JPS6316515B2 - - Google Patents

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JPS6316515B2
JPS6316515B2 JP56162384A JP16238481A JPS6316515B2 JP S6316515 B2 JPS6316515 B2 JP S6316515B2 JP 56162384 A JP56162384 A JP 56162384A JP 16238481 A JP16238481 A JP 16238481A JP S6316515 B2 JPS6316515 B2 JP S6316515B2
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JP
Japan
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cationic
acid
starch
vinyl
glue
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Application number
JP56162384A
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English (en)
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JPS5865073A (ja
Inventor
Juzo Tsunoda
Yutaka Minegishi
Kazutaka Yamashita
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP16238481A priority Critical patent/JPS5865073A/ja
Publication of JPS5865073A publication Critical patent/JPS5865073A/ja
Publication of JPS6316515B2 publication Critical patent/JPS6316515B2/ja
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は糊料組成物、更に詳しくは糊付け時の
浴比が大きい条件下に於て種々の織物に対して有
効に吸着し且つ保存時の安定性の優れた糊料組成
物に関する。 糊料には従来、澱粉が用いられていたが、使い
易くするために種々の改良が行なわれ、現在は冷
水に稀釈が容易であり、使用が簡単で便利な安定
な糊料として液状糊料が開発され、カルボキシメ
チルセルローズ、澱粉、ポリビニルアルコール
等々の10〜15重量%水溶液に消泡剤、防黴剤、螢
光増白剤、香料等が配合されたものが使用されて
いる。 しかしながら、これら澱粉、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルローズ等々はガラス
転移温度が80℃以上の硬い高分子化合物(ポリマ
ー)であつて、糊料としては安価であるが衣料に
糊付けして用いると衣料は硬くなりすぎ、紙の様
な風合いを与え、特に皮膚と接触する部位では皮
膚荒れを起こすという不都合がしばしば見られ
る。又、厚み感がなく高級衣料用糊剤としては不
向きである。更には、これらポリマーの水溶液は
濃度が低くても粘度が高く、取り扱いにくいとい
う欠点を持つている。 これらの欠点を除くものとして、ポリ酢酸ビニ
ル乳濁液(エマルジヨン)が使用されているが、
ポリ酢酸ビニルの衣料への吸着性が悪い為に該エ
マルジヨンを少量の水で稀釈して衣料にもみ込む
方法がとられており、不均一な糊剤付着を生じる
欠点を生じた。 これら従来の糊料基剤のもつ欠点を改善すべく
種々検討され、近時、糊料基剤にカチオン荷電を
保持させる新規な糊料組成物が提案されている
(例えば、特開昭53―70191号、同53―94688号、
同52―53086号公報等々)。 これらカチオン荷電を帯びた即ちカチオン性重
