JP2005074970A - 射出成形用金型、及び該金型を備えた射出成形機 - Google Patents
射出成形用金型、及び該金型を備えた射出成形機 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】材料溜まり部24内の溶融材料充填量を検出すると共に、検出後その充填材料をキャビティ11内に押圧する保圧ピン22と、該保圧ピンを前面に突設すると共に、後面に駆動機構21を連結することで、保圧ピンを進退自在に駆動させる保圧プレートを備え、前記保圧プレートが、後面と金型内との間に所望な可動空間を設けて構成されている金型を使用し、前記キャビティ及び材料溜まり部内の溶融材料の計量・充填完了を、前記保圧プレート若しくは駆動機構の後退位置によりその変位量を検知する位置センサ25で検知する。
【選択図】 図1
Description
(a)キャビティとスクリュとの間にはスプルー、ランナ、ゲート等があり、材料の通路距離が長いために、応答性が悪い。
(b)金型キャビティの断面積に対し、ゲート断面積が極小であるために、成形品には流れによる方向性(異方性)、残留応力、またゲート部の材料が早く固化してしまうため、製品部にひけが発生する。
「特許文献1の課題」
予め、キャビティ内と材料溜まり部内に充填される溶融材料の射出量を計算・計量し、その充填材料にあった材料溜まり部の材料充填空間を決定していた。
これでは、例えば、射出成形機からの材料供給工程中において材料供給不足が生じた場合、キャビティ内の体積を圧縮するまでの材料が材料溜まり部内に充填されていない場合が生じる。すなわち、材料溜まり部内の充填材料が少ないか、若しくはキャビティ内の充填材料が少ないなどの要因により、キャビティ内の体積を圧縮するまでの材料が足らないという状況が生じていても、材料溜まり部内の材料をキャビティ内へと押圧する油圧シリンダなどの機構が作動してしまい、保圧不良となる虞れがあった。
「特許文献2の課題」
本先行技術によれば、材料溜まり部内に充填された溶融材料の圧を検知するセンサが、保圧ピンの後端とエジェクタプレートとの間の連結部分に備えられ、その保圧ピンの後端に掛かった圧をセンサが検知することにより、保圧量の計量・充填を行っていた。従って、必要保圧量の充填が検知された後に保圧ピンの前進により材料をキャビティ内に押圧して保圧を掛けることができるため、前述した保圧不良という問題も生じず、特許文献1に比して大変優れている。
しかし、この先行技術のように保圧ピンの後端に掛かった圧をセンサで検知する構造では、材料溜まり部内壁にバリ等が存在していた場合、その摺動抵抗が大きくなり、材料の充填圧を正確に検知できないということも考えられる。
図1は本実施形態にかかる構成の概略図で、図中10は金型、21は機械側に備え、金型10内に挿入されている駆動機構としての油圧シリンダ、そして図上方には射出成形機のスクリュ(図示省略)が位置している。なお、駆動機構は油圧シリンダに限定されるものではなく、エアシリンダなどの他の駆動機構が本発明の範囲内で設計変更可能である。本発明は、金型構成及び材料溜まり部の計量・充填を検知するセンサを機械側に備えた点に特徴的な構成を有しており、射出成形機本体などの構成部分については周知の構成が適用可能であるため、以下、特徴的な構成部分を重点に説明する。
なお、本実施形態では前記保圧ピン22をエジェクタピンとして兼用する。
金型10内部には、スプルー18、ランナ19、ゲート20により材料流路が形成されている。
図示しないスクリュにより押し出された材料14は、前記材料流路を通り、キャビティ11内及び材料溜まり部24内に充填される。なお、本実施の形態では、ゲート20には、該ゲート20を遮断するゲートカットピン20aが設けられている。
この可動スペースS2は、少なくとも、保圧ピン22が後退し、材料溜まり部24への材料計量・充填工程が行い得る程度のスペースとする。なお、この可動スペースS2の幅は特に限定されないが、金型サイズの大型化を招かない程度の範囲で設計変更されるのが好ましい。
また、圧力センサ26は、保圧ピン22や保圧プレート29に掛かった圧力を検知するものであってもよく、また位置センサ25は、保圧ピン22や保圧プレート29の変位量を検知するものであってもよい。
なお、符号27は、予め検知圧力を設定する安全弁を図示する。
また、本実施形態では、前記圧力センサ26と位置センサ25の双方を設けているが、いずれか一方のセンサのみを設けるものとすることはもちろん可能である。
この充填の終了は圧力センサ26及び位置センサ25からの情報の両方又は一方を制御装置(図示せず)で受け取り、ゲートカットピン20aの駆動手段(図示せず)に対してゲート20を遮断する指令を出すようにしている。
また、材料溜まり部24内にバリ等が生じていたとしても、材料溜まり部24内の溶融材料の計量・充填完了を、前記保圧プレート29若しくは油圧シリンダ21の後退位置によりその変位量を検知する位置センサ25と、前記保圧プレート29若しくは油圧シリンダ21に掛かる圧力により検知する圧力センサ26のいずれか一方若しくは双方により検知するものとしたため、バリ等による摺動抵抗を無視して正確な計量・充填完了を検知することができる。
また、バリの出やすい熱硬化性樹脂やゴム等にも効果を発揮することができる。
また、ゲートシール後直ちに計量動作に移れるので製造サイクルの寄与に向上する。
また、スプルー、ランナ等の材料流路の圧力損失が少ないので、ゲートを大きくすることができる。充填後、ゲートシールを行うものであるため、充填時のゲートの大きさは、可能な限り大きくできる。そのため、スプルー、ランナにおける圧力損失が少なくなり、省エネルギとなる。
