JPS6325141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は大流量で大型成形品を成形するのに
適したプリプラ式射出成形機に関するものであ
り、特に、ノズルヘツドにおけるノズル弁機構を
改良した射出成形機に係わるものである。

一般に、大流量で大型の成形品を成形する場合
には、混合筒と、加圧筒と、ノズルヘツドとを有
する射出ユニツトを型板に装備したスプルーブツ
シユに当接させる型式のプリプラ式射出成形機が
適しており、広く利用されている。

該プリプラ式射出成形機においては、混合筒内
で少しずつ加熱・混練された溶融樹脂を加圧筒内
に一旦蓄積した後、高温の該溶融樹脂を大流量で
射出するものである。そして、ノズルヘツド内に
は、ノズル弁機構が組み込まれており、前記の混
練・蓄積時には、ノズルを閉塞し、射出時には、
開通するように作動するものであるが、該弁機構
はノズルヘツドに内蔵されるものであるために、
組込みスペースの制約を受けて小型化しなければ
ならず、その上、微妙な構造であるので、高温大
流量の樹脂の閉塞には都合が悪く、弁機構の摩
耗、損傷が激しく、信頼性が不十分であるという
欠点があつた。

この考案の目的は上記従来技術に基づくノズル
弁機構の構造上の制約による信頼性等の問題点に
鑑み、スプルーブツシユとノズルヘツドの間にノ
ズルシヤツターを挿入退出自在に設ける構成とす
ることにより、前記欠点を除去して、極めて信頼
性の高い樹脂の閉塞ができる優れた射出成形機を
提供せんとするものである。

上記目的に沿うこの考案の構成は、ノズル閉塞
機構をノズルヘツド外部に装備し、樹脂の混練・
蓄積時には、スプルーブツシユとノズルヘツド間
にノズルシヤツターを介在させて、ノズルと金型
との連通を断ち、射出時には、該ノズルシヤツタ
ーを後退させて、ノズルヘツドをスプルーブツシ
ユに当接することにより、ノズルを金型に連通さ
せるようにしたことを要旨とするものである。

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明
すれば以下の通りである。

第１図において、１は射出ユニツトであり、混
合筒２、加圧筒３、ノズルヘツド４から成る。混
合筒２内には、スクリユー５が回転自在に内装さ
れており、加圧筒３内には、プランジヤー６が上
下動自在に内装されている。そして、ノズルヘツ
ド４には、ノズル４ａが穿設されている。７は接
続ブロツクで基台８に対して摺動自在に装着され
ており、駆動桿９によつて前進後退する。１０は
樹脂通路であり、前記混合筒２はチエツク弁１２
を内蔵する弁体１１を介して該樹脂通路１０に連
通するように接続ブロツクに取り付けられ、更
に、加圧筒３も上方から樹脂通路１０に連通する
ように接続ブロツク７に取り付けられている。１
３は同様に樹脂通路１０に連通するノズルアダプ
ターで先端に前記ノズルヘツド４が装着されてい
て、樹脂通路１０はノズル４ａに連通する。

１４は基台８と一体もしくはこれに取り付けら
れた型板であり、スプルーブツシユ１５が埋設さ
れていて、該型板１４には、金型１６が取り付け
られている。１７は型板１４に穿設されたノズル
ヘツド通過孔である。

更に、型板１４には、スプルーブツシユ１５の
前面に迄至るスリツト１８が形成されており、該
スリツト１８内には、前記スプルーブツシユ１５
の前面に迄達するノズルシヤツター１９が上下摺
動自在に挿入されている。２０は該ノズルシヤツ
ター１９を駆動するシリンダーであり、２１はノ
ズルシヤツター１９に形成されたノズルヘツド４
当接用の凹みである。

上記構成において、樹脂の混練・蓄積時には、
第１図に示されるように、ノズルシヤツター１９
が下降されてスプルーブツシユ１５とノズルヘツ
ド４の間に介在され、ノズルヘツド４は該ノズル
シヤツター１９の凹み２１に当接されてノズル４
ａが閉塞されている。この状態で、混合筒２のス
クリユー５によつて混練・搬送される樹脂はチエ
ツク弁１２を通過して加圧筒３内に蓄積される。
このとき、ノズルヘツド４はノズルシヤツター１
９に当接されていて、ノズル４ａが閉塞されてい
るので、該ノズルヘツド４先端から樹脂が漏洩す
ることはない。

加圧筒３に樹脂が蓄積された後は、第２図に示
すように、混合筒２のスクリユー５の回転を停止
させ、駆動桿９によつて接続ブロツク７を摺動さ
せて、射出ユニツト１を後退させる。そして、ノ
ズルシヤツター１９をシリンダー２０によつて上
方に引き上げてスプルーブツシユ１５の前面から
後退させる。

次いで、第３図に示すように、射出ユニツト１
を前進させてノズルヘツド４をスプルーブツシユ
１５に当接させることにより、ノズル４ａを金型
１６に連通させた後、加圧筒３のプランジヤー６
を下降させて樹脂を金型１６内に射出するもので
ある。

尚、上記実施例の構成では、スプルーブツシユ
１５を埋設した型板１４に金型１６を取り付けて
いるが、これに限られるものではなく、第４図に
示すように、スプルーブツシユ１５を突設した金
型１６を型板１４に取り付ける構成としてもよ
い。

上記のように、この考案によれば、混合筒と、
加圧筒と、ノズルヘツドとを有する前進後退自在
な射出ユニツトと、スプルーブツシユ及び金型を
備えた型板とから成る射出成形機において、型板
にスプルーブツシユの前面に至るスリツトを形成
し、該スリツトにノズルシヤツターを摺動自在に
挿入したことにより、ノズル弁機構をノズルヘツ
ド内の小さなスペースに内蔵するという制約から
解放され、而して、ノズルシヤツターという堅牢
な構造物とすることができるという優れた効果が
ある。

しかも、構造は極めて簡単であり、故障が殆ん
ど無く信頼性が非常に高く、摩耗、損傷が少ない
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示すものであり、第１
図は混練・蓄積工程を示す断面図、第２図は射出
ユニツト後退及びノズルシヤツター上昇工程を示
す断面図、第３図は射出工程を示す断面図であ
る。第４図は他の実施例に関するものであり、混
練・蓄積工程におけるノズルシヤツター部分を抽
出して示す断面図である。 １……射出ユニツト、２……混合筒、３……加
圧筒、４……ノズルヘツド、１４……型板、１５
……スプルーブツシユ、１６……金型、１８……
スリツト、１９……ノズルシヤツター。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 混合筒２、加圧筒３、及びノズルヘツド４を
   有する前進後退可能な射出ユニツト１と、ノズ
   ルヘツド４が当接されるスプルーブツシユ１５
   及び該スプルーブツシユ１５を通じて溶融樹脂
   が圧入される金型１６が備えられた型板１４と
   から成る射出成形機において、型板１４にスプ
   ルーブツシユ１５の前面に至るスリツト１８を
   形成し、該スリツト１８には、ノズルシヤツタ
   １９を摺動自在に挿入したことを特徴とする射
   出成形機。 (2) ノズルヘツド４が当接されるスプルーブツシ
   ユ１５は、型板１４に埋設され、該型板１４に
   は、スプルーブツシユ１５を通じて溶融樹脂が
   圧入される金型１６が取り付けられていること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のの射出成形機。 (3) ノズルヘツド４が当接されるスプルーブツシ
   ユ１５は、該スプルーブツシユ１５を通じて溶
   融樹脂が圧入される金型１６に突設され、型板
   １４には、金型１６が取り付けられていること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の射出成形機。