JPS6325787Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は分割型閉磁路磁心を使用した信号線誘
導雑音防止装置に関する。

帯電した人が電子機器に触れて起きる静電気の
放電は、電子機器特にコンピユータ関連機器の誤
動作や、時には機器の損傷を招くことがある。通
常、この障害対策は機器間を接続している信号線
に閉磁路磁心を使用した誘導雑音防止装置として
のインダタクを設置することにより講じられてい
る。

信号線は往復の対であつて被覆電線を数十本束
ねたもので、普通その両端はコネクタプラグで機
器との接続ができるようにされている。これに対
し、信号線にコネクタプラグを接続する以前であ
れば、閉磁路磁心に対して信号線を通して巻回し
ておくことも可能であるが、静電気障害対策の必
要性は、機器が設置される環境によつて異なるの
で、最初から信号線にインダクタを設置しておく
ことは得策では無い。すなわち、設置された機器
に対して対症的に必要に応じてインダクタを設置
するのが経済的にも好ましい。

一方、インダクタは、形状磁心と棒状磁心、
あるいは〓形状磁心と棒状磁心とで分割型閉磁路
磁心を構成して得られ、これらは〓形状取付金具
に装着して所望の箇所に取付可能にされる。とこ
ろで、閉磁路磁心を構成する際両端にコネクタプ
ラグを有する信号線が巻回され、形あるいは〓
形磁心の外周の稜は取付金具で覆われるので問題
無いが、内周の稜は鋭角でしかも信号線は太くて
取扱いにくく鋭角に折曲げることができないの
で、信号線が磁心の内周稜とこすれ合つて信号線
の被覆に傷が付くおそれがある。特に、信号線は
コネクタプラグを時折外したり、嵌めたりするの
で、磁心に巻回した後でも内周稜とこすれ合つて
被覆が破れたり、断線するおそれが十分にあり、
このため磁心の内周稜もすべて絶縁カバーで覆う
必要がある。

本考案は分割型閉磁路磁心の内周の稜すべてを
覆うことができる絶縁カバーを有し、しかも信号
線の巻回が容易な信号線誘導雑音防止装置を提供
しようとするものである。

以下に本考案の実施例を図面を参照しながら説
明する。

第１図は本考案の第１の実施例の外観図であ
る。図において、取付金具１に形状磁心２を装
着し、磁心２の内側に筒状の絶縁カバー３を嵌入
し、更に磁心２の開放端に棒状磁心４を装着して
いる。

第２図はこの分解斜視図で、取付金具１に形
状磁心２を装着した段階を示す。

第２図において、取付金具１は、磁心２の幅よ
り幅広の金属板を磁心４の厚みを考慮して形に
成形したもので、形開放端を外側に折曲げて取
付用の穴１２を設けた取付部１１がつくられ、側
端は内側に折曲げられて磁心２の横ずれ防止及び
保持片１３がつくられ、更に保持片１３の開放端
側の端部は取付部１１よりも下方に延長されて磁
心２の開放端に接合されるべき棒状磁心４の係止
片１４となる。

絶縁カバー３は、絶縁性合成樹脂、ゴム等でつ
くられ、磁心２の幅に対応する長さの筒状部３１
とその両開口端から外側に延びる鍔部３２とが一
体的に成形されている。カバー３の各辺のうち、
磁心４が接合されるべき一面３３は稜３４が切開
かれ、稜３５が折曲げ自在にされている。

第３図は信号線に誘導雑音防止装置として設置
する手順を説明するための図である。

取付金具１に装着した磁心２の内側に絶縁カバ
ー３を切開き面３３を開いて嵌入し、磁心２の一
辺へ両端にコネクタプラグ５を有する信号線６
（いずれも図中二点鎖線で示す）を巻回した状態
を示している。

磁心２及び磁心４の内周の稜は信号線被覆に傷
をつけることの無い絶縁カバー３の鍔部３２です
べて覆われているので、信号線６は巻回する時に
も巻回した後も磁心２及び磁心４の尖鋭な部分と
まつたく接触することがなく傷がつくおそれは無
い。

第３図のように信号線６を巻回した後は、カバ
ー３の切開き面３３を閉じて筒状体にし、磁心２
の開放端面に棒状磁心４を密着させた状態にて取
付金具１の係止片１４を内側に折曲げて閉磁路磁
心を構成し、取付部１１を機器その他の所要箇所
にねじ等で固定する。

第４図は本考案の第２の実施例の分解斜視図
で、閉磁路を構成する磁心として〓形状磁心７と
棒状磁心４とを用いた例である。

取付金具１は第１の実施例で示したものと同じ
で良いが、絶縁カバー３は２個の筒状部３１，３
１′を鍔部３２，３２′の上部で連結した形状で、
磁心７の二つの開放端に対応する面３３，３３′
がそれぞれ切開かれている。勿論、カバー３は第
１の実施例で示したカバーを２個分離状態にて使
用しても良い。

このような磁心７を用いた場合には、通常、信
号線は磁心７の中央の辺に巻回されるが、巻回後
の棒状磁心４の組付けは第１の実施例と同様に行
なわれる。

以上説明してきたように本考案によれば、信号
線に設置する誘導雑音防止装置における磁心の窓
内周の尖鋭部をすべて覆うことができるので信号
線との擦れ合いによる信号線被覆の絶縁不良、断
線を防止でき、信号線の巻回も非常に簡単であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による信号線誘導雑音防止装置
の第１実施例の外観図、第２図はその分解斜視
図、第３図は信号線への設置手順を説明するため
の図、第４図は本考案の第２の実施例の分解斜視
図である。 図中、１は取付金具、２は形状磁心、３は絶
縁カバー、４は棒状磁心、５はコネクタプラグ、
６は信号線、７は〓形状磁心、１１は取付部、１
４は係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 形状あるいは〓形状磁心と棒状磁心とで閉磁
   路を構成した磁心を〓形状取付金具に装着した磁
   心において、該磁心の窓に嵌合されるべき筒状体
   の絶縁カバーとして、筒状体の両開口端へ外側に
   鍔を形成し且つ前記磁心相互の突合せ面に対応す
   る前記筒状体の稜の一方を切開き他方の稜を折曲
   げ可能にした合成樹脂より成るカバーを前記磁心
   に装着し、信号線を巻回した後前記筒状体の切開
   き面を合せると共に前記棒状磁心を組付けるよう
   にした信号線誘導雑音防止装置。