迅速に保圧作業を行うことができるので、成形品密度が高くなり、製品強度が向上する。また、本実施形態によれば、材料溜まり部を複数個設けることも出来、このようにすることで、従来の方法に比して、等方性に近い成形品が得られ、また成形品密度(成形品強度)のコントロールも可能である。
図3は本実施形態にかかる金型の構成図である。本実施形態では、ゲート形式が第一実施形態と異なる形式としたものである。なお、その他の部材については、第一実施形態と同一であるので、同一符号を付してその説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態にかかる金型10は、ゲートカットシリンダ31と連動するゲートカットピン32により、キャビティ11内に材料14を供給するゲート20の流路を遮断するようにしている。
この充填の終了は圧力センサ26及び位置センサ25からの情報の両方又は一方を制御装置(図示せず)で受け取り、ゲートカットピン32の駆動手段である油圧シリンダ31に対してゲート20を遮断する指令を出すようにしている。
また、ゲートシール後直ちに計量動作に移れるので製造サイクルの寄与に向上する。
以上説明したように、本発明によれば、射出充填工程を射出成形機側で行い、保圧工程を直接金型内でキャビティ内に保圧ピンで保圧するようにするので、ひけの発生が無く、キャビティ形状の転写性に優れた精密な成形品を得ることができた。
また、本発明を適用することで、バリの出やすい熱硬化性樹脂やゴム等にも効果を発揮することができる。
また、ゲートカット工程を有する射出成形方法においては、ゲートシール後直ちに計量動作に移れるので製造サイクルの向上に寄与する。
11 キャビティ
12 固定型
13 可動型
14 材料
18 スプルー
19 ランナ
20 ゲート
20a ゲートカットピン
21 駆動装置(油圧シリンダ)
22 保圧ピン(エジェクタピン)
23 摺動通路
24 材料溜まり部
25 位置センサ
26 圧力センサ
29 保圧プレート
S2 可動スペース
Claims (6)
- 金型キャビティと、該キャビティと連通する材料溜まり部内に溶融材料を射出充填し、その後材料溜まり部内の溶融材料をキャビティ内に押圧して保圧し、成形後にエジェクタピンを用いて成形品を取り出す射出成形に用いられる金型であって、
材料溜まり部内の溶融材料充填量を検出すると共に、検出後その充填材料をキャビティ内に押圧する保圧ピンと、
該保圧ピンを前面に突設すると共に、後面に駆動機構を連結することで、保圧ピンを進退自在に駆動させる保圧プレートを備え、
前記保圧プレートは、プレート後面と金型内との間に所望な可動空間を設けてなることを特徴とする射出成形用金型。 - 材料溜まり部がエジェクタピン通路であり、保圧ピンがエジェクタピンを兼用してなることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型。
- 金型キャビティと、該キャビティと連通する材料溜まり部内に溶融材料を射出充填し、その後材料溜まり部内の溶融材料をキャビティ内に押圧して保圧し、成形後にエジェクタピンを用いて成形品を取り出す射出成形機であって、
材料溜まり部内の溶融材料充填量を検出すると共に、検出後その充填材料をキャビティ内に押圧する保圧ピンと、
該保圧ピンを前面に突設すると共に、後面に駆動機構を連結することで、保圧ピンを進退自在に駆動させる保圧プレートを備え、
前記保圧プレートが、後面と金型内との間に所望な可動空間を設けて構成されている金型を使用し、
前記キャビティ及び材料溜まり部内の溶融材料の計量・充填完了を、前記保圧プレート若しくは駆動機構の後退位置によりその変位量を検知する位置センサで検知することを特徴とする射出成形機。 - 金型キャビティと、該キャビティと連通する材料溜まり部内に溶融材料を射出充填し、その後材料溜まり部内の溶融材料をキャビティ内に押圧して保圧し、成形後にエジェクタピンを用いて成形品を取り出す射出成形機であって、
材料溜まり部内の溶融材料充填量を検出すると共に、検出後その充填材料をキャビティ内に押圧する保圧ピンと、
該保圧ピンを前面に突設すると共に、後面に駆動機構を連結することで、保圧ピンを進退自在に駆動させる保圧プレートを備え、
前記保圧プレートが、後面と金型内との間に所望な可動空間を設けて構成されている金型を使用し、
前記キャビティ及び材料溜まり部内の溶融材料の計量・充填完了を、前記保圧プレート若しくは駆動機構に掛かる圧力により検知する圧力センサで検知することを特徴とする射出成形機。 - 金型キャビティと、該キャビティと連通する材料溜まり部内に溶融材料を射出充填し、その後材料溜まり部内の溶融材料をキャビティ内に押圧して保圧し、成形後にエジェクタピンを用いて成形品を取り出す射出成形機であって、
材料溜まり部内の溶融材料充填量を検出すると共に、検出後その充填材料をキャビティ内に押圧する保圧ピンと、
該保圧ピンを前面に突設すると共に、後面に駆動機構を連結することで、保圧ピンを進退自在に駆動させる保圧プレートを備え、
前記保圧プレートが、後面と金型内との間に所望な可動空間を設けて構成されている金型を使用し、
前記キャビティ及び材料溜まり部内の溶融材料の計量・充填完了を、前記保圧プレート若しくは駆動機構の後退位置によりその変位量を検知する位置センサと、前記保圧プレート若しくは駆動機構に掛かる圧力により検知する圧力センサの双方により検知することを特徴とする射出成形機。 - 材料溜まり部がエジェクタピン通路であり、保圧ピンがエジェクタピンを兼用してなることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の射出成形機。
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