合体エマルジヨンの製造方法としては非イオン性
水溶性ポリマーの存在下でカチオン性界面活性
剤、カチオン性ビニル重合体、カチオン性単量体
等々でカチオン荷電を帯びさせる方法である。 かかるカチオン性重合体エマルジヨンからなる
カチオン荷電糊料組成物としてカチオン性ポリ酢
酸ビニルエマルジヨンを使用したものが知られて
いるが、繊維に一旦吸着した糊料が中々とれない
という蓄積性を有し、糊落ち性が悪いという欠点
があるとされ、かかる蓄積性乃至累積性の欠点を
防止するためにクロトン酸を酢酸ビニルと共重合
したカチオン性ポリ酢酸ビニルエマルジヨンが提
案されている(特開昭56―88414号公報)。 併しながら、かかる不飽和カルボン酸を共重合
せしめたビニル共重合体エマルジヨンは保存時の
エマルジヨンの安定性について問題がある。即
ち、保存時液のPHが著しく低下し、液の黄変が大
きく、又粘度の低下が見られる等の欠点がある。
而してこれらの欠点は糊料の皮膚に対する刺激性
を増大させ、糊料の商品価値を低下させるため、
家庭用糊料組成物としてはこれら安定性の問題を
解決することが望まれる。 本発明者らは、カチオン性糊料としての高級着
性をもち、且つ糊落ち性もよい糊料基剤について
種々検討を重ねた結果、ビニル単量体と不飽和カ
ルボン酸アルカリ土類金属塩を共重合させる際に
カチオン性ポリマーを共存させることによつて得
られるカチオン性糊料基剤は所斯の性能を満足
し、且つ前記の不飽和カルボン酸を共重合させた
エマルジヨンの安定性の問題も殆んど解消された
ものであることを見出し、本発明に到つたもので
ある。 本発明のカチオン性糊料基剤は高吸着性を有す
ると共に、糊落ち性も良く、且つ保存安定性に優
れたものである。即ち、保存中液のPH低下の程度
が抑えられ、液の黄変が少なく、又液の粘度が低
下することもない。 本発明において使用されるビニル単量体は酢酸
ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル等等の
低級脂肪酸ビニルエステル、好ましくは酢酸ビニ
ルが先ず例示されるが、更には次の(1)〜(7)に示
す、これら低級脂肪酸ビニルエステル好ましくは
酢酸ビニルと共重合可能な単量体(この際は低級
脂肪酸ビニルエステル:共重合可能な下記単量体
=80:20〜100:0(重量比))もあわせ使用され
る。 (1) アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸エチル、の様な
アクリル酸、メタクリル酸のアルキルエステル (2) α,βのエチレン性不飽和ジカルボン酸のジ
エステル、例えばジブチルマレエート、ジエチ
ルマレエート、及びこれに相当するフマレー
ト、イタコネート、シトラコネート (3) スチレン、エチレン (4) 塩化ビニルのようなハロゲン化ビニル (5) 塩化ビニリデンのようなハロゲン化ビニリデ
ン (6) α,βエチレン性不飽和カルボン酸アミド及
びそのNアルキロール誘導体、例えばアクリル
アミド及びNメチロールアクリルアミド (7) 先に使用した低級脂肪酸ビニルエステルと異
なつた低級脂肪酸ビニルエステル これら共重合可能な単量体としては好ましく
は、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエス
テル、エチレンが挙げられる。 本発明において使用される不飽和カルボン酸ア
ルカリ土類金属塩の不飽和カルボン酸としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、アコニチン酸、ソ
ルビン酸、ケイ皮酸、α―クロロソルビン酸、シ
トラコン酸、p―ビニル安息香酸等等の酸の他、
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸の様な不飽和
ポリカルボン酸のアルキル半エステルが挙げられ
る。これらの不飽和カルボン酸のうち好ましい例
示としては、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸モノアルキルエステルが挙げられ、特に好ま
