JPS6235305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、横回し式引起し装置を刈取装置の前
側で左右方向に並設するとともに、縦回し式の強
制掻上げ装置を前記横回し式引起し装置の側部に
配設してある刈取機に関する。

従来、この種の刈取機では、前記強制掻上げ装
置を、前記横回し式引起し装置の側部に配設した
姿勢で、その上部及び下部を刈取機本体に螺着等
によつて固定していた。従つて、上記従来の刈取
機では、圃場における植立径稈の倒伏方向や刈取
形態の変更に応じて径稈掻上げが正しくなされる
ように前記強制掻上げ装置の位置を、前記両横回
し式引起し装置の間に配設する姿勢に変更する必
要性が生じるが、その際に、前記強制掻上げ装置
の位置変更をするのに螺着等による固定状態から
移動可能な状態に螺子を緩める等の作業を行わな
ければならず、簡便性に欠けているという欠点が
あり、そのため、その姿勢切換えが面倒であり、
もつて、刈取作業能率の低下を招き易い問題があ
つた。

本考案は、上述の問題点を解決しようとするも
ので、前記強制掻上げ装置の姿勢切換えを、楽な
姿勢で行えるとともに、簡単な操作で行うことの
できる刈取機の提供を目的とする。

即ち、本考案による刈取機は、冒記したものに
おいて、前記縦回し式の強制掻上げ装置に対する
動力伝達機構を、前記強制掻上げ装置が並設引起
し装置の中央前方に位置する第１姿勢と一方の引
起し装置の横外側前方に位置する第２姿勢との何
れの姿勢にあつても動力伝達可能な伸縮伝動軸か
ら構成するとともに、前記縦回し式の強制掻上げ
装置の上部に、この強制掻上げ装置の前記両姿勢
への姿勢変更作動を案内する案内部材と、各姿勢
の夫々で強制掻上げ装置の位置を固定する固定部
材とからなる上部支持機構を設け、前記強制掻上
げ装置の下部には、左右方向に並設した分草デバ
イダーの支持杆に対して少なくとも左右方向に移
動不能に係合支持させる機構を設けてあることを
特徴とするものであるから、植立径稈の倒伏方向
や刈取形態の変更などに応じて前記強制掻上げ装
置を第１姿勢又は第２姿勢に切換える際、強制掻
上げ装置の上部に存在する前記上部支持機構を、
前記固定部材による固定ならびに固定解除操作す
ることと、前記案内部材にて案内することと、前
記分草デバイダーとの係合支持ならびにその解除
をすることによつて、作業者は楽な立姿勢でその
切換えを行えるとともに、強制掻上げ装置を所定
の姿勢で固定ならびに固定解除するための螺子締
めや、その緩め等の煩雑な作業のない簡便で迅速
な姿勢切換えを行えるようになり、さらに、第
１、第２両姿勢において強制掻上げ装置の下部を
分草デバイダー支持杆に係合支持させて左右移動
を阻止することにより、作用時には後方への外力
（押圧力）を最も強く受ける状態にある強制掻上
げ装置を、その上部においてのみ固定するもので
あり乍ら、不測の姿勢変化のないように確実に姿
勢保持させて所期の掻上げ作用を良好に行なわせ
られるに至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、脱穀装置１を備えた本機Ａに対して刈取部
Ｂを駆動昇降自在に構成してあるコンバインにお
いて、前記刈取部Ｂは次の如く構成する。

バリカン型刈取装置２の前部に、２条の植立茎
稈を後方上方に引起す一対の横回し式引起し装置
３，３を、それらの引起し爪３ａ，３ａの先端同
志が互いに対向する状態で左右横方向に並設し、
この並設引起し装置３，３と前記脱穀装置１との
間に、刈取茎稈を漸次横倒れ姿勢に変更し乍ら脱
穀フイードチエーン４に搬送供給する縦搬送装置
５を架設するとともに、前記刈取装置２直後方の
刈取伝動ケース６から前記並設引起し装置３，３
間の中央部及び並設引起し装置３，３の横外側部
を夫々通して前方に分草デバイダー７…の支持杆
８…を延設し、かつ、前記隣接分草デバイダー
７，７…間に形成される前記並設引起し装置３，
３への茎稈導入経路９Ａ，９Ｂのうち、操縦部１
０側に位置する茎稈導入経路９Ａの横巾l₁を他方
の茎稈導入経路９Ｂの横巾l₂よりも大に構成して
いる。

