JPH08217835A - 改質された非晶質重合体 - Google Patents

改質された非晶質重合体

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JPH08217835A
JPH08217835A JP4933295A JP4933295A JPH08217835A JP H08217835 A JPH08217835 A JP H08217835A JP 4933295 A JP4933295 A JP 4933295A JP 4933295 A JP4933295 A JP 4933295A JP H08217835 A JPH08217835 A JP H08217835A
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amorphous
propylene
copolymer
butene
unsaturated carboxylic
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Hidemasa Okamoto
秀正 岡本
Masaru Kunimura
勝 国村
Yoshiichi Yamamoto
芳一 山本
Iwao Tsuruya
巌 鶴谷
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UBE REKISEN KK
Ube Corp
Original Assignee
UBE REKISEN KK
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレ
ン−ブテン−1共重合体に炭素数3〜10の不飽和カル
ボン酸、その酸無水物およびそのエステルからなる不飽
和カルボン酸誘導体成分がグラフト共重合した非晶質重
合体。 【効果】 本発明は各種樹脂の改質剤として、あるいは
接着剤、印刷性および染色性に優れた改質された非晶質
ポリプロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1共
重合体であり、比較的高温下あるいは高凝集力が要求さ
れるところに適するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な改質された非晶
質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1
共重合体に関し、さらに詳しくは、各種樹脂の改質剤と
して、あるいは接着性、印刷性および染色性に優れた樹
脂として使用することのできる改質された非晶質ポリプ
ロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1共重合体
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
から、無極性のポリエチレン、ポリプロピレンなどの結
晶質高分子量ポリオレフィンに、不飽和カルボン酸誘導
体をグラフト共重合することにより、ポリオレフィンの
物理的、化学的性質を改善することは知られている。す
なわち、カルボキシル基をポリオレフィンに導入するこ
とにより、極性物質との接着性が改良され、印刷性及び
染色性が著しく改良される。非晶質低分子量ポリオレフ
ィンへの不飽和カルボン酸誘導体のグラフト共重合体と
しては、特開平1−282207号が開示されている。
すなわち、プロピレン成分が71〜95モル%、エチレ
ン成分が29〜5モル%で、数平均分子量が3,500
〜30,000である非晶質低分子量プロピレン−エチ
レン共重合体に炭素数3〜10の不飽和カルボン酸、そ
の酸無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボン
酸誘導体成分が該ポリマー100重量部あたり0.1〜
40重量部グラフト共重合したものは各種樹脂の改質剤
として、あるいは接着性、印刷性および染色性に優れた
樹脂として使用することができると述べている。元来、
非晶質低分子量ポリオレフィンはホットメルト接着剤の
主原料として多用されている。上記のグラフト共重合体
は接着性の向上という点では確かに十分に改質されてい
るが、プロピレンおよびエチレン成分量よりその軟化点
が145〜120℃でかつ凝集力が低いため、比較的低
温でかつ高凝集力を要しない用途にしか適用できない。
すなわち、軟化点が高いかあるいは凝集力が高いもので
あってかつ接着性を改良したものが熱望されていた。し
たがって、本発明の目的は、比較的高温下で適用される
場合あるいは高凝集力が要求される場合の、各種樹脂の
改質剤として、あるいは接着性、印刷性、染色性に優れ
た樹脂として使用することができる改質された非晶質ポ
リプロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1共重
合体を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロ
ピレン−ブテン−1共重合体に特定の不飽和カルボン酸