しくはクロトン酸である。 アルカリ土類金属塩としてはマグネシウム塩、
カルシウム塩、バリウム塩が挙げられ、特に好ま
しくはマグネシウム塩である。 従つて本発明の実施に当つてはクロトン酸マグ
ネシウム塩が適当である。 本発明においてビニル単量体と不飽和カルボン
酸アルカリ土類金属塩との共重合時に併存させる
カチオン性ポリマーとしてはカチオン性セルロー
ズ若しくはカチオン性澱粉(特に水溶性でカチオ
ン基が4級アンモニウムカチオン基であるものが
好ましい)、又はカチオン性ビニル重合体、カチ
オン性ジアリル化合物の閉環重合体等が挙げられ
る。 カチオン性澱粉又はカチオン性セルローズとし
ては例えば次式(1)に示されるものが好ましい。 (式中、A:澱粉残基又はセルローズ残基、
R:アルキル基又はヒドロキシアルキレン基、
R1,R2,R3:同じか又は異なつており、アルキ
ル基、アリール基、アラルキル基又は式中の窒素
原子を含んで複素環を形成してもよい。X:アニ
オン(塩素、臭素、沃素、硫酸、スルホン酸、メ
チル硫酸、リン酸、硝酸等)、l:正の整数) かかるカチオン性澱粉は例えばアルカリ性条件
下で澱粉にグリシジルトリメチルアンモニウムク
ロライド又は3―クロル―2―ヒドロキシプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライドを反応させ
て得ることができる。又、ジメチルアミノエチル
化澱粉を4級化して得ることもできる。更にでん
ぷんに4―クロルブテントリメチルアンモニウム
クロライドを反応させて得ることもできる。一
方、カチオン性セルローズは例えばヒドロキシエ
チルセルローズに上記の反応を行わせしめること
により得ることができる。 カチオン性セルローズ又はカチオン性澱粉のカ
チオン置換度は0.01〜1、即ち無水グルコース単
位当り0.01〜1、好ましくは0.02〜0.5個のカチオ
ン基が導入されたものが好ましい。置換度が0.01
以下では十分でなく、又1以上でもかまわない反
応収率の点より1以下が好ましい。 又、カチオン性ビニル重合体としては次の式(2)
〜(5)で表わされるものが例示される。 (式中、R4:水素原子又はメチル基、R5,R6
R7:同じか異なつており水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基又は置換アルキル基、Y:酸素原
子又はアミド結合中のNH基、X:式(1)と同じ、
m:1乃至10の整数) (式中、R8,R9,R10:同じか異なつており水
素原子、炭素数1〜2のアルキル基又は置換アル
キル基、X:式(1)と同じ) (式中、X:式(1)と同じ) ポリ(N―ビニル―2,3―ジメチルイミダゾ
リニウムクロライド) カチオン性ジアリル化合物の閉環重合体として
は次式(6)で表わされるものが例示される。 (式中R′,R″は同じか又は異なつており炭素
数1〜2のアルキル基、置換アルキル基を表わ
し、Xはアニオンを表わす。) カチオン性ポリマーの水溶液の粘度は1%水溶
液としては5〜1000cps(センチポイズ)(20℃)、
好ましくは10〜500cpsがよい。 本発明におけるこれら3成分の相対的含有量は
ビニル単量体を100重量部含有する場合、このビ
ニル単量体重合物を衣類等に吸着させるカチオン
性ポリマーは0.01〜5重量部(好ましくは0.2〜
3重量部)要し、更にこのカチオン性ポリマーを
ビニル単量体重合物に固定する為のビニル単量体
と共重合する不飽和カルボン酸アルカリ土類金属
塩は0.1〜15重量部(好ましくは0.5〜10重量部)
必要である。不飽和カルボン酸アルカリ土類金属
塩の絶対含有量が多くなつても性能上は問題はな
いが、カチオン性ポリマーの使用量が多くなるの
で経済的ではない。又、不飽和カルボン酸アルカ
リ土類金属塩の絶対含有量が少ないとカチオン性
ポリマーのビニル単量体と不飽和カルボン酸アル
カリ土類金属塩共重合体への固定が弱くなり本発
明の効果が減ぜられる。 本発明の糊料組成物を使用して糊付けした場合
は常温で乾燥しただけでアイロンがけ処理した後
と同様の糊付け効果を発現することができる。