前記分草デバイダー７…と並設引起し装置３，
３との間に、その係止爪１１ａ，１２ａを機体進
行方向に沿つて前方下方から後方上方に突出移動
させるべく構成してある縦回し式強制掻上げ装置
１１，１２を配置し、これら両強制掻上げ装置１
１，１２のうち、操縦部１０側に位置する一方の
強制掻上げ装置１１を、前記並設引起し装置３，
３間の中央前方部に位置する第１姿勢と一方の引
起し装置３の横外側前方部に位置する第２姿勢と
に前後軸芯周りで揺動切換え自在に構成するとと
もに、前記他方の強制掻上げ装置１２を、前記他
方の引起し装置３の横外側部で、かつ、前記刈取
伝動ケース６から立設した引起し装置３への伝動
筒体１３に固着の伝動ケース１４と前記デバイダ
ー支持杆８とに亘つて位置固定状態で取付けてい
る。

前記可動側強制掻上げ装置１１を前記の２姿勢
に切換え自在に構成するに、前記両引起し装置
３，３の上端部間に亘つて連設した補強フレーム
１５に、クランク状に屈曲加工されたパイプフレ
ーム１６の後端部を、前後軸芯P₁周りで回動のみ
自在に挿嵌支持させるとともに、前記強制掻上げ
装置１１の上端部に姿勢切換え用ハンドル１７を
固着し、このハンドル１７から後方に延出した棒
状部材１８を、前記パイプフレーム１６の前端に
他の前後軸芯P₂周りで回動自在に挿嵌支持させ、
以つて、前記強制掻上げ装置１１を、前記の二つ
の前後軸芯P₁，P₂周りでのパイプフレーム１６の
回動による案内により前記の２姿勢に切換え自在
に構成している。

而して、前記可動側強制掻上げ装置１１の上部
に、この強制掻上げ装置１１を前記の第１姿勢及
び第２姿勢で固定ならびに固定解除自在なロツク
機構１９を設けるとともに、前記強制掻上げ装置
１１の下部には、前記デバイダー支持杆８，８に
対して少なくとも左右方向に移動不能に係合支持
させる機構２０を設けている。

前記ロツク機構１９は、前記補強フレーム１５
のボス部１５Ａとパイプフレーム１６との間に亘
つて挿抜自在なロツクピンから構成されている。

前記係合支持機構２０は前記デバイダー支持杆
８，８に対して上方から嵌係合可能なほぼ逆Ｕの
字状の部材から構成されている。

また、前記固定側強制掻上げ装置１２の駆動軸
２１と前記可動側強制掻上げ装置１１の駆動軸２
２とを、横方向に伸縮自在な断面六角形状の伝動
軸２３及び自在継手２４，２４を介して連動連結
するとともに、前記伝動軸２３の外周部を覆う伸
縮自在な蛇腹状のカバー２５を、前記両強制掻上
げ装置１１，１２のケース１１Ａ，１２Ａ間に亘
つて固定連結している。尚、前記パイプフレーム
１６、伝動軸２３、および、ロツクピン１９は、
前記強制掻上げ装置１１の上部固定機構２６を構
成している。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取機の実施例を示し、第
１図はコンバイン前部の側面図、第２図は要部の
拡大一部切欠側面図、第３図、第４図は強制掻上
げ装置の第２姿勢と第１姿勢とを示す一部切欠正
面図、第５図は第２図に於ける−線拡大断面
図、第６図は収縮状態にある伝動軸の拡大断面図
である。 ２……刈取装置、３……引起し装置、７……分
草デバイダー、８……支持杆、１１……強制掻上
げ装置、１６……案内部材（パイプフレーム）、
１９……固定部材（ロツクピン）、２０……係合
支持機構、２３……伸縮伝動軸、２６……上部支
持機構、２７……動力伝達機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横回し式引起し装置３，３を刈取装置２の前側
   で左右方向に並設するとともに、縦回し式の強制
   掻上げ装置１１を前記横回し式引起し装置３，３
   の側部に配設してある刈取機において、前記縦回
   し式の強制掻上げ装置１１に対する動力伝達機構
   ２７を、前記強制掻上げ装置１１が並設引起し装
   置３，３の中央前方に位置する第１姿勢と一方の
   引起し装置３の横外側前方に位置する第２姿勢と
   の何れの姿勢にあつても動力伝達可能な伸縮伝動
   軸２３から構成するとともに、前記縦回し式の強
   制掻上げ装置１１の上部に、この強制掻上げ装置
   １１の前記両姿勢への姿勢変更作動を案内する案
   内部材１６と、各姿勢の夫々で強制掻上げ装置１
   １の位置を固定する固定部材１９とからなる上部
   支持機構２６を設け、前記強制掻上げ装置１１の
   下部には、左右方向に並設した分草デバイダー
   ７，７の支持杆８，８に対して少なくとも左右方
   向に移動不能に係合支持させる機構２０を設けて
   あることを特徴とする刈取機。