誘導体成分がグラフト共重合した非晶質重合体が上記目
的を達成することを見出した。本発明における非晶質ポ
リプロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1共重
合体は、数平均分子量が2,000〜40,000の範
囲にあり、結晶融解熱量が20Joule /g以下である。
数平均分子量が2,000未満では、ポリマーとしての
特性が発揮されず、40,000を超えると接着剤など
として用いるには粘度などの物性上好ましくない。な
お、数平均分子量は、例えば、ゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィ(GPC)など周知の方法によって
測定することができる。また、結晶融解熱量が20Joul
e /gを超えると、結晶性が増大して樹脂の柔軟性が低
下し、接着性が低下する。なお、結晶融解熱量は下記の
ように測定した。すなわち、この結晶融解熱量は、示差
走査型熱量計による重合体の完全溶融状態の比熱曲線を
低温側に直接外挿して得られる直線をベースラインとし
て計算される値である。その測定は、示差走査型熱量計
として、島津製作所製DSC−50を用い、サンプル量
を約10mg、測定雰囲気を窒素雰囲気とし、熱量標準
としてインジウムを使用して行った。また、加熱プログ
ラムは次の通りであった。すなわち、サンプルを50℃
/分の昇温速度で210℃まで昇温し210℃で5分間
放置後、10℃/分の降温速度で−42℃まで冷却し、
−42℃で5分間放置する。その後20℃/分の昇温速
度で−40℃から200℃まで測定を行った。
【0004】本発明の非晶質ポリプロピレンまたは非晶
質プロピレン−ブテン−1共重合体は、さらに、沸騰n
−ヘプタン不溶分、すなわち、沸騰n−ヘプタンによる
ソックスレー抽出不溶分が70重量%以下、好ましくは
60重量%以下、特に好ましくは10重量%以下のもの
が望ましい。沸騰n−ヘプタン不溶分が70重量%より
大きいと、非晶質部分の比率が少なくなり目的とする十
分な接着性が得られない。しかして、非晶質プロピレン
−ブテン−1共重合体の場合、プロピレン成分は50モ
ル%以上100モル%未満である。プロピレン成分が1
00モル%の場合は非晶質ポリプロピレンに該当し、高
い軟化点が特長である。プロピレン成分が上記範囲にあ
る非晶質プロピレン−ブテン−1共重合体は高い凝集力
が特長であり、プロピレン成分が50モル%未満ではこ
の特長が発現しない。上記の非晶質ポリプロピレンまた
は非晶質プロピレン−ブテン−1共重合体は、所定のプ
ロピレン成分を含有するように原料から目的生産でき
る。例えば、塩化マグネシウムに担持したチタン担持型
触媒とトリエチルアルミニウムを用いて水素の存在下ま
たは不存在下で原料モノマーを重合して得ることができ
る。供給の安定性および品質の安定性の観点から目的生
産されたものを使用することが望ましい。
【0005】本発明の改質された非晶質ポリプロピレン
または非晶質プロピレン−ブテン−1共重合体は、前記
非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン
−1共重合体に炭素数3〜10の不飽和カルボン酸、そ
の酸無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボン
酸誘導体成分がグラフト共重合したものである。上記不
飽和カルボン酸誘導体成分の炭素数は3〜10の範囲で
あり、より好ましくは4〜8である。炭素数が3未満で
はポリマーへの着臭が強く、炭素数が10を超えるとグ
ラフト反応が起こりにくい。しかして、炭素数が3ない
し10の不飽和カルボン酸、その酸無水物およびそのエ
ステルからなる不飽和カルボン酸誘導体としては、例え
ばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル
酸、ビシクロ(2,2,1)ヘプト−2−エン−5,6
−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ
無水フタル酸、ビシクロ(2,2,1)ヘプト−2−エ
ン−5,6−ジカルボン酸無水物などの不飽和カルボン
酸の無水物、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマール
酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチ
ル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ(2,
2,1)ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメ
チルなどの不飽和カルボン酸のエステルが挙げられる。
これらの中でもマレイン酸、イタコン酸またはこれらの
無水物が好ましい。
【0006】グラフト共重合は公知の方法で実施され
る。例えば、非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピ
レン−ブテン−1共重合体と不飽和カルボン酸誘導体成
分との溶融混合物にあるいはトルエン、キシレンなどの
溶媒を用いた溶液に有機過酸化物を添加して行う。ま
た、有機過酸化物を添加しないでγ線などの電離放射線
を照射してもよい。いずれの場合もこのグラフト共重合
は空気、酸素の混入は避けるのが好ましく、窒素ガス、
炭酸ガスなど不活性ガス雰囲気下で行うのが望ましい。
【0007】有機過酸化物としては、その半減期が1分
となる分解温度が70〜270℃の範囲のものが好まし
く、例えば、アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオ
キシド、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイル
ペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−
ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,4
−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペ
ルオキシアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−
ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペル
オキシラウレート、tert−ブチルペルオキシイソブ
チレート、tert−ブチルペルオキシピバレート、ク
ミルペルオキシオクトエート、tert−ブチルペルオ
キシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチル
ヒドロペルオキシド、tert−ブチルペルオキシイソ
プロピルモノカーボネート、クメンヒドロペルオキシド
などが挙げられる。
【0008】有機過酸化物を用いる場合のグラフト共重
合温度は、非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレ
ン−ブテン−1共重合体の軟化点、有機過酸化物の分解
温度により決まるが、一般に80〜220℃である。
【0009】不飽和カルボン酸誘導体成分と有機過酸化
物の配合量、グラフト共重合の温度・時間は、得られた
改質非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレン−ブ
テン−1共重合体の酸価が1〜400mgKOH/g、
好ましくは5〜200mgKOH/gとなるよう適宜選
択される。ここで、酸価とは、ポリマー1g当りの中和
に要するKOHのmg数であり、この場合には改質非晶
質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1
共重合体中のカルボン酸基および/またはカルボン酸無
水物基および/またはエステル基の濃度の目安に相当す
る。改質非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレン
−ブテン−1共重合体の酸価が1未満では極性が不十分
であり接着性は改良されない。また、400を超えるも
のを得ようとすると、非晶質ポリプロピレンまたは非晶
質プロピレン−ブテン−1共重合体の主鎖切断あるいは
架橋などの副反応も起こって効果的な改質にならないの
で、400を超えるものは実際上好ましくない。
【0010】本発明の不飽和カルボン酸誘導体成分がグ
ラフト共重合した非晶質重合体を工業的に製造するに
は、押出機が好適に用いられる。押出機としてはベント
口付単軸、多軸押出機が使用できる。
【0011】(製造工程)複数のベント口付二軸押出機
を使用し、非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレ
ン−ブテン−1共重合体、有機過酸化物、不飽和カルボ
ン酸誘導体成分をホッパーまたはベント口より同時また
は別途投入する。シリンダー温度は非晶質ポリプロピレ
ンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1共重合体の軟化
点、有機過酸化物の分解温度により決まる。一般的に8
0〜220℃であり、20秒〜数分の溶融混練でグラフ
ト共重合はほぼ完了する。
【0012】一般に非晶質ポリプロピレンまたは非晶質
プロピレン−ブテン−1共重合体は粘着性が強くペレッ
ト化が困難であるため、直接ホッパーから投入すること
はできない。したがって加熱溶融して定量ポンプでホッ
パーまたはベント口から供給するのが好ましい。この際
の溶融、供給温度は非晶質ポリプロピレンまたは非晶質
プロピレン−ブテン−1共重合体の軟化点より20℃以
上、約120〜220℃が好ましい。また、この場合、
不飽和カルボン酸誘導体成分が、例えば無水マレイン酸
(融点53℃、沸点202℃の室温で白色のフレーク状
ないし顆粒状)では、高温になるとその昇華が著しくな
るため、溶融非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピ
レン−ブテン−1共重合体に配合して供給することは避
け、溶融非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレン
−ブテン−1共重合体とは別にC0 ないしC1から供給
するのが好ましい。
【0013】有機過酸化物は使用する非晶質ポリプロピ
レンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1共重合体の軟
化点に応じて選択する。有機過酸化物の分解半減期は温
度により定まった値を有しているため、低軟化点の非晶
質プロピレン−ブテン−1共重合体にグラフト共重合す
る場合には、分解半減期温度の低い有機過酸化物、例え
ばtert−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキサノエ
ート)〔パーブチルO、日本油脂(株)製、分解半減期
1分温度:135℃〕が、また、高軟化点の非晶質ポリ
プロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1共重合
体にグラフト共重合する場合には、分解半減期温度の高
い有機過酸化物、例えばtert−ブチルペルオキシベ
ンゾエート〔パーブチルZ、日本油脂(株)製、分解半
減期1分温度:170℃〕が選ばれる。有機過酸化物
は、均一なグラフト共重合を確保するために、非晶質ポ
リプロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン−1共重
合体および不飽和カルボン酸誘導体成分が押出機中で相
互に溶融混練混合された状態に至る位置から定量供給さ
れるのが好ましい。
【0014】また、ダイス出口側に最も近いベント口は
未反応の不飽和カルボン酸誘導体成分を除去するため、
減圧脱気する。脱気はトラップ付きの真空ポンプを用い
て、20mmHg程度にまで減圧して行う。なお、この
除去を効率的に行うために、系は溶融状態に保っておく
ことが必要である。通常、非晶質ポリプロピレンまたは
非晶質プロピレン−ブテン−1共重合体の軟化点より2
0℃以上、約120〜220℃が好ましい。
【0015】本発明の改質された非晶質ポリプロピレン
または非晶質プロピレン−ブテン−1共重合体は、比較
的高温下で適用される場合あるいは高凝集力が要求され
る場合の、各種樹脂の改質剤として、あるいは接着性、
印刷性、染色性に優れた樹脂として広く使用することが
できる。
【0016】
【実施例および比較例】 実施例1 シリンダーブロックC0 〜C17を有する二軸押出機(宇
部興産(株)製、二軸押出機、内径55mm、L/D=
60)を使用して、非晶質プロピレン−ブテン−1共重
合体、ウベタックUT−2780〔宇部レキセン(株)
製、プロピレン含量71モル%、数平均分子量650
0、結晶融解熱量7Joule /g、軟化点110℃〕の改
質を行った。ホッパー側より130℃の溶融非晶質プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、70℃の溶融無水マレイ
ン酸、常温のパーブチルI(日本油脂(株)製、ter
t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、
分解半減期1分温度:155℃)を各々シリンダーブロ
ックC0 、C0 、C3 に設けた注入口から、各々毎時1
0kg、0.5kg、0.5kgで供給した。また、ダ
イス出口側に最も近いC14のベント口は真空ポンプに直
結し、20mmHgで減圧脱気した。
【0017】ノズルからは軟らかな半透明の吐出物が棒
状で得られた。得られた改質物の酸価は45mgKOH
/g、数平均分子量は5900であり、赤外線スペクト
ルでは、1780cm-1と1720cm-1に無水マレイ
ン酸に起因する明瞭なピークが観察され、本共重合体に
無水マレイン酸がグラフト共重合していることが判明し
た。得られた改質物を用いて、それぞれナイロン6フィ
ルム(UBEナイロン1024B、厚さ50μm)、ア
ルミシート(厚さ100μm)、軟質ガラス板(厚さ5
mm)どおしを接着した。ナイロン6フィルム、アルミ
シートの場合には、120℃、加圧力3kg/cm2
5分熱プレスしたのち、放冷した。接着剤(改質物)層
の厚さは約50μmであった。また、軟質ガラス板の場
合には、まず改質物をあらかじめ120℃で僅かに加圧
して作製したフィルムを25mm×100mmの軟質ガ
ラス板の端部上に接着面積が25mm×15mmとなる
ようにクリップを用いて仮固定した。次いで、これを1
20℃のギヤオーブン中で20分加熱したのち、放冷し
た。なお、この場合の接着剤(改質物)層の厚さは、テ
フロンスペーサーを用いて110μmとなるようにし
た。得られた試験片を用いて常温下の接着強さを測定し
た。ナイロン6フィルム、アルミシートの場合にはT剥
離強さを引張速度200mm/minで、また軟質ガラ
ス板の場合には剪断強さを引張速度5mm/minでそ
れぞれ測定した。接着ナイロン6フィルムのT剥離強さ
は3.5kg/25mm、接着アルミシートのT剥離強