又、本発明の糊料組成物は通常の洗濯におけるア
ルカリ性条件下で可溶化あるいは膨潤し、糊落ち
性が大きい特徴を有する。 本発明においては、ビニル単量体と不飽和カル
ボン酸アルカリ土類金属塩とを共重合させる際に
カチオン性ポリマーを共存させることを要する
が、ビニル単量体と不飽和カルボン酸アルカリ土
類金属塩との共重合に際して次の諸成分をその目
的に応じて必要量共存させても良い。 カチオン性界面活性剤を乳化剤として使用出来
る。カチオン性界面活性剤の例としては、アルキ
ルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチ
ルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルアン
モニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニ
ウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルキノ
リニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ステ
アリルアミドメチルピリジニウム塩、アシルアミ
ノエチルメチルジエチルアンモニウム塩、アシル
アミノエチルピリジニウム塩、アルコキシメチル
ピリジニウム塩、1―メチル―1―アシルアミノ
エチル―2―アルキルイミダゾリン、ジアシルア
ミノプロピルジメチルアンモニウム塩、ジアシル
アミノエチルメチルアンモニウム塩、ジアルキル
ジ(ポリオキシエチレン)アンモニウム塩、ジア
ルキルメチルポリオキシエチレンアンモニウム塩
などが挙げられる。 アニオン性界面活性剤を乳化剤として使用出来
る。アニオン性界面活性剤としてはラウリルアル
コールのようなC8〜C18アルコールの硫酸エステ
ルのナトリウム、カリウム塩であらわされる高級
脂肪アルコール硫酸塩、C8〜C18の脂肪酸のナト
リウム、カリウム、トリエタノールアミンのよう
なエタノールアミン塩、例えばオレイン酸トリエ
タノールアミン、ステアリン酸トリエタノールア
ミン、ロート油、硫酸化リシノレイン酸のような
スルホン化合物、ナトリウムt―オクチルベンゼ
ンスルホネート、ナトリウムt―オクチルフエノ
ールスルホネートのようなスルホン化アルキルア
リール化合物が例示される。 非イオン性界面活性剤を必要に応じて乳化剤と
して添加使用することが出来る。非イオン性界面
活性剤の例は、C718アルキル基と9〜30又はそ
れ以上のエチレンオキサイド単位をもつアルキル
フエノキシポリエトキシエタノール、例えばヘプ
チルフエノキシポリエトキシエタノール、オクチ
ルフエノキシポリエトキシエタノール、メチルオ
クチルフエノキシポリエトキシエタノール、ノニ
ルフエノキシポリエトキシエタノール、ドデシル
フエノキシポリエトキシエタノール等、又はメチ
レン結合で連結したアルキルフエノールのポリエ
トキシエタノール誘導体、ノニル、ドデシル、テ
トラデシル等のメルカブタンや、C615アルキル
チオフエノールと必要な量のエチレンオキサイド
を縮合させた硫黄を含む乳化剤、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、トール
油混合酸のような長鎖カルボン酸のエチレンオキ
サイド誘導体、疎水性炭化水素鎖をもつエーテル
化した、又はエステル化したポリヒドロキシ化合
物のエチレンオキサイド誘導体である。非イオン
性界面活性剤はHLBが12〜19、好ましくは15〜
18のものが用いられる。 長期間にわたつて安定なエマルジヨンを得るた
めに非イオン性水溶性ポリマーを併用出来る。非
イオン性水溶性ポリマーとしてはポリビニルアル
コール、化工澱粉或るいはセルローズ誘導体等が
挙げられる。本発明に用いることのできる化工で
んぷんは水溶性の化工でんぷんであり、例えばヒ
ドロキシエチレン化でんぷん、ヒドロキシプロピ
ル化でんぷん等を挙げることができる。又、本発
明に用いることのできるポリビニルアルコールと
しては酢酸ビニルホモポリマー又は酢酸ビニルと
