JPS6326893Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ワンタツチで取付け得るようにし
たスイツチの操作子取付け構造に関する。

一般に電子オルガン等の電子楽器においては、
パワースイツチ、音色プリセツトスイツチ、オー
トリズムスイツチ、サステイーンスイツチ等の各
種制御用スイツチを操作パネルの下方に配設し、
これを同パネルに配設した操作子でオン、オフ操
作している。第１図は従来のこの種の操作子の取
付け構造を示すもので、電子楽器の操作パネル１
に設けた操作子取付用孔２に操作子３が回動軸４
を介して回動自在に配設されており、この操作子
３の押下操作に伴つて降下するアクチユエータ５
で、前記操作パネル１の下方に配設した、例えば
タツチスイツチ６を切り換えるようにしている。
前記軸４はその両端が止め金７を介して操作パネ
ル１の裏面に固定されている。

しかし、このような従来の操作子取付け構造に
あつては、操作子３の軸孔８に軸４を挿通した
り、止め金７を操作パネル裏面に止めねじで固定
したりしなければならないので、取付け、分解作
業が面倒であるばかりか部品点数も増加するとい
う不都合があつた。

この考案は上述したような従来の欠点に鑑みて
なされたもので、操作パネルの裏面に該裏面から
突出しかつ操作子取付用孔方向に突出した回動軸
支持部を一体に突設して回動軸を支持し、この回
動軸に操作子の両側面下部に設けた円弧状もしく
はＵ字状の溝を有する回動支点部を回動自在に嵌
合するという極めて簡単な構成により、操作子を
ワンタツチで取付け得るようにしたスイツチの操
作子取付け構造を提供するものである。

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。

第２図はこの考案に係る操作子取付け構造の一
実施例を示す側断面図、第３図は同取付け構造を
パネル裏面側から見た分解斜視図である。なお、
図中第１図と同一構成部材のものに対しては同一
符号を以つて示す。

これらの図において、操作パネル１の所定箇所
に設けられた長方形の操作子取付用孔２には、操
作子３がその上部を操作パネル１の上方に適宜に
突出させて出退自在に嵌挿されている。前記操作
子３は合成樹脂によつて一体に形成され、後端部
３ａが回動軸４によつて回動自在に枢支されてお
り、前端面下部には前記操作子取付用孔２からの
抜けを防止するストツパー１０が一体に突設され
ている。また、操作子３の裏面略中央部には後述
するプツシユスイツチ１１を切り換え動作させる
ためのアクチユエータ部５が一体に垂設され、さ
らに裏面後端部には回動支点部１３が一体に突設
されている。この回動支点部１３は、操作子３の
両側面下部に夫々逆ｕ字状（又は半円状）に垂設
されその一部が操作子本体の側方に突出する１対
の突起１４ａ，１４ｂからなり、これらの突起１
４ａ，１４ｂの溝１５に前記回動軸４が嵌合され
ている。

一方、操作パネル１の裏面１ａで且つ前記操作
子取付用孔２の中心線上に位置する箇所には回動
軸支持部１６が該取付用孔２の後端側に一体に垂
設されている。この回動軸支持部１６の前端部１
６ａは操作パネル１の裏面１ａから適宜な寸法Ｇ
だけ下方に位置して前記操作子取付用孔２に臨ん
で形成されており、その上面で前記回動軸４の中
央部を支持している。また、操作パネル１の裏面
１ａで操作子取付用孔２の後端部両側には夫々円
弧状の凹部１８ａ，１８ｂが形成され、この凹部
１８ａ，１８ｂには前記回動支点部１３を構成す
る１対の突起１４ａ，１４ｂの上端彎曲部ｂが
夫々回転自在に嵌合されている。

前記回動軸４に対する操作子３の取付けは操作
パネル１の裏面１ａ側からなされる。すなわち、
第３図に示すように回動軸４を操作パネル１の裏
面１ａと回動軸支持部１６の前端部１６ａとの間
隙Ｇに前方から挿入し、操作子３の溝１５を操作
パネル１の裏面側から回動軸４に嵌合させるか、
あるいはまた、回動軸４を予め操作子３の溝１５
に嵌合させた状態で回動軸４を前記間隙Ｇに挿入
させるかし、しかる後、回動軸４を中心として図
において時計方向に回転させ、前端部３ｂを操作
子取付用孔２から外部に突出させればよい。この
時、一対の突起１４ａ，１４ｂの上端彎曲部ｂが
操作子取付用孔２の後端側両側部に設けた凹部１
８ａ，１８ｂに嵌入することにより、前記回動軸
４は前記一対の溝１５および前端部１６ａによつ
て３点支持されて係止されると共に、操作子３の
後端部３ａの左右、上下、前後（第３図Ａ，Ｂ，
Ｃ）方向の移動が規制されて後端部３ａの操作子
取付用孔２からの抜けが防止される。また、操作
子３の前端部３ｂの操作子取付用孔２からの抜け
はストツパー１０で阻止される。