さは5.5kg/25mm、接着ガラス板の剪断強さは
17kg/cm2 であった。組成配合、シリンダーの設
定温度および結果を表1に示す。
【0018】実施例2 実施例1において、無水マレイン酸とパーブチルIの供
給量を変えた以外は、実施例1と同様に行った。結果を
表1に示す。
【0019】実施例3 実施例1において、非晶質プロピレン−ブテン−1共重
合体をウベタックUT−2715に代え、無水マレイ
ン、パーブチルIを各々毎時0.3kg、0.3kgで
供給した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1
に示す。
【0020】実施例4 実施例3において、非晶質プロピレン−ブテン−1共重
合体を非晶質ポリプロピレン ウベタックUT−211
5、有機過酸化物をパーブチルZ(日本油脂(株)製、
tert−ブチルペルオキシベンゾエート、分解半減期
1分温度:170℃)にそれぞれ代え、UT−2115
の供給温度およびシリンダーの設定温度を変えた以外
は、実施例3と同様にして改質した非晶質重合体を得
た。また、改質物の物性は接着強さ測定用の積層板を作
成する時のプレス温度を160℃とした以外は実施例3
と同様に行った。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】比較例1 実施例1、2に用いた非晶質プロピレン−ブテン−1共
重合体ウベタックUT−2780を改質することなく、
実施例1、2と同様に接着強さを測定した。いずれの場
合も接着強さは極めて低かった。結果を表2に示す。
【0023】比較例2 実施例1において、無水マレイン酸、パーブチルIを各
々毎時5kg、1kgで供給した以外は、実施例1と同
様に行った。ノズルからは赤褐色の吐出物が得られた。
得られた改質物の酸価は450mgKOH/gであった
が、数平均分子量が1100と極端に低下しており、接
着性を評価するに値しないものであった。結果を表2に
示す。
【0024】比較例3 実施例4において、非晶質ポリプロピレンを非晶質プロ
ピレン−エチレン共重合体ウベタックUT−2280に
代えた以外は、実施例4と同様にして改質した非晶質重
合体を得た。また、改質物の物性は接着強さ測定用の積
層板を作成する時のプレス温度を150℃とした以外は
実施例4と同様に行った。改質物は凝集力が低く、いず
れの場合にも接着強さは低かった。結果を表2に示す。
【0025】比較例4 実施例1において、非晶質プロピレン−ブテン−1共重
合体を非晶質プロピレン−エチレン共重合体ウベタック
UT−2585に代え、供給温度を変えた以外は、実施
例1と同様にして改質した非晶質重合体を得た。また、
改質物の物性は接着強さ測定用の積層板を作成する時の
プレス温度を130℃とした以外は実施例1と同様に行
った。改質物は凝集力が低く、いずれの場合にも接着強
さは低かった。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明は各種樹脂の改質剤として、ある
いは接着剤、印刷性および染色性に優れた改質された非
晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロピレン−ブテン−
1共重合体であり、比較的高温下あるいは高凝集力が要
求されるところに適するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国村 勝 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興産 株式会社枚方研究所内 (72)発明者 山本 芳一 山口県宇部市大字小串字沖の山1980番地 宇部興産株式会社樹脂加工機研究所内 (72)発明者 鶴谷 巌 東京都品川区東品川2丁目3番11号UBE ビル5F 宇部レキセン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロ
    ピレン−ブテン−1共重合体に炭素数3〜10の不飽和
    カルボン酸、その酸無水物およびそのエステルからなる
    不飽和カルボン酸誘導体成分がグラフト共重合した非晶
    質重合体。
  2. 【請求項2】 非晶質ポリプロピレンまたは非晶質プロ
    ピレン−ブテン−1共重合体の数平均分子量が2,00
    0〜40,000の範囲にあり、かつ結晶融解熱量が2
    0Joule /g以下である請求項1に記載の非晶質重合
    体。
  3. 【請求項3】 非晶質プロピレン−ブテン−1共重合体
    のプロピレン成分が50モル%以上100モル%未満で
    ある請求項1に記載の非晶質重合体。
  4. 【請求項4】 酸価が1〜400mgKOH/gである
    請求項1、2、3に記載の非晶質重合体。
JP4933295A 1995-02-15 1995-02-15 改質された非晶質重合体 Pending JPH08217835A (ja)

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