他のモノマーのコポリマーの完全又は不完全鹸化
物、又はこれらを例えばアルデヒド等により化工
したポリビニルアルコール誘導体であつて、その
5%水溶液粘度が30℃で5〜10000センチポイズ
を示すものが例示される。本発明に用いることの
できる非イオン性セルローズ誘導体は水溶性のヒ
ドロキシアルキル化セルローズ又はアルキルセル
ローズであり、その5%水溶液粘度が30℃で5〜
10000センチポイズを示すものであり、例えばヒ
ドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピル
セルローズ、メチルセルローズ(メチル化度10
%)等を挙げることができる。更にアニオン性セ
ルローズ誘導体であるカルボキシメチルヒドロキ
シエチルセルローズなども使用し得る。これらの
添加量はカチオン性ポリマー糊料基剤エマルジヨ
ン系に対して0〜10重量%、好ましくは1.0〜4.0
重量%である。 本発明の共重合に用いる重合開始剤としては過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2′―ア
ゾビス(2―アミジノプロパン)、過硫酸水素、
t―ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、t―ブチルパーオキサイ
ド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロ
ヘキサノンパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸
等を用いることが出来る。 添加量はビニル単量体に対し0.01〜5.0重量%
の範囲で使用するのがよい。 反応温度は40〜120℃、好ましくは50〜90℃で
あり、重合時のPHは3〜9、好ましくは4〜8で
行う。この際、緩衝剤として炭酸ナトリウム、重
炭酸ナトリウム、オルソリン酸ナトリウム、第二
リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、塩化
ナトリウム、硫酸ナトリウムの如き無機塩を0〜
2、好ましくは0.1〜1重量%用いるのがよい。 従つて、本発明のカチオン性ポリマー糊料基剤
の最終エマルジヨンは例えば次の各成分含有量と
なるのが望ましい。
【表】 性剤若しくはアニオン
性界面活性剤
【表】 即ち、本発明の好ましい糊料組成物は上記の如
き組成で乳化重合して得られるが、添加方法は全
ての成分を同時に添加して反応させてもよいが、
より好ましくは、ビニル単量体の一部及び重合開
始剤等の添加剤を仕込んだ反応容器中にビニル単
量体及び不飽和カルボン酸アルカリ土類金属塩水
溶液を夫々滴下していく方法が好ましい。 本発明にかかわる乳濁液を得るための乳化重合
法はビニル単量体を不飽和カルボン酸アルカリ土
類金属塩と共重合する際にカチオン性ポリマーを
共存させて共重合させる方法である。 本発明に係る糊料組成物に用いられる乳濁液は
ポリビニルアルコール、非イオン性化工でんぷん
若しくは非イオン性セルローズ誘導体等の水溶性
非イオン性ポリマーを含まないものであつても、
充分に糊料組成物として用いられるものである
が、更に、ポリビニルアルコール、非イオン性化
工でんぷん若しくは非イオン性セルローズ誘導体
等をカチオン性ビニル共重合体と同時に用いれば
ビニル共重合体の乳濁液は更に安定になり、又、
布に与える物性、つまり“張り”が更に向上する
効果がある。ここにおいて“張り”が大きくなる
と、例えばYシヤツやブラウスに糊付けアイロン
がけをしたときに、しわのないパリツとした感じ
を与え、その持続効果が大きくなる。しかし、一
方、そのため皮膚と接触する部分においては、体
温により軟らかくなつていて、糊付した部分が皮
膚を刺激し、いためるようなことはないし、又、
汗によつて簡単に糊料が溶かし出され人の皮膚に
ベトつくように付着するようなものでもない。こ
の点において、同じに糊料といつても接着剤や、
紡織用糊料は、接着力が強く、即ちポリマーとし
て硬いものが賞用され、或るいは、水洗により極
めて容易に洗い落されるポリマーが賞用されるの