前記操作パネル１の下方には適宜な間隔をおい
てスイツチ取付部材２０が配設されており、この
スイツチ取付部材２０の上面には従来周知のプツ
シユスイツチ１１が前記操作子３のアクチユエー
タ部５に対応して配設されている。このプツシユ
スイツチ１１は、スイツチ本体１１Ａと、上下移
動自在な作動子１１Ｂと、この作動子１１Ｂを常
時上方に付勢する復帰用スプリング１１ｃとから
構成され、通常状態において作動子１１Ｂをアク
チユエータ部５が押圧すると、作動子１１Ｂがス
プリング１１Ｃに抗して降下することにより、当
該押圧位置にロツクされてスイツチ本体１１Ａを
閉成し、この状態において再度その作動子１１Ｂ
を操作子３のアクチユエータ部５で押圧すると、
作動子１１Ｂがそのロツク状態を解除されてスプ
リング１１Ｃの力により元の状態に復帰されてス
イツチ本体１１Ａを開成するように構成されてい
る。

かくして、このような操作子の取付け構造によ
れば、回動軸４の取付けに際し、操動子３の孔に
挿通したり止め金を介して固定したりする必要が
なく、操作子３とは独立に且つワンタツチで操作
パネル１に取付けることができるので、回動軸４
の取付けが容易で組立工数ならびに部品点数を削
減することができるほか、操作子３の取付け、取
外しもワンタツチで行え、組付け、保守点検時の
分解作業が容易である。また、操作子３は抜けお
よび左右方向の移動を規制されているので、安定
した押圧操作、換言すればスイツチ操作が得ら
れ、しかも操作子取付用孔２と操作子本体間の隙
間を孔２の全周に亘つて均一に設定保持すること
ができ、パネル面の外観美を向上させる。加え
て、回動軸４は回動支点部１３の一対の溝１５と
回動軸支持部１６の前端部１６ａとで３点支持さ
れているので、操作パネル１から脱落する虞れは
ない。

以上説明したようにこの考案に係るスイツチの
操作子取付け構造によれば、操作子の両側面下部
所定箇所に下方に開口するＵ字状の溝を有する１
対の突起からなる回動支点部を一体に設け、この
回動支点部を操作パネルの裏面に取付けた回動軸
に嵌合させるようにしているので、操作子をワン
タツチで簡単に取付けることができ、組立て作業
が容易である。また、前記回動支点部の一部を操
作子本体の側方に突出させ、この突出部を操作パ
ネル側に設けた凹部に嵌入させているので、操作
子の抜けおよび左右方向の移動を阻止でき、安定
したスイツチ操作を得ることができる。つまり、
この考案においては操作子の回動支点部を回動軸
と操作パネルの凹部とで２重に支持するもので、
操作子のガタ付き吸収効果が大きい操作子取付け
構造を提供し得るものである。また、パネル裏面
には前端部が操作子取付用孔に臨む回動軸支持部
一体に垂設され、前記前端部とパネル裏面間で回
動軸を挾持保持しているので、回動軸をワンタツ
チで操作パネルに取付けることができるなど、そ
の実用的効果は非常に大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の操作子取付け構造の一例を示す
斜視図、第２図はこの考案に係る操作子取付け構
造の一実施例を示す側断面図、第３図は同取付け
構造をパネル裏面側から見た分解斜視図である。 １……操作パネル、２……操作子取付用孔、３
……操作子、４……回動軸、５……アクチユエー
タ部、１１……プツシユスイツチ、１３……回動
支点部、１４ａ，１４ｂ……突起、１５……溝、
１６……回動軸支持部、１７……軸受部、１８
ａ，１８ｂ……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作パネルの操作子取付用孔に回動軸を介して
   回動自在に配設した操作子により動作されるスイ
   ツチにおいて、前記操作子の両側面部に横設され
   て回動軸をＵ字状の溝の内面が当接することによ
   り係合し、その外周の一部が前記操作パネルの裏
   面に形成された凹部に嵌入されている回動支点部
   と前記スイツチの作動子を動作させるアクチユエ
   ータ部とを設け、前記操作パネルの裏面に、該裏
   面から突出しかつ前記操作子取付用孔の内側方向
   に突出して、前記回動軸を支持する回動軸支持部
   を設け、前記回動軸に前記回動支点部を回動自在
   に嵌合して操作子を操作子取付用孔に配設したこ
   とを特徴とするスイツチの操作子取付け構造。