、以下の実施例および比較例に
おいて、碁盤目試験、剥離強度の測定および耐水性の評
価は下記の方法にしたがって行なった。
碁盤目試験 JIS K5400に記載されている碁盤目試験の方法に準じ
て、碁盤目を付けた試験片を作成し、粘着テープ(ニチ
バン(株)製、セロテープ)を試験片の碁盤目上に張り
付けた後、これを速やかに90゜方向に引っ張って剥離さ
せ、碁盤目100個のうち、塗膜が剥離されなかった碁盤
目の数を数え、これを塗膜の付着性の指標とした。
剥離強度 基材上に塗膜を調製し、1cm幅にカッター刃で基材に
刃が届くまで塗膜に切れ目を入れた後、塗膜の端部を剥
離させ、その剥離した塗膜の端部を50mm/分の速度で180
゜の方向に引っ張って、剥離強度を測定した。
耐水性 塗装品を40℃の水に240時間浸漬後、碁盤目試験およ
び剥離強度の測定に供した。
(実施例1) 攪拌装置を備えた容量1.5のオートクレーブに、ス
チレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(シ
ェル化学社製、クレイトンG−1652;数平均分子量:8.8
×104、スチレン含有量:31重量%)250重量部およびト
ルエン500重量部を仕込み、攪拌しながら加熱して160℃
まで昇温した。次いで、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート25重量部およびジ−t−ブチルパーオキシド6.5
重量部を、それぞれ5時間かけて滴下した後、さらに16
0℃で2時間、攪拌しながら反応させた。反応終了後、
反応混合物に大過剰ののアセトンを加え、生成した変性
スチレン・ブタジエンブロック共重合体を析出させ、こ
れを別し、アセトンで繰返し洗浄した後、減圧乾燥し
た。
得られた変性スチレン・ブタジエンブロック共重合体
中の2−ヒドロキシプロピルアクリレートの含有量を測
定したところ、3.4重量%であった。
上記に得られた変性スチレン・ブタジエンブロック共
重合体を、クロロベンゼン溶媒中、110℃に加熱して完
全に溶解させ、温度を保ちながら、光を完全に遮断し、
塩素ガスを供給して、約2時間30分間反応させた。反応
終了後、得られた反応混合物に大過剰のメタノールを加
えて、反応生成物を析出させ、これを別し、メタノー
ルで繰返し洗浄した後、減圧乾燥して塩素化変性スチレ
ンブタジエンブロック共重合体を得た。
得られた塩素化変性スチレン・ブタジエンブロック共
重合体の塩素含有量を測定したところ、30重量%であっ
た。
この塩素化変性スチレン・ブタジエンブロック共重合
体を、トルエンに濃度20重量%に溶解して試料を調製し
た。
得られた試料を、1,1,1−トリクロルエタン蒸気で洗
浄したポリプロピレン(三井石油化学工業株式会社製、
X440)製角板に、塗布量が200g/m2となるように噴霧塗
布した。次に、この角板をエアーオーブン中で100℃で3
0分間加熱乾燥させた。さらに、上塗り塗料(日本ビー
ケミカル(株)製、R−271)を乾燥膜厚が60μmにな
るように塗布した。次に、室温で10分間放冷した後、10
0℃のエアーオーブン中で30分間焼付を行ない、塗膜試
料を得た。得られた塗膜試料を、碁盤目試験、剥離強度
の測定および耐水性の評価に供した。結果を表1に示
す。
(実施例2) 実施例1で使用したものと同じスチレン・ブタジエン
ブロック共重合体3kg、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート120gおよび2,5−ジメチル−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン4.8gを、ヘンシェルミキサーで予め混
合した後、2軸押出機(池貝鉄工所製、PCM−45)に供
給して、加熱温度230℃、回転数260rpmで混練しながら
押出して反応させ、変性スチレン・ブタジエンブロック
共重合体を得た。
得られた変性スチレン・ブタジエンブロック共重合体
中の2−ヒドロキシプロピルアクリレートの含有量を測
定したところ、2.9重量%であった。
この変性スチレン・ブタジエンブロック共重合体を実
施例1と同様にして塩素化して、塩素化変性スチレン・
ブタジエンブロック共重合体を得、これをトルエンに溶
解して溶液を調製した。得られた塩素化変性スチレン・
ブタジエンブロック共重合体のトルエン溶液を、実施例
1と同様にしてポリプロピレン製角板に塗布して塗膜試
料を作成し、これを碁盤目試験、剥離強度の測定および
耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例3) スチレン・ブタジエンブロック共重合体の代わりに、
スチレン・イソプレンブロック共重合体(数平均分子
量:46000、スチレン含有量:31重量%)を使用した以外
は実施例1と同様にして反応させ、変性スチレン・イソ
プレンブロック共重合体を得た。
得られた変性スチレン・イソプレンブロック共重合体
中の2−ヒドロキシプロピルアクリレートの含有量は4.