と異なる。 本発明の糊料組成物にはカチオン性ポリマー糊
料基剤の他に更に必要に応じて、一般の高分子エ
マルジヨン用の添加剤、例えば、ジブチルフタレ
ート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペー
ト、トリアセチン等々の如き可塑剤、エチレング
リコール、プロピレングリコール、エタノールの
如き凍結防止剤、その他香料、殺菌剤、防腐剤、
螢光染料、顔料などが添加できる。 本発明の糊料組成物を使用するに当つては、従
来の糊料組成物を用いる方法、即ち衣類に対する
糊料組成物稀釈の水量、所謂、浴比を1:1〜
1:4程度にする方法でも使用することが出来る
が、最も効果的に使用するには浴比を1:10〜
1:100、好ましくは1:15〜1:40にして用い
ると良い。かような浴比の増大は均一な糊付けを
可能にし、しかも家庭において使用する場合、電
気洗濯機の様な連続的な強い撹拌力を与え、糊付
け剤水溶液を流動させ糊付けさせると糊付け剤は
厚地にはよく吸着する反面、薄地に対しては吸着
性が少ないという効果を生ずる。従つて、シーツ
の如き厚地に対しては非常に吸着性がよく、一
方、ワイシヤツ、プラウスの様な衣類に対しては
身項部分等の生地一重の部分の糊付け剤の吸着性
は衿、カフス等の生地二重又は芯地の入つている
部分の糊付け剤の吸着性に比較して吸着量が少な
く、仕上げ効果は従来のものに比して優れたもの
となる。この様な仕上げ効果は非イオンあるいは
陰イオン性である従来の糊付け剤では達成され得
なかつたものであり、更に不飽和カルボン酸アル
カリ土類金属塩を共重合させていない従来のカチ
オン性糊料に比しても優れたもので、浴比増大、
撹拌力を付与することは従来の非カチオン性糊付
け剤では何ら意味をもたなかつた。本発明の糊料
組成物を用いる際の撹拌力は糊料組成物の水溶液
が連続又は断続的な撹拌機械力を与えられるもの
でよく、例えば家庭で本発明の糊料組成物を用い
た場合の撹拌力としては、パルセーター、アジテ
ーター又はタンブラー式の洗濯機を用いると好都
合である。 本発明の糊料組成物を用いて糊付けする際の糊
料組成物の衣類重量に対する比率は衣類重量に対
し糊料組成物有効分(固形分)0.2〜3重量%、
好ましくは0.4〜2重量%である。 以下、本発明の具体的な実施例を詳述するが、
本発明はこれら実施例に制約されるものではな
い。例中の部は重量部である。 実施例 1 窒素導入管、撹拌機、モノマーの定量滴下装
置、温度計、還流冷却器を取り付けた5つ口セパ
ラブルフラスコにトリメチルアミノヒドロキシプ
ロピル化澱粉 (窒素含有率0.6%、1%水溶液粘度40センチ
ポイズ) 30部、イオン交換水450部を加え80℃にて溶解
し60℃まで冷却してから酢酸ビニル20部、過硫酸
カリウム2部とイオン交換水20部の重合開始剤溶
液を加え、70℃に昇温し重合を開始した。重合開
始20分後から300分間にわたり、クロトン酸マグ
ネシウムx部をイオン交換水100部に溶解した液
及び酢酸ビニルy部を滴下した。添加終了後80℃
に昇温し反応を終結させた。 酢酸ビニルモノマーとクロトン酸マグネシウム
の比率を種々変化させ合成したカチオン性ポリマ
ー糊料基剤の糊付け効果測定結果を第1表に示
す。尚、糊付効果測定は次の方法により行なつ
た。 (糊付け試験) ターゴトメーター型洗浄試験機を使用し、イオ
ン交換水500ml、上記のようにして合成した糊料
を固形分で0.3g、洗浄槽(1000ml内容積)に入
れよく分散させた後60芯木線布20gを入れ100回
転/分の回転速度で3分間撹拌糊付けする。脱水
後風乾し25℃、65%相対湿度の恒温恒湿室に一昼
夜静置した後糊付け効果試験に供する。 糊付け効果試験 (1) 純曲げ試験法 上記糊付け試験により糊付けした木綿布を2cm
×2.5cmになる様に切断し、10枚を一組として、
純曲げ試験機(加藤鉄工所製)を用いて、25℃65
%相対湿度の恒温恒湿室内において、曲げ剛性
(g・cm)を測定した。 (2) 官能検査法 通常の家庭用洗濯機を用い30の水道水に糊付
基剤を有効分で20g添加し、よく分散させ1000g
木綿シーツを添加し3分間撹拌糊付けする。脱水
機で30秒脱水した後、風乾する。上記の方法で糊
付け処理した布の張りについて10名による触感テ
ストを一対比較(対照はクロトン酸マグネシウム
を共重合しない基剤で処理した木綿シーツ)によ
り行ない各基剤の性能を評価した。 +2:張りがある +1:やや張りがある 0:対照と同じ −1:やや張りがない −2:張りがない とし、表中の数字はそれぞれの評価を与えた人
数を示す。 (3) 糊落ち易さ試験 糊付け試験において糊付け風乾した木綿布を
130℃で1分間アイロンプレスを行い然る後に1
片5gになる様に切断した。ターゴトメーター型
洗浄試験機を用い1000mlのイオン交換水、及び市
販合成洗浄剤(1g)を使用して該糊付け布を浴
比1/200、回転速度100回転/分で10分間洗浄し、
然る後水洗、脱水、風乾した後に更に130℃1分
間アイロンプレスし次いで25℃、65%相対湿度の
恒温恒湿室に一昼夜保存する。 該試料布を純曲げ試験機で曲げ剛性を測定す
る。 a=洗濯後の曲げ剛性(糊付け後)―洗濯後の曲
げ剛性(糊付け前) b=洗濯前の曲げ剛性(糊付け後)―洗濯前の曲
げ剛性(糊付け前) 糊落ち易さ(%)=b―a/b×100
【表】 実施例 2 実施例1の第1表No.4において、ポリビニルア
ルコール(部分鹸化物、鹸化度88%、重合度
1400)5部をトリメチルアミノヒドロキシエチル
化澱粉とともに添加し、溶解冷却後、ポリオキシ
エチレン(20)ラウリルアルコール9部、炭酸ナ
トリウム0.3部も加え、酢酸ビニルとともに滴下
する共重合モノマーとして、クロトン酸マグネシ
ウム12部又はクロトン酸カルシウム13部を加えて
重合した。又、上記処方でのカチオン性澱粉に代
えてカチオンセルロース、共重合モノマーとして
クロトン酸カルシウムの重合も行い、又、対照と
して共重合モノマーのない場合、カチオン性ポリ
マーのない場合の試料も調製した。 合成したカチオン性ポリマー糊料基剤の糊付け
効果を実施例1と同様に測定した。結果を第2表
に示す。
【表】
〔PH安定性試験〕
試料糊料組成物100gをガラスびんに入れ、50
℃の恒温機中に一定期間保存し、保存前後のPHの
変化を測定する。PH測定方法は、試料液をイオン
交換水で100倍に稀釈して、25℃でPHメーターを
用いて測定した。 なお、本実施例ではすべての試料を炭酸ソーダ
を用いて保存前のPHを5.5に調整した後、保存試
験を行なつた。 〔黄変性〕 試料糊料組成物100gをガラスびんに入れ、50
℃の恒温機中に一定期間保存し、保存前後の色相
を測色色差計(日本電色工業(株)、
TypeND101DC)で測定し、b値で黄変性の尺
度とした。(b値が大きくなる程、黄色側に行く
ことを示す。) 〔粘度変化〕 試料糊料組成物100gをポリエチレン容器に入
れ、40℃の恒温室中に一定期間保存し、保存中の
試料の粘度変化を追跡した。 粘度測定は30℃で、B型粘度計、ローター
#2,12回転で行なつた。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ビニル単量体と不飽和カルボン酸アルカリ土
    類金属塩とを共重合させる際にカチオン性ポリマ
    ーを共存させることによつて得られるカチオン性
    糊料基剤を含有する糊料組成物。 2 ビニル単量体が低級脂防酸ビニルエステルで
    ある特許請求の範囲第1項記載の糊料組成物。 3 不飽和カルボン酸アルカリ土類金属塩がクロ
    トン酸マグネシウムである特許請求の範囲第1項
    又は第2項記載の糊料組成物。
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JPS5688414A (en) * 1979-12-19 1981-07-17 Hoechst Gosei Kk Nonstaining cation emulsion and nonstaining fiber paste

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