1重量%であった。
この変性スチレン・イソプレンブロック共重合体を実
施例1と同様にして塩素化して、塩素化変性スチレン・
イソプレンブロック共重合体を得、これをトルエンに溶
解して溶液を調製した。得られた塩素化変性スチレン・
イソプレンブロック共重合体のトルエン溶液を、実施例
1と同様にしてポリプロピレン製角板に塗布して塗膜試
料を作成し、これを碁盤目試験、剥離強度の測定および
耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例4) スチレン・ブタジエンブロック共重合体の代わりに、
スチレン・イソプレンブロック共重合体(数平均分子
量:46000、スチレン含有量:31重量%)を使用し、また
2−ヒドロキシプロピルアクリレートの代わりに2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレートを使用した以外は実施例
1と同様にして反応させ、変性スチレン・イソプレンブ
ロック共重合体を得た。
得られた変性スチレン・イソプレンブロック共重合体
中の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの含有量は3.
0重量%であった。
この変性スチレン・イソプレンブロック共重合体を実
施例1と同様にして塩素化して、塩素化変性スチレン・
イソプレンブロック共重合体を得、これをトルエンに溶
解して溶液を調製した。得られた塩素化変性スチレン・
イソプレンブロック共重合体のトルエン溶液を、実施例
1と同様にしてポリプロピレン製角板に塗布して塗膜試
料を作成し、これを碁盤目試験、剥離強度の測定および
耐水性の評価に供した。結果を表1に示す。
<発明の効果> 本発明の方法によれば、各種樹脂の成形品の表面に塗
布して、該表面の塗料や接着剤との付着性が向上、また
十分な剥離強度を有する塗膜を得ることができる、プラ
イマーあるいは接着剤等の主成分や塗料用ビヒクルとし
て好適な変性オレフィン系重合体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−89831(JP,A) 特開 平4−89829(JP,A) 特開 平3−109471(JP,A) 特開 昭63−51477(JP,A) 特開 昭60−248778(JP,A) 特開 昭60−99138(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 8/22,287/00 C09D 5/00 C09J 5/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン・オレフィンブロック共重合体ま
    たはその水素化物に水酸基含有ビニル単量体をグラフト
    共重合させる工程と、スチレン・オレフィンブロック共
    重合体を塩素化する工程とを有する変性スチレン・オレ
    フィンブロック共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】スチレン・オレフィンブロック共重合体ま
    たはその水素化物に水酸基含有ビニル単量体をグラフト
    共重合させた後、塩素化する工程を有する請求項1に記
    載の変性スチレン・オレフィンブロック共重合体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】スチレン・オレフィンブロック共重合体ま
    たはその水素化物を塩素化した後、水酸基含有ビニル単
    量体をグラフト共重合させる工程を有する請求項1に記
    載の変性スチレン・オレフィンブロック共重合体の製造
    方法。
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